JP2002065590A - 内視鏡用可撓管 - Google Patents

内視鏡用可撓管

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JP2002065590A
JP2002065590A JP2000254505A JP2000254505A JP2002065590A JP 2002065590 A JP2002065590 A JP 2002065590A JP 2000254505 A JP2000254505 A JP 2000254505A JP 2000254505 A JP2000254505 A JP 2000254505A JP 2002065590 A JP2002065590 A JP 2002065590A
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flexible tube
endoscope
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tube
chemical conversion
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JP2000254505A
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Sukenao Abe
祐尚 阿部
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Pentax Corp
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Asahi Kogaku Kogyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】弾発性、耐久性に優れた内視鏡用可撓管を提供
すること。 【解決手段】挿入部可撓管1は、金属材料で構成される
芯材2と、芯材2の外周に被覆された外皮3とを有す
る。芯材2は、螺旋管21と、螺旋管21の外周を被覆
する網状管22とで構成されている。芯材2の外表面に
は、化成皮膜24が形成されている。化成皮膜24は、
芯材2の外表面全体に構成されたものであってもよい
し、芯材2の外表面の少なくとも一部に形成されたもの
であってもよい。化成皮膜24は、クロメート皮膜であ
るのが好ましい。化成皮膜24の厚さは、0.01〜1
00μmであるのが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内視鏡用可撓管に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】内視鏡用可撓管は、螺旋管の外周を網状
管で被覆した管状の芯材に、合成樹脂等で構成される外
皮が被覆された構成となっている。
【0003】内視鏡検査では、内視鏡用可撓管は、例え
ば、胃、十二指腸、小腸あるいは大腸といった体腔の深
部まで、湾曲しながら挿入される。この挿入の際の操作
性が良好であるためには、内視鏡用可撓管の基端側(手
元側)で加えられた押し込む力がその先端まで確実に伝
達される必要がある。逆に言うと、内視鏡用可撓管の基
端側で加えられた押し込む力が内視鏡用可撓管の屈曲部
分で吸収されてしまう状態(座屈状態)になり易い内視
鏡用可撓管は、操作性が良くない。座屈しにくい内視鏡
用可撓管とするためには、内視鏡用可撓管は、曲げに対
する弾力性に優れたものである必要がある。また、座屈
は、外皮が芯材から剥離した箇所に発生し易いため、外
皮と芯材とは密着している必要がある。
【0004】また、挿入の際の操作性が良好であるため
には、内視鏡用可撓管の基端側(手元側)で捩じり(回
転)を加えたときに、この回転が途中で吸収されること
なく、先端部が基端側に伴って確実に回転する必要もあ
る。このため、内視鏡用可撓管は、基端側での回転に対
する先端部の追従性に優れたものである必要もある。
【0005】内視鏡用可撓管の弾発性を向上させるた
め、内視鏡用可撓管の外皮を外層と内層との2層構造と
し、外層を柔軟性の良い材質、内層を弾発性の良い材質
で構成した内視鏡用可撓管が特公平5−50287号公
報に開示されている。
【0006】しかし、前記従来技術においては、外皮と
芯材との密着力(結合力)が考慮されていないため、繰
り返し使用することにより、外皮が芯材から剥離し、内
視鏡用可撓管の弾力性および耐座屈性が低下することが
あった。すなわち、内視鏡用可撓管の耐久性に問題があ
った。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、弾力
性および耐久性に優れた内視鏡用可撓管を提供すること
にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】このような目的は、下記
(1)〜(12)の本発明により達成される。
【0009】(1) 金属材料で構成される芯材と、該
芯材の外周に被覆された外皮とを有する内視鏡用可撓管
であって、前記芯材の外表面の少なくとも一部に化成皮
膜が形成されていることを特徴とする内視鏡用可撓管。
【0010】これにより、弾力性、耐久性に優れた内視
鏡用可撓管を提供することができる。
【0011】(2) 前記芯材は、螺旋管と、網状管と
で構成されるものである上記(1)に記載の内視鏡用可
撓管。
【0012】これにより、内視鏡用可撓管の機械的強度
が向上するとともに、弾力性、耐久性がさらに向上す
る。
【0013】(3) 前記化成皮膜は、前記網状管の外
周面の少なくとも一部に形成されたものである上記
(2)に記載の内視鏡用可撓管。これにより、内視鏡用
可撓管の弾力性、耐久性がさらに向上する。
【0014】(4) 前記芯材は、その外表面の少なく
とも一部が粗面化されたものである上記(1)ないし
(3)のいずれかに記載の内視鏡用可撓管。これによ
り、内視鏡用可撓管の弾力性、耐久性がさらに向上す
る。
【0015】(5) 前記芯材と前記外皮との間に、下
地層を有するものである上記(1)ないし(4)のいず
れかに記載の内視鏡用可撓管。これにより、内視鏡用可
撓管の弾力性、耐久性がさらに向上する。
【0016】(6) 前記下地層は、接着剤を含む材料
で構成された接着剤層である上記(5)に記載の内視鏡
用可撓管。これにより、内視鏡用可撓管の弾力性、耐久
性がさらに向上する。
【0017】(7) 前記接着剤は、架橋型のものであ
る上記(6)に記載の内視鏡用可撓管。
【0018】これにより、内視鏡用可撓管の外皮と芯材
が強固に密着し、耐久性がさらに向上する。
【0019】(8) 前記化成皮膜は、クロメート皮膜
である上記(1)ないし(7)のいずれかに記載の内視
鏡用可撓管。これにより、内視鏡用可撓管の弾力性、耐
久性がさらに向上する。
【0020】(9) 前記化成皮膜の平均厚さは、0.
