JP5468037B2 - 内視鏡用可撓管 - Google Patents

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Description

本発明は内視鏡用可撓管に係り、特に内視鏡を長時間使用して可撓管を曲げ動作しても、可撓管を構成するネットと外皮とが剥離しにくい内視鏡用可撓管に関する。
医療分野において、内視鏡を利用した医療診断が広く行われている。特に、体腔内に挿入される内視鏡の挿入部の先端部にCCD等の撮像素子を内蔵して体腔内の画像を撮影し、プロセッサ装置で信号処理を施してモニタに画像表示し、これを医者が観察して診断に用いたり、あるいは、処置具挿通用のチャンネルから処置具を挿入して、例えばポリープの切除等の処置を施したりしている。
内視鏡は、術者が把持して操作する手元操作部と、この手元操作部に接続されて体腔内等に挿入される挿入部と、手元操作部に接続されて光源装置、プロセッサ装置に接続されるユニバーサルケーブルとによって構成されている。また、挿入部は、手元操作部から順に可撓管(軟性部ともいう)、湾曲部、及び先端硬質部から構成される。
可撓管は、螺管と、螺管の外周面を被覆するネットと、ネットの外周面を被覆する樹脂製の外皮とから構成されている。そして、ネットと外皮の内周面とを接合することにより、ネットが可撓管の剛性補強材としての役割を果たしている。
ネットは、多数本の細線を交差させて網目状に編成することによって形成され、細線としてはステンレスあるいは黄銅等の金属繊維が使用されるのが一般的である。
しかし、金属繊維で形成されたネットと樹脂製の外皮とを接着剤等により接合しても、金属と樹脂との接着性が不十分であるため、内視鏡を長時間使用しているうちに、ネットと外皮との接合性が低下する。
可撓管において、ネットと外皮との接合性が低下すると、可撓管が湾曲した際に、その湾曲した部分の内側面(凹に湾曲した面)に位置する外皮がネットから剥離して座屈が生じる。このように座屈が生じると、可撓管の軸線方向の剛性が低下するので、内視鏡の使用が不可能になることもある。
ネットと外皮との接合性を向上させる技術としては、例えば特許文献1及び特許文献2がある。特許文献1では、繊維状材を編成して形成した網管状のネットと外皮とを粘着剤を介在させて接着(接合)させることが開示されている。このように接着剤ではなく粘着剤を介在させることにより、接着剤による硬化を防止しつつ、ネットと外皮の接合性低下を防止できるとされている。
特許文献2では、ネットを編成する金属製ワイヤ束のうちの少なくとも1本以上の金属製ワイヤに熱可塑性樹脂からなる繊維を巻き合わせ、熱可塑性樹脂からなる繊維を溶融してネットと外皮とを接着させることが開示されている。これにより、巻き合わせた繊維と樹脂製の外皮とが接合されるので、金属製のネットと樹脂製の外皮との接合よりも接合性を向上できるとされている。
しかしながら、特許文献1及び2のいずれの場合にも、内視鏡の長時間使用によってネットと外皮とが剥離し易くなるという問題を充分に解決できない。
このような背景から、出願人は、特許文献3に記載されるように、離型剤を付着した金属繊維と接着剤を付着した樹脂繊維とでネットを編成することを提案している。これにより、金属繊維は離型剤が付着しており外皮に接合せず、接着剤が付着した樹脂繊維のみを外皮に接合することができるので、ネットと外皮との接合力を顕著に向上できるとされている。
特開昭59−137030号公報 特開昭61−256085号公報 特開2009−213775号公報
しかしながら、特許文献3の内視鏡用可撓管でも、長時間使用におけるネットと外皮の接合性低下を本質的に解決したとは言えず、更なる改良が要望されている。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、内視鏡を長時間使用してもネットと外皮とが剥離しにくいので、可撓管を頻繁に曲げ動作しても可撓管が座屈するという従来の問題を解決することができる内視鏡用可撓管を提供することを目的とする。
