JP6231775B2 - 正極活物質及びその製造方法、正極、並びに非水系二次電池 - Google Patents
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Description
また、Li硝酸塩と、特定の元素を有する、水に可溶な金属塩等を用いることにより、簡便に正極活物質を製造することができることを見出して、本発明を完成させた。
〔1〕
下記化学式(I)で表されるリチウム含有遷移金属酸化物を含む、正極活物質。
LiaNibMncCo(0.1−d)MdOx (I)
(式(I)中、
Mはスカンジウム(Sc)、イットリウム(Y)、セリウム(Ce)、プラセオジウム(Pr)、ネオジム(Nd)、プロメチウム(Pm)、サマリウム(Sm)、ユーロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)、及びルテチウム(Lu)からなる群より選ばれる少なくとも一種の遷移金属元素であり、
a、b、c、d、及びxは、1.05≦a≦1.25、0.1<b<0.4、0.4<c<0.65、0<d≦0.1、1.9<x≦2.3を同時に満たす。)
〔2〕
前記Mがスカンジウム(Sc)、イットリウム(Y)、セリウム(Ce)、プラセオジウム(Pr)、ネオジム(Nd)、サマリウム(Sm)、ユーロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、ジスプロシウム(Dy)及びイッテルビウム(Yb)からなる群より選ばれる少なくとも一種の遷移金属元素である、前項〔1〕に記載の正極活物質。
〔3〕
Li硝酸塩、並びに、水に可溶なNi、Co、Mn及びMの各金属塩を調製する工程1と、
前記Li硝酸塩、前記各金属塩を水に溶解し、硝酸塩水溶液を作製する工程2と、
前記硝酸水溶液から水を除去し、乾燥体を得る工程3と、
乾燥体から硝酸分を除去して、脱硝乾燥体を得る工程4と、を有し、
下記化学式(I)で表されるリチウム含有遷移金属酸化物を含む、正極活物質を製造する、
正極活物質の製造方法。
LiaNibMncCo(0.1−d)MdOx (I)
(式(I)中、
Mはスカンジウム(Sc)、イットリウム(Y)、セリウム(Ce)、プラセオジウム(Pr)、ネオジム(Nd)、プロメチウム(Pm)、サマリウム(Sm)、ユーロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)、及びルテチウム(Lu)からなる群より選ばれる少なくとも一種の遷移金属元素であり、
a、b、c、d、及びxは、1.05≦a≦1.25、0.1<b<0.4、0.4<c<0.65、0<d≦0.1、1.9<x≦2.3を同時に満たす。)
〔4〕
前項〔1〕若しくは〔2〕に記載の正極活物質、又は、前項〔3〕の正極活物質の製造方法により得られた正極活物質を含む、正極。
〔5〕
前項〔4〕に記載の正極を少なくとも備える、非水系二次電池。
本実施形態に係る正極活物質は、下記化学式(I)で表されるリチウム含有遷移金属酸化物を含む。
LiaNibMncCo(0.1−d)MdOx (I)
(式(I)中、
Mはスカンジウム(Sc)、イットリウム(Y)、セリウム(Ce)、プラセオジウム(Pr)、ネオジム(Nd)、プロメチウム(Pm)、サマリウム(Sm)、ユーロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)、及びルテチウム(Lu)からなる群より選ばれる少なくとも一種の遷移金属元素であり、
a、b、c、d、及びxは、1.05≦a≦1.25、0.1<b<0.4、0.4<c<0.65、0<d≦0.1、1.9<x≦2.3を同時に満たす。)
リチウム含有遷移金属酸化物がMを含むことにより、正極活物質は高い電気特性を有する。Mは、リチウム含有遷移金属内に均一に分散していてもよいし、活物質表面上、あるいは活物質内部に偏在していてもよい。
本実施形態に係る正極活物質の製造方法は、
