JP6563843B2 - 内視鏡用チャンネルチューブ - Google Patents

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Description

本発明は、内視鏡用チャンネルチューブに関する。
近年、内視鏡用チャンネルチューブにおいて、可撓性と耐キンク性の両立が求められている。
例えば、特許文献1に記載の処置具挿通チャンネルは、内面にテフロン(登録商標)の内面コーティング層を形成したウレタン樹脂からなるチューブ本体に、ステンレス線からなるとネットが被装され、ネットの被装部分がウレタン樹脂からなる被覆層が形成されている。金属製のネットは湾曲時に容易に伸縮するため曲げに対する抵抗が小さく、かつ保形性を有するため、可撓性と耐キンク性とを有する。
特許文献2に記載の内視鏡用チューブは、フッ素樹脂からなるチューブ本体と、チューブ本体の外周面に巻き付けて固定された補強テープと、補強テープの上からチューブ本体を覆うポリウレタン製の外皮と、で構成される。補強テープは、ポリエステル樹脂の素線をネット状に形成することによって、軸方向および周方向の剛性に異方性が付与されている。補強テープによって、内視鏡用チューブは可撓性と耐キンク性とを有する。
特開平3−205022号公報 特開2010−29435号公報
しかしながら、上記のような従来技術には、以下のような問題がある。
特許文献1に記載の技術は、チューブ本体の外側に硬質な金属製のネットが配置されている。内視鏡が湾曲した状態で処置具挿通チャンネルに鉗子等の処置具を挿脱する際、チューブ本体は、処置具と金属製のネットとによって強く圧迫されながら擦られる。このため、チューブ本体が摩耗しやすいという問題がある。
特許文献2に記載の技術は、補強層としてネット状のポリエステル樹脂が使用されているため、金属製のネットが用いられる場合に比べて保形効果が小さい。このため、内視鏡の湾曲時に、例えば、蛇管内部の凸状部材等に圧迫されて扁平に変形しやすい。このように内視鏡用チューブの内部が狭くなると、鉗子等の処置具が挿脱される際に処置具がチューブ本体と擦れて、チューブ本体が摩耗しやすいという問題がある。
チューブ本体に摩耗が生じると、チューブ湾曲時に摩耗部位に応力が集中するため、耐キンク性が悪化する。
本発明は、上記のような問題に鑑みてなされたものであり、内視鏡用チャンネルチューブにおいて、内層チューブの摩耗を低減して耐キンク性を向上することができる内視鏡用チャンネルチューブを提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明の第1の態様の内視鏡用チャンネルチューブは、内部に長手方向に延びる貫通孔が形成され、エラストマーまたは可撓性を有する樹脂を基材とする内層チューブと、高分子エラストマーからなり、前記内層チューブの外側を覆うように配置され、表面が外部に露出するエラストマー層と、前記内層チューブを囲むようにして配置され、可撓性を有する補強部材を含む補強層部と、前記内層チューブと前記エラストマー層の外周面との間において、前記補強層部に積層して配置され、前記補強層部よりも変形しやすい緩衝層部と、を備える。
上記内視鏡用チャンネルチューブにおいては、前記補強部材は、第1の素線によって形成されている第1の網状体からなってもよい。
上記内視鏡用チャンネルチューブにおいては、前記緩衝層部は、前記第1の素線よりも軟質の第2の素線によって形成された第2の網状体を含んでもよい。
上記内視鏡用チャンネルチューブにおいては、前記緩衝層部は、前記内層チューブと前記補強層部との間に配置されていてもよい。
上記内視鏡用チャンネルチューブにおいては、前記緩衝層部は、前記補強層部と前記エラストマー層の外周面との間に配置されていてもよい。
上記内視鏡用チャンネルチューブにおいては、前記緩衝層部は、前記内層チューブと前記補強層部との間に配置されている内側緩衝層部と、前記補強層部と前記エラストマー層の外周面との間に配置されている外側緩衝層部と、からなっていてもよい。
上記内視鏡用チャンネルチューブにおいては、前記内層チューブは、フッ素樹脂からなっていてもよい。
上記内視鏡用チャンネルチューブにおいては、前記エラストマー層は、前記補強層部および前記緩衝層部に貫通し前記内層チューブの外周面と密着するように配置され、前記内層チューブに対する密着性よりも、前記第1の網状体および前記第2の網状体に対する密着性の方が低いエラストマーからなっていてもよい。
上記内視鏡用チャンネルチューブにおいては、前記エラストマーは、有機過酸化物架橋されたゴム、または前記有機過酸化物架橋されたゴムが分散された熱可塑性エラストマーからなっていてもよい。
上記内視鏡用チャンネルチューブにおいては、前記第1の網状体および前記第2の網状体のうちの少なくとも一方は、一部が前記外周面から外部に露出していてもよい。
本発明の内視鏡用チャンネルチューブによれば、内層チューブの摩耗を低減して耐キンク性を向上することができるという効果を奏する。
本発明の第1の実施形態の内視鏡用チャンネルチューブの構成例を示す模式的な部分断面図である。 本発明の第1の実施形態の変形例(第1変形例)の内視鏡用チャンネルチューブの構成例を示す模式的な断面図である。 本発明の第2の実施形態の内視鏡用チャンネルチューブの構成例を示す模式的な部分断面図である。 本発明の第2の実施形態の変形例(第2変形例)の内視鏡用チャンネルチューブの構成例を示す模式的な断面図である。 本発明の第3の実施形態の内視鏡用チャンネルチューブの構成例を示す模式的な部分断面図である。 本発明の第3の実施形態の変形例(第3変形例)の内視鏡用チャンネルチューブの構成例を示す模式的な断面図である。 本発明の第4の実施形態の内視鏡用チャンネルチューブの構成例を示す模式的な部分断面図である。 比較例1の内視鏡用チャンネルチューブの構成を示す模式的な部分断面図である。
以下では、本発明の実施形態について添付図面を参照して説明する。すべての図面において、実施形態が異なる場合であっても、同一または相当する部材には同一の符号を付し、共通する説明は省略する。
[第1の実施形態]
本発明の第1の実施形態の内視鏡用チャンネルチューブについて説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態の内視鏡用チャンネルチューブの構成例を示す模式的な部分断面図である。
図1に示すように、本実施形態の内視鏡用チャンネルチューブ11は、内層チューブ1、緩衝層部L1(内側緩衝層部)、補強層部L2、および外層部L3を備える。
内視鏡用チャンネルチューブ11は、内視鏡装置において、例えば、処置具などを内部に挿通する処置具チャンネルとして用いられる。
内層チューブ1は、内部に長手方向に延びる貫通孔が形成され、エラストマーまたは可撓性を有する樹脂を基材とする管状部材である。貫通孔を形成する内周面1aの内側には、例えば、処置具、カテーテルなどの軸状または管状の挿通部材が挿通可能になっている。