本発明の内視鏡用可撓管は、前記目的を達成するために、帯状板を螺旋状に巻回して形成した螺管の外周面を、細線を互いに交差させて網目状に編成したネットで被覆し、該ネットの外周面を樹脂製の外皮で被覆した内視鏡用可撓管において、前記細線の外周面に、前記外皮と密着し得る材料で形成された筒状体を前記細線と密着しないように被覆し、前記筒状体と前記外皮とを接合して成ることを特徴とする。
ここで、「密着し得る材料」とは、材料自体では密着しないが、表面処理により密着性を有する材料も含み、また「筒状体を細線と密着しないように被覆し」とは筒状体内で細線が軸線方向に動けることを言う。
なお、細線としては、金属線が好ましいが、金属線と同等の剛性が得られる素材であれば金属線に限らない。また、細線には、金属繊維等の繊維が束になった繊維束や、金属繊維と樹脂繊維が混紡した繊維束を使用することもできる。
本発明者は、内視鏡を長時間使用したときにネットと外皮とが剥離してしまう原因を鋭意研究した結果、ネットと外皮との接合性の強弱の問題だけでは解決できないことが分かった。即ち、内視鏡の挿入部を体腔内に挿入して診断等の処置を行う際に、体腔内への進入経路の形状に応じて可撓管は頻繁に曲げ動作(例えば湾曲状の曲げ動作)される。このため、可撓管の軸線方向に応力が生じ、この応力が曲げ動作の度に生じることでネットと外皮の剥離を促進するとの知見を得た。
本発明は、かかる知見に基づいてなされたものであり、ネットを構成する細線の外周面に、該細線と密着しないように、外皮と密着し得る材料で形成された筒状体を被覆し、この筒状体と外皮とを接合するようにした。
これにより、外皮に接合されている筒状体は外皮によって自由度が制限されているが、細線は筒状体内で細線の軸線方向に自由に動くことができるので、外皮によって自由度が制限されない。したがって、可撓管が例えば湾曲状に曲げ動作したときに、外皮の動きに追従してネットが動くことができる。これにより、ネットと外皮との間に剪断力が働かないので、ネットと外皮との剥離を効果的に抑制できる。この結果、内視鏡を長時間使用してもネットと外皮とが剥離しにくいので、可撓管を頻繁に曲げ動作しても可撓管が座屈するという従来の問題を解決することができる。
本発明においては、前記細線の表面には、前記筒状体に対して非密着性となるための表面処理が施されていることが好ましい。この表面処理としては、フッ化アルキル基を有するシランカップリング剤による処理を好適に使用することができる。
これにより、表面処理を施した細線に樹脂(材料)を被覆するだけで、内部の細線と密着しない筒状体構造を得ることができるので、細線と密着しないように被覆した筒状体を簡単に成形することができる。
本発明においては、細線の外径よりも筒状体の内径が大きいことを特徴とする。これにより、細線が筒状体に密着しないようにできる。
ここで「細線の外径よりも筒状体の内径が大きい」とは、細線の外周面が筒状体の内面と接していないという意味であって、必ずしも計測可能な寸法のみならず、細線上の極薄い表面被覆層を介して筒状体の内面と接している場合も含む。
本発明においては、細線の断面形状と筒状体の断面形状が異なることにより、細線の外面と筒状体の内面とが部分的に接することもできる。これにより、細線が筒状体に密着しないようにできる。例えば、細線の断面形状が円形であり、筒状体の断面形状が正方形である態様を好適に採用することができる。
本発明においては、前記筒状体の内面には凹凸が形成されると共に、凸部と前記細線の外周面とが接する形態をとることもできる。具体的な凹凸の態様として、筒状体内面に形成される凹凸は、該筒状体内面の周方向に環状凸部と環状凹部とが交互に形成されるか、あるいは、筒状体内面の軸線方向に直線状凸部と直線状凹部とが交互に形成されていることも好ましい。
このように、筒状体の内面に凹凸を形成することで筒状体と細線とを密着させないようにできると共に、凸部(環状凸部又は直線状凸部)が細線を支持するので、ネットの役割である可撓管の剛性を低下させることもない。
本発明においては、細線に滑り剤がコーティングされていることが好ましい。これにより、細線と筒状体との密着性を一層小さくし、細線が筒状体内で動き易くできる。
本発明においては、前記細線は、金属繊維と滑り性を有する樹脂繊維とが混紡した繊維束であってもよい。滑り性を有する樹脂繊維は例えばシリコン繊維を用いることもできる。
