JP6225945B2 - 半導体レーザ素子 - Google Patents

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Description

本発明は、半導体レーザ素子に関する。
今日、窒化物系の半導体レーザ素子は、紫外域から緑色に至るまで発振が可能となり、光ディスクの光源のみならず多岐にわたり利用されている。特に、波長430nm以上の青色や緑色で発振する半導体レーザ素子は、プロジェクタ用光源やテレビ用光源といったディスプレイ用の光源等への応用が期待されている。
窒化物半導体レーザ素子としては、n型クラッド層と、InGaN領域を含むn側光ガイド層と、活性層と、InGaN領域を含むp側光ガイド層と、p型クラッド層を備え、最も外側の井戸層とn側及びp側光ガイド層との間に、n側及びp側光ガイド層のInGaN領域のバンドギャップよりも大きいバンドギャップを有する障壁層を備えた構造がある(例えば、特許文献1)。
特開2009−200437号公報
長波長のレーザ光を発振する窒化物系の半導体レーザ素子としては種々の構造が提案されているが、その構造にはまだ改善の余地がある。
本願は、以下の発明を含む。
単一量子井戸構造又は多重量子井戸構造を有する活性層と、活性層の両側に配置されたp型窒化物半導体層及びn型窒化物半導体層と、を備え、発振波長が430nm以上である半導体レーザ素子であって、n型窒化物半導体層と活性層の間に、InGa1−aN(0≦a<1)からなる第1層と、第1層よりも膜厚が薄いInGa1−bN(0<b<1、a<b)からなる第2層とが、n型窒化物半導体層側からこの順に配置され、第2層の活性層側の面及び第1層側の面の少なくともいずれか一方の面に、第2層よりも膜厚の薄いInGa1−cN(0≦c<1、c<b)からなる第3層が配置されており、第2層は、n型不純物を含有することを特徴とする半導体レーザ素子。
n型窒化物半導体層を形成し、n型窒化物半導体層の上に、InGa1−aN(0≦a<1)からなる第1層を形成し、第1層の上に、第1層よりも膜厚が薄いInGa1−bN(0<b<1、a<b)からなり、電子キャリア濃度が1×1018/cm以上となるようにn型不純物を添加する第2層と、第2層の活性層側の面及び第1層側の面の少なくともいずれか一方の面に配置される、第2層よりも膜厚の薄いInGa1−cN(0≦c<1、c<b)からなる第3層と、を形成し、第2層及び第3層の上に、単一量子井戸構造又は多重量子井戸構造を有する活性層を形成し、活性層の上に、p型窒化物半導体層を形成する。
半導体レーザ素子の製造方法。
n型窒化物半導体層を形成し、n型窒化物半導体層の上に、InGa1−aN(0≦a<1)からなる第1層を形成し、第1層の上に、第1層よりも膜厚が薄いInGa1−bN(0<b<1、a<b)からなり、n型不純物濃度が1×1019/cm以上となるようにn型不純物を添加する第2層と、第2層の活性層側の面及び第1層側の面の少なくともいずれか一方の面に配置される、第2層よりも膜厚の薄いInGa1−cN(0≦c<1、c<b)からなる第3層と、を形成し、第2層及び第3層の上に、単一量子井戸構造又は多重量子井戸構造を有する活性層を形成し、活性層の上に、p型窒化物半導体層を形成する、半導体レーザ素子の製造方法。
上記した半導体レーザ素子は、結晶性の悪化を抑制しつつピエゾ電界を緩和でき、電子の注入効率の改善及びホールのオーバーフローの抑制をすることができる。また、上記した半導体レーザ素子の製造方法によれば、結晶性の悪化を抑制しつつピエゾ電界を緩和でき、且つ、電子の注入効率の改善及びホールのオーバーフローの抑制が可能な半導体レーザ素子を製造することができる。
図1は、実施形態に係る半導体レーザ素子のバンドギャップエネルギーを模式的に示す図である。 図2は、実施形態に係る半導体レーザ素子の模式的な断面図である。 図3は、実験用試料1〜3の半導体レーザ素子のI−L特性を示すグラフである。 図4は、実施例1及び比較例1の半導体レーザ素子のI−L特性を示すグラフである。 図5は、実施例2及び比較例2の半導体レーザ素子の経過時間に対する規格化光出力を示すグラフである。
以下、本件発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。ただし、以下に示す実施形態は、本発明の技術思想を具体化するための方法を例示するものであって、本発明を以下の実施形態に特定するものではない。さらに以下の説明において、同一の名称、符号については同一もしくは同質の部材を示しており、詳細説明を適宜省略する。
図1は、本実施形態に係る半導体レーザ素子についてバンドギャップエネルギーを模式的に示す図である。図2は本実施形態の半導体レーザ素子100の模式的な断面図であり、半導体レーザ素子100の共振器方向と垂直な方向における断面を示す。半導体レーザ素子100は、単一量子井戸構造又は多重量子井戸構造を有する活性層3と、活性層3の両側に配置されたp型窒化物半導体層(例えば第2p型半導体層44)及びn型窒化物半導体層(例えば第3n型半導体層23)と、を備える。半導体レーザ素子の発振波長430nm以上である。n型窒化物半導体層と活性層3の間には、InGa1−aN(0≦a<1)からなる第1層25と、第1層25よりも膜厚が薄いInGa1−bN(0<b<1、a<b)からなる第2層26とが、n型窒化物半導体層側からこの順に配置される。第2層26の活性層3側の面及び第1層側の面の少なくともいずれか一方の面に、第2層26よりも膜厚の薄いInGa1−cN(0≦c<1、c<b)からなる第3層27が配置されている。第2層26は、n型不純物を含有する。なお、図1は第3層27を第2層26の両面に設けた例である。
図1に示す活性層3は多重量子井戸構造であり、2つの井戸層31とそれらに挟まれた1つの障壁層32(中間障壁層)を有する。また、活性層3のp型窒化物半導体層側には例えばGaNからなるp側障壁層41(外側障壁層)が配置されており、さらにその外側には、例えば活性層3から遠ざかるに従ってInGaNからGaNに組成傾斜する第4層42が配置されている。
以下に、第2層26を設けることにより窒化物半導体レーザ素子の特性が改善されるメカニズムについて述べる。
まず、第1層25と活性層3との間に設ける第2層26が、n型不純物を含有することが良いことを説明する。
典型的な窒化物系の半導体レーザ素子は、十分な利得を得るために、2以上の井戸層とその間に配置された中間障壁層を有する多重量子井戸構造の活性層を備える。しかし、窒化物半導体ではホールの有効質量が電子よりも重いため、中間障壁層の膜厚が厚ければ、それぞれの井戸層にて利得の偏りが生じ易く、また動作電圧が高くなり易い。中間障壁層を薄くすれば、井戸層の利得の偏りを少なくでき動作電圧も低減することができるが、逆に高電流領域ではホールのオーバーフローが増加する現象が生じ易く、やはりスロープ効率が悪化する虞がある。また、単一の井戸層を有する単一量子井戸構造を用いれば、多重量子井戸構造に特有のそれぞれの井戸層にて利得が偏るという現象は生じないが、十分な利得を得ることが難しく、やはり高電流領域でホールがオーバーフローする懸念がある。
