以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の実施形態は、本発明の具体例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
<実施形態>
以下では、空気調和装置の室外ユニットを例に挙げて本実施形態を説明する。しかし、本発明は、給湯器の室外ユニットを含むヒートポンプシステムの室外ユニットに適用可能である。
(1)室外ユニットの構成
(1−1)全体構成
図1は、本発明の一実施形態に係る室外ユニット100の正面図である。図2は、図1の室外ユニット100の左前方斜視図である。図3は、図1の室外ユニット100の右後方斜視図である。図4は、吹出グリル20、前板11、及び天板18等が外された状態の室外ユニット100の斜視図である。
尚、以下の説明においては、「上」、「下」、「左」、「右」、「正面」、「前」、「背面」、「後」等の方向を示す表現を適宜用いている。これらの方向は、図1等に示すように室外ユニット100が通常使用される状態での各方向を表す。「正面」と「前」とは同方向である。また、「背面」と「後」とは同方向である。
図1〜図3に示すように、室外ユニット100はその外形をケーシング10が構成している。ケーシング10は、例えば概ね直方体状である。ケーシング10の内部空間の背面側には室外熱交換器43が設けられており、ケーシング10の内部空間の前面側には室外ファン45が設けられている。また、ケーシング10の前面には、少なくとも空気吹出口49を覆うように吹出グリル20が取り付けられている。室外ファン45が駆動されると、外気が室外熱交換器43の後方側から吸い込まれ、室外熱交換器43を通過し、空気吹出口49から吹き出される。空気吹出口49から吹き出された空気は、吹出グリル20を経て室外ユニット100外部に吹き出される。
(1−2)各部の構成
次に各部の構成について説明する。
(1−2−1)ケーシング10、
ケーシング10は、前板11(図1、図2)と、左側板12(図2)と、右側板14(図3)と、天板18(図3)、底板19(図1〜図4)とを含む。
前板11は、室外ユニット100の前面に位置する。
左側板12は、室外ユニット100の正面視に対して、左側に位置する。左側板12には、室外ユニット100に外気を取り込むために複数の左側板開口部12aが設けられている。図4に示すように、左側板12は、L字状の室外熱交換器43の一面に沿って立設しており、左側板開口部12aから室外熱交換器43に外気を供給する。
左側板12の左上方には、左側板取っ手部13が設けられている。左側板取っ手部13は、運搬者が室外ユニット100の左側を把持するための把持部である。左側板取っ手部13は、運搬者の手指が掛かり易い形状に形成されている。例えば、左側板取っ手部13は運搬者の手指に沿った形状の部材であり、左側板12から突出するように取り付けられている。
図4に示すように室外熱交換器43はL字状に屈曲している。よって、左側板12の左側、つまり左側板12の後側と、室外熱交換器43との間に隙間が設けられている。より具体的には、左側板12の右側(前側)と室外熱交換器43との隙間よりも、左側板12の左側(後側)と室外熱交換器43との間の隙間の方が大きい。左側板取っ手部13は、この隙間が大きい左側板12の左側(後側)に設けられている。よって、左側板開口部12aを把持した使用者の手指が、隣接する左側板開口部12aを介して室外熱交換器43と接触するのを抑制できる。また、隙間が大きい左側板12の左側(後側)に左側板取っ手部13を設けることで、通風抵抗も抑制できる。
右側板14は、室外ユニット100の正面視に対して、右側に位置する。図3に示すように、右側板14には、閉鎖弁カバー15が取り付けられている。閉鎖弁カバー15は、右側板14から突出したガス冷媒用閉鎖弁及び液冷媒用閉鎖弁等の閉鎖弁を保護するためのカバーである。閉鎖弁カバー15の上部には、右側板14の前後方向の概ね中央部に右側板取っ手部16が設けられている。右側板取っ手部16は、運搬者が室外ユニット100の右側を把持するための把持部である。右側板取っ手部16は、運搬者の手指が掛かり易い形状に形成されており、閉鎖弁カバー15の平面から突出している。
天板18は、室外ユニット100の上部に位置する。底板19は、室外ユニット100の下部に位置する。
ケーシング10の内部空間は、仕切板30(図4)によって機械室31と送風機室33とに分けられている。機械室31には、圧縮機41等が配置されている。送風機室33には、室外熱交換器43及び室外ファン45が配置されている。
仕切板30は、天板18側から底板19側に向って鉛直方向に延びている。また、仕切板30は、前後方向において、室外熱交換器43の右端から前方に向かって機械室31を囲むように円弧状に延びている。その結果、仕切板30は送風機室33から機械室31に風が回り込まないように遮蔽する機能を有している。
また、図4に示すように、前板11には、円形状の空気吹出口49が形成されている。空気吹出口49は、室外ファン45に対応するように、送風機室33の前側に位置している。空気吹出口49には、図4に示すようにその周縁に沿うようにリング状のベルマウス47が取り付けられている。
(1−2−2)圧縮機41
圧縮機41は、機械室31側に位置しており、底板19に固定されている。圧縮機41は、冷媒を圧縮するためのものであって、圧縮機モータ(図示せず)によって駆動される。運転時、圧縮機41は高温になるので、機械室31は送風機室33に比較して温度が高くなっている。
(1−2−3)室外熱交換器43
室外熱交換器43は送風機室33に配置されている。室外ファン45が駆動することにより、室外ユニット100外部から室外熱交換器43に空気が取り込まれる。室外熱交換器43は、ケーシング10内に取り込まれた外気と、室外熱交換器43内を流れる冷媒との間で熱交換を行う。
室外熱交換器43は、ケーシング10の背面部と左側板12とに対峙して、概ねL字状に形成されている。また、室外熱交換器43の高さは、天板18と底板19との距離にほぼ等しい寸法を有している。
(1−2−4)室外ファン45
図4に示すように、室外ファン45は、ファンモータ45aによって駆動されるプロペラ45bを有しており、室外熱交換器43の下流側に設けられている。プロペラ45bの一部は、ベルマウス47で囲まれた空間内に入るように配置されている。
(1−2−5)吹出グリル20
図1、図2に示すように、吹出グリル20は、ケーシング10の前板11に取り付けられ、空気吹出口49を覆っている。吹出グリル20が空気吹出口49を覆うことで、外部からプロペラ45bに触れられないようになっている。また、吹出グリル20には、外気を吹き出すため、開口部が多数形成されている。
(2)吹出グリル20の詳細構成
次に、本発明の一実施形態に係る室外ユニット100の吹出グリル20の詳細構成について説明する。図5は吹出グリル20の正面図である。図6は、図5のI−I断面図であり、後述の図9のI−I断面図である。図7は室外ユニット100の左側面図である。
(2−1)吹出グリル20の枠体及び桟