01〜100μmである上記(1)ないし(8)のいず
れかに記載の内視鏡用可撓管。これにより、内視鏡用可
撓管の弾力性、耐久性がさらに向上する。
【0021】(10) 前記化成皮膜の平均付着量は、
0.01〜10g/m2である上記(1)ないし(9)
のいずれかに記載の内視鏡用可撓管。これにより、内視
鏡用可撓管の弾力性、耐久性がさらに向上する。
【0022】(11) 前記外皮は、組成または物性の
異なる複数の層で構成された積層部を有するものである
上記(1)ないし(10)のいずれかに記載の内視鏡用
可撓管。
【0023】これにより、内視鏡用可撓管の弾力性、耐
久性がさらに向上するとともに、クッション性、耐薬品
性等の特性が向上する。
【0024】(12) 前記外皮の平均厚さは、0.1
〜1mmである上記(1)ないし(11)のいずれかに
記載の内視鏡用可撓管。これにより、内視鏡用可撓管の
弾力性、耐久性がさらに向上する。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明の内視鏡用可撓管の
好適な実施形態について、添付図面を参照しつつ詳細に
説明する。
【0026】図1は、本発明の内視鏡用可撓管を適用し
た挿入部可撓管を有する電子内視鏡(電子スコープ)を
示す全体図である。以下、図1中、上側を「基端」、下
側を「先端」として説明する。
【0027】図1に示すように、電子内視鏡10は、可
撓性(柔軟性)を有する長尺物の挿入部可撓管1と、挿
入部可撓管1の先端部に設けられた湾曲管5と、挿入部
可撓管1の基端部に設けられ、術者が把持して電子内視
鏡10全体を操作する操作部6と、操作部6に接続され
た接続部可撓管7と、接続部可撓管7の先端側に設けら
れた光源差込部8とで構成されている。
【0028】挿入部可撓管1は、生体の管腔内に挿入し
て使用される。また、操作部6には、その側面に操作ノ
ブ61、62が設置されている。この操作ノブ61、6
2を操作すると、挿入部可撓管1内に配設されたワイヤ
ー(図示せず)が牽引されて、湾曲管5が4方向に湾曲
し、その方向を変えることができる。
【0029】湾曲管5の先端部には、観察部位における
被写体像を撮像する図示しない撮像素子(CCD)が設
けられ、また、光源差込部8の先端部に、画像信号用コ
ネクタ82が設けられている。この画像信号用コネクタ
82は、光源装置に接続され、さらに、光源装置は、ケ
ーブルを介してモニタ装置(図示せず)に接続されてい
る。
【0030】光源差込部8の先端部には、光源用コネク
タ81が設置され、この光源用コネクタ81が光源装置
(図示せず)に接続されている。光源装置から発せられ
た光は、光源用コネクタ81、および、光源差込部8
内、接続部可撓管7内、操作部6内、挿入部可撓管1内
および湾曲管5内に連続して配設された光ファイバー束
によるライトガイド(図示せず)を通り、湾曲管5の先
端部より観察部位に照射され、照明する。
【0031】前記照明光により照明された観察部位から
の反射光(被写体像)は、撮像素子で撮像される。撮像
素子では、撮像された被写体像に応じた画像信号が出力
される。
【0032】この画像信号は、湾曲管5内、挿入部可撓
管1内、操作部6内および接続部可撓管7内に連続して
配設され、画像素子と画像信号用コネクタ82とを接続
する画像信号ケーブル(図示せず)を介して、光源差込
部8に伝達される。
【0033】そして、光源差込部8内および光源装置内
で所定の処理(例えば、信号処理、画像処理等)がなさ
れ、その後、モニタ装置に入力される。モニタ装置で
は、撮像素子で撮像された画像(電子画像)、すなわち
動画の内視鏡モニタ画像が表示される。
【0034】以上、本発明の内視鏡用可撓管を適用した
挿入部可撓管1を有する電子内視鏡10の全体構成につ
いて説明したが、本発明の内視鏡用可撓管は、光学内視
鏡の可撓管にも適用することができることは、言うまで
もない。
【0035】図2は、本発明の内視鏡用可撓管を適用し
た挿入部可撓管の第1実施形態を示す拡大半縦断面図で
ある。
【0036】挿入部可撓管1は、芯材2と、その外周を
被覆する外皮3とを有している。また、挿入部可撓管1
には、内部に、例えば、光ファイバ、電線ケーブル、ケ
ーブルまたはチューブ類等の器具等(図中省略)を配
置、挿通することができる空間25が設けられている。
【0037】芯材2は、螺旋管21と、螺旋管21の外
周を被覆する網状管(編組体)22とで構成され、全体
としてチューブ状の長尺物として形成されている。この
芯材2は、挿入部可撓管1を補強する効果を有する。特
に、螺旋管21と網状管22を組合わせたことにより、
挿入部可撓管1は、十分な機械的強度を確保できる。
【0038】螺旋管21は、帯状材を均一な径で螺旋状
に間隔26をあけて巻いて形成されたものである。帯状
材を構成する材料としては、例えば、ステンレス等の鉄
系合金、銅系合金、アルミニウム、アルミニウム系合金
等が好ましく用いられる。
【0039】網状管22は、金属製または非金属製の細
線23を複数並べたものを編組して形成されている。細
線23を構成する材料としては、例えば、ステンレス等
の鉄系合金、銅系合金、アルミニウム、アルミニウム系
合金等が好ましく用いられる。
【0040】螺旋管21と網状管22とは、同一の材料
で構成されたものであってもよいし、異なる材料で構成
されたものであってもよい。
【0041】芯材2は、その外表面の少なくとも一部に
