JP2001333883A - 内視鏡用可撓管 - Google Patents

内視鏡用可撓管

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JP2001333883A
JP2001333883A JP2000156783A JP2000156783A JP2001333883A JP 2001333883 A JP2001333883 A JP 2001333883A JP 2000156783 A JP2000156783 A JP 2000156783A JP 2000156783 A JP2000156783 A JP 2000156783A JP 2001333883 A JP2001333883 A JP 2001333883A
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JP2000156783A
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Masaru Takeshige
勝 竹重
Akira Sugiyama
章 杉山
Keiji Kunii
圭史 國井
Sukenao Abe
祐尚 阿部
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Pentax Corp
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Asahi Kogaku Kogyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】内視鏡用可撓管に要求される各種の性能を兼ね
備える内視鏡用可撓管を提供すること、特に、挿入の操
作性、耐薬品性および耐久性に優れた内視鏡用可撓管を
提供すること。 【解決手段】挿入部可撓管1Bは、螺旋管21と、螺旋
管21の外周を被覆する網状管22と、網状管22の外
周を被覆する外皮3とで構成されている。外皮3は、内
層31と、外層32と、中間層33とを有する積層体で
構成されている。中間層33は、第1の領域33aと、
第1の領域33aより基端側に位置する第2の領域33
bとを有している。第1の領域33aは、第2の領域3
3bより硬度(剛性)が低い材料で構成されているのが
好ましい。第1の領域33aと第2の領域33bとの間
には、物性が長手方向に沿って連続的に変化する変性部
37が形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内視鏡用可撓管に
関する。
【0002】
【従来の技術】内視鏡用可撓管は、螺旋管の外周を網状
管で被覆した管状の芯材に、合成樹脂等で構成される外
皮が被覆された構成となっている。
【0003】内視鏡検査では、内視鏡用可撓管は、例え
ば、胃、十二指腸、小腸あるいは大腸といった体腔の深
部まで、体腔に沿って挿入される。この際の挿入の操作
性が良好であるためには、内視鏡用可撓管の基端側(手
元側)で加えられた押し込む力がその先端まで確実に伝
達される必要がある。逆に言うと、内視鏡用可撓管の基
端側で加えられた押し込む力が内視鏡用可撓管の屈曲部
分で吸収されてしまう状態(座屈状態)になり易い内視
鏡用可撓管は、挿入の操作性が良くない。座屈しにくい
内視鏡用可撓管とするためには、内視鏡用可撓管は、曲
げに対する弾力性に優れたものである必要がある。ま
た、座屈は、外皮が芯材から剥離した箇所に発生し易い
ため、外皮と芯材とは密着している必要がある。
【0004】一方、挿入の操作性が良好であるために
は、内視鏡用可撓管の基端側(手元側)で捩じり(回
転)を加えたときに、この回転が途中で吸収されること
なく、先端部が基端側に伴って確実に回転する必要もあ
る。このため、内視鏡用可撓管は、基端側での回転に対
する先端部の追従性に優れたものである必要もある。
【0005】さらに、内視鏡用可撓管は、その基端側
(手元側)が比較的剛性が高く、先端側が柔軟であるも
のが挿入の操作性、安全性および患者の負担軽減の観点
から優れているとされている。
【0006】従来、このような挿入の操作性の改善を図
った内視鏡用可撓管として、内視鏡用可撓管の外皮を外
層と内層との2層構造とし、外層を柔軟性の良い材質、
内層を弾発性の良い材質で構成し、弾発性を考慮したも
の(特公平5−50287号公報)、先端側を軟性エラ
ストマー、基端側を硬性エラストマーで構成し、先端側
と基端側で剛性を変化させたもの(特許第264178
9号)がある。
【0007】しかし、前記従来技術においては、外皮と
芯材との密着力(結合力)が考慮されていないため、繰
り返し使用することにより、外皮が芯材から剥離し、内
視鏡用可撓管の弾力性および耐座屈性が低下することが
あった。すなわち、内視鏡用可撓管の耐久性に問題があ
った。
【0008】また、内視鏡は、使用する都度、洗浄およ
び消毒を行う必要がある。前記従来技術においては、外
皮の耐薬品性が考慮されていないため、繰り返しの消毒
により劣化が進行し、細かな亀裂等が発生したり、外皮
が芯材から剥離するおそれがあった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、内視
鏡用可撓管に要求される各種の性能を兼ね備える内視鏡
用可撓管を提供すること、特に、挿入の操作性、耐薬品
性および耐久性に優れた内視鏡用可撓管を提供すること
にある。
【0010】
【課題を解決するための手段】このような目的は、下記
(1)〜(20)の本発明により達成される。
【0011】(1) 管状の芯材と、該芯材の外周に被
覆された外皮とを有する内視鏡用可撓管であって、前記
外皮は、内層と、外層と、それらの間に位置する少なく
とも1層の中間層とを有する積層体で構成された部分を
有し、前記積層体を構成する層のうちの少なくとも1層
には、長手方向に沿って複数の領域が境界部を介して存
在し、前記各領域は、その隣の領域と物理的特性または
化学的特性が異なるものであることを特徴とする内視鏡
用可撓管。これにより、挿入の操作性、耐薬品性および
耐久性に優れた内視鏡用可撓管を提供することができ
る。
【0012】(2) 前記各領域は、その隣の領域と構
成材料が異なるものである上記(1)に記載の内視鏡用
可撓管。これにより、挿入の操作性がより向上する。
【0013】(3) 前記積層体を構成する層のうちの
2層以上がそれぞれ前記複数の領域を有する上記(1)
または(2)に記載の内視鏡用可撓管。これにより、挿
入の操作性がより向上する。
【0014】(4) 前記積層体を構成する層のうちの
2層以上がそれぞれ前記複数の領域を有し、前記複数の
領域を有する1つの層の境界部が、長手方向について、
前記複数の領域を有する他の層のいずれかの領域の途中
に位置する上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の
内視鏡用可撓管。これにより、挿入の操作性がより向上
する。
【0015】(5) 前記境界部は、その層の前記物理
的特性または化学的特性が連続的に変化する変性部であ
る上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の内視鏡用
可撓管。これにより、挿入の操作性がより向上する。
【0016】(6) 前記変性部は、その変性部の両端
の各領域を構成する材料が混合して形成されている上記
(5)に記載の内視鏡用可撓管。これにより、挿入の操
作性がより向上する。
【0017】(7) 前記境界部でその層の前記物理的
特性または化学的特性が実質上段階的に変化する上記
(1)ないし(4)のいずれかに記載の内視鏡用可撓
管。これにより、挿入の操作性がより向上する。
【0018】(8) 前記物理的特性は、硬度である上
記(1)ないし(7)のいずれかに記載の内視鏡用可撓
管。これにより、挿入の操作性がより向上する。
【0019】(9) 前記積層体の厚さが長手方向に沿
ってほぼ一定である上記(1)ないし(8)のいずれか
に記載の内視鏡用可撓管。これにより、挿入の操作性が
より向上するとともに、患者の負担もより軽減される。
【0020】(10) 前記内視鏡用可撓管の基端から
先端にかけて連続的または段階的に柔軟性が高くなって