内層チューブ1の基材の材質としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリメチルメタクリレート、ポリメチルアクリレート、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン、アクリロニトリル−スチレン、ポリビニルアルコール、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、ポリウレタン、ポリメチルペンテン、臭素化ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、エチレン−メチルアクリレート共重合体、アイオノマー等の汎用プラスチックが用いられてもよい。
内層チューブ1の基材の材質としては、例えば、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリアミド、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリエチレンナフタレート等のエンジニアリングプラスチックが用いられてもよい。
内層チューブ1の基材の材質としては、例えば、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルイミド、ポリサルフォン、ポリアリレート、ポリイミド、ポリエーテルサルフォン、ポリアミドイミ、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアリルエーテルケトン、ポリエーテルニトリル等のスーパーエンジニアリングプラスチックが用いられてもよい。
内層チューブ1の基材の材質としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、エチレン-テトラフルオロエチレン共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ポリクロロトリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、ポリフッ化ビニリデン、クロロトリフルオロエチレン-エチレン共重合体等のフッ素樹脂が用いられてもよい。
内層チューブ1の基材の材質としては、例えば、ウレタン系熱可塑性エラストマー、エステル系熱可塑性エラストマー、アミド系熱可塑性エラストマー、スチレン系熱可塑性エラストマー、オレフィン系熱可塑性エラストマー、フッ素系熱可塑性エラストマー、塩化ビニル系熱可塑性エラストマー等の熱可塑性エラストマーが用いられてもよい。
上述した各材料は、内層チューブ1に単独で用いられてもよいし、複数が組み合わされた複合材料として用いられてもよい。
内層チューブ1は、上述の材料のうちでは、滅菌処理等に用いられる薬品に対する耐薬品性に優れる点で、フッ素樹脂で構成されることがより好ましい。フッ素樹脂のうちでは、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体が耐薬品性に優れる。中でもポリテトラフルオロエチレンは特に耐薬品性に優れるため、特に好ましい。
内層チューブ1の内周面1aは、繰り返し洗浄される。このため、洗浄しやすさを考慮すると、内周面1aは、平滑面であることがより好ましい。内周面1aが平滑面であると、内周面1a内に挿通される処置具などの摺動もより円滑になる。
内周面1aを平滑面とするためには、少なくとも、内周面1aとして露出する部位が無孔質の材料で構成されてもよい。
内層チューブ1の内周面1aは、基材に被覆された被覆樹脂で形成されてもよい。
内層チューブ1の内周面1aを形成することができる被覆樹脂の例としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ポリクロロトリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、ポリフッ化ビニリデン、クロロトリフルオロエチレン-エチレン共重合体等が挙げられる。
これら被覆樹脂によって内周面1aが形成されることによって、内周面1aにおける滑り性を向上させることができる。
内層チューブ1の基材としては、上述した基材の材料または複合材料の多孔質体または発泡体が用いられてもよい。この場合、内層チューブ1の可撓性が向上する。
内層チューブ1の外周面1bは、後述するエラストマー層2の内周面2aが密着される。このため、外周面1bには、必要に応じて密着性を向上させるための表面処理が施されてもよい。
この表面処理の方法としては、例えば金属ナトリウム溶液等による化学エッチング処理、プラズマ照射による処理、機械加工による研磨処理等が挙げられる。
内層チューブ1には、耐薬品性、生体適合性、洗浄消毒性、気密性、液密性が求められる。これらの特性をそれぞれ特に良好に満足する点では、内層チューブ1の材質として、無孔質のフッ素樹脂が用いられることがより好ましい。
フッ素樹脂は滑り性にも優れるため、処置具等の硬質部材との摩擦力が低減されることによって、摩耗量が低減する点で、耐キンク性がさらに向上する。
緩衝層部L1、補強層部L2、および外層部L3は、内層チューブ1の外周面1bの外側において、外周面1bを囲む管状の層状部分である。緩衝層部L1、補強層部L2、および外層部L3は、外周面1b上にこの順に積層するように形成されている。
緩衝層部L1、補強層部L2、および外層部L3は、いずれも内層チューブ1の中心軸線Oと同軸となるように形成されている。
緩衝層部L1、補強層部L2、および外層部L3は、それぞれ別材料による三層が積層部分で互いに密着した構成とされてもよい。ただし、本実施形態では、一例として、各層に共通して、高分子エラストマーからなるエラストマー層2が含まれている。
緩衝層部L1は、エラストマー層2の内部に、内層チューブ1の外周面1bを囲む筒状の樹脂ブレード3(第2の網状体)が配置されて構成される。
補強層部L2は、エラストマー層2の内部に、樹脂ブレード3の外周側を囲む筒状の金属ブレード4(補強部材、第1の網状体)が配置されて構成される。
緩衝層部L1および補強層部L2において、エラストマー層2は層厚方向に貫通している。
外層部L3は、金属ブレード4の外周側を囲むエラストマー層2のみによって構成されている。
内層チューブ1の外周面1bは、樹脂ブレード3の内周部と、エラストマー層2の内周面2aとに密着している。
緩衝層部L1と補強層部L2との境界は、樹脂ブレード3と金属ブレード4とが接する包絡面によって規定される。本実施形態では、緩衝層部L1の層厚は、樹脂ブレード3の厚さに等しい。ただし、緩衝層部L1は、樹脂ブレード3の内側(樹脂ブレード3と内層チューブ1との間)および外側(樹脂ブレード3と金属ブレード4との間)に、エラストマー層2のみからなる層状部を含んでいてもよい。
補強層部L2と外層部L3との境界は、金属ブレード4の外周側の包絡面によって規定される。本実施形態では、補強層部L2の層厚は、金属ブレード4の厚さに等しい。
エラストマー層2の材質としては、例えば、ウレタン系熱可塑性エラストマー、エステル系熱可塑性エラストマー、アミド系熱可塑性エラストマー、スチレン系熱可塑性エラストマー、オレフィン系熱可塑性エラストマー、フッ素系熱可塑性エラストマー、塩化ビニル系熱可塑性エラストマー等の熱可塑性エラストマーが用いられてもよい。
