JP5026316B2 - 内視鏡用可撓管 - Google Patents

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Description

本発明は、医療用等に用いられる内視鏡用可撓管に関し、詳しくは、耐久性の高い内視鏡用可撓管に関する。
従来、人体等の生体内に挿入され、臓器の診断や治療、標本の採取等に使用される内視鏡の(内視鏡用)可撓管は、薄い帯状の板を螺旋状に巻回した螺管(フレックス)と、この螺管の外周面を被覆するブレード(ネット)と、このブレードの外周面を被覆する樹脂製の外皮とからなる。
上述のように構成されている従来の内視鏡用可撓管(以下、単に、可撓管ともいう)において、ブレードは、上述の通り、螺管と外皮との間に位置し、外皮の内周面に接着することにより、可撓管の剛性補強材としての役割を果たしている。すなわち、ブレードは、可撓管にブレードを用いない場合に比べて、すなわち、螺管を被覆するものが外皮のみである場合と比べて、可撓管の剛性を増強させている。
このようなブレードは、一般的に、ステンレスあるいは黄銅等の金属繊維を編成することにより形成されている。そのため、例えば、押出成形等の通常の形成方法で、ブレードの外周面に、一般的な樹脂製の外皮を形成した場合、元来、金属と樹脂との化学的な結合は、分子間力による弱い結合のみであるので、内視鏡を使用しているうちに、可撓管のブレードと外皮との接着性(密着性または結合性)が低下してしまうことが多々ある。
また、金属と樹脂との化学的な結合は、水に非常に弱いため、内視鏡を、水や水蒸気等の水分が存在する状況下で使用される場合や水や消毒液や洗浄液等で洗浄される場合が覆い内視鏡では、可撓管におけるブレードと外皮との接着性はすぐに低下してしまう。
可撓管において、上述のようにして、ブレードと外皮との接着性が低下してしまうと、可撓管に対するブレードの剛性補強材としての機能が低下し、可撓管の剛性低下を引き起こし、内視鏡の使用に支障を来たすことが多い。さらには、可撓管おいて、上述のようにして、ブレードと外皮との接着性が低下してしまうと、ブレードと外皮とが剥離し、可撓管に座屈が生じ、内視鏡の使用が不可能になることがある。
これに対して、特許文献1には、粘着剤を介在させて、繊維状材を編成して形成した網管状のブレードと外皮(外皮チューブ)とを接着(接合)させた内視鏡用可撓管が開示されている。
また、特許文献2には、ブレードを編成する金属製ワイヤ組のうちの少なくとも1本以上の金属製ワイヤに熱可塑性樹脂からなる繊維を巻き合わせてブレードを有し、熱可塑性樹脂からなる繊維を溶融して、上記ブレードと外皮とを接着させた内視鏡用可撓管が開示されている。
さらに、特許文献3には、螺管(フレックス)とブレードとの間には、離型剤を介在させ、ブレードの表面に塗布したトルエンジイソシアネートをモノマーとするポリエステル系ウレタンの接着剤によってブレードと合成樹脂でなる外皮とを接着(結合)させた内視鏡用可撓管が開示されている。
特開昭59−137030号公報 特開昭61−256085号公報 特開昭61−46923号公報
特許文献1に開示される内視鏡用可撓管は、粘着剤によって、ブレードと外皮とが接着されているので、接着剤を用いた場合に生じる可撓管の硬化を防止しつつ、可撓管におけるブレードと外皮との剥離、すなわち、接着性の低下を防止することができる。
しかしながら、特許文献1に開示される内視鏡用可撓管は、接着剤を用いた場合に生じる可撓管の硬化は防止できるものの、粘着剤も一般的に樹脂で生成されており、金属との結合は弱いため、ブレードと外皮との接着性の低下は、従来の内視鏡用可撓管とおよそ変わらない。
また、特許文献2に開示される内視鏡用可撓管は、熱可塑性樹脂からなる繊維でブレードの一部が構成されているため、ブレードと接着剤の役割をする繊維とは物理的な力で結びつき、さらに、繊維が溶融することによって、ブレードと外皮とが接着されるので、接着剤のみで、ブレードと外皮とを接着(密着)させた可撓管よりは、ブレードと外皮との接着強度(密着強度または結合強度)高いと考えられる。
しかしながら、特許文献2に開示される内視鏡用可撓管は、上述の通り、接着剤のみを介して、ブレードと外皮とを接着させた可撓管よりは、ブレードと外皮との接着強度が、高いものの、可撓管、すなわち、内視鏡を使用していくうちに、ブレードと外皮との接着性(密着性または結合性)が低下し、可撓管の剛性が低下してしまう。
また、特許文献3に開示される内視鏡用可撓管は、トルエンジイソシアネートをモノマーとするポリエステル系ウレタンの接着剤によって、ブレードと外皮とが接着されているので、従来の接着剤を用いた可撓管よりもブレードと外皮との接着は強いものの、基本的には、樹脂でなる接着剤によって、ブレードと外皮と接着しているため、従来の接着剤を用いた可撓管よりも耐久時間は長いとしても、最終的には、ブレードと外皮との接着性が低下してしまう。
