JP6047440B2 - 内視鏡用可撓管およびその製造方法 - Google Patents

内視鏡用可撓管およびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、内視鏡用可撓管およびその製造方法に関する。
内視鏡は、患者の体腔内を観察するための医療用の機器である。したがって、体腔内に挿入して用いるため、臓器に傷をつけず、患者に痛みや違和感を与えないものが望まれる。そのような要請から、内視鏡の挿入部を構成する可撓管には、柔らかく屈曲する金属帯片を螺旋状に巻いて形成された螺旋管が採用されている。さらに、その周囲が柔軟な樹脂で被覆され、食道や腸などの表面に刺激や傷などを与えない工夫がなされている。
前記の樹脂層は、例えば、螺旋管を筒状網体で覆った可撓管基材の外周面に押し出し成形することにより被覆成形することができる。このとき、挿入部を体腔内に挿入しやすくするため、先端側は柔軟性を高くし軟らかく、後端側は操作しやすくするため、柔軟性を低く硬くすることが好ましい。これを考慮し、本出願人は、樹脂層として互いに硬さが異なる内層及び外層の二層構造を採用し、その樹脂層の内層と外層の厚みの割合を可撓管の軸方向で変化させたものを提案した(特許文献1参照)。これにより、可撓管の軸方向において柔軟性を変化させて、可撓管全体の硬さのバランスを好適化し、上記の要望に応えるものである。
特開2011−72391号公報
本出願人は、上記特許文献1で開発した二層構造の内視鏡可撓管の樹脂層に対してさらに改良を加え、内視鏡に求められる総合性能を引き上げることを開発の目標に据えた。特に、可撓性や弾発性といった樹脂の基本物性はもとより、診断後の洗浄に対する耐性や、医師の診断における微妙な操作性を左右する温度依存性といった点にも配慮した樹脂配合について探索した。
そこで、本発明は、内視鏡用可撓管の樹脂層において、可撓性等の当該用途に求められる良好な樹脂物性を維持して、洗浄液に対する高い耐性を有し、温度による物性変化(温度依存性)を抑え、かつトップコートの密着性にも優れた内視鏡用可撓管およびその製造方法の提供を目的とする。
上記目的は下記の手段により達成された。
〔1〕可撓性を有する筒状の可撓管基材と可撓管基材を被覆する樹脂層とを有してなる内視鏡用可撓管であって、
樹脂層は第1層と第2層との少なくとも2層で構成され、
第1層は、ポリエステルエラストマー、ポリウレタンエラストマー、およびポリアミドエラストマーからなる群より選ばれる一つ以上のエラストマーまたはその鎖延長体を含んでなり、
第2層は、ポリエステルエラストマー、ポリウレタンエラストマーおよびポリアミドエラストマーから選ばれる少なくとも1種との組合せであるエラストマーの鎖延長体を含んでなり、
第1層は、可撓管基材の軸回りの全周面を被覆する内層をなし、第2層は第1層に接し、かつ、第1層の軸回りの全周面を被覆する外層をなす内視鏡用可撓管。
〔2〕エラストマーの鎖延長体を含むのが、第2層のみである〔1〕に記載の内視鏡用可撓管。
〔3〕第1層にポリウレタンエラストマーを含有する〔1〕または〔2〕に記載の内視鏡用可撓管。
〔4〕第2層に含有するエラストマーの鎖延長体において、ポリエステルエラストマー成分が100質量部に対し、ポリウレタンエラストマーおよびポリアミドエラストマーから選ばれる少なくとも1種のエラストマー成分が5〜100質量部である〔1〕〜〔3〕のいずれか1つに記載の内視鏡用可撓管。
〔5〕第1層に含有するエラストマーもしくは鎖延長体のJISK7215に基づくA硬さが40以上であり、第2層に含有するエラストマーの鎖延長体におけるエラストマー成分もしくは鎖延長体のJISK7215に基づくD硬さが20以上である〔1〕〜〔4〕のいずれか1つに記載の内視鏡用可撓管。
〕樹脂層が1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノールに可溶で、実質的に架橋していない〔1〕〜〔〕のいずれか1に記載の内視鏡用可撓管。
〕樹脂層全体の厚みに対し、内層及び外層の厚みの割合が、可撓管基材の軸方向において変化している〔1〕〜〔6〕のいずれか1つに記載の内視鏡用可撓管。
〕内層及び外層は、一端における厚みの割合が5:95〜40:60(内層:外層)であり、他端における厚みの割合が95:5〜60:40(内層:外層)の範囲にあり、両端間において厚みの割合が逆転するようにされている〔記載の内視鏡用可撓管。
〕上記樹脂層に、フェノール系化合物、アミン系化合物、リン系化合物、イオウ系化合物、およびフェニルアクリレート系化合物から選ばれる熱安定剤をさらに含有する〔1〕〜〔〕のいずれか1に記載の内視鏡用可撓管。
10〕可撓性を有する筒状の可撓管基材と、可撓管基材を被覆する樹脂層とを有してなる内視鏡用可撓管の製造方法であって、
樹脂層は、可撓管基材の軸回りの全周面を被覆する内層をなす第1層と第1層の軸回りの全周面を被覆する外層をなす第2層との少なくとも2層で構成され、
第1層を構成するポリエステルエラストマー、ポリウレタンエラストマー、またはポリアミドエラストマーを含む第1樹脂材料を準備し、他方
第2層を構成する、ポリエステルエラストマー、ポリウレタンエラストマーおよびポリアミドエラストマーから選ばれる少なくとも1種のエラストマーと、鎖延長剤とを含有する第2樹脂材料を準備し、
第1樹脂材料と第2樹脂材料とを可撓管基材の周囲に溶融混練して押し出し成形し、樹脂層を可撓管基材に被覆する内視鏡用可撓管の製造方法。
