JP2945249B2 - ポリエステルアミドの製造方法およびポリエステルアミド組成物の製造方法 - Google Patents

ポリエステルアミドの製造方法およびポリエステルアミド組成物の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐薬品性および機械的
強度に優れた成形体を得ることができるポリエステルア
ミドの製造方法;および耐薬品性、機械的強度、耐熱劣
化性および耐水性に優れた成形体を得ることができるポ
リエステルアミド組成物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車分野および工業分野におい
て、耐油性、耐薬品性および可とう性に優れた素材が望
まれている。特に、耐油性および耐ガソリン性に優れた
ホースまたはチューブ用の素材が求められている。現
在、この様な用途には、NBRなどの加硫ゴム、または
可塑化ナイロンが使用されている。しかし、近年におい
ては、環境問題が深刻化しているため、リサイクル不可
能な加硫ゴムの使用は好ましくない。上記加硫ゴムはま
た、製造および加工等のプロセスにおいても環境汚染の
おそれがあるため、好ましくない。
【0003】上記可塑化ナイロンについては、例えば、
特開昭60−173047号公報に開示されている。こ
れによると、可塑化ナイロンを用いて得られる成形体
は、特定の溶媒中での、可塑剤の抽出による物性変化が
懸念されている。ナイロンは、ガラス転移温度が高く、
低温特性が劣るなどの問題点を有しており、さらに、ナ
イロンの可塑化には限界があるため、さらなる柔軟化に
は対応できない。
【0004】このような状況のもと、ナイロンと同程度
の耐薬品性を有し、柔軟性に優れた素材が望まれてい
る。例えば、特開昭61−247732号公報に、柔軟
性に優れたナイロン系素材としてポリアミドエラストマ
ーが開示されている。このような柔軟性に優れたナイロ
ン系素材の多くは、ハードセグメントがナイロンからな
り、ソフトセグメントがポリエーテルからなる、ポリエ
ーテルアミドである。
【0005】このようなポリエーテルアミドは、ポリエ
ーテルセグメントをかなりの割合で含有しているため、
ポリエーテルアミドを用いて得られる成形体の耐薬品性
は著しく低下する。そのため、ポリエーテルアミドは、
耐薬品性が要求される用途には使用できない。
【0006】ポリエステルアミドエラストマーは公知で
あり、これを用いて得られる成形体は、耐薬品性に優
れ、可塑化ナイロンを用いて得られる成形体よりも柔軟
である。このようなポリエステルアミドエラストマーと
しては、ジカルボン酸とジオールとから得られるポリエ
ステル成分をソフトセグメントとして有するものが好ま
しい。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記ポリエステルアミ
ドの製造方法は、特公昭61−36858号公報に開示
されているが、この方法によれば、飽和二量体脂肪酸を
使用する必要があること、反応時間が長いことなどの欠
点を有しており、工業的に容易にポリエステルアミドを
得る方法としては好ましくない。
【0008】上記ポリエステルアミドを用いて得られる
成形体は、耐薬品性および柔軟性には優れているが、耐
水性には問題がある。さらに、上記成形体に長期の耐熱
劣化性を付与することにより、その利用範囲は著しく拡
大するものと予想できるが、上記問題点を解決するため
の有効な方法は提案されていない。
【0009】また、特公昭46−2268号公報には、
ポリアミドと、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジ
オール(ネオペンチルグリコール)および脂肪族ジカル
ボン酸からなるポリエステルとのコポリマーの製造方法
が開示されている。この方法において好適なポリエステ
ルとしてポリ−2,2−ジメチル−1,3−プロパンジ
オールセバケートが提案されているが、このポリエステ
ルの構成成分としてのセバシン酸は比較的コストが高
い。しかも、セバシン酸を主成分として用いた場合に
は、オイル、ガソリンなどの溶剤に対し、膨潤しやす
く、耐薬品性が低下する。この方法で用いられているナ
イロンのほとんどは、低分子量体であるが、本発明者ら
の研究によると、上記公報に記載されているような低分
子量のナイロンを使用した場合には、高温下での物性、
特に高温下での機械的強度に優れたエラストマーを得る
ことは困難である。さらに、上記重合系では反応活性が
低いため、重合に長時間を要し、工業的に好ましいとは
いえない。
【0010】このように、機械的強度および耐薬品性に
優れた成形体を得ることができるポリエステルアミド
を、効率的に製造する方法は提案されていない。そのた
めポリエステルアミドの優れた性質を活かした用途展開
がなされていない。
【0011】本発明は、かかる状況に鑑みてなされたも
のであり、その目的とするところは、機械的強度に優
れ、特に耐薬品性に優れた成形体を得ることができるポ
リエステルアミドの製造方法を提供することにある。本
発明の他の目的は、機械的強度、耐薬品性、耐熱劣化性
および耐水性に優れたポリエステルアミド組成物の製造
方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ポリアミ
ドをポリエステル構成成分に一旦溶解させ均一状態に
し、その後重合することにより、機械的強度および耐薬
品性に優れたポリエステルアミドが得られることを見い
だし、本発明を完成するに至った。
【0013】本発明者らはまた、上記で得られたポリエ
ステルアミドに、特定割合で、特定のヒンダードフェノ
ール系酸化防止剤と、特定のイオウ系酸化防止剤と、モ