化成皮膜24が形成されている。このような化成皮膜2
4の形成により、芯材2の外表面の粗面化等が起こり、
芯材2と外皮3との密着性(結合力)が向上する。その
結果、挿入部可撓管1の弾力性および耐久性が向上す
る。特に、化成皮膜24は、少なくとも(芯材2の外周
面側に設けられている)網状管22の外表面に形成され
たものであるのが好ましい。これにより、芯材2と外皮
3との結合は、より確実なものとなり、挿入部可撓管1
の弾力性および耐久性は、特に優れたものとなる。
【0042】化成皮膜24としては、例えば、クロメー
ト皮膜、リン酸塩皮膜等が挙げられるが、その中でも特
にクロメート皮膜が好ましい。化成皮膜24がクロメー
ト皮膜であると、外皮と芯材が強固に密着し、弾力性お
よび耐久性が特に優れたものとなる。このクロメート皮
膜の形成方法としては、例えば、MBV(Modifizierte
Bauer Vogel)法、EW(Erft Werk)法、クロメート
法、クロムリン酸塩法等が挙げられる。
【0043】化成皮膜24の平均厚さは、特に限定され
ないが、0.01〜100μmであるのが好ましく、
0.1〜10μmであるのがより好ましく、0.5〜3
μmであるのがさらに好ましい。化成皮膜24の厚さ
が、前記下限値未満であると、本発明の効果が十分に得
られない可能性がある。一方、化成皮膜24の厚さが、
前記上限値を超えると、皮膜表面が粉状になり、外皮と
の密着性、外観等が低下する可能性がある。
【0044】また、化成皮膜24の平均付着量は、特に
限定されないが、0.01〜10g/m2であるのが好
ましく、0.1〜3g/m2であるのがより好ましく、
0.2〜3g/m2であるのがさらに好ましい。化成皮
膜24の付着量が、前記下限値未満であると、本発明の
効果が十分に得られない可能性がある。一方、化成皮膜
24の付着量が、前記上限値を超えると、皮膜表面が粉
状になり、外皮との密着性、外観等が低下する可能性が
ある。
【0045】また、化成皮膜24の形成に先立ち、芯材
2の外表面に対して、アルカリ洗浄、酸洗浄、有機溶剤
洗浄等の洗浄処理や、ブラスト処理、エッチング、メッ
キ層の形成等の下地処理を施してもよい。これにより、
均一かつ緻密な化成皮膜24が安定して得られる。特
に、ブラスト処理やエッチングを施した場合、芯材2の
外表面が粗面化されるため、化成皮膜24形成後におけ
る芯材2と外皮3との密着性は、さらに良好なものとな
る。
【0046】なお、このような下地処理や化成皮膜24
の形成は、各々螺旋管21と網状管22とを組み立てる
前に行ってもよいし、芯材2を組み立てた後に行っても
よい。
【0047】ところで、網状管22の外周には、編組さ
れた細線23の編み目により隙間27が形成されてい
る。この隙間27は、螺旋管21の外周と重なる位置で
は凹部となり、螺旋管21の間隔26と重なる位置では
空間25に連通する孔となって、芯材2の外周に多数の
孔および凹部を形成している。そして、この芯材2の外
周には、外皮3が被覆されている。
【0048】外皮3の内周面には、内周側に向かって突
出する多数の突出部(アンカー)31が外皮3から連続
して形成されている。各突出部31は、芯材2の外周に
形成された多数の孔および凹部内にそれぞれ進入してい
る。前記凹部内に進入した突出部31の先端は、螺旋管
21の外周に達するまで形成されている。前記孔内に進
入した突出部31は、より長く形成され、その先端が螺
旋管21の間隔26に入り込んでいる。
【0049】このように突出部31が形成されているこ
とにより、突出部31が芯材2の外周に形成された多数
の孔および凹部に係合するので、アンカー効果が生じ、
芯材2に対し外皮3が確実に固定される。このため、外
皮3は、挿入部可撓管1が湾曲した場合にも、芯材2と
密着した状態を維持し、芯材2の湾曲に合わせて十分に
大きく伸縮する。このように大きく伸縮した外皮3の復
元力は、強く発揮され、挿入部可撓管1の湾曲を復元さ
せる力に大きく寄与する。よって、このような構成によ
り、挿入部可撓管1は、弾力性に優れる。
【0050】また、突出部31を形成したことにより、
外皮3と網状管22との結合力が強いので、繰り返し使
用しても外皮3が網状管22と剥離しにくい。したがっ
て、挿入部可撓管1は、繰り返し使用した後も弾力性が
良好に保たれ、耐久性に優れる。
【0051】突出部31が形成されることによるこのよ
うな効果は、前述した化成皮膜24の効果と相乗的に作
用し、挿入部可撓管1の弾力性および耐久性は、特に優
れたものとなる。
【0052】外皮3の構成材料は、特に限定されない
が、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロ
ピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のポリオレフ
ィン、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート(PE
T)、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、
ポリウレタン、ポリスチレン樹脂、ポリテトラフルオロ
エチレン、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体
等のフッ素系樹脂、ポリイミド等の各種可撓性を有する
