JP2008244307A - 半導体発光素子および窒化物半導体発光素子 - Google Patents

半導体発光素子および窒化物半導体発光素子 Download PDF

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Abstract

【課題】活性層の結晶性の悪化を抑制することができ、大電流密度で発光効率の高い半導体発光素子および窒化物半導体発光素子を提供する。
【解決手段】n型半導体層と、活性層と、を含み、n型半導体層と活性層との間に第1のp型半導体層を備え、活性層から見て第1のp型半導体層がある側とは反対側に第2のp型半導体層を備えた半導体発光素子である。また、n型窒化物半導体層と窒化物半導体活性層とを含み、n型窒化物半導体層と窒化物半導体活性層との間に第1のp型窒化物半導体層を備え、窒化物半導体活性層から見て第1のp型窒化物半導体層がある側とは反対側に第2のp型窒化物半導体層を備えた窒化物半導体発光素子である。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体発光素子および窒化物半導体発光素子に関し、特に、活性層の結晶性の悪化を抑制することができ、大電流密度で発光効率の高い半導体発光素子および窒化物半導体発光素子に関する。
従来の窒化物半導体発光素子の構造は、基板から順に、n型窒化物半導体層、n型若しくはアンドープ窒化物半導体活性層およびp型窒化物半導体層が積層された構造が一般的である。
この構造の窒化物半導体発光素子においては、窒化物半導体活性層がn型になっていること、および有効質量が正孔に比べて電子の方が小さいことから、大電流密度での窒化物半導体活性層における正孔濃度が電子濃度に比べて著しく小さくなる。したがって、過剰な電子がp型窒化物半導体層の領域まで進入して、窒化物半導体活性層の領域に対して無視できない割合でp型窒化物半導体層の領域で正孔と再結合することから、窒化物半導体発光素子の発光効率が低下するという問題があった。
そこで、特許文献1においては、窒化物半導体活性層の少なくとも1つの層をp型とする窒化物半導体発光素子が提案されている。
特開2004−64080号公報
しかしながら、半導体においてはp型不純物の活性化エネルギは非常に大きい。たとえば、窒化物半導体のp型不純物として一般的に使用されるMgの活性化エネルギは200meV程度であり、n型不純物の活性化エネルギの約10倍程度である。
したがって、特許文献1に記載の窒化物半導体発光素子の窒化物半導体活性層において所望のp型キャリア濃度を得るためには、その約100倍程度のp型不純物をドーピングする必要があるため、p型不純物を高濃度にドーピングすることによる窒化物半導体活性層の結晶性の悪化が懸念される。
また、特許文献1に記載の窒化物半導体発光素子の窒化物半導体活性層の多重量子井戸構造の井戸層にInGaN層が用いられる場合には、Inの蒸気圧は非常に高いことから低温で形成する必要が必要があるため、このような低温での井戸層のp型への活性化は困難である。
そこで、本発明の目的は、活性層の結晶性の悪化を抑制することができ、大電流密度で発光効率の高い半導体発光素子および窒化物半導体発光素子を提供することにある。
なお、本発明において、「発光効率」とは、内部量子効率と、注入効率と、光取り出し効率との積の外部量子効率のことを示している。ここで、内部量子効率とは活性層に注入された電子数に対して活性層に生じた光子数の割合のことをいい、注入効率とは素子における正孔と電子との全再結合数に対する活性層における正孔と電子との再結合数の割合のことをいい、光取り出し効率とは活性層に生じた光子数に対する素子の外部に取り出された光子数の割合のことをいう。
本発明は、n型半導体層と、活性層と、を含み、n型半導体層と活性層との間に第1のp型半導体層を備え、活性層から見て第1のp型半導体層がある側とは反対側に第2のp型半導体層を備えた半導体発光素子である。
また、本発明は、n型窒化物半導体層と窒化物半導体活性層とを含み、n型窒化物半導体層と窒化物半導体活性層との間に第1のp型窒化物半導体層を備え、窒化物半導体活性層から見て第1のp型窒化物半導体層がある側とは反対側に第2のp型窒化物半導体層を備えた窒化物半導体発光素子である。
ここで、本発明の窒化物半導体発光素子は、第1のp型窒化物半導体層に接するようにして設置されたGaN層またはInGaN層を含むことが好ましい。
また、本発明の窒化物半導体発光素子において、第1のp型窒化物半導体層はAlを含む窒化物半導体層を含むことが好ましい。
また、本発明の窒化物半導体発光素子においては、第1のp型窒化物半導体層に含まれるAl、GaおよびInの総原子数に対するAlの原子数の比が0.05以上0.5以下であることが好ましい。
また、本発明の窒化物半導体発光素子においては、第1のp型窒化物半導体層と窒化物半導体活性層との間にp型不純物を含まない窒化物半導体層を含むことが好ましい。