このように、細線を金属繊維と滑り性を有する樹脂繊維とを混紡した繊維束で形成すれば、滑り性を有する樹脂繊維が筒状体内で滑るので、細線と筒状体との密着性を一層小さくできる。
本発明の内視鏡用可撓管によれば、内視鏡を長時間使用してもネットと外皮とが剥離しにくいので、可撓管を頻繁に曲げ動作しても可撓管が座屈するという従来の問題を解決することができる。
実施の形態の内視鏡の全体構成を示した外観図 図1に示した挿入部の先端硬性部の端面を示した斜視図 図1に示した挿入部の湾曲部の断面図 図1に示した可撓管の一部破断図 ネットの部分拡大図 細線と筒状態とが密着しない態様の一例を示す概念図 細線と筒状態とが密着しない態様の他の例を示す概念図 細線を滑り剤でコーティングした概念図 ネットの細線を繊維束で構成した場合の部分拡大図 細線を繊維束で構成した場合の筒状体の説明図 可撓管を曲げ動作して湾曲させた斜視図 本発明における作用を説明する説明図
以下、添付図面に従って本発明に係る内視鏡用可撓管の好ましい実施の形態について詳説する。
図1は、実施の形態の内視鏡10の全体構成を示した外観図である。同図に示す内視鏡10は、手元操作部12と、手元操作部12に連設される挿入部14とを備える。術者は、手元操作部12を把持し、挿入部14を被検者の体内に挿入することによって観察を行う。
手元操作部12には、ユニバーサルケーブル16が接続され、ユニバーサルケーブル16の先端には不図示のライトガイド(LG)コネクタが設けられる。LGコネクタは不図示の光源装置に着脱自在に連結され、光源装置から図2の挿入部14の先端硬質部44に配設された照明光学系52、52に照明光が送られる。また、LGコネクタには、ケーブルを介して電気コネクタが接続され、電気コネクタが不図示のプロセッサに着脱自在に連結される。
更に、図1の手元操作部12には、送気・送水ボタン26、吸引ボタン28、及びシャッターボタン30が並設されると共に、一対のアングルノブ34、34が設けられる。
更にまた、手元操作部12には、鉗子挿入部38が設けられており、鉗子挿入部38が不図示の鉗子チャンネルを介して図2の先端硬質部44の鉗子口56に連通されている。したがって、鉗子等の内視鏡処置具(不図示)を鉗子挿入部38から挿入することによって内視鏡処置具を鉗子口56から導出することができる。
一方、挿入部14は図1の如く、手元操作部12に基端部が接続された可撓管40と、可撓管40の先端部に基端部が接続された湾曲部42と、湾曲部42の先端部に基端部が接続された先端硬質部44とからなる。
図2に示す先端硬質部44の先端面45には、観察光学系(観察レンズ)50、照明光学系(照明レンズ)52、52、送気・送水ノズル54、及び鉗子口56が所定の位置に設けられる。観察光学系50の後方にはCCD(不図示)が配設され、このCCDを支持する基板には信号線(不図示)が接続される。信号線は図1の挿入部14、手元操作部12、及びユニバーサルケーブル16等に挿通されて前述した電気コネクタまで延設され、プロセッサに接続される。よって、観察光学系50で取り込まれた観察像は、CCDの受光面に結像されて電気信号に変換され、この電気信号が信号線を介してプロセッサに出力され、映像信号に変換される。これにより、プロセッサに接続されたモニタに観察画像が表示される。
照明光学系52、52は、観察光学系50に隣接して設けられており、必要に応じて観察光学系50の両側に配置される。照明光学系52の後方には、ライトガイド(不図示)の出射端が配設されている。このライトガイドは、図1の挿入部14、手元操作部12、及びユニバーサルケーブル16に挿通され、ライトガイドの入射端はLGコネクタ内に配置される。したがって、LGコネクタを光源装置(不図示)に連結することによって、光源装置から照射された照明光がライトガイドを介して照明光学系52、52に伝送され、照明光学系52、52から前方の観察範囲に照射される。