Li硝酸塩、並びに、水に可溶なNi、Co、Mn及びMの各金属塩を調製する工程1と、
前記Li硝酸塩、前記各金属塩を水に溶解し、硝酸塩水溶液を作製する工程2と、
前記硝酸水溶液から水を除去し、乾燥体を得る工程3と、
乾燥体から硝酸分を除去して、脱硝乾燥体を得る工程4と、を有し、
下記化学式(I)で表されるリチウム含有遷移金属酸化物を含む、正極活物質を製造する方法である。
LiaNibMncCo(0.1−d)MdOx (I)
(式(I)中、
Mはスカンジウム(Sc)、イットリウム(Y)、セリウム(Ce)、プラセオジウム(Pr)、ネオジム(Nd)、プロメチウム(Pm)、サマリウム(Sm)、ユーロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)、及びルテチウム(Lu)からなる群より選ばれる少なくとも一種の遷移金属元素であり、
a、b、c、d、及びxは、1.05≦a≦1.25、0.1<b<0.4、0.4<c<0.65、0<d≦0.1、1.9<x≦2.3を同時に満たす。)
工程1では、原料として、Li硝酸塩、並びに、水に可溶なNi、Co、Mn及びMの各金属塩を調製する。水に可溶な金属塩としては、特に限定されないが、例えば、アンモニウム塩、硝酸塩、塩酸塩、硫酸塩、有機酸塩等が挙げられる。このなかでも、Mの金属塩としては、水への溶解性が良好であること、加熱により金属以外の成分が容易に除去でき、残留塩が少ないことから、硝酸塩、アンモニウム塩が好ましく用いられる。また、上記金属塩として、元素の分散性を向上させる目的でキレート剤があらかじめ配位した塩も好ましく用いることができる。
工程2では、Li硝酸塩、前記各金属塩を水に溶解し、硝酸塩水溶液を作製する。その後、工程3では、硝酸水溶液から水を除去し、乾燥体を得る。乾燥方法としては、特に限定されないが、例えば、加熱したキルンを用いる方法、噴霧乾燥を用いる方法など工業的に一般的に知られた方法を用いることができる。例えば、噴霧乾燥では球状の粒子を得ることができる。溶液の噴霧は、工業的に通常用いられる遠心方式、二流体ノズル方式、高圧ノズル方式等の方法により行うことができ、特に遠心方式で行うことが好ましい。乾燥のための熱源としては、スチーム、電気ヒーター等によって加熱された空気を用いることが好ましい。
工程4では、乾燥体から硝酸分を除去して、脱硝乾燥体を得る。乾燥体から硝酸成分を取り除く脱硝工程の温度は、300℃〜600℃が好ましく、350℃〜550℃がより好ましく、400〜500℃がさらに好ましい。脱硝工程の温度が上記範囲内であることにより、乾燥体内部及び表面の元素均一性を保持することが出来、高い電池性能が得られる傾向にある。
脱硝工程後は、粒子を粉砕及び混合することでより均一性を高めることもできる。また、粒子形状、均質性、電池性能に問題がなければ脱硝乾燥体を直接、焼成工程に用いることもできる。焼成温度は、600℃〜1100℃が好ましく、700℃〜1000℃がより好ましく、750〜900℃がさらに好ましい。焼成時間は、特に限定されず、30分〜100時間が好ましく、1〜50時間がより好ましく、2〜25時間がさらに好ましい。焼成工程を上記条件で行うことにより、均一な粒子形状および高い電池性能が得られる傾向にある。
本実施形態における正極活物質は、サイクル特性、出力特性、高温時の安定性を改良する観点から、適宜コーティングが施されていてもよい。正極活物質のコーティング方法としては、特に限定されないが、例えば、コーティング溶液を正極活物質と混合する含侵法等の方法で行うことができる。コーティング溶液としては、特に限定されないが、例えば、有機溶媒又は水に、金属元素のアルコキサイド、塩、酸化物等が溶解した溶液を用いることができる。このような金属元素としては、特に限定されないが、例えば、アルミニウム(Al)、ビスマス(Bi)、ガリウム(Ga)、ゲルマニウム(Ge)、インジウム(In)、マグネシウム(Mg)、鉛(Pb)、ケイ素(Si)、スズ(Sn)、チタン(Ti)、タリウム(Tl)、亜鉛(Zn)、及びジルコニウム(Zr)からなる群より選ばれる元素が挙げられる。