また、本発明の窒化物半導体発光素子においては、第1のp型窒化物半導体層のp型不純物の原子濃度は5×1019/cm3以下であることが好ましい。
また、本発明の窒化物半導体発光素子においては、窒化物半導体活性層のp型不純物の原子濃度は1×1019/cm3以下であることが好ましい。
また、本発明の窒化物半導体発光素子においては、窒化物半導体活性層はアンドープであることが好ましい。
また、本発明の窒化物半導体発光素子においては、第2のp型窒化物半導体層はp型InGaN層を含むことが好ましい。
また、本発明の窒化物半導体発光素子においては、p型InGaN層のInおよびGaの総原子数に対するInの原子数の比が0.1以下であることが好ましい。
また、本発明の窒化物半導体発光素子においては、窒化物半導体活性層は、井戸数が2以上の多重量子井戸構造を有することが好ましい。
なお、本明細書において、Alはアルミニウムを示し、Gaはガリウムを示し、Inはインジウムを示し、Nは窒素を示す。
また、本発明において、p型不純物の原子濃度およびn型不純物の原子濃度はそれぞれたとえばSIMS(Secondary Ion Mass Spectrometry)等の方法により定量的に算出することができる。
本発明によれば、活性層の結晶性の悪化を抑制することができ、大電流密度で発光効率の高い半導体発光素子および窒化物半導体発光素子を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について説明する。なお、本発明の図面において、同一の参照符号は、同一部分または相当部分を表わすものとする。
図1に、本発明の窒化物半導体発光素子の好ましい一例の模式的な断面図を示す。図1に示す窒化物半導体発光素子は、基板1上に、n型窒化物半導体層2、第1のp型窒化物半導体層3、窒化物半導体活性層4、第2のp型窒化物半導体層5および透光性電極6がこの順序で積層された構成を有している。そして、透光性電極6の表面上にp側電極8が形成されており、n型窒化物半導体層2の表面上にn側電極9が形成されている。
また、図2に、本発明の窒化物半導体発光素子の好ましい他の一例の模式的な断面図を示す。ここで、図2に示す窒化物半導体発光素子においては、第1のp型窒化物半導体層3と窒化物半導体活性層4との間にp型不純物がドーピングされていない窒化物半導体層10が形成されていること以外は、図1に示す窒化物半導体発光素子と同一の構成となっている。
ここで、図1および図2に示す本発明の窒化物半導体発光素子は、n型窒化物半導体層2と窒化物半導体活性層4との間に第1のp型窒化物半導体層3を備えており、窒化物半導体活性層4から見て第1のp型窒化物半導体層3がある側とは反対側に第2のp型窒化物半導体層5を備えていることに特徴がある。
このような構成とすることによって、窒化物半導体活性層4にp型不純物を大量にドーピングしなくても、大電流密度で発光効率の高い窒化物半導体発光素子が得られるとともに、窒化物半導体活性層4の結晶性の悪化も抑制することができる。
図3に、本発明の窒化物半導体発光素子の好ましい一例のエネルギバンド図を示す。なお、図3において、縦軸がバンドギャップエネルギ(eV)を示し、横軸が第2のp型窒化物半導体層5の表面からの距離(nm)を示す。すなわち、横軸の距離(nm)が大きくなるほど第2のp型窒化物半導体層5の表面から基板1側に近づくことを意味する。
また、図3に示すエネルギバンド図は、図2に示す構成の窒化物半導体発光素子に以下の材料からなる窒化物半導体層を用いたものについて示している。すなわち、図2に示すn型窒化物半導体層2としてn型GaN層を用い、第1のp型窒化物半導体層3としてn型窒化物半導体層2側から厚さ20nmのp型Al0.15Ga0.85N層(キャリア濃度:5×1017/cm3)および厚さ10nmのp型GaN層(キャリア濃度:5×1017/cm3)がこの順序で形成された積層体を用いている。また、窒化物半導体層10として、厚さ10nmのアンドープGaN層(図1には図示されていない)を用いている。また、窒化物半導体活性層4としては、井戸層としてアンドープIn0.2Ga0.8N層を用い、障壁層としてアンドープGaN層を用いた井戸層数6の多重量子井戸構造を有する活性層を用いている。さらに、第2のp型窒化物半導体層5としては窒化物半導体活性層4側から厚さ20nmのp型In0.03Ga0.97N層(キャリア濃度:1×1018/cm3)および厚さ100nmのp型GaN層(キャリア濃度:1×1018/cm3)がこの順序で形成された積層体を用いている。
このような構成の窒化物半導体発光素子においては、順バイアス電圧の印加によって、電子が図3の右側から左側に流れ、正孔が図3の左側から右側に流れる。仮に、この窒化物半導体発光素子を大電流密度で駆動した場合でも、窒化物半導体活性層4における正孔濃度が電子濃度よりも大きくなって窒化物半導体活性層4における多数キャリアが正孔となる傾向が大きくなる。
