JP6226494B2 - 内視鏡用可撓管および内視鏡型医療機器 - Google Patents
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Description
また、特許文献3には、ウレタン系高分子とエステル系高分子とが架橋された構造の樹脂で可撓管の樹脂層を形成したものが開示されている。これにより、N,N−ジメチルホルムアミド等の薬品に対する樹脂層の溶解性を抑えたことが記載されている。
〔1〕可撓性を有する筒状の内視鏡用可撓管基材と、当該内視鏡用可撓管基材を被覆する樹脂層とを有する内視鏡用可撓管であって、
樹脂層が複層であり、当該樹脂層の最外層を構成する層Aがポリエステルエラストマーと、ヒンダードフェノール化合物又はヒンダードアミン化合物とを含み、最外層を構成する層A以外の層Bがヒンダードフェノール化合物及びヒンダードアミン化合物を含まない、内視鏡用可撓管。
〔2〕層Aにおいて、樹脂成分中のポリエステルエラストマーの含有量が50質量%以上である〔1〕に記載の内視鏡用可撓管。
〔3〕層Aが、さらにポリウレタンエラストマー又はポリアミドエラストマーを含有する〔1〕又は〔2〕に記載の内視鏡用可撓管。
〔4〕層Aが、ヒンダードフェノール化合物及びヒンダードアミン化合物をともに含有する〔1〕〜〔3〕のいずれか1つに記載の内視鏡用可撓管。
〔5〕ヒンダードフェノール化合物に対するヒンダードアミン化合物の含有質量比が、ヒンダードフェノール化合物:ヒンダードアミン化合物=1:16〜16:1である〔4〕に記載の内視鏡用可撓管。
〔6〕ヒンダードフェノール化合物の含有量が、層A中の樹脂成分100質量部に対して0.01〜5質量部である〔1〕〜〔5〕のいずれか1つに記載の内視鏡用可撓管。
〔7〕ヒンダードアミン化合物の含有量が、層A中の樹脂成分100質量部に対して0.01〜5質量部である〔1〕〜〔6〕のいずれか1つに記載の内視鏡用可撓管。
〔8〕ヒンダードフェノール化合物が下記式(1)で表される構造部位を有し、ヒンダードアミン化合物が下記式(2)で表される構造部位を有する〔1〕〜〔7〕のいずれか1つに記載の内視鏡用可撓管。
〔9〕ヒンダードフェノール化合物が、下記式(1−1)又は(1−2)で表される〔8〕に記載の内視鏡用可撓管。
〔10〕ヒンダードアミン化合物が下記式(2−1)で表される化合物又は(2−2)で表される繰り返し単位を有する化合物である〔8〕又は〔9〕に記載の内視鏡用可撓管。
〔11〕層Bがポリエステルエラストマー、ポリウレタンエラストマー、およびポリアミドエラストマーから選ばれる少なくとも1つの樹脂を含有する〔1〕〜〔10〕のいずれか1つに記載の内視鏡用可撓管。
〔12〕層Bの樹脂成分中のポリウレタンエラストマーの含有量が50質量%以上である〔11〕に記載の内視鏡用可撓管。
〔13〕樹脂層が内層及び外層の2層からなる〔1〕〜〔12〕のいずれか1つに記載の内視鏡用可撓管。
〔14〕樹脂層全体の厚みに対し、内層及び外層の厚みの割合が、内視鏡用可撓管基材の軸方向において傾斜的に変化している〔13〕に記載の内視鏡用可撓管。
〔15〕内層及び外層は一端における厚みの割合が、内層:外層=5:95〜40:60であり、他端における厚みの割合が、内層:外層=95:5〜60:40であり、両端間において厚みの割合が逆転している〔14〕に記載の内視鏡用可撓管。
〔16〕〔1〕〜〔15〕のいずれか1つに記載の内視鏡用可撓管を具備する内視鏡型医療機器。
〔17〕内視鏡用可撓管基材を被覆する複層の樹脂層をなす樹脂組成物のセットであって、複層の樹脂層の最外層を構成する層に用いられる、ポリエステルエラストマーと、ヒンダードフェノール化合物又はヒンダードアミン化合物とを含む樹脂組成物と、複層の樹脂層の最外層を構成する層以外の層に用いられる、ポリエステルエラストマー、ポリウレタンエラストマー、およびポリアミドエラストマーから選ばれる少なくとも1つを含み、ヒンダードフェノール化合物およびヒンダードアミン化合物を含まない樹脂組成物とを組み合わせた、内視鏡用可撓管基材被覆用樹脂組成物のセット。