本発明の目的は、内視鏡を使用し続けても、内視鏡の使用時間等の経時や内視鏡の使用環境(洗浄環境も含む)下における水分によって、可撓管におけるブレードと外皮との接着性が低下することのない耐久性の高い内視鏡用可撓管を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は、帯状板を螺旋状に巻回して形成した螺管と、前記螺管の外周面を被覆するブレードと、前記ブレードの外周面を被覆する樹脂製の外皮とを有する内視鏡用可撓管であって、前記ブレードは、第1の樹脂繊維からなり、前記螺管の外周面を被覆する内層として形成される樹脂繊維層と、金属繊維からなり、前記樹脂繊維層の外側に外層として形成される金属繊維層とが、第2の樹脂繊維によって結びつけられた2層構造を有し、前記外皮は、その内部に前記ブレードの前記金属繊維層の前記金属繊維を含み、前記ブレードの前記樹脂繊維層は、少なくとも前記外皮に被覆される外周面に接着剤が付着されており、前記外皮に前記接着剤を介して接着されていることを特徴とする内視鏡用可撓管を提供するものである。
本発明においては、前記金属繊維の直径は、前記第1の樹脂繊維の直径より大きいのが好ましい。
また、本発明においては、前記金属樹脂層および前記樹脂繊維層は、共に、網目状であるのが好ましい。
また、本発明においては、前記樹脂繊維層の前記第1の樹脂繊維および前記第2の樹脂繊維は、耐熱性の樹脂繊維であるのが好ましい。
また、本発明においては、さらに、前記外皮の外周面を被覆するコート層を有するのが好ましい。
本発明によれば、上記構成を有することにより、内視鏡の使用時間等の経時や使用環境(洗浄環境も含む)下の水分によるブレードと外皮との接着性(密着性または結合性)の低下、すなわち、内視鏡用可撓管の剛性の低下が殆ど起こらない内視鏡用可撓管を提供することができ、さらに、このような内視鏡用可撓管を用いることにより、長時間使用しても、可撓管の座屈を引き起こすことがなくなるので、内視鏡操作中の不具合が大幅に抑制され、耐久性、コストパフォーマンス、および安全性の高い内視鏡を実現することができる。
以下、本発明の内視鏡用可撓管について、添付の図面に示される好適実施例を基に、詳細に説明する。
図1に、本発明の内視鏡用可撓管を用いる内視鏡の一例の概略図を示す。
図1に示す内視鏡10は、体腔(消化管、耳鼻咽喉など)等の検査部位に挿入されて、検査部位の観察、写真や動画の撮影、さらには組織の採取等を行なうものである。
この内視鏡10は、後述する本発明の内視鏡用可撓管26(以下、単に可撓管26ともいう)以外は、基本的に、公知の内視鏡(内視鏡装置)と同様のものであり、通常の内視鏡と同様に、挿入部12、操作部14、および、ユニバーサルコード18で構成される。
挿入部12は、体腔内等の検査部位に挿入される、長尺な部位で、先端(挿入側の先端=操作部14と逆端)の先端部22と、アングル部(湾曲部)24と、後述する本発明の可撓管26とを有し、本発明の可撓管26の先端にアングル部24を介して先端部22を連結して構成される。
上記アングル部24は、操作部14の操作ノブ36または38によって、先端部22の向きを変更することが可能なように構成されている。
操作部14は、内視鏡10の操作を行なう部位である。
通常の内視鏡と同様に、鉗子を挿入するための鉗子口28、先端部22の送気/送水ノズルから吸引を行なうための吸引ボタン30および同じく送気および送水を行なうための送気/送水ボタン32等が配置される。また、前述のように、操作部14には、挿入部12のアングル部24を湾曲させるための操作手段(操作ノブ36または38)が配置される。
ユニバーサルコード(LG軟性部)18は、操作部18と送水手段、送気手段、吸引手段等と、内視鏡10を接続するためのコネクタ(図示せず)を接続する部位である。
また、図1に示す内視鏡10内には、図示しない検査部位の照明を行なうためライトガイド、送気/送水ノズルに接続する送気/送水チャンネル、鉗子を挿入するための鉗子チャンネル、検査部位の撮影を行なうためのケーブル(観察用のイメージガイド)等の内蔵物が挿入されている。
前述のように、本発明の可撓管26は、アングル部24を介して先端部22と連結するように構成され、先端部22およびアングル部24と、操作部14とを繋ぐ部位で、検査部位への挿入に対して十分な可撓性を有する長尺なものであり、前記ライトガイド、送気/送水チャンネル、鉗子チャンネル、ケーブル等が収容されるものである。
図2に、本発明の可撓管26の一実施例を概念的に示す。
本発明の可撓管26は、帯状板を螺旋状に巻回して形成した螺管(フレックス)40と、螺管40の外周面を被覆するブレード42と、ブレード42の外周面を被覆する樹脂製の外皮44とで構成され、ブレード42は、樹脂繊維50からなり、螺管40の外周面を被覆する内層として形成される樹脂繊維層43と、金属繊維52からなり、樹脂繊維層43の外側に外層として形成される金属繊維層41とが、編成樹脂繊維58によって結びつけられた2層構造を有し、外皮44は、その内部に、ブレード42の金属繊維層43の金属繊維52を含み、ブレード42の樹脂繊維層43が、少なくとも外皮44に被覆される外周面に接着剤が付着されており、外皮44に接着剤を介して接着されているものである。