そこで、本実施形態では、活性層3のn型窒化物半導体層側にn型不純物を含有する第2層26を設ける。このような第2層26を活性層3の近くに配置することにより、ホールのオーバーフローを抑制することができ、スロープ効率が向上した半導体レーザ素子を得ることができる。また、第2層26にn型不純物を含有させることで、電子の注入効率が改善されるため閾値電流の低減にも寄与する。さらに活性層3が多重量子井戸構造である場合は、井戸層31に挟まれた障壁層32を薄くすることによるスロープ効率の悪化を抑制することできる。つまり、障壁層32を薄くするとホールのオーバーフローが発生し易いが、第2層26によりこれを抑制することができるので、スロープ効率の悪化を抑制することが可能である。障壁層32を薄くすることにより、動作電圧を低くでき、さらに個々の井戸層31の利得の偏りを低減することができ、閾値電流が低減された半導体レーザ素子を実現することができる。
次に、第2層26を、第1層25よりもIn組成比が大きいInGaNからなる層とし、第2層26の面の少なくとも一方、好ましくは両方に第2層26よりもIn組成比が小さい第3層27を設けることが良いことを説明する。
可視光波長の光を発振する窒化物系の半導体レーザ素子は、通常、活性層中の井戸層としてInGaNが用いられる。そして、活性層を挟むn型半導体層およびp型半導体層には、例えば、クラッド層としてAlGaN、ガイド層としてGaNもしくは活性層中の井戸層よりもIn組成比が低いInGaNが用いられる。窒化物半導体は、Al、In、Gaの組成比により格子定数が異なることが知られており、クラッド層等の格子定数が小さい層の上に活性層(井戸層)が形成されることで、井戸層に圧縮歪がかかり、ピエゾ電界が発生する。ピエゾ電界は、ホールと電子の波動関数を空間的に分離させ、キャリアの再結合確率を低下させる。これにより、半導体レーザ素子の閾値電流は上昇し、スロープ効率は低下する。そこで、本実施形態では、活性層3のn型窒化物半導体層側に、第1層25よりも薄く、且つInの組成比が高い第2層26を設ける。これにより、活性層3(井戸層31)にかかる歪を緩和させ、閾値電流の低減とスロープ効率の改善を図ることができる。特に、発振波長が長波になるほど井戸層31のその周りの層との格子定数差が大きくなるため、ピエゾ電界の影響をより顕著に受けることが知られている。よって、このような構成は、発振波長が長い半導体レーザ素子に用いることが好ましい。具体的な発振波長としては430nm以上が挙げられる。
また、InGaNはInの組成比が増加するほど屈折率も増加するため、第1層25よりもIn組成比が大きい第2層26を活性層3の近くに配置することで、第2層26がコア層としての役割も兼ねることができ、半導体レーザ素子の光閉じ込め係数を向上させ、閾値電流やスロープ効率を改善することもできる。しかし一方で、In組成比大のInGaNは三次元成長し易いため、第1層25と第2層26のみを成長させた後に活性層3を成長させると、井戸層31も三次元成長するか、転位などの結晶欠陥が生じやすい傾向にあり、このような低品質の活性層3が形成されると第2層26による効果を十分に享受することができない場合がある。そこで、第1層25と第2層26の間、及び/又は、第2層26と活性層3との間に、第2層26よりもInの組成比が低い層、たとえばGaNなどを第3層27として薄く成長させる。これにより、井戸層31の三次元成長を抑制でき、高品質な活性層3を成長させることができるので、第2層26を設けることによる閾値電流低減等の効果を十分に得ることができる。
以下、各部材について詳述する。
(半導体レーザ素子100)
図2に示すように、半導体レーザ素子100は、基板1の上に、n型窒化物半導体層を有するn側領域2と、活性層3と、p型窒化物半導体層を有するp側領域4と、を備える。p側領域4の表面には例えばリッジ4aが設けられている。リッジ4aが設けられている場合は、活性層3のうちリッジ4aの直下の部分及びその近傍が導波路領域である。リッジ4aの側面とリッジ4aの側面から連続するp側領域4の表面には第1絶縁膜5aを設けることができ、第1絶縁膜5a上には第1絶縁膜5aの一部を被覆する第2絶縁膜5bを設けることができる。基板1はn型であり、その下面にはn電極8が設けられている。また、p側領域4表面のリッジ4aに接してp電極6が設けられ、さらにその上にp側パッド電極7が設けられている。第1絶縁膜5aはp電極6の一部を被覆してよい。
前述のとおり、発振波長が長波になるほどピエゾ電界の影響をより顕著に受けるため、第2層26等を設けることによる効果は、半導体レーザ素子100の発振波長が430nm以上である場合に特に大きい。なお、半導体レーザ素子100の発振波長が430nm以上とは、半導体レーザ素子100が発振するレーザ光のピーク波長が430nm以上であることを指す。半導体レーザ素子100は、その光出力が例えば数十mW程度の比較的低いものでもよいが、第2層26等を設けることによる効果は高電流領域においてより大きくなるため、半導体レーザ素子100は比較的高電流を流すことが可能な素子(比較的高出力の素子)であることが好ましい。このような半導体レーザ素子100としては、例えば1A以上の電流を流すことが可能な素子が挙げられ、また、例えば1W以上の光出力である素子が挙げられる。半導体レーザ素子100は2A程度以上の電流を流すことが可能であることが特に好ましい。また、半導体レーザ素子100の光出力は3W以上であることが特に好ましい。このような半導体レーザ素子100としては、例えば、リッジ4aの幅(又は導波路領域の幅)が10μm〜50μm程度のものが挙げられる。
(基板1)
基板1には、例えばGaNやAlN等からなる窒化物半導体基板を用いることができる。また、窒化物半導体基板以外の異種基板、例えば、サファイアのような絶縁性基板、SiC、Si、ZnO、Ga、GaAsなどの半導体基板、ガラスなどの上に窒化物半導体を成長させたテンプレート基板などを用いてもよい。また、前述の第2層26等を設けることによる効果は、極性面をもつc面において特に大きいと考えられる。c面((0001)面)GaN基板上に各半導体層を成長させた素子において、井戸層に前述したピエゾ電界がかかるからである。したがって、基板1としては、c面を主面とする基板(GaN基板、サファイア基板等)を用いることが好ましい。ここでc面を主面とするとは、0〜1度程度のオフ角を有するものを含んでよい。
(n側領域2)
n側領域2は、窒化物半導体からなる多層構造で形成することができる。n側領域2に含まれるn型半導体層としては、Si、Ge等のn型不純物が含有された窒化物半導体からなる層を挙げることができる。n側領域2は、例えば、基板1側から順に、第1n型半導体層21、第2n型半導体層22、第3n型半導体層23(本実施形態ではこの層をn型窒化物半導体層とする)、第4n型半導体層24、第1層25、第2層26を有し、第2層26の上又は下、あるいは両方に第3層27が配置されている。n側領域2にはこれら以外の層を配置してもよく、また、これらの層のいずれかを省略してもよい。
