JP2009213775A - 内視鏡用可撓管 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】帯状板を螺旋状に巻回して形成した螺管と、前記螺管の外周面を被覆するブレードと、前記ブレードの外周面を被覆する樹脂製の外皮とを有する内視鏡用可撓管であって、前記ブレードは、離型剤を付着した金属繊維と、接着剤を付着した耐熱性の樹脂繊維とが、網目状に混紡されたものであり、前記接着剤によって前記外皮に接着されていることにより、前記課題を解決する。
【選択図】図5
Description
また、金属と樹脂との化学的な結合は、水に非常に弱いため、内視鏡を、水や水蒸気等の水分が存在する状況下で使用される場合や水や消毒液や洗浄液等で洗浄される場合が多い内視鏡では、可撓管におけるブレードと外皮との接着性はすぐに低下してしまう。
また、特許文献2には、ブレードを編成する金属製ワイヤ組のうちの少なくとも1本以上の金属製ワイヤに熱可塑性樹脂からなる繊維を巻き合わせ、熱可塑性樹脂からなる繊維を溶融して、上記ブレードと外皮とを接着させた内視鏡用可撓管が開示されている。
さらに、特許文献3には、螺管(フレックス)とブレードとの間には、離型剤を介在させ、ブレードの表面に塗布したトルエンジイソシアネートをモノマーとするポリエステル系ウレタンの接着剤によってブレードと合成樹脂でなる外皮とを接着(結合)させた内視鏡用可撓管が開示されている。
しかしながら、特許文献1に開示される内視鏡用可撓管は、接着剤を用いた場合に生じる可撓管の硬化は防止できるものの、粘着剤も一般的に樹脂で生成されており、金属との結合は弱いため、ブレードと外皮との接着性の低下は、従来の内視鏡用可撓管とおよそ変わらない。
しかしながら、特許文献2に開示される内視鏡用可撓管は、上述の通り、接着剤のみを介して、ブレードと外皮とを接着させた可撓管よりは、ブレードと外皮との接着強度が、高いものの、可撓管、すなわち、内視鏡を使用していくうちに、ブレードと外皮との接着(密着性または結合性)が低下し、可撓管の剛性が低下してしまう。
図1に示す内視鏡10は、体腔(消化管、耳鼻咽喉など)等の検査部位に挿入されて、検査部位の観察、写真や動画の撮影、さらには組織の採取等を行なうものである。
この内視鏡10は、後述する本発明の内視鏡用可撓管26(以下、単に可撓管26ともいう)以外は、基本的に、公知の内視鏡(内視鏡装置)と同様のものであり、通常の内視鏡と同様に、挿入部12、操作部14、および、ユニバーサルコード18で構成される。
上記アングル部24は、操作部14の操作ノブ36または38によって、先端部22の向きを変更することが可能なように構成されている。
通常の内視鏡と同様に、鉗子を挿入するための鉗子口28、先端部22の送気/送水ノズルから吸引を行なうための吸引ボタン30および同じく送気および送水を行なうための送気/送水ボタン32等が配置される。また、前述のように、操作部14には、挿入部12のアングル部24を湾曲させるための操作手段(操作ノブ36または38)が配置される。
図2に、本発明の可撓管26の一実施例を概念的に示す。
なお、本発明の可撓管26は、好ましくは、図2に示すように、樹脂製の外皮44の外周面を被覆するコート層46を有する。
また、本発明では、ブレード42によって螺管40の外周面が被覆された状態の中空管状体を内管(中間生成物)48とする。
この場合、螺管40に付着する離型剤は、後に述べる金属繊維に付着する離型剤等、公知の離型剤を用いればよく、また、螺管40に離型剤を付着する方法も公知の方法で行なえばよい。
なお、図3は、本発明の可撓管を説明するための比較例の概略図であり、図4は、図3に示すブレードの部分拡大図である。
これに対して、本発明者は、鋭意検討した結果、経時や水分等によって容易に接着性が低下するブレードの金属部分は、外皮と接着させないようにし、水分や経時によって接着性が低下しないブレードの繊維部分だけを外皮と上述のアンカー効果により接着させることにより、ブレードと外皮との接着性が低下しない可撓管を実現できることを見出した。
このようなブレード42は、上述したように、螺管40の外周面を被覆し、螺管40と外皮44との間に位置して、可撓管26の剛性補強材としての役割を果たすものである。
さらに、本発明の可撓管26は、このようなブレード42を用いることにより、内視鏡の使用時間等の経時変化や使用環境下や洗浄環境下の水分によってブレード42と外皮44との接着性、すなわち、可撓管26の剛性が低下することが殆どないため、耐久性の高い内視鏡10を実現することができる。
なお、図5は、本発明の可撓管を詳しく説明するための模式図である。
なお、上記機能を果たすために好ましい金属繊維52と樹脂繊維50との構成比は、ブレード42の単位面積辺りの金属繊維、樹脂繊維、空間が、5:4:1の場合が挙げられる。