図2、図5等に示すように、吹出グリル20は、空気吹出口49を覆うように前板11の前面に取り付けられている。図7に示すように、吹出グリル20は、前板11の平面から突出している。吹出グリル20の前板11からの最大突出距離は、距離L6である。距離L6は例えば約50mmである。なお、距離L6は約50mmに限定されず、それ以上であってもよいし、それ以下であってもよい。ただし、距離L6は、後述のグリル取っ手部23に指を入れることが可能な程度の距離であるのが好ましい。
吹出グリル20は、枠体24〜27として、庇部24と、左側部25と、右側部26と、底部27とを含む。庇部24、左側部25、右側部26及び底部27が一体に連結されることで、枠体24〜27を構成している。
庇部24は、吹出グリル20の最上部に位置している。庇部24は、吹出グリル20の上部全体を覆うように、左右に長く延びている。庇部24は、図6に示すように、第1面24a−1と、第2面24bと、第3面24cと、取り付け面24dと、を含む。取り付け面24dは、前板11に沿って概ね上下方向に延びる平面である。吹出グリル20は、この取り付け面24dを介してネジ止め等により前板11に取り付けられる。第1面24a−1、第2面24b、第3面24c及び取り付け面24dは、順に一連に形成されている。そして、第1面24a−1と、第2面24bと、第3面24cとが、後方に開口を有するコの字状、言い換えれば、後方に開口を有するU字状又はV字状を形成している。また、庇部24の第3面24cは、後側から前側に向かって、下方に傾斜している。ただし、庇部24の第3面24cは必ずしも傾斜している必要はない。
左側部25は、吹出グリル20の正面視において左に位置する。左側部25は、図7に示すように庇部24の後側と連続している。
底部27は、吹出グリル20の最下部に位置している。底部27は、図5に示すように、左側において左側部25と連続しており、右側において右側部26と連続している。
右側部26は、吹出グリル20の正面視において右に位置する。本実施形態では、右側部26は、庇部24の右端部と底部27の右端部との間を連結する壁面として形成されている。
また、吹出グリル20の枠体24〜27の内部に、左右方向に延びる複数の横桟21と、上下方向に延びる複数の縦桟22とが設けられている。横桟21は、左側部25と右側部26との間に設けられている。横桟21の左端部は左側部25と連結され、横桟21の右端部は右側部26と連結されている。また、縦桟22は、庇部24と底部27との間に設けられている。縦桟22の上端部は庇部24と連結され、縦桟22の下端部は底部27と連結されている。横桟21と縦桟22との隙間によって、吹出グリル20の開口部が形成されている。
本実施形態では、上下に隣接する横桟21は、手指が入らない程度の距離L4だけ離隔している。例えば、距離L4は約10mm〜14mmである。縦桟22は、横桟21が撓まないように横桟21を互いに連結して支持している。左右に隣接する縦桟22は、所定の距離L5だけ離隔して配置されている。例えば、距離L5は約50mmである。ただし、横桟21間の距離L4は、手指が入らない程度の距離であれば、約10mm〜14mmに限定されない。また、縦桟22は横桟21を適切に支持できればよく、縦桟22間の距離L5は約50mmに限定されない。
吹出グリル20は、例えばABS樹脂及びエポキシ樹脂等の樹脂から形成されている。ただし、吹出グリル20の材質は、樹脂に限られず、例えばステンレス等の金属であってもよい。
(2−2)グリル取っ手部23
吹出グリル20は、図2及び図5に示すように、グリル取っ手部23を含む。グリル取っ手部23の構成について以下に説明する。
図8は、グリル取っ手部23近傍の構成を拡大した左前方斜視図である。図9は、室外ユニット100の左上部近傍の正面図である。図10は、グリル取っ手部23近傍を下方から見た下方斜視図である。図11は、吹出グリル20の背面からグリル取っ手部23を見た背面斜視図である。図12は、図9のII−IIにおける断面図である。図13は、試験指200を示す構成図である。
(a)グリル取っ手部23の形成位置
まず、吹出グリル20内におけるグリル取っ手部23の形成位置について説明する。
グリル取っ手部23は、正面視において、吹出グリル20の送風機室33側の端の上部に形成されている。つまり、グリル取っ手部23は、正面視において、吹出グリル20の左端の上部に形成されている。吹出グリル20の左端の上部とは、吹出グリル20の左角だけではなく、左角の近傍を含むものとする。左角の近傍とは、例えば、吹出グリル20のうち、室外ユニット100の運搬者がグリル取っ手部23に手指を入れた場合であっても、その手指が空気吹出口49に入らない領域である。つまり、左角の近傍とは、吹出グリル20のうち、グリル取っ手部23と空気吹出口49との距離が手指の長さよりも大きい、左端の上部領域である。
例えば、グリル取っ手部23と、グリル取っ手部23に最も近接する空気吹出口49の端部との距離、つまり、グリル取っ手部23と空気吹出口49との最短距離は、80mm以上である。この場合、グリル取っ手部23と空気吹出口49の端部とが80mm以上であり、試験指200の長さ以上離れている。よって、運搬者がグリル取っ手部23に指を入れても、運搬者の指が空気吹出口49内に入らず、指が室外ファン45に巻き込まれない。
このように、吹出グリル20のグリル取っ手部23は、送風機室33側の端の上部に設けられている。運搬者は、グリル取っ手部23に指を入れることで、室外ユニット100が前側に傾かないように、室外ユニット100を安定良く支持することができる。よって、運搬者が室外ユニット100を運搬する際に、室外ユニット100の重量バランスが良くなり、室外ユニット100の運搬が容易である。
また、グリル取っ手部23は、吹出グリル20の正面視側に設けられており、かつ端の上部に設けられている。よって、運搬者は、グリル取っ手部23を容易に確認することができる。そのため、運搬者はグリル取っ手部23に容易に指を入れて、運搬作業をスムーズに行うことができる。
さらには、グリル取っ手部23が吹出グリル20の端の上部に設けられているため、運搬者は起立状態のままでグリル取っ手部23に指を入れて室外ユニット100を運搬することができる。つまり、グリル取っ手部23に指を入れて室外ユニット100を少し浮かせて、所定の位置まで運搬する一連の作業を、運搬者は起立状態のままで行うことができる。よって、運搬者は姿勢を大きく変える必要が無いため、運搬作業における運搬者の負担が抑制される。
なお、本実施形態では、正面視において、吹出グリル20の左角で、かつ庇部24の下部に、概ね長方形状のグリル取っ手部23が形成されている。
また、図8等に示すように、グリル取っ手部23と、左側板12の左上の左側板取っ手部13と、は概ね同一の高さに形成されていると好ましい。グリル取っ手部23と左側板取っ手部13とが同程度の高さであると、送風機室33側の運搬者は、グリル取っ手部23に掛けた一方の手と、左側板取っ手部13に掛けた他方の手とを概ね同一の高さとすることができる。よって、室外ユニット100を安定良く支持することができる。つまり、運搬者は同程度の高さ位置の両手で室外ユニット100を支持できるため、姿勢を崩すことなく室外ユニット100を支持できる。また、運搬者は、室外ユニット100の正面側をグリル取っ手部23に掛けた指で支持し、室外ユニット100の左後方を左側板取っ手部13に掛けた指で支持する。よって、室外ユニット100の送風機室33側において、室外ユニット100の正面側及び左後方側がともに支持される。よって、運搬時に室外ユニット100を安定良く支持できる。