いる上記(1)ないし(9)のいずれかに記載の内視鏡
用可撓管。これにより、挿入の操作性がより向上する。
【0021】(11) 前記芯材は、その外周に多数の
孔および/または凹部を有するものである上記(1)な
いし(10)のいずれかに記載の内視鏡用可撓管。これ
により、挿入の操作性、耐久性がより向上する。
【0022】(12) 前記芯材は、帯状材を螺旋状に
巻回して形成された螺旋管と、該螺旋管の外周に被覆さ
れ、細線を編組して形成された編組体とを有する上記
(11)に記載の内視鏡用可撓管。これにより、挿入の
操作性、耐久性がより向上する。
【0023】(13) 前記芯材の孔および/または凹
部内に進入した突出部が前記内層から連続して形成され
ている上記(11)または(12)に記載の内視鏡用可
撓管。これにより、挿入の操作性、耐久性がより向上す
る。
【0024】(14) 前記外層は、耐薬品性に優れた
材料で構成されている上記(1)ないし(13)のいず
れかに記載の内視鏡用可撓管。これにより、耐薬品性が
より向上する。
【0025】(15) 前記積層体は、前記中間層が前
記外層より柔軟な部分を有するものである上記(1)な
いし(14)のいずれかに記載の内視鏡用可撓管。これ
により、耐薬品性、耐久性がより向上する。
【0026】(16) 前記積層体は、前記外層の硬度
が前記内層および前記中間層の硬度より高い部分を有す
るものである上記(1)ないし(15)のいずれかに記
載の内視鏡用可撓管。これにより、挿入の操作性がより
向上する。
【0027】(17) 前記中間層は、前記外層と前記
内層との間のクッション機能を有する上記(1)ないし
(16)のいずれかに記載の内視鏡用可撓管。これによ
り、挿入の操作性、耐久性がより向上する。
【0028】(18) 前記内層、前記外層および前記
中間層のうちの少なくとも1層は、ポリウレタン系エラ
ストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリオレフィ
ン系エラストマー、ポリスチレン系エラストマー、ポリ
アミド系エラストマー、フッ素系エラストマーおよびフ
ッ素ゴムよりなる群から選択される少なくとも1種を含
む材料で構成されている上記(1)ないし(17)のい
ずれかに記載の内視鏡用可撓管。これにより、挿入の操
作性、耐久性、耐薬品性のうちの少なくとも1つがより
向上する。
【0029】(19) 前記内層、前記外層および前記
中間層は、それぞれ、ポリウレタン系エラストマー、ポ
リエステル系エラストマー、ポリオレフィン系エラスト
マー、ポリスチレン系エラストマー、ポリアミド系エラ
ストマー、フッ素系エラストマーおよびフッ素ゴムより
なる群から選択される少なくとも1種を含む材料で構成
されている上記(1)ないし(18)のいずれかに記載
の内視鏡用可撓管。これにより、挿入の操作性、耐久
性、耐薬品性がより向上する。
【0030】(20) 前記外皮は、押出成形により前
記芯材の外周に被覆されたものである上記(1)ないし
(19)のいずれかに記載の内視鏡用可撓管。これによ
り、内視鏡用可撓管を生産性良く、好適に製造すること
ができる。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、本発明の内視鏡用可撓管の
好適な実施形態について、添付図面を参照しつつ詳細に
説明する。
【0032】図1は、本発明の内視鏡用可撓管を適用し
た挿入部可撓管を有する電子内視鏡(電子スコープ)を
示す全体図である。以下、図1中、上側を「基端」、下
側を「先端」として説明する。
【0033】図1に示すように、電子内視鏡10は、可
撓性(柔軟性)を有する長尺物の挿入部可撓管1Aと、
挿入部可撓管1Aの先端12に接続された湾曲管5と、
挿入部可撓管1Aの基端11に設けられ、術者が把持し
て電子内視鏡10全体を操作する操作部6と、操作部6
に接続された接続部可撓管7と、接続部可撓管7の先端
側に設けられた光源差込部8とで構成されている。
【0034】挿入部可撓管1Aは、生体の管腔内に挿入
して使用される。また、操作部6には、その側面に操作
ノブ61、62が設置されている。この操作ノブ61、
62を操作すると、挿入部可撓管1A内に配設されたワ
イヤー(図示せず)が牽引されて、湾曲管5が4方向に
湾曲し、その方向を変えることができる。
【0035】湾曲管5の先端部には、観察部位における
被写体像を撮像する図示しない撮像素子(CCD)が設
けられ、また、光源差込部8の先端部に、画像信号用コ
ネクタ82が設けられている。この画像信号用コネクタ
82は、光源プロセッサ装置(図示せず)に接続され、
さらに、光源プロセッサ装置は、ケーブルを介してモニ
タ装置(図示せず)に接続されている。
【0036】光源差込部8の先端部には、光源用コネク
タ81が設置され、この光源用コネクタ81が光源プロ
セッサ装置に接続されている。光源プロセッサ装置内の
光源から発せられた光は、光源用コネクタ81、およ
び、光源差込部8内、接続部可撓管7内、操作部6内、
挿入部可撓管1A内および湾曲管5内に連続して配設さ
れた光ファイバー束によるライトガイド(図示せず)を
通り、湾曲管5の先端部より観察部位に照射され、照明
する。
【0037】前記照明光により照明された観察部位から
の反射光(被写体像)は、撮像素子で撮像される。撮像
素子で撮像された被写体像に応じた画像信号は、バッフ
ァ(図示せず)を介して出力される。
【0038】この画像信号は、湾曲管5内、挿入部可撓
管1A内、操作部6内および接続部可撓管7内に連続し
て配設され、撮像素子と画像信号用コネクタ82とを接
続する画像信号ケーブル(図示せず)を介して、光源差
込部8に伝達される。
【0039】そして、光源差込部8内および光源プロセ
ッサ装置内で所定の処理(例えば、信号処理、画像処理
等)がなされ、その後、モニタ装置に入力される。モニ
タ装置では、撮像素子で撮像された画像(電子画像)、
すなわち動画の内視鏡モニタ画像が表示される。
【0040】以上、本発明の内視鏡用可撓管を適用した
挿入部可撓管1Aを有する電子内視鏡10の全体構成に
ついて説明したが、本発明の内視鏡用可撓管は、ファイ
バー内視鏡の可撓管にも適用することができることは、
言うまでもない。
【0041】図2は、本発明の内視鏡用可撓管を適用し
た挿入部可撓管の第1実施形態を示す縦断面図、図3
は、図2に示す挿入部可撓管1Aの拡大半縦断面図であ
る。図2および図3中、右側が基端11側(手元側)、
左側が先端12側である。なお、図2では、網状管22
の詳細および突出部4の図示を省略する(図4〜図7に
ついても同様)。
【0042】図3に示すように、挿入部可撓管1Aは、
芯材2と、その外周を被覆する外皮3とを有している。
また、挿入部可撓管1Aには、内部に、例えば、光ファ
イバ、電線ケーブル、ケーブルまたはチューブ類等の器
具等(図中省略)を配置、挿通することができる空間2
4が設けられている。
【0043】芯材2は、螺旋管21と、螺旋管21の外
周を被覆する網状管(編組体)22とで構成され、全体
としてチューブ状の長尺物として形成されている。この
芯材2は、挿入部可撓管1Aを補強する効果を有する。
特に、螺旋管21と網状管22を組合わせたことによ
り、挿入部可撓管1Aは、十分な機械的強度を確保でき
る。また、図示を省略するが、芯材2は、螺旋管21を
2重、あるいは3重に設けることにより、さらに高い機
械的強度が得られる。
【0044】螺旋管21は、帯状材を均一な径で螺旋状
に間隔25をあけて巻いて形成されたものである。帯状
材を構成する材料としては、例えば、ステンレス鋼、銅
合金等が好ましく用いられる。
【0045】網状管22は、金属製または非金属性の細
線23を複数並べたものを編組して形成されている。細
線23を構成する材料としては、例えば、ステンレス
鋼、銅合金等が好ましく用いられる。また、網状管22
を形成する細線23のうち少なくとも1本に合成樹脂の
被覆(図示せず)が施されていてもよい。
【0046】網状管22の外周には、編組された細線2
3の編み目により隙間26が形成されている。この隙間
26は、螺旋管21の外周と重なる位置では凹部とな
り、螺旋管21の間隔25と重なる位置では空間24に
連通する孔となって、芯材2の外周に多数の孔および凹
部を形成している。