電子は正孔よりも有効質量が小さいため正孔よりも移動速度が大きく、拡散長が長くなるため、窒化物半導体活性層4における多数キャリアが電子である場合、特に大電流密度の場合には、第2のp型窒化物半導体層5の領域まで拡散する電子数が窒化物半導体活性層4に注入される電子数に対して無視できない割合になって、注入効率が低下し、結果として発光効率の低下を招く。一方、窒化物半導体活性層4における正孔が多数キャリアである場合には、大電流密度で駆動した場合でも電子は少数キャリアとなり、第2のp型窒化物半導体層5の領域に到達する前に窒化物半導体活性層4において電子と正孔とが再結合することから発光効率が低下しない。
したがって、以上の理由から、本発明の窒化物半導体発光素子においては、大電流密度の電流を注入した場合でも、窒化物半導体活性層4において正孔と再結合せずに第2のp型窒化物半導体層5側へオーバーフローする電子量を低減することができるため、窒化物半導体発光素子の発光効率を上昇させることができる。
また、本発明の窒化物半導体発光素子においては、窒化物半導体活性層4にp型不純物を大量にまたは全くドーピングしなくてもよいため、窒化物半導体活性層4の結晶性の悪化を抑制することができる。
さらに、上記のように、第1のp型窒化物半導体層3が、n型窒化物半導体層2側から、たとえばAlを含む比較的バンドギャップの大きい窒化物半導体層とAlを含まない比較的バンドギャップの小さい窒化物半導体層とが接して積層した構成を含む場合には、p型AlGaN層とp型GaN層との界面の窒化物半導体活性層4側に2次元電子ガスが生成すること、さらには第1のp型窒化物半導体層3を構成するp型AlGaN層と窒化物半導体活性層4(InGaN層またはGaN層)との間の格子不整合に起因してピエゾ電界が発生することにより、窒化物半導体活性層4の正孔濃度を実効的に高いものとすることができ、窒化物半導体活性層4における空乏領域をn型窒化物半導体層2側に形成することができる。これによっても、窒化物半導体活性層4で正孔と再結合せずに第2のp型窒化物半導体層5側へオーバーフローする電子量を低減することができる。
ここで、(i)第1のp型窒化物半導体層3を構成するp型AlGaN層とその上の窒化物半導体活性層4(InGaN層またはGaN層)との電子親和力の違いによって、第1のp型窒化物半導体層3のp型AlGaN層の窒化物半導体活性層4側の界面にプラスに帯電した2次元電子ガスが発生する。(ii)第1のp型窒化物半導体層3のp型AlGaN層と窒化物半導体活性層4(InGaN層またはGaN層)との間の格子不整合に起因してピエゾ電界が発生し、このピエゾ電界により窒化物半導体活性層4の第2のp型窒化物半導体層5側がマイナスになるように電界がかかる。(iii)窒化物半導体活性層4はアンドープであり、その上の第2のp型窒化物半導体層5がp型であるため、窒化物半導体活性層4においては第2のp型窒化物半導体層5側がプラスになるように電界がかかる。
上記の(ii)および(iii)の電界が相殺されること、ならびにp型AlGaN層の窒化物半導体活性層4側の界面がプラスに帯電していることから、窒化物半導体活性層4は実効的にp型となる。
なお、第1のp型窒化物半導体層3を構成するp型AlGaN層の直下の層は、ピエゾ電界を発生させてp型AlGaN層の窒化物半導体活性層4側の界面がプラスになるように電界をかける観点から、n型またはp型のGaN層であることが好ましい。
なお、第1のp型窒化物半導体層3としては、たとえばp型のAlxInyGazN(0≦x≦1、0≦y≦1、0≦z≦1、x+y+z≠0)結晶からなる窒化物半導体層を用いることができるが、上記のように2次元電子ガスを生成する観点からは、第1のp型窒化物半導体層3はAlを含む層を含んでいることが好ましい。なお、上記の式において、xはAlの混晶比を示し、yはInの混晶比を示し、zはGaの混晶比を示している。
すなわち、第1のp型窒化物半導体層3が、n型窒化物半導体層2側からp型Alx1Iny1Gaz1N(0<x1≦1、0≦y1≦1、0≦z1≦1、x1+y1+z1≠0)層およびp型Alx2Iny2Gaz2N(0≦x2≦1、0≦y2≦1、0≦z2≦1、x2+y2+z2≠0)層がこの順序で積層されている構成を有している場合には、これらの層の界面の窒化物半導体活性層4側の界面には2次元電子ガスが生成し得るが、上記のような2次元電子ガスを生成する観点からは、p型Alx1Iny1Gaz1N(0<x1≦1、0≦y1≦1、0≦z1≦1、x1+y1+z1≠0)層はInを含まないp型AlGaN層であることが好ましく、p型Alx2Iny2Gaz2N(0≦x2≦1、0≦y2≦1、0≦z2≦1、x2+y2+z2≠0)層はAlを含まないp型GaN層またはp型InGaN層(p型Iny2Gaz2N(0≦y2≦1、0≦z2≦1、y2+z2≠0)層)であることが好ましい。
