JP5439048B2 - 内視鏡可撓管 - Google Patents

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Description

本発明は、内視鏡可撓管に関し、特に可撓管の外周を被覆する外皮チューブの構造に関する。
従来、軟性内視鏡の挿入部を構成する可撓管は、ゴムや熱可塑性エラストマー等で形成された外皮チューブで被覆されるのが一般的である。外皮チューブは、例えば、エステル系ポリウレタンエラストマーで構成される最外層、ポリオレフィン系エラストマーで構成される中間層、及びエステル系ポリウレタンエラストマーから構成される内層から成るものが知られている(例えば特許文献1参照)。
内視鏡は、通常、繰り返し使用されるため、その都度、洗浄・消毒を行う必要がある。このような洗浄・消毒には、近年、過酸化物やアルカリ性の消毒液や滅菌剤等が使用されるようになってきている。また、湾曲部等から侵入した上記薬剤等が、気体となって、外皮チューブの内周面を浸食することもある。
特許4130945号公報
しかし、特許文献1において、最外層や内層に使用されるエステル系ポリウレタンエラストマーは、耐過酸化物性や耐アルカリ性が十分ではなく、外皮チューブの耐薬品性を十分に向上させることができない。また、最外層や内層に、耐加水分解性に優れるポリオレフィンやフッ素エラストマーを使用することも考えられるが、これらは他の層との接着性に劣るため、層間剥離が生じ、あるいは接着剤によって層間を接着させる必要が生じる。さらに、可撓管は、人体への挿入性を考慮すると、反発性(曲げ強度、永久歪)に優れたエラストマーを使用する必要があるが、従来、耐薬品性を良好にしつつ、反発性に優れた可撓管を得るのは困難であった。
そこで、本発明は、以上の問題点に鑑みてなされたものであり、反発性や層間の接着性を良好にしたまま、耐過酸化物性や耐アルカリ性が良好な外皮チューブを提供することを目的とする。
本発明に係る内視鏡可撓管は、可撓管本体と、可撓管本体の外周を被覆する外皮チューブとを備え、その外皮チューブが、内層と、内層の外側に設けられる外層と、内層と外層の間に設けられる中間層とを備えるものであって、内層が、ショアA硬度55°以下のポリエステルエラストマー又はショアA硬度70〜85°のポリエーテルウレタンエラストマーから形成され、中間層が、ショアA硬度80〜98°のポリエステルエラストマーから形成されるとともに、外層が、ショアA硬度70〜98°のポリエーテルウレタンエラストマーから形成されることを特徴とする。
外層と中間層を形成するエラストマーのショアA硬度差は、10°以内であることが好ましい。また、内層がポリエーテルウレタンエラストマーから形成される場合、内層と中間層を形成するエラストマーのショアA硬度差は、10°以内であることが好ましい。
可撓管本体の外周には、素線を編組して形成されたブレードが設けられるとともに、そのブレードには内層が接着されており、素線の少なくとも一部が樹脂により被覆されていることが好ましい。
ブレードは、例えば、複数本の素線から成る素線束が編組されており、素線束において、少なくとも1本の素線が樹脂により被覆されるとともに、その他の素線が樹脂により被覆されない。素線を被覆する樹脂、及び内層がいずれも、ポリエステルエラストマーで形成されることが好ましい。また、素線を被覆する樹脂、及び内層がいずれも、ポリエーテルウレタンエラストマーで形成されても良い。素線を被覆する樹脂のショアA硬度は、90°以上であることが好ましい。
本発明では、耐過酸化物性、耐アルカリ性に優れ、かつ高い反発性能を備える内視鏡可撓管を提供することができる。
内視鏡全体を示す概略図である。 内視鏡可撓管の断面図である。 ブレードの構造を示すための可撓管本体の外観図である。 反発性試験の試験方法を示す模式的な側面図である。 反発性試験の試験方法を示す模式的な正面図である。
