JP2002143085A - 内視鏡用可撓管 - Google Patents
内視鏡用可撓管Info
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Abstract
すること。 【解決手段】挿入部可撓管1は、帯状材を螺旋状に巻回
して形成された螺旋管21と、細線23を編組して形成
された編組体22と、可撓性を有する外皮3とを有す
る。細線23の少なくとも1本には、外皮3の構成材料
を含む材料で構成された被覆層231が形成されてい
る。被覆層231の構成材料は、外皮3の構成材料より
高い融点を有する。被覆層231の構成材料の融点と、
外皮3の構成材料の融点との差は、4〜200℃である
のが好ましい。被覆層231の構成材料は、外皮3の構
成材料を5〜80wt%含有するものであるのが好まし
い。外皮3は、ポリウレタン系エラストマーを含有する
材料で構成されたものであるのが好ましい。
Description
関するものである。
管で被覆した管状の芯材に、合成樹脂等で構成される外
皮が被覆された構成となっている。
ば、胃、十二指腸、小腸あるいは大腸といった体腔の深
部まで、湾曲しながら挿入される。この挿入の際の操作
性が良好であるためには、内視鏡用可撓管の基端側(手
元側)で加えられた押し込む力がその先端まで確実に伝
達される必要がある。逆に言うと、内視鏡用可撓管の基
端側で加えられた押し込む力が内視鏡用可撓管の屈曲部
分で吸収されてしまう状態(座屈状態)になり易い内視
鏡用可撓管は、操作性が良くない。座屈しにくい内視鏡
用可撓管とするためには、内視鏡用可撓管は、曲げに対
する弾力性に優れたものである必要がある。また、座屈
は、外皮が芯材から剥離した箇所に発生し易いため、外
皮と芯材とは密着している必要がある。
には、内視鏡用可撓管の基端側(手元側)で捩じり(回
転)を加えたときに、この回転が途中で吸収されること
なく、先端部が基端側に伴って確実に回転する必要もあ
る。このため、内視鏡用可撓管は、基端側での回転に対
する先端部の追従性に優れたものである必要もある。
め、内視鏡用可撓管の外皮を外層と内層との2層構造と
し、外層を柔軟性の良い材質、内層を弾発性の良い材質
で構成した内視鏡用可撓管が特公平5−50287号公
報に開示されている。
芯材との密着力(結合力)が考慮されていないため、繰
り返し使用することにより、外皮が芯材から剥離し、内
視鏡用可撓管の弾力性および耐座屈性が低下することが
あった。すなわち、内視鏡用可撓管の耐久性に問題があ
った。
性および耐久性に優れた内視鏡用可撓管を提供すること
にある。
(1)〜(9)の本発明により達成される。
れた螺旋管と、細線を編組して形成された編組体と、可
撓性を有する外皮とで構成される内視鏡用可撓管であっ
て、前記細線の少なくとも一本に、前記外皮の前記編組
体と対面する部分の構成材料を含む材料で構成された被
覆層が形成されており、前記被覆層の構成材料の融点が
前記外皮の構成材料の融点より高いことを特徴とする内
視鏡用可撓管。
内視鏡用可撓管を提供することができる。
皮の前記編組体と対面する部分の構成材料を5〜80w
t%含有するものである上記(1)に記載の内視鏡用可
撓管。これにより、内視鏡用可撓管の弾力性および耐久
性がさらに向上する。
ストマーを含む材料で構成されたものである上記(1)
または(2)に記載の内視鏡用可撓管。これにより、内
視鏡用可撓管の柔軟性が向上する。
ラストマーを含む材料で構成されたものである上記
(1)ないし(3)のいずれかに記載の内視鏡用可撓
管。これにより、内視鏡用可撓管の弾力性および耐久性
がさらに向上する。
を含む材料で構成されたものである上記(1)ないし
(4)のいずれかに記載の内視鏡用可撓管。
性に優れた内視鏡用可撓管を提供することができる。
前記外皮の前記編組体と対面する部分の構成材料の融点
との差が4〜200℃である上記(1)ないし(5)の
いずれかに記載の内視鏡用可撓管。これにより、内視鏡
用可撓管の弾力性および耐久性がさらに向上する。
1〜0.1mmである上記(1)ないし(6)のいずれ
かに記載の内視鏡用可撓管。これにより、内視鏡用可撓
管の弾力性および耐久性がさらに向上する。