また、第1のp型窒化物半導体層3の窒化物半導体活性層4側の最表面がp型Alx1Iny1Gaz1N(0<x1≦1、0≦y1≦1、0≦z1≦1、x1+y1+z1≠0)層から構成されている場合には、2次元電子ガスを生成する観点から、その最表面と接する層は、Alを含まないn型若しくはアンドープのGaN層、またはAlを含まないn型若しくはアンドープのInGaN層であることが好ましい。なお、第1のp型窒化物半導体層3の窒化物半導体活性層4側の最表面となるp型Alx1Iny1Gaz1N(0<x1≦1、0≦y1≦1、0≦z1≦1、x1+y1+z1≠0)層に接するAlを含まないn型若しくはアンドープのGaN層またはAlを含まないn型若しくはアンドープのInGaN層は窒化物半導体活性層4へのp型不純物の拡散を抑制する働きがある。
また、第1のp型窒化物半導体層3を構成するp型Alx1Iny1Gaz1N(0<x1≦1、0≦y1≦1、0≦z1≦1、x1+y1+z1≠0)層におけるAl、GaおよびInの総原子数に対するAlの原子数の比が0.05以上0.5以下であることが好ましい。この比が0.05以上0.5以下である場合には、上記の2次元電子ガスの発生による効果が十分に発揮される傾向にある。また、この比が0.5を超える場合には、第1のp型窒化物半導体層3の高抵抗化またはクラックの発生等の問題が生じるおそれがある。
また、第1のp型窒化物半導体層3のp型不純物の原子濃度は5×1019/cm3以下であることが好ましい。この場合には、MOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition)法等によるエピタキシャル成長によって窒化物半導体活性層4を形成した場合の窒化物半導体活性層4への格子欠陥および転位等の伝播を抑えることができる傾向にある。
なお、上記において、x1およびx2はそれぞれAlの混晶比を示し、y1およびy2はそれぞれInの混晶比を示し、z1およびz2はそれぞれGaの混晶比を示している。
また、図1に示す構成のように、第1のp型窒化物半導体層3と窒化物半導体活性層4とが接していてもよいが、第1のp型窒化物半導体層3からp型不純物が窒化物半導体活性層4に拡散するのを抑制できるため、図2に示す構成のように第1のp型窒化物半導体層3と窒化物半導体活性層4との間にp型不純物を含まない窒化物半導体層10を形成することが好ましい。ここで、p型不純物の拡散を十分に抑制する観点からは、窒化物半導体層10の層厚は10nm以上50nm以下とすることが好ましい。
また、窒化物半導体活性層4としては、InaGabN(0≦a≦1、0≦b≦1、a+b≠0)からなる井戸層と、AlsIntGauN(0≦s≦1、0≦t≦1、0≦u≦1、s+t+u≠0)からなる障壁層と、が交互に積層された周期構造である、多重量子井戸構造を有することが好ましい。なお、sはAlの混晶比を示し、aおよびtはInの混晶比を示し、bおよびuはGaの混晶比を示す。
また、窒化物半導体活性層4の結晶性の悪化を抑制する観点から、窒化物半導体活性層4のp型不純物の原子濃度は、1×1019/cm3以下であることが好ましく、アンドープであることが好ましい。
また、窒化物半導体活性層4の井戸数は、窒化物半導体活性層4の状態密度を上げ、キャリアのオーバーフローを抑制する観点から、2以上であることが好ましい。
また、窒化物半導体活性層4における電子の拡散長は、窒化物半導体活性層4における正孔濃度によって大きく異なるが、たとえば窒化物半導体活性層4における正孔濃度が1×1018/cm3であれば、その拡散長は1μm程度であることから、窒化物半導体活性層4の全層厚が1μm以上であることが好ましい。たとえば、井戸層と障壁層とが1層ずつ積層された場合を1周期とし、その1周期の層厚が20nmのときには井戸数は50となる。
また、第2のp型窒化物半導体層5としては、たとえば、p型Alx3Iny3Gaz3N(0≦x3≦1、0≦y3≦1、0≦z3≦1、x3+y3+z3≠0)の結晶からなる層を用いることができる。なお、x3はAlの混晶比を示し、y3はInの混晶比を示し、z3はGaの混晶比を示す。
なかでも、第2のp型窒化物半導体層5としては、Alを含まないp型Iny3Gaz3N(0≦y3≦1、0≦z3≦1、y3+z3≠0)の結晶からなる層(p型InGaN層)を用いることが好ましい。第2のp型窒化物半導体層5としてp型InGaN層を用いた場合には、窒化物半導体活性層4の第2のp型窒化物半導体層5側の正孔濃度を実効的に上げることができる傾向にあり、大電流密度の電流を注入した場合における第2のp型窒化物半導体層5側へオーバーフローする電子量を低減することができる。すなわち、第2のp型窒化物半導体層5を構成するp型InGaN層と窒化物半導体活性層4との間の格子不整合により、窒化物半導体活性層4の第2のp型窒化物半導体層5側の界面がプラスになるピエゾ電界が発生するため、窒化物半導体活性層4における第2のp型窒化物半導体層5側の正孔濃度が実効的に向上する。
