JP6047440B2 - 内視鏡用可撓管およびその製造方法 - Google Patents
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Description
〔1〕可撓性を有する筒状の可撓管基材と可撓管基材を被覆する樹脂層とを有してなる内視鏡用可撓管であって、
樹脂層は第1層と第2層との少なくとも2層で構成され、
第1層は、ポリエステルエラストマー、ポリウレタンエラストマー、およびポリアミドエラストマーからなる群より選ばれる一つ以上のエラストマーまたはその鎖延長体を含んでなり、
第2層は、ポリエステルエラストマーと、ポリウレタンエラストマーおよびポリアミドエラストマーから選ばれる少なくとも1種との組合せであるエラストマーの鎖延長体を含んでなり、
第1層は、可撓管基材の軸回りの全周面を被覆する内層をなし、第2層は第1層に接し、かつ、第1層の軸回りの全周面を被覆する外層をなす内視鏡用可撓管。
〔2〕エラストマーの鎖延長体を含むのが、第2層のみである〔1〕に記載の内視鏡用可撓管。
〔3〕第1層にポリウレタンエラストマーを含有する〔1〕または〔2〕に記載の内視鏡用可撓管。
〔4〕第2層に含有するエラストマーの鎖延長体において、ポリエステルエラストマー成分が100質量部に対し、ポリウレタンエラストマーおよびポリアミドエラストマーから選ばれる少なくとも1種のエラストマー成分が5〜100質量部である〔1〕〜〔3〕のいずれか1つに記載の内視鏡用可撓管。
〔5〕第1層に含有するエラストマーもしくは鎖延長体のJISK7215に基づくA硬さが40以上であり、第2層に含有するエラストマーの鎖延長体におけるエラストマー成分もしくは鎖延長体のJISK7215に基づくD硬さが20以上である〔1〕〜〔4〕のいずれか1つに記載の内視鏡用可撓管。
〔6〕樹脂層が1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノールに可溶で、実質的に架橋していない〔1〕〜〔5〕のいずれか1つに記載の内視鏡用可撓管。
〔7〕樹脂層全体の厚みに対し、内層及び外層の厚みの割合が、可撓管基材の軸方向において変化している〔1〕〜〔6〕のいずれか1つに記載の内視鏡用可撓管。
〔8〕内層及び外層は、一端における厚みの割合が5:95〜40:60(内層:外層)であり、他端における厚みの割合が95:5〜60:40(内層:外層)の範囲にあり、両端間において厚みの割合が逆転するようにされている〔7〕に記載の内視鏡用可撓管。
〔9〕上記樹脂層に、フェノール系化合物、アミン系化合物、リン系化合物、イオウ系化合物、およびフェニルアクリレート系化合物から選ばれる熱安定剤をさらに含有する〔1〕〜〔8〕のいずれか1つに記載の内視鏡用可撓管。
〔10〕可撓性を有する筒状の可撓管基材と、可撓管基材を被覆する樹脂層とを有してなる内視鏡用可撓管の製造方法であって、
樹脂層は、可撓管基材の軸回りの全周面を被覆する内層をなす第1層と第1層の軸回りの全周面を被覆する外層をなす第2層との少なくとも2層で構成され、
第1層を構成するポリエステルエラストマー、ポリウレタンエラストマー、またはポリアミドエラストマーを含む第1樹脂材料を準備し、他方
第2層を構成する、ポリエステルエラストマーと、ポリウレタンエラストマーおよびポリアミドエラストマーから選ばれる少なくとも1種のエラストマーと、鎖延長剤とを含有する第2樹脂材料を準備し、
第1樹脂材料と第2樹脂材料とを可撓管基材の周囲に溶融混練して押し出し成形し、樹脂層を可撓管基材に被覆する内視鏡用可撓管の製造方法。
〔11〕鎖延長剤として、多官能エポキシ化合物、多官能イソシアネート化合物、多官能アミノ化合物、オキサゾリン化合物、カルボジイミド化合物、および酸無水物から選ばれる少なくとも1つの鎖延長剤を用いる〔10〕に記載の内視鏡用可撓管の製造方法。
〔12〕エラストマーの鎖延長体が、エラストマー100質量部に対して、鎖延長剤0.01〜10質量部の配合で処理されてなる〔10〕または〔11〕に記載の内視鏡用可撓管の製造方法。
〔13〕第1樹脂材料および/または第2樹脂材料に、さらにアミン化合物および錫キレートから選ばれる少なくとも一つの触媒を含有させる〔10〕〜〔12〕のいずれか1つに記載の内視鏡用可撓管の製造方法。