エラストマー層2の材質としては、例えば、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレン-ブタジエンゴム、ブチルゴム、エチレン−プロピレンゴム、クロロプレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレンゴム、ニトリルゴム、シリコーンゴム、ウレタンゴム、アクリルゴム、フッ素ゴム等の加硫ゴムが用いられてもよい。
エラストマー層2として、チャンネルチューブの部位ごとに異なる材料を用いてもよい。例えば、チャンネルチューブの湾曲部に上記加硫ゴム、その他の部位に上記熱可塑性エラストマーを用いてもよい。
エラストマー層2として、上述の材料または複合材料による多孔質体または発泡体が用いられてもよい。この場合、内視鏡用チャンネルチューブ11としての可撓性が向上する。
エラストマー層2として、上述の材料のうちでも、特に好ましい材料としては、過酸化物架橋させたゴム、もしくは過酸化物架橋させたゴムを分散させた熱可塑性エラストマーが挙げられる。過酸化物架橋としては、有機過酸化物架橋がより好ましい。
このような特に好ましい材料の具体例としては、例えば、過酸化物架橋されたフッ素ゴム、シリコーンゴムの粒子が分散したポリウレタンエラストマー等が挙げられる。
過酸化物架橋させたゴム、もしくは過酸化物架橋させたゴムを分散させた熱可塑性エラストマーは、軟質性に優れるとともに、後述する樹脂ブレード3、金属ブレード4と固着しにくいため、緩衝層部L1、補強層部L2の伸縮性が向上する。これにより、内視鏡用チャンネルチューブ11の可撓性がより向上する。
樹脂ブレード3は、樹脂またはエラストマーからなる素線(第2の素線)によって形成された網状体(第2の網状体)で構成されている。素線の形状としては、特に限定されない。素線の形状は、例えば、丸線、平角線、撚り線、仮織り線等が挙げられる。
樹脂ブレード3に用いる素線は、単一種類の素線であってもよいし、材料および形状の少なくとも一方が異なる複数種類の素線が組み合わされてもよい。樹脂ブレード3において、複数種類の素線が用いられる場合、それらが互いに撚り合わされていてもよいし、配置位置が互いに異なっていてもよい。配置位置が互いに異なる場合、例えば、緩衝層部L1の長手方向に沿って延ばされる素線の種類と、周方向に周回される素線の種類とが、異なる構成でもよい。
樹脂ブレード3として用いる網状体が、素線によって編まれたもしくは織られた構成である場合、編み方、織り方は特に限定されない。網状体の編み方または織り方の態様の例としては、例えば、平織り、綾織り、朱子織り、トーションレース、結節網、無結節網等が挙げられる。
さらに、樹脂ブレード3は、網状体であれば、素線によって編まれたもしくは織られた構成には限定されない。例えば、樹脂ブレード3として、パンチングメッシュ、延伸ネット等の網状体が用いられてもよい。
樹脂ブレード3の材質としては、可撓性を有する網状体を形成できる樹脂材料または高分子エラストマー材料であれば特に限定されない。
樹脂ブレード3は、例えば、樹脂材料からなる場合、内層チューブ1の材質として例示された上述の各種汎用プラスチック、エンジニアリングプラスチック、スーパーエンジニアリングプラスチック、およびフッ素樹脂のうちから、1種類以上の樹脂材料が選択されてもよい。
樹脂ブレード3は、例えば、高分子エラストマー材料からなる場合、内層チューブ1の材質として例示された上述の熱可塑性エラストマーのうちから、1種類以上の高分子エラストマー材料から選択されてもよい。
樹脂ブレード3に用いる材料の種類は、内層チューブ1の種類と同じでもよいし、異なっていてもよい。
上述した各材料は、樹脂ブレード3に単独で用いられてもよいし、複数が組み合わされた複合材料として用いられてもよい。
樹脂ブレード3を構成する材料としては、靭性に優れる材料がより好ましい。特に靱性に優れる材料の例としては、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、ポリアミド等が挙げられる。
金属ブレード4は、内視鏡用チャンネルチューブ11の補強に用いられている。
金属ブレード4は、金属素線(第1の素線)によって形成された網状体(第1の網状体)で構成されている。素線の形状としては、特に限定されない。素線の形状は、例えば、丸線、平角線、撚り線等が挙げられる。
金属ブレード4に用いる金属素線は、単一種類の素線であってもよいし、材料および形状の少なくとも一方が異なる複数種類の素線が組み合わされてもよい。金属ブレード4において、複数種類の素線が用いられる場合、それらが互いに撚り合わされていてもよいし、配置位置が互いに異なっていてもよい。
金属ブレード4として用いる網状体が、素線によって編まれたもしくは織られた構成である場合、編み方、織り方は特に限定されない。網状体の編み方または織り方の態様の例としては、例えば、平織り、綾織り、朱子織り、無結節網等が挙げられる。
金属ブレード4を構成する金属素線の材質としては、例えば、銅、銅合金、ピアノ線、ステンレス、チタン、チタン合金、ニッケルチタン合金、タングステン、タングステン合金、ニッケル合金、コバルト合金、アモルファス金属等が挙げられる。
銅合金の例としては、真鍮が挙げられる。チタン合金の例としては、64チタンが挙げられる。タングステン合金の例としては、タングステン(W)−レニウム(Re)合金が挙げられる。ニッケル合金の例としては、ニッケル(Ni)−クロム(Cr)−鉄(Fe)合金、ニッケル−クロム−鉄−ニオブ(Nb)−モリブデン(Mo)合金が挙げられる。コバルト合金の例としては、コバルト(Co)−クロム合金が挙げられる。
金属ブレード4を構成する材料としては、靭性に優れ、かつオートクレーブ滅菌で腐食しにくい金属であることがより好ましい。靱性に優れるとともにオートクレーブ滅菌で腐食しにくい金属の例としては、例えば、ステンレスが挙げられる。
このような構成の内視鏡用チャンネルチューブ11は、内層チューブ1の外周面1bの周りに、樹脂ブレード3および金属ブレード4がこの順に積層された後、金属ブレード4を覆うようにエラストマー層2が形成されて製造される。エラストマー層2を形成するには、例えば、押出成形が用いられてもよい。エラストマー層2は、金属ブレード4、樹脂ブレード3の網状の隙間を通して、内層チューブ1の外周面1bに密着する。
内層チューブ1に、樹脂ブレード3および第2鏡枠4を積層する前には、外周面1bにエラストマー層2との密着性を向上する表面処理が施されてもよい。
内層チューブ1の内周面1aは、予め、被覆樹脂によって被覆されていてもよい。
内視鏡用チャンネルチューブ11では、硬質の金属ブレード4を含む補強層部L2によって、補強されている。
補強層部L2は、金属素線によって形成された筒状の網状体である金属ブレード4がエラストマー層2の内部に埋設されている。エラストマー層2の内周面2aは、内層チューブ1の外周面1bに密着しているため、例えば、内層チューブ1が変形する外力を受けると、金属ブレード4も同様に変形する外力を受ける。
金属ブレード4は、網状体であるため、変形に伴って網目の形状が変化することで可撓性を有する。さらに、金属ブレード4は、網目の形状が変化することで、内層チューブ1の中心軸線Oに沿う方向への伸縮性を有する。