図1は、本発明の一実施形態に係る内視鏡の概略図である。図1に示すように、内視鏡10は、体内に挿入される挿入部11と、内視鏡10を操作するために使用者によって把持される操作部15とを備える。挿入部11は、可撓性を有する可撓管12と、可撓管12の先端に連結され、操作部15からの遠隔操作により屈曲する湾曲管13と、その湾曲管13の先端に設けられた先端部14とを備える。
図2は、可撓管12の構造を示すための断面図である。可撓管12は、管状を呈する可撓管本体20と、筒状を呈し、可撓管本体20を被覆する外皮チューブ30とを有する。可撓管本体20は、金属製の帯状材を均一な径で螺旋状に隙間をあけて巻き回して形成した螺旋管22と、接着剤等によって螺旋管22の外周に接着されるブレード23とを備える。以上の構成により、可撓体本体20は、可撓性を有するとともに、曲げられた時に形状保持機能を有する。なお、螺旋管22は2つ以上設けられても良い。
ブレード23は、金属の素線を網状に編組したものであって、具体的には図3に示すように、4本の素線から成る素線束24が交互に交差するように編組させたものである。各素線束24は、1本の素線が外周に樹脂被覆が形成されている被覆素線25であるとともに、3本の素線が外周に樹脂被覆が形成されていない非被覆素線26である。但し、細線束24は、複数の素線から成れば、何本の素線から成っていても良く、また各素線束24において、被覆素線25及び非被覆素線26それぞれは1本以上あれば良い。ブレード23は、被覆素線25が設けられることによって、外皮チューブ30(すなわち、内層31)に接着されやすくなる。
外皮チューブ30は、可撓管本体20(すなわち、ブレード23)の外周面に積層される内層31と、内層31の外側に配置され、外皮チューブ30の最外層を構成する外層32と、内層31と外層32の間に配置され、これらを接着する中間層33から構成される積層体である。内層31、外層32、及び中間層33は、後述するように、所定の熱可塑性エラストマーから形成される。外皮チューブ30の外周面には、さらに熱硬化型、光硬化型等の硬化性樹脂で構成される樹脂が塗布されてトップコート(不図示)が被膜されていても良い。すなわち、外層32は、可撓管12の最外面を構成しても良いし、最外面近傍に設けられた層であっても良い。
内層31は、ショアA(Shore A)硬度55°以下のポリエステルエラストマー、又はショアA硬度70〜85°のポリエーテルウレタンエラストマーから形成される。上記エラストマーは、その永久歪み、耐過酸化性、及び耐アルカリ性が良好なものである。具体的には、引張永久歪が20%未満となるとともに、耐過酸化性及び耐アルカリ性がともに70%以上となって中間層よりも高くなる。
外層32は、ショアA硬度70〜98°のポリエーテルウレタンエラストマーから形成される。上記ポリエーテルウレタンエラストマーは、過酸化物性及び耐アルカリ性に優れる。具体的には、耐過酸化性及び耐アルカリ性は、70%以上、好ましくは80%以上となり、中間層33よりも高くなり、好ましくは内層31及び中間層33よりも高くなる。なお、外層32は、上記ショアA硬度が90〜98°であることが好ましく、この場合、耐過酸化物性及び耐アルカリ性がより優れたものとなる。また、外層32は、弾性及び永久歪も比較的良好で、例えば、25%モジュラスが1.0N/mm以上、引張永久歪が40%未満であることが好ましい。
中間層33は、ショアA硬度80〜98°のポリエステルエラストマーで形成される。上記ポリエステルエラストマーは、耐過酸化物性及び耐アルカリ性が低いが、弾性及び永久歪が優れている。具体的には、上記エラストマーの25%モジュラスが、2.5N/mm以上、好ましくは5.0N/mm以上となり、上記内層31よりも高くなるとともに、引張永久歪が20%未満となることが好ましい。なお、中間層33を形成するためのポリエステルエラストマーのショアA硬度は、弾性(すなわち、モジュラス)を良好にするために、90〜98°であることが好ましい。
