JP3793436B2 - 内視鏡用可撓管 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内視鏡用可撓管に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
内視鏡用可撓管は、螺旋管の外周を網状管で被覆した管状の芯材に、合成樹脂等で構成される外皮が被覆された構成となっている。
【0003】
内視鏡検査では、内視鏡用可撓管は、例えば、胃、十二指腸、小腸あるいは大腸といった体腔の深部まで、湾曲しながら挿入される。この挿入の際の操作性が良好であるためには、内視鏡用可撓管の基端側(手元側)で加えられた押し込む力がその先端まで確実に伝達される必要がある。逆に言うと、内視鏡用可撓管の基端側で加えられた押し込む力が内視鏡用可撓管の屈曲部分で吸収されてしまう状態(座屈状態)になり易い内視鏡用可撓管は、操作性が良くない。座屈しにくい内視鏡用可撓管とするためには、内視鏡用可撓管は、曲げに対する弾力性に優れたものである必要がある。また、座屈は、外皮が芯材から剥離した箇所に発生し易いため、外皮と芯材とは密着している必要がある。
【0004】
また、挿入の際の操作性が良好であるためには、内視鏡用可撓管の基端側(手元側)で捩じり(回転)を加えたときに、この回転が途中で吸収されることなく、先端部が基端側に伴って確実に回転する必要もある。このため、内視鏡用可撓管は、基端側での回転に対する先端部の追従性に優れたものである必要もある。
【0005】
内視鏡用可撓管の弾発性を向上させるため、内視鏡用可撓管の外皮を外層と内層との2層構造とし、外層を柔軟性の良い材質、内層を弾発性の良い材質で構成した内視鏡用可撓管が特公平5−50287号公報に開示されている。
【0006】
しかし、前記従来技術においては、外皮と芯材との密着力(結合力)が考慮されていないため、繰り返し使用することにより、外皮が芯材から剥離し、内視鏡用可撓管の弾力性および耐座屈性が低下することがあった。すなわち、内視鏡用可撓管の耐久性に問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、弾力性および耐久性に優れた内視鏡用可撓管を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
このような目的は、下記(1)〜(8)の本発明により達成される。
【0009】
(1) 帯状材を螺旋状に巻回して形成された螺旋管と、細線を編組して形成された編組体と、可撓性を有する外皮とで構成される内視鏡用可撓管であって、
前記細線の少なくとも一本に、前記外皮の前記編組体と対面する部分の構成材料を含む材料で構成された被覆層が形成されており、
前記被覆層の構成材料の融点Tが180〜350℃であり、
前記外皮の前記編組体と対面する部分の構成材料の融点Tが120〜310℃であり、
−Tが4〜200℃であることを特徴とする内視鏡用可撓管。
【0010】
これにより、弾力性および耐久性に優れた内視鏡用可撓管を提供することができる。
【0011】
(2) 前記被覆層の構成材料は、前記外皮の前記編組体と対面する部分の構成材料を5〜80wt%含有するものである上記(1)に記載の内視鏡用可撓管。
これにより、内視鏡用可撓管の弾力性および耐久性がさらに向上する。
【0012】
(3) 前記外皮は、ポリウレタン系エラストマーを含む材料で構成されたものである上記(1)または(2)に記載の内視鏡用可撓管。
これにより、内視鏡用可撓管の柔軟性が向上する。
【0013】
(4) 前記被覆層は、ポリウレタン系エラストマーを含む材料で構成されたものである上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の内視鏡用可撓管。
これにより、内視鏡用可撓管の弾力性および耐久性がさらに向上する。
【0014】
(5) 前記被覆層は、ポリアミド系樹脂を含む材料で構成されたものである上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の内視鏡用可撓管。
【0015】
これにより、弾力性、耐久性、および柔軟性に優れた内視鏡用可撓管を提供することができる。
【0016】
(6) 前記被覆層の平均厚さは、0.01〜0.1mmである上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の内視鏡用可撓管。
これにより、内視鏡用可撓管の弾力性および耐久性がさらに向上する。
【0017】
(7) 前記外皮の平均厚さは、0.01〜1.5mmである上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の内視鏡用可撓管。
これにより、内視鏡用可撓管の弾力性および耐久性がさらに向上する。
【0018】
(8) 前記外皮は、押出成形により形成されたものである上記(1)ないし(7)のいずれかに記載の内視鏡用可撓管。
これにより、内視鏡用可撓管の弾力性および耐久性がさらに向上する。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の内視鏡用可撓管の好適な実施形態について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0021】