金属ブレード4は、内層チューブ1の材質に比べて硬質な金属素線で形成されているため、外力に対して筒状の形状を保持しようとする保形性を有する。金属製であるため、エラストマー層2を介して一体化された内層チューブ1の変形を抑制する補強部材として機能する。このため、例えば、内層チューブ1を押しつぶすような外力が作用する場合、あるいは内視鏡用チャンネルチューブ11が湾曲される場合に、内層チューブ1の内周面1aの潰れに抵抗する部材になっている。
すなわち、内視鏡用チャンネルチューブ11によれば、金属ブレード4が優れた保形作用を有するため、耐キンク性がより向上する。また、硬質な線で編まれた網状体は軸線方向Oに容易に伸縮するため、可撓性がより向上する。
例えば、比較例として、金属ブレード4が内層チューブ1の外周面1bに接着されている内視鏡用チャンネルチューブを考える。この場合、金属ブレード4が内層チューブ1の変形を抑制する保形効果は高くなる。しかし、例えば、内視鏡用チャンネルチューブが湾曲する場合、大きな変形を受ける部位では、金属ブレード4が内層チューブ1に強く押しつけられる。内層チューブ1の内周面1aは金属ブレード4との当接部の裏側において内側に変形するため、内周面1aには変形による凹凸が生じる。この内周面1aに、内視鏡用チャンネルチューブ11内に挿通される処置具などの硬質部材が摺動すると、内周面1aの凸部で激しい摩耗が生じる。この結果、摩耗を起点とするキンクが生じやすくなる。
このような比較例に対して、本実施形態の内視鏡用チャンネルチューブ11の場合、金属ブレード4と内層チューブ1との間に緩衝層部L1が配置されている。緩衝層部L1を構成するエラストマー層2および樹脂ブレード3は、いずれも、金属ブレード4に比べて軟質であるため、緩衝層部L1は、補強層部L2に比べて相対的に軟質の層状部分である。さらに、樹脂ブレード3は、金属ブレード4と内層チューブ1との直接的な接触を防止している。
内視鏡用チャンネルチューブ11が湾曲すると、内視鏡用チャンネルチューブ11に発生する応力は、緩衝層部L1によって緩和される。すなわち、緩衝層部L1において、エラストマー層2が変形することと、樹脂ブレード3がエラストマー層2に対して相対的にずれる運動をすることと、(以下、これらを合わせて緩衝層部L1の変形と言う)によって、応力緩和効果が得られる。緩衝層部L1は外力による圧迫に対するクッション性を有している。
エラストマー層2の材質として、樹脂ブレード3の素線との密着性の低い材質が選択されている場合には、樹脂ブレード3およびエラストマー層2の間の相対ずれによる応力緩和効果が特に高くなる。
例えば、金属ブレード4から内層チューブ1に向かう押圧力は、緩衝層部L1の変形を通して緩衝層部L1内に分散される。内層チューブ1の外周面1bには、金属ブレード4からの押圧力がエラストマー層2および樹脂ブレード3を経由して、金属ブレード4との当接部よりも拡がって伝達される。このため、内層チューブ1の外周面1bが受ける押圧力も分散されるため、金属ブレード4と対向する部位での内層チューブ1の局所的な変形が低減される。
この結果、内周面1aの形状は、湾曲形状に沿う滑らかな形状になるため、例えば、処置具などの硬質部材と摺動しても、上述の比較例における凸部の摩耗と比べる局所的な摩耗が低減される。
このため、内周面1aの摩耗跡を起点とするキンクの発生が少なくなり、耐キンク性が良好となる。
例えば、内視鏡用チャンネルチューブ11が湾曲していなくても、内周面1a内に挿通される処置具等の硬質部材の凸部が内層チューブ1を押圧する場合がある。この場合にも、硬質部材から内層チューブ1への押圧力が、緩衝層部L1の変形によって分散されて金属ブレード4に伝達される。金属ブレード4と内層チューブ1とは直接接触することもない。このため、金属ブレード4とエラストマー層2とが直接接触している場合に比べて金属ブレード4からの反作用が低下し、硬質部材と内層チューブ1との当たりがより弱くなる。この結果、硬質部材が摺動しても、摺動による摩耗が低減される。
例えば、内視鏡用チャンネルチューブ11は、最外周部を構成する外周面2bが他の部材等と接触することによって外力を受ける場合がある。この場合、外力は、外層部L3および金属ブレード4を介して内側に伝達される。このとき、金属ブレード4は、より軟質な、エラストマー層2からなる外層部L3と、緩衝層部L1とに挟まれている。このため、外力は、外層部L3を通して緩和され、分散された押圧力として金属ブレード4に伝達される。さらに、金属ブレード4が内部に伝達する押圧力は、緩衝層部L1の応力緩和効果によって、より広い範囲に分散され弱められて、内層チューブ1に伝達される。外力の影響による外周面2bの凹み変形も、内層チューブ1の内周面1aには変形量が格段に減少する。この結果、内周面1aに摺動する処置具等の硬質部材による局所的な摩耗は低減される。
このため、内周面1aの摩耗跡を起点とするキンクの発生が少なくなり、耐キンク性が良好となる。
以上説明したように、本実施形態の内視鏡用チャンネルチューブ11によれば、金属ブレード4を含んでいても、金属ブレード4と内層チューブ1との間に緩衝層部L1が配置されているため、内周面1aの摩耗跡を起点とするキンクの発生を低減して耐キンク性を向上することができる。
[第1変形例]
本実施形態の変形例(第1変形例)の内視鏡用チャンネルチューブについて説明する。
図2は、本発明の第1の実施形態の変形例(第1変形例)の内視鏡用チャンネルチューブの構成例を示す模式的な断面図である。
図2に示すように、本変形例の内視鏡用チャンネルチューブ11Aは、上記第1の実施形態の内視鏡用チャンネルチューブ11の緩衝層部L1、外層部L3に代えて、緩衝層部L11(内側緩衝層部)、外層部L13を備えて構成されている。
以下、上記第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。
緩衝層部L11は、補強層部L2よりも軟質の高分子エラストマーからなる層状部である。
緩衝層部L11の材質としては、上記第1の実施形態におけるエラストマー層2として使用可能な熱可塑性エラストマー、ゴムのうちから、1種類以上の材料が選択されてもよい。
緩衝層部L11の材質は、本変形例におけるエラストマー層2の材質と同じであってもよいし、異なっていてもよい。緩衝層部L11の材質は、後述する外層部L13の材質よりもより軟質な材料が選ばれることがより好ましい。
以下では、一例として、緩衝層部L11が、後述の外層部L13と異なる材料からなる場合の例で説明する。
緩衝層部L11の内周面L11aは、内層チューブ1の外周面1bと密着している。
緩衝層部L11の外周面L11bは、金属ブレード4の内周部に当接している。
外層部L13は、上記第1の実施形態におけるエラストマー層2と同様の材質からなるエラストマー層2Aで構成される。
エラストマー層2Aは、金属ブレード4を貫通して、緩衝層部L11の外周面L11bに密着している。すなわち、エラストマー層2Aの内周面2cは、緩衝層部L11の外周面L11bと密着している。
金属ブレード4を貫通するエラストマー層2Aは、金属ブレード4とともに、補強層部L2を構成している。
このような内視鏡用チャンネルチューブ11Aを製造するには、例えば、押出成形によって、内層チューブ1の外周面1bに緩衝層部L11を形成した後、外周面L11bに金属ブレード4を配置して押出成形によってエラストマー層2Aを形成する。