送気・送水ノズル54は、図1の送気・送水ボタン26によって操作されるバルブ(不図示)に連通され、このバルブはLGコネクタに設けられた送気・送水コネクタ(不図示)に連通される。送気・送水コネクタには不図示の送気・送水手段が接続され、エア及び水が供給される。したがって、送気・送水ボタン26を操作することによって、送気・送水ノズル54からエア又は水を観察光学系50に向けて噴射することができる。
鉗子口56は、吸引ボタン28によって操作されるバルブ(不図示)に連通されており、このバルブはLGコネクタの吸引コネクタ(不図示)に接続される。したがって、吸引コネクタに不図示の吸引手段を接続し、吸引ボタン28でバルブを操作することによって、鉗子口56から病変部等を吸引することができる。
湾曲部42は、手元操作部12のアングルノブ34、34を回動することによって遠隔的に湾曲するように構成される。
図3は、湾曲部42の断面図である。なお、同図においては、湾曲部42の内部に挿通されている各種の内蔵物は省略されている。
湾曲部42は、その構造体60として、所定数のアングルリング62、62…から構成され、相隣接するアングルリング62、62を上下、左右の順に枢着ピン64で枢着した節輪構造となっている。そして、先端部のアングルリング82は先端硬質部44に連結されており、また基端部のアングルリング84は、連結リング66に連結されている。この連結リング66は、可撓管40の連結リング88と連結部90を介して連結されている。更にネット68はフッ素ゴム製の外皮70で覆われている。
湾曲部42は、図1に示した手元操作部12のアングルノブ34、34によって、遠隔操作で上下及び左右に湾曲されるものであり、このために手元操作部12から4本の操作ワイヤ72、72…(図3参照)が挿入部14内に延在されている。これら各操作ワイヤ72、72…の先端部は、湾曲部42を構成する先端部のアングルリング82に固定されている。そして、湾曲部42内では、例えば、枢着ピン64に設けた挿通孔を介して円周方向に相互に90°をなす関係を保持させている。一方、各操作ワイヤ72、72…は、可撓管40の内部では密着コイルに挿通されて、手元操作部12にまで延在される。操作ワイヤ72は、上下の対と左右の対とからなり、上下いずれか一方の操作ワイヤ72を手元操作部12側に引き込み、他方を繰り出すように操作すると、湾曲部42は上下方向に湾曲する。また、左右の対からなる操作ワイヤ72の一方を手元操作部12側に引き込み、他方を繰り出すように操作すると、湾曲部42は左右方向に湾曲する。なお、操作ワイヤ72は必ずしも上下及び左右に各一対設けなければならないのではなく、例えば上下に一対の操作ワイヤ72、72を設ける構成とすることもできる。
湾曲部42の連結リング66は、熱可塑性樹脂層の溶着によって可撓管40の先端に設けられた金属製の連結リング88に連結されている。
可撓管40は、図4の一部破断図に示すように、内側より順に可撓性を保ちながら内部を保護するフレックスと呼ばれる螺管74と、この螺管74の上に被覆されてブレードと呼ばれるネット76と、このネット76上に被覆された樹脂製の外皮80との3層で構成され、ネット76と外皮80とは接合されている。
螺管74は、ステンレス鋼等の弾性のある薄い帯状板を螺旋状に隙間を明けて巻回して形成される。図4では、一重巻きの螺管74の例で示してあるが、この外周面に接するように螺旋の向きが反対になるように巻回して二重巻きの螺管を採用することもできる。
ネット76は、図5の部分拡大図に示すように、多数本の細線(例えば金属線)77、77…を互いに交差させて網目状に編成して形成されると共に、図6及び図7に示すように、細線77の外周面には、該細線77と密着しないように筒状体85が被覆される。そして、筒状体85と上記した外皮80の内周面とが接合される。
図6(A)は、断面円形な細線77の外径よりも大きな内径の断面円形な筒状体85を、細線77に被覆させた場合である。
また、図6(B)は、断面円形な細線の外径と同じ長さを内径の一辺とする断面正方形な筒状体85を、細線77の外周面に被覆させた場合である。図6(B)によれば、細線77と筒状体85とを密着させないようにできると共に、筒状体85内面の細線の77外面に接している部分が細線を支持するので、可撓管40の剛性が低下することもない。この場合、細線77と筒状体85との関係は断面円形と断面正方形との関係に限定されず、細線77の断面形状と筒状体85の断面形状が異なることにより、細線77の外面と筒状体85の内面とが部分的に接する関係であればよい。