図1は、本発明の内視鏡用可撓管を適用した挿入部可撓管を有する電子内視鏡(電子スコープ)を示す全体図である。以下、図1中、上側を「基端」、下側を「先端」として説明する。
【0022】
図1に示すように、電子内視鏡10は、可撓性(柔軟性)を有する長尺物の挿入部可撓管1と、挿入部可撓管1の先端部に設けられた湾曲管5と、挿入部可撓管1の基端部に設けられ、術者が把持して電子内視鏡10全体を操作する操作部6と、操作部6に接続された接続部可撓管7と、接続部可撓管7の先端側に設けられた光源差込部8とで構成されている。
【0023】
挿入部可撓管1は、生体の管腔内に挿入して使用される。また、操作部6には、その側面に操作ノブ61、62が設置されている。この操作ノブ61、62を操作すると、挿入部可撓管1内に配設されたワイヤー(図示せず)が牽引されて、湾曲管5が4方向に湾曲し、その方向を変えることができる。
【0024】
湾曲管5の先端部には、観察部位における被写体像を撮像する図示しない撮像素子(CCD)が設けられ、また、光源差込部8の先端部に、画像信号用コネクタ82が設けられている。この画像信号用コネクタ82は、光源装置に接続され、さらに、光源装置は、ケーブルを介してモニタ装置(図示せず)に接続されている。
【0025】
光源差込部8の先端部には、光源用コネクタ81が設置され、この光源用コネクタ81が光源装置(図示せず)に接続されている。光源装置から発せられた光は、光源用コネクタ81、および、光源差込部8内、接続部可撓管7内、操作部6内、挿入部可撓管1内および湾曲管5内に連続して配設された光ファイバー束によるライトガイド(図示せず)を通り、湾曲管5の先端部より観察部位に照射され、照明する。
【0026】
前記照明光により照明された観察部位からの反射光(被写体像)は、撮像素子で撮像される。撮像素子では、撮像された被写体像に応じた画像信号が出力される。
【0027】
この画像信号は、湾曲管5内、挿入部可撓管1内、操作部6内および接続部可撓管7内に連続して配設され、画像素子と画像信号用コネクタ82とを接続する画像信号ケーブル(図示せず)を介して、光源差込部8に伝達される。
【0028】
そして、光源差込部8内および光源装置内で所定の処理(例えば、信号処理、画像処理等)がなされ、その後、モニタ装置に入力される。モニタ装置では、撮像素子で撮像された画像(電子画像)、すなわち動画の内視鏡モニタ画像が表示される。
【0029】
以上、本発明の内視鏡用可撓管を適用した挿入部可撓管1を有する電子内視鏡10の全体構成について説明したが、本発明の内視鏡用可撓管は、光学内視鏡の可撓管にも適用することができることは、言うまでもない。
【0030】
図2は、本発明の内視鏡用可撓管を適用した挿入部可撓管の第1実施形態を示す拡大半縦断面図である。
【0031】
挿入部可撓管1は、芯材2と、その外周を被覆する外皮3とを有している。また、挿入部可撓管1には、内部に、例えば、光ファイバ、電線ケーブル、ケーブルまたはチューブ類等の内蔵物等(図中省略)を配置、挿通することができる空間24が設けられている。
【0032】
芯材2は、螺旋管21と、螺旋管21の外周を被覆する網状管(編組体)22とで構成され、全体としてチューブ状の長尺物として形成されている。この芯材2は、挿入部可撓管1を補強する効果を有する。特に、螺旋管21と網状管22を組合わせたことにより、挿入部可撓管1は、十分な機械的強度を確保できる。
【0033】
螺旋管21は、帯状材を均一な径で螺旋状に間隔25をあけて巻いて形成されたものである。帯状材を構成する材料としては、例えば、ステンレス等の鉄系合金、銅系合金等が好ましく用いられる。
【0034】
図3は、本発明の内視鏡用可撓管の製造に用いられる網状管の拡大断面図である。図4は、図2に示す挿入部可撓管の網状管付近の状態を示す拡大断面図である。
【0035】
網状管22は、金属製または非金属製の細線23を複数並べたものを編組して形成されている。細線23を構成する金属製の材料としては、例えば、ステンレス等の鉄系合金、銅系合金等が挙げられる。また、非金属性の材料としては、例えば、高融点樹脂、カーボンファイバー、ガラス繊維等が挙げられる。
【0036】
また、図3に示すように、細線23の少なくとも一本には、被覆層231が形成されている。被覆層231は、後述する外皮3の構成材料(少なくとも網状体22と対面する部分の構成材料)を含む材料で構成されている。ここで、構成材料とは、主材料のことを指し、添加剤などは含まれない。このような被覆層231が設けられることにより、図4に示すように、被覆層231と外皮3とを強く密着(相溶化)させることが可能となる。これにより、網状管22と外皮3との密着性(結合力)が向上し、結果として、挿入部可撓管1の弾力性および耐久性が向上する。
【0037】