本明細書において置換・無置換を明記していない置換基(連結基についても同様)については、所望の効果を奏する範囲で、その基に任意の置換基を有していてもよい意味である。これは置換・無置換を明記していない化合物についても同義である。
可撓管3a(内視鏡用可撓管)は、図2に示すように、最内側に金属帯片11aを螺旋状に巻回することにより形成される螺旋管11に、金属線を編組してなる筒状網体12を被覆して両端に口金13をそれぞれ嵌合した可撓管基材14とし、さらに、その外周面に樹脂層15が被覆された構成となっている。また、樹脂層15の外面に、耐薬品性のある例えばフッ素等を含有したコート層16をコーティングしている。螺旋管11は、1層だけ図示されているが、同軸に2層重ねにして構成してもよい。なお、樹脂層15及びコート層16は、層構造を明確に図示するため、可撓管基材14の径に比して厚く描いている。
樹脂層が内層と外層からなる2層構造の可撓管の製造方法の一例について以下に説明するが、樹脂層が1層あるいは3層以上の態様も、下記方法に準じて製造することができる。
(i)前記内層を構成する、第1樹脂材料を準備し、他方
(ii)前記外層を構成する、第2樹脂材料を準備し、
(iii)前記第1樹脂材料と前記第2樹脂材料とを前記可撓管基材の周囲に溶融混練して押し出し成形し、前記樹脂層を当該可撓管基材に被覆することが好ましい。
本発明の可撓管の樹脂層は単層又は複層からなり、樹脂層の最外層が層A(ポリエステルエラストマーと、ヒンダードフェノール化合物又はヒンダードアミン化合物とを含有する層)からなることが好ましい。ここで樹脂層の「最外層」とは、樹脂層が1層構造である場合には当該樹脂層を意味し、2層以上の複層構造である場合には、可撓管の樹脂層のうち最も表層側の樹脂層を意味する。ただし、本発明の効果を奏する範囲で更に外側の層(トップコートなど)を設けてもよい。
上記ヒンダードフェノール化合物は下記式(1)で表される構造部位を有する化合物であることが好ましく、上記ヒンダードアミン化合物は下記式(2)で表される構造部位を有する化合物であることが好ましい。
上記式(1)中、R1及びR2は、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基(好ましくは炭素数1〜8のアルキル基、例えば、メチル基、エチル基、n−ブチル基、イソプロピル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、t−ペンチル基、t−ヘキシル基、又はt−オクチル基)、または炭素数7〜36(好ましくは7〜30)のアラルキル基である。R1及びR2の少なくとも一方が二級のアルキル基もしくは三級のアルキル基であることが好ましく、R1及びR2の少なくとも一方が三級のアルキル基であることがより好ましい。また、R1及びR2がともに三級のアルキル基(好ましくはt−ブチル基)であることも好ましい。
上記式(1)中、*は結合部位を表す。
Lは単結合又は2価の連結基を示す。Lは、炭素数1〜10(好ましくは炭素数1〜5)のアルキレン基、炭素数2〜10(好ましくは炭素数2〜5)のアルケニレン基、又は−L1−C(=O)−O−L2−で表される基であることが好ましい。ここで、L1及びL2は単結合、炭素数1〜10(好ましくは炭素数1〜5)のアルキレン基、カルボニル基、酸素原子、またはそれらの組合せを示す。
pは2〜4の整数であり、A1は2〜4価の連結基を示す。A1は2〜4価の有機基であることが好ましく、この有機基の炭素数は1〜20であることが好ましく、1〜15であることがより好ましく、1〜12であることがさらに好ましく、1〜10であることがさらに好ましい。
pが3で、A1が3価の連結基である場合、A1は下記式(A)で表される基であることが好ましい。下記式(A)中、*は連結部位を示す。