また、第2のp型窒化物半導体層5としては、p型InGaN層のみを形成することもできるが、窒化物半導体活性層4側からp型InGaN層およびp型GaN層の順に形成することもできる。
ここで、第2のp型窒化物半導体層5がp型InGaN層とp型GaN層との積層体から構成される場合には、p型InGaN層のInおよびGaの総原子数に対するInの原子数の比が0.1以下であることが好ましい。この場合には、p型InGaN層とp型GaN層との界面のコンタクト抵抗の上昇を抑制することができる。
また、基板1としては、サファイア、SiC(炭化ケイ素)、Si(ケイ素)またはZnO(酸化亜鉛)等からなる基板を用いることができる。
また、n型窒化物半導体層2としては、たとえばn型のAlkInlGamN(0≦k≦1、0≦l≦1、0≦m≦1、k+l+m≠0)結晶からなる窒化物半導体層を用いることができる。なお、kはAlの混晶比を示し、lはInの混晶比を示し、mはGaの混晶比を示す。
また、n型窒化物半導体層2上に形成されるn側電極9としては、たとえば、Ti(チタン)、Hf(ハフニウム)およびAlからなる群から選択された少なくとも1種の金属を用いて、オーミック接触をとるように形成されることが好ましい。ここで、n側電極9は、エッチングによって第1のn型窒化物半導体層2の表面の一部を露出させ、その露出面上に形成することができる。
また、第2のp型窒化物半導体層5上に形成される透光性電極6としては、たとえば、Pd(パラジウム)、Ni(ニッケル)、ITO(Indium Tin Oxide)またはn型GaN等からなる膜を用いることができる。
また、透光性電極6上の形成されるp側電極8としては、たとえば、Au(金)膜、またはTi(チタン)膜とAl膜との積層体を用いることができる。
また、別途用意した導電性の支持基板に上記の第2のp型窒化物半導体層5の成長後のウエハの第2のp型窒化物半導体層5側を貼り付けることによって、n型窒化物半導体層2側が光取り出し側、第2のp型窒化物半導体層5側を支持基板側とし、支持基板側に反射率の高いAl、Pt(白金)およびAg(銀)からなる群から選択された少なくとも1種の金属膜を形成して、上下電極構造の窒化物半導体発光ダイオード素子とすることもできる。
なお、本発明において、n型不純物としては、たとえばSi、Ge(ゲルマニウム)およびO(酸素)からなる群から選択された少なくとも1種をドーピングすることが好ましい。
また、本発明において、p型不純物としては、たとえばMg(マグネシウム)および/またはZn(亜鉛)等をドーピングすることができるが、活性化エネルギの小さいMgをp型不純物としてドーピングすることが好ましい。
なお、上記においては、窒化物半導体発光素子の場合について説明したが、本発明は窒化物半導体発光素子に限られず、窒化物半導体層を用いない半導体発光素子にも適用可能である。
(実施例1)
実施例1においては、図4の模式的断面図に示す構成の窒化物半導体発光ダイオード素子を作製する。
まず、サファイア基板101をMOCVD装置の反応炉内にセットする。そして、その反応炉内に水素を流しながらサファイア基板101の温度を1050℃まで上昇させて、サファイア基板101の表面(C面)のクリーニングを行なう。
次に、サファイア基板101の温度を510℃まで低下させ、キャリアガスとして水素、原料ガスとしてアンモニアおよびTMG(トリメチルガリウム)を反応炉内に流して、サファイア基板101の表面(C面)上にGaNバッファ層102をMOCVD法により約20nmの厚さでサファイア基板101上に成長させる。
次いで、サファイア基板101の温度を1050℃まで上昇させて、キャリアガスとして水素、原料ガスとしてアンモニアおよびTMG、不純物ガスとしてシランを反応炉内に流して、Siがドーピングされたn型GaN下地層103(キャリア濃度:1×1018/cm3)をMOCVD法により6μmの厚さでGaNバッファ層102上に成長させる。
続いて、キャリア濃度が5×1018/cm3となるようにSiをドーピングしたこと以外はn型GaN下地層103と同様にして、n型GaNコンタクト層104をMOCVD法により0.5μmの厚さでn型GaN下地層103上に成長させる。
次に、サファイア基板101の温度を1050℃に保持した状態で、キャリアガスとして水素、原料ガスとしてアンモニアおよびTMG、不純物ガスとしてCP2Mg(ビスシクロペンタジエニルマグネシウム)を反応炉内に流して、Mgが1×1019/cm3の濃度でドーピングされたp型GaN層105をMOCVD法により20nmの厚さでn型GaNコンタクト層104上に成長させる。