【0047】芯材2の外周には、外皮3が被覆されてい
る。外皮3は、内層31と、外層32と、中間層33と
を有する積層体で構成されている。
【0048】外皮3は、以下に説明するように、内層3
1、外層32、中間層33のうちのいずれか1層が、他
のいずれか1層と比べて物理的特性または化学的特性が
異なる材料で構成されたものとされている。物理的特性
としては、例えば、剛性(柔軟性)、硬度、伸び率、引
張り強さ、せん断強さ、曲げ弾性率、曲げ強さ等が挙げ
られ、化学的特性としては、例えば、耐薬品性、耐候性
等が挙げられる。なお、これらは一例であり、これらに
限定されるものではない。
【0049】内層31は、外皮3の中で最も内周側に形
成されており、芯材2と密着している。内層31は、そ
の全域で物性がほぼ均質である。
【0050】内層31の内周面には、内周側に向かって
突出する多数の突出部(アンカー)4が内層31から連
続して形成されている。各突出部4は、芯材2の外周に
形成された多数の孔および凹部内にそれぞれ進入してい
る。前記凹部内に進入した突出部4の先端は、螺旋管2
1の外周に達するまで形成されている。前記孔内に進入
した突出部4は、より長く形成され、その先端が螺旋管
21の間隔25に入り込んでいる。
【0051】内層31は、突出部4の大きさ(長さ)、
形状、個数等がそれぞれ適度なものとなるように制御し
て突出部4を形成することができるような材料で構成さ
れているのが好ましい。
【0052】突出部4が前述のように形成されているこ
とにより、突出部4が芯材2の外周に形成された多数の
孔および凹部に係合するので、アンカー効果が生じ、芯
材2に対し外皮3が確実に固定される。このため、外皮
3は、挿入部可撓管1Aが湾曲した場合にも、芯材2と
密着した状態を維持し、芯材2の湾曲に合わせて十分に
大きく伸縮する。このように大きく伸縮した外皮3の復
元力は、強く発揮され、挿入部可撓管1Aの湾曲を復元
させる力に大きく寄与する。よって、このような構成に
より、挿入部可撓管1Aは、弾力性が高く、挿入の操作
性に優れる。
【0053】また、突出部4を形成したことにより、外
皮3と網状管22との結合力が強いので、繰り返し使用
しても外皮3が網状管22と剥離しにくい。したがっ
て、挿入部可撓管1Aは、繰り返し使用した後も弾力性
が良好に保たれ、耐久性に優れる。
【0054】網状管22を形成する細線23のうちの少
なくとも1本に合成樹脂の被覆が施されている場合に
は、この被覆された樹脂(被覆層)の少なくとも一部
は、溶融して内層31に結合(溶着)している。
【0055】内層31の構成材料を、細線23に被覆さ
れた合成樹脂との相溶性に優れた材料を含むものとする
ことにより、細線23の被覆層が内層31に十分に結合
する。
【0056】このように、細線23の被覆層が内層31
に結合している構成とした場合には、外皮3と芯材2と
の密着性がより高く、また、外皮3と芯材2との結合力
がより強いので、前述の突出部4による効果と合わせ
て、挿入部可撓管1Aは、弾力性、耐久性がより優れ
る。
【0057】内層31の構成材料は、特に限定されない
が、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロ
ピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のポリオレフ
ィン、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート(PE
T)、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、
ポリウレタン、ポリスチレン樹脂、ポリテトラフルオロ
エチレン、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体
等のフッ素系樹脂、ポリイミド等の各種可撓性を有する
樹脂や、ポリウレタン系エラストマー、ポリエステル系
エラストマー、ポリオレフィン系エラストマー、ポリア
ミド系エラストマー、ポリスチレン系エラストマー、フ
ッ素系エラストマー、シリコーンゴム、フッ素ゴム、ラ
テックスゴム等の各種エラストマーのうちの、1種また
は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0058】この中でも、特に、ポリウレタン系エラス
トマー、ポリオレフィン系エラストマー、ポリエステル
系エラストマーは、突出部4の形成を制御し易いため、
好ましい。
【0059】内層31の平均厚さ(突出部4の部分を除
く。)は、特に限定されないが、通常は、0.05〜
0.8mmであるのが好ましく、0.05〜0.4mm
であるのがより好ましい。
【0060】外層32は、外皮3の中で最も外周側に形
成されている。外層32は、その全域で物性がほぼ均質
である。
【0061】外層32は、耐薬品性を備えた材料で構成
されているのが好ましい。これにより、繰り返し洗浄お
よび消毒を行っても外皮3の劣化が少なく、外皮3が硬
化して可撓性が低下したり、亀裂等が生じて外皮3が網
状管22から剥離したりしにくい。
【0062】また、外層32は、その硬度が比較的高く
設定されている。これにより、繰り返し使用しても外皮
3の表面に傷が付きにくく、亀裂等の原因になりにく
い。また、外皮3を構成する積層体は、外層32の硬度
が内層31および中間層33の硬度より高い部分を有す
るものであるのが好ましい。
【0063】ここで、通常、耐薬品性や傷の付きにくさ
を考慮して外層32の硬度を比較的高いものとした場合
には、挿入部可撓管1Aの柔軟性や弾力性が低下するお
それがある。これに対し、本発明では、後述するように
柔軟な中間層33を設けたことにより、そのようなおそ
れがない。
【0064】外層32の構成材料は、特に限定されない
が、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロ
ピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のポリオレフ
ィン、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート(PE
T)、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、
ポリウレタン、ポリスチレン樹脂、ポリテトラフルオロ
エチレン、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体
等のフッ素系樹脂、ポリイミド等の各種可撓性を有する
樹脂や、ポリウレタン系エラストマー、ポリエステル系
エラストマー、ポリオレフィン系エラストマー、ポリア
ミド系エラストマー、ポリスチレン系エラストマー、フ
ッ素系エラストマー、シリコーンゴム、フッ素ゴム、ラ
テックスゴム等の各種エラストマーのうちの、1種また
は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0065】この中でも、特に、エチレン−酢酸ビニル
共重合体等のポリオレフィン、ポリテトラフルオロエチ
レン、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体等の
フッ素系樹脂、ポリエステル系エラストマー、ポリオレ
フィン系エラストマー、フッ素系エラストマー、シリコ
ーンゴム、フッ素ゴムは、耐薬品性に優れるため、好ま
しい。
【0066】外層32の平均厚さは、特に限定されない
が、通常は、0.05〜0.8mmであるのが好まし
く、0.05〜0.4mmであるのがより好ましい。
【0067】中間層33は、内層31と外層32との間
に形成されている。中間層33は、第1の領域33a
と、第1の領域33aより基端11側に位置する第2の
領域33bとを有している。
【0068】第1の領域33aと第2の領域33bと
は、隣接しており、その境界に境界部34が形成されて
いる。すなわち、第1の領域33aは、先端12から境
界部34まで形成され、第2の領域33bは、境界部3
4から基端11まで形成されている。
【0069】第1の領域33aと第2の領域33bと
は、物理的特性または化学的特性(以下、これらを総称
して「物性」と言う。)が異なっている。第1の領域3