11〕鎖延長剤として、多官能エポキシ化合物、多官能イソシアネート化合物、多官能アミノ化合物、オキサゾリン化合物、カルボジイミド化合物、および酸無水物から選ばれる少なくとも1つの鎖延長剤を用いる〔10〕に記載の内視鏡用可撓管の製造方法。
〔12〕エラストマーの鎖延長体が、エラストマー100質量部に対して、鎖延長剤0.01〜10質量部の配合で処理されてなる〔10〕または〔11〕に記載の内視鏡用可撓管の製造方法。

13〕第1樹脂材料および/または第2樹脂材料に、さらにアミン化合物および錫キレートから選ばれる少なくとも一つの触媒を含有させる〔1012のいずれか1つに記載の内視鏡用可撓管の製造方法。
〔14〕エラストマーの鎖延長体が、エラストマー100質量部に対して、触媒を0.01〜3質量部の配合で処理されてなる〔13〕に記載の内視鏡用可撓管の製造方法。
本発明の内視鏡用可撓管は、その被覆樹脂層が可撓性等の内視鏡用途に求められる物性を維持して、洗浄液に対する高い耐性を有し、温度による物性変化(温度依存性)が抑えられ、かつトップコートの密着性にも優れる。本発明の製造方法によれば、上記の優れた性能を発揮する内視鏡用可撓管を好適に製造することができる。
電子内視鏡の構成を示す外観図である。 可撓管の概略的な構成を示す部分断面図である。 内視鏡用可撓管の製造装置の構成を概略的に示すブロック図である。 図4のA−A線で切断した断面図である。
本発明の好ましい実施形態に係る電子内視鏡には、可撓管が組み込まれている。こうした製品は医療用として広く用いられる。図1に示した例において、電子内視鏡2は、体腔内に挿入される挿入部3と、挿入部3の基端部分に連設された本体操作部5と、プロセッサ装置や光源装置に接続されるユニバーサルコード6とを備えている。挿入部3は、本体操作部5に連設される可撓管(可撓管部)3aと、そこに連設されるアングル部3bと、その先端に連設され、体腔内撮影用の撮像装置(図示せず)が内蔵された先端部3cとから構成される。挿入部3の大半の長さをしめる可撓管部3aは、そのほぼ全長にわたって可撓性を有し、特に体腔等の内部に挿入される部位はより可撓性に富む構造となっている。
(可撓管)
可撓管3a(内視鏡用可撓管)は、図2に示すように、最内側に金属帯片11aを螺旋状に巻回することにより形成される螺旋管11に、金属線を編組してなる筒状網体12を被覆して両端に口金13をそれぞれ嵌合した可撓管基材14とし、さらに、その外周面に樹脂層15が被覆された構成となっている。また、樹脂層15の外面に、耐薬品性のある例えばフッ素等を含有したコート膜16をコーティングしている。螺旋管11は、1層だけ図示されているが、同軸に2層重ねにして構成してもよい。なお、樹脂層15及びコート膜16は、層構造を明確に図示するため、可撓管基材14の径に比して厚く描いている。
樹脂層15は、可撓管基材14の外周面を被覆する。樹脂層15は、可撓管基材14の軸回りの全周面を被覆する内層17と、内層17の軸回りの全周面を被覆する外層18とを積層した二層構成である。内層17の材料には、軟質樹脂が使用され、外層18の材料には、硬質樹脂が使用される。
樹脂層15は、可撓管基材14の長手方向(軸方向)においてほぼ均一な厚みで形成される。樹脂層15の厚みは、例えば、0.2mm〜1.0mmであり、可撓管3aの外径Dは、例えば、11〜14mmである。内層17及び外層18の厚みは、可撓管基材14の軸方向において、樹脂層15の全体の厚みに対して、各層17,18の厚みの割合が変化するように形成されている。具体的には、アングル部3bに取り付けられる可撓管基材14の一端14a側(先端側)は、外皮層15の全厚みに対して、内層17の厚みの方が外層18の厚みよりも大きい。そして、一端14aから本体操作部5に取り付けられる他端14b側(基端側)に向かって、徐々に内層17の厚みが漸減し、他端14b側では、外層18の厚みの方が内層17の厚みよりも大きくなっている。
両端14a,14bにおいて、内層17と外層18の厚みの割合は最大であり、一端14aにおいて、9:1であり、他端14bにおいて、1:9である。両端14a,14bの間は、内層17と外層18の厚みの割合が逆転するように変化させている。これにより、可撓管3aは、一端14a側と、他端14b側の硬度に差が生じ、一端14a側が軟らかく、他端14b側が硬くなるように軸方向において柔軟性が変化する。前記内層及び外層は、一端における厚みの割合は、さらに5:95〜40:60(内層:外層)であり、他端における厚みの割合が95:5〜60:40(内層:外層)の範囲にあることが好ましい。
なお、内層17と外層18との厚みの割合は、上記例のように5:95〜95:5の範囲内とすることが好ましい。この割合以上にした場合(例えば、2:98など)は、薄い方の樹脂の押し出し量を制御することが難しいため、成形ムラが生じやすい。
内層17及び外層18に用いる軟質樹脂及び硬質樹脂は、後述するように、成形後の硬度を表す指標である、100%モジュラス値の差が10MPa以上であり、溶融状態の樹脂の流動性を表す指標である、150°C〜300°Cの成形温度における溶融粘度の差が2500PaS以下である2種類の樹脂を使用している。このため、内層17及び外層18からなる樹脂層15は、良好な成形精度と、先端側と基端側において必要な硬度差の両方が確保される。
(可撓管部の製造方法)
本発明好ましい実施形態に係る製造方法は、
第1層と第2層との少なくとも2層で構成された樹脂層を形成するに当たり、
(i)前記第1層を構成するポリエステルエラストマー、ポリウレタンエラストマー、またはポリアミドエラストマーを含む第1樹脂材料を準備し、他方