次に、サファイア基板101の温度を700℃まで低下させ、キャリアガスとして窒素、原料ガスとしてアンモニア、TMGおよびTMI(トリメチルインジウム)を反応炉内に流して、p型GaN層105上にアンドープの2.5nmの厚さのIn0.20Ga0.80N層と18nmの厚さのアンドープのGaN層とを交互に6周期だけMOCVD法により成長させて、多重量子井戸構造を有する活性層106をp型GaN層105上に形成する。なお、活性層106の形成時において、GaN層を成長させる際にはTMIを反応炉内に流さないことは言うまでもない。
次いで、サファイア基板101の温度を950℃まで上昇させ、キャリアガスとして水素、原料ガスとしてアンモニアおよびTMG、不純物ガスとしてCP2Mgを反応炉内に流して、Mgが1×1020/cm3の濃度でドーピングされたp型GaN層107をMOCVD法により0.1μmの厚さで活性層106上に成長させる。
次に、サファイア基板101の温度を700℃まで低下させ、キャリアガスとして窒素を反応炉内に流してアニーリングを行なう。
そして、上記のアニーリング後のウエハを反応炉から取り出し、そのウエハの最上層のp型GaN層107の表面上に所定の形状にパターンニングされたマスクを形成する。そして、RIE(Reactive Ion Etching)法により、上記のウエハの一部についてp型GaN層107側からエッチングを行ない、n型GaNコンタクト層104の表面の一部を露出させる。
そして、p型GaN層107のほぼ全面に透光性電極としてPd膜108を7nmの厚さで形成し、Pd膜108上にp側電極としてAu膜109を0.5μmの厚さで形成する。一方、エッチングで露出させたn型GaNコンタクト層104の表面にはn側電極としてTi膜とAl膜との積層体110を形成する。
その後、ウエハを複数のチップに分割することによって、図4の模式的断面図に示す構成を有する実施例1の窒化物半導体発光ダイオード素子を作製する。
この実施例1の窒化物半導体発光ダイオード素子は、比較例の窒化物半導体発光ダイオード素子と比べて、後述する電流密度と発光効率との関係において、ピークの発光効率に対する電流密度の増大による低下率を小さくすることができ、結果として、たとえば50A/cm2を超える大電流密度での電流注入によっても発光効率を高くすることができる。
また、高い発光効率を実現する上では、実施例1の窒化物半導体発光ダイオード素子のように活性層106をアンドープとすることが最も好ましく、活性層106のp型不純物の原子濃度が1×1019/cm3以下とするのが次に好ましい。
(実施例2)
n型GaNコンタクト層104を成長させるところまでは実施例1と同一の条件および同一の方法で作製する。
次に、サファイア基板101の温度を1050℃に保持した状態で、キャリアガスとして水素、原料ガスとしてアンモニア、TMGおよびTMA(トリメチルアルミニウム)、不純物ガスとしてCP2Mgを反応炉内に流して、Mgが1×1019/cm3の濃度でドーピングされたp型Al0.25Ga0.75N層をMOCVD法により20nmの厚さでn型GaNコンタクト層104上に成長させる。
次に、サファイア基板101の温度を1050℃に保持した状態で、キャリアガスとして水素、原料ガスとしてアンモニアおよびTMG、不純物ガスとしてCP2Mgを反応炉内に流して、Mgが1×1019/cm3の濃度でドーピングされたp型GaN層をMOCVD法により10nmの厚さでp型Al0.25Ga0.75N層上に成長させる。
その後は、実施例1と同一の条件および同一の方法で活性層106の成長以降の工程を行なうことによって、実施例2の窒化物半導体発光ダイオード素子を作製する。
実施例2の窒化物半導体発光ダイオード素子の構成とすることにより、実施例1の窒化物半導体発光ダイオード素子と比べて、電流密度と発光効率との関係において、ピークの発光効率に対する電流密度の増大による低下率を小さくすることができ、結果として、大電流密度での電流注入によっても発光効率を高くすることができる。
また、実施例2の窒化物半導体発光ダイオード素子においては、p型Al0.25Ga0.75N層のAlおよびGaの総原子数に対するAlの原子数の比が0.05以上である場合には実施例1の窒化物半導体発光ダイオード素子よりも発光効率を高くすることができ、その比が0.5以下である場合には層の高抵抗化またはクラックの発生等を抑制することができる。
また、p型Al0.25Ga0.75N層のMgの原子濃度は5×1019/cm3以下であることが好ましい。Mgの原子濃度が5×1019/cm3を超える場合には活性層106の結晶性が悪化し、発光効率の低下を招く。
(実施例3)
n型GaNコンタクト層104を成長させるところまでは実施例1と同一の条件および同一の方法で作製する。
次に、サファイア基板101の温度を1050℃に保持した状態で、キャリアガスとして水素、原料ガスとしてアンモニア、TMGおよびTMA、不純物ガスとしてCP2Mgを反応炉内に流して、p型Al0.25Ga0.75N層をMOCVD法により20nmの厚さでn型GaNコンタクト層104上に成長させる。