〔14〕エラストマーの鎖延長体が、エラストマー100質量部に対して、触媒を0.01〜3質量部の配合で処理されてなる〔13〕に記載の内視鏡用可撓管の製造方法。
可撓管3a(内視鏡用可撓管)は、図2に示すように、最内側に金属帯片11aを螺旋状に巻回することにより形成される螺旋管11に、金属線を編組してなる筒状網体12を被覆して両端に口金13をそれぞれ嵌合した可撓管基材14とし、さらに、その外周面に樹脂層15が被覆された構成となっている。また、樹脂層15の外面に、耐薬品性のある例えばフッ素等を含有したコート膜16をコーティングしている。螺旋管11は、1層だけ図示されているが、同軸に2層重ねにして構成してもよい。なお、樹脂層15及びコート膜16は、層構造を明確に図示するため、可撓管基材14の径に比して厚く描いている。
本発明の好ましい実施形態に係る製造方法は、
第1層と第2層との少なくとも2層で構成された樹脂層を形成するに当たり、
(i)前記第1層を構成するポリエステルエラストマー、ポリウレタンエラストマー、またはポリアミドエラストマーを含む第1樹脂材料を準備し、他方
(ii)前記第2層を構成する、ポリエステルエラストマーと、ポリウレタンエラストマーおよびポリアミドエラストマーから選ばれる少なくとも1種のエラストマーと、鎖延長剤とを含有する第2樹脂材料を準備し、
(iii)前記第1樹脂材料と前記第2樹脂材料とを前記可撓管基材の周囲に溶融混練して押し出し成形し、前記樹脂層を当該可撓管基材に被覆することが好ましい。
本発明の樹脂層は第1層と第2層との少なくとも2層で構成され、前記第1層はポリエステルエラストマー、ポリウレタンエラストマー、およびポリアミドエラストマーからなる群より選ばれる一つ以上のエラストマーまたはその鎖延長体を含んでなる。一方、前記第2層は、ポリエステルエラストマー、ポリウレタンエラストマー、ポリアミドエラストマーからなる群より選ばれる二つ以上のエラストマーの鎖延長体を含んでなる。つまり第2層は、エラストマーブレンドの鎖延長体を含有している。具体的には、ポリエステルエラストマーと、ポリウレタンエラストマーおよびポリアミドエラストマーから選ばれる少なくとも一種とのブレンドであることが好ましい。
好ましい組合せを列記すると下記のとおりである。
―――――――――――――――――――――
主エラストマー 副エラストマー
―――――――――――――――――――――
PE PU
PE PA
PE PU+PA
―――――――――――――――――――――
PE:ポリエステルエラストマー
PU:ポリウレタンエラストマー
PA:ポリアミドエラストマー
ただし、本発明では、第2層は、ポリエステルエラストマーと、ポリウレタンエラストマーおよびポリアミドエラストマーから選ばれる少なくとも1種との組合せであるエラストマーの鎖延長体を含む。
好ましい組合せを列記すると下記のとおりである。
―――――――――――――――――――――
主エラストマー 副エラストマー
―――――――――――――――――――――
PU PE
PU PA
PU PA、PU
PA PU
PA PE
PA PE、PU
―――――――――――――――――――――
PE:ポリエステルエラストマー
PU:ポリウレタンエラストマー
PA:ポリアミドエラストマー
第1層は前記の内層17(図2)であることが好ましい。本実施形態において、この内層は、前記可撓管基材の軸回りの全周面を被覆している。第1層は前記の樹脂からなるエラストマーであっても、その鎖延長体であっても、さらにそこに任意の添加剤を含有させた混合物であってもよい。
鎖延長体とするために、前記樹脂エラストマーに鎖延長剤を配合して鎖延長処理を施すことが好ましい。鎖延長剤は適宜に選定されればよく、多官能エポキシ化合物、多官能イソシアネート化合物、多官能アミノ化合物、オキサゾリン化合物、カルボジイミド化合物、および酸無水物から選ばれるものを用いることが好ましい。なかでも、多官能イソシアネート化合物、オキサゾリン化合物、カルボジイミド化合物を用いることがより好ましい。これらの選択された鎖延長剤を適用することで可撓管に適合した樹脂層の性能を総合的に引き上げることができ、特に、得られる可撓管の過酢酸耐性、弾発性、折り曲げ耐久性といった項目の性能を高めることができ好ましい。