ここで、樹脂繊維50および編成樹脂繊維58は、耐熱性の樹脂繊維であるのが好ましい。
なお、本発明の可撓管26は、好ましくは、図2に示すように、樹脂製の外皮44の外周面を被覆するコート層46を有する。
また、本発明では、ブレード42によって螺管40の外周面が被覆された状態の中空管状体を内管(中間生成物)48とする。
螺管40には、特に限定はなく、上述のライトガイド、送気/送水チャンネル、鉗子チャンネル、ケーブル等を収容および保護することができるものであれば、内視鏡10の可撓管26に一般的に使用されているものを用いればよい。
なお、必要に応じて、離型剤を付着させた螺管40を用いてもよい。
この場合、螺管40に付着させる離型剤は、公知の離型剤を用いればよく、また、螺管40に離型剤を付着させる方法も公知の方法で行なえばよい。
ここで、本発明においては、ブレード42は、樹脂繊維50からなり、螺管40の外周面を被覆する内層として形成される樹脂繊維層43と、金属繊維52からなり、樹脂繊維層43の外側に外層として形成される金属繊維層41とが、編成樹脂繊維58によって結びつけられた2層構造を有し、ブレード42の樹脂繊維層43が、少なくとも外皮44に被覆される外周面に接着剤が付着されているものを用いる。
ところで、例えば、特許文献2では、ブレードを構成する金属繊維(金属製ワイヤ)に熱可塑性樹脂からなる繊維を巻き合せたブレードを用い、熱可塑性樹脂を溶融して、ブレードと外皮とを接着させてなる可撓管が開示されている。
また、本発明者は、従来の可撓管に代わるものとして、図3(図4)に示すような金属繊維100と樹脂繊維102とを混紡したブレード104を有し、図4に示すように、ブレード104全体に接着剤106を塗布し、接着剤106によって、ブレード104と外皮108と接着させた可撓管を考案した。
なお、図3は、本発明の可撓管を説明するための比較例の概略図であり、図4は、図3に示すブレードの部分拡大図である。
前述したように、元来、金属と樹脂との結合は、分子間力のみで結びつく非常に弱い結合であり、特に、水や水蒸気等の水分に弱いため、内視鏡の使用時間等の経時変化や使用環境下や洗浄環境下の水分によって、金属製のブレードと樹脂製の外皮との接着性(密着性または結合性)が低下してしまう。また、金属製のブレードと樹脂製の外皮との接着性を高めるために、接着剤を用いたとしても、接着剤も一般的に樹脂で生成されているため、金属製のブレードと接着剤との接着性も弱く、ブレードと外皮とを十分に接着させるには不十分であり、内視鏡の使用に伴い、金属製のブレードと樹脂製の外皮との接着性は低下してしまう。
このような場合と比較して、上述の特許文献2に開示される可撓管は、上述のようなブレードを有することにより、接着剤の役割を果たす樹脂繊維と金属繊維とが、物理的に結びつくため、接着剤と金属繊維との結びつきが強固になり、さらに、これによって、ブレードと外皮との接着が強固になり、金属製のブレードと樹脂製の外皮とを接着剤のみを介して接着させた可撓管よりもブレードと外皮との接着性の低下が少ないと考えられる。
また、上述の本発明者が考案した図3(図4)に示すような金属繊維100と樹脂繊維102とを混紡したブレード104を用いた可撓管は、元来、樹脂と樹脂との接着は、硬度の低い樹脂が、硬化している樹脂の表面の空隙に浸入硬化し、釘またはくさびのような働きをするアンカー効果によって、経時や水分等の影響を受けることなく強固に結びつくため、金属製のブレードと樹脂製の外皮とを接着剤のみを介して接着させた可撓管と比較すると、ブレードと外皮との接着力の低下が少ないと考えられる。
しかしながら、いずれの可撓管も、金属製のブレードと樹脂製の外皮とを接着剤を介して接着させた可撓管と比べると、可撓管におけるブレードと外皮との接着性の低下が少ないものの、内視鏡の使用時間等の経時変化や使用環境下や洗浄環境下の水分によって、ブレードと外皮との接着性が低下し、可撓管の剛性が低下してしまうという問題を解消できなかった。
そこで、本発明者は、熱を加えて接着剤を溶融し、この接着剤を介して、ブレードと外皮とを接着させていた従来の可撓管の製造方法で製造された可撓管を検討したところ、ブレードの金属部分(金属繊維)と外皮も、ブレードの樹脂部分(樹脂繊維)と外皮との接着性と比較すると弱いものではあるが接着しており、このブレードの金属部分と外皮との接着が、可撓管製造直後のブレードと外皮との接着強度に含まれていることを見出し、これによって、樹脂繊維を用いた場合でも、ブレードと外皮との接着性の低下が生じることを知見した。
これに対して、本発明者は、鋭意検討した結果、経時や水分等によって容易に接着性が低下するブレードの金属部分は、外皮と接着させないようにし、水分や経時によって接着性が低下しないブレードの繊維部分だけを外皮と上述のアンカー効果により接着させることにより、ブレードと外皮との接着性が低下しない可撓管を実現できることを見出した。