通常、外皮3の構成材料は、クッション性(柔軟性)などを考慮した材料が選択されることが多い。そのため、被覆層231の構成材料中に占める外皮3の構成材料の割合が多すぎると、被覆層231の粘性が高くなり、被覆層231を被覆した細線23を編組する際に、その作業がし難くなったり、網状管にムラが生じたりすることがある。一方、被覆層231の構成材料中に含まれる外皮3の構成材料の割合が少なすぎると、被覆層231と外皮3との密着性(結合力)が十分に得られず、本発明の効果が十分に得られない場合がある。したがって、被覆層231の構成材料中に含まれる外皮3の構成材料の割合は、5〜80wt%であるのが好ましく、7〜60wt%であるのがより好ましく、10〜50wt%であるのがさらに好ましい。
【0038】
ところで、外皮の被覆は、通常、芯材の外周(網状管22の外周)に外皮の構成材料を押出成形することにより行われている。このようにして外皮の被覆を行う場合、外皮をムラなく良好に被覆成形するために、外皮の構成材料は、十分に溶融または軟化している必要がある。
【0039】
このような条件で外皮3の被覆を行う場合、被覆層231の構成材料の融点が、外皮3の構成材料の融点以下であると、外皮3の被覆時に被覆層231が溶け、細線23と被覆層231との密着性が低下するおそれがある。そこで、本発明では、被覆層231の構成材料の融点をT1(℃)、外皮3の構成材料の融点をT2(℃)としたとき、T1>T2の関係が成り立つようにした。特に、被覆層231の構成材料の融点(T1)と、外皮3の構成材料の融点(T2)との差(T1−T2)は、4〜200℃であるのが好ましく、4〜70℃であるのがより好ましい。T1、T2をこのような関係とすることにより、細線23と被覆層231との密着性、網状管22と外皮3との密着性が良好となる。
【0040】
被覆層231の構成材料の融点T1の範囲は、180〜350℃であり、特に、180〜330℃であるのが好ましい。
【0041】
被覆層231の構成材料は、特に限定されないが、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のポリオレフィン、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリウレタン、ポリスチレン樹脂、ポリテトラフルオロエチレン、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体等のフッ素系樹脂、ポリイミド等の各種樹脂(特に、可撓性を有する樹脂)や、ポリウレタン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリオレフィン系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、ポリスチレン系エラストマー、フッ素系エラストマー、シリコーンゴム、ラテックスゴム等の各種エラストマー等、またはこれらを主とするブレンド体、共重合体(ブロック共重合体を含む)、ポリマーアロイ等が挙げられ、これらのうちの、1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0042】
この中でも特に、ポリアミド系樹脂を含有するものであるのが好ましい。被覆層231の構成材料がポリアミド系樹脂を含有するものであると、被覆層231と細線23との密着性、被覆層231と外皮3との密着性に優れたものとなる。したがって、網状管22と外皮3との密着性が向上し、結果として、挿入部可撓管1は、弾力性、耐久性に優れたものとなる。
【0043】
また、被覆層231の構成材料は、ポリウレタン系エラストマーを含有するものであるのが好ましい。これにより、外皮3の構成材料としてポリウレタン系エラストマーを含有するもの(特に、ポリウレタン系エラストマーを主とするもの)を用いたときに、外皮3と被覆層231との密着性が優れたものになるとともに、挿入部可撓管1の柔軟性も優れたものとなる。
【0044】
被覆層231の構成材料の重量平均分子量(Mw)は、特に限定されないが、例えば、10000〜8000000であるのが好ましく、15000〜100000であるのがより好ましい。
【0045】
被覆層231の構成材料中には、必要に応じて任意に添加物が配合されてもよい。
【0046】
添加物としては、例えば、可塑剤、無機フィラー、顔料、各種安定剤(酸化防止剤、光安定剤、帯電防止剤、ブロッキング防止剤、潤滑剤)、X線造影剤等が挙げられる。
【0047】
被覆層231の平均厚さは、特に限定されないが、0.01〜0.1mmであるのが好ましく、0.02〜0.08mmであるのがより好ましく、0.03〜0.05mmであるのがさらに好ましい。被覆層231の平均厚さが、前記下限値未満であると、本発明の効果が十分に得られない可能性がある。一方、被覆層231の平均厚さが、前記上限値を超えると、挿入部可撓管1の表面に凹凸が発生して外観が悪くなる場合がある。
【0048】
ところで、網状管22の外周には、編組された細線23の編み目により隙間26が形成されている。この隙間26は、螺旋管21の外周と重なる位置では凹部となり、螺旋管21の間隔25と重なる位置では空間24に連通する孔となって、芯材2の外周に多数の孔および凹部を形成している。
【0049】
そして、この芯材2の外周には、可撓性を有する外皮3が被覆されている。