樹脂や、ポリウレタン系エラストマー、ポリエステル系
エラストマー、ポリオレフィン系エラストマー、ポリア
ミド系エラストマー、ポリスチレン系エラストマー、フ
ッ素系エラストマー、シリコーンゴム、ラテックスゴム
等の各種エラストマーのうちの、1種または2種以上を
組み合わせて用いることができる。
【0053】外皮3を構成する高分子材料の重量平均分
子量は、特に限定されないが、例えば、1万〜1000
万であることが好ましく、1.5万〜10万であること
がより好ましい。
【0054】外皮3の構成材料中には、必要に応じて任
意に添加物が配合されてもよい。添加物としては、例え
ば、可塑剤、無機フィラー、顔料、各種安定剤(酸化防
止剤、光安定剤、帯電防止剤、ブロッキング防止剤、潤
滑剤)、X線造影剤等が挙げられる。
【0055】以上、外皮3の構成材料について説明した
が、外皮3の構成材料の組成(含有成分の配合比)は、
外皮3全体にわたって、均一なものであってもよいし、
各部位で異なるものであってもよい。例えば、含有成分
の配合比が厚さ方向に順次変化するもの(傾斜材料)等
であってもよい。
【0056】外皮3の厚さ(突出部31の部分を除く)
は、長手方向に沿ってほぼ一定であるのが好ましい。こ
れにより、挿入部可撓管1を体腔に挿入する際の操作性
がより向上し、患者の負担もより軽減される。
【0057】外皮3の平均厚さ(突出部31の部分を除
く)は、芯材2およびその内部に挿通される器具等を体
液等の液体から保護することができ、かつ、挿入部可撓
管1の湾曲性を妨げなければ、特に限定されず、通常
は、0.1〜1mm程度である。
【0058】挿入部可撓管1は、例えば、以下のように
製造される。まず、螺旋管21と網状管22とを組立て
芯材2を作製し、この芯材2の外周上に、前述した方法
によりクロメート皮膜のような化成皮膜24を形成す
る。その後、芯材2の外周に外皮3を被覆することによ
り、挿入部可撓管1は製造される。
【0059】外皮3の材料は、前述の各成分を溶融また
は軟化し、混合、混練することにより得られる。各成分
を溶融または軟化し、混合、混練するには、例えば、ニ
ーダー、ニーダールーダー、ロール、連続混練押出機等
の混練機等が使用可能である。このような混練機を用い
て各成分を混練した場合、材料は、各成分が均一に混合
されたものとなる。
【0060】混練温度としては、特に限定されないが、
例えば、160〜220℃程度であるのが好ましく、1
80〜210℃程度であるのがより好ましく、185〜
205℃程度であるのがさらに好ましい。各成分を、か
かる温度範囲で混練した場合、材料中の各成分の均一度
は向上する。ただし、外皮3の構成材料がシリコーンゴ
ム等のゴム系の材料を主とするもの等である場合、混練
は、通常、材料温度を10〜70℃とした状態で行われ
る。
【0061】そして、このように混練された材料を芯材
2上に押出成形によって被覆することにより、挿入部可
撓管1を連続的に製造することができる。
【0062】押出成形時の材料温度は、特に限定されな
いが、例えば、130〜220℃程度であるのが好まし
く、165〜205℃程度であるのがより好ましい。押
出成形時の材料温度が、かかる温度範囲の場合、材料
は、外皮3への成形加工性に優れる。このため、外皮3
の厚さは、その均一度が向上する。ただし、外皮3の構
成材料がシリコーンゴム等のゴム系の材料を主とするも
の等である場合、押出成形は、通常、材料温度を10〜
70℃とした状態で行われる。
【0063】図3は、本発明の内視鏡用可撓管を適用し
た挿入部可撓管の第2実施形態を示す拡大半縦断面図で
ある。以下、図3に示す挿入部可撓管1について、前記
第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項に
ついては、その説明を省略する。
【0064】第2実施形態の挿入部可撓管1は、芯材2
と外皮3との間に下地層として接着剤層4が形成されて
いる。
【0065】このように接着剤層4が形成されることに
より、芯材2と外皮3との密着性はさらに向上し、挿入
部可撓管1の弾力性、耐久性は、さらに優れたものとな
る。
【0066】接着剤層4を構成する材料は、芯材2と外
皮3との密着性(接合力)を向上するものであればいか
なるものであってもよいが、その中でも特に、架橋型接
着剤であるのが好ましい。接着剤層4を構成する材料と
して架橋型接着剤を用いることにより、内視鏡用可撓管
の外皮と芯材が強固に密着し、耐久性がさらに向上す
る。架橋型接着剤としては、例えば、不飽和シロキサン
とアミノアルキルシロキサン等をアルコールに溶解した
もの等が挙げられる。市販品としては、モニカスQZR
−48(横浜高分子研究所)、ダイナマー5150(住
友スリーエム)、ケムロック4310(ロード・ファー
・イースト)等が挙げられる。
【0067】接着剤層4の構成材料中には、必要に応じ
て任意に添加物が配合されてもよい。
【0068】接着剤層4の平均厚さは、特に限定されな
いが、0.01〜1mmであるのが好ましく、0.05
〜0.5mmであるのがより好ましい。
【0069】このような挿入部可撓管1は、例えば、以
下のように製造される。まず、前述した方法により化成
皮膜24が形成された芯材2の外表面に、接着剤を吹き
付け塗布する。接着剤中の溶剤が揮発し乾燥したら、さ
らにその外周に外皮3を第1実施形態と同様にして被覆