3a内、第2の領域33b内では、それぞれ、物性がほ
ぼ均質になっている。したがって、境界部34で中間層
33の物性が実質上段階的に変化している。
【0070】このような物性の相違は、特に、第1の領
域33aと第2の領域33bとを異なる材料で構成する
ことにより得られる。
【0071】第1の領域33aおよび第2の領域33b
の長手方向の長さは、内視鏡の種類や用途等によっても
その好ましい値は異なるが、それぞれ次の通りである。
第1の領域33aの長さは、通常、50〜1000mm
程度であるのが好ましく、100〜700mm程度であ
るのがより好ましい。第2の領域33bの長さは、通
常、50〜1000mm程度であるのが好ましく、10
0〜700mm程度であるのがより好ましい。
【0072】第1の領域33aは、第2の領域33bよ
り硬度(剛性)が低い材料で構成されているのが好まし
い。これにより、外皮3の第1の領域33aが形成され
た先端12側の部分は、第2の領域33bが形成された
基端11側の部分より引張り・曲げ等に対する剛性が小
さい。このように、外皮3の剛性が先端12側と基端1
1側で異なることにより、挿入部可撓管1Aは、基端1
1側の部分より先端12側の部分の柔軟性が高いものと
なる。
【0073】したがって、挿入部可撓管1Aは、基端1
1に近い部分では十分な剛性があるため、手元からの押
し込み力や回転力が先端12まで確実に伝達されるとと
もに、先端12に近い部分では柔軟であるため、先端1
2側の部分が曲がった体腔に円滑に追従しつつ前進し、
操作性、安全性共に向上する。このように挿入部可撓管
1Aによれば、挿入の操作性に優れ、患者の負担も軽減
される。
【0074】また、内層31および外層32は、それぞ
れ、その全域で物性がほぼ均質である。このため、この
ような挿入部可撓管1Aによれば、内層31の芯材2と
の密着性および外層32の耐薬品性を、それぞれ、積層
体の全長に渡って一定で優れたものとした上で、先端1
2側と基端11側とで前述のような剛性の変化が得られ
る。
【0075】外皮3を構成する積層体は、中間層33が
外層32より柔軟な(弾力性に優れた)部分を有するも
のであるのが好ましい。これにより、中間層33が内層
31と外層32との間のクッション機能を発揮する。ま
た、外皮3を構成する積層体は、中間層33が内層31
より柔軟な部分を有するものであるのが好ましい。
【0076】中間層33のクッション機能についてより
詳しく説明する。挿入部可撓管1Aが湾曲したとき、中
間層33の弾力性が優れていることにより、変形した中
間層33の復元力は、強く発揮される。そして、中間層
33が比較的硬度の高い内層31と外層32との間に挟
まれているので、中間層33の復元力は、内層31と外
層32とに効率良く伝わる。このため、中間層33の復
元力のほぼすべてが挿入部可撓管1Aの曲げを復元させ
る力に生かされる。したがって、このような構成とする
ことにより、挿入部可撓管1Aは、弾力性に優れる。
【0077】中間層33の構成材料は、特に限定されな
いが、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のポリオレ
フィン、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート(P
ET)、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステ
ル、ポリウレタン、ポリスチレン樹脂、ポリテトラフル
オロエチレン、エチレン−テトラフルオロエチレン共重
合体等のフッ素系樹脂、ポリイミド等の各種可撓性を有
する樹脂や、ポリウレタン系エラストマー、ポリエステ
ル系エラストマー、ポリオレフィン系エラストマー、ポ
リアミド系エラストマー、ポリスチレン系エラストマ
ー、フッ素系エラストマー、シリコーンゴム、フッ素ゴ
ム、ラテックスゴム等の各種エラストマーのうちの、1
種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0078】この中でも、特に、低硬度の、ポリウレタ
ン系エラストマー、ポリオレフィン系エラストマー、ポ
リエステル系エラストマーは、柔軟性(弾力性)に優れ
るため、好ましい。
【0079】本実施形態では、中間層33が1層の構成
になっているが、中間層33を2層以上形成した構成と
してもよい。
【0080】中間層33の平均厚さは、特に限定されな
いが、通常は、0.05〜0.8mmであるのが好まし
く、0.05〜0.4mmであるのがより好ましい。
【0081】外皮3の全体の平均厚さ(突出部4の部分
を除く。)は、長手方向に沿ってほぼ一定であるのが好
ましい。これにより、挿入部可撓管1Aの外径を長手方
向に沿ってほぼ一定にすることができ、体腔に挿入する
際の操作性がより向上し、患者の負担もより軽減され
る。
【0082】外皮3の全体の平均厚さ(突出部4の部分
を除く。)は、芯材2およびその内部に挿通される器具
等を体液等の液体から保護することができ、かつ、挿入
部可撓管1Aの湾曲性を妨げなければ、特に限定され
ず、通常は、0.15〜0.9mmであるのが好まし
く、0.3〜0.8mmであるのがより好ましい。
【0083】以上説明したような、内視鏡用可撓管の製
造方法は、特に限定されないが、外皮3を芯材2に押出
成形によって被覆することにより、連続的に製造するこ
とができる。複数の押出口を備えた押出成形機によれば
内層31、外層32および中間層33を同時に押出し、
その積層体を芯材2に被覆することができる。また、各
押出口からの各層の構成材料の供給量(単位時間当たり
の供給量)や芯材2の移動速度を調整することにより、
各層の厚さを調節することができる。
【0084】押出成形時の材料温度としては、特に限定
されないが、例えば、130〜220℃程度であるのが
好ましく、165〜205℃程度であるのがより好まし
い。押出成形時の材料温度が、かかる温度範囲の場合、
材料は、外皮3への成形加工性に優れる。このため、外
皮3の厚さは、その均一度が向上する。
【0085】図4は、本発明の内視鏡用可撓管を適用し
た挿入部可撓管の第2実施形態を示す縦断面図である。
図4中、右側が基端11側(手元側)、左側が先端12
側である。以下、本発明の内視鏡用可撓管の第2実施形
態について説明するが、前述した実施形態との相違点を
中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
【0086】図4に示す挿入部可撓管1Bにおいては、
第1実施形態における挿入部可撓管1Aと同様に、中間
層33は、第1の領域33aと、第1の領域33aより
基端11側に位置する第2の領域33bとを有してい
る。
【0087】第1の領域33aと第2の領域33bと
は、物性が異なっている。内層31および外層32は、
それぞれ、その全域で物性がほぼ均質である。
【0088】第1の領域33aは、第2の領域33bよ
り硬度(剛性)が低い材料で構成されているのが好まし
い。
【0089】第1の領域33aと第2の領域33bとの
間には、それらの境界部として変性部37が形成されて
いる。変性部37の先端部は、第1の領域33aに続い
ており、変性部37の基端部は、第2の領域33bに続
いている。
【0090】変性部37は、その先端部では第1の領域
33aとほぼ同様の物性を有しており、その基端部では
第2の領域33bとほぼ同様の物性を有している。そし
て、変性部37の先端部と基端部の途中では、物性が長
手方向に沿って連続的に変化している。
【0091】このような変性部37は、特に、第1の領
域33aの構成材料と第2の領域33bの構成材料とを
混合することにより形成することができる。そして、そ
の混合比を長手方向に沿って徐々に変えていくこと(傾
斜材料)により、連続的な物性の変化が得られる。
【0092】また、変性部37は、第1の領域33aと
同様の物性を有し、その先端部から基端部に向かって厚
さが漸減する部分と、第2の領域33bと同様の物性を
有し、基端部から先端部に向かって厚さが漸減する部分
とを重ねて形成することもできる(複合材料)。
【0093】変性部37の長手方向の長さは、特に限定
されないが、5〜600mmであるのが好ましく、10
〜400mmであるのがより好ましい。