ここで、試験指200は、図13に示すように、円板状の停止板201と、停止板201から延びる第1円柱部202と、第1円柱部202から延びる第2円柱部203(第3部)と、第2円柱部203から延びる第3円柱部204(第2部)と、第3円柱部204から延びる疑似指先部205(第1部)と、を含む。第3円柱部204と疑似指先部205とが所定角度曲がるように第1関節部を構成する。また、第2円柱部203と第3円柱部204とが所定角度曲がるように第2関節部を構成する。これらの第1関節部及び第2関節部によって、試験指200は所定角度曲がるように構成されている。試験指200の寸法は、L11=80mm、L12=60mm、L13=20mm、L14=75mm、D=12mmである。
(b)グリル取っ手部23の内部空間Sの大きさ
次に、グリル取っ手部23の内部空間Sの大きさについて説明する。
グリル取っ手部23は、運搬者の指が入るように形成されている。つまり、グリル取っ手部23の内部空間Sは、運搬者の指が入る大きさである。よって、グリル取っ手部23の内部空間Sの所定方向の長さは、グリル取っ手部23の周囲の桟21、22の距離よりも大きい。そのため、運搬者は、グリル取っ手部23の内部空間Sに容易に指を入れることができる。また、運搬者は、グリル取っ手部23の内部空間Sが周囲の桟21、22よりも大きいことによって、グリル取っ手部23を周囲の桟21、22から容易に区別して確認することができる。
より具体的には、図9等に示すように、グリル取っ手部23は、正面視において、概ね長方形状に形成されている。つまり、グリル取っ手部23は、後述の長方形状の開口部23aを正面側に有している。そして、図10等に示すように、グリル取っ手部23は、開口部23aを正面側として、その奥側に内部空間Sを有している。内部空間Sは、例えば、開口部23aと同程度の開口が正面側から奥側に続く空間であり得る。この場合、内部空間Sは、直方体状であり得る。ただし、内部空間Sはこれに限定されない。例えば、内部空間Sは、開口部23aを開口として、吹出グリル20と前板11とが離隔した空間SGの少なくとも一部であり得る。
さらに具体的には、正面視において、グリル取っ手部23の上下方向の距離L1は、隣接する横桟21の上下方向の距離L4よりも大きい。ここで、上下方向に隣接する横桟21は、手指が入らない程度の距離L4だけ離隔している。グリル取っ手部23の距離L1が距離L4よりも大きいため、運搬者はグリル取っ手部23の内部空間Sに指を入れることができる。
本実施形態では、一例として、図9に示すように、グリル取っ手部23では、1本の横桟21が省略されている。よって、正面視において、グリル取っ手部23の距離L1は、横桟21の上下方向の距離L4の約2倍であり、約20mm〜28mmである。ただし、グリル取っ手部23の距離L1はグリル取っ手部23に手指が入る程度の距離であればよく、約20mm〜28mmに限定されない。さらに、例えば、運搬者がグリル取っ手部23に手指を入れた場合であっても、その手指が空気吹出口49に入らないように、距離L1が調整されるのが好ましい。よって、前記の点を考慮にいれつつ、グリル取っ手部23において、複数本の横桟21が省略されてもよい。この場合、グリル取っ手部23の距離L1は、横桟21の上下方向の距離L4の約3倍以上となり得る。
また、図9に示すように、正面視において、グリル取っ手部23の左右方向の長さは距離L2である。本実施形態では、一例として、図9に示すように、距離L2は、左右方向に隣接する縦桟22間の距離L5と同程度である。よって、グリル取っ手部23の距離L2は、縦桟22の左右方向の距離L5と同程度の約50mmである。図9に示すグリル取っ手部23の場合には、1本の横桟21のみを省略すればよく、縦桟22は構成を変更する必要がない。よって、グリル取って部23の設計及び製造が容易である。ただし、グリル取っ手部23の距離L2はグリル取っ手部23に手指が入る程度の距離であればよく、約50mmに限定されない。さらに、例えば、運搬者がグリル取っ手部23に手指を入れた場合であっても、その手指が空気吹出口49に入らないように、距離L2が調整されるのが好ましい。よって、前記の点を考慮にいれつつ、グリル取っ手部23において、複数本の縦桟22が省略されてもよい。この場合、グリル取っ手部23の距離L2は、縦桟22の左右方向の距離L5の約2倍以上となり得る。あるいは、距離L2は距離L5よりも小さくてもよい。
また、図7、図8に示すように、グリル取っ手部23の内部空間Sの奥行きは距離L3である。なお、奥行き方向は、図7、図8に示すように、室外ユニット100の前後方向である。本実施形態では、距離L3は、吹出グリル20の最大突出距離L6と同程度であり、例えば約50mmである。グリル取っ手部23の内部空間Sの奥行きの距離L3と、吹出グリル20の最大突出距離L6とを一致させることで、グリル取っ手部23の構成を簡単にできる。つまり、グリル取っ手部23の奥側に別途の壁面を設けることなく、吹出グリル20の奥行きの空間をそのままグリル取っ手部23の奥行きの空間に利用することができる。しかし、グリル取っ手部23の奥行きの距離L3はこれに限定されず、吹出グリル20の奥行きの距離L6よりも小さくてもよい。
例えば、グリル取っ手部23の内部空間Sの奥行きの距離L3は、平均20mm以上であってもよい。この場合、グリル取っ手部23の内部空間Sの奥行きは平均20mm以上であるので、運搬者は少なくとも指の先端をグリル取っ手部23に入れることができる。よって、運搬者は、グリル取っ手部23の内部空間Sに指を入れて、室外ユニット100の正面側を安定良く支持することができる。
また、例えば、グリル取っ手部23の内部空間Sの奥行きの距離L3は、平均30mm以上であってもよい。この場合、グリル取っ手部23の内部空間Sの奥行きは平均30mm以上であるので、試験指200の第3円柱部204(第2部)の少なくとも一部が入る距離である。運搬者は、指の先端から第1関節を経て、第1関節から第2関節までの少なくとも一部を、グリル取っ手部23の内部空間Sに入れることができる。よって、運搬者は、グリル取っ手部23のより奥に指を入れて、室外ユニット100の正面側を安定良く支持することができる。
(c)グリル取っ手部23の内部空間Sの構成
次に、グリル取っ手部23の内部空間Sの構成について説明する。本実施形態のグリル取っ手部23は、図8〜図10に示すように吹出グリル20の左角であり、かつ庇部24の下部に形成されている。
図10に示すように、グリル取っ手部23の内部空間Sは、開口部23aを有している。開口部23aは、上から2番目の第2番目横桟21aと、枠体24〜27と一体の左端から1番目の第1番目縦桟22aと、左端から2番目の第2番目縦桟22bと、庇部24の第1延長面24aと、によって囲まれる領域である。開口部23aは、正面視において概ね長方形状である。