図7は、筒状体85の内面に凹凸を形成した場合である。そして、図7(A)は、筒状体85内面の周方向に環状凸部85Aと環状凹部85Bとが交互に形成されている場合である。また、図7(B)は、筒状体85内面の軸線方向(図7(B)の表裏方向)に直線状凸部85Cと直線状凹部85Dとが交互に形成されている場合である。
図7(A),(B)によれば、細線77と筒状体85とを密着させないようにできると共に、筒状体85の凸部85A,85Cが細線を支持するので、可撓管40の剛性が低下することもない。
なお、図示しないが、筒状体85の内面に凹凸を形成する態様としては、例えば筒状体85を形成する樹脂中にビーズ等の微粒子を含有させて、筒状体85内面の表面が微粒子により盛り上がることで凹凸を形成したり、微粒子が筒状体85内面から突出したりすることで凹凸を形成することもできる。
細線77と筒状体85とが一層密着しないようにする工夫として、図8に示すように、細線77の外周面を滑り剤83でコーティングすることが好ましい。細線77の外周面を滑り剤83でコーティングすることを、図6及び図7で示した筒状体85に適用すれば更に好ましい。
好適に用いることができる滑り剤83として、例えば、合成又は天然ワックス、シリコン化合物、R−O−SOM(但し、Rは置換又は無置換のアルキル基(CnHn+1−;nは3〜20の整数)、Mは一価の金属原子を表す)で表される化合物等が挙げられる。滑り剤83の具体例としては、セロゾール524、428、732−B、920、B−495、ハイドリンP−7、D−757、Z−7−30、E−366、F−115、D−336、D−337、ポリロンA、393、H−481、ハイミクロンG−110F、930、G−270(商品名:中京油脂(株)製)や、ケミパールW100、W200、W300、W400、W500、W950(商品名:三井化学(株)製)等のワックス系や、KF−412、413、414、393、859、8002、6001、6002、857、410、910、851、X−22−162A、X−22−161A、X−22−162C、X−22−160AS、X−22−164B、X−22−164C、X−22−170B、X−22−800、X−22−819、X−22−820、X−22−821(商品名:信越化学工業(株)製)等のシリコン系の化合物等を挙げることができる。
細線77に密着させないように筒状体85被覆する方法のより好ましい態様として次の方法を挙げることができる。即ち、細線77の表面をフッ素系の信越化学製KP-801M,.X-24-7890、Gelest社製のSIH5841.2(ヘプタデカフルオロ-1,1,2,2,-テトラヒドロデシル)トリエトキシシラン、又はSIH5841.5(ヘプタデカフルオロ-1,1,2,2,-テトラヒドロデシル)トリメトキシシランのようなフッ素系シランカップリング剤で非密着性の表面処理を施す方法を挙げることができる。
また別の好ましい態様として、細線77の表面にフッ素置換パリレン膜(SCS社製パリレンHT)を化学蒸着法で形成することにより、細線77に非密着性の処理を施す方法を挙げることもできる。
そして、この表面処理を施した細線77に外皮80と密着性を有する樹脂(材料)を被覆することにより、内部の細線77と密着しない筒状体構造を得ることができる。したがって、細線77に密着させないように筒状体85簡単に被覆することができる。
細線77に樹脂を被覆する方法は、被覆する樹脂材料の特性に応じて適宜選択して実施することができる。一例としては、被覆成型機を用いてポリエステル、ポリアミド等の熱可塑性樹脂を前記の表面処理を施した細線77の表面に被覆成型する方法が挙げられる。また別な一例としては、溶剤に高濃度で溶解した原料液から紡糸用ノズルを用いて細線77と伴に引き上げることで芯鞘構造の構造物を得る方法を行うことができる。
筒状体85の材料としては、樹脂製の外皮80と密着し得る材料(例えば樹脂材料)であればどのようなものでもよいが、アラミド樹脂を好適に使用することができる。