そこで、本発明の可撓管26においては、上述したように、また、図5(図2)に示すように、ブレード42は、 ここで、本発明においては、ブレード42は、樹脂繊維50からなり、螺管40の外周面を被覆する内層として形成される樹脂繊維層43と、金属繊維52からなり、樹脂繊維層43の外側に外層として形成される金属繊維層41とが、編成樹脂繊維58によって結びつけられた2層構造を有し、ブレード42の樹脂繊維層43が、少なくとも外皮44に被覆される外周面に接着剤が付着されているものを用いる。
なお、図5は、本発明の可撓管26の長尺方向の部分断面図を示し、本発明の可撓管26を詳しく説明するために用いる。
ブレード42を構成する樹脂繊維層43は、樹脂繊維50からなり、螺管40の外周面を被覆するブレード42を構成する2層のうちの内層として形成され、少なくとも外皮44に被覆される外周面に接着剤が付着されているものであれば、本発明においては、特に限定はなく、外周面以外の部分にも、接着剤54が付着されているものであってもよい。
図5においては、樹脂繊維層43は、単位面積当り、約100%の樹脂繊維50で構成されているが、本発明において、樹脂繊維層43における単位面積当りの樹脂繊維50の密度には、特に限定はなく、接着剤54を介して、外皮44と強固に接着することができれば、適宜、空間を設けてもよい。
樹脂繊維50は、可撓管26製造時にかけられる熱に対して、十分な耐熱性を有するものが好ましいが、特に限定はなく、ブレード42に使用される一般的な耐熱性の樹脂繊維を用いればよい。
なお、必要に応じて、接着剤54が付着された樹脂繊維50を用いてもよい。
この場合、接着剤54が付着された樹脂繊維50で形成した樹脂繊維層43と外皮44とが、接着剤54を介して、強固に接着できるように、接着剤54を付着させた樹脂繊維50の重量が、接着剤54を付着させる前の樹脂繊維50の重量と比較して、好ましくは、約10%以上、増量するように接着剤54を付着させた樹脂繊維50を用いるのがよい。
樹脂繊維50に接着剤54を付着させる方法は、公知の含浸法等を好適に用いればよく、具体的な方法としては、接着剤54が満たされた槽中に樹脂繊維50を浸漬し、所定時間浸漬した後、樹脂繊維50を槽から引き上げ、溶剤を乾燥させる方法が挙げられる。
樹脂繊維層43に付着される接着剤54は、内視鏡10を使用するにあたって、ブレード42と外皮44との接着性が低下することがないように、樹脂繊維層43と外皮44とを十分に接着させることができるものであれば、本発明においては、特に限定はないが、好ましくは、ポリエステル系樹脂やポリスチレン系樹脂、さらに、好ましくは、熱可塑性ポリウレタン系エラストマーで形成れた外皮44と接着性の良いポリウレタン系樹脂が、好適に例示される。
ブレード42を構成する金属繊維層41は、可撓管26の剛性および内視鏡10のCCD(charge-coupled device)に対するシールド性を高めるために用いられ、金属繊維52からなり、樹脂繊維層43の外側に外層として形成されるものであれば、本発明においては、特に限定はなく、可撓管の剛性補強のために一般的に用いられる金属繊維で構成したものを用いればよい。
図5においては、金属繊維層41は、単位面積当り、約50%の金属繊維52と約50%の空間とで構成されているが、本発明において、金属繊維層41における単位面積当りの金属繊維52の密度には、特に限定はなく、金属繊維52が接着剤54と接触しないように、樹脂繊維50と金属繊維52との接触面積を限りなく小さくすることが可能で、かつ、可撓管26の剛性を十分に確保することができる密度が好ましく、さらには、内視鏡10のCCDに対するシールド性を十分に確保することができる密度が好ましい。
なお、可撓管26の剛性および内視鏡10のCCDに対するシールド性を十分に保つためには、金属繊維層41における単位面積当りの金属繊維52の密度は、30%以上、さらには、50%以上であるのが好ましい。
金属繊維52は、可撓管26に対して十分な剛性効果を発揮できるものであれば、特に限定はなく、ブレード42に使用される一般的な金属繊維を用いればよい。
ここで、本発明において、金属繊維52は、金属繊維52が接着剤54と接触しないように、樹脂繊維50との接触面積を限りなく小さくするために、ブレード42の形成に用いる数を少なくしつつも、可撓管26の剛性を十分に保たなければならないので、金属繊維52の太さを、樹脂繊維50の太さよりも太くするのが好ましい。
なお、好適な金属繊維52としては、ステンレス製の直径約0.2mmのものが挙げられる。
編成樹脂繊維58は、本発明において、耐熱性を有するものが好ましいが、金属繊維層41と樹脂繊維層43とを物理的に強固に結びつける強度を有するものであれば、特に限定はなく、樹脂繊維50と同様の樹脂繊維を用いてもよいし、異なる樹脂繊維を用いてもよい。