外皮3の内周面には、内周側に向かって突出する多数の突出部(アンカー)31が外皮3から連続して形成されている。各突出部31は、芯材2の外周に形成された多数の孔および凹部内にそれぞれ進入している。前記凹部内に進入した突出部31の先端は、螺旋管21の外周に達するまで形成されている。前記孔内に進入した突出部31は、より長く形成され、その先端が螺旋管21の間隔25に入り込んでいる。
【0050】
このように突出部31が形成されていることにより、突出部31が芯材2の外周に形成された多数の孔および凹部に係合するので、アンカー効果が生じ、芯材2に対し外皮3が確実に固定される。このため、外皮3は、挿入部可撓管1が湾曲した場合にも、芯材2と密着した状態を維持し、芯材2の湾曲に合わせて十分に大きく伸縮する。このように大きく伸縮した外皮3の復元力は、強く発揮され、挿入部可撓管1の湾曲を復元させる力に大きく寄与する。よって、このような構成により、挿入部可撓管1は、弾力性に優れる。
【0051】
また、突出部31を形成したことにより、外皮3と網状管22との結合力が強いので、繰り返し使用しても外皮3が網状管22と剥離しにくい。したがって、挿入部可撓管1は、繰り返し使用した後も弾力性が良好に保たれ、耐久性に優れる。
【0052】
突出部31が形成されることによるこのような効果は、前述した被覆層231の効果と相乗的に作用し、挿入部可撓管1の弾力性および耐久性は、特に優れたものとなる。
【0053】
外皮3の構成材料の融点T2は、120〜310℃であり、特に、170〜220℃であるのが好ましい。
【0054】
外皮3の構成材料は、特に限定されないが、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のポリオレフィン、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリウレタン、ポリスチレン樹脂、ポリテトラフルオロエチレン、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体等のフッ素系樹脂、ポリイミド等の各種可撓性を有する樹脂や、ポリウレタン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリオレフィン系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、ポリスチレン系エラストマー、フッ素系エラストマー、シリコーンゴム、ラテックスゴム等の各種エラストマー等、またはこれらを主とするブレンド体、共重合体(ブロック共重合体を含む)、ポリマーアロイ等が挙げられ、これらのうちの、1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。その中でも特に、ポリウレタン系エラストマーを含むものであるのが好ましく、ポリウレタン系エラストマーを主とするものであるのがより好ましい。外皮3がこのような材料で構成されることにより、柔軟性に優れた挿入部可撓管1を得ることができる。ウレタン系エラストマーとしては、例えば、エーテル系、エステル系、カプロラクトン系、ポリ炭酸系のものなどが挙げられる。
【0055】
外皮3を構成する構成材料の重量平均分子量(Mw)は、特に限定されないが、例えば、10000〜8000000であることが好ましく、15000〜100000であることがより好ましい。
【0056】
外皮3の構成材料中には、必要に応じて任意に添加物が配合されてもよい。
添加物としては、例えば、可塑剤、無機フィラー、顔料、各種安定剤(酸化防止剤、光安定剤、帯電防止剤、ブロッキング防止剤、潤滑剤)、X線造影剤等が挙げられる。
【0057】
以上、外皮3の構成材料について説明したが、外皮3の構成材料の組成(含有成分の配合比)は、外皮3全体にわたって、均一なものであってもよいし、各部位で異なるものであってもよい。例えば、含有成分の配合比が厚さ方向に順次変化するもの(傾斜材料)等であってもよい。
【0058】
また、被覆層231の構成材料は、少なくとも、外皮3の網状管22と対面する部分(外皮3の内表面付近)に含まれていればよい。
【0059】
外皮3の厚さ(突出部31の部分を除く)は、長手方向に沿ってほぼ一定であるのが好ましい。これにより、挿入部可撓管1を体腔に挿入する際の操作性がより向上し、患者の負担もより軽減される。
【0060】
外皮3の平均厚さ(突出部31の部分を除く)は、芯材2およびその内部に挿通される器具等を体液等の液体から保護することができ、かつ、挿入部可撓管1の湾曲性を妨げなければ、特に限定されず、通常は、0.01〜1.5mm程度が好ましく、0.05〜1mm程度がより好ましく、0.1〜0.8mm程度がさらに好ましい。
【0061】
挿入部可撓管1は、例えば、以下のように製造される。
まず、螺旋管21と、網状管22とを用意する。
【0062】
螺旋管21は、例えば、板材を用意し、これを旋断加工することにより得ることができる。
【0063】
また、網状管22は、細線23を編組することにより得ることができる。細線23を編組するのに先立ち、その少なくとも一本について、被覆層231を形成しておく。
【0064】