ノカルボジイミドとを配合することにより、耐水性およ
び耐熱劣化性が向上することを見いだし、本発明を完成
するに至った。
【0014】本発明のポリエステルアミドの製造方法
は、アジピン酸を主とするジカルボン酸成分、ならびに
エチレングリコールおよびブチレングリコールからなる
群から選択される少なくとも一種を主とするジオール成
分を含有するポリエステル構成成分80〜30重量%に
対して、還元粘度が1.8〜7.0(1g/dL98%
硫酸溶液、20℃)であるポリアミドを20〜70重量
%の割合で溶解させる工程;得られた溶液を150〜2
30℃にして該ポリエステル構成成分をエステル化する
工程;および得られた透明均質溶液に含まれるポリエス
テルとポリアミドとを、減圧下、200〜260℃にて
重合させる工程、を包含する。
【0015】次に本発明を詳しく説明する。
【0016】まず、本発明のポリエステルアミドの製造
方法について説明する。
【0017】本発明で使用される上記ポリエステル構成
成分は、アジピン酸を主とするジカルボン酸成分、およ
びエチレングリコールおよびブチレングリコールからな
る群から選択される少なくとも一種を主とするジオール
成分を含有する。
【0018】上記ジカルボン酸成分は、アジピン酸を主
成分とするが、生成するポリエステルアミドから得られ
る成形体の物性を損なわない範囲で、その他の各種ジカ
ルボン酸を用いることができる。例えばシュウ酸、マロ
ン酸、コハク酸、グルタル酸、スベリン酸、セバチン酸
などの脂肪族ジカルボン酸が好適に用いられる。
【0019】上記ジオール成分としては、エチレングリ
コールおよびブチレングリコールからなる群から選択さ
れる少なくとも一種を主成分とするが、生成するポリエ
ステルアミドから得られる成形体の物性を損なわない範
囲で、以下に示すグリコールおよびポリアルキレンオキ
シドなどの脂肪族ジオールを用いることができる。
【0020】上記グリコールとしては、例えばプロピレ
ングリコール、トリメチレングリコール、1,3−ブタ
ンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキ
サンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オ
クタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−
デカンジオール、シクロペンタン−1,2−ジオール、
シクロヘキサン−1,2−ジオール、シクロヘキサン−
1,3−ジオール、シクロヘキサン−1,4−ジオー
ル、シクロヘキサン−1,4−ジメタノールなどが挙げ
られ、これらは単独で使用されてもよく、2種以上が併
用されてもよい。上記ポリアルキレンオキシドとして
は、例えば、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオ
キシド、ポリテトラメチレンオキシド、ポリヘキサメチ
レンオキシドなどが挙げられ、これらは単独で使用され
てもよく、2種以上が併用されてもよい。ポリアルキレ
ンオキシドの数平均分子量は、100〜20,000が
好ましく、より好ましくは500〜5,000である。
数平均分子量が100を下回ると生成するポリエステル
の柔軟性が不充分であり、数平均分子量が20,000
を上回ると生成するポリエステルの熱安定性などの物性
が劣る。
【0021】上記ポリエステル構成成分には、上記脂肪
族ジカルボン酸、および、上記脂肪族ジオール以外に、
芳香族ジオール、芳香族ジカルボン酸が含有されていて
もよい。
【0022】上記芳香族ジオールとしては、例えば、ヒ
ドロキノン、レゾルシン、クロロヒドロキノン、ブロモ
ヒドロキノン、メチルヒドロキノン、フェニルヒドロキ
ノン、メトキシヒドロキノン、フェノキシヒドロキノ
ン、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジ
ヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキ
シジフェニルサルファイド、4,4’−ジヒドロキシジ
フェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェ
ノン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルメタン、ビス
フェノールA、1,1−ジ(4−ヒドロキシフェニル)
シクロヘキサン、1,2−ビス(4−ヒドロキシフェノ
キシ)エタン、1,4−ジヒドロキシナフタリン、2,
6−ジヒドロキシナフタリンなどが挙げられる。
【0023】上記芳香族ジカルボン酸としては、例え
ば、テレフタル酸、イソフタル酸、5−スルホイソフタ
ル酸の金属塩、4,4’−ジカルボキシビフェニル、
4,4’−ジカルボキシジフェニルエーテル、4,4’
−ジカルボキシジフェニルサルファイド、4,4’−ジ
カルボキシジフェニルスルホン、3,3’−ジカルボキ
シベンゾフェノン、4,4’−ジカルボキシベンゾフェ
ノン、1,2−ビス(4−カルボキシフェノキシ)エタ
ン、1,4−ジカルボキシナフタリン、2,6−ジカル
ボキシナフタリンなどが挙げられる。
【0024】ジカルボン酸成分およびジオール成分の仕
込時のモル比は、1:1.2〜1:3が好ましい。ジカ
ルボン酸成分1モルに対して、ジオール成分が1.2モ
ルより少ない場合には、エステル化反応が効率よく進行
せず、3モルより多い場合には、過剰のジオール成分を
用いることからコスト面で不利であり、過剰なジオール
成分によりポリアミドの切断反応が起こりやすくなるた
め、得られるポリエステルアミドのブロック性の低下が
起こる。ブロック性の低下は耐熱性の低下につながり、
好ましくない。