前記エラストマーの鎖延長処理は、前記鎖延長剤に加え、触媒を加えて行うことが好ましい。触媒としては、エラストマーをアミン化合物および錫キレートから選ばれる少なくとも一つであることが好ましい。
・第2層は前記の外層18(図2)であることが好ましい。本実施形態において、この外層は、前記第1層に接し、かつ、前記第1層の前記軸回りの全周面を被覆する外層をなす。第2層は、エラストマー自体が適用されることはなく、その鎖延長体がまたはその他の成分を含有する混合物が適用される。このように、第2層(好ましくは外層)に特定エラストマーの鎖延長体を適用したことが本実施形態の特徴の1つであり、これにより内視鏡用可撓管の積層樹脂としたときに、顕著な効果を発揮する。
第1層および第2層に適用されるエラストマーの分子量は特に限定されないが、好適なハードセグメントを構成し、鎖延長剤のなすソフトセグメントとの良好な相互作用を引き出す観点から、分子量1万〜100万が好ましく、分子量2万〜50万がより好ましく、分子量3万〜30万が特に好ましい。
本発明において、エラストマーの分子量は、特に断らない限り、重量平均分子量を意味する。当該重量平均分子量は、GPCによってポリスチレン換算の分子量として計測することができる。このとき、GPC装置HLC−8220(東ソー社製)を用い、溶離液としては、ポリエステルエラストマーの場合はクロロホルム、ポリウレタンエラストマーの場合はNMP(N−メチル−2−ピロリドン)、ポリアミドエラストマーの場合はm−クレゾール/クロロホルム(湘南和光純薬社製)を用いカラムはG3000HXL+G2000HXLを用い、23℃で流量は1mL/minで、RIで検出することとする。
貯蔵弾性率E’は1MPa以上であることが好ましく、2MPa以上であることがより好ましく、3MPa以上であることが特に好ましい。150MPa以下であることが好ましく、100MPa以下であることがより好ましく、50MPa以下であることが特に好ましい。損失弾性率E”は0.1MPa以上であることが好ましく、0.3MPa以上であることがより好ましく、0.5MPa以上であることが特に好ましい。20MPa以下であることが好ましく、10MPa以下であることがより好ましく、5MPa以下であることが特に好ましい。損失正接は0.01以上であることが好ましく、0.03以上であることがより好ましく、0.05以上であることが特に好ましい。1以下であることが好ましく、0.5以下であることがより好ましく、0.3以下であることが特に好ましい。
なお、本明細書において粘弾性に関する値は、特に断らない限り、25℃の値とする。測定方法は、JIS−K7244−4に準拠する。
貯蔵弾性率E’は1MPa以上であることが好ましく、5MPa以上であることがより好ましく、10MPa以上であることが特に好ましい。1GPa以下であることが好ましく、500MPa以下であることがより好ましく、300MPa以下であることが特に好ましい。損失弾性率E”は0.1MPa以上であることが好ましく、0.5MPa以上であることがより好ましく、1MPa以上であることが特に好ましい。100MPa以下であることが好ましく、50MPa以下であることがより好ましく、30MPa以下であることが特に好ましい。損失正接は0.01以上であることが好ましく、0.03以上であることがより好ましく、0.05以上であることが特に好ましい。1以下であることが好ましく、0.5以下であることがより好ましく、0.3以下であることが特に好ましい。
第2層の100%モジュラス値は、1.0MPa以上であることが好ましく、1.5MPa以上であることがより好ましく、2.0MPa以上であることが特に好ましい。30MPa以下であることが好ましく、25MPa以下であることがより好ましく、20MPa以下であることが特に好ましい。
なお、本明細書においてモジュラス値は、特に断らない限り、25℃の値とする。測定方法は、JIS−K7311に準拠する。