被覆層231の構成材料は、前述の各成分を溶融または軟化し、混合、混練することにより得られる。各成分を溶融または軟化し、混合、混練するには、例えば、ニーダー、ニーダールーダー、ロール、連続混練押出機等の混練機等が使用可能である。このような混練機を用いて各成分を混練した場合、材料は、各成分が均一に混合されたものとなる。
【0065】
混練温度としては、特に限定されないが、例えば、140〜360℃程度であるのが好ましく、160〜340℃程度であるのがより好ましく、180〜320℃程度であるのがさらに好ましい。各成分を、かかる温度範囲で混練した場合、材料中の各成分の均一度は向上する。
【0066】
ただし、被覆層231の構成材料がシリコーンゴム等のゴム系の材料を主とするもの等である場合、混練時における発熱により、被覆層231の構成材料の塑性が低下することがある。したがって、このような場合、混練は、材料温度を10〜70℃程度とした状態で行うのが好ましい。
【0067】
このように混練された材料を、例えば、押出成形、モールド成形、ディッピング、塗装等の方法により細線23上に被覆することにより、被覆層231を形成することができる。
【0068】
このようにして得られた螺旋管21と網状管22とを組立て、芯材2を作製する。
【0069】
その後、芯材2の外周に外皮3を被覆することにより、挿入部可撓管1は製造される。
【0070】
外皮3の材料は、前述の各成分を溶融または軟化し、混合、混練することにより得られる。各成分を溶融または軟化し、混合、混練するには、例えば、ニーダー、ニーダールーダー、ロール、連続混練押出機等の混練機等が使用可能である。このような混練機を用いて各成分を混練した場合、材料は、各成分が均一に混合されたものとなる。
【0071】
混練温度としては、特に限定されないが、例えば、160〜220℃程度であるのが好ましく、180〜210℃程度であるのがより好ましく、185〜205℃程度であるのがさらに好ましい。各成分を、かかる温度範囲で混練した場合、材料中の各成分の均一度は向上する。
【0072】
ただし、外皮3の構成材料がシリコーンゴム等のゴム系の材料を主とするもの等である場合、混練時における発熱により、外皮3の構成材料の塑性が低下することがある。したがって、このような場合、混練は、材料温度を10〜70℃程度とした状態で行うのが好ましい。
【0073】
そして、このように混練された外皮材料を芯材2上に押出成形によって被覆することにより、挿入部可撓管1を連続的に製造することができる。
【0074】
押出成形時の外皮材料温度tは、外皮3の構成材料の融点(T2)以上であり、かつ被覆層231の構成材料の融点(T1)未満であるのが好ましい。押出成形時の外皮材料温度tが、かかる温度範囲(T2≦t<T1)の場合、材料は、外皮3への成形加工性に優れ、被覆層231との密着性が向上する。また、外皮材料温度tが被覆層231の構成材料の融点(T1)より低い温度であるため、押出成形時に被覆層231が溶け、細線23と被覆層231との密着性が低下することも防止できる。このため、網状管22と外皮3との密着性が向上し、結果として、挿入部可撓管1は、弾力性、耐久性に優れたものとなる。
【0075】
図5は、本発明の内視鏡用可撓管を適用した挿入部可撓管の第2実施形態を示す拡大半縦断面図である。以下、図5に示す挿入部可撓管1について、前記第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
【0076】
第2実施形態の挿入部可撓管1では、外皮3は、内層32と、中間層33と、外層34とを有する積層体で構成されている。
【0077】
外皮3は、以下に説明するように、内層32、中間層33、外層34のうちのいずれか1層が、他のいずれか1層と比べて物理的特性または化学的特性(これらを総称して「物性」という)が異なる材料で構成されたものである。物理的特性としては、例えば、剛性(柔軟性)、硬度、伸び率、引張り強さ、せん断強さ、曲げ弾性率、曲げ強さ等が挙げられ、化学的特性としては、例えば、耐薬品性、耐候性等が挙げられる。なお、これらは一例であり、これらに限定されるものではない。
【0078】
内層32は、外皮3の中で最も内周側に形成されており、芯材2と接触している。したがって、内層32の構成材料として、芯材2(特に、被覆層231)との密着性に優れたものを選択するのが好ましい。また、内層32は、突出部31の大きさ(長さ)、形状、個数等がそれぞれ適度なものとなるように制御して突出部31を形成することができるような材料で構成されているのが好ましい。内層32がこのような材料で構成されることにより、挿入部可撓管1の弾力性、耐久性を制御することが可能となる。
【0079】
内層32は、前述した第1実施形態の外皮3の構成材料と同様な材料で構成されているのが好ましい。
【0080】
内層32の平均厚さ(突出部31の部分を除く。)は、特に限定されないが、通常は、0.03〜0.8mm程度が好ましく、0.03〜0.4mm程度がより好ましい。
【0081】
中間層33は、内層32の外周面上に形成されている。
中間層33は、後述する外層34より弾力性に優れた層とされているのが好ましい。これにより、中間層33が内層32と外層34との間のクッション機能を発揮する。また、中間層33は、内層32よりも柔軟な層であるのが好ましい。
【0082】