上記式(2)中、R3〜R6は水素原子または炭素数1〜12(好ましくは炭素数1〜8、より好ましくは炭素数1〜5)のアルキル基を示す。R3〜R6の例としては、メチル基、エチル基、n−ブチル基、イソプロピル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、t−ペンチル基、t−ヘキシル基、t−オクチル基等が挙げられる。R3〜R6は一級の(直鎖の)アルキル基であることが好ましく、より好ましくはR3〜R6の全てが一級のアルキル基(特に好ましくはメチル基)である。
R22は水素原子または炭素数が1〜20(好ましくは炭素数1〜12、より好ましくは炭素数1〜8、さらに好ましくは炭素数1〜6)のアルキル基を示す。L21は単結合又は炭素数1〜20(好ましくは炭素数1〜10)のアルキレン基を示す。RNは式(2−2)と同義である。nは1〜20(好ましくは1〜10)の整数を示す。
樹脂層の層Aが樹脂成分としてポリエステルエラストマー以外の成分を含むとき、この樹脂成分中においてポリエステルエラストマーを除く残部には、より軟質の樹脂としてポリウレタンエラストマー及びポリアミドエラストマーの少なくとも1種が含まれることが好ましく、少なくともポリウレタンエラストマーが含まれることが好ましい。樹脂層の層Aの樹脂成分中、ポリウレタンエラストマーの含有量は5質量%以上であることが好ましく、より好ましくは10質量%以上、さらに好ましくは15質量%以上、さらに好ましくは20質量%以上、さらに好ましくは25質量%以上である。また、樹脂層の層Aの樹脂成分中のポリウレタンエラストマーの含有量は50質量%以下であることが好ましく、より好ましくは40質量%以下、さらに好ましくは35質量%以下である。
また、層Bは主成分がポリアミドエラストマーであってもよい。例えば、ポリアミドエラストマーを含有する層Bにおいて、ポリアミドエラストマーの含有量を樹脂成分中50質量%以上としてもよく、70質量%以上とすることもできる。層B中の樹脂成分のすべてをポリアミドエラストマーとすることもできるが、そうでない場合、残部はポリウレタンエラストマー及び/又はポリエステルエラストマーで構成されることが好ましく、ポリウレタンエラストマーで構成されることがより好ましい。
PU:ポリウレタンエラストマー
PA:ポリアミドエラストマー
HA:ヒンダードアミン
HP:ヒンダードフェノール
( )は任意要素
適用されるエラストマーの分子量は特に限定されないが、好適なハードセグメントを構成し、鎖延長剤のなすソフトセグメントとの良好な相互作用を引き出す観点から、分子量1万〜100万が好ましく、分子量2万〜50万がより好ましく、分子量3万〜30万が特に好ましい。
本発明において、エラストマーの分子量は、特に断らない限り、重量平均分子量を意味する。当該重量平均分子量は、GPCによってポリスチレン換算の分子量として計測することができる。このとき、GPC装置HLC−8220(東ソー社製)を用い、溶離液としては、ポリエステルエラストマーの場合はクロロホルム、ポリウレタンエラストマーの場合はNMP(N−メチル−2−ピロリドン)、ポリアミドエラストマーの場合はm−クレゾール/クロロホルム(湘南和光純薬社製)を用いカラムはG3000HXL+G2000HXLを用い、23℃で流量は1mL/minで、RIで検出することとする。
上記層Bの貯蔵弾性率E’は1MPa以上であることが好ましく、2MPa以上であることがより好ましく、3MPa以上であることが特に好ましい。上限側の範囲は、150MPa以下であることが好ましく、100MPa以下であることがより好ましく、50MPa以下であることが特に好ましい。上記層Bの損失弾性率E”は0.1MPa以上であることが好ましく、0.3MPa以上であることがより好ましく、0.5MPa以上であることが特に好ましい。上限側の範囲は、20MPa以下であることが好ましく、10MPa以下であることがより好ましく、5MPa以下であることが特に好ましい。上記層Bの損失正接は0.01以上であることが好ましく、0.03以上であることがより好ましく、0.05以上であることが特に好ましい。上限側の範囲は、1以下であることが好ましく、0.5以下であることがより好ましく、0.3以下であることが特に好ましい。
なお、本明細書において粘弾性に関する値は、特に断らない限り、25℃の値とする。測定方法は、JIS−K7244−4に準拠する。