(ii)前記第2層を構成する、ポリエステルエラストマー、ポリウレタンエラストマーおよびポリアミドエラストマーから選ばれる少なくとも1種のエラストマーと、鎖延長剤とを含有する第2樹脂材料を準備し、
(iii)前記第1樹脂材料と前記第2樹脂材料とを前記可撓管基材の周囲に溶融混練して押し出し成形し、前記樹脂層を当該可撓管基材に被覆することが好ましい。
図3、図4に基づき可撓管部3a(図1、図2)の製造方法について説明すると、その樹脂層15を成形するために連続成形機を用いることが好ましい。連続成形機20は、ホッパ、スクリュー21a、22aなどからなる周知の押し出し部21、22と、可撓管基材14の外周面に樹脂層15を被覆成形するためのヘッド部23と、冷却部24と、連結可撓管基材31をヘッド部23へ搬送する搬送部25(供給ドラム28と、巻取ドラム29)と、これらを制御する制御部26とからなるものを用いることが好ましい。ヘッド部23は、ニップル32、ダイス33、及びこれらを固定的に支持する支持体34からなるものが好ましい。このような装置の構成例としては、例えば、特開2011−72391号公報の図3〜5に記載の装置を使用することができる。
ダイス33の内部を所定の成形温度に加熱することが好ましい。成形温度は、150°C〜300°Cの範囲に設定されることが好ましい。装置内の加熱部を加熱温調することにより軟質樹脂39及び硬質樹脂40の各温度を高温にすることができるが、これに加え、スクリュー21a、22aの各回転数が高い程、軟質樹脂39及び硬質樹脂40の各温度をさらに高くすることができ、それぞれの流動性を高めることができる。このとき、連結可撓管基材31の搬送速度を一定とし、溶融状態の軟質樹脂39及び硬質樹脂40の各吐出量を変更することにより、内層17及び外層18の各成形厚みが調整することができる。
連続成形機20で連結可撓管基材31に樹脂層15を成形するときのプロセスについて説明すると、連続成形機20が成形工程を行うときは、押し出し部21、22から溶融状態の軟質樹脂39及び硬質樹脂40がヘッド部23へと押し出される。これとともに、搬送部25が動作して連結可撓管基材31がヘッド部23へと搬送される。このとき、押し出し部21、22は、軟質樹脂39及び硬質樹脂40を常時押し出してヘッド部23へ供給する状態であり、押し出し部21、22からゲート35、36へ押し出された軟質樹脂39及び硬質樹脂40は、エッジを通過して合流し、重なった状態で樹脂通路38を通って成形通路37へ供給される。これにより、軟質樹脂39を使用した内層17と硬質樹脂40を使用した外層18が重なった二層成形の樹脂層15が形成される。
連結可撓管基材31は、複数の可撓管基材14が連結されたものであり、成形通路37内を搬送中に、複数の可撓管基材14に対して連続的に樹脂層15が成形される。1つの可撓管基材の一端14a側(先端側)から他端14b側(基端側)まで樹脂層15を成形するとき、押し出し部21、22による樹脂の吐出を開始した直後は、内層17の厚みを厚くとる。そして、他端14b側へ向かう中間部分で徐々に外層18の厚みの割合を漸増させる。これにより、前記の傾斜的な樹脂層15の厚み割合となるように樹脂の吐出量を制御することが好ましい。
ジョイント部材30は、2つの可撓管基材14の連結部であるので、制御部26は押し出し部21、22の吐出量の切り替えに利用される。具体的には、制御部26は、1本の可撓管基材14の他端14b側(基端側)における厚みの割合から、次の可撓管基材14の一端14a側(先端側)の厚みの割合になるように、押し出し部21、22の吐出量を切り替えることが好ましい。次の可撓管基材14の一端14a側から他端14b側まで樹脂層15を成形するときは、同様に一端側から他端側へ向かって徐々に外層の厚みが大きくなるように、押し出し部21、22が制御されることが好ましい。
最後端まで樹脂層15が成形された連結可撓管基材31は、連続成形機20から取り外された後、可撓管基材14からジョイント部材30が取り外され、各可撓管基材14に分離される。次に、分離された可撓管基材14に対して、樹脂層15の上にコート膜16がコーティングされて、可撓管3aが完成する。完成した可撓管3aは、電子内視鏡の組立工程へ搬送される。
(樹脂層)
本発明の樹脂層は第1層と第2層との少なくとも2層で構成され、前記第1層はポリエステルエラストマー、ポリウレタンエラストマー、およびポリアミドエラストマーからなる群より選ばれる一つ以上のエラストマーまたはその鎖延長体を含んでなる。一方、前記第2層は、ポリエステルエラストマー、ポリウレタンエラストマー、ポリアミドエラストマーからなる群より選ばれる二つ以上のエラストマーの鎖延長体を含んでなる。つまり第2層は、エラストマーブレンドの鎖延長体を含有している。具体的には、ポリエステルエラストマーと、ポリウレタンエラストマーおよびポリアミドエラストマーから選ばれる少なくとも一種とのブレンドであることが好ましい。
第2層は上述のとおり、2種以上のエラストマーのブレンドを用いる。エラストマーの組合せとしては、ポリエステルエラストマーと他のエラストマーとを組み合わせることが好ましい。その配合比は、ポリエステルエラストマー100質量部に対して、その他のエラストマーを5〜100質量部とすることが好ましく、10〜80質量部とすることがより好ましく、15〜60質量部とすることが特に好ましい。
好ましい組合せを列記すると下記のとおりである。
―――――――――――――――――――――
主エラストマー 副エラストマー
―――――――――――――――――――――
PE PU
PE PA