本実施形態に係る樹脂層(特に第2層、外層)のエラストマーが実質的に架橋されていないことにより、内視鏡用可撓管の樹脂層として可撓性と折り曲げ耐久性という性能を発揮するため好ましい。
本実施形態の内視鏡用可撓管には、トップコート(コート層)16が適用されている。トップコートの材料は特に制限されないが、ウレタン塗料、アクリル塗料、フッ素塗料、シリコーン塗料、エポキシ塗料、ポリエステル塗料などが適用される。本実施形態の利点である樹脂層との密着性が顕著になり、かつ耐薬品性に優れる観点からは、ウレタン塗料、アクリル塗料、フッ素塗料が好ましい。トップコート層の被膜は通常の方法によればよいが、上記のコーティング成分を所定の溶媒に溶解させた溶液に必要により硬化剤を含有させ、硬化させる態様が挙げられる。硬化処理の仕方は、100〜200℃加熱することなどが挙げられる。
本実施形態におけるトップコートを使用する主な目的は、可撓管表面の保護や艶出し、滑り性の付与、そして耐薬品性の付与である。そのため、トップコートとしては弾性率が高く、かつ表面が平滑になり、耐薬品性に優れるものが好ましい。トップコート単独層での貯蔵弾性率E’は1MPa以上であることが好ましく、5MPa以上であることがより好ましく、10MPa以上であることが特に好ましい。1GPa以下であることが好ましく、500MPa以下であることがより好ましく、300MPa以下であることが特に好ましい。貯蔵弾性率E’を1MPa以上とすることで、トップコートとしての表面保護機能を発揮することができ、また、1GPa以下とすることで、得られる可撓管の可撓性を維持することができる。
上記実施形態においては、撮像装置を用いて被検体の状態を撮像した画像を観察する電子内視鏡を例に上げて説明しているが、本発明はこれに限るものではなく、光学的イメージガイドを採用して被検体の状態を観察する内視鏡にも適用することができる。
LA−1:カルボジライト LA−1(日清紡ケミカル社製)
SBXL P:スタバクゾールP(日本スタバクゾール社製)
HMDI:1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート
TPA−100:デュラネート TPA−100(旭化成ケミカルズ社製)
JER1010:オリゴマー型エポキシ樹脂JER1010(三菱化学社製)
MA: 無水マレイン酸
DBTDL:ジブチルスズジラウレート
INX 1098:イルガノックス 1098(BASF社製)
IF168:イルガフォス168(BASF社製)
TPS:スミライザー TPS(住友化学社製)
GS:スミライザー GS(住友化学社製)
PE1:東レデュポン社製ハイトレル4767(47D)
(重量平均分子量:11.4万)
PE2: 東洋紡社製ペルプレンP−40H(38D)
(重量平均分子量:13.2万)
PE3: DSM社製アーニテルEM400(34D)
(重量平均分子量:12.1万)
PE4: 東レデュポン社製ハイトレル3046(27D)
(重量平均分子量:12.8万)
PU1: DICバイエルポリマー社製パンデックスT−2190(92A)
(重量平均分子量:18.9万)
PU2: BASF社製エラストランET1080(80A)
(重量平均分子量:12.4万)
PU3: 日本ミラクトラン社性ミラクトランE675MNAT(75A)
(重量平均分子量:21.7万)
PU4: DICバイエルポリマー社製パンデックスT−5865(65A)
(重量平均分子量:17.2万)
PA1: アルケマ社製ペバックス2533(84A)
(重量平均分子量:20.8万)
PA2: アルケマ社製ペバックス3533(75A)
(重量平均分子量:17.1万)
[樹脂層のHFIPへの溶解性]
成形加工後の可撓管から樹脂0.2gを引き剥がし、室温にて1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノール5ml中に投入し、4時間放置した後に残渣の有無を目視にて確認した。
A:残渣が全く認められなかったもの
C:残渣が認められたもの
上記可撓管から樹脂を引き剥がし、1cm×10cmサイズで切り出して試験片とし、50℃の0.3%過酢酸水溶液に150時間浸漬、よく表面を水洗した後に23℃×50%RHで24時間乾燥後、テンシロンを用いて伸度50%の引張試験を行った。