【0025】本発明に用いられるポリアミドとは、ポリ
マー主鎖にアミド結合を有し、加熱熔融でき、その還元
粘度は1.8〜7.0(1g/dL98%硫酸溶液、2
0℃)である。この還元粘度は1.8〜6.0(1g/
dL98%硫酸溶液、20℃)であることが好ましい。
トルエン/イソオクタン=1/1(重量比)混合溶媒に
対する膨潤度(室温下で16日間浸漬)は重量変化率で
6.0%以下であることが好ましく、5.0%以下であ
ることがさらに好ましい。還元粘度が1.8未満の場合
には、得られるポリエステルポリアミドの機械的強度が
不足し、7.0を越える場合には、ポリエステルポリア
ミドの合成が困難となる。
【0026】本発明に用いられる上記特性を有するポリ
アミドの分子量は、通常、約10,000〜60,000であり、特
に20,000〜50,000のものが好ましく使用される。
【0027】このようなポリアミドとしては、例えば、
4−ナイロン、6−ナイロン、6,6−ナイロン、11
−ナイロン、12−ナイロン、6,10−ナイロン、
6,12−ナイロンなどの脂肪族ナイロン;イソフタル
酸、テレフタル酸、メタキシリレンジアミン、2,2−
ビス(パラアミノシクロヘキシル)プロパン、4,4’
−ジアミノジシクロヘキシルメタン、2,2,4−トリ
メチルヘキサメチレンジアミン、2,4,4−トリメチ
ルヘキサメチレンジアミンなどの芳香族、脂環族、側鎖
置換脂肪族モノマーを重縮合したポリアミドが挙げられ
る。
【0028】本発明においては、まず、ポリエステル構
成成分80〜30重量%に対してポリアミドを20〜7
0重量%の割合で溶解させる。すなわち、ポリエステル
構成成分とポリアミドとの合計に対して、ポリアミドを
20〜70重量%溶解させる。好ましくはポリエステル
構成成分70〜50重量%に対してポリアミドを30〜
50重量%の割合で溶解させる。ポリアミドの添加量が
20重量%未満の場合には、生成するポリエステルアミ
ドから得られる成形体の機械的強度が不十分であり、7
0重量%を越える場合には、該成形体の柔軟性が不足す
る。溶解温度は150〜230℃が好ましい。ポリアミ
ドとポリエステル構成成分とをこの範囲の温度に保つこ
とにより、ポリアミドはポリエステル構成成分に均質に
溶解する。溶解温度が150℃より低温の場合には、溶
解が困難であり、230℃より高温の場合には、分解反
応が懸念されるので好ましくない。ポリアミドがポリエ
ステル構成成分に溶解した後、通常は昇温して150〜
230℃にてポリエステル構成成分をエステル化させ
る。エステル化が終了した後、得られたポリエステルと
ポリアミドとの重合を行う際には、透明均質溶液状態で
あることが必要である。不均一な状態では、ポリアミド
との重合反応が効率よく進行しない。
【0029】得られた透明均質溶液の重縮合は、減圧
下、好ましくは1mmHg以下で、200〜260℃に
て行う。200℃より低温の場合には、反応速度が小さ
く、粘度が増大するため攪拌が困難になり、260℃よ
り高温の場合には、分解反応が起こるので好ましくな
い。
【0030】本発明で得られるポリエステルアミドのo
−クロロフェノール中、30℃での極限粘度は0.5以
上が好ましい。0.5より少ない場合には、得られる成
形体の機械的強度が不足する。
【0031】重縮合する際には、一般にポリエステルを
製造する際に使用されている触媒が使用されてよい。こ
の触媒としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、セ
シウム、マグネシウム、カルシウム、バリウム、ストロ
ンチウム、亜鉛、アルミニウム、チタン、コバルト、ゲ
ルマニウム、錫、鉛、アンチモン、ヒ素、セリウム、ホ
ウ素、カドミウム、マンガン、ジルコニウムなどの金
属、その有機金属化合物、有機酸塩、金属アルコキシ
ド、金属酸化物などが挙げられる。
【0032】特に好ましい触媒は、酢酸カルシウム、ジ
アシル第一錫、テトラアシル第二錫、ジブチル錫オキサ
イド、ジブチル錫ジラウレート、ジメチル錫マレート、
錫ジオクタノエート、錫テトラアセテート、トリイソブ
チルアルミニウム、テトラブチルチタネート、二酸化ゲ
ルマニウム、三酸化アンチモンなどである。これらの触
媒は2種以上併用してもよい。
【0033】重縮合する際には、以下に示す熱安定剤を
使用してもよい。上記熱安定剤としては、例えば、1,
3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ
−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、
3,9−ビス〔2−〔3−(3−t−ブチル−4−ヒド
ロキシ−5−メチルフェニル)−プロピオニロキシ〕−
1,1−ジメチルエチル〕2,4,8,10−テトラオ
キサスピロ〔5,5〕ウンデカン等のヒンダードフェノ
ール系酸化防止剤の他に、トリス(2,4−ジ−t−ブ
チルフェニル)ホスファイト、トリラウリルホスファイ
ト、2−t−ブチル−α−(3−t−ブチル−4−ヒド
ロキシフェニル)−p−クメニルビス(p−ノニルフェ
ニル)ホスファイト、ジミリスチル−3,3’−チオジ
プロピオネート、ジステアリル−3,3’−チオジプロ
ピオネート、ペンタエリスリチルテトラキス(3−ラウ
リルチオプロピオネート)、ジトリデシル−3,3’−
チオジプロピオネート等が挙げられる。
【0034】本発明の請求項2においては、上記ポリエ
ステル構成成分として、ポリエステルの分子量の増大お
よび重合時間の短縮を目的として、ポリオール、ポリカ
ルボン酸およびオキシ酸からなる群から選択される少な
くとも一種の分岐剤が使用される。
【0035】上記ポリオールは、3〜6個の水酸基を有
するポリオールであり、例えば、グリセリン、トリメチ