PE PU+PA
―――――――――――――――――――――
PE:ポリエステルエラストマー
PU:ポリウレタンエラストマー
PA:ポリアミドエラストマー
ただし、本発明では、第2層は、ポリエステルエラストマーと、ポリウレタンエラストマーおよびポリアミドエラストマーから選ばれる少なくとも1種との組合せであるエラストマーの鎖延長体を含む。
第1層についても同様にエラストマーブレンドを用いてもよく、その組合せとしては、ポリウレタンエラストマーにその他のエラストマーを組み合わせる態様、あるいはポリアミドエラストマーにその他のエラストマーを組み合わせる態様が好ましい。その配合は、ポリウレタンエラストマーまたはポリアミドエラストマー100質量部に対して、その他のエラストマーを5〜100質量部とすることが好ましく、10〜80質量部とすることがより好ましく、15〜60質量部とすることが特に好ましい。
好ましい組合せを列記すると下記のとおりである。
―――――――――――――――――――――
主エラストマー 副エラストマー
―――――――――――――――――――――
PU PE
PU PA
PU PA、PU
PA PU
PA PE
PA PE、PU
―――――――――――――――――――――
PE:ポリエステルエラストマー
PU:ポリウレタンエラストマー
PA:ポリアミドエラストマー
−第1層−
第1層は前記の内層17(図2)であることが好ましい。本実施形態において、この内層は、前記可撓管基材の軸回りの全周面を被覆している。第1層は前記の樹脂からなるエラストマーであっても、その鎖延長体であっても、さらにそこに任意の添加剤を含有させた混合物であってもよい。
・鎖延長剤
鎖延長体とするために、前記樹脂エラストマーに鎖延長剤を配合して鎖延長処理を施すことが好ましい。鎖延長剤は適宜に選定されればよく、多官能エポキシ化合物、多官能イソシアネート化合物、多官能アミノ化合物、オキサゾリン化合物、カルボジイミド化合物、および酸無水物から選ばれるものを用いることが好ましい。なかでも、多官能イソシアネート化合物、オキサゾリン化合物、カルボジイミド化合物を用いることがより好ましい。これらの選択された鎖延長剤を適用することで可撓管に適合した樹脂層の性能を総合的に引き上げることができ、特に、得られる可撓管の過酢酸耐性、弾発性、折り曲げ耐久性といった項目の性能を高めることができ好ましい。
前記鎖延長剤の配合量としては、前記エラストマー(ブレンドの場合はその合計)100質量部に対して、鎖延長剤0.01質量部以上であることが好ましく、0.05質量部以上であることがより好ましく、0.1質量部以上であることが特に好ましい。上限は、10質量部以下であることが好ましく、5.0質量部以下であることがより好ましく、1.0質量部以下であることが特に好ましい。上記上限値以下とすることで、得られる可撓管の可撓性と折り曲げ耐久性を向上することができ好ましい。上記下限値以上とすることで、得られる可撓管の過酢酸耐性を向上することができ好ましい。
鎖延長剤はエラストマーがなすハードセグメントを連結し、相応の鎖長をもつソフトセグメントを構成することが好ましい。かかる観点から、上記の配合量や分子量を調整することが好ましい。鎖延長剤の分子量としては、100〜5万が好ましく、120〜3万がより好ましく、150〜2万が特に好ましい。なお、鎖延長剤の分子量については、市販の化合物についてはカタログ記載の化学構造から算出した分子量を適用することができる。化学構造が不明の場合は、LC−MSによりカラム分離をした上でマススペクトロメトリーにより分子量を決定する方法を適用することができる。また、分子量が大きくマススペクトロメトリーの解析が困難な場合はGPCによってポリスチレン換算の重量平均分子量を計測することができる。このとき、GPC装置HLC−8220(東ソー社製)を用い、溶離液としてはTHF(テトラヒドロフラン)(湘南和光純薬社製)を用いカラムはG3000HXL+G2000HXLを用い、23℃で流量は1mL/minで、RIで検出することとする。
鎖延長処理は、エラストマーと鎖延長剤とを含有する樹脂混合物を溶融混練して行うことが好ましい。この溶融混練処理は、混練機(エクストルーダー)を用いて混練して予めペレット状態にした後に前記成形機で成形したり、前記連続成形機のホッパやスクリューなどで行われる方法があるが、均一にまんべんなく鎖延長剤を適用させることができることから、混練機を用いることが好ましい。このとき、加熱されることが好ましく、この加熱は前記のように混練機や連続成形機の各部を温度制御することにより行うことができる。その設定温度は前述のとおりであるが、樹脂の温度としていうと、150℃〜300℃に加熱されることが好ましく、180℃〜250℃に加熱されることが好ましい。このように、本実施形態のエラストマーは、押出成形時の加熱、溶融、混練、押出の一連の過程において鎖延長処理が行われることが好ましい。
・触媒
前記エラストマーの鎖延長処理は、前記鎖延長剤に加え、触媒を加えて行うことが好ましい。触媒としては、エラストマーをアミン化合物および錫キレートから選ばれる少なくとも一つであることが好ましい。
前記触媒の配合量としては、前記エラストマー(ブレンドの場合はその合計)100質量部に対して、触媒0.01質量部以上であることが好ましく、0.02質量部以上であることがより好ましく、0.03質量部以上であることが特に好ましい。上限は、3質量部以下であることが好ましく、1質量部以下であることがより好ましく、0.5質量部以下であることが特に好ましい。上記上限値以下とすることで、過剰な触媒によるポリマーの熱劣化を抑制することができ好ましい。上記下限値以上とすることで、得られる可撓管の過酢酸耐性を向上することができ好ましい。