する。特に、接着剤層4を構成する接着剤が架橋型接着
剤である場合、芯材の外周に外皮を被覆した後、架橋反
応を行う。架橋反応の条件は、接着剤の種類等により異
なるが、例えば、60〜300℃×5分〜2時間の熱処
理により行われる。また、この架橋反応は、2回以上の
熱処理により行われるものであってもよい。例えば、架
橋反応を260〜300℃×1〜10分間の熱処理を施
す一次架橋と、230〜270℃×30分〜2時間の熱
処理を施す二次架橋との2回の操作に分けて行ってもよ
い。
【0070】図示の構成では、接着剤層4は、芯材2の
外周全体に渡ってほぼ均一な厚さで形成されているが、
芯材2の外周の少なくとも一部に形成されたものであっ
てもよい。
【0071】図4は、本発明の内視鏡用可撓管を適用し
た挿入部可撓管の第3実施形態を示す拡大半縦断面図で
ある。以下、図4に示す挿入部可撓管1について、前記
第1、第2実施形態との相違点を中心に説明し、同様の
事項については、その説明を省略する。
【0072】第3実施形態の挿入部可撓管1では、外皮
3は、内層32と、中間層33と、外層34とを有する
積層体で構成されている。
【0073】外皮3は、以下に説明するように、内層3
2、中間層33、外層34のうちのいずれか1層が、他
のいずれか1層と比べて物理的特性または化学的特性
(これらを総称して「物性」という)が異なる材料で構
成されたものである。物理的特性としては、例えば、剛
性(柔軟性)、硬度、伸び率、引張り強さ、せん断強
さ、曲げ弾性率、曲げ強さ等が挙げられ、化学的特性と
しては、例えば、耐薬品性、耐候性等が挙げられる。な
お、これらは一例であり、これらに限定されるものでは
ない。
【0074】内層32は、外皮3の中で最も内周側に形
成されており、芯材2と接触している。したがって、内
層32の構成材料として、芯材2(特に、化成皮膜2
4)との密着性に優れたものを選択するのが好ましい。
また、内層32は、突出部31の大きさ(長さ)、形
状、個数等がそれぞれ適度なものとなるように制御して
突出部31を形成することができるような材料で構成さ
れているのが好ましい。内層32がこのような材料で構
成されることにより、挿入部可撓管1の弾力性、耐久性
を制御することが可能となる。
【0075】内層32の構成材料は、特に限定されない
が、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロ
ピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のポリオレフ
ィン、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート(PE
T)、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、
ポリウレタン、ポリスチレン樹脂、ポリテトラフルオロ
エチレン、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体
等のフッ素系樹脂、ポリイミド等の各種可撓性を有する
樹脂や、ポリウレタン系エラストマー、ポリエステル系
エラストマー、ポリオレフィン系エラストマー、ポリア
ミド系エラストマー、ポリスチレン系エラストマー、フ
ッ素系エラストマー、シリコーンゴム、ラテックスゴム
等の各種エラストマーのうちの、1種または2種以上を
組み合わせて用いることができる。その中でも特に、フ
ッ素系エラストマー、シリコーンゴム等が好ましい。
【0076】内層32の厚さ(突出部31の部分を除
く。)は、特に限定されないが、通常は、0.05〜
0.8mm程度が好ましく、0.05〜0.4mm程度
がより好ましい。
【0077】中間層33は、内層32の外周面上に形成
されている。中間層33は、後述する外層34より柔軟
な(弾力性の高い)層とされているのが好ましい。これ
により、中間層33が内層32と外層34との間のクッ
ション機能を発揮する。また、中間層33は、内層32
よりも柔軟な層であるのが好ましい。
【0078】中間層33のクッション機能についてより
詳しく説明する。挿入部可撓管1が湾曲したとき、中間
層33の弾力性が高いことにより、変形した中間層33
の復元力は、強く発揮される。そして、中間層33が比
較的硬度の高い内層32と外層34との間に挟まれてい
るので、中間層33の復元力は、内層32と外層34と
に効率良く伝わる。このため、中間層33の復元力のほ
ぼすべてが挿入部可撓管1の曲げを復元させる力に生か
される。したがって、このような構成とすることによ
り、挿入部可撓管1は、弾力性に優れる。
【0079】中間層33の構成材料は、特に限定されな
いが、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のポリオレ
フィン、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート(P
ET)、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステ
ル、ポリウレタン、ポリスチレン樹脂、ポリテトラフル
オロエチレン、エチレン−テトラフルオロエチレン共重
合体等のフッ素系樹脂、ポリイミド等の各種可撓性を有
する樹脂や、ポリウレタン系エラストマー、ポリエステ
ル系エラストマー、ポリオレフィン系エラストマー、ポ