開口部23aから奥側、つまり後方には、グリル取っ手部23の内部空間Sを含む空間SGが設けられている。言い換えれば、グリル取っ手部23の内部空間Sは、空間SGの一部である。一例として、グリル取っ手部23の内部空間Sは、開口部23aに沿って後方に広がる空間であり、例えば概ね直方体状であり得る。なお、空間SGは、吹出グリル20と前板11とが離隔して形成される空間である。具体的には、空間SGは、吹出グリル20の横桟21、縦桟22及び枠体24〜27と、前板11とが離隔した空間である。このようにグリル取っ手部23の内部空間Sが空間SGの一部であるため、空間SGの一部を利用して簡素な構成で内部空間Sを設けることができる。
ここで、庇部24について説明する。庇部24は、図2等に示すように、前述の通り、吹出グリル20の上部全体を覆うように吹出グリル20の最上部に位置しており、左右に長く延びている。図6は、図5のI−I断面図であり、かつ、図9のI−I断面図である。つまり、図6は、グリル取っ手部23が設けられていない部分の庇部24の前後方向沿う面の断面図である。なお、図5のI−I断面及び図9のI−I断面は同じ箇所の断面である。
庇部24は、図6に示すように、第1面24a−1と、第2面24bと、第3面24cと、取り付け面24dと、を含む。
取り付け面24dは、前板11に沿って概ね上下方向に延びる平面である。
第3面24cは、取り付け面24dの下端から前方に向かって延びる平面である。また、第3面24cは、取り付け面24dから前側に向かって、下方に傾斜している。ただし、第3面24cは、必ずしも傾斜している必要はない。
第2面24bは、第3面24cの前端から下方に折れ曲がる面である。例えば、第2面24bは、上下方向に沿う平面である。
第1面24a−1は、第2面24bの下端から後方に延びる平面である。例えば、第1面24a−1は前後方向に沿う平面であり、第2面24bと第1面24a−1とは概ね直交している。第1面24a−1の前後方向の距離L21は、第2面24bの下端から第1面24a−1の後端までの距離である。第1面24a−1の距離L21は、第2面24bから取り付け面24dまでの距離L22よりも短い。言い換えれば、第1面24a−1の距離L21は、第2面24bから前板11までの距離L22よりも短い。ただし、第1面24a−1の距離L21はこれに限定されず、第1面24a−1は前板11の近傍まで延びていてもよい。
ここで、第1面24a−1と、第2面24bと、第3面24cとは、後方に開口を有するコの字状、言い換えれば、後方に開口を有するU字状又はV字状を形成するように連続している。このように、第1面24a−1と、第2面24bと、第3面24cとが互いに屈曲又は湾曲した構造を形成することで、庇部24の強度が高まる。
次に、図12を用いて、グリル取っ手部23の内部空間Sの上部について説明する。図12は、図9のII−IIにおける断面図であり、グリル取っ手部23が設けられている部分の庇部24の前後方向沿う面の断面図である。図12に示すように、グリル取っ手部23の内部空間Sでは、破線で示されるように、上から1本目の横桟21が設けられていない。図6(グリル取っ手部23が設けられていない部分の断面図)と図12(グリル取っ手部23が設けられている部分の断面図)とを比較する。図6では上から1本目の横桟21が配置されているが、図12のグリル取っ手部23の内部空間Sでは上から1本目の横桟21が配置されていない。なお、上から2本目及び3本目の横桟21については、図6及び図12ともに配置されている。
さらに図12を参照すると、グリル取っ手部23の内部空間Sに隣接する庇部24は、第1延長面24aと、第2面24bと、第3面24cと、取り付け面24dと、係止部24eとを含む。取り付け面24d、第3面24c及び第2面24bは、上述したグリル取っ手部23が設けられていない部分の庇部24と同一の形状である。つまり、取り付け面24d、第3面24c及び第2面24bは、グリル取っ手部23の有無に関わらず同一の形状である。具体的には、取り付け面24dは、前板11に沿って概ね上下方向に延びる平面である。第3面24cは、取り付け面24dの下端から前方に向かって延びる平面である。第2面24bは、第3面24cの前端から下方に折れ曲がる面である。
図10〜図11に示すように、第1延長面24aは、グリル取っ手部23の内部空間Sの上面であり、上記の第1面24a−1と連続する面である。なお、第1延長面24aは、グリル取っ手部23が設けられている部分の庇部24の一部である。一方、第1面24a−1は、グリル取っ手部23が設けられていない部分の庇部24の一部である。また、第1延長面24aは、第2面24bの下端から後方に延びる平面である。例えば、第1延長面24aは前後方向に沿う平面であり、第2面24bと第1延長面24aとは概ね直交している。
図12に示すように、第1延長面24aの前後方向の距離L23は、第2面24bの下端から第1延長面24aの後端までの距離である。つまり、第1延長面24aの距離L23は、第2面24bの下端から係止部24eまでの距離である。第1延長面24aの距離L23は、図6に示す第1面24a−1の距離L21よりも長い。つまり、第1延長面24aは、第1面24a−1が、グリル取っ手部23の内部空間Sに対応する部分において後方に延長して形成された部分である。
第1延長面24aの左右方向の幅は、例えば、開口部23aの左右方向の距離L2(図9)と同程度である。これにより、運搬者がグリル取っ手部23に指を入れて室外ユニット100を運搬する場合に、運搬者は第1延長面24aをしっかりと支持できる。ただし、第1延長面24aの左右方向の幅が、開口部23aの左右方向の距離L2よりも拡大されていてもよい。これにより、開口部23aから内部空間Sに入れた運搬者の指が内部空間Sの奥側に行くほど左右方向にずれた場合であっても、運搬者は第1延長面24aをしっかりと支持できる。
ここで、上記の第1延長面24aと、第2面24bと、第3面24cとは、後方に開口を有するコの字状、言い換えれば、後方に開口を有するU字状又はV字状を形成するように連続している。このように、第1延長面24aと、第2面24bと、第3面24cとが互いに屈曲又は湾曲した構造を形成することで、庇部24の強度が高まる。よって、運搬者は庇部24の第1延長面24aを支持して、室外ユニット100の重量を十分に支えることができる。
さらに、図11に示すように、庇部24の第1延長面24aには、係止部24eが連続して設けられている。係止部24eは、第1延長面24aの後端から下方に折れ曲がる部材である。例えば、係止部24eと第1延長面24aとは概ね直交している。図10に示すように、係止部24eは前板11に係止する。係止部24eを介して、吹出グリル20を前板11に容易に位置決めでき、また安定良く固定することができる。