上記第1層には、フェノール系化合物、アミン系化合物、リン系化合物、イオウ系化合物、フェニルアクリレート系化合物から選ばれる熱安定剤をさらに含有させることが好ましい。中でもアミン系化合物が好ましく、特にヒンダードアミン系化合物が特に好ましい。これにより、混練や成形加工時の熱履歴による樹脂の変質を抑えることができ、医師の診断における機器の操作性を安定させることができる。
前記熱安定剤の配合量としては、前記エラストマー(ブレンドの場合はその合計)100質量部に対して、熱安定剤0.01質量部以上であることが好ましく、0.1質量部以上であることがより好ましく、0.5質量部以上であることが特に好ましい。上限は、10質量部以下であることが好ましく、5質量部以下であることがより好ましく、3質量部以下であることが特に好ましい。上記上限値以下とすることで、得られる可撓管表面からの熱安定剤のブリードアウトを抑制し、なおかつ高いトップコート密着性を発揮することができ好ましい。上記下限値以上とすることで、得られる可撓管の過酢酸耐性が向上することができ好ましい。
−第2層−
・第2層は前記の外層18(図2)であることが好ましい。本実施形態において、この外層は、前記第1層に接し、かつ、前記第1層の前記軸回りの全周面を被覆する外層をなす。第2層は、エラストマー自体が適用されることはなく、その鎖延長体がまたはその他の成分を含有する混合物が適用される。このように、第2層(好ましくは外層)に特定エラストマーの鎖延長体を適用したことが本実施形態の特徴の1つであり、これにより内視鏡用可撓管の積層樹脂としたときに、顕著な効果を発揮する。
鎖延長剤の種類および量、鎖延長処理の態様、触媒の種類および量、熱安定剤の種類および量は、いずれも第1層で述べたことと同じである。
−物性−
第1層および第2層に適用されるエラストマーの分子量は特に限定されないが、好適なハードセグメントを構成し、鎖延長剤のなすソフトセグメントとの良好な相互作用を引き出す観点から、分子量1万〜100万が好ましく、分子量2万〜50万がより好ましく、分子量3万〜30万が特に好ましい。
本発明において、エラストマーの分子量は、特に断らない限り、重量平均分子量を意味する。当該重量平均分子量は、GPCによってポリスチレン換算の分子量として計測することができる。このとき、GPC装置HLC−8220(東ソー社製)を用い、溶離液としては、ポリエステルエラストマーの場合はクロロホルム、ポリウレタンエラストマーの場合はNMP(N−メチル−2−ピロリドン)、ポリアミドエラストマーの場合はm−クレゾール/クロロホルム(湘南和光純薬社製)を用いカラムはG3000HXL+G2000HXLを用い、23℃で流量は1mL/minで、RIで検出することとする。
第1層(内層)を構成するエラストマーないしその鎖延長体の物性は好適に設定されていることが好ましい。例えば、A硬さ:JISK7215は、40以上であることが好ましく、50以上であることがより好ましく、60以上であることが特に好ましい。98以下であることが好ましく、95以下であることがより好ましく、90以下であることが特に好ましい。
貯蔵弾性率E’は1MPa以上であることが好ましく、2MPa以上であることがより好ましく、3MPa以上であることが特に好ましい。150MPa以下であることが好ましく、100MPa以下であることがより好ましく、50MPa以下であることが特に好ましい。損失弾性率E”は0.1MPa以上であることが好ましく、0.3MPa以上であることがより好ましく、0.5MPa以上であることが特に好ましい。20MPa以下であることが好ましく、10MPa以下であることがより好ましく、5MPa以下であることが特に好ましい。損失正接は0.01以上であることが好ましく、0.03以上であることがより好ましく、0.05以上であることが特に好ましい。1以下であることが好ましく、0.5以下であることがより好ましく、0.3以下であることが特に好ましい。
なお、本明細書において粘弾性に関する値は、特に断らない限り、25℃の値とする。測定方法は、JIS−K7244−4に準拠する。
第2層(外層)を構成するエラストマーの鎖延長体の物性は好適に設定されていることが好ましい。例えば、例えば、D硬さ:JISK7215は、20以上であることが好ましく、25以上であることがより好ましく、30以上であることが特に好ましい。80以下であることが好ましく、70以下であることがより好ましく、60以下であることが特に好ましい。
貯蔵弾性率E’は1MPa以上であることが好ましく、5MPa以上であることがより好ましく、10MPa以上であることが特に好ましい。1GPa以下であることが好ましく、500MPa以下であることがより好ましく、300MPa以下であることが特に好ましい。損失弾性率E”は0.1MPa以上であることが好ましく、0.5MPa以上であることがより好ましく、1MPa以上であることが特に好ましい。100MPa以下であることが好ましく、50MPa以下であることがより好ましく、30MPa以下であることが特に好ましい。損失正接は0.01以上であることが好ましく、0.03以上であることがより好ましく、0.05以上であることが特に好ましい。1以下であることが好ましく、0.5以下であることがより好ましく、0.3以下であることが特に好ましい。