ロールプロパン、ペンタエリスリトール、1,2,6−
ヘキサントリオール、ソルビトール、1,1,4,4−
テトラキスヒドロキシメチルシクロヘキサン、トリス
(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、ジペンタ
エリスリトールなどが挙げられる。
【0036】上記ポリカルボン酸は、3〜4個のカルボ
キシル基を有するポリカルボン酸であり、例えば、ヘミ
メリット酸、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリ
ット酸、1,1,2,2−エタンテトラカルボン酸など
が挙げられる。
【0037】上記オキシ酸は水酸基およびカルボキシル
基の基数の合計が3〜6個であるオキシ酸であり、例え
ば、クエン酸、酒石酸、3−ヒドロキシグルタル酸、ト
リヒドロキシグルタル酸、4−β−ヒドロキシエチルフ
タル酸などが挙げられる。
【0038】上記分岐剤は、ジカルボン酸成分100モ
ルあたり、0.25〜2.5モル等量の割合で用いられ
る。
【0039】本発明の請求項3のポリアミド組成物の製
造方法は、上記ポリエステルアミドに、下式(I)で表
される部分構造を有するヒンダードフェノール系酸化防
止剤;下式(II)で表されるイオウ系酸化防止剤;およ
びモノカルボジイミドを配合する工程を包含し、上記ヒ
ンダードフェノール系酸化防止剤は、該ポリエステルア
ミド100重量部に対して、0.05重量部〜1.00
重量部の割合で含有され、上記イオウ系酸化防止剤は、
上記ポリエステルアミド100重量部に対して、0.0
5重量部〜1.6重量部の割合で含有され、上記モノカ
ルボジイミドは、上記ポリエステルアミド100重量部
に対して、0.5重量部〜4.0重量部の割合で含有さ
れる。
【0040】
【化3】
【0041】ここで、R1は、第2級アルキル基または
第3級アルキル基であり、R2は、水素またはアルキル
基である。
【0042】
【化4】
【0043】ここで、R3およびR4は、それぞれ独立し
て、脂肪族置換基もしくは芳香族置換基であり、tは、
1〜3の整数である。
【0044】本発明の請求項3に用いられるポリエステ
ルアミドは、上記で得られたポリエステルアミドと同様
である。
【0045】本発明の請求項3に用いられるヒンダード
フェノール系酸化防止剤は、下式(I)で表される部分
構造を有する。
【0046】
【化5】
【0047】ここで、R1は、第2級アルキル基または
第3級アルキル基であり、R2は、水素またはアルキル
基である;このようなヒンダードフェノール系酸化防止
剤としては、例えば、3,9−ビス〔2−〔3−(3−
t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−
プロピオニロキシ〕−1,1−ジメチルエチル〕2,
4,8,10−テトラオキサスピロ〔5,5〕ウンデカ
ン、トリエチレングリコール−ビス〔3−(3−t−ブ
チル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオ
ネート〕、1,6−ヘキサンジオール−ビス〔3−
(3,5−ジブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピ
オネート〕、テトラキス〔メチレン(3,5−ジ−t−
ブチル−4−ヒドロキシハイドロシンナメート)〕メタ
ン、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4
−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、N,N’−ヘ
キサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒド
ロキシ−ヒドロシンナマミド)、3,5−t−ブチル−
4−ヒドロキシ−ベンジルフォスフォネート−ジエチル
エステル、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリ
ス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジ
ル)ベンゼン、ビス(3,5−t−ブチル−4−ヒドロ
キシベンジルホスホン酸エチル)カルシウム、トリス−
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)
−イソシアヌレート、1,1,3−トリス(2−メチル
−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、
2,2−ビス〔4−(2−(3,5−ジ−t−ブチル−
4−ヒドロキシハイドロシンナモイロキシ))エトキシ
フェニル〕プロパン、2,6−ジ−t−ブチル−4−メ
チルフェノールなどが挙げられる。
【0048】本発明の請求項3に用いられる、イオウ系
酸化防止剤は、下式(II)で表される。
【0049】
【化6】
【0050】ここで、R3およびR4は、それぞれ独立し
て、脂肪族置換基もしくは芳香族置換基であり、tは、
1〜3の整数である。
【0051】このようなイオウ系酸化防止剤としては、
例えば、ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネー
ト、ジミリスチル−3,3’−チオジプロピオネート、
ジステアリル−3,3’−チオジプロピオネート、ペン
タエリスリチルテトラキス(3−ラウリルチオプロピオ
ネート)、ジトリデシル−3,3’−チオジプロピオネ
ート、ジオクタデシスジスルフィドなどが挙げられる。
【0052】ヒンダードフェノール系酸化防止剤は、ポ
リエステルアミド100重量部に対して0.05〜1.