〜1.5mmである上記(1)ないし(7)のいずれか
に記載の内視鏡用可撓管。これにより、内視鏡用可撓管
の弾力性および耐久性がさらに向上する。
されたものである上記(1)ないし(8)のいずれかに
記載の内視鏡用可撓管。これにより、内視鏡用可撓管の
弾力性および耐久性がさらに向上する。
好適な実施形態について、添付図面を参照しつつ詳細に
説明する。
た挿入部可撓管を有する電子内視鏡(電子スコープ)を
示す全体図である。以下、図1中、上側を「基端」、下
側を「先端」として説明する。
撓性(柔軟性)を有する長尺物の挿入部可撓管1と、挿
入部可撓管1の先端部に設けられた湾曲管5と、挿入部
可撓管1の基端部に設けられ、術者が把持して電子内視
鏡10全体を操作する操作部6と、操作部6に接続され
た接続部可撓管7と、接続部可撓管7の先端側に設けら
れた光源差込部8とで構成されている。
て使用される。また、操作部6には、その側面に操作ノ
ブ61、62が設置されている。この操作ノブ61、6
2を操作すると、挿入部可撓管1内に配設されたワイヤ
ー(図示せず)が牽引されて、湾曲管5が4方向に湾曲
し、その方向を変えることができる。
被写体像を撮像する図示しない撮像素子(CCD)が設
けられ、また、光源差込部8の先端部に、画像信号用コ
ネクタ82が設けられている。この画像信号用コネクタ
82は、光源装置に接続され、さらに、光源装置は、ケ
ーブルを介してモニタ装置(図示せず)に接続されてい
る。
タ81が設置され、この光源用コネクタ81が光源装置
(図示せず)に接続されている。光源装置から発せられ
た光は、光源用コネクタ81、および、光源差込部8
内、接続部可撓管7内、操作部6内、挿入部可撓管1内
および湾曲管5内に連続して配設された光ファイバー束
によるライトガイド(図示せず)を通り、湾曲管5の先
端部より観察部位に照射され、照明する。
の反射光(被写体像)は、撮像素子で撮像される。撮像
素子では、撮像された被写体像に応じた画像信号が出力
される。
管1内、操作部6内および接続部可撓管7内に連続して
配設され、画像素子と画像信号用コネクタ82とを接続
する画像信号ケーブル(図示せず)を介して、光源差込
部8に伝達される。
で所定の処理(例えば、信号処理、画像処理等)がなさ
れ、その後、モニタ装置に入力される。モニタ装置で
は、撮像素子で撮像された画像(電子画像)、すなわち
動画の内視鏡モニタ画像が表示される。
挿入部可撓管1を有する電子内視鏡10の全体構成につ
いて説明したが、本発明の内視鏡用可撓管は、光学内視
鏡の可撓管にも適用することができることは、言うまで
もない。
た挿入部可撓管の第1実施形態を示す拡大半縦断面図で
ある。
被覆する外皮3とを有している。また、挿入部可撓管1
には、内部に、例えば、光ファイバ、電線ケーブル、ケ
ーブルまたはチューブ類等の内蔵物等(図中省略)を配
置、挿通することができる空間24が設けられている。
周を被覆する網状管(編組体)22とで構成され、全体
としてチューブ状の長尺物として形成されている。この
芯材2は、挿入部可撓管1を補強する効果を有する。特
に、螺旋管21と網状管22を組合わせたことにより、
挿入部可撓管1は、十分な機械的強度を確保できる。
に間隔25をあけて巻いて形成されたものである。帯状
材を構成する材料としては、例えば、ステンレス等の鉄
系合金、銅系合金等が好ましく用いられる。
用いられる網状管の拡大断面図である。図4は、図2に
示す挿入部可撓管の網状管付近の状態を示す拡大断面図
である。
線23を複数並べたものを編組して形成されている。細
線23を構成する金属製の材料としては、例えば、ステ
ンレス等の鉄系合金、銅系合金等が挙げられる。また、
非金属性の材料としては、例えば、高融点樹脂、カーボ
ンファイバー、ガラス繊維等が挙げられる。
くとも一本には、被覆層231が形成されている。被覆
層231は、後述する外皮3の構成材料(少なくとも網
状体22と対面する部分の構成材料)を含む材料で構成
されている。ここで、構成材料とは、主材料のことを指
し、添加剤などは含まれない。このような被覆層231
が設けられることにより、図4に示すように、被覆層2
31と外皮3とを強く密着(相溶化)させることが可能
となる。これにより、網状管22と外皮3との密着性