次に、サファイア基板101の温度を1050℃に保持した状態で、キャリアガスとして水素、原料ガスとしてアンモニアおよびTMGを反応炉内に流して、アンドープGaN層をMOCVD法により20nmの厚さでp型Al0.25Ga0.75N層上に成長させる。
その後は、実施例1と同一の条件および同一の方法で活性層106の成長以降の工程を行なうことによって、実施例3の窒化物半導体発光ダイオード素子を作製する。
実施例3の窒化物半導体発光ダイオード素子の構成とすることにより、実施例2の窒化物半導体発光ダイオード素子と比べて、電流密度と発光効率との関係において、ピークの発光効率に対する電流密度の増大による低下率を小さくすることができ、結果として、大電流密度での電流注入によっても発光効率を高くすることができる。
また、アンドープGaN層がp型Al0.25Ga0.75N層からMgが活性層106に拡散されるのを抑制するため、電流密度によらず高い発光効率を実現することができる。
さらに、アンドープGaN層を形成する代わりに不純物ガスとしてシラン等を用いてn型不純物であるSiをドーピングしてn型GaN層を形成してもよいが、Siを5×1018/cm3よりも大きい原子濃度でドーピングした場合には空乏領域が活性層106にまで達し、結果として、活性層106の正孔濃度の低下を招くため、n型GaN層のn型不純物の原子濃度は5×1018/cm3以下であることが好ましく、アンドープであることが最も好ましい。
(実施例4)
活性層106を成長させるところまでは実施例1、2または3と同一の条件および同一の方法で作製する。
次に、サファイア基板101の温度を850℃まで上昇させ、キャリアガスとして窒素、原料ガスとしてアンモニア、TMGおよびTMI、不純物ガスとしてCP2Mgを反応炉内に流して、Mgが1×1020/cm3の原子濃度でドーピングされたp型In0.03Ga0.97N層をMOCVD法により20nmの厚さで活性層106上に成長させる。
次に、サファイア基板101の温度を950℃まで上昇させ、キャリアガスとして水素、原料ガスとしてアンモニアおよびTMG、不純物ガスとしてCP2Mgを反応炉内に流して、Mgが1×1020/cm3の原子濃度でドーピングされたp型GaN層をMOCVD法により100nmの厚さでp型In0.03Ga0.97N層上に成長させる。
その後は、実施例1、2または3と同一の条件および同一の方法でPd膜108の形成以降の工程を行なうことによって、実施例4の窒化物半導体発光ダイオード素子を作製する。
実施例4の窒化物半導体発光ダイオード素子の構成とすることにより、実施例1、2または3の窒化物半導体発光ダイオード素子と比べて、電流密度と発光効率との関係において、ピークの発光効率に対する電流密度の増大による低下率を小さくすることができる。なかでも、上記以外は実施例3と同一の条件および同一の方法で作製した実施例4の窒化物半導体発光ダイオード素子が最も好ましい。
実施例4の窒化物半導体発光ダイオード素子のp型In0.03Ga0.97N層のInおよびGaの総原子数に対するInの原子数の比が0.1以下である場合には駆動電圧の上昇を抑えることができる。
一方、上記のような結果を得るための上記のInの原子数の比は、活性層106が6周期からなり、その厚さが105nmである場合には0.03以上であることが好ましく、活性層106が2周期からなり、その厚さが35nmである場合には0.01以上であることが好ましい。
また、p型In0.03Ga0.97N層とp型GaN層との間に、サファイア基板101の温度を850℃として成長させた10nm程度の厚さのp型GaN層を積層してもよい。この場合には、p型In0.03Ga0.97N層の成長後の温度上昇時におけるInの蒸発を抑制することができる傾向にある点で好ましい。
(実施例5)
p型GaN層105を成長させるところまでは実施例1、2または3と同一の条件および同一の方法で作製する。
次に、サファイア基板101の温度を700℃まで低下させ、キャリアガスとして窒素、原料ガスとしてアンモニア、TMGおよびTMIを反応炉内に流して、p型GaN層105上にアンドープの2.5nmの厚さのIn0.20Ga0.80N層と15nmの厚さのアンドープのGaN層とを交互に任意の周期だけMOCVD法により成長させて、多重量子井戸構造を有する活性層106をp型GaN層105上に形成する。なお、活性層106の形成時において、GaN層を成長させる際にはTMIを反応炉内に流さないことは言うまでもない。
その後は、実施例1、2または3と同一の条件および同一の方法でp型GaN層107の成長以降の工程を行なうことによって、実施例5の窒化物半導体発光ダイオード素子を作製する。
実施例5の窒化物半導体発光ダイオード素子の構成とすることにより、活性層106が単一量子井戸構造の場合と比べて、井戸層からのキャリアのオーバーフローを小さくすることができ、たとえば50A/cm2を超える大電流密度での電流注入によっても発光効率を高くすることができる。