内視鏡用チャンネルチューブ11Aによれば、上記第1の実施形態における緩衝層部L1に代えて緩衝層部L11を備えるため、上記第1の実施形態と同様にして、内視鏡用チャンネルチューブ11Aの内周面1aの摩耗を低減して耐キンク性を向上することができる。
特に、本変形例では、緩衝層部L11に樹脂ブレード3のような部材が含まれないため製造がより容易となる。さらに、本変形例では、緩衝層部L11によって、内視鏡用チャンネルチューブ11Aの気密性、液密性がより向上する。
[第2の実施形態]
本発明の第2の実施形態の内視鏡用チャンネルチューブについて説明する。
図3は、本発明の第2の実施形態の内視鏡用チャンネルチューブの構成例を示す模式的な部分断面図である。
図3に示すように、本実施形態の内視鏡用チャンネルチューブ12は、上記第1の実施形態の内視鏡用チャンネルチューブ11の緩衝層部L1が削除され、補強層部L2と外層部L3との間に緩衝層部L4(外側緩衝層部)が追加して構成されている。
以下、上記第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。
本実施形態における補強層部L2は、金属ブレード4の内周部が内層チューブ1の外周面1bと当接している。このため、本実施形態の金属ブレード4の内径は、内層チューブ1の外径に合わせて変更されている。
金属ブレード4を貫通するエラストマー層2は、外周面1bに密着している。
緩衝層部L4は、補強層部L2の外周部を囲む筒状の樹脂ブレード5(第2の網状体)と、樹脂ブレード5に貫通するエラストマー層2とによって構成されている。
樹脂ブレード5は、上記第1の実施形態における樹脂ブレード3と同様に構成された網状体からなる。ただし、樹脂ブレード5の内径は、補強層部L2の外径に合わされている。
内視鏡用チャンネルチューブ12は、内層チューブ1に金属ブレード4、樹脂ブレード5をこの順に積層して配置した後、例えば、押出成形によって、エラストマー層2を成形することによって、上記第1の実施形態と同様にして製造される。
このような構成の内視鏡用チャンネルチューブ12は、上記第1の実施形態の内視鏡用チャンネルチューブ11が緩衝層部L1を内層チューブ1と補強層部L2との間に有していたのに対して、緩衝層部L1と同様な構成を有する緩衝層部L4が補強層部L2とエラストマー層2の外周面2bとの間に配置されている点が、上記第1の実施形態と異なる。
緩衝層部L4は、上記第1の実施形態における緩衝層部L1と同様、外力の圧迫に対するクッション性を有するため、応力緩和効果を有する。
このため、上記第1の実施形態と同様にして、内周面1aの摩耗を低減して耐キンク性を向上することができる。
例えば、内層チューブ1が、外力によって金属ブレード4に押しつけられる場合、本実施形態では、エラストマー層2と金属ブレード4とが当接しているが、金属ブレード4の外側に緩衝層部L4が配置されている。これにより、内層チューブ1から外側に押圧された金属ブレード4は、緩衝層部L4を変形させることで、より外側に逃げることができる。この結果、金属ブレード4と内層チューブ1との間の押圧力が低減されるため、金属ブレード4との当接部位における内周面1aの局所的な変形が低減される。
例えば、内視鏡用チャンネルチューブ12が、外層部L3を通して外側から外力を受ける場合、緩衝層部L4の変形による応力緩和効果のため、外力が分散されて金属ブレード4に伝わるとともに、外周面2bに変形量が緩和される。この結果、金属ブレード4を介して内層チューブ1に伝達される押圧力、変形量が低減されるため、金属ブレード4との当接部位における内周面1aの局所的な変形が低減される。
[第2変形例]
本実施形態の変形例(第2変形例)の内視鏡用チャンネルチューブについて説明する。
図4は、本発明の第2の実施形態の変形例(第2変形例)の内視鏡用チャンネルチューブの構成例を示す模式的な断面図である。
図4に示すように、本変形例の内視鏡用チャンネルチューブ12Bは、上記第2の実施形態の内視鏡用チャンネルチューブ12の外層部L3、緩衝層部L4、補強層部L2に代えて、外層部L23、緩衝層部L24(外側緩衝層部)、補強層部L22を備えて構成されている。
以下、上記第2の実施形態と異なる点を中心に説明する。
外層部L23は、上記第1の実施形態におけるエラストマー層2と同様の材質からなるエラストマー層2Bで構成される。
エラストマー層2Bの内周面2dは、後述する緩衝層部L24の外周面L24bに密着している。
緩衝層部L24は、後述する補強層部L22よりも軟質の高分子エラストマーからなる層状部である。
緩衝層部L24の材質としては、上記第1の実施形態におけるエラストマー層2として使用可能な熱可塑性エラストマー、ゴムのうちから、1以上の材料が選択されてもよい。
緩衝層部L24の材質は、本変形例におけるエラストマー層2Bの材質と同じであってもよいし、異なっていてもよい。緩衝層部L24の材質は、外層部L23の材質よりもより軟質な材料が選ばれることがより好ましい。
以下では、一例として、緩衝層部L24が、外層部L23と異なる材料からなる場合の例で説明する。
緩衝層部L24の外周面L24bは、外層部L23の内周面2dと密着している。
緩衝層部L24の内周面L24aは、後述する補強層部L22の金属ブレード4の外周部に当接している。
補強層部L22は、高分子エラストマーからなるエラストマー層22と、エラストマー層22の内部に配置された上記第2の実施形態と同様の金属ブレード4とを備える。
エラストマー層22は、上記第1の実施形態におけるエラストマー層2と同様の材質からなる。エラストマー層22の材質は、本実施形態におけるエラストマー層2Bと同じであってもよいし、異なっていてもよい。
このような内視鏡用チャンネルチューブ12Bを製造するには、内層チューブ1に金属ブレード4を配置した後、例えば、押出成形によってエラストマー層22を形成することで、補強層部L22が形成される。この後、補強層部L22の外周面に、押出成形などによって、緩衝層部L24、外層部L23がこの順に形成される。
内視鏡用チャンネルチューブ12Bによれば、上記第2の実施形態における緩衝層部L4に代えて緩衝層部L24を備えるため、上記第2の実施形態と同様にして、内視鏡用チャンネルチューブ12Bの内周面1aの摩耗を低減して耐キンクを向上することができる。
特に、本変形例では、緩衝層部L24に樹脂ブレード5のような部材が含まれないため製造がより容易となる。さらに、本変形例では、緩衝層部L24によって、内視鏡用チャンネルチューブ12Bの気密性、液密性がより向上する。
[第3の実施形態]
本発明の第3の実施形態の内視鏡用チャンネルチューブについて説明する。
図5は、本発明の第3の実施形態の内視鏡用チャンネルチューブの構成例を示す模式的な部分断面図である。
図5に示すように、本実施形態の内視鏡用チャンネルチューブ13は、上記第1の実施形態の内視鏡用チャンネルチューブ11の補強層部L2と外層部L3との間に、上記第2の実施形態と同様の緩衝層部L4が追加して構成されている。ただし、緩衝層部L4における樹脂ブレード5の内径は、補強層部L2における金属ブレード4の外径に合わされている。
以下、上記第1および第2の実施形態と異なる点を中心に説明する。
本実施形態の内視鏡用チャンネルチューブ13は、補強層部L2が、緩衝層部L1、L4に挟まれているため、上記第1の実施形態と上記第2の実施形態との作用をともに備える。