(結合力)が向上し、結果として、挿入部可撓管1の弾
力性および耐久性が向上する。
(柔軟性)などを考慮した材料が選択されることが多
い。そのため、被覆層231の構成材料中に占める外皮
3の構成材料の割合が多すぎると、被覆層231の粘性
が高くなり、被覆層231を被覆した細線23を編組す
る際に、その作業がし難くなったり、網状管にムラが生
じたりすることがある。一方、被覆層231の構成材料
中に含まれる外皮3の構成材料の割合が少なすぎると、
被覆層231と外皮3との密着性(結合力)が十分に得
られず、本発明の効果が十分に得られない場合がある。
したがって、被覆層231の構成材料中に含まれる外皮
3の構成材料の割合は、5〜80wt%であるのが好ま
しく、7〜60wt%であるのがより好ましく、10〜
50wt%であるのがさらに好ましい。
周(網状管22の外周)に外皮の構成材料を押出成形す
ることにより行われている。このようにして外皮の被覆
を行う場合、外皮をムラなく良好に被覆成形するため
に、外皮の構成材料は、十分に溶融または軟化している
必要がある。
合、被覆層231の構成材料の融点が、外皮3の構成材
料の融点以下であると、外皮3の被覆時に被覆層231
が溶け、細線23と被覆層231との密着性が低下する
おそれがある。そこで、本発明では、被覆層231の構
成材料の融点をT1(℃)、外皮3の構成材料の融点を
T2(℃)としたとき、T1>T2の関係が成り立つよう
にした。特に、被覆層231の構成材料の融点(T1)
と、外皮3の構成材料の融点(T2)との差(T1−
T2)は、4〜200℃であるのが好ましく、4〜70
℃であるのがより好ましい。T1、T2をこのような関係
とすることにより、細線23と被覆層231との密着
性、網状管22と外皮3との密着性が良好となる。
としては、例えば、120〜350℃程度であるのが好
ましく、180〜330℃程度であるのがより好まし
い。
ないが、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリ
プロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のポリオ
レフィン、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート
(PET)、ポリブチレンテレフタレート等のポリエス
テル、ポリウレタン、ポリスチレン樹脂、ポリテトラフ
ルオロエチレン、エチレン−テトラフルオロエチレン共
重合体等のフッ素系樹脂、ポリイミド等の各種樹脂(特
に、可撓性を有する樹脂)や、ポリウレタン系エラスト
マー、ポリエステル系エラストマー、ポリオレフィン系
エラストマー、ポリアミド系エラストマー、ポリスチレ
ン系エラストマー、フッ素系エラストマー、シリコーン
ゴム、ラテックスゴム等の各種エラストマー等、または
これらを主とするブレンド体、共重合体(ブロック共重
合体を含む)、ポリマーアロイ等が挙げられ、これらの
うちの、1種または2種以上を組み合わせて用いること
ができる。
するものであるのが好ましい。被覆層231の構成材料
がポリアミド系樹脂を含有するものであると、被覆層2
31と細線23との密着性、被覆層231と外皮3との
密着性に優れたものとなる。したがって、網状管22と
外皮3との密着性が向上し、結果として、挿入部可撓管
1は、弾力性、耐久性に優れたものとなる。
レタン系エラストマーを含有するものであるのが好まし
い。これにより、外皮3の構成材料としてポリウレタン
系エラストマーを含有するもの(特に、ポリウレタン系
エラストマーを主とするもの)を用いたときに、外皮3
と被覆層231との密着性が優れたものになるととも
に、挿入部可撓管1の柔軟性も優れたものとなる。
(Mw)は、特に限定されないが、例えば、10000
〜8000000であるのが好ましく、15000〜1
00000であるのがより好ましい。
じて任意に添加物が配合されてもよい。
ィラー、顔料、各種安定剤(酸化防止剤、光安定剤、帯
電防止剤、ブロッキング防止剤、潤滑剤)、X線造影剤
等が挙げられる。
ないが、0.01〜0.1mmであるのが好ましく、
0.02〜0.08mmであるのがより好ましく、0.