本実施形態に係る非水系二次電池は、上記正極活物質を含む正極を備え、負極、並びに、溶質及び溶媒を含む非水電解液を含んでもよい。図3に非水系二次電池の概略断面図を示す。図3に示されるリチウムイオン二次電池100は、セパレータ110と、そのセパレータ110を両側から挟む正極120と負極130と、さらにそれらの積層体を挟む正極集電体140(正極の外側に配置)と、負極集電体150(負極の外側に配置)と、それらを収容する電池外装160とを備える。正極120とセパレータ110と負極130とを積層した積層体は、電解液に含浸されている。これらの各部材としては、上記正極活物質を用いること以外は、従来のリチウムイオン二次電池に備えられるものと同様のものを用いることができ、例えば後述のものであってもよい。
本実施形態に係る正極は、上記正極活物質を含む。正極の製造方法としては、特に限定されず、例えば、下記のようにして得られる。まず、上記正極活物質に対して、必要に応じて、導電助材やバインダー等を加えて混合した正極合剤を溶剤に分散させて正極合剤含有ペーストを調製する。次いで、この正極合剤含有ペーストを正極集電体に塗布し、乾燥して正極合剤層を形成し、それを必要に応じて加圧し、厚みを調整することによって、正極が作製される。
負極は、非水系二次電池の負極として作用するものであれば特に限定されず、公知のものを用いることができる。負極としては、特に限定されないが、例えば、負極活物質としてリチウムイオンを吸蔵及び放出することが可能な材料及び金属リチウムからなる群より選ばれる一種以上の材料を含有するものが好ましい。このような材料としては、特に限定されないが、金属リチウムの他、例えば、アモルファスカーボン(ハードカーボン)、人造黒鉛、天然黒鉛、黒鉛、熱分解炭素、コークス、ガラス状炭素、有機高分子化合物の焼成体、メソカーボンマイクロビーズ、炭素繊維、活性炭、グラファイト、炭素コロイド、カーボンブラックに代表される炭素材料が挙げられる。
本実施形態における電解液は、リチウムイオン二次電池の場合、少なくとも非水系溶媒とリチウム塩を含有し、非水系二次電池の電解液として作用するものであれば特に限定されず、公知のものを用いることができる。電解液は、水分を含まないことが好ましいが、本実施形態の奏する効果を阻害しない範囲であれば、ごく微量の水分を含有してもよい。そのような水分の含有量は、電解液の全量に対して、例えば、0〜100ppmである。
0≦X<1 ・・・・・(1)
で表される条件を満足することが好ましい。ここで、上記式(1)中、Xは、非水系電解液に含まれる無機リチウム塩に対する有機リチウム塩のモル比を示す。非水系電解液に含まれる有機リチウム塩の無機リチウム塩に対するモル比が上記範囲にあることによって、無機リチウム塩の高いイオン伝導性能を優先的に機能させることができる。
LiC(SO2R1)(SO2R2)(SO2R3) (2a)
LiN(SO2OR4)(SO2OR5) (2b)
LiN(SO2R6)(SO2OR7) (2c)
ここで、式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6及びR7は、互いに独立して、炭素数1〜8のパーフルオロアルキル基を示す。
本実施形態における非水系電解液には、リチウムイオン二次電池の場合、少なくとも非水系溶媒とリチウム塩とが含有されていればよいが、必要に応じて添加剤がさらに含有されていてもよい。添加剤としては、特に制限はなく、リチウム塩を溶解する溶媒としての役割を担う物質、即ち上記の非水系溶媒と実質的に重複してもよい。また、添加剤は、本実施形態における非水系電解液及び非水系二次電池の性能向上に寄与する物質であることが好ましいが、電気化学的な反応には直接関与しない物質であってもよい。なお、添加剤は1成分を単独で用いても又は2成分以上を併用してもよい。