なお、ネット76を構成する細線77としては、図5のように1本単位のものでもよいが、図9のように繊維(例えば金属繊維、又は金属繊維と樹脂繊維の混紡)77Aを複数本(図9は6本)束ねた繊維束81を好適に使用することができる。この場合には、図10(A)に示すように、繊維77Aごとに筒状体85を被覆してもよく、図10(B)に示すように、繊維束81の全体を1つの筒状体85で被覆してもよい。図10では、筒状体85として図6(B)の断面正方形のもので示したが、これに限定されず、図6(A)及び図7(A)、(B)で示した筒状体85も適用できる。
細線77を繊維束81で構成する場合にも、繊維77Aの外周面に上記した滑り剤83をコーティングすることが好ましい。繊維77Aとしては、可撓管40に対して十分な剛性効果を発揮できるものであれば良く特に限定はなく、ネット76に使用される一般的な金属繊維を用いればよい。特に好適な金属繊維77Aとしては、ステンレス製の直径0.1mm程度のものが挙げられる。
シリコンをコーティングしないで繊維束81に滑り性を付与する方法としては、繊維束81を金属繊維と滑り性を有する樹脂繊維の混紡とすることも良い方法である。滑り性を有する樹脂繊維としては、例えばシリコン繊維がある。
細線77を構成する金属繊維とシリコン繊維との割合は、可撓管40の剛性が十分に確保することができれば、特に限定はなく、適宜決定すればよい。
また、金属繊維と樹脂繊維との混紡の仕方(編み方、網目の文様)にも、特に限定はなく、可撓管40の剛性が十分に確保することができるように、適宜決定すればよい。
外皮80は、柔軟性を有する樹脂(エラストマー)製のもので、可撓管40の内部を保護でき、かつ、内視鏡10を体内に挿入した際に、生体に影響を与えない特性を有することが必要である。したがって、この特性を備えていれば、外皮80を形成する樹脂には特に限定はないが、ポリウレタン樹脂、塩化ビニル、ナイロン、ポリエステル、テフロン(登録商標)等の合成樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、フッ素系樹脂、及び、これらの混合物を採用できる。特にポリウレタン樹脂を好適に使用することができる。この中でも特にポリウレタン系樹脂が好ましい。
螺管74、ネット76、外皮80から成る可撓管40において、ネット76を、螺管74の外周面に被覆させる方法には、特に限定はないが、一例としては、中空状(筒状)のネット76の内側に螺管74を挿入し、挿入後、螺管74とネット76との間に隙間がなくなるまで、ネット76を適当な手段で引き伸ばし、螺管74の外周面にネット76が密着するように被覆させる方法が挙げられる。こうして、螺管74の外周面に、ネット76を被覆させた状態の内管78(図4参照)を形成することができる。
外皮80を、ネット76の外周面に被覆させる方法には、特に限定はないが、一例としては、公知の押出成形機を用いて、内管78の外周面に、溶解した樹脂を均一の厚さに押し出して付着した後、直後に冷却することによって、内管78のネット76の外周面に、外皮80を直接形成する方法が挙げられる。
他の一例としては、内管78に、予め形成した中空管状の外皮80を被せ、全体に、約160℃〜180℃の温度をかけて、この熱で、ネット76のシリコン繊維77Bと樹脂製の外皮80とを熱溶着することもできる。
次に、上記の如く構成された可撓管40の作用について説明する。
図11は、内視鏡10の可撓管40が、体腔内に挿入されて湾曲状に曲げ動作した場合である。
このように可撓管40を湾曲状に曲げた場合、湾曲した可撓管40の外側40Aは可撓管40の軸線方向Sに引っ張られて引張応力が生じ、内側40Bは軸線方向Sに圧縮されて圧縮応力が生じる。しかし、従来のようなネット76と外皮80との接合では、外皮80によってネット76の動きの自由度が制限されているため、網目状にして伸縮し易い構造のネット76でありながら、外皮80の曲がりに追従してネット76が動くことができない。これにより、可撓管40を湾曲状に曲げ動作させる度にネット76と外皮80との間に剪断力が作用し、可撓管40を長時間使用しているうちにネット76と外皮80との剥離を促進する。この結果、ネット76と外皮80とが剥離すると、湾曲した部分の内側面(凹に湾曲した面)に位置する外皮80がネット76から剥離して座屈が生じる。