上記実施形態では、グリル取っ手部23は吹出グリル20の左角に、かつ庇部24の直下に形成されている。よって、庇部24の第1面24a−1の一部である第1延長面24aが、グリル取っ手部23の内部空間Sの上面となっている。しかし、グリル取っ手部23が庇部24から離れた位置に形成されていてもよい。そして、グリル取っ手部23の内部空間Sの上面が、庇部24の第1面24a−1とは異なる部材によって形成されていてもよい。つまり、グリル取っ手部23の内部空間Sの上面を形成する部材と、庇部24の第1面24a−1とは異なる部材であり得る。グリル取っ手部23の内部空間Sの上面を形成する部材は、例えば板状部材であり得る。また、この板状部材は、例えば横桟21及び/又は縦桟22と連結されて支持されている。これにより、運搬者が、内部空間Sに指を入れて板状部材を支持することで、室外ユニット100を支持することができる。さらに、内部空間Sの板状部材は、前板11に係止される係止部を有していてもよい。これにより、板状部材の係止部を介して、吹出グリル20を前板11に容易に位置決めでき、また安定良く固定することができる。
また、上記実施形態では、グリル取っ手部23の内部空間Sは、吹出グリル20の背面と前板11との離隔した空間SGの一部である。つまり、上記実施形態では、グリル取っ手部23の内部空間Sは、空間SGと連続している空間である。しかし、グリル取っ手部23の内部空間Sは、別途の部材によって取り囲まれていてもよい。つまり、グリル取っ手部23の内部空間Sは、空間SGとは隔離された空間であってもよい。
(3)特徴
(3−1)
ヒートポンプシステムの室外ユニット100には、室外ファン45が置かれる送風機室33と、送風機室33に隣接し、圧縮機41が置かれる機械室31とが配置される。送風機室33の前側に位置し、空気吹出口49を覆う吹出グリル20を備える。吹出グリル20には、正面視において、送風機室33側の端の上部に運搬者の指が入るグリル取っ手部23が形成されている。
吹出グリル20のグリル取っ手部23は、送風機室33側の端の上部に設けられている。運搬者は、グリル取っ手部23に指を入れることで、室外ユニット100が前側に傾かないように、室外ユニット100を安定良く支持することができる。よって、運搬者が室外ユニット100を運搬する際に、室外ユニット100の重量バランスが良くなり、室外ユニット100の運搬が容易である。
また、グリル取っ手部23は、吹出グリル20の正面視側に設けられており、かつ端の上部に設けられている。よって、運搬者は、グリル取っ手部23を容易に確認することができる。そのため、運搬者はグリル取っ手部23に容易に指を入れて、運搬作業をスムーズに行うことができる。
さらには、グリル取っ手部23が吹出グリル20の端の上部に設けられているため、運搬者は起立状態のままでグリル取っ手部23に指を入れて室外ユニット100を運搬することができる。つまり、グリル取っ手部23に指を入れて室外ユニット100を少し浮かせて、所定の位置まで運搬する一連の作業を、運搬者は起立状態のままで行うことができる。よって、運搬者は姿勢を大きく変える必要が無いため、運搬作業における運搬者の負担が抑制される。
なお、ヒートポンプシステムの室外ユニット100は、空気調和装置の空調室外ユニット及び給湯器の室外ユニットなどの室外ユニットを含む。
(3−2)
吹出グリル20には、運搬者の指の入り込みを防ぐ複数の横桟21及び縦桟22が互いに離隔して設けられている。グリル取っ手部23の内部空間Sの所定方向の長さは、グリル取っ手部23の周囲において隣接する横桟21又は縦桟22の所定方向の間隔よりも大きい。
一般的に、吹出グリル20には、空気を吹き出しつつ、かつ運搬者の指の入り込みを阻止するために、複数の横桟21及び縦桟22が設けられている。複数の横桟21又は縦桟22は、運搬者の指が入り込まない程度の間隔を有して互いに離隔している。グリル取っ手部23の内部空間Sの所定方向の長さは、グリル取っ手部23の周囲において隣接する横桟21又は縦桟22の所定方向の間隔よりも大きい。そのため、運搬者はグリル取っ手部23内に容易に指を入れることができる。また、運搬者は、グリル取っ手部23の内部空間Sの長さが横桟21又は縦桟22の間隔よりも大きいことによって、グリル取っ手部23を周囲の横桟21及び縦桟22から容易に区別して確認することができる。
なお、所定方向とは、例えば、上下方向、左右方向及び半径方向などの方向を含む。また、所定方向とは、隣接する桟と桟との空間のうち、運搬者の指が入り込まない程度の間隔を定義する方向であり得る。例えば、所定の方向とは、隣接する桟と桟との空間のうち、最も長さが短い間隔を定義する方向であり得る。
例えば、図9に示すように、吹出グリル20において、左右方向に延びる複数の横桟21が上下方向に互いに隣接して配置され得る。このとき、隣接する横桟21の上下方向の隙間(距離L4)は運搬者の指が入らない高さである。そして、グリル取っ手部23の内部空間Sの上下方向の高さ(距離L1)は、隣接する横桟21の上下方向の高さ(距離L4)よりも大きく設定される。
また、後述の図15に示すように、例えば、吹出グリル20において、上下方向に延びる複数の縦桟22が左右方向に互いに隣接して配置され得る。このとき、隣接する縦桟22の左右方向の隙間(距離L5)は運搬者の指が入らない幅である。そして、グリル取っ手部23の内部空間Sの左右方向の幅(距離L2)は、隣接する縦桟22の左右方向の幅(距離L5)よりも大きく設定される。
また、後述の図17に示すように、例えば、吹出グリル20において、円弧状又は円形状の複数の円弧状桟50が互いに概ね同心円状に配置され得る。このとき、隣接する円弧状桟50の半径方向の隙間(距離RL4)は運搬者の指が入らない長さである。そして、図17においては、グリル取っ手部23の半径方向の距離RL1は、隣接する円弧状桟50の半径方向の幅(距離RL4)よりも大きく設定される。また図18においては、グリル取っ手部23の上下方向の距離L1、左右方向の距離L2及び半径方向の距離RL1のうち少なくとも1つは、隣接する円弧状桟51の半径方向の距離RL4よりも大きく設定される。
(3−3)
図9に示すように、複数の横桟21は、左右方向に延び、かつ上下方向に離隔している。グリル取っ手部23の内部空間Sの上下方向の高さ(距離L1)は、グリル取っ手部23の周囲において隣接する横桟21の高さ方向の隙間(距離L4)よりも大きい。
吹出グリル20には、左右方向に延び、かつ上下方向に離隔する複数の横桟21が設けられている。上下に隣接する横桟21の隙間(距離L4)は、吹出グリル20から空気吹出口49の内部に向かって指が入らない高さに設定されている。グリル取っ手部23の内部空間Sの高さ(距離L1)は、グリル取っ手部23の周囲において隣接する横桟21の高さ(距離L4)よりも大きいため、運搬者は容易に指を入れることができる。また、運搬者は、高さの違いによりグリル取っ手部23を容易に確認することができる。
(3−4)
後述の図15に示すように、複数の縦桟22は、上下方向に延びつつ左右方向に離隔している。グリル取っ手部23の内部空間Sの左右方向の幅(距離L2)は、グリル取っ手部23の周囲において隣接する縦桟22の左右方向の隙間(距離L5)よりも大きい。
吹出グリル20には、上下方向に延び、かつ左右方向に離隔する複数の縦桟22が設けられている。左右に隣接する縦桟22の隙間(距離L5)は、吹出グリル20から空気吹出口49の内部に向かって指が入らない幅に設定されている。グリル取っ手部23の内部空間Sの幅(距離L2)は、グリル取っ手部23の周囲において隣接する縦桟22の幅(距離L5)よりも大きいため、運搬者は容易に指を入れることができる。また、運搬者は、幅の違いによりグリル取っ手部23を容易に確認することができる。