00重量部の割合で添加される。ヒンダードフェノール
系酸化防止剤の含有量が0.05重量部未満の場合に
は、安定化効果が得られず、1.00重量部を越える場
合には、安定化効果は得られるが、効果的ではなく、機
械的強度など物性の低下が懸念される。
【0053】イオウ系酸化防止剤は、ポリエステルアミ
ド100重量部に対して0.05〜1.6重量部の割合
で添加される。イオウ系酸化防止剤の含有量が0.05
重量部未満の場合には、安定化効果が得られず、1.6
重量部を越える場合には、安定化効果は得られるが、効
果的ではなく、機械的強度など物性の低下が懸念され
る。
【0054】ヒンダードフェノール系酸化防止剤に対す
るイオウ系酸化防止剤の重量比は、0.5〜4.0が好
ましい。ヒンダードフェノール系酸化防止剤に対するイ
オウ系酸化防止剤の重量比が0.5未満の場合および
4.0を越える場合には、ヒンダードフェノール系酸化
防止剤とイオウ系酸化防止剤との有効な相乗作用が得ら
れない。ヒンダードフェノール系酸化防止剤とイオウ系
酸化防止剤との重量の和は、ポリエステルアミド100
重量部に対して2重量部以下であることが好ましい。ヒ
ンダードフェノール系酸化防止剤とイオウ系酸化防止剤
との重量の和が、2重量部を越える場合には、安定化効
果は得られるが効果的ではなく、機械的強度など物性の
低下が懸念される。
【0055】本発明の請求項3に用いられるモノカルボ
ジイミドは、例えば、モノイソシアネート化合物の縮合
により得られる。上記モノイソシアネートとしては、例
えば、2,6−ジイソプロピルフェニルイソシアネー
ト、2,6−ジエチルフェニルイソシアネート、2,6
−ジ−sec−ブチルフェニルイソシアネート、1,5
−ジプロピルフェニルイソシアネートなどが挙げられ
る。モノカルボジイミドは、これらを2種以上併用して
もよい。
【0056】上記モノカルボジイミドは、ポリエステル
アミド100重量部に対して0.5重量部〜4.0重量
部の割合で添加される。モノカルボジイミドの含有量が
0.5重量部未満の場合には、安定化効果が十分ではな
く、4.0を越える場合には、機械的強度などの物性に
悪影響がでる。
【0057】上記ポリエステルアミドと、ヒンダードフ
ェノール系酸化防止剤と、イオウ系酸化防止剤と、モノ
カルボジイミドとを混合するには、例えば、押出機、プ
ラストグラフ、バンバリーミキサーなどを用いて、溶融
混練により行われる。溶融混練温度は、樹脂の分解を抑
制するため、混合可能な最低温度で行うことが望まし
い。
【0058】本発明によって得られるポリエステルアミ
ドおよびポリエステルアミド組成物は、プレス成形、押
出成形、射出成形、ブロー成形などの成形法により、自
動車部品、電気・電子部品、工業部品、スポーツ用品、
メディカル用品などに好適に用いられる。上記自動車部
品としては、例えば、等速ジョイントブーツ、ラックア
ンドオピニヨンブーツなどのブーツ類、ボールジョイン
トシール、安全ベルト部品、バンパーフェイシア、エン
ブレム、モールなどが挙げられる。上記電気・電子部品
としては、例えば、電線被覆材、ギア類、ラバースイッ
チ、メンブレンスイッチ、タクトスイッチ、O−リング
などが挙げられる。上記工業部品としては、例えば、油
圧ホース、コイルチューブ、シール材、パッキン、Vベ
ルト、ロール、防振・制振材料、ショックアブソーバ
ー、カップリング、ダイヤフラムなどが挙げられる。上
記スポーツ用品としては、例えば、靴底、球技用ボール
などが挙げられる。上記メディカル用品としては、例え
ば、メディカルチューブ、輸液バック、カテーテルなど
が挙げられる。その他、弾性繊維、弾性シート、複合シ
ート、ホットメルト接着剤、他の樹脂とのアロイ用素材
として好適に用いることができる。
【0059】
【実施例】以下に、本発明を実施例に基づいて説明す
る。
【0060】(測定方法) 〔樹脂の極限粘度〔η〕の測定〕ウベローデ粘度管を用
いて、o−クロロフェノール溶媒中、30℃にて測定し
た。
【0061】〔樹脂の表面硬度(ショアD硬度)の測
定〕ASTM D2240に準拠し、Dタイプデュロメ
ーターにて測定した。
【0062】〔樹脂の融点〕示差走査熱量計(DSC)
を用いて測定した。
【0063】〔成形体の引張破断強度および引張破断伸
度の測定〕得られた樹脂を用いて、インジェクション成
形(射出圧1500kgf/cm2、金型温度70℃、
シリンダー温度200℃)により、3号ダンベルを作成
し、引張破断強度および引張破断伸びをJIS K 6
301に準拠し、室温(23℃)にて測定した。
【0064】〔膨潤度(耐薬品性)の測定〕得られた樹
脂を220℃にて厚み2mmのシートにプレス成形し、
20×20×2mmの試験片を作成した。得られた試験
片をJIS3号油、およびトルエン/イソオクタン=1
/1(重量比)の混合溶媒にそれぞれ浸漬し、それぞれ
の16日後の重量変化率を測定することにより、膨潤率
を求めた。試験はJIS3号油を用いた場合は120℃
で、トルエン/イソオクタン=1/1(重量比)の混合
溶媒を用いた場合は室温で行った。