NC−(CR8R9)2a−CN ・・・・・(2)
ここで、式(2)中、R8及びR9は各々独立して、水素原子又はアルキル基を示し、aは1〜6の整数を示す。アルキル基は、炭素数1〜10であることが好ましい。
本実施形態における非水系二次電池は、正負極の短絡防止、シャットダウン等の安全性付与の観点から、正極と負極との間にセパレータを備えることが好ましい。セパレータとしては、公知の非水系二次電池に備えられるものと同様であってもよく、イオン透過性が大きく、機械的強度に優れる絶縁性の薄膜が好ましい。セパレータとしては、特に限定されないが、例えば、織布、不織布、合成樹脂製微多孔膜が挙げられ、これらの中でも、合成樹脂製微多孔膜が好ましい。合成樹脂製微多孔膜としては、特に限定されないが、例えば、ポリエチレン又はポリプロピレンを主成分として含有する微多孔膜、あるいは、これらのポリオレフィンを共に含有する微多孔膜等のポリオレフィン系微多孔膜が好適に用いられる。不織布としては、特に限定されないが、例えば、セラミック製、ポリオレフィン製、ポリエステル製、ポリアミド製、液晶ポリエステル製、アラミド製など、耐熱樹脂製の多孔膜が用いられる。
本実施形態における非水系二次電池は、上述の非水系電解液、正極活物質を用いて作製した正極、負極及び必要に応じてセパレータを用いて、公知の方法により作製される。例えば、正極と負極とを、その間にセパレータを介在させた積層状態で巻回して巻回構造の積層体に成形したり、それらを折り曲げや複数層の積層などによって、交互に積層した複数の正極と負極との間にセパレータが介在する積層体に成形したりする。次いで、電池ケース(外装)内にその積層体を収容して、電解液をケース内部に注液し、上記積層体を電解液に浸漬して封印することによって、本実施形態の非水系二次電池を作製することができる。あるいは、ゲル化させた電解液を含む電解質膜を予め作製しておき、正極、負極、電解質膜及び必要に応じてセパレータを、上述のように折り曲げや積層によって積層体を形成した後、電池ケース内に収容して非水系二次電池を作製することもできる。本実施形態の非水系二次電池の形状は、特に限定されず、例えば、円筒形、楕円形、角筒型、ボタン形、コイン形、扁平形及びラミネート形などが好適に採用される。
(Li1.2Ni0.175Co0.086Ce0.014Mn0.525O2.028で表される組成を有する正極活物質の調製)
硝酸塩原料であるLiNO3、Ni(NO3)2・6H2O、Co(NO3)2・6H2OCe(NO3)2・6H2O及びMn(NO3)2・6H2Oを、上記正極活物質を5g調製するのに相当する質量を計量し、硝酸塩総量としての濃度が40質量%となるように蒸留水を加え、硝酸塩水溶液とした。次いで、得られた水溶液を260℃で2時間の条件で乾燥し水を除去した後、粉体として回収し、乾燥体とした。続いて、乾燥体を500℃(昇温時間1時間、保持時間1時間)で保持することにより、リチウム以外の金属が保持する硝酸分を除去した。得られた乾燥粉体を容器から一度取り出し、粉砕混合後、830℃(昇温時間1.5時間、保持時間5時間)で焼成し、実施例1の正極活物質5gを得た。ICP測定の結果、得られた正極活物質は上記組成を有することを確認した。
(測定条件)
プラズマガス(PL1):13(L/min)
シースガス(G1) :0.3(L/min)
ネブライザーガス圧 :3.0(bar)
ネブライザー流量 :0.2(L/min)
高周波パワー :1.0(kw)
定量値は市販の原子吸光分析用標準液の分析値と比較することで算出した。
電極はそれぞれ以下のとおりに作製した。
上記で調製した正極活物質を正極活物質として用い、これに、導電助剤として数平均粒子径48nmのアセチレンブラック粉末と、バインダーとしてポリテトラフルオロエチレン(PTFE)とを、4:5:1の質量比で混合した。得られた混合物にエタノールを含ませながら混合し、引き伸ばし、シート状にした。乾燥後、20mgを切り出し、正極シートとした。次に、15.958mmφアルミニウムメッシュに、切り出した正極シートを2トン/cm2で圧着し、真空乾燥し、正極(P)を得た。