中間層33のクッション機能についてより詳しく説明する。挿入部可撓管1が湾曲したとき、中間層33の弾力性が優れていることにより、変形した中間層33の復元力は、強く発揮される。そして、中間層33が比較的硬度の高い内層32と外層34との間に挟まれているので、中間層33の復元力は、内層32と外層34とに効率良く伝わる。このため、中間層33の復元力のほぼすべてが挿入部可撓管1の曲げを復元させる力に生かされる。したがって、このような構成とすることにより、挿入部可撓管1は、弾力性に優れる。
【0083】
中間層33の構成材料は、特に限定されないが、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のポリオレフィン、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリウレタン、ポリスチレン樹脂、ポリテトラフルオロエチレン、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体等のフッ素系樹脂、ポリイミド等の各種可撓性を有する樹脂や、ポリウレタン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリオレフィン系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、ポリスチレン系エラストマー、フッ素系エラストマー、シリコーンゴム、ラテックスゴム等の各種エラストマー等、またはこれらを主とするブレンド体、共重合体(ブロック共重合体を含む)、ポリマーアロイ等が挙げられ、これらのうちの、1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0084】
この中でも、特に、低硬度のポリウレタン系エラストマー、ポリオレフィン系エラストマー、ポリエステル系エラストマーは、弾力性に優れるため、好ましい。
【0085】
中間層33の平均厚さは、特に限定されないが、通常は、0.02〜0.8mm程度が好ましく、0.02〜0.4mm程度がより好ましい。
【0086】
外層34は、外皮3の中で最も外周側に形成されている。
外層34は、耐薬品性を備えた材料で構成されているのが好ましい。これにより、繰り返し洗浄および消毒を行っても外皮3の劣化が少なく、外皮3が硬化して可撓性が低下したり、亀裂等が生じて外皮3が網状管22から剥離したりしにくい。
【0087】
外層34の構成材料は、特に限定されないが、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のポリオレフィン、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリウレタン、ポリスチレン樹脂、ポリテトラフルオロエチレン、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体等のフッ素系樹脂、ポリイミド等の各種可撓性を有する樹脂や、ポリウレタン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリオレフィン系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、ポリスチレン系エラストマー、フッ素系エラストマー、シリコーンゴム、ラテックスゴム等の各種エラストマー等、またはこれらを主とするブレンド体、共重合体(ブロック共重合体を含む)、ポリマーアロイ等が挙げられ、これらのうちの、1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0088】
この中でも、特に、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のポリオレフィン、ポリテトラフルオロエチレン、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体等のフッ素系樹脂、ポリエステル系エラストマー、ポリオレフィン系エラストマー、フッ素系エラストマー、シリコーンゴムは、耐薬品性に優れるため、好ましい。
【0089】
外層34の平均厚さは、特に限定されないが、通常は、0.05〜0.8mmであるのが好ましく、0.05〜0.4mmであるのがより好ましい。
【0090】
なお、外皮3は、このような複数の層が積層された積層部をその全長に渡って有するものであっても、その少なくとも一部に有するものであってもよい。
【0091】
このように、外皮3を複数の層の積層体とすることにより、各層を構成する材料の利点を併有することができる。本実施例においては、外皮3が、耐薬品性に優れた外層34と、弾力性に優れた中間層33と、芯材2に対する密着性に優れた内層32とで構成されていることにより、外皮3全体として、これらの特性を併有している。
【0092】
このような挿入部可撓管は、第1実施例と同様にして製造することができる。特に、複数の押出口を備えた押出成形機を用いた場合、各押出口からそれぞれ内層、中間層および外層の材料を同時に押出し、その積層体を芯材に被覆することにより、積層構造を有する外皮を連続的に製造することも可能である。また、各押出口からの各層の構成材料の吐出量や芯材の引き速度を調整することにより、各層の厚さを調節することもできる。