【0065】〔成形体の耐熱劣化性試験(JIS K
7212参考)〕上記成形体の引張破断強度および引張
破断伸度の測定と同様にして、ダンベル片を作成し、そ
れをギアーオーブン中で所定の時間(90時間、150
時間および300時間)、150℃で放置した。所定時
間後ダンベル片を取り出し、その伸度保持率を測定し
た。伸度保持率は、JIS K 6301に従い、引張
破断伸びを島津オートグラフAG−5000(商品名)
を用いて測定し、ギアーオーブンによる加熱処理の前後
の比から求めた。
【0066】〔成形体の耐水性試験〕上記成形体の引張
破断強度および引張破断伸度の測定と同様にして、ダン
ベル片を作成し、それをイオン交換水に所定の時間(5
日間および10日間)、80℃で放置した。所定時間
後、ダンベル片を取り出し、その伸度保持率を測定し
た。伸度保持率は、JIS K 6301に従い、引張
破断伸びを島津オートグラフAG−5000(商品名)
を用いて測定し、イオン交換水中放置前後の比から求め
た。
【0067】(実施例1)アジピン酸146g(1mo
l)、エチレングリコール149g(2.4mol)、
および6−ナイロン(東洋紡績(株)製、T842(商
品名)、98%硫酸中、20℃での還元粘度2.2)1
50g(重量比34%)に、触媒として二酸化ゲルマニ
ウム0.2gと、安定剤として1,3,5−トリメチル
−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−
ヒドロキシベンジル)ベンゼン0.4g、およびトリス
(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト0.
4gを反応器に加え、反応系を窒素下、200℃に昇温
した。10分後にはナイロンが溶解し、透明な溶液とな
った。この温度でさらに2時間保ち、エステル化反応を
行った。エステル化反応の進行は水分量を計測すること
により確認した。次いで、この反応系を20分間で24
0℃まで昇温して、この状態で10分間、常圧で保持し
た後、1mmHg以下に減圧した状態で1時間重縮合反
応を行った。その結果無色透明の樹脂が得られた。
【0068】得られたポリエステルアミドの極限粘度
〔η〕は0.95であった。ショアD硬度は41であっ
た。そして融点は、195℃であった。得られた樹脂を
用いて作成された成形体の膨潤率は、JIS3号油を用
いた場合は1.9%であり、トルエン/イソオクタン=
1/1(重量比)の混合溶媒を用いた場合は5.0であ
った。
【0069】(実施例2)加える6−ナイロンの質量を
340g(重量比54%)にしたこと以外は実施例1と
同様にして重合を行って樹脂を得た。この樹脂について
実施例1と同様の試験を行った。
【0070】(実施例3)6−ナイロンとしてT842
(商品名)(東洋紡績(株)製)150gの代わりにT
852(商品名)(東洋紡績(株)製、98%硫酸中、
20℃での還元粘度3.5)150gを用い、触媒とし
て二酸化ゲルマニウム0.2gの代わりにテトラブトキ
シチタン0.15gを用いたこと以外は、実施例1と同
様にして重合を行って樹脂を得た。この樹脂について実
施例1と同様の試験を行った。
【0071】(実施例4)エチレングリコール149g
の代わりにブチレングリコール216gを用い、6−ナ
イロンとしてT842(商品名)(東洋紡績(株)製)
150gの代わりにT852(商品名)(東洋紡績
(株)製)150gを用い、触媒として二酸化ゲルマニ
ウム0.2gの代わりにテトラブトキシチタン0.25
gを用いたこと以外は、実施例1と同様にして重合を行
って樹脂を得た。この樹脂について実施例1と同様の試
験を行った。
【0072】(実施例5)6−ナイロンとしてT852
(商品名)(東洋紡績(株)製)150gの代わりに6
−ナイロンA1050(商品名)(ユニチカ(株)製、
98%硫酸中、20℃での還元粘度6.2)150gを
用いたこと以外は、実施例4と同様にして重合を行って
樹脂を得た。この樹脂について実施例1と同様の試験を
行った。
【0073】(実施例6)6−ナイロンとしてT852
(商品名)(東洋紡績(株)製)150gの代わりに
6,6−ナイロンMARANYL A226(商品名)
(ユニチカ(株)製、98%硫酸中、20℃での還元粘
度2.6)150gを用いたこと以外は、実施例4と同
様にして重合を行って樹脂を得た。この樹脂について実
施例1と同様の試験を行った。
【0074】(実施例7)ポリオール成分としてペンタ
エリスリトール0.34g(アジピン酸に対し、0.2
5mol%)をさらに加えたこと以外は、実施例1と同
様にして重合を行って樹脂を得た。この樹脂について実
施例1と同様の試験を行った。
【0075】(実施例8)ポリカルボン酸成分として
1,1,2,2−エタンテトラカルボン酸0.52g
(アジピン酸に対し、0.25mol%)をさらに加え
たこと以外は、実施例1と同様にして重合を行って樹脂
を得た。この樹脂について実施例1と同様の試験を行っ
た。
【0076】(実施例9)オキシ酸成分として3−ヒド
ロキシグルタル酸0.37g(アジピン酸に対し、0.