負極活物質として数平均粒子径12.7μmのグラファイト炭素粉末及び数平均粒子径6.5μmのグラファイト炭素粉末と、バインダーとしてカルボキシメチルセルロース溶液(固形分濃度1.83質量%)と、ジエン系ゴム(ガラス転移温度:−5℃、乾燥時の数平均粒子径:120nm、分散媒:水、固形分濃度40質量%)とを、90:10:1.44:1.76の固形分質量比で、全体の固形分濃度が45質量%になるように混合して、スラリー状の溶液を調製した。このスラリー状の溶液を厚さ10μmの銅箔の片面に塗布し、溶剤を乾燥除去した後、ロールプレスで圧延して負極(N)を得た。なお、負極(N)において得られた電極における真空乾燥後の合材について、片面あたりの目付量が5.0mg/cm2±3%、片面での厚さが40μm±3%、密度が1.25g/cm3±3%、塗工幅が銅箔の幅200mmに対して150mmになるように溶剤量を調整しながら、上記スラリー状の溶液を調製した。
溶媒としてメチルエチルカーボネート(MEC)及びエチレンカーボネート(EC)を容量比で3:7の溶媒を用い、リチウム塩としてLiPF6を1mol/Lの濃度となるように添加して電解液を調製した。
上述の方法により得られた電極と電解液とを組み合わせることにより、小型非水系二次電池を作製した。具体的な作製方法を以下に示す。
上述のようにして得られた正極(P)と、上述のようにして得られた負極(N)を直径16mmの円盤状に打ち抜いたものとをポリエチレンからなるセパレータ(膜厚25μm、空孔率50%、孔径0.1μm〜1μm)の両側に重ね合わせて積層体を得た。その積層体をSUS製のコイン型電池ケースに挿入した。次いで、その電池ケース内に電解液を0.1mL注入し、積層体を電解液に浸漬した後、電池ケースを密閉して25℃で24時間保持し、積層体に電解液を十分馴染ませて評価用の小型非水系二次電池を得た。
上述のようにして得られた評価用の小型非水系二次電池について、下記の手順に従って初回充放電処理及び初回充放電容量の測定を行った。特定の放電電流における放電容量を測定して非水系二次電池の放電特性を評価した。測定は、アスカ電子(株)製の充放電装置ACD−01(商品名)及びヤマト科学社製の恒温槽IN−804(商品名)を用いて行った。0.2mAの定電流で充電して4.7Vに到達した後、4.7Vの定電圧で合計8時間充電を行った。その後、0.6mAの定電流で2.0Vまで放電した。このときの電池の周囲温度は25℃に設定した。充放電容量(mAh/g)は、電流量(mAh)を、リチウムの挿入脱離に関係のない酸化セリウム(CeO2)を除いた実質的な重量当たりの活物質重量(g)で割り返すことにより算出した。具体的な計算を以下に記載し、その結果を表1に示す。
初回充電容量(mAh/g)=2.165/0.0084×(84.51/86.92)
=265.0(mAh/g)
放電容量も同様の方法により算出した。
なお、18°、37°、45°、64°および65°付近のピークはリチウム含有遷移金属化合物の003面、101面、104面、018面および110面にそれぞれ帰属されるピークを示し、29°、33°、48°および56°付近のピークはMの酸化物の111面、200面、311面および222面に帰属されるピークを示す。
(測定条件)
検出器 :半導体検出器
管球 :Cu
管電圧 :40kV
管電流 :40mA
発散スリット:0.3°
ステップ幅 :0.02°/step
計測時間 :3sec
各原料の仕込み量を変更したこと以外は、実施例1と同様の方法により、Li1.2Ni0.175Co0.071Ce0.029Mn0.525O2.058で表される組成を有する正極活物質5gを得た。XRD測定及び電池評価は実施例1と同様に行った。その結果を表1に示す。