(第1〜第4n型半導体層21〜24)
第1〜第4n型半導体層21〜24は、n型不純物を含有する。第1n型半導体層21は、例えばAlGaNからなる。第2n型半導体層22は、例えばInGaNからなる。第2n型半導体層22のIn組成比は井戸層31よりも小さいことが好ましく、第2層26と同程度でもよい。第3n型半導体層23は、例えば第1層25よりもバンドギャップエネルギーが大きいAlGa1−iN(0≦i<1)からなる。第3n型半導体層23は、第1n型半導体層21よりもバンドギャップエネルギーが大きいことが好ましい。第3n型半導体層23は、n側領域2において最大のバンドギャップエネルギーを有してよく、典型的にはn型クラッド層として機能する。第3n型半導体層23の膜厚は、例えば0.7〜1.2μm程度である。第4n型半導体層24は、例えばGaNからなる。第4n型半導体層24を設ける場合は、第1層25と同じか又は第1層25と第3n型半導体層23との間のバンドギャップエネルギー及び/又は格子定数を有することが好ましい。第4n型半導体層24の膜厚は、例えば第3n型半導体層23の膜厚よりも小さい。
(第1層25)
第1層25は、InGa1−aN(0≦a<1)からなる。第1層25は、InGaNでもよく、GaNでもよい。第1層25は、n型窒化物半導体層(例えば第3n型半導体層23)よりもバンドギャップエネルギーが小さい及び/又は格子定数が大きいことが好ましい。また、第1層25の格子定数を、n型窒化物半導体層と第2層26の間、第4n型半導体層24がある場合は第4n型半導体層24と第2層26の間の数値とすることが好ましい。これにより、n型窒化物半導体層から活性層3に向かって格子定数を段階的に増加させることができるので、活性層3(井戸層31)にかかる歪を緩和することができ、ピエゾ電界の影響を低減することができる。また、第1層25のIn組成比aは、0.025以上とすることができ、また、0.2未満とすることができる。
また、第1層25は、n型不純物を少量ドーピングしてもよく、アンドープでもよい。n型不純物を含有させる場合は、n型窒化物半導体層(例えば第3n型半導体層23)よりも少ない濃度であることが好ましい。第1層25は例えばn側ガイド層として機能する。第1層25の膜厚は、第2層26よりも大きいことが好ましい。第1層25がInGaNからなる場合は膜厚が大きくなると結晶性の悪化が懸念されるため、第1層25の膜厚は、350nm以下であることが好ましく、300nm以下であることがさらに好ましい。また、第1層25の膜厚は、40nm以上であることこが好ましい。
(第2層26)
第2層26は、第1層25よりも膜厚が薄いInGa1−bN(0<b<1)からなることが好ましい。第2層26のIn組成比bは第1層25のIn組成比aよりも大きい(つまり、a<bである)ことが好ましい。第2層26を設けることにより、活性層3への歪の緩和の効果が得られると考えられる。また第2層26のIn組成比bは、0.025より大きい値とすることができ、また、0.2以下とすることができ、この範囲で第1層25のIn組成比aよりも大きくすればよい。また、第2層26のIn組成比bと、後述する障壁層32のIn組成比d又は井戸層31のIn組成比eとの関係は、d<bであることが好ましく、b<eであることが好ましい。さらには、b<e/2であることが好ましい。
第2層26は、n型不純物を含有することが好ましい。n型不純物としては、Si、Ge等が挙げられる。ホールのオーバーフローを抑制し、また、電子の注入効率の改善をするために、第2層26の電子キャリア濃度(n型不純物濃度)及び/又は膜厚は一定以上であることが好ましい。また、第2層26は光吸収層としても働き、結晶性の悪化抑制の観点からも、電子キャリア濃度(n型不純物濃度)及び/又は膜厚は大きすぎないことが好ましい。具体的には、以下に示す数値範囲とすることが好ましい。
第2層26の電子キャリア濃度は、1×1018 cm以上が好ましく、さらには1×1019 cm以上が好ましい。また、1×1020 cm以下が好ましく、さらには3×1019 cm以下が好ましい。第2層26の電子キャリア濃度を設定する場合には、例えば、測定用として十分な厚み(例えば100nm程度)で形成した膜についてホール測定を行い、その電子キャリア濃度が所望の数値であることを確認し、そして測定用膜と同様の成長条件(同様のn型不純物源のガス流量など)で第2層26を形成すればよい。これは、膜厚が異なっていても同様の成長条件であれば同様の電子キャリア濃度を有すると考えられるためである。また、通常、電子キャリア濃度はn型不純物濃度よりも低くなるため、第2層26のn型不純物濃度は、前述の電子キャリア濃度の下限値よりも高いことが好ましく、例えば1×1019/cm以上が挙げられる。第2層26の電子キャリア濃度は、n側領域2の中で最大であるように設定することが好ましい。n側領域2の中で最大とは、例えば基板1に接する層(図1に示す例では第1n型半導体21)から活性層3も接する層(図1に示す例では第3層27B)までの間で最大であるということである。また、第2層26は活性層3よりも電子キャリア濃度(n型不純物濃度)が高いことが好ましい。n型不純物濃度についても同様にn側領域2の中で最大であることが好ましい。
第2層26の膜厚は、1nm以上、30nm以下であることが好ましい。さらには、5nm以上であることが好ましく、また、10nm以下であることが好ましい。
また、第2層26は、活性層3の近くに配置されることが好ましい。具体的には、活性層3の井戸層31のうち最もn型窒化物半導体層の側に配置された層(n側最外井戸層)と、第2層26との最短距離が、10nm以下であることが好ましい。これにより、前述の第2層26を設けることによる効果をより確実に得ることができる。また、第2層26とn側最外井戸層との間に第3層27Bが設けられる場合も、第2層26とn側最外井戸層との最短距離が10nm以下となるように配置することが好ましい。図1に示すように、第3層27Bとn側最外井戸層が接してもよい。そのような第3層27Bが設けられない場合は、第2層26とn側最外井戸層が接していることが好ましい。
また、第1層25と活性層3の間に、第2層26は1つのみ配置されていることが好ましい。すなわち、第2層26と同様の組成を有する層は、第1層25と活性層3の間において1つの第2層26以外に存在しないことが好ましい。
(第3層27)
第3層27は、第2層26の活性層3側の面及び第1層25側の面の少なくともいずれか一方の面に配置されている。第3層27A及び第3層27Bのいずれか1つのみ設けてもよく、両方を設けることもできる。図1に示す半導体レーザ素子は2つの第3層27(27A,27B)を有しており、第3層27Aは第2層26の第1層25側に配置され、第3層27Bは第2層26の活性層3側に配置される。第3層27Aと第3層27Bは、膜厚、組成、又は電子キャリア濃度(n型不純物濃度)が異なってもよく、同じでもよい。典型的には、膜厚、組成、及び電子キャリア濃度(n型不純物濃度)のすべてを第3層27Aと第3層27Bで同じとする。