25mol%)をさらに加えたこと以外は、実施例1と
同様にして重合を行って樹脂を得た。この樹脂について
実施例1と同様の試験を行った。
【0077】(比較例1)加える6−ナイロンの質量を
60g(重量比17%)にしたこと以外は実施例1と同
様にして重合を行って樹脂を得たが、重合速度が遅く、
分子量を上げることができなかった。この樹脂について
引張破断強度および引張破断伸びの試験を行ったが、良
好な結果は得られなかった。
【0078】(比較例2)加える6−ナイロンの質量を
1000g(重量比77%)にしたこと以外は実施例1
と同様の重合操作を行ったが、ナイロンがポリエステル
構成成分に溶解せず、ナイロンとポリエステル部分が分
離し、均質な樹脂を得ることはできなかった。
【0079】(比較例3)上記ポリエステルアミドの代
わりにポリエーテルアミドエラストマーであるペバック
ス4033(商品名)(東レ(株)製)について実施例
1と同様の試験を行った。この樹脂から得られた成形体
は、耐薬品性が不足していた。
【0080】(比較例4)可塑化ナイロン(三菱化成
(株)製、グリルアミドL25W40NZ(商品名))
について実施例1と同様の試験を行った。この樹脂から
得られた成形体は、柔軟性が不足していた。
【0081】実施例1〜9、および比較例1〜4の結果
を表1に示した。
【0082】
【表1】
【0083】(実施例10) (1)ポリエステルアミドの合成 アジピン酸1460g(10mol)、エチレングリコ
ール1490g(24mol)、および6−ナイロン
(東洋紡績(株)製、T842(商品名))1500g
(重量比34%)に、触媒として二酸化ゲルマニウム5
gと、安定剤として1,3,5−トリメチル−2,4,
6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ
ベンジル)ベンゼン4gおよびトリス(2,4−ジ−t
−ブチルフェニル)ホスファイト4gを反応器に加え、
反応系を窒素下、200℃で2時間保ち、エステル化反
応を行った。次いで、この反応系を20分間で240℃
まで昇温した後、1mmHg以下に減圧した状態で50
分間重縮合反応を行った。その結果、無色透明の樹脂が
得られた。
【0084】得られたポリエステルアミドの極限粘度
〔η〕は0.95であった。ショアD硬度は41であっ
た。そして融点は、195℃であった。得られた樹脂を
用いて作成された成形体の引張破断強度は250kg/
cm2であり、引張破断伸びは1300%であった。こ
の成形体の膨潤率は、JIS3号油を用いた場合は1.