ただし、編成樹脂繊維58は、金属繊維層41と樹脂繊維層43とを結びつけるために用いられるものなので、金属繊維層41および樹脂繊維層43の形状を崩さずに、この2層を結びつけることができるように、樹脂繊維50よりも細いものを用いるのが好ましい。
なお、ブレード42と外皮44とを十分に接着させるために、必要に応じて、接着剤54を付着させた編成樹脂繊維58を用いてもよい。
また、樹脂繊維層43と金属繊維層41とを結びつける構成においては、図5に示すように、1本の金属繊維52と、1本の樹脂繊維50を、編成樹脂繊維58によって結びつける構成に限定する必要はないく、1本の金属繊維52と、複数本の樹脂繊維50を、結びつけても良いが、本発明の可撓管26においては、金属繊維52が接着剤54と接触しないように、樹脂繊維50と金属繊維52との接触面積を限りなく小さくするために、この構成が好ましい。
ブレード42を形成する方法は、樹脂繊維50からなり、螺管40の外周面を被覆する内層として形成される樹脂繊維層43と、金属繊維52からなり、樹脂繊維層43の外側に外層として形成される金属繊維層41とが、編成樹脂繊維58によって結びつけられた2層構造を有するもの形成することができれば、特に限定はないが、一例としては、図6に示すような装置を用いても良い。
図6に、本発明に係るブレード42を形成する際に用いる編み組み装置の一例の概念図を示す。
図6に示す装置は、案内円板70の全周部の外側に、エンドレスに、かつ、何度も交差して蛇行するように形成される2条の案内溝72,74を有し、案内円板70の全周部の内側に、同様に形成される2条の案内溝76,78を有し、また、外側の案内溝72,74と内側の案内溝76,78とを交差しつつ円を描くように案内円板70上に形成される1条の案内溝80を有する。
案内円板70には、外側の案内溝72,74と内側の案内溝76,78に沿って、半数は、時計回りの方向に、残りの半数は、半時計回りの方向に移動する多数のボビン82が配置される。
なお、図示例では、外側の案内溝72,74にも、内側の案内溝76,78にも、4個ずつしかボビン82が配置されていないが、編組みに用いられる繊維の本数によって、適宜、配置される。
さらに、案内円板70には、円形の案内溝80に沿って、1方向に移動するボビン82が配置される。
内側の案内溝72,74に配置されたボビン82には、樹脂繊維50が、外側の案内溝76,78に配置されたボビン82には、金属繊維52が、円形の案内溝80に配置されたボビン82には、編成樹脂繊維58が巻きつけられる。
また、案内円板70の中央部には、外周面にブレード42を形成する樹脂製の円筒部材を挿入する挿入孔86が設けられている。
なお、図6に示す装置は、図が煩雑になるのを回避するために、円形の案内溝80の個数が2つしか描かれておらず、また、樹脂繊維50および金属繊維52は、各4本ずつしか描いていないが、形成するブレード42に応じて、夫々、適切な個数有しているものとする。
上述のような図6に示す装置は、内側の案内溝76,78に配置されたボビン82を移動操作機構(図示せず)によって、案内溝76,78に沿って移動させながら樹脂繊維50を繰り出すことにより、長尺な樹脂の円筒部材84の外周面に、樹脂繊維層43を編成し、他方、外側の案内溝72,74に配置されたボビン82を移動操作機構(図示せず)によって、案内溝76,78に沿って移動させながら金属繊維50を繰り出すことにより、樹脂繊維層43の外周面に、金属繊維層41を編成する。
さらに、図6に示す装置は、上述のようにして、樹脂繊維層43および金属繊維層41を形成する際に、円形の案内溝80に配置されたボビン82を移動操作機構(図示せず)によって、案内溝80に沿って移動させながら編成樹脂繊維58を繰り出すことにより、編成樹脂繊維58が、樹脂繊維50と金属繊維52とを編組みし、樹脂繊維層43と金属繊維層41とを結びつける。
なお、円形の案内溝80に配置されたボビン82は、編成樹脂繊維58によって、樹脂繊維50と金属繊維52とを編組みする時以外は、内側の案内溝76,78に移動し、樹脂繊維層43の形成を行い、樹脂繊維50と金属繊維52とを編組みする時は、円形の案内溝80に移動し、樹脂繊維層43と金属繊維層41とを結びつける。
上記のようにして、図6に示す装置は、編成樹脂繊維58によって結びつけられている内層が樹脂繊維層43で、外層が金属繊維層41のブレード42を編成する。
上述のようにして編成したブレード42を、所定の長さに切断し、樹脂製の円筒部材84を取り外して、本発明の可撓管26に用いる筒状のブレード42を得る。
また、ブレード42を形成する別の方法としては、金属繊維層41と樹脂繊維層43とを別々に形成し、金属繊維層41が樹脂繊維層43の外層となるように重ね合わせて、編成樹脂繊維58を用いて、樹脂繊維層43と金属繊維層41とを結びつける方法が挙げられる。