内層31がポリエーテルウレタンエラストマーで形成される場合、内層31を形成するポリエーテルウレタンエラストマーと、中間層33を形成するポリエステルエラストマーとの硬度差(ショアA)を、10°以下とすることが好ましい。内層31と中間層33が互いに異種材料で形成されると、通常、接着性が良好ではないが、硬度差を小さくすることによって、樹脂溶融温度(すなわち、成形時の加熱温度)を同程度にでき、かつ可撓管屈曲時の伸び率も同程度にできるため、層間の接着性が良好になる。同様に、外層32を形成するポリエーテルウレタンエラストマーと、中間層33を形成するポリエステルエラストマーとの硬度差(ショアA)は、10°以下であることが好ましい。
被覆素線25の外周に被覆される樹脂としては、後述する内層31との接着性を考慮すると、内層31と同種の樹脂が使用されることが好ましく、例えばポリエステルエラストマー、ポリエーテルウレタンエラストマー等の熱可塑性エラストマーが使用される。また、樹脂被覆を構成する樹脂のショアA硬度は90°以上であることが好ましい。ショアA硬度が90°未満であると、被覆素線25の外周が軟らかくなりすぎるため、編組することが難しくなる。
なお、本明細書において、硬度とはJIS K6253によって測定されるものである。また、上記した耐過酸化物性、耐アルカリ性、25%モジュラス、及び引張永久歪は、後述する測定方法で測定されるものである。
外皮チューブ30の各層31、33、32は、例えば押出成形によってブレード23上に積層される。押出成形時、内層31のエラストマーはブレード23の素線間の隙間に浸透して、内層31はブレード23に接着される。なお、ブレード23の素線の一部に被覆された樹脂は、押出成形時に加熱されて一部が軟化・溶融し、内層31に接着しやすくなる。
以上のように、本実施形態では、外皮チューブ30の内層31及び外層32が、アルカリ耐性及び過酸化物耐性に優れたエラストマーで形成されている。したがって、外皮チューブ30の外周面が、過酸化物やアルカリ性の薬剤によって浸食されることが防止されるとともに、外皮チューブの内周面が、上記薬剤等の気体によって浸食されることも防止される。
一方、中間層33の弾性が良好であるとともに、内層31及び中間層33の永久歪が良好であるため、可撓管12は可撓性及び反発性に優れたものとすることができ、人体への挿入性を良好なものとすることができる。
なお、本実施形態で使用されるポリエーテルウレタンエラストマーの市販品としては、日本ミラクトラン(株)製の商品名「ミラクトラン」が挙げられる。ポリエステルエラストマーの市販品としては、東レ・デュポン(株)製の商品名「ハイトレル」、東洋紡(株)製の商品名「ペルプレン」、三菱化学(株)製の商品名「プリマロイ」が挙げられる。また、ポリエステルウレタンエラストマーの市販品としては、DICバイエル(株)製の商品名「デスモパン」「パンデックス」「テキサン」が挙げられる。
以下本発明の実施例について説明するが、本発明は以下に説明する実施例に限定されるわけではない。なお、実施例におけるポリエーテルウレタンエラストマー、ポリエステルエラストマー、及びポリエステルウレタンエラストマーは、上述した市販品を用いた。
[実施例1]
直径0.1mmの金属素線4本から成る素線束が網状に交差するように編組されたブレードを、螺旋管の上に被覆接着して可撓管本体を形成した。このとき、素線束の1本の素線がショアA硬度90°のポリエステルエラストマーによって被覆されているとともに、他の3本の素線は樹脂で被覆されていなかった。次いで、ショアA硬度55°のポリエステルエラストマーを内層、ショアA硬度98°のポリエステルエラストマーを中間層、ショアA硬度98°のポリエーテルウレタンエラストマーを外層とする外皮チューブを、押出成形によって可撓管本体の外周に被覆させて、内視鏡可撓管を作製した。可撓管は、外径が13.5mm、長さが1800mm、外皮チューブの肉厚が、0.70mmであった。