また、実施例5の窒化物半導体発光ダイオード素子において、活性層106の周期数の上限は活性層106における少数キャリアである電子の拡散長よりも活性層106の全層厚を小さくすることが好ましく、たとえば、実施例1、2、3および4を併せて最も好ましい条件の層構成とした場合、活性層106の正孔濃度はおおよそ1×1017〜1×1018/cm3オーダーであり、そのときの電子の拡散長は1μm程度であることから、井戸数57まで変更することができる。
(比較例1)
p型GaN層105を成長させなかったこと以外は実施例1と同一の条件および同一の方法で比較例1の窒化物半導体発光ダイオード素子を作製する。
図5に、比較例1の窒化物半導体発光ダイオード素子に注入された電流の電流密度と発光効率との関係を示す。図5に示すように、電流密度が7A/cm2のときに発光効率がピークとなり、それよりも電流密度が大きくなるにしたがって発光効率が低下していく。比較例1の窒化物半導体発光ダイオード素子において50A/cm2の電流密度の電流が注入されたときの発光効率のピークに対する低下率は約13%である。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明によれば、窒化物半導体発光ダイオード素子等の半導体発光素子の大電流密度での発光効率を向上することができるため、本発明の半導体発光素子および窒化物半導体発光素子は、たとえば照明分野の光源等に応用することができる。
本発明の窒化物半導体発光素子の好ましい一例の模式的な断面図である。 本発明の窒化物半導体発光素子の好ましい他の一例の模式的な断面図である。 本発明の窒化物半導体発光素子の好ましい一例のエネルギバンド図である。 本発明の実施例1の窒化物半導体発光ダイオード素子の模式的な断面図である。 比較例1の窒化物半導体発光ダイオード素子に注入された電流の電流密度と発光効率との関係を示す図である。
符号の説明
1 基板、2 n型窒化物半導体層、3 第1のp型窒化物半導体層、4 窒化物半導体活性層、5 第2のp型窒化物半導体層、6 透光性電極、8 p側電極、9 n側電極、10 窒化物半導体層、101 サファイア基板、102 GaNバッファ層、103 n型GaN下地層、104 n型GaNコンタクト層、105 p型GaN層、106 活性層、107 p型GaN層、108 Pd膜、109 Au膜、110 積層体。

Claims (12)

  1. n型半導体層と、活性層と、を含み、
    前記n型半導体層と前記活性層との間に第1のp型半導体層を備え、
    前記活性層から見て前記第1のp型半導体層がある側とは反対側に第2のp型半導体層を備えた、半導体発光素子。
  2. n型窒化物半導体層と、窒化物半導体活性層と、を含み、
    前記n型窒化物半導体層と前記窒化物半導体活性層との間に第1のp型窒化物半導体層を備え、
    前記窒化物半導体活性層から見て前記第1のp型窒化物半導体層がある側とは反対側に第2のp型窒化物半導体層を備えた、窒化物半導体発光素子。
  3. 前記第1のp型窒化物半導体層に接するようにして設置されたGaN層またはInGaN層を含むことを特徴とする、請求項2に記載の窒化物半導体発光素子。
  4. 前記第1のp型窒化物半導体層はAlを含む窒化物半導体層を含むことを特徴とする、請求項2または3に記載の窒化物半導体発光素子。
  5. 前記第1のp型窒化物半導体層に含まれるAl、GaおよびInの総原子数に対するAlの原子数の比が0.05以上0.5以下であることを特徴とする、請求項4に記載の窒化物半導体発光素子。
  6. 前記第1のp型窒化物半導体層と前記窒化物半導体活性層との間にp型不純物を含まない窒化物半導体層を含むことを特徴とする、請求項2から5のいずれかに記載の窒化物半導体発光素子。
  7. 前記第1のp型窒化物半導体層のp型不純物の原子濃度は5×1019/cm3以下であることを特徴とする、請求項2から6のいずれかに記載の窒化物半導体発光素子。
  8. 前記窒化物半導体活性層のp型不純物の原子濃度は1×1019/cm3以下であることを特徴とする、請求項2から7のいずれかに記載の窒化物半導体発光素子。
  9. 前記窒化物半導体活性層はアンドープであることを特徴とする、請求項2から7のいずれかに記載の窒化物半導体発光素子。
  10. 前記第2のp型窒化物半導体層はp型InGaN層を含むことを特徴とする、請求項2から9のいずれかに記載の窒化物半導体発光素子。
  11. 前記p型InGaN層のInおよびGaの総原子数に対するInの原子数の比が0.1以下であることを特徴とする、請求項10に記載の窒化物半導体発光素子。
  12. 前記窒化物半導体活性層は、井戸数が2以上の多重量子井戸構造を有することを特徴とする、請求項2から11のいずれかに記載の窒化物半導体発光素子。
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