樹脂層の層Aの貯蔵弾性率E’は1MPa以上であることが好ましく、5MPa以上であることがより好ましく、10MPa以上であることが特に好ましい。上限側の範囲は、1GPa以下であることが好ましく、500MPa以下であることがより好ましく、300MPa以下であることが特に好ましい。樹脂層の層Aの損失弾性率E”は0.1MPa以上であることが好ましく、0.5MPa以上であることがより好ましく、1MPa以上であることが特に好ましい。上限側の範囲は、100MPa以下であることが好ましく、50MPa以下であることがより好ましく、30MPa以下であることが特に好ましい。樹脂層の層Aの損失正接は0.01以上であることが好ましく、0.03以上であることがより好ましく、0.05以上であることが特に好ましい。上限側の範囲は、1以下であることが好ましく、0.5以下であることがより好ましく、0.3以下であることが特に好ましい。
樹脂層の層Aの100%モジュラス値は、1.0MPa以上であることが好ましく、1.5MPa以上であることがより好ましく、2.0MPa以上であることが特に好ましい。上限側の範囲は、30MPa以下であることが好ましく、25MPa以下であることがより好ましく、20MPa以下であることが特に好ましい。
なお、本明細書においてモジュラス値は、特に断らない限り、25℃の値とする。測定方法は、JIS−K7311に準拠する。
本実施形態に係る樹脂層(特に第2層、外層)のエラストマーが実質的に架橋されていないことにより、内視鏡型医療機器用可撓管の樹脂層として可撓性と折り曲げ耐久性という性能を発揮するため好ましい。
本実施形態の可撓管には、トップコート(コート層)16が適用されている。トップコートの材料は特に制限されないが、ウレタン塗料、アクリル塗料、フッ素塗料、シリコーン塗料、エポキシ塗料、ポリエステル塗料などが適用される。本実施形態の利点である樹脂層との密着性が顕著になり、かつ耐薬品性に優れる観点からは、ウレタン塗料、アクリル塗料、フッ素塗料が好ましい。トップコート層の被膜は通常の方法によればよいが、上記のコーティング成分を所定の溶媒に溶解させた溶液に必要により硬化剤を含有させ、硬化させる態様が挙げられる。硬化処理の仕方は、100〜200℃加熱することなどが挙げられる。
本実施形態におけるトップコートを使用する主な目的は、可撓管表面の保護や艶出し、滑り性の付与、そして耐薬品性の付与である。そのため、トップコートとしては弾性率が高く、かつ表面が平滑になり、耐薬品性に優れるものが好ましい。トップコート単独層での貯蔵弾性率E’は1MPa以上であることが好ましく、5MPa以上であることがより好ましく、10MPa以上であることが特に好ましい。上限側の範囲は、1GPa以下であることが好ましく、500MPa以下であることがより好ましく、300MPa以下であることが特に好ましい。貯蔵弾性率E’を上記下限値以上とすることで、トップコートとしての表面保護機能を発揮することができ、また、上記上限値以下とすることで、得られる可撓管の可撓性を維持することができる。
上記実施形態においては、撮像装置を用いて被検体の状態を撮像した画像を観察する電子内視鏡を例に上げて説明しているが、本発明はこれに限るものではなく、光学的イメージガイドを採用して被検体の状態を観察する内視鏡にも適用することができる。
下記表1および2に記載の配合(質量部)で樹脂混合物(それぞれ外層用および内層用の樹脂混合物)を準備し、テクノベル社製の二軸混練機(製品名:KZW15−30MG)を用いてバレル設定温度210℃で、スクリュー回転数100rpmで溶融混練処理を行い、吐出された溶融状態の樹脂ストランドを水槽で冷却後、ペレタイザーでペレット形状の試料を作製した。
上記可撓管から樹脂を引き剥がし、1cm×10cmサイズで切り出して試験片とし、50℃の0.3%過酢酸水溶液に150時間浸漬、よく表面を水洗した後に23℃×50%RHで24時間乾燥後、テンシロンを用いて伸度50%の引張試験を行った。
AA:伸度150%の引張試験でも破断しなかったもの