具体的には、図6に示す装置と類似の装置を用いて、中空状の金属繊維層41と中空状の樹脂繊維層43とを、別々に形成し、金属繊維層41の内側に、樹脂繊維層43を挿入し、適当な手段を用いて、編成樹脂繊維58によって、樹脂繊維層43と金属繊維層41とを結びつけて、ブレード42を形成する方法が例示される。
なお、本発明における樹脂繊維層43は、上述の通り、少なくとも外周面に、接着剤54が付着されているものであればよく、樹脂繊維層43に接着剤54を付着させる方法には限定はないが、接着剤54を予め付着させた樹脂繊維50を用いて樹脂繊維層43を形成する場合以外は、樹脂繊維層43を形成した後に、少なくとも、樹脂繊維層43の外周面には、接着剤54を付着させなければならない。
樹脂繊維層43に接着剤54を付着させるタイミングについても、特に限定はなく、樹脂繊維層43と金属繊維層41とを結びつけた後に、ディップ形成法等の適切な塗布法によって、樹脂繊維層43の少なくとも外周面、あるいは、樹脂繊維層43全体に、接着剤54を付着させてもよいし、樹脂繊維層43と金属繊維層41とを結びつける前に、同じくディップ形成法等の適切な塗布法によって、樹脂繊維層43の少なくとも外周面、あるいは、樹脂繊維層43全体に、接着剤54を付着させてもよい。
具体的には、樹脂繊維層43または樹脂繊維層43と金属繊維層41とを結びつけたものを、接着剤54が満たされた容器中に通すと同時に、容器の出口で樹脂繊維層43の外径とほぼ等しい内径を有する孔中を通し、余分な接着剤54を掻き落とし、所定の温度および雰囲気の条件下で、接着剤54の溶剤を蒸発させて、樹脂繊維層43全体に接着剤54を付着させる方法が挙げられる。
なお、接着剤を予め付着させた樹脂繊維50を用いて樹脂繊維層43を形成した場合も、樹脂繊維層43形成後に、上述のような方法で、さらに、接着剤54を付着させてもよい。
本発明において、ブレード42を、螺管40の外周面に被覆させる方法には、特に限定はないが、一例としては、中空状(筒状)のブレード42の内側に螺管40を挿入し、挿入後、螺管40とブレード42との間に隙間がなくなるまで、ブレード42を適当な手段で引張して引き伸ばし、螺管40の外周面にブレード42が密着するように被覆させる方法が挙げられる。
こうして、螺管40の外周面に、ブレード42を被覆させた状態の内管48を形成することができる。
なお、上記実施形態においては、ブレード42を樹脂製の円筒部材84の外周面に形成し、このブレード42を螺管40の外周面に被覆させて、内管48を得たが、本発明においては、例えば、図6に示す装置を用いて、円筒部材84の代わりに、螺管40の外周面に、直接、ブレード42を形成し、内管48を形成してもよい。
外皮44は、樹脂製で、その内部にブレード42の金属繊維層41の金属繊維52を含むもので、かつ、可撓管の内部を保護でき、内視鏡10を体内に挿入した際に、生体に影響を与えないものであれば、特に限定はない。
なお、外皮44は、図5に示すように、樹脂繊維50を外皮44の内部に含むことなく、後に述べる、外皮44の被覆の際に、接着剤54が金属繊維42に付かないように、金属繊維52のほぼ全体(樹脂繊維50との接触点以外の部分)を含むのが好ましい。
外皮44を形成する樹脂にも、特に限定はないが、ポリウレタン樹脂、塩化ビニール、ナイロン、ポリエステル、テフロン(登録商標)等の合成樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、フッ素系樹脂、および、これらの混合物等が、好適例として挙げられる。
外皮44の形成方法には、特に限定はなく、例えば、公知の押出成形機を用いて、内管48の金属繊維層41の金属繊維52を内部に食い込ませるように、強い圧力をかけて、溶解した樹脂を押し出して付着させた後、直後に冷却することによって、図5に示すように、金属繊維52のほぼ全体を内部に食い込ませて、内管48のブレード42の外周面に、外皮44を直接形成する方法が挙げられる。
上記のようにして、接着剤54が、金属繊維52に付着しないように、樹脂繊維50と接触している部分以外の金属繊維52のほぼ全体を、外皮44の内側に含むように食い込ませて、外皮44でブレード42を被覆することにより、図5に示すように、樹脂繊維層43のほぼ全面が、接着剤54によって、外皮44と強固に接着する。
なお、外皮44を内管48の外周面に被覆させた際に、接着剤56によって、螺管40の外周面とブレード42とが接着した場合には、指で揉み解す等して、螺管40とブレード42との接着を剥がせばよい。
上述のように、いずれの方法で形成された場合であっても、本発明の可撓管26は、金属繊維50は、接着剤54と殆ど接触することなく、樹脂繊維層43のほぼ全面が、接着剤54を介して、外皮44と強固に接着しているため、ブレード42と外皮44とを接着させる結合の中に、経時や水分の影響を受けて接着性(密着性)が低下する結合が殆どなくなる。
また、本発明において、金属繊維層41は、編成樹脂繊維58によって、樹脂繊維層43と強固に結びついているため、樹脂繊維層43と金属繊維層41とが剥離することがなく、金属繊維層41が、外皮44(可撓管26)の剛性補強材としての役割を十分に果たすことができる。