(3−5)
グリル取っ手部23の内部空間Sの奥行き(距離L3)は、平均20mm以上である。
グリル取っ手部23の内部空間Sの奥行き(距離L3)は平均20mm以上であるので、運搬者は少なくとも指の先端をグリル取っ手部23に入れることができる。よって、運搬者は、グリル取っ手部23の内部空間Sに指を入れて、室外ユニット100の正面側を安定良く支持することができる。
(3−6)
グリル取っ手部23の内部空間Sの奥行き(距離L3)は、平均30mm以上である。
グリル取っ手部23の内部空間Sの奥行きの距離(距離L3)は、30mm以上であり、試験指200の第2部の少なくとも一部が入る距離である。運搬者は、指の先端から第1関節を経て、第1関節から第2関節までの少なくとも一部を、グリル取っ手部23の内部空間Sに入れることができる。よって、運搬者は、グリル取っ手部23のより奥に指を入れて、室外ユニット100の正面側を安定良く支持することができる。
(3−7)
グリル取っ手部23と、グリル取っ手部23に近接する空気吹出口49の端部との距離は、80mm以上である。
グリル取っ手部23と空気吹出口49の端部とが80mm以上であり、試験指200の長さ以上離れている。よって、運搬者がグリル取っ手部23に指を入れても、運搬者の指が空気吹出口49内に入らず、指が室外ファン45に巻き込まれない。
(3−8)
正面視における送風機室33側の側板の上部に、運搬者の指が掛かる左側板取っ手部13が形成されている。
吹出グリル20の送風機室33側の端の上部にグリル取っ手部23が形成されている。さらに、送風機室33側の左側板12の上部に左側板取っ手部13が形成されている。つまり、室外ユニット100において、送風機室33側には、正面側にグリル取っ手部23が形成され、左側板12側に左側板取っ手部13が形成されている。送風機室33側の運搬者は、一方の手をグリル取っ手部23に掛け、他方の手を左側板取っ手部13に掛けることで、室外ユニット100を安定良く支持することができる。
(3−9)
グリル取っ手部23と左側板取っ手部13とは概ね同一の高さに位置している。
グリル取っ手部23と左側板取っ手部13とが同程度の高さであるので、送風機室33側の運搬者は、グリル取っ手部23に掛けた一方の手と、左側板取っ手部13に掛けた他方の手とを概ね同一の高さとすることができる。よって、室外ユニット100を安定良く支持することができる。
(3−10)
第1延長面24aと、第2面24bと、第3面24cと、がコの字状に形成されている。第1延長面24aは、グリル取っ手部23の内部空間Sの上面となる。第2面24bは、第1延長面24aと連続して、内部空間Sから上方に延びる。第3面24cは、第2面24bと連続して第1延長面24aと対向する。
グリル取っ手部23の内部空間Sには、上面として第1延長面24aが設けられている。そして、グリル取っ手部23の内部空間Sから連続するように、第1延長面24a、第2面24b及び第3面24cがコの字状に形成されている。運搬者がグリル取っ手部23の内部空間Sに指を入れて室外ユニット100を運搬する際には、室外ユニット100の重量は、主にグリル取っ手部23の上面である第1延長面24aに掛かる。第1延長面24a、第2面24b及び第3面24cが連続してコの字状に形成されているため、吹出グリル20の強度が増し、室外ユニット100の重量を十分に支えることができる。
(3−11)
第1延長面24aには、空気吹出口49が形成されている前板に係止する係止部24eが設けられている。
グリル取っ手部23の内部空間Sの上面となる第1延長面24aには、前板11に係止する係止部24eが設けられている。よって、グリル取っ手部23の係止部24eを介して、吹出グリル20を前板11に容易に位置決めでき、また安定良く固定することができる。
(4)変形例
(4−1)変形例1A
上記実施形態では、図5に示すように、グリル取っ手部23の上下方向の距離L1は、隣接する横桟21の上下方向の距離L4よりも大きい。ここで、上下方向に隣接する横桟21は、手指が入らない程度の距離L4だけ離隔している。グリル取っ手部23の距離L1が距離L4よりも大きいため、運搬者はグリル取っ手部23の内部空間Sに指を入れることができる。
その他、本発明のように内部空間Sに指をいれることが可能なグリル取っ手部23としては、例えば以下のような変形例が挙げられる。ただし、以下の変形例は本発明を適用可能な例の一例であり、本発明の適用はこれらに限定されない。また、変形例では、多様な吹出グリル20にグリル取っ手部23を設けた構成を開示しており、その他の構成については本実施形態を適用可能である。
図14〜図19を用いてグリル取っ手部23の変形例について説明する。図14〜図19は、グリル取っ手部23を有する吹出グリル20の変形例の正面模式図である。
(a)図14のグリル取っ手部23
図14によると、吹出グリル20の枠体は、概ね長方形状であり、左上、右上、右下及び左下に角部を有する。なお、枠体は吹出グリル20の外周部であり、桟が形成されている部分を除く部分である。また、吹出グリル20の枠体の内端は、それぞれ左上、右上、右下及び左下に角部を有する。
吹出グリル20の枠体内には、左右方向に延びる複数の横桟21と、上下方向に延びる複数の縦桟22とが設けられている。上下に隣接する横桟21は、手指が入らない程度の距離L4だけ離隔している。左右に隣接する縦桟22は、所定の距離L5だけ離隔して配置されている。また、上下方向に隣接する縦桟22は、互いに離隔して配置されている。よって、縦桟22は、各行ごとに互い違いに配置されている。
図14において、グリル取っ手部23は、正面視において、吹出グリル20の枠体の内側において送風機室33側の端の上部に形成されている。つまり、グリル取っ手部23は、正面視において、吹出グリル20の桟21、22が形成された領域の左端の上部に形成されている。
図14において、グリル取っ手部23の上下方向の距離L1は、隣接する横桟21の上下方向の距離L4よりも大きい。ここで、上下方向に隣接する横桟21は、手指が入らない程度の距離L4だけ離隔している。グリル取っ手部23の距離L1が距離L4よりも大きいため、運搬者はグリル取っ手部23の内部空間Sに指を入れることができる。グリル取っ手部23の左右方向の距離L2は、例えば縦桟22の左右方向の距離L5であり得る。ただし、距離L2は距離L5よりも小さくても大きくてもよい。なお、縦桟22の左右方向の距離L5は、例えば距離L4よりも大きい。ただし、距離L5は距離L4以下であってもよい。その他、距離L1は、例えば運搬者の指が空気吹出口49に入り込まない距離等を考慮して決定される。また、距離L2は、例えば運搬者の指が入る程度の距離、運搬者の指が空気吹出口49に入り込まない距離等を考慮して決定される。
(b)図15のグリル取っ手部23
図15によると、吹出グリル20の枠体は、概ね長方形状であり、左上、右上、右下及び左下に角部を有する。なお、枠体は吹出グリル20の外周部であり、桟が形成されている部分を除く部分である。また、吹出グリル20の枠体の内端は、それぞれ左上、右上、右下及び左下に角部を有する。