【0093】
以上、本発明の内視鏡用可撓管について説明したが、本発明は、これらに限定されるものではない。
【0094】
例えば、第2実施形態において、外皮3は、内層32と中間層33と外層34との3層で構成されているが、2層(例えば、中間層33を省略した内層32と外層34)で構成されたものであってもよいし、4層以上で構成されたものであってもよい。
【0095】
また、内視鏡用可撓管の製造方法としては、まず、外皮3を連続する長尺物として成形した後、この外皮3の内腔へ芯材2を挿入し、その後、加熱等により密着固定する方法でも可能である。
【0096】
また、本発明の内視鏡用可撓管は、例えば、光源装置に接続される接続部可撓管等にも適用できる。
【0097】
【実施例】
次に、本発明の具体的実施例について説明する。
【0098】
1.内視鏡用可撓管の作製
(実施例1)
まず、幅3mmのステンレス製の帯状材を巻回して、外径9.9mm、内径9.6mmの螺旋管21を作製した。
【0099】
次に、直径0.1mmのステンレス製の細線を用意した。これらのうち、一部の細線に対して、細線の全長にわたって被覆層を形成した。被覆層の構成材料として、ポリウレタン系エラストマー(製品名:パンデックス T−1180、大日本インキ化学工業(株)社製)5wt%と、ポリアミド系樹脂(製品名:ノバミッド 1010C、三菱エンジニアリングプラスチックス(株)社製)95wt%との混練物(融点T1:220℃)を用いた。この被覆層の形成は、押出成形により行った。なお、被覆層の平均厚さは、0.05mmであった。
【0100】
被覆層が形成された細線1本と、被覆層が形成されていない細線2本とからなる3本を一組とし、これらを編組することにより網状管を作製した。
【0101】
このようにして得られた網状管で螺旋管を被覆することにより芯材を作製した。
【0102】
次に、この芯材の外周に、押出成形により、ポリウレタン系エラストマー(製品名:パンデックス T−1180、大日本インキ化学工業(株)社製)で構成される外皮(融点T2:170℃)を被覆し、長さ1.5mの内視鏡用可撓管を作製した。なお、押出成形時の外皮材料温度(t)は、200℃であった。また、得られた内視鏡用可撓管の外皮の平均厚さは、0.3mmであった。
【0103】
(実施例2〜9)
被覆層の構成材料として用いたポリウレタン系エラストマーとポリアミド系樹脂との混合比を表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして、内視鏡用可撓管を作製した。
【0104】
(実施例10)
芯材に被覆する外皮を内層と中間層と外層とからなる積層体とした以外は、実施例3と同様にして、内視鏡用可撓管を作製した。なお、積層体の形成は、3個の押出口を備えた押出成形機を用いて行った。すなわち、内層、中間層および外層を同時に押出し、その積層体を芯材に被覆することにより積層構造を有する外皮を連続的に製造した。内層、中間層、外層の構成材料として、それぞれポリウレタン系エラストマー(融点:170℃、製品名:パンデックス T−1180、大日本インキ化学工業(株)社製)、ポリウレタン系エラストマー(製品名:パンデックス T−1498、大日本インキ化学工業(株)社製)、ポリウレタン系エラストマー(製品名:パンデックス T−1495、大日本インキ化学工業(株)社製)を用いた。
【0105】
なお、内層、中間層、外層の平均厚さは、それぞれ0.05mm、0.1mm、0.1mmであった。
【0106】
(比較例1)
細線に被覆層を形成しなかった以外は、実施例1と同様にして内視鏡用可撓管を作製した。
【0107】
(比較例2)
被覆層の構成材料として、ポリアミド系樹脂(融点:225℃、製品名:ノバミッド 1010C、三菱エンジニアリングプラスチック(株)社製)を用いた以外は、実施例1と同様にして内視鏡用可撓管を作製した。
【0108】
(比較例3)
被覆層の構成材料として、ポリウレタン系エラストマー(融点:170℃、製品名:パンデックス T−1180、大日本インキ化学工業(株)社製)を用いた以外は、実施例1と同様にして内視鏡用可撓管を作製した。
【0109】
【表1】
Figure 0003793436
【0110】
2.内視鏡用可撓管の特性評価
[2.1]弾力性試験
各実施例および各比較例で作製した各内視鏡用可撓管について、弾力性試験を行った。
【0111】
弾力性試験では、各内視鏡用可撓管の両端を支持して90°折り曲げる操作を行い、そのときの弾力性を以下の4段階の基準に従って評価した。
◎:弾力性に大変優れ、内視鏡用可撓管としての使用に最適。
○:弾力性に優れ、内視鏡用可撓管としての使用に適す。
△:弾力性がやや劣り、内視鏡用可撓管としての使用に問題あり。
×:弾力性が劣り、内視鏡用可撓管としての使用に適さず。
弾力性試験の結果を表2に示す。
【0112】
[2.2]外皮密着性試験
各実施例および各比較例で作製した各内視鏡用可撓管について、外皮密着性試験を行った。
【0113】