03〜0.05mmであるのがさらに好ましい。被覆層
231の平均厚さが、前記下限値未満であると、本発明
の効果が十分に得られない可能性がある。一方、被覆層
231の平均厚さが、前記上限値を超えると、挿入部可
撓管1の表面に凹凸が発生して外観が悪くなる場合があ
る。
れた細線23の編み目により隙間26が形成されてい
る。この隙間26は、螺旋管21の外周と重なる位置で
は凹部となり、螺旋管21の間隔25と重なる位置では
空間24に連通する孔となって、芯材2の外周に多数の
孔および凹部を形成している。
有する外皮3が被覆されている。外皮3の内周面には、
内周側に向かって突出する多数の突出部(アンカー)3
1が外皮3から連続して形成されている。各突出部31
は、芯材2の外周に形成された多数の孔および凹部内に
それぞれ進入している。前記凹部内に進入した突出部3
1の先端は、螺旋管21の外周に達するまで形成されて
いる。前記孔内に進入した突出部31は、より長く形成
され、その先端が螺旋管21の間隔25に入り込んでい
る。
とにより、突出部31が芯材2の外周に形成された多数
の孔および凹部に係合するので、アンカー効果が生じ、
芯材2に対し外皮3が確実に固定される。このため、外
皮3は、挿入部可撓管1が湾曲した場合にも、芯材2と
密着した状態を維持し、芯材2の湾曲に合わせて十分に
大きく伸縮する。このように大きく伸縮した外皮3の復
元力は、強く発揮され、挿入部可撓管1の湾曲を復元さ
せる力に大きく寄与する。よって、このような構成によ
り、挿入部可撓管1は、弾力性に優れる。
外皮3と網状管22との結合力が強いので、繰り返し使
用しても外皮3が網状管22と剥離しにくい。したがっ
て、挿入部可撓管1は、繰り返し使用した後も弾力性が
良好に保たれ、耐久性に優れる。
うな効果は、前述した被覆層231の効果と相乗的に作
用し、挿入部可撓管1の弾力性および耐久性は、特に優
れたものとなる。
31の構成材料の種類等により若干異なるが、120〜
310℃程度であるのが好ましく、170〜220℃程
度であるのがより好ましい。
が、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロ
ピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のポリオレフ
ィン、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート(PE
T)、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、
ポリウレタン、ポリスチレン樹脂、ポリテトラフルオロ
エチレン、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体
等のフッ素系樹脂、ポリイミド等の各種可撓性を有する
樹脂や、ポリウレタン系エラストマー、ポリエステル系
エラストマー、ポリオレフィン系エラストマー、ポリア
ミド系エラストマー、ポリスチレン系エラストマー、フ
ッ素系エラストマー、シリコーンゴム、ラテックスゴム
等の各種エラストマー等、またはこれらを主とするブレ
ンド体、共重合体(ブロック共重合体を含む)、ポリマ
ーアロイ等が挙げられ、これらのうちの、1種または2
種以上を組み合わせて用いることができる。その中でも
特に、ポリウレタン系エラストマーを含むものであるの
が好ましく、ポリウレタン系エラストマーを主とするも
のであるのがより好ましい。外皮3がこのような材料で
構成されることにより、柔軟性に優れた挿入部可撓管1
を得ることができる。ウレタン系エラストマーとして
は、例えば、エーテル系、エステル系、カプロラクトン
系、ポリ炭酸系のものなどが挙げられる。
量(Mw)は、特に限定されないが、例えば、1000
0〜8000000であることが好ましく、15000
〜100000であることがより好ましい。
意に添加物が配合されてもよい。添加物としては、例え
ば、可塑剤、無機フィラー、顔料、各種安定剤(酸化防
止剤、光安定剤、帯電防止剤、ブロッキング防止剤、潤
滑剤)、X線造影剤等が挙げられる。
が、外皮3の構成材料の組成(含有成分の配合比)は、
外皮3全体にわたって、均一なものであってもよいし、
各部位で異なるものであってもよい。例えば、含有成分
の配合比が厚さ方向に順次変化するもの(傾斜材料)等
であってもよい。
とも、外皮3の網状管22と対面する部分(外皮3の内
表面付近)に含まれていればよい。
は、長手方向に沿ってほぼ一定であるのが好ましい。こ