吹出グリル20の枠体内には、左右方向に延びる複数の横桟21と、上下方向に延びる複数の縦桟22とが設けられている。上下に隣接する横桟21は、所定の距離L4だけ離隔して配置されている。左右方向に接する縦桟22は、手指が入らない程度の距離L5だけ離隔している。
図15において、グリル取っ手部23は、正面視において、吹出グリル20の枠体の内側において送風機室33側の端の上部に形成されている。つまり、グリル取っ手部23は、正面視において、吹出グリル20の桟21、22が形成された領域の左端の上部に形成されている。
図15において、グリル取っ手部23の左右方向の距離L2は、隣接する縦桟22の左右方向の距離L5よりも大きい。ここで、左右方向に隣接する縦桟22は、手指が入らない程度の距離L5だけ離隔している。グリル取っ手部23の距離L2が距離L5よりも大きいため、運搬者はグリル取っ手部23の内部空間Sに指を入れることができる。グリル取っ手部23の上下方向の距離L1は、例えば横桟21の上下方向の距離L4よりも小さい。ただし、距離L1は距離L4と同程度であってもよく、距離L4よりも大きくてもよい。なお、横桟21の上下方向の距離L4は、例えば距離L5よりも大きい。ただし、距離L4は距離L5以下であってもよい。その他、距離L2は、例えば運搬者の指が空気吹出口49に入り込まない距離等を考慮して決定される。また、距離L1は、例えば運搬者の指が入る程度の距離、運搬者の指が空気吹出口49に入り込まない距離等を考慮して決定される。
(c)図16のグリル取っ手部23
図16によると、吹出グリル20の枠体は、概ね長方形状であり、左上、右上、右下及び左下に角部を有する。なお、枠体は吹出グリル20の外周部であり、桟が形成されている部分を除く部分である。また、吹出グリル20の枠体の内端は、それぞれ左上、右上、右下及び左下に角部を有する。
吹出グリル20の枠体内には、左右方向に延びる複数の横桟21と、上下方向に延びる複数の縦桟22とが設けられている。また、吹出グリル20には、前板11の空気吹出口49に対応した吹出口対応領域49aが設けられており、複数の縦桟22は吹出口対応領域49aのみに設けられている。上下に隣接する横桟21は、手指が入らない程度の距離L4だけ離隔している。左右に隣接する縦桟22は、所定の距離L5だけ離隔して配置されている。
図16において、グリル取っ手部23は、正面視において、吹出グリル20の枠体の内側において送風機室33側の端の上部に形成されている。つまり、グリル取っ手部23は、正面視において、吹出グリル20の桟21、22が形成された領域の左端の上部に形成されている。
図16において、グリル取っ手部23の上下方向の距離L1は、隣接する横桟21の上下方向の距離L4よりも大きい。ここで、上下方向に隣接する横桟21は、手指が入らない程度の距離L4だけ離隔している。グリル取っ手部23の距離L1が距離L4よりも大きいため、運搬者はグリル取っ手部23の内部空間Sに指を入れることができる。グリル取っ手部23の左右方向の距離L2は、例えば縦桟22の左右方向の距離L5であり得る。ただし、距離L2は距離L5よりも小さくても大きくてもよい。なお、縦桟22の左右方向の距離L5は、例えば距離L4よりも大きい。ただし、距離L5は距離L4以下であってもよい。その他、距離L1は、例えば運搬者の指が空気吹出口49に入り込まない距離等を考慮して決定される。また、距離L2は、例えば運搬者の指が入る程度の距離、運搬者の指が空気吹出口49に入り込まない距離等を考慮して決定される。
(d)図17のグリル取っ手部23
図17によると、吹出グリル20の枠体は、概ね長方形状であり、左上、右上、右下及び左下に角部を有する。また、吹出グリル20の枠体は、送風機室33側の左上及び左下において円弧状の内端を有する。一方、吹出グリル20の枠体の内端は、右上及び右下において角部を有する。なお、枠体は吹出グリル20の外周部であり、桟が形成されている部分を除く部分である。
吹出グリル20の枠体内には、円弧状に延びる複数の円弧状桟50と、直線状に延びる複数の直線状桟51とが設けられている。複数の円弧状桟50は、例えば、吹出グリル20の概ね中心に対して、同心円状に配置されている。直線状桟51は、吹出グリル20の概ね中心から放射状に延びている。直線状桟51は、例えば複数の円弧状桟50を支持している。隣接する円弧状桟50は、手指が入らないように半径方向において距離RL4だけ離隔している。複数の直線状桟51は、複数の円弧状桟50を互いに連結して支持できる程度に離隔して配置されている。
図17において、グリル取っ手部23は、グリル取っ手部23は、正面視において、吹出グリル20の枠体の内側において送風機室33側の端の上部に形成されている。つまり、グリル取っ手部23は、正面視において、吹出グリル20の円弧状桟50及び直線状桟51が形成された領域の左端の上部に形成されている。
図17において、グリル取っ手部23の半径方向の距離RL1は、隣接する円弧状桟50の半径方向の距離RL4よりも大きい。ここで、半径方向に隣接する円弧状桟50は、手指が入らない程度の距離RL4だけ離隔している。グリル取っ手部23の距離RL1が距離RL4よりも大きいため、運搬者はグリル取っ手部23の内部空間Sに指を入れることができる。なお、グリル取っ手部23の円周方向に沿った距離RL2は、例えば距離RL4よりも大きい。ただし、距離RL2は距離RL4以下であってもよい。その他、グリル取っ手部23の距離RL1は、例えば運搬者の指が空気吹出口49に入り込まない距離等を考慮して決定される。また、グリル取っ手部23の距離RL2は、例えば運搬者の指が入る程度の距離、運搬者の指が空気吹出口49に入り込まない距離等を考慮して決定される。
なお、本変形例では、吹出グリル20の枠体は、送風機室33側において円弧状の内端を有する。しかし、吹出グリル20の枠体は、機械室31側において円弧状の内端を有してもよい。また、吹出グリル20の枠体は、送風機室33側及び機械室31側の両方において円弧状の内端を有してもよい。複数の円弧状桟50及び複数の直線状桟51は、枠体の形状に合わせて設けられる。
(e)図18のグリル取っ手部23
図18によると、吹出グリル20の枠体は、概ね長方形状であり、左上、右上、右下及び左下に角部を有する。なお、枠体は吹出グリル20の外周部であり、桟が形成されている部分を除く部分である。また、吹出グリル20の枠体の内端は、それぞれ左上、右上、右下及び左下に角部を有する。
吹出グリル20の枠体内には、円弧状に延びる複数の円弧状桟50と、直線状に延びる複数の直線状桟51とが設けられている。複数の円弧状桟50は、例えば、吹出グリル20の概ね中心に対して、同心円状に配置されている。直線状桟51は、吹出グリル20の概ね中心から放射状に延びている。直線状桟51は、例えば複数の円弧状桟50を支持している。隣接する円弧状桟50は、手指が入らないように半径方向において距離RL4だけ離隔している。複数の直線状桟51は、複数の円弧状桟50を互いに連結して支持できる程度に離隔して配置されている。