第3層27は、第2層26よりも膜厚の薄いInGa1−cN(0≦c<1)からなることが好ましい。第3層27のIn組成比cは、第2層26のIn組成比bよりも小さいことが好ましく、すなわちc<bの関係であることが好ましい。比較的大きなIn組成比の第2層26を設けることにより結晶性の悪化が懸念されるが、GaN又はIn組成比の比較的小さいInGaNからなる第3層27を設けることで、結晶性を回復することができ、高品質な活性層3を成長させることができる。より好ましくは、第3層27をGaNで構成する。また、第3層27のIn組成比cは第1層25のIn組成比aと同じかそれより小さくしてよく、つまりc≦aの関係としてよい。以下の理由からこのような関係が適している。すなわち、第1層25を光ガイド層として機能させる場合にはInGaNで構成することが好ましく、一方で第3層27は結晶性の回復層として機能させる目的で低In組成比InGaN又はGaNで構成することが好ましいためである。
第3層27は、n型不純物を含有してもよい。これにより、ホールのオーバーフローを抑えることができ、また、電子に対してはトンネリングをさせてキャリアの注入効率を高めることができる。また、第1層25から活性層3までの界面はヘテロ界面になるため、バンドスパイクが生じ、これらの層にn型不純物を含有する領域を設けないと、電圧にスパイクノイズが発生しやすくなる。この観点からも、第2層26及び第3層27にn型不純物を含有させることは重要な意味をもつ。n型不純物としては、Si、Ge等が挙げられる。
第3層27の電子キャリア濃度は、1×1018/cm以上であることが好ましい。第3層27の電子キャリア濃度は第2層26と同様の範囲で設定することができる。第3層27と第2層26の電子キャリア濃度が同程度であってもよく、第3層27の方が高くてもよい。電子キャリア濃度の設定についても第2層26と同様に行うことができ、すなわち、測定用に厚膜とした試料を作製してホール測定を行い、所望の電子キャリア濃度が得られた試料と同様の成長条件で第3層27を形成することができる。第3層27のn型不純物濃度についても第2層26と同様とすることができる。なお、2つの第3層27A,27Bを有する場合は、その一方のみにn型不純物を含有させてもよく、両方にn型不純物を含有させてもよい。好ましくは、両方にn型不純物を含有させる。
結晶性の回復効果を得るために、第3層27の膜厚は1原子以上であることが好ましく、0.5nm以上とすることもできる。また、第3層27の膜厚は第2層26の膜厚の半分以下であることが好ましい。具体的には、第3層27の膜厚は5nm以下であることが好ましい。また、第3層27の膜厚は、障壁層32の膜厚よりも小さくすることができる。
第2層26及び第3層27のInの平均組成比fは、第1層25よりも高く、井戸層31よりも低いことが好ましい。さらには、第2層26及び第3層27のInの平均組成比fが井戸層31のIn組成比の半分以下であることが好ましい。このような範囲内とすることによって、第2層26を活性層3の緩衝層として効果的に機能させることができ、また、第3層27を結晶の回復層として効果的に機能させることができる。第2層26及び第3層27のInの平均組成比fは、以下の式で求めることができる。すなわち、f=(b×L+c×L)/(L+L)であって、bは第2層26のIn組成比であり、Lは第2層26の膜厚であり、cは第3層27のIn組成比であり、Lは第3層27の膜厚である。また、2つの第3層27A,27Bを有する場合は、c×L=c×L3A+c×L3B、かつL=L3A+L3Bとすればよい。ここで、cは第3層27AのIn組成比であり、L3Aは第3層27Aの膜厚であり、cは第3層27BのIn組成比であり、L3Bは第3層27Bの膜厚である。また、第1層25のIn組成比aと、第2層26のIn組成比bと、第2層26及び第3層27の平均In組成比fとの間の関係は、0.025≦a≦f<b≦0.2とすることができる。これにより、第2層26と第3層27を、活性層3の結晶性の悪化を抑制させつつ、歪の緩和層として十分に機能させることができる。
第1層25と第2層26と第3層27のIn組成比は、それぞれ隣り合う層のIn組成比の差が、少なくとも1組以上が0.005以上(0.5%以上)となるように設定することができる。第1〜第3層25〜27のIn組成比a〜cは、0.005≦|a−c|、0.005≦|c−b|、0.005≦|a−b|、の少なくともいずれか1つを満たす関係であってよい。
n側領域2において最も格子定数の小さい層をn型窒化物半導体層としたときに(図1,2に示す例では第3n型半導体層23が相当)、第3層27を除くn型窒化物半導体層と活性層3との間のすべての層が、n型窒化物半導体層から活性層3まで格子定数が段階的に増加するような組成で形成されることが好ましい。これにより、活性層3への歪をより効果的に緩和することができる。
また、第3層27を設けることによる効果は、特にパルス動作において大きくなりやすい。例えば、パルス動作における光出力を複数の試料で比較したところ、第3層を設けず第2層のみを設けた試料では、第2層を同じ電子キャリア濃度を有するSiドープしたGaN単層で置換した試料(比較用試料)とほとんど差がみられなかったが、第2層及び第3層の両方を設けた試料では、比較用試料よりも光出力が顕著に向上した。なお、第2層を設けるが第3層を設けない試料であっても、CW動作における温度特性(20℃時の特性に対する80℃時の特性の変化割合)については、閾値電流、スロープ効率、光出力、電力変換効率等の各種評価で比較用試料よりも良好な結果が得られた。したがって、CW動作の高温時の特性を重視する場合には、第3層を省略して第2層のみを設けてもよい。
(活性層3)
活性層3は、単一量子井戸構造又は多重量子井戸構造を有する。窒化物系の半導体レーザ素子において十分な利得を得るためには、多重量子井戸構造が好ましい。多重量子井戸構造の活性層3は、複数の井戸層31と、井戸層31に挟まれた障壁層32を含む。なお、活性層3とは、ここでは井戸層31を最外とするものを指し、活性層3の障壁層32とは、2つの井戸層31に挟まれた障壁層を指す。
障壁層32は、井戸層31よりバンドギャップエネルギーが大きいInGaN、GaN、又はAlGaN等を用いることができる。発振波長430nm以上の半導体レーザ素子の場合は、井戸層31のIn組成比が比較的大きいため、それとの格子定数差が大きくなりすぎないように障壁層32はInGaN又はGaNからなることが好ましい。典型的には、障壁層32は、InGa1−dN(0≦d<1)からなり、井戸層31はInGa1−eN(0<e<1)からなる。障壁層32は、単層のみならず、複数の層から構成されていても構わない。井戸層31のIn組成比eは、発振波長430nm以上の半導体レーザ素子とする場合には、活性層以外の層構造が変わると多少増減するが、例えば0.10以上(10%以上)とすればよい。井戸層31のIn組成比eの上限は、特に限定するものではないが、例えば0.50以下(50%以下)とすることができる。このとき、半導体レーザ素子の発振波長は600nm以下程度であると考えられる。井戸層31は、結晶性向上や光吸収低減の観点から、アンドープが好ましい。