【0094】このような構成により、中間層33の剛性
は、先端12側の第1の領域33aでは比較的低く、基
端11側の第2の領域33bでは比較的高く、その間の
変性部37では、長手方向に沿って連続的に変化してい
る。
【0095】内層31および外層32がそれぞれほぼ均
質に形成されていることに加え、このような変性部37
が形成されているため、挿入部可撓管1Bの剛性は、変
性部37の形成箇所およびその両端付近でより緩やかに
変化するものとなっている。すなわち、挿入部可撓管1
Bは、前記第1実施形態の挿入部可撓管1Aと比べ、長
手方向に沿った剛性の変化がより緩徐なものとなる。こ
れにより、挿入部可撓管1Bの全体の剛性のバランスが
より優れたものとなっている。したがって、このような
挿入部可撓管1Bによれば、前記第1実施形態の挿入部
可撓管1Aと比べ、より優れた挿入の操作性および安全
性が得られる。
【0096】さらに、剛性が急激に変化する箇所がない
ので、ここに手元からの押し込み力や回転力が集中する
ようなことがなく、先端12までより確実に伝達され
る。また、剛性が急激に変化する箇所がないので、ここ
に曲がりぐせ、捩じりぐせが付くようなこともない。
【0097】また、変性部37の長さを長くすると、挿
入部可撓管1Bの剛性の長手方向に沿った変化がより緩
徐なものとなり、変性部37の長さを短くすると、その
逆になる。したがって、変性部37を形成する長さの設
定により、全体の剛性のバランスを調節することができ
る。
【0098】また、内層31および外層32は、それぞ
れ、その全域で物性がほぼ均質であるため、内層31の
芯材2との密着性および外層32の耐薬品性を、それぞ
れ、積層体の全長に渡って一定で優れたものとすること
ができる。
【0099】図5は、本発明の内視鏡用可撓管を適用し
た挿入部可撓管の第3実施形態を示す縦断面図である。
図5中、右側が基端11側(手元側)、左側が先端12
側である。以下、本発明の内視鏡用可撓管の第3実施形
態について説明するが、前述した実施形態との相違点を
中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
【0100】図5に示す挿入部可撓管1Cにおいては、
中間層33は、第1の領域33aと、第1の領域33a
より基端11側に位置する第2の領域33bと、第2の
領域33bより基端11側に位置する第3の領域33c
とを有している。
【0101】第1の領域33aと第2の領域33bと
は、物性が異なっている。また、第2の領域33bと第
3の領域33cとは、物性が異なっている。内層31お
よび外層32は、それぞれ、その全域で物性がほぼ均質
である。
【0102】第2の領域33bは、第3の領域33cよ
り硬度(剛性)が低い材料で構成されているのが好まし
く、第1の領域33aは、第2の領域33bより硬度
(剛性)が低い材料で構成されているのが好ましい。
【0103】第1の領域33aと第2の領域33bとの
境界および第2の領域33bと第3の領域33cとの境
界には、それぞれ、第2実施形態の挿入部可撓管1Bと
同様の変性部37が形成されている。
【0104】中間層33の各領域の長手方向の長さは、
内視鏡の種類や用途等によってもその好ましい値は異な
るが、それぞれ次の通りである。第1の領域33aの長
さは、通常、50〜1000mm程度であるのが好まし
く、100〜700mm程度であるのがより好ましい。
第2の領域33bの長さは、通常、50〜800mm程
度であるのが好ましく、100〜600mm程度である
のがより好ましい。第3の領域33cの長さは、通常、
50〜1000mm程度であるのが好ましく、200〜
1000mm程度であるのがより好ましい。これらの中
間層33の各領域の長さおよびそれらの間の変性部37
の長さの設定により、挿入部可撓管1Cの全体の剛性の
バランスを調節することができる。
【0105】このような構成により、中間層33の剛性
は、先端12側の第1の領域33aでは比較的低く、中
央の第2の領域33bでは中程度で、基端11側の第3
の領域33cでは比較的高くなっている。また、中間層
33の剛性は、第1の領域33aと第2の領域33bと
の間および第2の領域33bと第3の領域33cとの間
に形成された変性部37では、それぞれ、長手方向に沿
って連続的に変化している。
【0106】このような中間層33の剛性の長手方向に
沿った変化により、挿入部可撓管1Cは、長手方向に沿
って、大きく分けて3段階に剛性が変化している。ま
た、変性部37の形成により、その段階と段階との間の
剛性の変化は、前記第2実施形態の挿入部可撓管1Bと
同様に緩やかである。したがって、挿入部可撓管1C
は、剛性の変化が大きく分けて2段階である前記第2実
施形態の挿入部可撓管1Bと比べ、長手方向に沿った剛
性の変化がより緩徐なものとなる。これにより、挿入部
可撓管1Cは、前記第2実施形態の挿入部可撓管1Bと
比べ、全体の剛性のバランスがより優れたものとなり、
より優れた挿入の操作性および安全性が得られる。
【0107】図6は、本発明の内視鏡用可撓管を適用し
た挿入部可撓管の第4実施形態を示す縦断面図である。
図6中、右側が基端11側(手元側)、左側が先端12
側である。以下、本発明の内視鏡用可撓管の第4実施形
態について説明するが、前述した実施形態との相違点を
中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
【0108】図6に示す挿入部可撓管1Dにおいては、
外層32は、第1の領域32aと、第1の領域32aよ
り基端11側に位置する第2の領域32bと、第2の領
域32bより基端11側に位置する第3の領域32cと
を有している。
【0109】第1の領域32aと第2の領域32bと
は、物性が異なっている。また、第2の領域32bと第
3の領域32cとは、物性が異なっている。内層31お
よび中間層33は、それぞれ、その全域で物性がほぼ均
質である。
【0110】第2の領域32bは、第3の領域32cよ
り硬度(剛性)が低い材料で構成されているのが好まし
く、第1の領域32aは、第2の領域32bより硬度
(剛性)が低い材料で構成されているのが好ましい。ま
た、外層32の各領域を構成する材料は、それぞれ十分
な耐薬品性を有しているのが好ましい。
【0111】第1の領域32aと第2の領域32bとの
境界および第2の領域32bと第3の領域32cとの境
界には、それぞれ、第2実施形態の挿入部可撓管1Bの
変性部37と同様の変性部36が形成されている。
【0112】外層32の各領域の長手方向の長さは、内
視鏡の種類や用途等によってもその好ましい値は異なる
が、それぞれ次の通りである。第1の領域32aの長さ
は、通常、50〜1000mm程度であるのが好まし
く、100〜700mm程度であるのがより好ましい。
第2の領域32bの長さは、通常、50〜800mm程
度であるのが好ましく、100〜600mm程度である
のがより好ましい。第3の領域32cの長さは、通常、
50〜1000mm程度であるのが好ましく、200〜
1000mm程度であるのがより好ましい。
【0113】このような構成により、外層32の剛性
は、先端12側の第1の領域32aでは比較的低く、中
央の第2の領域32bでは中程度で、基端11側の第3
の領域32cでは比較的高くなっている。また、外層3
2の剛性は、第1の領域32aと第2の領域32bとの
間および第2の領域32bと第3の領域32cとの間に
形成された変性部36では、それぞれ、長手方向に沿っ
て連続的に変化している。
【0114】すなわち、挿入部可撓管1Dは、前記第3
実施形態の挿入部可撓管1Cにおいて、中間層33に代
えて外層32に複数の領域を形成したものに相当する。
よって、このような挿入部可撓管1Dによれば、前記第
3実施形態の挿入部可撓管1Cと同様の優れた挿入の操
作性および安全性が得られる。
【0115】また、内層31および中間層33は、それ
ぞれ、その全域で物性がほぼ均質であるため、内層31
の芯材2との密着性および中間層33の弾力性(柔軟
性)を、それぞれ、積層体の全長に渡って一定で優れた
ものとすることができる。
【0116】なお、本実施形態においても、中間層33
は、前記第1〜第3実施形態のいずれかにおける中間層
33のような構成となっていてもよい。