リアミド系エラストマー、ポリスチレン系エラストマ
ー、フッ素系エラストマー、シリコーンゴム、ラテック
スゴム等の各種エラストマーのうちの、1種または2種
以上を組み合わせて用いることができる。その中でも特
に、フッ素系エラストマー、シリコーンゴム等が好まし
い。
【0080】中間層33の厚さは、特に限定されない
が、通常は、0.05〜0.8mm程度が好ましく、
0.05〜0.4mm程度がより好ましい。
【0081】外層34は、外皮3の中で最も外周側に形
成されている。外層34は、耐薬品性に優れるものであ
るのが好ましい。これにより、繰り返し洗浄および消毒
を行っても外皮3の劣化が少なく、外皮3が硬化して可
撓性が低下したり、亀裂等が生じて外皮3が芯材2から
剥離したりしにくい。
【0082】外層34の構成材料は、特に限定されない
が、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロ
ピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のポリオレフ
ィン、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート(PE
T)、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、
ポリウレタン、ポリスチレン樹脂、ポリテトラフルオロ
エチレン、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体
等のフッ素系樹脂、ポリイミド等の各種可撓性を有する
樹脂や、ポリウレタン系エラストマー、ポリエステル系
エラストマー、ポリオレフィン系エラストマー、ポリア
ミド系エラストマー、ポリスチレン系エラストマー、フ
ッ素系エラストマー、シリコーンゴム、ラテックスゴム
等の各種エラストマーのうちの、1種または2種以上を
組み合わせて用いることができる。その中でも特に、フ
ッ素系エラストマー、シリコーンゴム等が好ましい。
【0083】外層34の厚さは、特に限定されないが、
通常は、0.05〜0.8mm程度が好ましく、0.0
5〜0.4mm程度がより好ましい。
【0084】なお、外皮3は、このような複数の層が積
層された積層部をその全長に渡って有するものであって
も、その少なくとも一部に有するものであってもよい。
【0085】このように、外皮3を複数の層の積層体と
することにより、各層を構成する材料の利点を併有する
ことができる。本実施例においては、外皮3が、耐薬品
性等に優れた外層34と、柔軟性(弾力性)に優れた中
間層33と、芯材2に対する密着性に優れた内層32と
で構成されていることにより、外皮3全体として、これ
らの特性を併有している。
【0086】このような挿入部可撓管は、第1実施例と
同様にして製造することができる。特に、複数の押出口
を備えた押出成形機を用いた場合、各押出口からそれぞ
れ内層、中間層および外層の材料を同時に押出し、その
積層体を芯材に被覆することにより、積層構造を有する
外皮を連続的に製造することも可能である。また、各押
出口からの各層の構成材料の吐出量や芯材の引き速度を
調整することにより、各層の厚さを調節することもでき
る。
【0087】図5は、本発明の内視鏡用可撓管を適用し
た挿入部可撓管の第4実施形態を示す拡大半縦断面図で
ある。以下、図5に示す挿入部可撓管1について、前記
第1〜第3実施形態との相違点を中心に説明し、同様の
事項については、その説明を省略する。
【0088】第4実施形態の挿入部可撓管1では、外皮
3が、内層32と中間層33と外層34とを有する積層
体で構成され、かつ、芯材2と外皮3との間に下地層と
して、前記と同様に接着剤層4が形成されている。な
お、内層32と中間層33と外層34とは、それぞれ前
述した第3実施例と同様のものである。
【0089】このような構成であることにより、芯材2
と外皮3との密着性がさらに向上し、特に優れた弾力
性、耐久性が得られる。
【0090】また、接着剤層4が設けられているため、
内層32の構成材料として芯材2との密着性が比較的小
さい材料を用いた場合でも、芯材2と外皮3との十分な
密着性(結合力)を得ることができる。そのため、内層
32の構成材料の選択の幅が広がる。また、それに伴
い、中間層33、外層34の構成材料の選択の幅も広が
る。その結果、弾力性、耐久性とともに、耐薬品性、ク
ッション性等の種々の特性において、特に優れた挿入部
可撓管1を得ることができる。
【0091】以上、本発明の内視鏡用可撓管について説
明したが、本発明は、これらに限定されるものではな
い。
【0092】例えば、第2、第4実施形態では、下地層
として接着剤層4が設けられているが、下地層は、これ
に限定されるものではない。また、下地層は、2層以上
設けられていてもよい。
【0093】また、第3、第4実施形態において、外皮
3は、内層32と中間層33と外層34との3層で構成
されているが、2層(例えば、中間層33を省略した内
層32と外層34)で構成されたものであってもよい
し、4層以上で構成されたものであってもよい。
【0094】また、内視鏡用可撓管の製造方法として
は、まず、外皮3を連続する長尺物として成形した後、
この外皮3の内腔へ芯材2を挿入し、その後、加熱等に
より密着固定する方法でも可能である。
【0095】また、本発明の内視鏡用可撓管は、例え