図18において、グリル取っ手部23は、正面視において、吹出グリル20の枠体の内側において送風機室33側の端の上部に形成されている。つまり、グリル取っ手部23は、正面視において、吹出グリル20の円弧状桟50及び直線状桟51が形成された領域の左端の上部に形成されている。そして、図18に示すように、グリル取っ手部23が形成された吹出グリル20の左端の上部においては、円弧状桟50及び直線状桟51は形成されていない。よって、吹出グリル20の枠体の左上の角部からなる内端と、円弧状桟50及び直線状桟51が形成されている領域との間に、グリル取っ手部23が形成される。図18の例では、グリル取っ手部23は、正面視において、概ね三角形状に形成されている。
図18において、グリル取っ手部23の半径方向の距離RL1は、隣接する円弧状桟50の半径方向の距離RL4よりも大きい。ここで、半径方向に隣接する円弧状桟50は、手指が入らない程度の距離RL4だけ離隔している。グリル取っ手部23の距離RL1が距離RL4よりも大きいため、運搬者はグリル取っ手部23の内部空間Sに指を入れることができる。なお、グリル取っ手部23の上下方向の距離L1及び左右方向の距離L2は、例えば運搬者の指が入る程度の距離、運搬者の指が空気吹出口49に入り込まない距離等を考慮して決定される。
(f)図19のグリル取っ手部23
図19の吹出グリル20は、図18の吹出グリル20の複数の直線状桟51の代わりに、複数の円弧状桟53を有している。複数の円弧状桟53は、例えば、吹出グリル20の概ね中心から枠体の端部に向かって円弧状に延びている。その他の構成については図18と同様であるので説明を省略する。
(4−2)変形例1B
上記実施形態では、室外ユニット100の左側に送風機室33が設けられ、右側に機械室31が設けられている。しかし、室外ユニット100に右側に送風機室33が設けられ、左側に機械室31が設けられてもよい。この場合、グリル取っ手部23は、正面視において、吹出グリル20の送風機室33側の端の上部に形成されている。つまり、グリル取っ手部23は、正面視において、吹出グリル20の右端の上部に形成されている。ここで、右側の送風機室33に室外ファン45が設けられている。また、室外熱交換器43は、室外ユニット100の後面から右側板14に沿ってL字状に配置されている。そして、右側板14には、上記実施形態の左側板12と同様に、複数の開口が形成されている。また、右側板14の右上方に右側板取っ手部が設けられている。室外ユニット100の右側板14側の運搬者は、右側板取っ手部と、正面視において右端の上部のグリル取っ手部と、手指により把持する。これにより、上記実施形態と同様に、運搬者は、グリル取っ手部23に指を入れることで、室外ユニット100が前側に傾かないように、室外ユニット100を安定良く支持することができる。また、グリル取っ手部23を室外ユニット100の正面側から容易に確認できる。また、運搬者は起立状態のままで、姿勢を大きく変えることなく運搬作業を行うことができる。
なお、吹出グリル20の右端の上部とは、吹出グリル20の右角だけではなく、右角の近傍を含むものとする。右角の近傍とは、例えば、吹出グリル20のうち、室外ユニット100の運搬者がグリル取っ手部に手指を入れた場合であっても、空気吹出口49に手指が入らない領域である。つまり、吹出グリル20のうち、グリル取っ手部と空気吹出口49との距離が手指よりも大きい、右端の上部領域である。
(4−3)変形例1C
上記実施形態では、室外ユニット100の送風機室33側の上部に1つのグリル取っ手部23が設けられている。しかし、グリル取っ手部23は一つに限られず複数設けられてもよい。例えば、グリル取っ手部23に加えて、吹出グリル20のうち、横桟21及び縦桟22が設けられている部分の右端の上部に、さらにグリル取っ手部が設けられてもよい。この場合、室外ユニット100の送風機室33側の運搬者は、左側板取っ手部13と、グリル取っ手部23とを手指で把持する。一方、室外ユニット100の機械室31側の運搬者は、右側板取っ手部16と、追加されたグリル取っ手部とを手指で把持する。
(4−4)変形例1D
上記実施形態では、運搬者がグリル取っ手部23に指を入れる例を開示している。しかし、グリル取っ手部23は、指だけでなく手も入るように構成されてもよい。
(4−5)変形例1E
上記実施形態では、吹出グリル20の横桟21及び/又は縦桟22が形成されている領域の一部を切り欠くようにグリル取っ手部23が形成されている。しかし、吹出グリル20の庇部24(第1面24a−1と、第2面24bと、第3面24cと、取り付け面24d)の一部を切り欠くようにしてグリル取っ手部230が形成されてもよい。以下に庇部24を用いてグリル取っ手部230を構成した例を説明する。
図20は、変形例に係る室外ユニット100の左上部近傍の正面図である。図21は、図20のグリル取っ手部230近傍の構成を拡大した左前方斜視図である。図22は、図20のグリル取っ手部230近傍を下方から見た下方斜視図である。図23は、図20のIII−III断面図である。
本変形例では、図20〜図24に示すように、庇部24の一部を用いてグリル取っ手部230を形成している。グリル取っ手部230では、庇部24が第1面24a−1及び第2面24bを有していない。図23を参照すると、グリル取っ手部230が形成されている部分では、庇部24は第1面24a−1及び第2面24bを有しておらず、第3面24c及び取り付け面24dのみが配置されている。一方、グリル取っ手部230が形成されていない部分では、図23の破線に示すように、第1面24a−1及び第2面24bが維持されており、庇部24は第1面24a−1と、第2面24bと、第3面24cと、取り付け面24dとから構成されている。
グリル取っ手部230は、開口部230aから奥側に広がる内部空間S1により形成されている。開口部230a左右端は、開口部230aの左に隣接する庇部24の第2面24bの左端部24b−1と、開口部230aの右に隣接する庇部24の第2面24bの右端部24b−2とにより定義される(図22)。また、開口部230a左右端は、枠体24〜27と一体の左端から1番目の第1番目縦桟22aと、左端から2番目の第2番目縦桟22bと、によっても定義され得る。また、開口部230a上端は、庇部24の第3面24cにより定義される。開口部230aの下端は、上から1番目の第2番目横桟21bにより定義される。グリル取っ手部230の内部空間S1は、このような開口部230aに沿って後方に広がる空間であり、空間SGの一部である。なお、空間SGは、吹出グリル20と前板11とが離隔して形成される空間である。
グリル取っ手部230の形成位置は、上記実施形態のグリル取っ手部23と同様であるので詳細な説明は省略するが、正面視において、吹出グリル20の送風機室33側の端の上部に形成されている。
グリル取っ手部230の内部空間S1の形状は、上記実施形態及び変形例のグリル取っ手部23の内部空間Sと同様であるので詳細な説明は省略する。例えば、一例であるが、グリル取っ手部230の内部空間S1は、正面視において、概ね長方形状に形成されている。ただし、内部空間S1の形状はこれに限定されず多様な形状であり得る。また、グリル取っ手部230の内部空間S1は、運搬者の指が入る大きさに形成されており、グリル取っ手部230の上下方向の距離L1、左右方向の距離L2及び奥行きの距離L3の定義についても、上記実施形態及び変形例のグリル取っ手部23と同様である。よって、上記と同様に、距離L1〜L3は適宜所望の大きさに設定可能である。