また、ブレード42における金属繊維52と樹脂繊維50との混紡の仕方(編み方、網目の文様)にも、特に限定はなく、可撓管26の剛性、および、樹脂繊維50と外皮44との接着によるブレード42と外皮44との接着性が、十分に確保することができるように、適宜決定すればよい。
さらに、図5に示すように、ブレード42は、可撓管26(内視鏡10)の小型化の観点や可撓管26の軽量化による操作性向上の観点や可撓管26(内視鏡10)の製造コスト抑制の観点から、一層構成であるのが好ましいが、可撓管26の剛性や出来上がりのサイズによって、適宜決定すればよい。
なお、好適な金属繊維52としては、ステンレス製の直径0.1mmのものが挙げられる。
図6に示す装置(特開2001-70235号公報に開示されている)は、案内円板122の全周部にエンドレスに、かつ、何度も交叉して蛇行するように形成される2条の案円溝123,124を有し、この各案内溝123,124に沿って半分づつ反対向きに移動する多数のボビン125…が配置され、上記各ボビン125には樹脂繊維50と金属樹脂52が複数本ずつ束ねて巻き付けられている。さらに、図6に示す装置は、プーリ127を有し、このプーリ127に駆動力を伝達する歯車機構を有する。
上記図6に示す装置は、上記各ボビン125…を図示しない移動操作機構によって上記案内溝123,124に沿って移動させながら樹脂繊維50および金属繊維52を繰り出すことにより、長尺な樹脂の円筒部材115の外周面に、ブレード42を編成する。このとき、ブレード42は、プーリ127に巻き掛け移送される。
上述のようにして編成したブレード42を、所定の長さに切断し、樹脂の円筒部材115を取り外して、筒状のブレード42を得る。
こうして、螺管40の外周面に、ブレード42を被覆させた状態の内管48を形成することができる。
外皮44を形成する樹脂には、特に限定はないが、ポリウレタン樹脂、塩化ビニール、ナイロン、ポリエステル、テフロン(登録商標)等の合成樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、フッ素系樹脂、および、これらの混合物等が、好適例として挙げられる。
上記約160℃〜180℃という温度範囲は、ポリウレタン系樹脂の接着剤54、シリコン系樹脂の離型剤56、ポリウレタン系エラストマーまたはポリエステル系エラストマーで成る外皮44を用いた場合に、ブレード42を内管48の外周面に被覆させる際に、接着剤54および離型剤56が溶融し、接着剤54が、ブレード42と螺管40とを接着させることなく、ブレード42の樹脂繊維50と外皮44とを十分に接着させ、また、離型剤56が、ブレード42の金属繊維52と外皮44とを接着させないように作用する好適な温度範囲である。
コート層46を形成する材料には、特に限定はなく、従来の可撓管26に用いられるものを用いればよく、また、その形成方法にも、特に限定はなく、公知の方法で形成すればよい。
さらに、外皮44の外周面にコート層46を被覆させる方法にも、特に限定はなく、公知の方法で行なえばよい。
12 挿入部
14 操作部
18 ユニバーサルコード
22 先端部
24 アングル部
26 内視鏡用可撓管
28 鉗子口
30 吸引ボタン
32 送気/送水ボタン
36,38 操作ノブ
40,110 螺管
42,104 ブレード
44,108 外皮
46 コート層
48 内管
50,100 金属繊維
52,102 樹脂繊維
54,106 接着剤
56 離型剤
115 円筒部材
122 案内円板
123,124 案内溝
125 ボビン
127 プーリ
128 歯車機構
Claims (5)
- 帯状板を螺旋状に巻回して形成した螺管と、
前記螺管の外周面を被覆するブレードと、
前記ブレードの外周面を被覆する樹脂製の外皮とを有する内視鏡用可撓管であって、
前記ブレードは、離型剤を付着した金属繊維と、接着剤を付着した耐熱性の樹脂繊維とが、網目状に混紡されたものであり、前記接着剤によって前記外皮に接着されていることを特徴とする内視鏡用可撓管。 - 前記ブレードを構成する前記金属繊維と前記樹脂繊維のうち、前記樹脂繊維のみが、前記接着剤を介して、前記外皮と接着している請求項1に記載の内視鏡用可撓管。
- 前記ブレードは、1層構成である請求項1または2に記載の内視鏡用可撓管。
- 前記離型剤を付着した金属繊維の重量は、前記離型剤を付着する前の金属繊維の重量と比較して、10%以上増量している請求項1〜3のいずれかに記載の内視鏡可撓管。
- 前記外皮の外周面を被覆するコート層を有する請求項1〜4に記載の内視鏡用可撓管。
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