れにより、挿入部可撓管1を体腔に挿入する際の操作性
がより向上し、患者の負担もより軽減される。
く)は、芯材2およびその内部に挿通される器具等を体
液等の液体から保護することができ、かつ、挿入部可撓
管1の湾曲性を妨げなければ、特に限定されず、通常
は、0.01〜1.5mm程度が好ましく、0.05〜
1mm程度がより好ましく、0.1〜0.8mm程度が
さらに好ましい。
製造される。まず、螺旋管21と、網状管22とを用意
する。
れを旋断加工することにより得ることができる。
ことにより得ることができる。細線23を編組するのに
先立ち、その少なくとも一本について、被覆層231を
形成しておく。
を溶融または軟化し、混合、混練することにより得られ
る。各成分を溶融または軟化し、混合、混練するには、
例えば、ニーダー、ニーダールーダー、ロール、連続混
練押出機等の混練機等が使用可能である。このような混
練機を用いて各成分を混練した場合、材料は、各成分が
均一に混合されたものとなる。
例えば、140〜360℃程度であるのが好ましく、1
60〜340℃程度であるのがより好ましく、180〜
320℃程度であるのがさらに好ましい。各成分を、か
かる温度範囲で混練した場合、材料中の各成分の均一度
は向上する。
ーンゴム等のゴム系の材料を主とするもの等である場
合、混練時における発熱により、被覆層231の構成材
料の塑性が低下することがある。したがって、このよう
な場合、混練は、材料温度を10〜70℃程度とした状
態で行うのが好ましい。
出成形、モールド成形、ディッピング、塗装等の方法に
より細線23上に被覆することにより、被覆層231を
形成することができる。
管22とを組立て、芯材2を作製する。
ことにより、挿入部可撓管1は製造される。
は軟化し、混合、混練することにより得られる。各成分
を溶融または軟化し、混合、混練するには、例えば、ニ
ーダー、ニーダールーダー、ロール、連続混練押出機等
の混練機等が使用可能である。このような混練機を用い
て各成分を混練した場合、材料は、各成分が均一に混合
されたものとなる。
例えば、160〜220℃程度であるのが好ましく、1
80〜210℃程度であるのがより好ましく、185〜
205℃程度であるのがさらに好ましい。各成分を、か
かる温度範囲で混練した場合、材料中の各成分の均一度
は向上する。
ム等のゴム系の材料を主とするもの等である場合、混練
時における発熱により、外皮3の構成材料の塑性が低下
することがある。したがって、このような場合、混練
は、材料温度を10〜70℃程度とした状態で行うのが
好ましい。
芯材2上に押出成形によって被覆することにより、挿入
部可撓管1を連続的に製造することができる。
構成材料の融点(T2)以上であり、かつ被覆層231
の構成材料の融点(T1)未満であるのが好ましい。押
出成形時の外皮材料温度tが、かかる温度範囲(T2≦
t<T1)の場合、材料は、外皮3への成形加工性に優
れ、被覆層231との密着性が向上する。また、外皮材
料温度tが被覆層231の構成材料の融点(T1)より
低い温度であるため、押出成形時に被覆層231が溶
け、細線23と被覆層231との密着性が低下すること
も防止できる。このため、網状管22と外皮3との密着
性が向上し、結果として、挿入部可撓管1は、弾力性、
耐久性に優れたものとなる。
た挿入部可撓管の第2実施形態を示す拡大半縦断面図で
ある。以下、図5に示す挿入部可撓管1について、前記
第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項に
ついては、その説明を省略する。
3は、内層32と、中間層33と、外層34とを有する
積層体で構成されている。
2、中間層33、外層34のうちのいずれか1層が、他
のいずれか1層と比べて物理的特性または化学的特性
(これらを総称して「物性」という)が異なる材料で構
成されたものである。物理的特性としては、例えば、剛
性(柔軟性)、硬度、伸び率、引張り強さ、せん断強
さ、曲げ弾性率、曲げ強さ等が挙げられ、化学的特性と
しては、例えば、耐薬品性、耐候性等が挙げられる。な
お、これらは一例であり、これらに限定されるものでは
ない。
成されており、芯材2と接触している。したがって、内
層32の構成材料として、芯材2(特に、被覆層23
1)との密着性に優れたものを選択するのが好ましい。
また、内層32は、突出部31の大きさ(長さ)、形
状、個数等がそれぞれ適度なものとなるように制御して
突出部31を形成することができるような材料で構成さ
れているのが好ましい。内層32がこのような材料で構