[実施例2]
ブレードの素線を被覆するための樹脂を、ショアA硬度90°のポリエーテルウレタンエラストマーにするとともに、中間層をショアA硬度90°のポリエステルエラストマー、内層をショアA硬度80°のポリエーテルウレタンエラストマーで形成したことを除いて実施例1と同様に実施した。
[実施例3]
内層をショアA硬度45°のポリエステルエラストマー、中間層をショアA硬度80°のポリエステルエラストマー、外層をショアA硬度70°のポリエーテルウレタンエラストマーで形成した点を除いて実施例1と同様に実施した。
[実施例4]
内層をショアA硬度70°のポリエーテルウレタンエラストマー、中間層をショアA硬度80°のポリエステルエラストマー、外層をショアA硬度70°のポリエーテルウレタンエラストマーで形成した点を除いて実施例2と同様に実施した。
[比較例1]
中間層をショアD硬度75°のポリエステルウレタンエラストマー、外層をショアA硬度98°のポリエステルエラストマーで形成したことを除いて実施例1と同様に実施した。
[比較例2]
外層をショアA硬度98°のポリエステルウレタンエラストマーで形成したことを除いて実施例1と同様に実施した。
[比較例3]
内層をショアA硬度70°のポリエーテルウレタンエラストマーで、中間層をショアA硬度98°のポリエステルウレタンエラストマーで形成したことを除いて実施例2と同様に実施した。
[比較例4]
中間層をショアA硬度80°のポリエステルウレタンエラストマー、外層をショアA硬度90°のポリエーテルウレタンエラストマーで形成したことを除いて実施例4と同様に実施した。
[比較例5]
中間層をショアA硬度80°のポリエステルウレタンエラストマーで形成したことを除いて実施例4と同様に実施した。
[比較例6]
内層をショアA硬度80°のポリエステルエラストマーで形成したことを除いて実施例1と同様に実施した。
[比較例7]
内層をショアA硬度90°のポリエーテルウレタンエラストマー、中間層をショアA硬度98°のポリエステルエラストマーで形成したことを除いて実施例2と同様に実施した。
[比較例8]
ブレードの素線を被覆するための樹脂を、ショアA硬度80°のポリエステルエラストマーにした点を除いて実施例1と同様に実施した。
[比較例9]
ブレードの素線を被覆するための樹脂を、ショアA硬度90°のポリエーテルウレタンエラストマーにした点を除いて実施例1と同様に実施した。
[比較例10]
ブレードの素線を被覆するための樹脂を、ショアA硬度80°のポリエーテルウレタンエラストマーにした点を除いて実施例2と同様に実施した。
[比較例11]
ブレードの素線を被覆するための樹脂を、ショアA硬度90°のポリエステルエラストマーにした点を除いて実施例2と同様に実施した。
[各層の物性評価]
実施例1〜4、比較例1〜7において、以下の評価方法で各層を形成するためのエラストマーを評価した。その結果を表1に示す。
1.耐過酸化物性
JIS K6251「加硫ゴム及び熱可塑性ゴム―引張特性の求め方」に従い、外皮チューブの各層を形成するためのエラストマーからダンベル状3号形試験片を成形し、初期の引張強さ(Ts0)を求めた。また、上記試験片を温度35℃の過酢酸10重量%水溶液で200時間浸漬した後、同様に引張強さ(Ts1)を計測し、(Ts1/Ts0)×100を耐過酸化物性とし、以下の評価基準で評価した。
優;80%以上
良;70%以上80%未満
可;60以上70%未満
不可;60%未満
2.耐アルカリ性
試験片を浸漬するための溶液を、ジデシルジメチルアンモニウム1重量%水溶液としたことを除いて、耐過酸化物性と同様の方法で耐アルカリ性を算出し、同様の評価基準で評価した。
3.弾性