ば、光源装置に接続される接続部可撓管等にも適用でき
る。
【0096】
【実施例】次に、本発明の具体的実施例について説明す
る。
【0097】1.内視鏡用可撓管の作製 (実施例1)まず、幅3mmのステンレス製の帯状材を
巻回して、外径9.9mm、内径9.6mmの螺旋管2
1を作製した。次に、直径0.1mmのステンレス製の
細線を10本ずつ並べたものを編組みした網状管を作製
した。この網状管で螺旋管を被覆し、芯材を得た。
【0098】この芯材をアルカリ洗浄し、さらに、ショ
ットブラストにより、外表面に粗面化処理を施した。
【0099】その後、クロムリン酸塩法により、この外
表面に化成皮膜(クロメート皮膜)を形成した。化成皮
膜の形成は、クロム酸(CrO3)12g、75%リン
酸(H3PO4)水溶液35ml、酸性フッ化ソーダ(N
aF・HF)3gを40℃の水1リットルに溶解するこ
とにより調製した化成処理溶液に、前記芯材を浸漬する
ことにより行った。これにより、芯材の外表面のほぼ全
面にわたりクロメート皮膜が形成された。クロメート皮
膜の平均厚さ、平均付着量は、それぞれ0.4μm、
0.1g/m2であった。
【0100】次に、この芯材の外周に、押出成形によ
り、フッ素ゴム(製品名:G755、ダイキン工業
(株)社製)で構成される外皮を被覆し、長さ1.5m
の内視鏡用可撓管を作製した。なお、外皮の厚さは、
0.6mmであった。
【0101】(実施例2〜5)化成皮膜の厚さおよび付
着量を変更した以外は、実施例1と同様にして、内視鏡
用可撓管を作製した。
【0102】(実施例6)実施例1と同様にして、外表
面に化成皮膜(厚さ0.4μm、付着量0.1g/
2)を有する芯材を作製した。次いで、架橋型接着剤
(ケムロック、ロード・ファー・イースト社製)を塗布
し、その外周に、押出成形により、シリコーンゴム(製
品名:KE565K−U、信越化学工業(株)社製)で
構成される外皮を被覆した。その後、加熱炉で280℃
×5分間の条件で1次加硫を行い、さらに、250℃×
1時間の条件で2次加硫を行うことにより、長さ1.5
mの内視鏡用可撓管を作製した。なお、接着剤層、外皮
の厚さは、それぞれ0.1mm、0.6mmであった。
【0103】(実施例7)芯材に被覆する外皮を内層と
中間層と外層とからなる積層体とした以外は、実施例1
と同様にして、内視鏡用可撓管を作製した。なお、積層
体の形成は、3個の押出口を備えた押出成形機を用いて
行った。すなわち、内層、中間層および外層を同時に押
出し、その積層体を芯材に被覆することにより積層構造
を有する外皮を連続的に製造した。内層、中間層、外層
の構成材料として、それぞれフッ素ゴム(製品名:G9
02、ダイキン工業(株)社製)、フッ素ゴム(製品
名:G801、ダイキン工業(株)社製)、フッ素ゴム
(製品名:G701、ダイキン工業(株)社製)を用い
た。
【0104】なお、内層、中間層、外層の厚さは、それ
ぞれ0.1mm、0.2mm、0.2mmであった。
【0105】(実施例8)芯材に被覆する外皮を内層と
中間層と外層とからなる積層体とした以外は、実施例6
と同様にして、内視鏡用可撓管を作製した。なお、積層
体の形成は、3個の押出口を備えた押出成形機を用いて
行った。すなわち、内層、中間層および外層を同時に押
出し、その積層体を芯材に被覆することにより積層構造
を有する外皮を連続的に製造した。内層、中間層、外層
の構成材料として、それぞれフッ素ゴム(製品名:G9
02、ダイキン工業(株)社製)、フッ素ゴム(製品
名:G801、ダイキン工業(株)社製)、フッ素ゴム
(製品名:G701、ダイキン工業(株)社製)を用い
た。
【0106】なお、内層、中間層、外層の厚さは、それ
ぞれ0.1mm、0.2mm、0.2mmであった。
【0107】(比較例)内視鏡用可撓管の芯材に化成処
理を施さなかった以外は、実施例1と同様にして、内視
鏡用可撓管を作製した。
【0108】2.内視鏡用可撓管の特性評価 [2.1]耐薬品性試験 各実施例および各比較例で作製した各内視鏡用可撓管に
ついて、耐薬品性試験を行った。
【0109】各実施例および各比較例で作製した内視鏡
用可撓管を、25℃に保たれたジメチルホルムアミド
(DMF)に、それぞれ、48時間浸漬した。その後、
水で洗浄し、内視鏡用可撓管の外表面(外皮)の様子を
観察した。
【0110】その結果を以下の4段階の基準に従い、評
価した。 ◎:外皮が5vol%未満の膨潤。 ○:外皮が5vol%以上10vol%未満の膨潤。 △:外皮が10vol%以上15vol%未満の膨潤。 ×:外皮が15vol%以上の膨潤、または剥離。 耐薬品性試験の結果を表1に示す。
【0111】[2.2]弾力性試験 各実施例および各比較例で作製した各内視鏡用可撓管に
ついて、弾力性試験を行った。
【0112】弾力性試験では、各内視鏡用可撓管の両端
を支持して90°折り曲げる操作を行い、そのときの弾
力性を以下の4段階の基準に従って評価した。 ◎:弾力性に大変優れ、内視鏡用可撓管としての使用に
最適。 ○:弾力性に優れ、内視鏡用可撓管としての使用に適
す。 △:弾力性がやや劣り、内視鏡用可撓管としての使用に
問題あり。 ×:弾力性が劣り、内視鏡用可撓管としての使用に適さ
ず。 弾力性試験の結果を表1に示す。
【0113】[2.3]耐久性試験 各実施例および各比較例で作製した各内視鏡用可撓管に
ついて、耐久性試験を行った。