【0117】図7は、本発明の内視鏡用可撓管を適用し
た挿入部可撓管の第5実施形態を示す縦断面図である。
図7中、右側が基端11側(手元側)、左側が先端12
側である。以下、本発明の内視鏡用可撓管の第5実施形
態について説明するが、前述した実施形態との相違点を
中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
【0118】図7に示す挿入部可撓管1Eにおいては、
外層32は、第4実施形態の挿入部可撓管1Dと同様の
構成である。すなわち、外層32は、第1の領域32a
と、第1の領域32aより基端11側に位置する第2の
領域32bと、第2の領域32bより基端11側に位置
する第3の領域32cとを有し、第1の領域32aと第
2の領域32bとの間および第2の領域32bと第3の
領域32cとの間にそれぞれ変性部36が形成されてい
る。
【0119】挿入部可撓管1Eにおいては、これに加
え、内層31が第1の領域31aと、第1の領域31a
より基端11側に位置する第2の領域31bとを有して
いる。第1の領域31aと第2の領域31bとは、物性
が異なっている。中間層33は、その全域で物性がほぼ
均質である。
【0120】内層31の第1の領域31aは、第2の領
域31bより硬度(剛性)が低い材料で構成されている
のが好ましい。また、第1の領域31aおよび第2の領
域31bは、いずれも、芯材2との密着性に優れた材
料、すなわち、突出部4を形成し易いような材料で構成
されているのが好ましい。
【0121】第1の領域31aと第2の領域31bとの
間には、第2実施形態の挿入部可撓管1Bの変性部37
と同様の変性部35が形成されている。変性部35は、
長手方向について、外層32の第2の領域32bの途中
に位置している。これにより、後述するように、外皮3
の剛性を長手方向に沿って大きく分けて4段階に変化さ
せることができる。
【0122】内層31の第1の領域31aおよび第2の
領域31bの長手方向の長さは、内視鏡の種類や用途等
によってもその好ましい値は異なるが、次の通りであ
る。第1の領域31aの長さは、通常、50〜1000
mm程度であるのが好ましく、500〜1000mm程
度であるのがより好ましい。第2の領域31bの長さ
は、通常、50〜1000mm程度であるのが好まし
く、400〜1000mm程度であるのがより好まし
い。
【0123】このような構成により、外皮3は、先端1
2から基端11まで、外層32の第1の領域32aと
内層31の第1の領域31aとがそれぞれ形成された部
分、外層32の第2の領域32bと内層31の第1の
領域31aとがそれぞれ形成された部分、外層32の
第2の領域32bと内層31の第2の領域31bとがそ
れぞれ形成された部分、外層32の第3の領域32c
と内層31の第2の領域31bとがそれぞれ形成された
部分、の4つの部分に大きく分けることができる。そし
て、この4つの部分においてこの順番に外皮3の剛性が
高くなっている。
【0124】このような外皮3の剛性の長手方向に沿っ
た変化により、挿入部可撓管1Eは、基端11から先端
12に向かって、大きく分けて4段階に柔軟性が高くな
っている。また、その段階と段階との間では、変性部3
5、36の形成により、剛性が緩やかに変化している。
したがって、挿入部可撓管1Eは、剛性の変化が大きく
分けて3段階である前記第3実施形態の挿入部可撓管1
Dと比べ、長手方向に沿った剛性の変化がより緩徐なも
のとなる。これにより、挿入部可撓管1Eは、前記第4
実施形態の挿入部可撓管1Dと比べ、全体の剛性のバラ
ンスがより優れたものとなり、より優れた挿入の操作性
および安全性が得られる。
【0125】第5実施形態から示されるように、積層体
の2層以上が複数の領域を有し、複数の領域を有する1
つの層の境界部34または変性部が、複数の領域を有す
る他の層のいずれかの領域の途中に位置することによ
り、それらの各層の剛性の変化が組み合わされる。これ
により、長手方向に沿った剛性の変化がより滑らかな内
鏡用可撓管が得られる。
【0126】なお、本実施形態においても、中間層33
は、前記第1〜第3実施形態のいずれかにおける中間層
33のような構成となっていてもよい。
【0127】以上、本発明の内視鏡用可撓管について説
明したが、本発明は、これらに限定されるものではな
い。
【0128】例えば、複数の領域を構成する主材料(主
ポリマー)を同一とし、その分子量の違いや、可塑剤等
の添加剤の有無または添加量によって物性(硬度等)を
変化させてもよい。また、複数の領域を組成の等しい材
料で構成し、その密度(空孔率)の違いによって物理的
特性を変化させてもよい。
【0129】また、複数の領域を有する層は、実施形態
において説明したものに限らず、内層31のみ、内層3
1および中間層33、外層32および中間層33、ある
いは、積層体を構成するすべての層が複数の領域を有す
る構成としてもよい。
【0130】また、内視鏡用可撓管の製造方法として
は、まず、外皮3を連続する長尺物として成形した後、
この外皮3の内腔へ芯材2を挿入し、その後、加熱等に
より密着固定する方法でも可能である。
【0131】また、本発明の内視鏡用可撓管は、その外
皮が全長に渡って以上説明したような積層体で構成され
たものに限らず、長手方向の一部において外皮が前述の
構成の積層体で構成されているものでもよい。
【0132】また、本発明の内視鏡用可撓管は、例え
ば、ライトガイド可撓管等にも適用できる。
【0133】
【実施例】以下、本発明を実施例および比較例により、
さらに詳細に説明する。 1.内視鏡用可撓管の作製 (実施例1)まず、幅3mmのステンレス製の帯状材を
巻回して、外径φ9.9mm、内径φ9.6mmの螺旋
管21を作製した。次に、直径φ0.1mmステンレス
製の細線23を10本ずつ並べたものを編組した網状管
22を作製した。細線23のうち1本は、ポリアミド系
樹脂でコーティングしたものを用いた。この網状管22
で螺旋管21を被覆し、芯材2を得た。
【0134】次に、芯材2の外周に、押出成形により、
内層31と外層32と中間層33との3層からなる外皮
3を被覆して、長さ1.6mの内視鏡用可撓管を作製し
た。
【0135】外皮3の各層の厚さは、いずれも内視鏡用
可撓管の全長に渡って一定とし、それぞれ次の通りとし
た。
【0136】内層31 :0.2mm 外層32 :0.1mm 中間層33:0.3mm 外皮3の各層の構成の詳細は、次の通りである。
【0137】<内層31>単一の領域で構成した。 材料:中硬度ポリウレタン系エラストマー(JIS K
7311による硬度A 81)
【0138】<外層32>単一の領域で構成した。 材料:高硬度ポリエステル系エラストマー(JIS K
7311による硬度A 92)
【0139】<中間層33>先端12から順に、第1の
領域33a、第2の領域33b、第3の領域33cの3
つの領域を形成した。
【0140】第1の領域33a 長さ:440mm 材料:低硬度ポリウレタン系エラストマー(JIS K
7311による硬度 A 68)
【0141】第2の領域33b 長さ:530mm 材料:中硬度ポリウレタン系エラストマー(JIS K
7311による硬度 A 82)
【0142】第3の領域33c 長さ:630mm 材料:高硬度ポリウレタン系エラストマー(JIS K
7311による硬度 A 90)
【0143】第1の領域33aおよび第2の領域33b
は、隣接するように形成し、その境界に境界部34を形
成した。また、第2の領域33bおよび第3の領域33
cも、隣接するように形成し、その境界に境界部34を
形成した。
【0144】(実施例2)外皮3の中間層33の構成を
次のように変更した以外は、実施例1と同様にして、内
視鏡用可撓管を作製した。
【0145】<中間層33>先端12から順に、第1の
領域33a、第2の領域33b、第3の領域33cの3
つの領域を形成した。
【0146】第1の領域33a 長さ:450mm 材料:低硬度ポリウレタン系エラストマー(JIS K
7311による硬度 A 68)
【0147】第2の領域33b 長さ:300mm 材料:中硬度ポリウレタン系エラストマー(JIS K
7311による硬度 A 82)
【0148】第3の領域33c 長さ:450mm 材料:高硬度ポリウレタン系エラストマー(JIS K