本実施形態の補強層部L2の内側と外側には、それぞれ緩衝層部L1、L4が配置されている。このため、本実施形態における緩衝層部L1、L4によって、それぞれ、内側からの外力、外側からの外力がより効率的に緩和される。このため、上記第1の実施形態の内視鏡用チャンネルチューブ11および上記第2の実施形態の内視鏡用チャンネルチューブ12に比べて、内周面1aの摩耗がさらに低減されるため、耐キンク性がさらに向上する。
[第3変形例]
本実施形態の変形例(第3変形例)の内視鏡用チャンネルチューブについて説明する。
図6は、本発明の第3の実施形態の変形例(第3変形例)の内視鏡用チャンネルチューブの構成例を示す模式的な断面図である。
図6に示すように、本変形例の内視鏡用チャンネルチューブ13Cは、上記第2の実施形態の第2変形例の内視鏡用チャンネルチューブ12Bの内層チューブ1と補強層部L22との間に、上記第1の実施形態の第1変形例の内視鏡用チャンネルチューブ11Aの緩衝層部L11を配置して構成されている。
以下、上記第1変形例および第2変形例と異なる点を中心に説明する。
本変形例の内視鏡用チャンネルチューブ13Cは、補強層部L22が、緩衝層部L11、L24に挟まれているため、上記第1変形例と上記第2変形例との作用をともに備える。
本変形例の補強層部L22の内側と外側には、それぞれ緩衝層部L11、L24が配置されている。このため、本変形例における緩衝層部L11、L24によって、それぞれ、内側からの外力、外側からの外力がより効率的に緩和される。このため、上記第1変形例の内視鏡用チャンネルチューブ11Aおよび上記第2変形例の内視鏡用チャンネルチューブ12Bに比べて、内周面1aの摩耗がさらに低減されるため、耐キンク性がさらに向上する。
[第4の実施形態]
本発明の第4の実施形態の内視鏡用チャンネルチューブについて説明する。
図7は、本発明の第4の実施形態の内視鏡用チャンネルチューブの構成例を示す模式的な部分断面図である。
図7に示すように、本実施形態の内視鏡用チャンネルチューブ14は、上記第1の実施形態の内視鏡用チャンネルチューブ11における外層部L3が削除され、エラストマー層2に代えて、エラストマー層2Dを備えて構成されている。
以下、上記第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。
エラストマー層2Dは、上記第1の実施形態のエラストマー層2と層厚が異なる。エラストマー層2Dは、その外周面2bから、金属ブレード4の一部が露出部4aとして外部に露出するように構成されている。
さらに、エラストマー層2Dは、金属ブレード4および樹脂ブレード3に対して、密着性が低い材質が用いられる。
本実施形態の内視鏡用チャンネルチューブ13は、上記第1の実施形態と同様の緩衝層部L1によって、上記第1の実施形態と同様の作用を備える。このため、上記第1の実施形態と同様に、内周面1aの摩耗がさらに低減されるため、耐キンク性が向上する。
さらに本実施形態では、緩衝層部L4がエラストマー層2Dの外周面2bに露出しているため、露出部4aに沿って、金属ブレード4と樹脂ブレード3との当接部が外部に露出している。本実施形態では、エラストマー層2Dの材質として、金属ブレード4および樹脂ブレード3との密着性が低い材質が選ばれるため、内視鏡用チャンネルチューブ14は、例えば、使用時の湾曲などによって、エラストマー層2が変形すると、エラストマー層2Dと、金属ブレード4および樹脂ブレード3とが滑るなどして相対的にずれる。このため、エラストマー層2Dと、金属ブレード4および樹脂ブレード3との間に相対移動可能かつ離間可能な界面が形成される。この結果、エラストマー層2Dの内部において、エラストマー層2Dの厚さ方向に貫通する微小隙間が形成され、エラストマー層2の気密性および液密性が低下する。
このため、内視鏡用チャンネルチューブ14の内層チューブ1の厚さ方向にクラックが貫通したり、損傷傷が貫通したりする場合に、ただちに内視鏡用チャンネルチューブ14の気密性および液密性が失われる。
したがって、内視鏡用チャンネルチューブ14では、内層チューブ1の孔開き検査が容易となり、孔開き検知性に優れる。例えば、内視鏡用チャンネルチューブ14の貫通孔の内部に圧縮空気を送り込むと、空気漏れが生じることで内層チューブ1に孔が開いたことが検知できる。
これにより、例えば、内層チューブ1に孔が開いているにも関わらずエラストマー層2に気密性があるために、孔開き検査に合格することがなくなる。このため、内層チューブ1の孔を孔開き検査によって見落とすおそれがなくなる。
なお、上記各実施形態および各変形例の説明では、補強層部の補強部材として、金属ブレードが用いられる例で説明したが、補強部材は、金属ブレードには限定されない。
例えば、補強部材として、緩衝層部に含まれる樹脂ブレードよりも硬質な樹脂ブレードが用いられてもよい。
例えば、補強部材として、金属あるいは硬質の樹脂によるコイルが用いられてもよい。
上記各実施形態および各変形例の説明では、補強層部が、高分子エラストマーと金属ブレードとで構成される場合の例で説明したが、補強層部は、金属ブレード以外の補強部材をさらに備えてもよい。
例えば、補強層部には、軸線方向を向いた高伸縮性の線、例えばポリウレタン、ポリエステル、ポリアミド、フッ素樹脂等で形成される仮織り糸や金属コイル等が配置されてもよい。
次に、上述した第1の実施形態、各変形例、および第4の実施形態に対応する内視鏡用チャンネルチューブの実施例1〜8について、比較例1とともに説明する。下記[表1]に、各実施例、比較例の概略構成を示す。
Figure 0006563843
[実施例1]
実施例1は、上記第1の実施形態の第1変形例の内視鏡用チャンネルチューブ11A(図2参照)の実施例である。
[表1]に示すように、内層チューブ1([表1]では符号は省略されている。以下同じ)の材質はポリエチレン樹脂が用いられた。実施例1の内層チューブ1には表面処理は施されなかった。実施例1の内層チューブ1の形状は、内径3.2mm、肉厚0.15mmとされた。
緩衝層部L11は、層厚0.1mmのフッ素ゴムが用いられた。
補強部材として用いられた第1の網状体([表1]では「網状体」)である金属ブレード4は、直径0.1mmの銅線が平織りされて形成された。第1の網状体の編み方の条件は、持ち数1、打ち数16、30PPIとされた。
エラストマー層2Aは、ショア硬さ65Aのポリウレタン樹脂が用いられた。エラストマー層2Aの層厚は、0.5mmとされた、これにより、エラストマー層2Aは、金属ブレード4を完全に覆っており、金属ブレード4が外部に露出することはなかった。
このような実施例1の内視鏡用チャンネルチューブ11Aは以下のようにして製作された。まず、内層チューブ1の外周部に押出成形によって厚さ0.1mmのフッ素ゴムが積層された。この後、平織りされた金属ブレード4が配置された状態で、押出成形によって、層厚が0.5mmとなるようにポリウレタン樹脂によって被覆された。
[実施例2]
実施例2は、上記第1の実施形態の第2変形例の内視鏡用チャンネルチューブ12B(図4参照)の実施例である。