A :伸度50%の引張試験にて破断しなかったもの
B :伸度50%の引張試験にて破断しなかったが層間で剥離が発生したもの
C :伸度50%の引張試験にて破断したもの
上記可撓管から樹脂を引き剥がし、1cm×10cmサイズで切り出して試験片とし、55℃の7.0%過酸化水素水に150時間浸漬、よく表面を水洗した後に23℃×50%RHで24時間乾燥後、テンシロンを用いて伸度50%の引張試験を行った。
AA:伸度150%の引張試験でも破断しなかったもの
A :伸度50%の引張試験にて破断しなかったもの
B :伸度50%の引張試験にて破断しなかったが層間で剥離が発生したもの
C :伸度50%の引張試験にて破断したもの
先端部から20cmの位置と同じく40cmの位置を固定し、30cmの位置で15mm押し込み、30秒後の反発力をフォースゲージで測定した。
A:反発弾性が15N以下のもの
B:15N超25N以下のもの
C:25N超のもの
先端部から50cmの位置と同じく70cmの位置を固定し、60cmの位置(可撓管の中心部)で15mm押しこみ、0.1秒後の反発力(A)に対し、30秒後の反発力(B)の比率を弾発性(%)として測定した。
[弾発性(%)]=(B)/(A)×100
A:弾発性が80%以上のもの
B :70%以上80%未満のもの
C :70%未満のもの
上記得られた可撓管を、直径10cmのプーリーの半周部分をU字状になる様に接触させ、先端部および後端部がプーリー端の5cm手前にまで来る位置になる様に一万回往復運動させ、樹脂の状態を目視にて観察した。
A:樹脂の裂けや剥がれが見られないもの
B:一部に剥がれが見られるもの
ポリエステルエラストマー(かっこ内はD硬さ:JIS−K7215)
PE1: 東レデュポン社製ハイトレル4047(40D)
(重量平均分子量:12.3万、100%モジュラス25MPa)
PE2: 東洋紡社製ペルプレンP−40H(38D)
(重量平均分子量:13.2万、100%モジュラス17MPa)
PE3: DSM社製アーニテルEM400(34D)
(重量平均分子量:12.1万、100%モジュラス12MPa)
PE4: 東レデュポン社製ハイトレル3046(27D)
(重量平均分子量:12.8万、100%モジュラス8.0MPa)
PU1: DICバイエルポリマー社製パンデックスT−2190(92A)
(重量平均分子量:18.9万、100%モジュラス11MPa)
PU2: BASF社製エラストランET1080(80A)
(重量平均分子量:12.4万、100%モジュラス5.0MPa)
PU3: 日本ミラクトラン社性ミラクトランE675MNAT(75A)
(重量平均分子量:21.7万、100%モジュラス2.9MPa)
PU4: DICバイエルポリマー社製パンデックスT−5865(65A)
(重量平均分子量:17.2万、100%モジュラス2.3MPa)
PA1: アルケマ社製ペバックス2533(75A)
(重量平均分子量:20.8万、100%モジュラス4.4MPa)
PA2: アルケマ社製ペバックス3533(83A)
(重量平均分子量:17.1万、100%モジュラス6.0MPa)
得られたペレットをTG/DTAを用いて窒素下で220℃一定時間保持し、2%重量減少するまでの時間を求めた。
PE:ポリエステルが配合されていないものを「X」として表記した。
PH:ヒンダードフェノールが配合されていないものを「X」として表記した。
PA:ヒンダードアミンが配合されていないものを「X」として表記した。
前記試験No.111および112の可撓管について、その被覆樹脂をはがさずに、過酢酸および過酸化水素水での処理を行った。処理の条件は実施例1と同様にした。これに対し、内層B−1をB−6に変えた以外同様にして可撓管試験体を作成し、各試験を行った。ただし、耐薬品性については、薬品処理後の可撓管から切り出して評価を行った。試験No.111および112の性能をFairとし、そこから内層樹脂を変更することで、性能の改善(Good)もしくは低下(Bad)が見られるかを確認した。なお、可撓性、弾発性、および折曲耐久性はすべて、薬品処理試験後の可撓管を用いて行った。折曲耐久性については、その往復回数を2万5千回とした。