AA:伸度150%の引張試験でも破断しなかったもの
A :伸度50%の引張試験にて破断しなかったもの
B :伸度50%の引張試験にて破断しなかったが層間で剥離が発生したもの
C :伸度50%の引張試験にて破断したもの
先端部から20cmの位置と同じく40cmの位置を固定し、30cmの位置で15mm押し込み、30秒後の反発力をフォースゲージで測定した。
A:反発弾性が15N以下のもの
B:15N超25N以下のもの
C:25N超のもの
先端部から50cmの位置と同じく70cmの位置を固定し、60cmの位置(可撓管の中心部)で15mm押しこみ、0.1秒後の反発力(A)に対し、30秒後の反発力(B)の比率を弾発性(%)として測定した。
[弾発性(%)]=(B)/(A)×100
AA:弾発性が85%以上のもの
A :80%以上85%未満のもの
B :70%以上80%未満のもの
C :70%未満のもの
上記得られた可撓管を、テーブル上に曲率部の半径20cmとなる様にU字状に配置し、先端部(軟らかい側)にトルクメーターを取り付け、後端部(硬い側)を一定速度で360°回転させ、トルクメーターが示した値の最大値を捻りトルクとした。捻りトルクが低いほど捻り追随性は良好であると判断され、特に0.1Nm以下であれば捻り追随性は良好、0.1Nmを超えると不良、0.2Nmと超えると著しく不良、と判断した。
上記得られた可撓管を、直径10cmのプーリーの半周部分をU字状になる様に接触させ、先端部および後端部がプーリー端の5cm手前にまで来る位置になる様に一万回往復運動させ、樹脂の状態を目視にて観察した。
A:樹脂の裂けや剥がれが見られないもの
B:一部に剥がれが見られるもの
C:多くの部分に剥がれが見られるもの
D:ほぼ全面が剥がれたもの
上記弾発性試験を同様に40℃、50%RH環境下で測定を行い、25℃での弾発性(X)と40℃での弾発性(Y)との比率を以下式により求めた。
[温度依存性(%)]=(Y)/(X)×100
AA:温度依存性が、95%以上105%未満のもの
A :90%以上95%未満ないし105%以上110%未満のもの
B :85%以上90%未満ないし110%以上115%未満のもの
C :85%未満ないし115%以上のもの
上記得られた可撓管上から樹脂層を引き剥がし、外側面にMEK溶媒で希釈されたウレタン塗料(亜細亜工業社製ネオペイントウレタン#7000AB(二液型)を主剤:硬化剤を重量比で100:5になる様に配合)を塗布、50℃で30分MEKを揮散させ、同じ樹脂層を外側面が互いに向き合う様に貼り付け、続いて130℃で4時間加熱硬化させ、ウレタン系トップコート(凡その厚み50μm)をサンドイッチした多層シートを作製した。得られた多層シートの上樹脂層と下樹脂層とを、テンシロンを用いて180°剥離試験を行い、トップコート密着強度を測定した。
AA:密着強度が充分に強く、樹脂層もしくはトップコート層内部で
凝集剥離したもの
A:界面で剥離したが密着強度が4N/cm超であったもの
B:界面で剥離したが密着強度が2N/cm以上4N/cm未満
であったもの
C:2N/cm未満であったもの
3 挿入部
3a 可撓管
3b アングル部
3c 先端部
5 本体操作部
6 ユニバーサルコード
11 螺旋管
11a 金属帯片
12 筒状網体
13 口金
14 可撓管基材
14a 先端側
14b 基端側
15 樹脂層
16 コート膜
17 内層
18 外層
20 連続成形機(製造装置)
21,22 押し出し部
21a スクリュー
22a スクリュー
23 ヘッド部
24 冷却部
25 搬送部
26 制御部
30 ジョイント部材
31 連結可撓管基材
32 ニップル
33 ダイス
34 支持体
35、36 ゲート
37 成形通路
39 軟質樹脂
40 硬質樹脂
Claims (14)
- 可撓性を有する筒状の可撓管基材と当該可撓管基材を被覆する樹脂層とを有してなる内視鏡用可撓管であって、
前記樹脂層は第1層と第2層との少なくとも2層で構成され、
前記第1層は、ポリエステルエラストマー、ポリウレタンエラストマー、およびポリアミドエラストマーからなる群より選ばれる一つ以上のエラストマーまたはその鎖延長体を含んでなり、