実施例2は、上記実施例1と、フッ素ゴムと金属ブレード4との位置関係が反対である点が異なる。このため、実施例2は、内層チューブ1上に、実施例1のエラストマー層2Aと同じポリウレタン樹脂および金属ブレード4からなる補強層部L22と、実施例1と同じフッ素ゴムからなる緩衝層部L24とが、この順に積層されて構成された。本実施例は、補強層部L22の外側に緩衝層部L24が配置された例になっている。
[実施例3]
実施例3は、上記第1の実施形態の第3変形例の内視鏡用チャンネルチューブ13C(図6参照)の実施例である。
実施例3は、上記実施例2の内層チューブ1と補強層部L22との間に、実施例1の緩衝層部L11が配置されて構成された。本実施例は、補強層部L22の内側に緩衝層部L11が、外側に緩衝層部L24がそれぞれ配置された例になっている。
[実施例4]
実施例4は、上記第1の実施形態の内視鏡用チャンネルチューブ11(図1参照)の実施例である。
実施例4は、上記実施例1の緩衝層部L11のフッ素ゴムに代えて、実施例1のエラストマー層2Aのポリウレタン樹脂と第2の網状体([表1]では「網状体」)である樹脂ブレード3とからなる緩衝層部L1を備える。緩衝層部L1の層厚は、0.1mmとされた。
本変形例の樹脂ブレード3は、直径0.05mmのテトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体の線([表1]では「PFA線」)が平織りされて形成された。第2の網状体の編み方の条件は、持ち数1、打ち数16、30PPIとされた。
[実施例5]
実施例5は、上記第1の実施形態の第1変形例の内視鏡用チャンネルチューブ11Aの実施例である。
実施例5は、上記実施例1の金属ブレード4の銅線を、ステンレス製の線材([表1]では「SUS線」)に変更した例である。
本変形例の金属ブレード4は、直径0.1mmのSUS304WPBが平織りされて形成された。網状体の編み方の条件は、持ち数1、打ち数16、30PPIとされた。
[実施例6]
実施例6は、上記第1の実施形態の第1変形例の内視鏡用チャンネルチューブ11Aの実施例である。
実施例6は、上記実施例1の内層チューブ1の材質がフッ素樹脂に変更され、かつ内層チューブ1の外周面1bに表面処理が施された例である。
本実施例の内層チューブ1の材質は、無孔質のポリテトラフルオロエチレンが用いられた。内層チューブ1の形状は、実施例1と同様とされた。
本変形例の内層チューブ1の外周面1bは、金属ナトリウム溶液でエッチング処理された。
[実施例7]
実施例7は、上記第1の実施形態の第1変形例の内視鏡用チャンネルチューブ11Aの実施例である。
実施例7は、上記実施例1のエラストマー層2Aとして、フッ素ゴムが用いられた例である。
本実施例のエラストマー層2Aの材質は、過酸化物架橋されたフッ素ゴムが用いられた。このフッ素ゴムは、上記実施例1と同様、押出成形によって内層チューブ1の外周面1b上に層厚0.5mmとなるように形成された。これにより、エラストマー層2Aは、金属ブレード4を完全に覆っており、金属ブレード4が外部に露出することはなかった。
[実施例8]
実施例8は、上記第4の実施形態の内視鏡用チャンネルチューブ14(図7参照)の実施例である。
実施例8は、上記実施例1のエラストマー層2Aの層厚が0.3mmに変更され、かつ緩衝層部L11が、上記実施例4と同様の緩衝層部L1に変更された例である。
エラストマー層2Dの材質は、過酸化物架橋されたフッ素ゴムが用いられた。このフッ素ゴムは、押出成形によって内層チューブ1の外周面1b上に層厚0.3mmとなるように形成された。これにより、エラストマー層2Dの外周面2bには、金属ブレード4の一部が露出した。
[比較例1]
図8は、比較例1の内視鏡用チャンネルチューブの構成を示す模式的な部分断面図である。
図8に示すように、比較例1は、上記第2の実施形態の内視鏡用チャンネルチューブ12B(図4参照)の樹脂ブレード5が削除された例である。樹脂ブレード5が占めていた部位には、外層部L3のエラストマー層2が占めている。このため、比較例1では、補強層部L2が内層チューブ1上に積層し、その外側に外層部L3が積層された。
比較例1におけるエラストマー層2の層厚は、上記実施例1と同様、0.5mmとされた。内層チューブ1上に、緩衝層部L1、外層部L3が積層された。これにより、エラストマー層2は、金属ブレード4を完全に覆っており、金属ブレード4が外部に露出することはなかった。
[評価方法]
これら実施例1〜8、比較例1の内視鏡用チャンネルチューブを用いて、洗浄消毒性、耐キンク性、可撓性、および孔開き検知性貯蔵安定性の評価が行われた。
評価項目およびそれぞれの評価結果を下記[表2]に示す。
Figure 0006563843
[摩耗部位の耐キンク性]
鉗子等の処置具の挿脱による内層チューブの摩耗部位の耐キンク性は、内層チューブの表面の摩耗量が小さいほど良好と言える。そこで、内視鏡用チャンネルチューブの被検サンプルに、鉗子を繰り返し挿脱する試験が行われた後、摩耗部位を繰り返し屈曲させ、摩耗部位の耐キンク性が評価された。
被検サンプルは、半径Rの半円に沿って湾曲した状態で保持された。この湾曲した内視鏡用チャンネルチューブの外面からチャンネルチューブの中心軸に向けて、直径1.6mmの円柱の上面を2Nの力で押し当てた。
この状態で、各被検サンプルの内部に、生検鉗子FB−25K(商品名;オリンパス(株)製)が、30mm/秒の速さで繰り返し挿脱された。
挿脱回数は、生検鉗子の1往復を1回として、被検サンプルごとに各1000回とした。
1000回の挿脱後被検サンプルは、摩耗部位が中央となるようにして、長手方向に距離250mmをあけた二箇所で把持された。このとき、把持位置の間では、被検サンプルに1.96N(200gf)の張力がかけられた。
さらに、把持位置を等分する中心位置に、被検サンプルを挟んで5mmの間隔をあけた半径9mmのローラー対が配置された。
把持位置の一方は、固定され、把持位置の他方を、上記中心位置を中心として、被検サンプルが真直な状態を0°として、0°±90°の回動が繰り返して行われた。これにより、被検サンプルは、各ローラーを屈曲面として、2方向に繰り返して屈曲された。
+90°の回動、0°への復帰、−90°の回動、0°への復帰を1回とし、この屈曲試験は、29回/分の速さで、被検サンプルごとに1000回ずつ行われた。
屈曲試験終了後、屈曲部の内径がボールゲージで測定された。
評価基準は、ボールゲージの通り径が3.2以上の場合、非常に良い([表2]では、「◎」(very good))、3.18以上3.2未満の場合、良い([表2]では、「○」(good))、3.18未満の場合、不良([表2]では、「×」(no good))とした。
[耐キンク性]
被検サンプルは、長手方向に距離250mmをあけた二箇所で把持された。このとき、把持位置の間では、被検サンプルに1.96N(200gf)の張力がかけられた。
さらに、把持位置を等分する中心位置に、被検サンプルを挟んで5mmの間隔をあけた半径9mmのローラー対が配置された。
把持位置の一方は、固定され、把持位置の他方を、上記中心位置を中心として、被検サンプルが真直な状態を0°として、0°±90°の回動が繰り返して行われた。これにより、被検サンプルは、各ローラーを屈曲面として、2方向に繰り返して屈曲された。
+90°の回動、0°への復帰、−90°の回動、0°への復帰を1回とし、この屈曲試験は、29回/分の速さで、被検サンプルごとに5000回ずつ行われた。