成されることにより、挿入部可撓管1の弾力性、耐久性
を制御することが可能となる。
3の構成材料と同様な材料で構成されているのが好まし
い。
除く。)は、特に限定されないが、通常は、0.03〜
0.8mm程度が好ましく、0.03〜0.4mm程度
がより好ましい。
されている。中間層33は、後述する外層34より弾力
性に優れた層とされているのが好ましい。これにより、
中間層33が内層32と外層34との間のクッション機
能を発揮する。また、中間層33は、内層32よりも柔
軟な層であるのが好ましい。
詳しく説明する。挿入部可撓管1が湾曲したとき、中間
層33の弾力性が優れていることにより、変形した中間
層33の復元力は、強く発揮される。そして、中間層3
3が比較的硬度の高い内層32と外層34との間に挟ま
れているので、中間層33の復元力は、内層32と外層
34とに効率良く伝わる。このため、中間層33の復元
力のほぼすべてが挿入部可撓管1の曲げを復元させる力
に生かされる。したがって、このような構成とすること
により、挿入部可撓管1は、弾力性に優れる。
いが、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のポリオレ
フィン、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート(P
ET)、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステ
ル、ポリウレタン、ポリスチレン樹脂、ポリテトラフル
オロエチレン、エチレン−テトラフルオロエチレン共重
合体等のフッ素系樹脂、ポリイミド等の各種可撓性を有
する樹脂や、ポリウレタン系エラストマー、ポリエステ
ル系エラストマー、ポリオレフィン系エラストマー、ポ
リアミド系エラストマー、ポリスチレン系エラストマ
ー、フッ素系エラストマー、シリコーンゴム、ラテック
スゴム等の各種エラストマー等、またはこれらを主とす
るブレンド体、共重合体(ブロック共重合体を含む)、
ポリマーアロイ等が挙げられ、これらのうちの、1種ま
たは2種以上を組み合わせて用いることができる。
系エラストマー、ポリオレフィン系エラストマー、ポリ
エステル系エラストマーは、弾力性に優れるため、好ま
しい。
いが、通常は、0.02〜0.8mm程度が好ましく、
0.02〜0.4mm程度がより好ましい。
成されている。外層34は、耐薬品性を備えた材料で構
成されているのが好ましい。これにより、繰り返し洗浄
および消毒を行っても外皮3の劣化が少なく、外皮3が
硬化して可撓性が低下したり、亀裂等が生じて外皮3が
網状管22から剥離したりしにくい。
が、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロ
ピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のポリオレフ
ィン、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート(PE
T)、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、
ポリウレタン、ポリスチレン樹脂、ポリテトラフルオロ
エチレン、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体
等のフッ素系樹脂、ポリイミド等の各種可撓性を有する
樹脂や、ポリウレタン系エラストマー、ポリエステル系
エラストマー、ポリオレフィン系エラストマー、ポリア
ミド系エラストマー、ポリスチレン系エラストマー、フ
ッ素系エラストマー、シリコーンゴム、ラテックスゴム
等の各種エラストマー等、またはこれらを主とするブレ
ンド体、共重合体(ブロック共重合体を含む)、ポリマ
ーアロイ等が挙げられ、これらのうちの、1種または2
種以上を組み合わせて用いることができる。
共重合体等のポリオレフィン、ポリテトラフルオロエチ
レン、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体等の
フッ素系樹脂、ポリエステル系エラストマー、ポリオレ
フィン系エラストマー、フッ素系エラストマー、シリコ
ーンゴムは、耐薬品性に優れるため、好ましい。
が、通常は、0.05〜0.8mmであるのが好まし
く、0.05〜0.4mmであるのがより好ましい。
層された積層部をその全長に渡って有するものであって
も、その少なくとも一部に有するものであってもよい。
することにより、各層を構成する材料の利点を併有する