3 挿入部
3a 可撓管
3b アングル部
3c 先端部
5 本体操作部
6 ユニバーサルコード
11 螺旋管
11a 金属帯片
12 筒状網体
13 口金
14 可撓管基材
14a 先端側
14b 基端側
15 樹脂層
16 コート層
17 内層
18 外層
20 連続成形機(製造装置)
21,22 押し出し部
21a スクリュー
22a スクリュー
23 ヘッド部
24 冷却部
25 搬送部
26 制御部
30 ジョイント部材
31 連結可撓管基材
32 ニップル
33 ダイス
34 支持体
35、36 ゲート
37 成形通路
39 軟質樹脂
40 硬質樹脂
Claims (17)
- 可撓性を有する筒状の内視鏡用可撓管基材と、当該内視鏡用可撓管基材を被覆する樹脂層とを有する内視鏡用可撓管であって、
前記樹脂層が複層であり、当該樹脂層の最外層を構成する層Aがポリエステルエラストマーと、ヒンダードフェノール化合物又はヒンダードアミン化合物とを含み、前記最外層を構成する層A以外の層Bがヒンダードフェノール化合物及びヒンダードアミン化合物を含まない、内視鏡用可撓管。 - 前記層Aにおいて、樹脂成分中のポリエステルエラストマーの含有量が50質量%以上である請求項1に記載の内視鏡用可撓管。
- 前記層Aが、さらにポリウレタンエラストマー又はポリアミドエラストマーを含有する請求項1又は2に記載の内視鏡用可撓管。
- 前記層Aが、ヒンダードフェノール化合物及びヒンダードアミン化合物をともに含有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の内視鏡用可撓管。
- 前記ヒンダードフェノール化合物に対する前記ヒンダードアミン化合物の含有質量比が、ヒンダードフェノール化合物:ヒンダードアミン化合物=1:16〜16:1である請求項4に記載の内視鏡用可撓管。
- 前記ヒンダードフェノール化合物の含有量が、前記層A中の樹脂成分100質量部に対して0.01〜5質量部である請求項1〜5のいずれか1項に記載の内視鏡用可撓管。
- 前記ヒンダードアミン化合物の含有量が、前記層A中の樹脂成分100質量部に対して0.01〜5質量部である請求項1〜6のいずれか1項に記載の内視鏡用可撓管。
- 前記層Bがポリエステルエラストマー、ポリウレタンエラストマー、およびポリアミドエラストマーから選ばれる少なくとも1つの樹脂を含有する請求項1〜10のいずれか1項に記載の内視鏡用可撓管。
- 前記層Bの樹脂成分中のポリウレタンエラストマーの含有量が50質量%以上である請求項11に記載の内視鏡用可撓管。
- 前記樹脂層が内層及び外層の2層からなる請求項1〜12のいずれか1項に記載の内視鏡用可撓管。
- 前記樹脂層全体の厚みに対し、前記内層及び外層の厚みの割合が、前記内視鏡用可撓管基材の軸方向において傾斜的に変化している請求項13に記載の内視鏡用可撓管。
- 前記内層及び外層は一端における厚みの割合が、内層:外層=5:95〜40:60であり、他端における厚みの割合が、内層:外層=95:5〜60:40であり、両端間において厚みの割合が逆転している請求項14に記載の内視鏡用可撓管。
- 請求項1〜15のいずれか1項に記載の内視鏡用可撓管を具備する内視鏡型医療機器。
- 内視鏡用可撓管基材を被覆する複層の樹脂層をなす樹脂組成物のセットであって、前記複層の樹脂層の最外層を構成する層に用いられる、ポリエステルエラストマーと、ヒンダードフェノール化合物又はヒンダードアミン化合物とを含む樹脂組成物と、前記複層の樹脂層の最外層を構成する層以外の層に用いられる、ポリエステルエラストマー、ポリウレタンエラストマー、およびポリアミドエラストマーから選ばれる少なくとも1つを含み、ヒンダードフェノール化合物およびヒンダードアミン化合物を含まない樹脂組成物とを組み合わせた、内視鏡用可撓管基材被覆用樹脂組成物のセット。
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