各原料の仕込み量を変更したこと以外は、実施例1と同様の方法により、Li1.2Ni0.175Co0.057Ce0.043Mn0.525O2.086で表される組成を有する正極活物質5gを得た。XRD測定及び電池評価は実施例1と同様に行った。その結果を表1に示す。
各原料の仕込み量を変更したこと以外は、実施例1と同様の方法により、Li1.2Ni0.175Co0.043Ce0.057Mn0.525O2.114で表される組成を有する正極活物質5gを得た。XRD測定及び電池評価は実施例1と同様に行った。その結果を表1に示す。
各原料の仕込み量を変更したこと以外は、実施例1と同様の方法により、Li1.2Ni0.175Co0.029Ce0.071Mn0.525O2.142で表される組成を有する正極活物質5gを得た。XRD測定及び電池評価は実施例1と同様に行った。その結果を表1に示す。
各原料の仕込み量を変更したこと以外は、実施例1と同様の方法により、Li1.2Ni0.175Co0.014Ce0.086Mn0.525O2.172で表される組成を有する正極活物質5gを得た。XRD測定及び電池評価は実施例1と同様に行った。その結果を表1に示す。
各原料の仕込み量を変更したこと以外は、実施例1と同様の方法により、Li1.2Ni0.175Ce0.100Mn0.525O2.2で表される組成を有する正極活物質5gを得た。XRD測定及び電池評価は実施例1と同様に行った。その結果を表1に示す。
各原料の仕込み量を変更したこと以外は、実施例1と同様の方法により、Li1.2Ni0.175Y0.100Mn0.525O2.15で表される組成を有する正極活物質5gを得た。XRD測定及び電池評価は実施例1と同様に行った。その結果を表1に示す。
各原料の仕込み量を変更したこと以外は、実施例1と同様の方法により、Li1.2Ni0.175Dy0.100Mn0.525O2.15で表される組成を有する正極活物質5gを得た。XRD測定及び電池評価は実施例1と同様に行った。その結果を表1に示す。
各原料の仕込み量を変更したこと以外は、実施例1と同様の方法により、Li1.2Ni0.175Eu0.100Mn0.525O2.15で表される組成を有する正極活物質5gを得た。XRD測定及び電池評価は実施例1と同様に行った。その結果を表1に示す。
各原料の仕込み量を変更したこと以外は、実施例1と同様の方法により、Li1.2Ni0.175Mn0.525O2で表される組成を有する正極活物質5gを得た。XRD測定及び電池評価は実施例1と同様に行った。その結果を表1に示す。
各原料の仕込み量を変更したこと以外は、実施例1と同様の方法により、Li1.2Ni0.175Co0.100Mn0.525O2で表される組成を有する正極活物質5gを得た。XRD測定及び電池評価は実施例1と同様に行った。その結果を表1に示す。
Claims (1)
- Li硝酸塩、並びに、水に可溶なNi、Co、Mn及びMの各金属塩を調製する工程1と、
前記Li硝酸塩、前記各金属塩を水に溶解し、硝酸塩水溶液を作製する工程2と、
前記硝酸水溶液から水を除去し、乾燥体を得る工程3と、
乾燥体から硝酸分を除去して、脱硝乾燥体を得る工程4と、を有し、
下記化学式(I)で表されるリチウム含有遷移金属酸化物を含む、正極活物質を製造する、
正極活物質の製造方法。
LiaNibMncCo(0.1-d)MdOx (I)
(式(I)中、
Mはスカンジウム(Sc)、イットリウム(Y)、セリウム(Ce)、プラセオジウム(Pr)、ネオジム(Nd)、プロメチウム(Pm)、サマリウム(Sm)、ユーロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)、及びルテチウム(Lu)からなる群より選ばれる少なくとも一種の遷移金属元素であり、
a、b、c、d、及びxは、1.05≦a≦1.25、0.1<b<0.4、0.4<c<0.65、0<d≦0.1、1.9<x≦2.3を同時に満たす。)
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