ことができる。本実施例においては、外皮3が、耐薬品
性に優れた外層34と、弾力性に優れた中間層33と、
芯材2に対する密着性に優れた内層32とで構成されて
いることにより、外皮3全体として、これらの特性を併
有している。
同様にして製造することができる。特に、複数の押出口
を備えた押出成形機を用いた場合、各押出口からそれぞ
れ内層、中間層および外層の材料を同時に押出し、その
積層体を芯材に被覆することにより、積層構造を有する
外皮を連続的に製造することも可能である。また、各押
出口からの各層の構成材料の吐出量や芯材の引き速度を
調整することにより、各層の厚さを調節することもでき
る。
明したが、本発明は、これらに限定されるものではな
い。
は、内層32と中間層33と外層34との3層で構成さ
れているが、2層(例えば、中間層33を省略した内層
32と外層34)で構成されたものであってもよいし、
4層以上で構成されたものであってもよい。
は、まず、外皮3を連続する長尺物として成形した後、
この外皮3の内腔へ芯材2を挿入し、その後、加熱等に
より密着固定する方法でも可能である。
ば、光源装置に接続される接続部可撓管等にも適用でき
る。
る。
巻回して、外径9.9mm、内径9.6mmの螺旋管2
1を作製した。
線を用意した。これらのうち、一部の細線に対して、細
線の全長にわたって被覆層を形成した。被覆層の構成材
料として、ポリウレタン系エラストマー(製品名:パン
デックス T−1180、大日本インキ化学工業(株)
社製)5wt%と、ポリアミド系樹脂(製品名:ノバミ
ッド 1010C、三菱エンジニアリングプラスチック
ス(株)社製)95wt%との混練物(融点T1:22
0℃)を用いた。この被覆層の形成は、押出成形により
行った。なお、被覆層の平均厚さは、0.05mmであ
った。
形成されていない細線2本とからなる3本を一組とし、
これらを編組することにより網状管を作製した。
被覆することにより芯材を作製した。
り、ポリウレタン系エラストマー(製品名:パンデック
ス T−1180、大日本インキ化学工業(株)社製)
で構成される外皮(融点T2:170℃)を被覆し、長
さ1.5mの内視鏡用可撓管を作製した。なお、押出成
形時の外皮材料温度(t)は、200℃であった。ま
た、得られた内視鏡用可撓管の外皮の平均厚さは、0.
3mmであった。
用いたポリウレタン系エラストマーとポリアミド系樹脂
との混合比を表1に示すように変更した以外は、実施例
1と同様にして、内視鏡用可撓管を作製した。
と中間層と外層とからなる積層体とした以外は、実施例
3と同様にして、内視鏡用可撓管を作製した。なお、積
層体の形成は、3個の押出口を備えた押出成形機を用い
て行った。すなわち、内層、中間層および外層を同時に
押出し、その積層体を芯材に被覆することにより積層構
造を有する外皮を連続的に製造した。内層、中間層、外
層の構成材料として、それぞれポリウレタン系エラスト
マー(融点:170℃、製品名:パンデックス T−1
180、大日本インキ化学工業(株)社製)、ポリウレ
タン系エラストマー(製品名:パンデックス T−14
98、大日本インキ化学工業(株)社製)、ポリウレタ
ン系エラストマー(製品名:パンデックス T−149
5、大日本インキ化学工業(株)社製)を用いた。
それぞれ0.05mm、0.1mm、0.1mmであっ
た。
た以外は、実施例1と同様にして内視鏡用可撓管を作製
した。
リアミド系樹脂(融点:225℃、製品名:ノバミッド
1010C、三菱エンジニアリングプラスチック
(株)社製)を用いた以外は、実施例1と同様にして内
視鏡用可撓管を作製した。
リウレタン系エラストマー(融点:170℃、製品名:
パンデックス T−1180、大日本インキ化学工業
(株)社製)を用いた以外は、実施例1と同様にして内
視鏡用可撓管を作製した。
ついて、弾力性試験を行った。
を支持して90°折り曲げる操作を行い、そのときの弾
力性を以下の4段階の基準に従って評価した。 ◎:弾力性に大変優れ、内視鏡用可撓管としての使用に
最適。 ○:弾力性に優れ、内視鏡用可撓管としての使用に適
す。 △:弾力性がやや劣り、内視鏡用可撓管としての使用に
問題あり。 ×:弾力性が劣り、内視鏡用可撓管としての使用に適さ
ず。 弾力性試験の結果を表2に示す。
ついて、外皮密着性試験を行った。
外皮にコの字状の切れ目を入れ、この部位の外皮を剥離
する際の剥離強度を測定した。この剥離強度の測定は、
デジタルフォースゲージを使用し、内視鏡用可撓管の軸
方向に対し、角度30°で引っ張ることにより行った。