【0114】耐久性は、各内視鏡用可撓管の両端を支持
して90°折り曲げる操作を300回繰り返し行った後
に、前記弾力性試験と同様の方法で弾力性を調べ、折り
曲げ繰り返し操作の前後における弾力性の低下の度合い
によって評価することとし、以下の4段階の基準に従っ
て評価した。 ◎:弾力性は、ほとんど変化なく、耐久性が非常に優れ
る。 ○:弾力性の低下は、わずかで、耐久性が優れる。 △:弾力性は、はっきり分かるほど低下し、耐久性に問
題あり。 ×:弾力性は、著しく低下し、各所で劣化を確認。 耐久性試験の結果を表1に示す。
【0115】
【表1】
【0116】表1から明らかなように、本発明の内視鏡
用可撓管は、耐薬品性、弾力性、耐久性のすべてに優れ
ている。特に、実施例7、8の内視鏡用可撓管は、外皮
の厚さ(3層の厚さの和)が、実施例1〜6のものに比
べて薄いにも関わらず、これらと同等の耐薬品性、弾力
性、耐久性が得られている。これに対し、比較例の内視
鏡用可撓管は、耐薬品性、弾力性、耐久性のすべてに劣
るものであった。
【0117】
【発明の効果】以上述べたように、本発明では、芯材の
外表面の少なくとも一部に化成皮膜を形成したことによ
り、芯材と外皮との密着性が向上する。その結果、弾力
性、耐久性に優れた内視鏡用可撓管を得ることができ
る。特に、化成皮膜の形成に先立ち、芯材の外表面に対
して下地処理を施すことにより、芯材と外皮との密着性
はさらに向上する。
【0118】また、芯材と外皮との間に接着剤層を設け
ること等により、内視鏡用可撓管の弾力性、耐久性をさ
らに優れたものとすることができる。
【0119】また、外皮を複数の層が積層された積層体
とした場合、外皮が単層で構成されたものに比べ、十分
な弾力性、耐熱性を得るのに必要な外皮の厚さを薄くす
ることができる。したがって、内視鏡用可撓管の細径化
が可能となる。また、各層の材料の選択や厚さ等の設定
を適宜行い、それら各層の特性の組み合わせによって、
各層を構成する材料の利点を併有することができ、その
結果、内視鏡用可撓管に必要とされる各種の性能につい
て同時に優れたものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の内視鏡用可撓管を適用した挿入部可撓
管を有する電子内視鏡を示す全体図である。
【図2】本発明の内視鏡用可撓管を適用した挿入部可撓
管の第1実施形態を示す拡大半縦断面図である。
【図3】本発明の内視鏡用可撓管を適用した挿入部可撓
管の第2実施形態を示す拡大半縦断面図である。
【図4】本発明の内視鏡用可撓管を適用した挿入部可撓
管の第3実施形態を示す拡大半縦断面図である。
【図5】本発明の内視鏡用可撓管を適用した挿入部可撓
管の第4実施形態を示す拡大半縦断面図である。
【符号の説明】
1 挿入部可撓管 2 芯材 21 螺旋管 22 網状管 23 細線 24 化成皮膜 25 空間 26 間隔 27 隙間 3 外皮 31 突出部 32 内層 33 中間層 34 外層 4 接着剤層 5 湾曲管 6 操作部 61、62 操作ノブ 7 接続部可撓管 8 光源差込部 81 光源用コネクタ 82 画像信号用コネクタ 10 電子内視鏡

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属材料で構成される芯材と、該芯材の
    外周に被覆された外皮とを有する内視鏡用可撓管であっ
    て、 前記芯材の外表面の少なくとも一部に化成皮膜が形成さ
    れていることを特徴とする内視鏡用可撓管。
  2. 【請求項2】 前記芯材は、螺旋管と、網状管とで構成
    されるものである請求項1に記載の内視鏡用可撓管。
  3. 【請求項3】 前記化成皮膜は、前記網状管の外周面の
    少なくとも一部に形成されたものである請求項2に記載
    の内視鏡用可撓管。
  4. 【請求項4】 前記芯材は、その外表面の少なくとも一
    部が粗面化されたものである請求項1ないし3のいずれ
    かに記載の内視鏡用可撓管。
  5. 【請求項5】 前記芯材と前記外皮との間に、下地層を
    有するものである請求項1ないし4のいずれかに記載の
    内視鏡用可撓管。
  6. 【請求項6】 前記下地層は、接着剤を含む材料で構成
    された接着剤層である請求項5に記載の内視鏡用可撓
    管。
  7. 【請求項7】 前記接着剤は、架橋型のものである請求
    項6に記載の内視鏡用可撓管。
  8. 【請求項8】 前記化成皮膜は、クロメート皮膜である
    請求項1ないし7のいずれかに記載の内視鏡用可撓管。
  9. 【請求項9】 前記化成皮膜の平均厚さは、0.01〜
    100μmである請求項1ないし8のいずれかに記載の
    内視鏡用可撓管。
  10. 【請求項10】 前記化成皮膜の平均付着量は、0.0
    1〜10g/m2である請求項1ないし9のいずれかに
    記載の内視鏡用可撓管。
  11. 【請求項11】 前記外皮は、組成または物性の異なる
    複数の層で構成された積層部を有するものである請求項
    1ないし10のいずれかに記載の内視鏡用可撓管。
  12. 【請求項12】 前記外皮の平均厚さは、0.1〜1m
    mである請求項1ないし11のいずれかに記載の内視鏡
    用可撓管。
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