したがって、ネット76と外皮80とが接合されていても、ネット76の動きの自由度を充分に確保できるように接合すれば、ネット76と外皮80との剥離を抑制できる。
本発明の実施の形態では、ネット76を構成する細線77の外周面に、細線77と密着しないように、外皮80と密着し得る材料で形成された筒状体85を被覆し、この筒状体85と外皮80とを接合するようにした。
これにより、図12に示すように、外皮80に接合されている筒状体85は外皮80によって動きの自由度が制限されるが、細線77は筒状体85内で細線77の軸方向(図12の矢印方向)に動くことができる。したがって、細線77は、外皮80によって動きの自由度が制限されない。これにより、可撓管40を湾曲状に曲げ動作したときに、外皮80の曲がりに追従してネット76が動くことができるので、ネット76と外皮80との間に剪断力が働かない。この結果、ネット76と外皮80との剥離を効果的に抑制できる。
10…内視鏡、12…手元操作部、14…挿入部、16…ユニバーサルケーブル、26…送気・送水ボタン、28…吸引ボタン、30…シャッターボタン、34…アングルノブ、38…鉗子挿入部、40…可撓管、42…湾曲部、44…先端硬質部、50…観察光学系、52…照明光学系、54…送気・送水ノズル、56…鉗子口、74…螺管、76…ネット、77…細線、77A…金属繊維、77B…シリコン繊維、78…内管、79…接着剤、80…外皮、81…繊維束、83…滑り剤のコーティング層、85…筒状体、85A、85C…凸部、85B、85D…凹部、89…接着剤、S…可撓管の軸線方向

Claims (12)

  1. 帯状板を螺旋状に巻回して形成した螺管の外周面を、細線を互いに交差させて網目状に編成したネットで被覆し、該ネットの外周面を樹脂製の外皮で被覆した内視鏡用可撓管において、
    前記細線の外周面に、前記外皮と密着し得る材料で形成された筒状体を前記細線と密着しないように被覆し、前記筒状体と前記外皮とを接合して成ることを特徴とする内視鏡用可撓管。
  2. 前記細線の表面には、前記筒状体に対して非密着性となるための表面処理が施されていることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡用可撓管。
  3. 前記表面処理はフッ化アルキル基を有するシランカップリング剤による処理であることを特徴とする請求項2に記載の内視鏡用可撓管。
  4. 前記細線の外径よりも前記筒状体の内径が大きいことを特徴とする請求項1〜3の何れか1に記載の内視鏡用可撓管。
  5. 前記細線の断面形状と前記筒状体の断面形状が異なることにより、前記細線の外面と前記筒状体の内面とが部分的に接することを特徴とする請求項1〜3の何れか1に記載の内視鏡用可撓管。
  6. 前記細線の断面形状が円形であり、前記筒状体の断面形状が正方形であることを特徴とする請求項5に記載の内視鏡用可撓管。
  7. 前記筒状体の内面に凹凸が形成されていると共に、凸部と前記細線の外周面とが接することを特徴とする請求項1〜3の何れか1に記載の内視鏡用可撓管。
  8. 前記筒状体内面に形成される凹凸は、該筒状体内面の周方向に環状凸部と環状凹部とが交互に形成されて成ることを特徴とする請求項7に記載の内視鏡用可撓管。
  9. 前記筒状体内面に形成される凹凸は、該筒状体内面の軸線方向に直線状凸部と直線状凹部とが交互に形成されて成ることを特徴とする請求項7に記載の内視鏡用可撓管。
  10. 前記細線に滑り剤がコーティングされていることを特徴とする請求項1〜9の何れか1に記載の内視鏡用可撓管。
  11. 前記細線は、金属繊維と滑り性を有する樹脂繊維とが混紡した繊維束であることを特徴とする請求項1〜10の何れか1に記載の内視鏡用可撓管。
  12. 前記滑り性を有する樹脂繊維はシリコン繊維であることを特徴とする請求項11に記載の内視鏡用可撓管。
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