JIS K6251「加硫ゴム及び熱可塑性ゴム―引張特性の求め方」に従い、外皮チューブの各層を形成するためのエラストマーからダンベル状3号形試験片を成形し、初期の25%モジュラスを求めた。その時、以下の判断基準で弾性を評価した。
優;25%モジュラスが、5.0N/mm以上
良;25%モジュラスが、2.5N/mm以上5.0N/mm未満
可;25%モジュラスが、1.0N/mm以上2.5N/mm未満
不可;25%モジュラスが、1.0N/mm未満
4.永久歪
JIS K6262「加硫ゴム及び熱可塑性ゴムの永久ひずみ試験方法」に従い、外皮チューブの各層を形成するためのエラストマーからI字状試験片を成形し、初期の引張永久歪(25℃、24時間、25%引張歪)を測定した。そして、以下の判断基準で反発弾性(永久歪)の評価を行なった。
優;引張永久歪が20%未満
良;引張永久歪が20%以上30%未満
可;引張永久歪が30%以上40%未満
不可;引張永久歪が40%以上
[可撓管の評価試験]
実施例1〜4及び比較例1〜7において得た可撓管を以下の方法で評価した。その結果を表1に示す。
1.反発性試験
内視鏡可撓管の永久歪、曲げ強度を以下の方法で評価した。図4、5に示すように、まず、テーブル61の上に2本の支持円柱62、62を、水平にかつ互いに平行となるように並べる。次に支持円柱62、62に直交するように、可撓管60を一直線状に配置し、可撓管60の両端それぞれを、支持円柱62、62それぞれの上に載せる。このとき、可撓管60は、支持円柱62、62に固定しない。次に、可撓管60の長手方向における中央位置の上部に接する位置(原点位置)に直径5mmの押込み圧子63を配置する。その後、押し込み圧子63を鉛直方向に20mm/分の速度で20mm押し込んだ後(3点曲げ)、20mm/分の速度で20mm引き上げ原点位置まで戻した。このときの押し込みに要した力を曲げ強度として可撓管の弾性を評価した。また、押し込み圧子を原点位置に戻した時の可撓管の原点位置からの離間距離をL1、押し込み量20mmをL2とすると、(L1/L2)×100を永久歪として評価した。
曲げ強度が1.5N以上のとき弾性が十分にあるとして“○”、1.5N未満のとき弾性が不十分であるとして“×”とした。また、永久歪が15%以上のとき使用不可として“×”、15%未満のとき使用可として“○”とした。
2.層間密着性試験
可撓管を温度25℃の脱水アセトンに12時間浸漬して、内層と中間層の間、及び中間層と外層の間が自然剥離するかどうかを確認した。
3.過酸化物耐性試験
可撓管を温度35℃の過酢酸10重量%水溶液に200時間浸漬した。その後、上記反発性試験と同様の方法で、可撓管の屈曲を10000回繰り返した後、外皮チューブの外観を観察した。
4.アルカリ耐性試験
可撓管を浸漬するための溶液を、ジデシルジメチルアンモニウム1重量%水溶液としたことを除いて、過酸化物耐性試験と同様に可撓管を評価した。
Figure 0005439048
なお、表1、2において、PEはポリエステルエラストマー、EUはポリエーテルウレタンエラストマー、AUはポリエステルウレタンエラストマーを示す。
以上のように、実施例1〜4においては、中間層に永久歪及び弾性に優れたポリエステルエラストマーを使用するとともに、内層に永久歪が良好なエラストマーを使用したことにより、永久歪及び弾性に優れた可撓管を得ることができた。また、内層及び外層に耐過酸化物性、耐アルカリ性に優れたエラストマーが使用されたため、可撓管全体の耐薬品性(過酸化物耐性、アルカリ耐性)を向上させることができた。さらに、隣接する層は、同一種類のエラストマーで形成され、又は硬度が近い異種材料のエラストマーで形成されたため、層間の剥離も発生しなかった。
一方、中間層にポリエステルエラストマーが使用されなかった比較例1、3〜5は、可撓管における永久歪が良好ではなかった。また、中間層にポリエステルエラストマーが使用された場合でも、外層、内層に永久歪が不十分なものが使用された比較例2、7では可撓管全体の永久歪は十分ではなかった。