9%であり、トルエン/イソオクタン=1/1(重量
比)の混合溶媒を用いた場合は5.0%であった。
【0085】(2)ポリエステルアミド組成物の作成 上記で得られたポリエステルアミド100重量部に、ヒ
ンダードフェノール系酸化防止剤として、3,9−ビス
〔2−〔3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−
メチルフェニル)−プロピオニロキシ〕−1,1−ジメ
チルエチル〕2,4,8,10−テトラオキサスピロ
〔5,5〕ウンデカン(以下、添加剤1という)を、イ
オウ系酸化防止剤として、ペンタエリスリチルテトラキ
ス(3−ラウリルチオプロピオネート)(以下、添加剤
2という)を、モノカルボジイミドとして、ビス(1,
5−ジイソプロピルフェニル)カルボジイミド(以下、
添加剤3という)を、それぞれ表1に示す所定の割合で
配合し、ブラベンダープラストグラフ押出機を用いて、
210℃で10分間溶融混練し、樹脂組成物を得た。得
られた樹脂組成物について、上記方法により、表面硬度
(ショアD硬度)、極限粘度、融点および膨潤度を測定
した。さらに、得られた樹脂組成物について、上記方法
により、耐熱劣化性試験および耐水性試験を行った。
【0086】(実施例11)添加剤3の添加部数を表3
に示すように変更したこと以外は、実施例10と同様に
して試験を行った。
【0087】(比較例5)添加剤を配合しなかったこと
以外は実施例10と同様にして試験を行った。
【0088】(比較例6)添加剤として添加剤1のみを
添加したこと以外は、実施例10と同様にして試験を行
った。
【0089】(比較例7)添加剤として添加剤2のみを
添加したこと以外は、実施例10と同様にして試験を行
った。
【0090】(比較例8)添加剤として添加剤3のみを
添加したこと以外は、実施例10と同様にして試験を行
った。
【0091】(比較例9)添加剤3を添加しなかったこ
と以外は、実施例10と同様にして、試験を行った。
【0092】実施例10および11ならびに比較例5〜
9の表面硬度(ショアD硬度)、極限粘度、融点および
膨潤度結果を表2に示した。配合した添加剤の重量部、
ならびに耐熱劣化性試験および耐水性の結果を表3に示
した。
【0093】
【表2】
【0094】
【表3】
【0095】表3より、ヒンダードフェノール系酸化防
止剤と、イオウ系酸化防止剤と、モノカルボジイミドと
をポリエステルアミドに配合することにより、耐熱劣化
性および耐水性が改善されることがわかった。
【0096】
【発明の効果】本発明によれば、特定の条件下でポリア
ミドをポリエステル構成成分に溶解させて均一状態にて
重合することにより、機械的強度および耐薬品性に優れ
たポリエステルアミドを容易に得ることができる。ま
た、本発明のポリエステルアミドのポリエステル構成成
分に、ポリオール、ポリカルボン酸およびオキシ酸から
なる群から選択される少なくとも一種の分岐剤を所定の
量含有させることにより、ポリエステルの分子量を増大
させて上記物性をさらに高めることができるとともに、
ポリエステルの重合時間を短縮することができる。さら
に、このようなポリエステルアミドに、ヒンダードフェ
ノール系酸化防止剤と、イオウ系酸化防止剤と、モノカ
ルボジイミドとを特定の割合で配合することにより、機
械的強度、耐薬品性、耐熱劣化性および耐水性に優れた
ポリエステルアミド組成物を、容易に得ることができ
る。
【0097】本発明によって得られるポリエステルアミ
ドおよびポリエステルアミド組成物は、自動車部品、電
気・電子部品、工業部品、スポーツ用品、メディカル用
品などに好適に用いられる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08K 5:22 5:37) (72)発明者 角町 博記 大阪府茨木市南春日丘1丁目11番3号 (72)発明者 岸本 大志郎 大阪府茨木市三島丘2丁目24番23号サン ハイツ三島丘306 (56)参考文献 特開 昭63−189436(JP,A) 特開 昭59−68329(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08G 69/44 C08L 77/12 C08K 5/00 - 5/59

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アジピン酸を主とするジカルボン酸成分、
    ならびにエチレングリコールおよびブチレングリコール
    からなる群から選択される少なくとも一種を主とするジ
    オール成分を含有するポリエステル構成成分80〜30
    重量%に対して、還元粘度が1.8〜7.0(1g/d
    L98%硫酸溶液、20℃)であるポリアミドを20〜
    70重量%の割合で溶解させる工程;得られた溶液を1
    50〜230℃にして該ポリエステル構成成分をエステ
    ル化する工程;および得られた透明均質溶液に含まれる
    ポリエステルとポリアミドとを、減圧下、200〜26
    0℃にて重合させる工程、を包含する、ポリエステルア
    ミドの製造方法。
  2. 【請求項2】前記ポリアミドの分子量が20,000〜
    50,000である、請求項1に記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記ポリエステル構成成分として、さら
    に、3〜6個の水酸基を有するポリオール;3〜4個の
    カルボキシル基を有するポリカルボン酸;ならびに水酸
    基およびカルボキシル基を有し、その基数の合計が3〜
    6個であるオキシ酸;からなる群から選択される少なく
    とも一種の分岐剤が、該ジカルボン酸成分100モルあ
    たり0.1〜2.5モル等量の割合で含有される、請求
    項1または2に記載のポリエステルアミドの製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造
    方法で製造されたポリエステルアミドに、下式(I)で
    表される部分構造を有するヒンダードフェノール系酸化
    防止剤;下式(II)で表されるイオウ系酸化防止剤;お
    よびモノカルボジイミドを配合する工程を包含する、ポ
    リエステルアミド組成物の製造方法であって、 該ヒンダードフェノール系酸化防止剤が、該ポリエステ
    ルアミド100重量部に対して、0.05重量部〜1.
    00重量部の割合で含有され、該イオウ系酸化防止剤
    が、該ポリエステルアミド100重量部に対して、0.
    05重量部〜1.6重量部の割合で含有され、 該モノカルボジイミドが、該ポリエステルアミド100
    重量部に対して、0.5重量部〜4.0重量部の割合で
    含有されることを特徴とする、ポリエステルアミド組成
    物の製造方法: 【化1】 ここで、R1は、第2級アルキル基または第3級アルキ
    ル基であり、R2は、水素またはアルキル基である; 【化2】 ここで、R3およびR4は、それぞれ独立して、脂肪族置
    換基もしくは芳香族置換基であり、tは、1〜3の整数
    である。
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