障壁層32は、第2層26及び第3層27とは、n型不純物濃度及び組成及び膜厚の少なくともいずれかが異なることが好ましい。例えば、障壁層32を、InGa1−dN(0≦d<1、d<b)の単層で構成する。つまり、2つの井戸層31と1つの障壁層32がある場合に、InGa1−dN(0≦d<1、d<b)からなる障壁層32の一方の面に接して1つの井戸層31を配置し、他方の面に接してもう1つの井戸層31を配置することができる。障壁層32は、例えばアンドープのGaNからなる。なお、障壁層32の膜厚よりも薄い膜厚(例えば1nm以下)の層を、障壁層32と井戸層31の間に配置することもできる。障壁層32と井戸層31との間の距離は障壁層32の膜厚未満(例えば1nm以下)であることが好ましく、当該距離が0、つまり障壁層32と井戸層31が接していてもよい。
また、前述のとおり、第2層26を設けることで、障壁層32を薄くすることによるスロープ効率の悪化を抑制することができる。このため、障壁層32の膜厚を15nm以下としてよい。これにより、動作電圧を低くでき、さらに個々の井戸層31の利得の偏りを低減することができるため、閾値電流を低減させることができる。例えば、障壁層32の膜厚は、第2層と第3層の合計膜厚よりも小さくすることができる。また、障壁層32の膜厚の下限は1原子層以上とすることができる。なお、障壁層32が複数ある場合、つまり井戸層31が3以上ある場合は、すべての障壁層32を同様の組成及び膜厚とすることが好ましい。
また、第1層25のIn組成比aと、第2層26及び第3層27の平均In組成比fと、第2層26のIn組成比bと、井戸層31のIn組成比eとの関係は、a≦f<b<eであることが好ましい。さらには、a≦f<b<e/2であることが好ましい。この範囲に第2層26と第3層27の組成比を収めることで、活性層3の結晶性の悪化を抑制しつつ、歪の緩和を効果的に得ることができる。
(p側領域4)
p側領域4は、窒化物半導体層からなる単層又は多層構造で形成することができる。p側領域4に含まれるp型窒化物半導体層としては、Mg等のp型不純物が含有された窒化物半導体からなる層を挙げることができる。p側領域4は、例えば、活性層3側から順に、p側障壁層41、第4層42、第1p型半導体層43、第2p型半導体層44(p型窒化物半導体層の一例)、第3p型半導体層45を有する。p側領域4にはこれら以外の層を配置してもよく、また、これらの層のいずれかを省略してもよい。
(p側障壁層41)
p側障壁層41は、井戸層31よりも大きいバンドギャップエネルギーを有する。p側障壁層41の組成及び膜厚の範囲は、前述の活性層3の障壁層32と同様のものを採用することができる。p側障壁層41にn型不純物を含有させると、光吸収やホールのトラップの虞があるため、また、p型不純物であるMgは深い準位をつくり光吸収を生じさせるため、p側障壁層41はアンドープとすることが好ましい。例えばp側障壁層41はアンドープのGaNからなる。p側障壁層41は障壁層32より薄くてもよい。
(第4層42)
第4層42は、例えばInGaN又はGaNからなる。p側障壁層41と同様の理由から、第4層42はアンドープであることが好ましく、例えばp側ガイド層として機能する。第4層42はp側障壁層41よりもバンドギャップエネルギーが小さいことが好ましい。例えば、p側障壁層41をInGa1−gN(0≦g<1)から構成するとき、第4層42は、InGa1−hN(0<h<1、g<h)から構成することができる。In組成比g、hの関係は、0.03≦h−gとすることができる。また、In組成比gは例えば0.03以下である。また、第4層42がInGaNからなる場合は膜厚が大きくなると結晶性の悪化が懸念されるため、第4層42の膜厚は、350nm以下であることが好ましく、300nm以下であることがさらに好ましい。第4層42がInGaNからGaNに組成が変化する組成傾斜層である場合も同様の膜厚範囲であることが好ましい。また、第4層42は、第2層26と組成、膜厚のいずれかが異なることが好ましい。p側障壁層41及び第4層42は、図1に示すように、活性層3を挟んで第2層26及び第3層27と非対称になるような組成及び膜厚とすることができる。
第4層42は組成傾斜層でもよい。組成傾斜層である場合は、図1に示すように、活性層3に近い側のバンドギャップエネルギーを、活性層3から遠い側(p型窒化物半導体層側)よりも低くすることが好ましい。組成傾斜層の活性層3に最も近い領域は、前述のInGa1−hNの組成範囲であることが好ましく、例えば第2層26と同じ組成とすることができる。組成傾斜層のp型窒化物半導体層に最も近い領域は、p側障壁層41と同等のバンドギャップエネルギーかそれより大きくてもよく、例えばGaNである。第4層42中に、InGaN/GaNのような急峻なバンドオフセットを有するヘテロ界面を設けること、特にこのようなペアを複数組で設けることは、ホールのトラップ層となりうるため、避けることが好ましい。また、組成傾斜層は、光を活性層3に寄せつつ電子のオーバーフローを抑制するため、活性層3側から単調にInの組成を減少させることが効果的である。第4層42は、第4層42の活性層3側の界面及びp型窒化物半導体層側の界面を除くすべての領域に亘って、およそ0.004eV/nm以上の急峻なバンドオフセットが存在しないことが好ましい。すなわち、InGaNのIn組成比になおすとおよそ0.001/nm(およそ0.1%/nm)以上の急峻な組成比変動が存在しないことが好ましい。
(第1〜第3p型半導体層43〜45)
第1〜第3p型半導体層43〜45は、Mg等のp型不純物を含有する。第1p型半導体層43は、例えばAlGaNからなる。第1p型半導体層43は、p側領域4中で最も高いバンドギャップエネルギーを有し、且つ第4層42よりも膜厚が小さい層として設けてよい。第1p型半導体層43は、例えば電子ブロック層として機能する。第2p型半導体層44(本実施形態ではこの層をp型窒化物半導体層とする)は、例えばAlGaNからなる。第2p型半導体層44は、例えばp型クラッド層として機能し、p側領域4中で電子ブロック層に次いで高いバンドギャップエネルギーを有してよい。第1p型半導体層43と第2p型半導体層44を統合して、電子ブロック層とp型クラッド層の両方の機能を備えた1つの層を設けることもできる。第3p型半導体層45は、例えばGaNからなり、p型コンタクト層として機能する。
(n電極8、p電極6、p側パッド電極7)
n電極8は、例えばn型の基板1の下面のほぼ全域に設けられる。p電極6は、例えばリッジ4aの少なくとも上面に設けられる。p電極6の幅が狭い場合は、p電極6の上にp電極6より幅が広いp側パッド電極7を設け、p側パッド電極7にワイヤ等を接続すればよい。ここでの各電極の材料は特に限定されず、例えば、Ni、Rh、Cr、Au、W、Pt、Ti、Al等の金属又は合金、Zn、In、Snから選択される少なくとも1種を含む導電性酸化物等の単層膜又は多層膜が挙げられる。導電性酸化物の例としては、ITO(Indium Tin Oxide)、IZO(Indium Zinc Oxide)、GZO(Gallium-doped Zinc Oxide)等が挙げられる。電極の厚みは特に限定されるものではなく、用いる材料等により適宜調整することができ、通常、半導体素子の電極として機能し得る厚みであればよい。例えば、0.1μm〜2μm程度が挙げられる。