第1層の100%モジュラス値は、0.5MPa以上であることが好ましく、1.0MPa以上であることがより好ましく、1.5MPa以上であることが特に好ましい。20MPa以下であることが好ましく、15MPa以下であることがより好ましく、10MPa以下であることが特に好ましい。
第2層の100%モジュラス値は、1.0MPa以上であることが好ましく、1.5MPa以上であることがより好ましく、2.0MPa以上であることが特に好ましい。30MPa以下であることが好ましく、25MPa以下であることがより好ましく、20MPa以下であることが特に好ましい。
なお、本明細書においてモジュラス値は、特に断らない限り、25℃の値とする。測定方法は、JIS−K7311に準拠する。
前記樹脂層は、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノール(特定溶媒)に可溶であることが好ましい。前記特定溶媒に可溶であるとは、20℃で5質量%の溶解度を示すことを意味する。このように、特定溶媒に可溶であるとは、樹脂が三次元(架橋)構造を有していないという技術的意義を有し、内視鏡用可撓管の樹脂層として可撓性を発揮するため好ましい。
前記樹脂層(第1層、第2層)は、そのエラストマーが実質的に架橋していないことが好ましい。ここで、実質的に架橋していないとは、架橋されていないことのほか、樹脂がNMR等で検出可能な範囲で分岐構造を有していないことを言う。
本実施形態に係る樹脂層(特に第2層、外層)のエラストマーが実質的に架橋されていないことにより、内視鏡用可撓管の樹脂層として可撓性と折り曲げ耐久性という性能を発揮するため好ましい。
[トップコート]
本実施形態の内視鏡用可撓管には、トップコート(コート層)16が適用されている。トップコートの材料は特に制限されないが、ウレタン塗料、アクリル塗料、フッ素塗料、シリコーン塗料、エポキシ塗料、ポリエステル塗料などが適用される。本実施形態の利点である樹脂層との密着性が顕著になり、かつ耐薬品性に優れる観点からは、ウレタン塗料、アクリル塗料、フッ素塗料が好ましい。トップコート層の被膜は通常の方法によればよいが、上記のコーティング成分を所定の溶媒に溶解させた溶液に必要により硬化剤を含有させ、硬化させる態様が挙げられる。硬化処理の仕方は、100〜200℃加熱することなどが挙げられる。
本実施形態におけるトップコートを使用する主な目的は、可撓管表面の保護や艶出し、滑り性の付与、そして耐薬品性の付与である。そのため、トップコートとしては弾性率が高く、かつ表面が平滑になり、耐薬品性に優れるものが好ましい。トップコート単独層での貯蔵弾性率E’は1MPa以上であることが好ましく、5MPa以上であることがより好ましく、10MPa以上であることが特に好ましい。1GPa以下であることが好ましく、500MPa以下であることがより好ましく、300MPa以下であることが特に好ましい。貯蔵弾性率E’を1MPa以上とすることで、トップコートとしての表面保護機能を発揮することができ、また、1GPa以下とすることで、得られる可撓管の可撓性を維持することができる。
上記実施形態においては、軟質樹脂層(第1層)を内層に、硬質樹脂層(第2層)を外層に配して二層成形の樹脂層を形成しているが、硬質樹脂層を内層に、軟質樹脂層を外層に配してもよい。上記実施形態では、二層構成の外皮層を例に説明しているが、外皮層は二層以上の多層構成であってもよい。両層は互いに接して積層していなくてもよく、その間に他の機能層が介在していてもよい。
上記実施形態においては、撮像装置を用いて被検体の状態を撮像した画像を観察する電子内視鏡を例に上げて説明しているが、本発明はこれに限るものではなく、光学的イメージガイドを採用して被検体の状態を観察する内視鏡にも適用することができる。
以下に、本発明について実施例を通じてさらに詳細に説明するが、本発明がこれにより限定して解釈されるものではない。
下記表1および2に記載の樹脂混合物を準備し、テクノベル社製の二軸混練機(製品名:KZW15−30MG)を用いてバレル設定温度210℃で、スクリュー回転数100rpmで溶融混練処理を行い、吐出された溶融状態の樹脂ストランドを水槽で冷却後、ペレタイザーでペレット形状の試料を作製した。作製した弾性材試料について、末尾に記載の試験を行った。結果を表3に示す。
Figure 0006047440
Figure 0006047440
PBO:2,2’−(1,3−フェニレン)−ビス(2−オキサゾリン)
LA−1:カルボジライト LA−1(日清紡ケミカル社製)
SBXL P:スタバクゾールP(日本スタバクゾール社製)
HMDI:1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート
TPA−100:デュラネート TPA−100(旭化成ケミカルズ社製)
JER1010:オリゴマー型エポキシ樹脂JER1010(三菱化学社製)
MA: 無水マレイン酸
DABCO:1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン
DBTDL:ジブチルスズジラウレート
TIN770:チヌビン770DF(BASF社製)
INX 1098:イルガノックス 1098(BASF社製)
IF168:イルガフォス168(BASF社製)
TPS:スミライザー TPS(住友化学社製)
GS:スミライザー GS(住友化学社製)
ポリエステルエラストマー(かっこ内はD硬さ:JIS K 7215)
PE1:東レデュポン社製ハイトレル4767(47D)
(重量平均分子量:11.4万)
PE2: 東洋紡社製ペルプレンP−40H(38D)
(重量平均分子量:13.2万)