被覆層が形成されていない内視鏡用可撓管(比較例1)
の外皮の剥離強度を1としたときの相対強度を表2に示
す。
ついて、耐久性試験を行った。
して90°折り曲げる操作を300回繰り返し行った後
に、前記弾力性試験と同様の方法で弾力性を調べ、折り
曲げ繰り返し操作の開始時と終了時とにおける弾力性を
比較し、その低下の度合いによって評価することとし、
以下の4段階の基準に従って評価した。弾力性の低下
は、外皮の内部剥離(外皮と芯材との剥離)により生じ
る。したがって、弾力性が維持されているものほど耐久
性に優れる。 ◎:弾力性は、ほとんど変化なく、耐久性が非常に優れ
る。 ○:弾力性の低下は、わずかで、耐久性が優れる。 △:弾力性は、はっきり分かるほど低下し、耐久性に問
題あり。 ×:弾力性は、著しく低下し、各所で劣化を確認。 耐久性試験の結果を表2に示す。
用可撓管は、いずれも優れた弾力性を有していた。ま
た、本発明の内視鏡用可撓管は、外皮剥離強度、耐久性
共に優れていた。特に、実施例10の内視鏡用可撓管
は、外皮の平均厚さ(3層の平均厚さの和)が、実施例
1〜9のものに比べて薄いにも関わらず、これらと同等
の外皮剥離強度、耐久性を有していた。これに対し、比
較例の内視鏡用可撓管は、外皮剥離強度、耐久性に劣る
ものであった。
少なくとも一本に被覆層を形成したことにより、網状管
(細線)と外皮との密着性が向上する。その結果、弾力
性、耐久性に優れた内視鏡用可撓管を得ることができ
る。
とした場合、外皮が単層で構成されたものに比べ、十分
な弾力性、耐久性を得るのに必要な外皮の厚さを薄くす
ることができる。したがって、内視鏡用可撓管の細径化
が可能となる。また、各層の材料の選択や厚さ等の設定
を適宜行い、それら各層の特性の組み合わせによって、
各層を構成する材料の利点を併有することができ、その
結果、内視鏡用可撓管に必要とされる各種の性能につい
て同時に優れたものとすることができる。
管を有する電子内視鏡を示す全体図である。
管の第1実施形態を示す拡大半縦断面図である。
大断面図である。
示す拡大断面図である。
管の第2実施形態を示す拡大半縦断面図である。
Claims (9)
- 【請求項1】 帯状材を螺旋状に巻回して形成された螺
旋管と、細線を編組して形成された編組体と、可撓性を
有する外皮とで構成される内視鏡用可撓管であって、 前記細線の少なくとも一本に、前記外皮の前記編組体と
対面する部分の構成材料を含む材料で構成された被覆層
が形成されており、前記被覆層の構成材料の融点が前記
外皮の構成材料の融点より高いことを特徴とする内視鏡
用可撓管。 - 【請求項2】 前記被覆層の構成材料は、前記外皮の前
記編組体と対面する部分の構成材料を5〜80wt%含
有するものである請求項1に記載の内視鏡用可撓管。 - 【請求項3】 前記外皮は、ポリウレタン系エラストマ
ーを含む材料で構成されたものである請求項1または2
に記載の内視鏡用可撓管。 - 【請求項4】 前記被覆層は、ポリウレタン系エラスト
マーを含む材料で構成されたものである請求項1ないし
3のいずれかに記載の内視鏡用可撓管。 - 【請求項5】 前記被覆層は、ポリアミド系樹脂を含む
材料で構成されたものである請求項1ないし4のいずれ
かに記載の内視鏡用可撓管。 - 【請求項6】 前記被覆層の構成材料の融点と、前記外
皮の前記編組体と対面する部分の構成材料の融点との差
が4〜200℃である請求項1ないし5のいずれかに記
載の内視鏡用可撓管。 - 【請求項7】 前記被覆層の平均厚さは、0.01〜
0.1mmである請求項1ないし6のいずれかに記載の
内視鏡用可撓管。 - 【請求項8】 前記外皮の平均厚さは、0.01〜1.
5mmである請求項1ないし7のいずれかに記載の内視
鏡用可撓管。 - 【請求項9】 前記外皮は、押出成形により形成された
ものである請求項1ないし8のいずれかに記載の内視鏡
用可撓管。
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JP2011000332A (ja) * | 2009-06-19 | 2011-01-06 | Hoya Corp | 内視鏡可撓管 |
-
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- 2001-08-30 JP JP2001262195A patent/JP3793436B2/ja not_active Expired - Fee Related
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