7311による硬度 A 90)
【0149】第1の領域33aと第2の領域33bとの
境および第2の領域33bと第3の領域33cとの境に
は、それぞれ、長さ200mmの変性部37を形成し
た。変性部37は、その両端の領域の構成材料を混合し
た材料で構成し、その混合比を長手方向に沿って徐々に
変化させて形成した。
【0150】(実施例3)外皮3の外層32および中間
層33の構成を次のように変更した以外は、実施例1と
同様にして、内視鏡用可撓管を作製した。
【0151】<外層32>先端12から順に、第1の領
域32a、第2の領域32b、第3の領域32cの3つ
の領域を形成した。
【0152】第1の領域32a 長さ:450mm 材料:低硬度ポリオレフィン系エラストマー(JIS
K 7311による硬度 A 76)
【0153】第2の領域32b 長さ:300mm 材料:中硬度ポリオレフィン系エラストマー(JIS
K 7311による硬度 A 85)
【0154】第3の領域32c 長さ:450mm 材料:高硬度ポリオレフィン系エラストマー(JIS
K 7311による硬度 A 95)
【0155】第1の領域32aと第2の領域32bとの
境および第2の領域32bと第3の領域32cとの境に
は、それぞれ、長さ200mmの変性部36を形成し
た。
【0156】<中間層33>単一の領域で構成した。 材料:低硬度ポリウレタン系エラストマー(JIS K
7311による硬度A 78)
【0157】(実施例4)内層31の構成を次のように
変更した以外は、実施例3と同様にして、内視鏡用可撓
管を作製した。
【0158】<内層31>先端12から順に、第1の領
域31a、第2の領域31bの2つの領域を形成した。
【0159】第1の領域31a 長さ:600mm 材料:中硬度ポリウレタン系エラストマー(JIS K
7311による硬度 A 82)
【0160】第2の領域31b 長さ:600mm 材料:高硬度ポリウレタン系エラストマー(JIS K
7311による硬度 A 91)
【0161】第1の領域31aと第2の領域31bとの
境には、長さ400mmの変性部35を形成した。
【0162】実施例1〜4の内視鏡用可撓管の縦断面
は、それぞれ、図3に示すようになっていた(但し、各
層の厚さおよび各層の各領域の長さは、それぞれ、各実
施例において設定した厚さおよび長さとなってい
た。)。
【0163】(比較例1)実施例1と同様の芯材2の外
周に、押出成形により、内層31と外層32との2層か
らなる外皮を被覆して、長さ1.6mの内視鏡用可撓管
を作製した。
【0164】内層31および外層32の厚さは、いずれ
も内視鏡用可撓管の全長に渡って一定とし、それぞれ次
の通りとした。
【0165】内層31 :0.3mm 外層32 :0.3mm 内層31および外層32の構成の詳細は、次の通りであ
る。
【0166】<内層31>単一の領域で構成した。 材料:中硬度ポリウレタン系エラストマー(JIS K
7311による硬度A 81)
【0167】<外層32>単一の領域で構成した。 材料:低硬度ポリウレタン系エラストマー(JIS K
7311による硬度A 68)
【0168】(比較例2)内層31および外層32の構
成を次のように変更した以外は、比較例1と同様にし
て、内視鏡用可撓管を作製した。
【0169】<内層31>単一の領域で構成した。 材料:中硬度ポリウレタン系エラストマー(JIS K
7311による硬度A 81)
【0170】<外層32>単一の領域で構成した。 材料:高硬度ポリエステル系エラストマー(JIS K
7311による硬度A 92)
【0171】(比較例3)内層31および外層32の構
成を次のように変更した以外は、比較例1と同様にし
て、内視鏡用可撓管を作製した。
【0172】<内層31>単一の領域で構成した。 材料:高硬度ポリウレタン系エラストマー(JIS K
7311による硬度A 90)
【0173】<外層32>単一の領域で構成した。 材料:高硬度ポリエステル系エラストマー(JIS K
7311による硬度A 92)
【0174】各比較例の内視鏡用可撓管の縦断面を観察
すると、比較例1および比較例2においては、実施例1
〜4と同様に、図3に示すような突出部4が形成されて
いたが、比較例3においては、突出部4が形成されてい
なかった。
【0175】<曲げ剛性変化割合の測定>実施例1〜4
の内視鏡用可撓管の曲げ剛性が長手方向に沿って変化す
る割合を測定した。
【0176】ここでは、内視鏡用可撓管の全長を9等分
して先端12から基端11まで順次第1区間〜第9区間
に分け、各内視鏡用可撓管の各区間における曲げ剛性を
次の方法で測定した。
【0177】図8に示すように、一定のスパンL(20
0mm)の二点で各区間の中点がスパンの中心に位置す
るように支持し、各区間の中点を下方に押圧して一定の
距離y(50mm)だけ押圧点が変位するときの押圧力
Fの大きさを各区間における曲げ剛性とした。
【0178】第1区間における曲げ剛性を1としたとき
の他の各区間における曲げ剛性の大きさを表わして、曲
げ剛性の長手方向に沿った変化割合を調べた。各内視鏡
用可撓管についてのこの曲げ剛性の変化割合を表1に示
す。
【0179】
【表1】
【0180】2.内視鏡用可撓管の特性評価 [2.1]挿入の操作性試験 各実施例および各比較例で作製した各内視鏡用可撓管に
ついて、挿入の操作性試験を行った。
【0181】各内視鏡用可撓管を挿入部可撓管として用
いて、図1に示す電子内視鏡10を製造した。製造した
各電子内視鏡10の挿入部を人体の体腔を模造した生体
モデルに挿入し、その先端(湾曲管5の先端)が生体モ
デルの大腸相当部分を通過し終わるまで挿入した。挿入
の操作性試験では、そのときの挿入の操作性を以下の4
段階の基準に従って評価した。 ◎:挿入操作が非常に円滑に行うことができ、内視鏡用
可撓管としての使用に最適。 ○:挿入操作が支障なく行うことができ、内視鏡用可撓
管としての使用に適す。 △:挿入操作に手間取り、内視鏡用可撓管としての使用
に問題あり。 ×:挿入操作がしづらく、内視鏡用可撓管としての使用
に適さず。 挿入の操作性試験の結果を表2に示す。
【0182】[2.2]耐薬品性試験 各実施例および各比較例で作製した各内視鏡用可撓管に
ついて、耐薬品性試験を行った。
【0183】各実施例および各比較例で作製した内視鏡
用可撓管を、25℃に保たれた10%のヨウ素水溶液1
00Lに、それぞれ、200時間浸漬した。
【0184】耐薬品性試験では、各内視鏡用可撓管の2
00時間後の状態を、以下の4段階の基準に従い、評価
した。 ◎:外観変化なし。外皮の亀裂および浮きなし。 ○:外観にほとんど変化なし。外皮の浮きがわずかに発
生。 △:外観が劣化したのが判る。外皮の浮きが各所に発
生。 ×:外観の劣化がはっきりと認識できる。外皮の亀裂お
よび浮きが顕著に発生。 耐薬品性試験の結果を表2に示す。
【0185】[2.3]耐久性試験 実施例および比較例1〜3で作製した各内視鏡用可撓管
について、耐久性試験を行った。
【0186】耐久性は、各内視鏡用可撓管の両端を支持
して90°折り曲げる操作を300回繰り返し行った
後、折り曲げ繰り返し操作の前後における弾力性の低下
の度合いによって評価することとし、以下の4段階の基
準に従って評価した。 ◎:弾力性は、ほとんど変化なく、耐久性が非常に優れ
る。 ○:弾力性の低下は、わずかで、耐久性が優れる。 △:弾力性は、はっきり分かるほど低下し、耐久性に問
題あり。 ×:弾力性は、著しく低下し、各所で劣化を確認。 耐久性試験の結果を表2に示す。
【0187】
【表2】
【0188】表2に示す結果から、実施例の内視鏡用可
撓管は、挿入の操作性、耐薬品性、耐久性のすべてに優
れることが明らかとなった。
【0189】これに対し、比較例1の内視鏡用可撓管
は、挿入の操作性がやや劣り、外層材料の耐薬品性が乏
しいためか耐薬品性にも劣っていた。
【0190】また、比較例2の内視鏡用可撓管は、挿入
の操作性に劣っていた。また、比較例3の内視鏡用可撓
管は、挿入の操作性に劣り、内層31に突出部4が形成
されていないためか耐久性にも劣っていた。
【0191】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、外
皮を構成する積層体の各層において、材料の選択や厚さ