PE3: DSM社製アーニテルEM400(34D)
(重量平均分子量:12.1万)
PE4: 東レデュポン社製ハイトレル3046(27D)
(重量平均分子量:12.8万)
ポリウレタンエラストマー(かっこ内はD硬さ:JIS K 7215)
PU1: DICバイエルポリマー社製パンデックスT−2190(92A)
(重量平均分子量:18.9万)
PU2: BASF社製エラストランET1080(80A)
(重量平均分子量:12.4万)
PU3: 日本ミラクトラン社性ミラクトランE675MNAT(75A)
(重量平均分子量:21.7万)
PU4: DICバイエルポリマー社製パンデックスT−5865(65A)
(重量平均分子量:17.2万)
ポリアミドエラストマー(かっこ内はD硬さ:JIS K 7215)
PA1: アルケマ社製ペバックス2533(84A)
(重量平均分子量:20.8万)
PA2: アルケマ社製ペバックス3533(75A)
(重量平均分子量:17.1万)
Figure 0006047440
Figure 0006047440
Figure 0006047440
太字下線部分は比較成分もしくはデータの劣るものを示す。
試験No.が「C」で始まるものは比較例、試験No.209は参考例である。
以下の試験は特に断らない限り、25℃(常温)、50%RH環境下で行った。
[樹脂層のHFIPへの溶解性]
成形加工後の可撓管から樹脂0.2gを引き剥がし、室温にて1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノール5ml中に投入し、4時間放置した後に残渣の有無を目視にて確認した。
A:残渣が全く認められなかったもの
C:残渣が認められたもの
[過酢酸耐性]
上記可撓管から樹脂を引き剥がし、1cm×10cmサイズで切り出して試験片とし、50℃の0.3%過酢酸水溶液に150時間浸漬、よく表面を水洗した後に23℃×50%RHで24時間乾燥後、テンシロンを用いて伸度50%の引張試験を行った。
AA:伸度150%の引張試験でも破断しなかったもの
A :伸度50%の引張試験にて破断しなかったもの
B :伸度50%の引張試験にて破断しなかったが層間で剥離が発生したもの
C :伸度50%の引張試験にて破断したもの
[可撓性]
先端部から20cmの位置と同じく40cmの位置を固定し、30cmの位置で15mm押し込み、30秒後の反発力をフォースゲージで測定した。
A:反発弾性が15N以下のもの
B:15N超25N以下のもの
C:25N超のもの
[弾発性]
先端部から50cmの位置と同じく70cmの位置を固定し、60cmの位置(可撓管の中心部)で15mm押しこみ、0.1秒後の反発力(A)に対し、30秒後の反発力(B)の比率を弾発性(%)として測定した。
[弾発性(%)]=(B)/(A)×100
AA:弾発性が85%以上のもの
A :80%以上85%未満のもの
B :70%以上80%未満のもの
C :70%未満のもの
[捻りトルク]
上記得られた可撓管を、テーブル上に曲率部の半径20cmとなる様にU字状に配置し、先端部(軟らかい側)にトルクメーターを取り付け、後端部(硬い側)を一定速度で360°回転させ、トルクメーターが示した値の最大値を捻りトルクとした。捻りトルクが低いほど捻り追随性は良好であると判断され、特に0.1Nm以下であれば捻り追随性は良好、0.1Nmを超えると不良、0.2Nmと超えると著しく不良、と判断した。
[折曲耐久性]
上記得られた可撓管を、直径10cmのプーリーの半周部分をU字状になる様に接触させ、先端部および後端部がプーリー端の5cm手前にまで来る位置になる様に一万回往復運動させ、樹脂の状態を目視にて観察した。
A:樹脂の裂けや剥がれが見られないもの
B:一部に剥がれが見られるもの
C:多くの部分に剥がれが見られるもの
D:ほぼ全面が剥がれたもの
[温度依存性]
上記弾発性試験を同様に40℃、50%RH環境下で測定を行い、25℃での弾発性(X)と40℃での弾発性(Y)との比率を以下式により求めた。
[温度依存性(%)]=(Y)/(X)×100
AA:温度依存性が、95%以上105%未満のもの
A :90%以上95%未満ないし105%以上110%未満のもの
B :85%以上90%未満ないし110%以上115%未満のもの
C :85%未満ないし115%以上のもの
[トップコート密着強度]
上記得られた可撓管上から樹脂層を引き剥がし、外側面にMEK溶媒で希釈されたウレタン塗料(亜細亜工業社製ネオペイントウレタン#7000AB(二液型)を主剤:硬化剤を重量比で100:5になる様に配合)を塗布、50℃で30分MEKを揮散させ、同じ樹脂層を外側面が互いに向き合う様に貼り付け、続いて130℃で4時間加熱硬化させ、ウレタン系トップコート(凡その厚み50μm)をサンドイッチした多層シートを作製した。得られた多層シートの上樹脂層と下樹脂層とを、テンシロンを用いて180°剥離試験を行い、トップコート密着強度を測定した。
AA:密着強度が充分に強く、樹脂層もしくはトップコート層内部で
凝集剥離したもの
A:界面で剥離したが密着強度が4N/cm超であったもの
B:界面で剥離したが密着強度が2N/cm以上4N/cm未満
であったもの
C:2N/cm未満であったもの
表1および2に示した樹脂を用い、図3および図4に示した連続成形機に導入して、内視鏡用可撓管を作製した。具体的には、直径12.0mmの可撓管基材に表2の第1層樹脂(内層)および表1の第2層樹脂(外層)をこの順で被覆した。樹脂層の厚さは0.4mmであり、先端と後端の内外層比率は10:90−90:10とした。得られた可撓管を用いて、体腔内の診断を想定したモデル試験を実施した。その結果、実施例の樹脂層を有する可撓管を装着した内視鏡は温度依存性の小さい良好な操作性と洗浄耐性を示した。