屈曲試験終了後、屈曲部の内径がボールゲージで測定された。
評価基準は、ボールゲージの通り径が3.2以上の場合、非常に良い([表2]では、「◎」(very good))、3.18以上3.2未満の場合、良い([表2]では、「○」(good))、3.18未満の場合、不良([表2]では、「×」(no good))とした。
[可撓性]
可撓性は、被検サンプルを三点曲げで屈曲させるのに必要な押し込み力量で評価された。
両端支点を形成するため、半径5mmの2個のプーリーが100mm間隔かつ互いに等しい高さに縦置きで配置された。これらプーリーの上に被検サンプルが乗せられた。2個のプーリーの中間に位置する部分に、上方からプッシュプルゲージを接触させた。このプッシュプルゲージの接触部には、半径5mmのプーリーが設けられている。このプッシュプルゲージを20mm/秒の速さで、下方へのストローク40mmで、押し込んだときの押し込み力量のピーク値が計測された。
評価基準は、押し込み力量のピーク値が0.7N未満の場合、非常に良い([表2]では、「◎」(very good))、0.7N以上0.8N未満の場合、良い([表2]では、「○」(good))、0.8N以上の場合、不良([表2]では、「×」(no good))とした。
[孔開き検知性]
洗浄消毒性を評価するために用いた生検鉗子を繰り返し挿脱することによって、内層チューブに孔が開いた被検サンプルを製作した。
この孔開きサンプルの内視鏡用チャンネルチューブの一端を閉じた状態で、もう一端からゲージ圧0.1MPaの圧縮空気を送り込み、水中にてチャンネルチューブ外面からの空気の漏れが観察された。
評価基準は、孔開きサンプルの外面から空気が漏れた場合、良い([表2]では、「○」(good))、空気が漏れなかった場合、不良([表2]では、「×」(no good))とした。
[評価結果]
[表1]に示すように、実施例1〜8は、摩耗部位の耐キンク性、耐キンク性、可撓性がいずれも「○」または「◎」であったため、総合評価は、良い([表2]では、「○」(good))とした。
これに対して、比較例1は、摩耗部位の耐キンク性が不良であるため、総合評価は、不良([表2]では、「×」(no good))とした。
摩耗部位の耐キンク性は、特に、実施例3が優れていた。これに対して、比較例1は、緩衝層部を有しないため、摩耗部位の耐キンク性が不良であった。
可撓性については、緩衝層部にPFA線による網状体を備える実施例4、8と、エラストマー層がフッ素ゴムで構成された実施例7とが実施例1に比べて優れていた。実施例7は、緩衝層部には網状体を有していないが、補強層部におけるフッ素ゴムが銅線による網状体に固着しにくいため、実施例1よりも可撓性が向上したと考えられる。
補強層部としてSUS線を平織りした金属ブレード4を有する実施例5は、実施例1よりもさらに耐キンク性に優れていた。
内層チューブを無孔質のポリテトラフルオロエチレンで構成された実施例6は、実施例1よりもさらに摩耗部位の耐キンク性に優れていた。
実施例8は、良好な可撓性に加えて、良好な孔開き検知性が得られた。このため、実施例8のように、金属ブレード4の一部が、外周面に露出された構成は、特に孔開き検知性が必要となる場合には好適であることが分かる。
以上、本発明の好ましい各実施形態、各変形例を、各実施例とともに説明したが、本発明はこれらの各実施形態、各変形例、各実施例に限定されることはない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、構成の付加、省略、置換、およびその他の変更が可能である。
また、本発明は前述した説明によって限定されることはなく、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。
1 内層チューブ
1a 内周面(貫通孔)
1b 外周面
2、2A、2B、2D エラストマー層
2b 外周面
3、5 樹脂ブレード(第2の網状体)
4 金属ブレード(補強部材、第1の網状体)
4a 露出部
11、11A、12、12B、13、13C、14 内視鏡用チャンネルチューブ
22 エラストマー層
L1、L11 緩衝層部(内側緩衝層部)
L2、L22 補強層部
L3、L13、L23 外層部
L4、L24 緩衝層部(外側緩衝層部)
O 中心軸線

Claims (10)

  1. 内部に長手方向に延びる貫通孔が形成され、エラストマーまたは可撓性を有する樹脂を基材とする内層チューブと、
    高分子エラストマーからなり、前記内層チューブの外側を覆うように配置され、表面が外部に露出するエラストマー層と、
    前記内層チューブを囲むようにして配置され、可撓性を有する補強部材を含む補強層部と、
    前記内層チューブと前記エラストマー層の外周面との間において、前記補強層部に積層して配置され、前記補強層部よりも変形しやすい緩衝層部と、
    を備える、内視鏡用チャンネルチューブ。
  2. 前記補強部材は、
    第1の素線によって形成されている第1の網状体からなる、
    請求項1に記載の内視鏡用チャンネルチューブ。
  3. 前記緩衝層部は、
    前記第1の素線よりも軟質の第2の素線によって形成された第2の網状体を含む、
    請求項2に記載の内視鏡用チャンネルチューブ。
  4. 前記緩衝層部は、
    前記内層チューブと前記補強層部との間に配置されている、
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の内視鏡用チャンネルチューブ。
  5. 前記緩衝層部は、
    前記補強層部と前記エラストマー層の外周面との間に配置されている、
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の内視鏡用チャンネルチューブ。
  6. 前記緩衝層部は、
    前記内層チューブと前記補強層部との間に配置されている内側緩衝層部と、
    前記補強層部と前記エラストマー層の外周面との間に配置されている外側緩衝層部と、
    からなる、
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の内視鏡用チャンネルチューブ。
  7. 前記内層チューブは、
    フッ素樹脂からなる
    請求項1〜5のいずれか1項に記載の内視鏡用チャンネルチューブ。
  8. 前記エラストマー層は、
    前記補強層部および前記緩衝層部に貫通し前記内層チューブの外周面と密着するように配置され、前記内層チューブに対する密着性よりも、前記第1の網状体および前記第2の網状体に対する密着性の方が低いエラストマーからなる、
    請求項3に記載の内視鏡用チャンネルチューブ。
  9. 前記エラストマーは、
    有機過酸化物架橋されたゴム、または前記有機過酸化物架橋されたゴムが分散された熱可塑性エラストマーからなる、
    請求項8に記載の内視鏡用チャンネルチューブ。
  10. 前記第1の網状体および前記第2の網状体のうちの少なくとも一方は、
    一部が前記外周面から外部に露出している、
    請求項3に記載の内視鏡用チャンネルチューブ。
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