(第1〜第2絶縁膜5a,5b)
半導体積層体は、その主面に第1絶縁膜5aと第2絶縁膜5bを有することが好ましい。側面のリークを防ぐために第2絶縁膜5bを有することが望ましい。第1〜2絶縁膜5a,5bは、例えば、Si、Al、Zr、Ti、Nb、Ta等の酸化物又は窒化物等の単層又は積層膜によって形成することができる。第1〜2絶縁膜5a,5bの膜厚は、特に限定されるものではなく、例えばそれぞれ10nm〜500nm程度とすることができる。
(半導体レーザ素子100の製造方法)
本実施形態の半導体レーザ素子100の製造方法は、以下の工程A〜工程Eをこの順に有することができる。工程Cに替えて工程C’を採用してもよい。
(工程A)n型窒化物半導体層(例えば第3n型半導体層23)を形成する。
(工程B)n型窒化物半導体層の上に、InGa1−aN(0≦a<1)からなる第1層25を形成する。
(工程C)第1層25の上に、第2層26と第3層27を形成する。第2層26は、第1層25よりも膜厚が薄いInGa1−bN(0<b<1、a<b)からなり、電子キャリア濃度が1×1018/cm以上となるようにn型不純物を添加して形成することが好ましい。第3層27は、第2層26の活性層3側の面及び第1層25側の面の少なくともいずれか一方の面に配置され、第2層26よりも膜厚の薄いInGa1−cN(0≦c<1、c<b)からなることが好ましい。
(工程C’)第1層25の上に、第2層26と第3層27を形成する。第2層26は、第1層25よりも膜厚が薄いInGa1−bN(0<b<1、a<b)からなり、n型不純物濃度が1×1019/cm以上となるようにn型不純物を添加して形成することが好ましい。第3層27は、第2層26の活性層3側の面及び第1層25側の面の少なくともいずれか一方の面に配置され、第2層26よりも膜厚の薄いInGa1−cN(0≦c<1、c<b)からなることが好ましい。
(工程D)第2層26及び第3層27の上に、単一量子井戸構造又は多重量子井戸構造を有する活性層3を形成する。
(工程E)活性層3の上に、p型窒化物半導体層(例えば第2p型半導体層44)を形成する。
これにより、結晶性の悪化を抑制しつつピエゾ電界を緩和でき、且つ、電子の注入効率の改善及びホールのオーバーフロー抑制が可能な半導体レーザ素子100を製造することができる。その他の構成について以下に例示するが、これに限定されるものではない。半導体レーザ素子100の構成及びそれに含まれる各部材の構成は、前述の構成を採用することができる。一部の層が省略可能であること、また、ここに挙げた以外の層を含んでよいことについても前述のとおりである。電子キャリア濃度及びn型不純物濃度の設定についても前述のとおりであり、ホール測定用の試料で所望の濃度が得られる条件と同様の成長条件で半導体レーザ素子100中の層(例えば第2層26)を形成すればよい。
活性層3は、複数の井戸層31と、井戸層31に挟まれた障壁層32と、を含む多重量子井戸構造を有し、障壁層32は、第2層26及び第3層27と、n型不純物濃度及び組成及び膜厚の少なくともいずれかが異なることが好ましい。第3層27は、n型不純物を添加して形成することが好ましい。
各層は、例えば有機金属気相成長法(MOCVD法)を用いて形成することができる。第1層25〜第3層27の成長温度としては、例えば、第1層25を形成する際の成長温度Tと、第2層26を形成する際の成長温度Tと、第3層27を形成する際の成長温度Tと、の関係を、|T−T|≦150且つ|T−T|≦150とすることができる。また、T≧TおよびT≧Tのいずれか一方を満たすことができ、両方を満たすことがより好ましい。これにより第1層から第3までを高い結晶性で成長できる。なお、T〜Tは摂氏温度とする。
また、各層を成長した後に、リッジ4aを形成する工程、第1絶縁膜5a(及び第2絶縁膜5b)を形成する工程、基板1の厚みを研磨等により薄くする工程、n電極8及びp電極6(及びp側パッド電極7)を形成する工程等を任意に採用することができる。また、通常、各層を成長する際にはウエハー状の基板を用いてその上に各層を積層してエピタキシャルウエハーを作製し、各電極等を形成した後、個片化する工程を有する。個片化工程の後又は個片化工程の途中に、劈開等により形成された共振器端面に、誘電体多層膜等の反射膜を形成する工程を有してもよい。
(実験用試料1〜3)
実験用試料1〜3として、以下に示す半導体レーザ素子を作製した。半導体レーザ素子となるエピタキシャルウエハーを作製するにあたって、MOCVD法を利用した。また、原料には、トリメチルガリウム(TMG)、トリエチルガリウム(TEG)、トリメチルアルミニウム(TMA)、トリメチルインジウム(TMI)、アンモニア(NH)、シランガス、ビス(シクロペンタジエニル)マグネシウム(CpMg)を適宜用いた。
c面GaN基板上に、SiドープしたAl0.02Ga0.98N層を1.5μmの膜厚で成長させた。
次に、SiドープしたIn0.05Ga0.95N層を150nmの膜厚で成長させた。
次に、SiドープしたAl0.07Ga0.93N層を900nmの膜厚で成長させた。
次に、SiドープしたGaN層を300nmの膜厚で成長させた。
次に、アンドープのIn0.03Ga 0.97 N層(第1層)を190nmの膜厚で成長させた。
次に成長させる層は、実験用試料1〜3でそれぞれ異なる構造で形成した。具体的な構造については後述する。
次に活性層を成長させた。活性層は、アンドープのIn0.14Ga0.86N層(井
戸層)を3.5nmの膜厚で成長させ、その上にアンドープのGaN層(障壁層)を3.5nmの膜厚で成長させた。さらにその上に、In0.14Ga0.86N層(井戸層)
を3.5nmの膜厚で成長させた。
次に、アンドープのGaN層を1nmの膜厚で成長させた。
次に、アンドープのIn0.035Ga0.965N層を190nmの膜厚で成長させ
た。
次に、MgをドープしたAl0.12Ga0.88N層を3nmの膜厚で成長させ、MgをドープしたAl0.16Ga0.84N層を6nmの膜厚で成長させた。
次に、Mgを一部にドープしたAl0.04Ga0.96N層を500nmの膜厚で成長させた。
最後に、MgをドープしたGaN層を15nmの膜厚で成長させた。
そして、以上の層が形成されたエピタキシャルウエハーをMOCVD炉内より取り出し、フォトリソグラフィとRIE、スパッタを用いて、リッジ、n電極、p電極等を形成し、個片化して半導体レーザ素子を得た。半導体レーザ素子は、リッジ幅を30μm、共振器長を1200μmとした。
第1層と活性層の間に形成した層は、以下のとおりである。
実験用試料1では、アンドープのGaN層を1nmの膜厚で成長させた。
実験用試料2では、SiをドープしたGaN層を10nmの膜厚で成長させた。当該層は、電子キャリア濃度が3×1018 cmとなる成長条件をホール測定用の試料で確認し、同様の成長条件で形成した。