2 電子内視鏡(内視鏡)
3 挿入部
3a 可撓管
3b アングル部
3c 先端部
5 本体操作部
6 ユニバーサルコード
11 螺旋管
11a 金属帯片
12 筒状網体
13 口金
14 可撓管基材
14a 先端側
14b 基端側
15 樹脂層
16 コート膜
17 内層
18 外層
20 連続成形機(製造装置)
21,22 押し出し部
21a スクリュー
22a スクリュー
23 ヘッド部
24 冷却部
25 搬送部
26 制御部
30 ジョイント部材
31 連結可撓管基材
32 ニップル
33 ダイス
34 支持体
35、36 ゲート
37 成形通路
39 軟質樹脂
40 硬質樹脂

Claims (14)

  1. 可撓性を有する筒状の可撓管基材と当該可撓管基材を被覆する樹脂層とを有してなる内視鏡用可撓管であって、
    前記樹脂層は第1層と第2層との少なくとも2層で構成され、
    前記第1層は、ポリエステルエラストマー、ポリウレタンエラストマー、およびポリアミドエラストマーからなる群より選ばれる一つ以上のエラストマーまたはその鎖延長体を含んでなり、
    前記第2層は、ポリエステルエラストマー、ポリウレタンエラストマーおよびポリアミドエラストマーから選ばれる少なくとも1種との組合せであるエラストマーの鎖延長体を含んでなり、
    前記第1層は、前記可撓管基材の軸回りの全周面を被覆する内層をなし、前記第2層は該第1層に接し、かつ、該第1層の該軸回りの全周面を被覆する外層をなす内視鏡用可撓管。
  2. エラストマーの鎖延長体を含むのが、前記第2層のみである請求項1に記載の内視鏡用可撓管。
  3. 前記第1層にポリウレタンエラストマーを含有する請求項1または2に記載の内視鏡用可撓管。
  4. 前記第2層に含有する前記エラストマーの鎖延長体において、ポリエステルエラストマー成分が100質量部に対し、ポリウレタンエラストマーおよびポリアミドエラストマーから選ばれる少なくとも1種のエラストマー成分が5〜100質量部である請求項1〜3のいずれか1項に記載の内視鏡用可撓管。
  5. 前記第1層に含有するエラストマーもしくは鎖延長体のJISK7215に基づくA硬さが40以上であり、前記第2層に含有する前記エラストマーの鎖延長体におけるエラストマー成分もしくは前記鎖延長体のJISK7215に基づくD硬さが20以上である請求項1〜4のいずれか1項に記載の内視鏡用可撓管。
  6. 前記樹脂層が1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノールに可溶で、実質的に架橋していない請求項1〜のいずれか1項に記載の内視鏡用可撓管。
  7. 前記樹脂層全体の厚みに対し、前記内層及び外層の厚みの割合が、前記可撓管基材の軸方向において変化している請求項1〜6のいずれか1項に記載の内視鏡用可撓管。
  8. 前記内層及び外層は、一端における厚みの割合が5:95〜40:60(内層:外層)であり、他端における厚みの割合が95:5〜60:40(内層:外層)の範囲にあり、両端間において厚みの割合が逆転するようにされている請求項7に記載の内視鏡用可撓管。
  9. 記樹脂層に、フェノール系化合物、アミン系化合物、リン系化合物、イオウ系化合物、およびフェニルアクリレート系化合物から選ばれる熱安定剤をさらに含有する請求項1〜のいずれか1項に記載の内視鏡用可撓管。
  10. 可撓性を有する筒状の可撓管基材と、当該可撓管基材を被覆する樹脂層とを有してなる内視鏡用可撓管の製造方法であって、
    前記樹脂層は、前記可撓管基材の軸回りの全周面を被覆する内層をなす第1層と前記第1層の前記軸回りの全周面を被覆する外層をなす第2層との少なくとも2層で構成され、
    前記第1層を構成するポリエステルエラストマー、ポリウレタンエラストマー、またはポリアミドエラストマーを含む第1樹脂材料を準備し、他方
    前記第2層を構成する、ポリエステルエラストマー、ポリウレタンエラストマーおよびポリアミドエラストマーから選ばれる少なくとも1種のエラストマーと、鎖延長剤とを含有する第2樹脂材料を準備し、
    前記第1樹脂材料と前記第2樹脂材料とを前記可撓管基材の周囲に溶融混練して押し出し成形し、前記樹脂層を当該可撓管基材に被覆する内視鏡用可撓管の製造方法。
  11. 前記鎖延長剤として、多官能エポキシ化合物、多官能イソシアネート化合物、多官能アミノ化合物、オキサゾリン化合物、カルボジイミド化合物、および酸無水物から選ばれる少なくとも1つの鎖延長剤を用いる請求項10に記載の内視鏡用可撓管の製造方法。
  12. 前記エラストマーの鎖延長体が、前記エラストマー100質量部に対して、前記鎖延長剤0.01〜10質量部の配合で処理されてなる請求項10または11に記載の内視鏡用可撓管の製造方法。
  13. 前記第1樹脂材料および/または第2樹脂材料に、さらにアミン化合物および錫キレートから選ばれる少なくとも一つの触媒を含有させる請求項10〜12のいずれか1項に記載の内視鏡用可撓管の製造方法。
  14. 前記エラストマーの鎖延長体が、前記エラストマー100質量部に対して、前記触媒を0.01〜3質量部の配合で処理されてなる請求項13に記載の内視鏡用可撓管の製造方法。
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