前記第2層は、ポリエステルエラストマーと、ポリウレタンエラストマーおよびポリアミドエラストマーから選ばれる少なくとも1種との組合せであるエラストマーの鎖延長体を含んでなり、
前記第1層は、前記可撓管基材の軸回りの全周面を被覆する内層をなし、前記第2層は該第1層に接し、かつ、該第1層の該軸回りの全周面を被覆する外層をなす内視鏡用可撓管。 - エラストマーの鎖延長体を含むのが、前記第2層のみである請求項1に記載の内視鏡用可撓管。
- 前記第1層にポリウレタンエラストマーを含有する請求項1または2に記載の内視鏡用可撓管。
- 前記第2層に含有する前記エラストマーの鎖延長体において、ポリエステルエラストマー成分が100質量部に対し、ポリウレタンエラストマーおよびポリアミドエラストマーから選ばれる少なくとも1種のエラストマー成分が5〜100質量部である請求項1〜3のいずれか1項に記載の内視鏡用可撓管。
- 前記第1層に含有するエラストマーもしくは鎖延長体のJISK7215に基づくA硬さが40以上であり、前記第2層に含有する前記エラストマーの鎖延長体におけるエラストマー成分もしくは前記鎖延長体のJISK7215に基づくD硬さが20以上である請求項1〜4のいずれか1項に記載の内視鏡用可撓管。
- 前記樹脂層が1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノールに可溶で、実質的に架橋していない請求項1〜5のいずれか1項に記載の内視鏡用可撓管。
- 前記樹脂層全体の厚みに対し、前記内層及び外層の厚みの割合が、前記可撓管基材の軸方向において変化している請求項1〜6のいずれか1項に記載の内視鏡用可撓管。
- 前記内層及び外層は、一端における厚みの割合が5:95〜40:60(内層:外層)であり、他端における厚みの割合が95:5〜60:40(内層:外層)の範囲にあり、両端間において厚みの割合が逆転するようにされている請求項7に記載の内視鏡用可撓管。
- 前記樹脂層に、フェノール系化合物、アミン系化合物、リン系化合物、イオウ系化合物、およびフェニルアクリレート系化合物から選ばれる熱安定剤をさらに含有する請求項1〜8のいずれか1項に記載の内視鏡用可撓管。
- 可撓性を有する筒状の可撓管基材と、当該可撓管基材を被覆する樹脂層とを有してなる内視鏡用可撓管の製造方法であって、
前記樹脂層は、前記可撓管基材の軸回りの全周面を被覆する内層をなす第1層と前記第1層の前記軸回りの全周面を被覆する外層をなす第2層との少なくとも2層で構成され、
前記第1層を構成するポリエステルエラストマー、ポリウレタンエラストマー、またはポリアミドエラストマーを含む第1樹脂材料を準備し、他方
前記第2層を構成する、ポリエステルエラストマーと、ポリウレタンエラストマーおよびポリアミドエラストマーから選ばれる少なくとも1種のエラストマーと、鎖延長剤とを含有する第2樹脂材料を準備し、
前記第1樹脂材料と前記第2樹脂材料とを前記可撓管基材の周囲に溶融混練して押し出し成形し、前記樹脂層を当該可撓管基材に被覆する内視鏡用可撓管の製造方法。 - 前記鎖延長剤として、多官能エポキシ化合物、多官能イソシアネート化合物、多官能アミノ化合物、オキサゾリン化合物、カルボジイミド化合物、および酸無水物から選ばれる少なくとも1つの鎖延長剤を用いる請求項10に記載の内視鏡用可撓管の製造方法。
- 前記エラストマーの鎖延長体が、前記エラストマー100質量部に対して、前記鎖延長剤0.01〜10質量部の配合で処理されてなる請求項10または11に記載の内視鏡用可撓管の製造方法。
- 前記第1樹脂材料および/または第2樹脂材料に、さらにアミン化合物および錫キレートから選ばれる少なくとも一つの触媒を含有させる請求項10〜12のいずれか1項に記載の内視鏡用可撓管の製造方法。
- 前記エラストマーの鎖延長体が、前記エラストマー100質量部に対して、前記触媒を0.01〜3質量部の配合で処理されてなる請求項13に記載の内視鏡用可撓管の製造方法。
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