実験用試料3では、SiをドープしたGaN層を10nmの膜厚で成長させた。当該層は、電子キャリア濃度が1×1019 cmとなる成長条件をホール測定用の試料で確認し、同様の成長条件で形成した。
図3に、実験用試料1〜3の半導体レーザ素子のI−L特性を示す。実線で示す(a)が実験用試料1であり、間隔の広い破線で示す(b)が実験用試料2であり、間隔の狭い破線で示す(c)が実験用試料3である。実験用試料1〜3の半導体レーザ素子は、波長445nmで発振した。閾値電流は、実験用試料1が266mAであり、実験用試料2が257mAであり、実験用試料3が247mAであった。そして、スロープ効率は、実験用試料1が1.60W/Aであり、実験用試料2が1.61W/Aであり、実験用試料3が1.70W/Aであった。電流が2.5A時の光出力と電圧と電力変換効率はそれぞれ、実験用試料1が3412mW、4.60V、29.7%、実験用試料2が3510mW、4.61V、30.5%、実験用試料3が3606mW、4.60V、31.4%であった。
これらの結果から、第1層と活性層の間には、実験用試料1のようにアンドープの層を設けるよりも、実験用試料2,3のようにSiをドープした層を設ける方が、閾値電流が低減すること、また、光出力が向上して電力変換効率が向上することが理解できる。また、実験用試料2,3の結果から、これらの効果は、電子キャリア濃度が高い方がより良好であることが理解できる。なお、実験用試料1の第1層と活性層の間に設ける層の膜厚を実験用試料2,3よりも小さくしたのは、アンドープであっても薄膜であれば、電子の注入の妨げになりにくく、特性への悪影響が比較的小さいと考えられるためであり、実験用試料2,3と同様の膜厚でアンドープ層を設けた場合には、実験用試料2,3との差異は大きくなると思われる。
実施例1として、以下に示す半導体レーザ素子を作製した。半導体層の構造と寸法以外は実験用試料1〜3と同様に作製した。
c面GaN基板上に、SiドープしたAl0.02Ga0.98N層を1.5μmの膜厚で成長させた。
次に、SiドープしたIn0.05Ga0.95N層を150nmの膜厚で成長させた。
次に、SiドープしたAl0.07Ga0.93N層を900nmの膜厚で成長させた。
次に、SiドープしたGaN層を300nmの膜厚で成長させた。
次に、アンドープのIn0.03Ga 0.97 N層(第1層)を250nmの膜厚で成長させた。
次に、SiドープのGaN層(第3層)を1nmの膜厚で成長させ、SiドープのIn0.05Ga0.95N層(第2層)を8nmの膜厚で成長させ、SiドープのGaN層(第3層)を1nmの膜厚で成長させた。これらの層は、電子キャリア濃度が1.7×1019 cmとなる成長条件をホール測定用の試料で確認し、同様の成長条件で形成した。
次に活性層を成長させた。活性層は、アンドープのIn0.15Ga0.85N層(井戸層)を3.4nmの膜厚で成長させ、その上にアンドープのGaN層(障壁層)を2nmの膜厚で成長させた。さらにその上に、In0.15Ga0.85N層(井戸層)を3.4nmの膜厚で成長させた。
次に、アンドープのGaN層を1.2nmの膜厚で成長させた。
次に、アンドープの組成傾斜層を250nmの膜厚で成長させた。組成傾斜層は、活性
層側をIn0.05Ga0.95Nとし、その反対側をGaNとし、その間においてIn組成比を単調減少させて成長させた。
次に、MgをドープしたAl0.16Ga0.84N層を10nmの膜厚で成長させた。
次に、Mgを一部にドープしたAl0.04Ga0.96N層を300nmの膜厚で成長させた。
最後に、MgをドープしたGaN層を15nmの膜厚で成長させた。
半導体レーザ素子は、リッジ幅を45μm、共振器長を1200μmとした。
また、比較例1として、実施例1の「膜厚1nmのSiドープGaN層(第3層)/膜厚8nmのSiドープIn0.05Ga0.95N層(第2層)/膜厚1nmのSiドープGaN層(第3層)」に替えて「膜厚10nmのSiをドープしたGaN層」を成長させた以外は実施例1と同様にして半導体レーザ素子を作成した。比較例1の当該層は、電子キャリア濃度が1.7×1019 cmとなる成長条件をホール測定用の試料で確認し、同様の成長条件で形成した。つまり、比較例1は、実施例1の第2層及び第3層と同じ位置に、これらの合計膜厚と同じ膜厚でこれらと同じ電子キャリア濃度のGaN単層を設けた。

図4に、実施例1及び比較例1の半導体レーザ素子のI−L特性を示す。実線で示す(a)が比較例1の半導体レーザ素子であり、破線で示す(b)が実施例1の半導体レーザ素子である。実施例1及び比較例1の半導体レーザ素子は、波長455nmで発振した。閾値電流は、比較例1が396mAであり、実施例1が361mAであった。そして、スロープ効率は、比較例1が1.54W/Aであり、実施例1が1.65W/Aであった。電流が3A時の光出力と電圧と電力変換効率はそれぞれ、比較例1が4350mW、4.16V、34.8%、実施例1が4550mW、4.21V、36.1%であった。
実施例1の半導体レーザ素子は、比較例1の半導体レーザ素子よりも、閾値電流が低減し、また、光出力が向上して電力変換効率が向上した。実施例1において比較例1よりも特性が向上した理由は、前述したように、InGaN層(第2層)を設けたことによるピエゾ電界の緩和と光閉じ込め係数の向上、さらには第2層の両側のGaN層(第3層)を設けたことによる結晶性の回復、かつ十分な電子キャリア濃度による、電子の注入効率の改善とホールのオーバーフローの抑制によるものであると考えられる。
実施例2の半導体レーザ素子は、リッジ幅を15μmとし、活性層の後に成長する層を以下のとおりとした以外は実施例1と同様に作製した。実施例2において活性層の後に成長した層は、活性層側から順に、膜厚1.2nmのアンドープのGaN層、膜厚250nmのアンドープの組成傾斜層(活性層側がIn0.05Ga0.95N、その反対側がGaN)、膜厚3nmのMgをドープしたAl0.12Ga0.88N層、膜厚6nmのMgをドープしたAl0.16Ga0.84N層、膜厚300nmのMgを一部にドープしたAl0.04Ga0.96N層、膜厚15nmのMgをドープしたGaN層、である。
また、比較用として、実施例2の「膜厚1nmのSiドープGaN層(第3層)/膜厚8nmのSiドープIn0.05Ga0.95N層(第2層)/膜厚1nmのSiドープGaN層(第3層)」に替えて「膜厚10nmのSiをドープしたGaN層」を成長させた以外は実施例2と同様にして比較例2の半導体レーザ素子を作製した。