すなわち、上記構成を有する本発明の可撓管26は、内視鏡の使用時間や使用環境下の水分等によって、グレード42と外皮44との接着性が低下することがなくなり、すなわち、可撓管26の剛性が低下しない、耐久性の高い内視鏡10を提供することができる。
本発明において、コート層46は、非粘着性の層であり、外皮44を保護し、かつ、内視鏡10の外表面部分に体腔内汚物等が付着することを防止し、内視鏡10の薬品に対する耐性を高め、さらに、患者の体腔内に挿入される可撓管26の滑り性を高めるためのものである。
コート層46を形成する材料には、特に限定はなく、従来の可撓管26に用いられているものを用いればよく、また、その形成方法にも、特に限定はなく、公知の方法で形成すればよい。
さらに、外皮44の外周面にコート層46を被覆させる方法にも、特に限定はなく、公知の方法で行なえばよい。
次に、図7に、図2とは別の本発明の可撓管の一例を概念的に示す。
また、図8には、図7に示す可撓管の長尺方向の断面図の部分拡大図を示す。
図7に示す可撓管90は、可撓管26と同様に、螺管40と、螺管40の外周面を被覆するブレード42と、ブレード42の外周面を被覆する外皮44と、好ましくは、外皮44を被覆するコート層46とを有し、ブレード42は、螺管40の外周面を被覆し、樹脂繊維50からなり、螺管40の外周面を被覆する内層として形成される樹脂繊維層43と、金属繊維52からなり、樹脂繊維層43の外側に外層として形成される金属繊維層41とが、編成樹脂繊維58によって結びつけられた2層構造を有し、外皮44は、ブレード42の金属繊維層41の金属繊維52を完全に含み、ブレード42の樹脂繊維層43は、少なくとも外皮44に被覆される外周面に接着剤が付着されており、外皮44に接着剤を介して接着されているものである。
なお、本発明の可撓管90においては、上述の本発明の可撓管26と比較して、ブレード42の樹脂繊維層43と金属繊維層41とが離間していることと、外皮44が金属繊維52を完全に内部に含んでいること以外は、本発明の可撓管26と同様に構成されているので、同一部材には同一の符号を付し、説明が煩雑になるため、ここでは、異なる構成についてのみ、説明する。
本発明の可撓管90では、ブレード42は、上述の通り、樹脂繊維層43と金属繊維層41とが離間した状態で、編成樹脂繊維58によって結びつけられたものである。
図8に示す可撓管90において、金属繊維層41は、単位面積当り、約40%の金属繊維52と約60%の空間とで構成されているが、金属繊維層41の単位面積当りの金属繊維52の密度については、特に限定はない。
本実施形態においては、金属繊維52は、外皮44の内部に完全に含まれているため、金属繊維52が樹脂繊維50と接触することはなく、可撓管26のように、樹脂繊維50と金属繊維52との接触面積を考慮する必要はなくなる。そのため、金属繊維層41の単位面積当りの金属繊維52の密度は、可撓管26の剛性を十分に確保することができるか、または、内視鏡10のCCDに対するシールド性を十分に確保することができるか等を考慮して、適宜、決定すればよい。
なお、可撓管26の剛性および内視鏡10のCCDに対するシールド性を十分に保つためには、金属繊維層41における単位面積当りの金属繊維52の密度は、30%以上、さらには、50%以上であるのが好ましい。
図8に示す可撓管90においては、上述の通り、金属繊維52が、樹脂繊維50と接触することがないことから、可撓管26のように、金属繊維52と樹脂繊維50との接触面積を考慮する必要はないので、金属繊維52の太さは、金属繊維層41形成に用いる金属樹脂42の数や可撓管26に対する剛性効果等で、適宜、決定すればよい。
なお、可撓管90における、好適な金属繊維52としては、ステンレス製の直径0.1mmのものが挙げられる。
なお、図8に示す可撓管90においても、樹脂繊維層43と金属繊維層41とを結びつける構成は、1本の金属繊維52と、1本の樹脂繊維50を、編成樹脂繊維58によって結びつける構成としているが、この構成に限定されず、本実施形態は、上記の通り、本発明の可撓管26のように、可撓管26のように、樹脂繊維50と金属繊維52との接触面積を限りなく小さくすることを考慮する必要はないので、金属繊維層41と樹脂繊維層43とが十分な強度で結びつくことができれば、どのような構成でもよく、編成樹脂繊維58によって、樹脂繊維50を2本以上、あるいはさらに、金属繊維52を2本以上結びつけて、樹脂繊維層43と金属繊維層41とを結びつける構成としてもよい。
図8に示す可撓管90のブレード42の形成方法は、樹脂繊維層43と金属繊維層41とを離間させた状態で、編成樹脂繊維38によって結びつけられたものを形成することができれば、特に限定はなく、例えば、図6に示す装置に、樹脂繊維層43と金属繊維層41とを結びつける編成樹脂繊維58の長さを長くするように調節する機構を設け、この機構を用いて、編成樹脂繊維58によって、互いに離間させた状態で、樹脂繊維層43と金属繊維層41とを結びつける以外は、可撓管26のブレード42を形成した方法と同様の方法で形成してもよい。