等の設定を適宜行い、それら各層の特性の組み合わせに
より、内視鏡用可撓管に必要とされる各種の性能につい
て同時に優れたものとすることができる。
【0192】そして、積層体を構成する層のうちの少な
くとも1層を、複数の領域を有するものとすることによ
り、挿入の操作性および安全性に優れた内視鏡用可撓管
が得られる。
【0193】特に、積層体を構成する層のうちの2層以
上が複数の領域を有する場合や、領域間の境界部が変性
部となっている場合等には、内視鏡用可撓管の剛性の長
手方向に沿った変化がさらに緩徐なものとなるため、よ
り優れた挿入の操作性および安全性が得られる。
【0194】また、中間層として柔軟な材料を用いるこ
とにより、内視鏡用可撓管の弾力性が優れ、挿入の操作
性がより優れる。
【0195】また、外層材料の選択により、内視鏡用可
撓管を耐薬品性に優れたものとすることができる。
【0196】また、内層に芯材との密着性の高い材料を
用いることにより、内視鏡用可撓管を耐久性に優れたも
のとすることができる。
【0197】さらに、前述のように、これらの優れた性
能を兼ね備えたものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の内視鏡用可撓管を適用した挿入部可撓
管を有する電子内視鏡を示す全体図である。
【図2】本発明の内視鏡用可撓管を適用した挿入部可撓
管の第1実施形態を示す縦断面図である。
【図3】図2に示す挿入部可撓管の拡大半縦断面図であ
る。
【図4】本発明の内視鏡用可撓管を適用した挿入部可撓
管の第2実施形態を示す縦断面図である。
【図5】本発明の内視鏡用可撓管を適用した挿入部可撓
管の第3実施形態を示す縦断面図である。
【図6】本発明の内視鏡用可撓管を適用した挿入部可撓
管の第4実施形態を示す縦断面図である。
【図7】本発明の内視鏡用可撓管を適用した挿入部可撓
管の第5実施形態を示す縦断面図である。
【図8】実施例における挿入部可撓管の曲げ剛性を測定
する方法を示す図である。
【符号の説明】
1A、1B、1C、1D、1E 挿入部可撓管 11 基端 12 先端 2 芯材 21 螺旋管 22 網状管 23 細線 24 空間 25 間隔 26 隙間 3 外皮 31 内層 31a 第1の領域 31b 第2の領域 31c 第3の領域 32 外層 32a 第1の領域 32b 第2の領域 32c 第3の領域 33 中間層 33a 第1の領域 33b 第2の領域 33c 第3の領域 34 境界部 35 変性部 36 変性部 37 変性部 4 突出部 5 湾曲管 6 操作部 61、62 操作ノブ 7 接続部可撓管 8 光源差込部 81 光源用コネクタ 82 画像信号用コネクタ 10 電子内視鏡
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 國井 圭史 東京都板橋区前野町2丁目36番9号 旭光 学工業株式会社内 (72)発明者 阿部 祐尚 東京都板橋区前野町2丁目36番9号 旭光 学工業株式会社内 Fターム(参考) 2H040 BA00 BA21 DA16 GA02 4C061 DD03 FF25 FF26 FF27 JJ03 JJ06 JJ11

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 管状の芯材と、該芯材の外周に被覆され
    た外皮とを有する内視鏡用可撓管であって、 前記外皮は、内層と、外層と、それらの間に位置する少
    なくとも1層の中間層とを有する積層体で構成された部
    分を有し、 前記積層体を構成する層のうちの少なくとも1層には、
    長手方向に沿って複数の領域が境界部を介して存在し、 前記各領域は、その隣の領域と物理的特性または化学的
    特性が異なるものであることを特徴とする内視鏡用可撓
    管。
  2. 【請求項2】 前記各領域は、その隣の領域と構成材料
    が異なるものである請求項1に記載の内視鏡用可撓管。
  3. 【請求項3】 前記積層体を構成する層のうちの2層以
    上がそれぞれ前記複数の領域を有する請求項1または2
    に記載の内視鏡用可撓管。
  4. 【請求項4】 前記積層体を構成する層のうちの2層以
    上がそれぞれ前記複数の領域を有し、 前記複数の領域を有する1つの層の境界部が、長手方向
    について、前記複数の領域を有する他の層のいずれかの
    領域の途中に位置する請求項1ないし3のいずれかに記
    載の内視鏡用可撓管。
  5. 【請求項5】 前記境界部は、その層の前記物理的特性
    または化学的特性が連続的に変化する変性部である請求
    項1ないし4のいずれかに記載の内視鏡用可撓管。
  6. 【請求項6】 前記変性部は、その変性部の両端の各領
    域を構成する材料が混合して形成されている請求項5に
    記載の内視鏡用可撓管。
  7. 【請求項7】 前記境界部でその層の前記物理的特性ま
    たは化学的特性が実質上段階的に変化する請求項1ない
    し4のいずれかに記載の内視鏡用可撓管。
  8. 【請求項8】 前記物理的特性は、硬度である請求項1
    ないし7のいずれかに記載の内視鏡用可撓管。
  9. 【請求項9】 前記積層体の厚さが長手方向に沿ってほ
    ぼ一定である請求項1ないし8のいずれかに記載の内視
    鏡用可撓管。
  10. 【請求項10】 前記内視鏡用可撓管の基端から先端に
    かけて連続的または段階的に柔軟性が高くなっている請
    求項1ないし9のいずれかに記載の内視鏡用可撓管。
  11. 【請求項11】 前記芯材は、その外周に多数の孔およ
    び/または凹部を有するものである請求項1ないし10
    のいずれかに記載の内視鏡用可撓管。
  12. 【請求項12】 前記芯材は、帯状材を螺旋状に巻回し
    て形成された螺旋管と、 該螺旋管の外周に被覆され、細線を編組して形成された
    編組体とを有する請求項11に記載の内視鏡用可撓管。
  13. 【請求項13】 前記芯材の孔および/または凹部内に
    進入した突出部が前記内層から連続して形成されている
    請求項11または12に記載の内視鏡用可撓管。
  14. 【請求項14】 前記外層は、耐薬品性に優れた材料で
    構成されている請求項1ないし13のいずれかに記載の
    内視鏡用可撓管。
  15. 【請求項15】 前記積層体は、前記中間層が前記外層
    より柔軟な部分を有するものである請求項1ないし14
    のいずれかに記載の内視鏡用可撓管。
  16. 【請求項16】 前記積層体は、前記外層の硬度が前記
    内層および前記中間層の硬度より高い部分を有するもの
    である請求項1ないし15のいずれかに記載の内視鏡用
    可撓管。
  17. 【請求項17】 前記中間層は、前記外層と前記内層と
    の間のクッション機能を有する請求項1ないし16のい
    ずれかに記載の内視鏡用可撓管。
  18. 【請求項18】 前記内層、前記外層および前記中間層
    のうちの少なくとも1層は、ポリウレタン系エラストマ
    ー、ポリエステル系エラストマー、ポリオレフィン系エ
    ラストマー、ポリスチレン系エラストマー、ポリアミド
    系エラストマー、フッ素系エラストマーおよびフッ素ゴ
    ムよりなる群から選択される少なくとも1種を含む材料
    で構成されている請求項1ないし17のいずれかに記載
    の内視鏡用可撓管。
  19. 【請求項19】 前記内層、前記外層および前記中間層
    は、それぞれ、ポリウレタン系エラストマー、ポリエス
    テル系エラストマー、ポリオレフィン系エラストマー、
    ポリスチレン系エラストマー、ポリアミド系エラストマ
    ー、フッ素系エラストマーおよびフッ素ゴムよりなる群
    から選択される少なくとも1種を含む材料で構成されて
    いる請求項1ないし18のいずれかに記載の内視鏡用可
    撓管。
  20. 【請求項20】 前記外皮は、押出成形により前記芯材
    の外周に被覆されたものである請求項1ないし19のい
    ずれかに記載の内視鏡用可撓管。
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