外皮密着性試験では、各内視鏡用可撓管の外皮にコの字状の切れ目を入れ、この部位の外皮を剥離する際の剥離強度を測定した。この剥離強度の測定は、デジタルフォースゲージを使用し、内視鏡用可撓管の軸方向に対し、角度30°で引っ張ることにより行った。被覆層が形成されていない内視鏡用可撓管(比較例1)の外皮の剥離強度を1としたときの相対強度を表2に示す。
【0114】
[2.3]耐久性試験
各実施例および各比較例で作製した各内視鏡用可撓管について、耐久性試験を行った。
【0115】
耐久性は、各内視鏡用可撓管の両端を支持して90°折り曲げる操作を300回繰り返し行った後に、前記弾力性試験と同様の方法で弾力性を調べ、折り曲げ繰り返し操作の開始時と終了時とにおける弾力性を比較し、その低下の度合いによって評価することとし、以下の4段階の基準に従って評価した。弾力性の低下は、外皮の内部剥離(外皮と芯材との剥離)により生じる。したがって、弾力性が維持されているものほど耐久性に優れる。
◎:弾力性は、ほとんど変化なく、耐久性が非常に優れる。
○:弾力性の低下は、わずかで、耐久性が優れる。
△:弾力性は、はっきり分かるほど低下し、耐久性に問題あり。
×:弾力性は、著しく低下し、各所で劣化を確認。
耐久性試験の結果を表2に示す。
【0116】
【表2】
Figure 0003793436
【0117】
表2から明らかなように、得られた内視鏡用可撓管は、いずれも優れた弾力性を有していた。また、本発明の内視鏡用可撓管は、外皮剥離強度、耐久性共に優れていた。特に、実施例10の内視鏡用可撓管は、外皮の平均厚さ(3層の平均厚さの和)が、実施例1〜9のものに比べて薄いにも関わらず、これらと同等の外皮剥離強度、耐久性を有していた。これに対し、比較例の内視鏡用可撓管は、外皮剥離強度、耐久性に劣るものであった。
【0118】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明では、細線の少なくとも一本に被覆層を形成したことにより、網状管(細線)と外皮との密着性が向上する。その結果、弾力性、耐久性に優れた内視鏡用可撓管を得ることができる。
【0119】
また、外皮を複数の層が積層された積層体とした場合、外皮が単層で構成されたものに比べ、十分な弾力性、耐久性を得るのに必要な外皮の厚さを薄くすることができる。したがって、内視鏡用可撓管の細径化が可能となる。また、各層の材料の選択や厚さ等の設定を適宜行い、それら各層の特性の組み合わせによって、各層を構成する材料の利点を併有することができ、その結果、内視鏡用可撓管に必要とされる各種の性能について同時に優れたものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の内視鏡用可撓管を適用した挿入部可撓管を有する電子内視鏡を示す全体図である。
【図2】本発明の内視鏡用可撓管を適用した挿入部可撓管の第1実施形態を示す拡大半縦断面図である。
【図3】本発明の内視鏡用可撓管を構成する網状管の拡大断面図である。
【図4】図2に示す挿入部可撓管の網状管付近の状態を示す拡大断面図である。
【図5】本発明の内視鏡用可撓管を適用した挿入部可撓管の第2実施形態を示す拡大半縦断面図である。
【符号の説明】
1 挿入部可撓管
2 芯材
21 螺旋管
22 網状管
23 細線
231 被覆層
24 空間
25 間隔
26 隙間
3 外皮
31 突出部
32 内層
33 中間層
34 外層
5 湾曲管
6 操作部
61、62 操作ノブ
7 接続部可撓管
8 光源差込部
81 光源用コネクタ
82 画像信号用コネクタ
10 電子内視鏡

Claims (8)

  1. 帯状材を螺旋状に巻回して形成された螺旋管と、細線を編組して形成された編組体と、可撓性を有する外皮とで構成される内視鏡用可撓管であって、
    前記細線の少なくとも一本に、前記外皮の前記編組体と対面する部分の構成材料を含む材料で構成された被覆層が形成されており、
    前記被覆層の構成材料の融点Tが180〜350℃であり、
    前記外皮の前記編組体と対面する部分の構成材料の融点Tが120〜310℃であり、
    −Tが4〜200℃であることを特徴とする内視鏡用可撓管。
  2. 前記被覆層の構成材料は、前記外皮の前記編組体と対面する部分の構成材料を5〜80wt%含有するものである請求項1に記載の内視鏡用可撓管。
  3. 前記外皮は、ポリウレタン系エラストマーを含む材料で構成されたものである請求項1または2に記載の内視鏡用可撓管。
  4. 前記被覆層は、ポリウレタン系エラストマーを含む材料で構成されたものである請求項1ないし3のいずれかに記載の内視鏡用可撓管。
  5. 前記被覆層は、ポリアミド系樹脂を含む材料で構成されたものである請求項1ないし4のいずれかに記載の内視鏡用可撓管。
  6. 前記被覆層の平均厚さは、0.01〜0.1mmである請求項1ないし5のいずれかに記載の内視鏡用可撓管。
  7. 前記外皮の平均厚さは、0.01〜1.5mmである請求項1ないし6のいずれかに記載の内視鏡用可撓管。
  8. 前記外皮は、押出成形により形成されたものである請求項1ないし7のいずれかに記載の内視鏡用可撓管。
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