他には、図8に示す可撓管90のブレード42の形成方法は、図6に示すような装置で、樹脂繊維層43および金属繊維層41を、別々に形成し、樹脂繊維層43と金属繊維層41が離間した状態になるように、適当な手段を用いて、編成樹脂繊維58によって、樹脂繊維層43と金属繊維層41とを結びつける方法でもよい。
本発明の可撓管90では、外皮44は、上述の通り、樹脂製のもので、金属繊維52を完全に内部に含みつつ、ブレード42の外周面を被覆するものであれば、特に限定はない。
本発明の可撓管90において、外皮44の形成方法は、金属繊維42全体を完全に、外皮44の内側に含むように形成することができれば、特に限定はないが、例えば、押出成形機によって、図5に示す可撓管26を形成する場合よりも、より強い圧力で、溶解した樹脂をブレード42に押し出して付着させた後、直後に冷却することによって、図8に示すように、金属繊維52全体を完全に内部に含むように食い込ませて、内管48のブレード42の外周面に、外皮44を直接形成する方法が挙げられる。
上記構成を有することにより、本発明の可撓管90は、金属繊維50が接着剤54と接触することなく、樹脂繊維層43の全面が、接着剤54を介して、外皮44と強固に接着しているため、ブレード42と外皮44とを接着させる結合の中に、経時や水分の影響を受けて接着性(密着性)が低下する結合が殆どなくなる。
また、本発明の可撓管90においても、金属繊維層41は、編成樹脂繊維58によって、樹脂繊維層43と強固に結びついているため、樹脂繊維層43と金属繊維層41とが剥離することがなく、金属繊維層41が、外皮44(可撓管26)の剛性補強材としての役割を十分に果たすことができる。
すなわち、上記構成を有する本発明の可撓管90も、内視鏡の使用時間や使用環境下の水分等によって、グレード42と外皮44との接着性が低下することがなくなり、すなわち、可撓管26の剛性が低下しない、耐久性の高い内視鏡10を提供することができる。
以上、本発明の内視鏡用可撓管について詳細に説明したが、本発明は、上記実施例に限定はされず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変更を行なってもよいのは、もちろんである。
本発明の内視鏡用可撓管を用いる内視鏡の一例の概略図である。 本発明の内視鏡用可撓管の一例の概念図である。 本発明の可撓管を説明するための比較例の参照図である。 図3に示す本発明の可撓管の部分拡大図である。 本発明の可撓管の長尺方向の部分断面図である。 本発明に係るブレードを混紡する際に用いる編み組み装置の一例の概念図である。 本発明の内視鏡用可撓管を用いる内視鏡の別の一例の概略図である。 図7に示す本発明の可撓管の部分拡大図である。
符号の説明
10 内視鏡
12 挿入部
14 操作部
18 ユニバーサルコード
22 先端部
24 アングル部
26,90 内視鏡用可撓管
28 鉗子口
30 吸引ボタン
32 送気/送水ボタン
36,38 操作ノブ
40,110 螺管
42,104 ブレード
44,108 外皮
46 コート層
48 内管
50,100 金属繊維
52,102 樹脂繊維
54,106 接着剤
41 金属繊維層
43 樹脂繊維層
58 編成樹脂繊維
70 案内円板
72,74,76,78,80 案内溝
82 ボビン
84 円筒部材
86 挿入孔

Claims (5)

  1. 帯状板を螺旋状に巻回して形成した螺管と、
    前記螺管の外周面を被覆するブレードと、
    前記ブレードの外周面を被覆する樹脂製の外皮とを有する内視鏡用可撓管であって、
    前記ブレードは、第1の樹脂繊維からなり、前記螺管の外周面を被覆する内層として形成される樹脂繊維層と、金属繊維からなり、前記樹脂繊維層の外側に外層として形成される金属繊維層とが、第2の樹脂繊維によって結びつけられた2層構造を有し、
    前記外皮は、その内部に前記ブレードの前記金属繊維層の前記金属繊維を含み、
    前記ブレードの前記樹脂繊維層は、少なくとも前記外皮に被覆される外周面に接着剤が付着されており、前記外皮に前記接着剤を介して接着されていることを特徴とする内視鏡用可撓管。
  2. 前記金属繊維の直径は、前記第1の樹脂繊維の直径より大きい請求項1に記載の内視鏡用可撓管。
  3. 前記金属樹脂層および前記樹脂繊維層は、共に、網目状である請求項1または2に記載の内視鏡用可撓管。
  4. 前記樹脂繊維層の前記第1の樹脂繊維および前記第2の樹脂繊維は、耐熱性の樹脂繊維である請求項1〜3のいずれかに記載の内視鏡用可撓管。
  5. さらに、前記外皮の外周面を被覆するコート層を有する請求項1〜4のいずれかに記載の内視鏡用可撓管。
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