実施例2及び比較例2の半導体レーザ素子を8個ずつ用いてケース温度25度で電流4.8Aのパルス動作で連続点灯させた結果を、図5に示す。図5において、横軸は点灯開始からの経過時間であり、縦軸は0時間の光出力値で各時間における光出力値を割って規格化した値である。実線を比較例2の半導体レーザ素子の結果とし、破線を実施例2の半導体レーザ素子の結果とした。図5において規格化光出力が急激に低下した時間が、半導体レーザ素子が頓死した時間であると考えられる。頓死までの時間は、比較例2がすべて120時間未満であるのに対し、実施例2は120時間未満は1つのみであって、それ以外は比較例よりもおおよそ2倍程度長くなった。これらの結果から、第2層及び第3層を設けることにより、頓死までの時間を延ばすことができ、長寿命化できると考えられる。なお、図5のグラフでは、一部の線が重なっているために実施例2の線(破線)と比較例2の線(実線)が7本ずつに見えるが、実際は8本ずつある。実施例2において330時間付近で光出力が0になった線が2本あり、比較例2において90時間付近で光出力が0になった線が2本ある。また、図5に示す結果は加速試験条件で行った結果であり、通常の使用条件であれば寿命はさらに長いと推測される。
本発明の実施形態に係る半導体レーザ素子は、プロジェクタ用光源やテレビ用光源といったディスプレイ用光源に利用することができ、また、医療用光源、車両のヘッドライト用光源等に利用することができる。
100 半導体レーザ素子
1 基板
2 n側領域
21 第1n型半導体層
22 第2n型半導体層
23 第3n型半導体層(n型窒化物半導体層)
24 第4n型半導体層
25 第1層
26 第2層
27(27A、27B) 第3層
3 活性層
31 井戸層
32 障壁層
4 p側領域
41 p側障壁層
42 第4層
43 第1p型半導体層
44 第2p型半導体層(p型窒化物半導体層)
45 第3p型半導体層
4a リッジ
5a 第1絶縁膜、5b 第2絶縁膜
6 p電極
7 p側パッド電極
8 n電極

Claims (17)

  1. 単一量子井戸構造又は多重量子井戸構造を有する活性層と、
    前記活性層の両側に配置されたp型窒化物半導体層及びn型窒化物半導体層と、を備え、
    発振波長が430nm以上である半導体レーザ素子であって、
    前記n型窒化物半導体層と前記活性層の間に、InGa1−aN(0≦a<1)からなる第1層と、前記第1層よりも膜厚が薄いInGa1−bN(0<b<1、a<b)からなる第2層とが、前記n型窒化物半導体層側からこの順に配置され、
    さらに、2つの第3層が、前記第2層の前記活性層側の面及び前記第1層側の面にそれぞれ配置されており、
    前記2つの第3層は、それぞれ、前記第2層よりも膜厚が薄く、且つ、GaN又は前記第2層よりもIn組成比が小さいInGaNからなり、
    前記第2層は、n型不純物を含有することを特徴とする半導体レーザ素子。
  2. 前記活性層は、複数の井戸層と、前記井戸層に挟まれた障壁層と、を含む多重量子井戸構造を有し、
    前記障壁層は、前記第2層及び前記2つの第3層と、n型不純物濃度及び組成及び膜厚の少なくともいずれかが異なる請求項1に記載の半導体レーザ素子。
  3. 前記障壁層は、InGa1−dN(0≦d<1、d<b)の単層からなる請求項2に記載の半導体レーザ素子。
  4. 前記第2層の電子キャリア濃度は、1×1018/cm以上である請求項1〜3のいずれか1項に記載の半導体レーザ素子。
  5. 前記第2層のn型不純物濃度は、1×1019/cm以上である請求項1〜4のいずれか1項に記載の半導体レーザ素子。
  6. 前記2つの第3層は、それぞれ、n型不純物を含有する請求項1〜5のいずれか1項に記載の半導体レーザ素子。
  7. 前記2つの第3層の電子キャリア濃度は、それぞれ、1×1018/cm以上である請求項1〜6のいずれか1項に記載の半導体レーザ素子。
  8. 前記2つの第3層は、膜厚、組成、及び電子キャリア濃度が同じである請求項1〜7のいずれか1項に記載の半導体レーザ素子。
  9. 前記2つの第3層は、それぞれ、GaNである請求項に記載の半導体レーザ素子。
  10. 前記第2層の膜厚は1nm以上30nm以下である請求項1から9のいずれか1項に記載の半導体レーザ素子。
  11. 前記2つの第3層の膜厚は、それぞれ、1原子層以上であり、且つ、前記第2層の膜厚の半分以下である請求項1から10のいずれか1項に記載の半導体レーザ素子。
  12. 前記活性層は、InGa1−eN(0<e<1)からなる井戸層を有し、
    前記第1層のIn組成比aと、前記第2層及び前記2つの第3層の平均In組成比fと、前記第2層のIn組成比bと、前記井戸層のIn組成比eとの関係が、a≦f<b<eである請求項1から11のいずれかに記載の半導体レーザ素子。
    ただし、f=(b×L ×L 3A +c ×L 3B )/(L 3A +L 3B )であり、Lは前記第2層の膜厚であり、 は前記2つの第3層のうち一方の層のIn組成比であり、L 3A は該一方の層の膜厚であり、c は前記2つの第3層のうち他方の層のIn組成比であり、L 3B は該他方の層の膜厚である。
  13. n型窒化物半導体層を形成し、
    前記n型窒化物半導体層の上に、InGa1−aN(0≦a<1)からなる第1層を形成し、
    前記第1層の上に、前記第1層よりも膜厚が薄いInGa1−bN(0<b<1、a<b)からなり、電子キャリア濃度が1×1018/cm以上となるようにn型不純物を添加する第2層と、前記第2層の前記活性層側の面及び前記第1層側の面のそれぞれに配置される、前記第2層よりも膜厚が薄く、且つ、GaN又は前記第2層よりもIn組成比が小さいInGaNからなる2つの第3層と、を形成し、
    前記第2層及び前記2つの第3層の上に、単一量子井戸構造又は多重量子井戸構造を有する活性層を形成し、
    前記活性層の上に、p型窒化物半導体層を形成する、半導体レーザ素子の製造方法。
  14. n型窒化物半導体層を形成し、
    前記n型窒化物半導体層の上に、InGa1−aN(0≦a<1)からなる第1層を形成し、
    前記第1層の上に、前記第1層よりも膜厚が薄いInGa1−bN(0<b<1、a<b)からなり、n型不純物濃度が1×1019/cm以上となるようにn型不純物を添加する第2層と、前記第2層の前記活性層側の面及び前記第1層側の面のそれぞれに配置される、前記第2層よりも膜厚が薄く、且つ、GaN又は前記第2層よりもIn組成比が小さいInGaNからなる2つの第3層と、を形成し、
    前記第2層及び前記2つの第3層の上に、単一量子井戸構造又は多重量子井戸構造を有する活性層を形成し、
    前記活性層の上に、p型窒化物半導体層を形成する、半導体レーザ素子の製造方法。
  15. 前記活性層は、複数の井戸層と、前記井戸層に挟まれた障壁層と、を含む多重量子井戸構造を有し、
    前記障壁層は、前記第2層及び前記2つの第3層と、n型不純物濃度及び組成及び膜厚の少なくともいずれかが異なる請求項13又は14に記載の半導体レーザ素子の製造方法。
  16. 前記2つの第3層は、それぞれ、n型不純物を添加して形成する請求項13〜15のいずれか1項に記載の半導体レーザ素子の製造方法。
  17. 前記第1層を形成する際の成長温度Tと、前記第2層を形成する際の成長温度Tと、前記2つの第3層を形成する際の成長温度Tと、の関係は、|T−T|≦150且つ|T−T|≦150である請求項13〜16のいずれか1項に記載の半導体レーザ素子の製造方法。
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