さらに、外層にポリエーテルウレタンエラストマー以外のエラストマーが使用され、或いは内層に高硬度のポリエステルエラストマーが使用された比較例1、2、6では耐薬品性が不十分であった。また、隣接する層間が、異種材料であってその硬度差が大きい比較例1、3では、層間の接着性が十分ではないため、層間剥離が生じた。
[ブレードの評価試験]
実施例1、2及び比較例8〜11についてのブレードを以下の方法で評価した。その結果を表2に示す。
1.編組評価
ブレードが編組できるかどうかを評価した。編組できたものを可、編組できなかったものを不可とした。
2.初期密着性試験
温度25℃の脱水アセトンに72時間浸漬し、内層とブレードと間が自然剥離するかどうかを確認した。
3.過酸化物耐性試験
温度35℃の過酢酸10重量%水溶液に400時間浸漬し、内層とブレードとの間が自然に浮くかどうかを確認した。
Figure 0005439048
以上の結果から明らかなように、内層と同種の樹脂でブレードが被覆され、その被覆樹脂がショアA硬度90°以上の実施例1、2では、編組を行うことができ、かつ内層とブレードとの密着性も良好なものとなった。一方、被覆樹脂の硬度が、90°未満の場合には編組ができず、また樹脂被覆と内層とのエラストマーが異種材料で形成される場合には、内層とブレードとの密着性が十分ではなかった。
10 内視鏡
12 可撓管
20 可撓管本体
23 ブレード
24 素線束
25 被覆素線
26 非被覆素線
30 外皮チューブ
31 内層
32 外層
33 中間層

Claims (7)

  1. 可撓管本体と、前記可撓管本体の外周を被覆する外皮チューブとを備え、
    前記外皮チューブは、内層と、前記内層の外側に設けられる外層と、前記内層と前記外層の間に設けられる中間層とを備え、
    前記内層が、ショアA硬度55°以下のポリエステルエラストマー又はショアA硬度70〜85°のポリエーテルウレタンエラストマーから形成され、
    前記中間層が、ショアA硬度80〜98°のポリエステルエラストマーから形成され、
    前記外層が、ショアA硬度70〜98°のポリエーテルウレタンエラストマーから形成され
    前記外層と前記中間層を形成するエラストマーのショアA硬度差は、10°以内であり、前記中間層のショアA硬度が前記外層のショアA硬度以上であることを特徴とする内視鏡可撓管。
  2. 前記内層がポリエーテルウレタンエラストマーから形成されるとともに、前記内層と前記中間層を形成するエラストマーのショアA硬度差は、10°以内であることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡可撓管。
  3. 前記可撓管本体の外周には、素線を編組して形成されたブレードが設けられるとともに、前記内層が前記ブレードに接着されており、
    前記素線の少なくとも一部が樹脂により被覆されていることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡可撓管。
  4. 前記ブレードは、複数本の素線から成る素線束が編組されており、前記素線束において、少なくとも1本の素線が前記樹脂により被覆されるとともに、その他の素線が樹脂により被覆されないことを特徴とする請求項に記載の内視鏡可撓管。
  5. 前記素線を被覆する樹脂、及び前記内層がいずれも、ポリエステルエラストマーで形成されることを特徴とする請求項に記載の内視鏡可撓管。
  6. 前記素線を被覆する樹脂、及び前記内層がいずれも、ポリエーテルウレタンエラストマーで形成されることを特徴とする請求項に記載の内視鏡可撓管。
  7. 前記素線を被覆する樹脂のショアA硬度が、90°以上であることを特徴とする請求項に記載の内視鏡可撓管。
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