JP7116291B2 - 半導体レーザ素子 - Google Patents

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Description

本発明は、半導体レーザ素子に関する。
今日、窒化物半導体を有する半導体レーザ素子(以下、「窒化物半導体レーザ素子」ともいう。)は、紫外域から緑色に至るまでの光を発振することが可能となり、光ディスクの光源のみならず多岐にわたり利用されている。このような半導体レーザ素子としては、基板の上に、n側クラッド層、n側光ガイド層、活性層、p側光ガイド層、p側クラッド層をこの順に有する構造が知られている(例えば特許文献1、2)。
特開2003-273473号公報 特開2014-131019号公報
窒化物半導体レーザ素子には、さらなる長波長化や長波長域の特性向上が求められている。例えば、長波長且つ良好な特性の緑色レーザであれば、プロジェクタ用光源として用いることができるなど、適用の幅が広がることが期待される。
窒化物半導体レーザ素子においてInを含有する窒化物半導体を井戸層とする量子井戸構造を用いると、青色波長帯から緑色波長帯へ発振波長が長くなるに従って屈折率の波長分散の影響により活性層内への光閉じ込めが低下する。この結果、閾値電流が上昇し、レーザ発振時の電流密度が大きくなる。そして、電流密度が大きいほど、局在準位の遮蔽やバンドフィリングによって実効的な遷移間隔が拡大し、発振波長は短波長にシフトする。
本願は、以下の発明を含む。
それぞれが窒化物半導体からなるn側半導体層と、活性層と、p側半導体層と、を上方に向かって順に有する半導体レーザ素子であって、
前記n側半導体層は、上方に向かってバンドギャップエネルギーが小さくなっており、n型不純物を5×1017/cmより大きく2×1018/cm以下のn型不純物濃度で含有するn側組成傾斜層を有し、
前記活性層は、
前記n側組成傾斜層に接して配置されると共に、前記n側組成傾斜層よりもn型不純物濃度が大きく且つ膜厚が小さく、前記n側組成傾斜層の上端のバンドギャップエネルギーよりも大きなバンドギャップエネルギーを有するn側障壁層と、
前記n側障壁層の上方に配置される複数の井戸層と、前記複数の井戸層に挟まれる中間障壁層と、を有し、
前記p側半導体層は、
上方に向かってバンドギャップエネルギーが大きくなっており、アンドープであるp側組成傾斜層と、
前記p側組成傾斜層の上方に配置され、前記中間障壁層よりもバンドギャップエネルギーが大きく、前記p側組成傾斜層よりもp型不純物濃度が大きい電子障壁層と、
を有し、
以下の(1)~(3)から選ばれた1以上の構造を有する、半導体レーザ素子。
(1)前記n側組成傾斜層の膜厚をtとするときに、前記活性層と前記p側半導体層の界面から上方に向かってtの距離範囲における前記p側半導体層の平均バンドギャップエネルギーは、前記n側組成傾斜層の平均バンドギャップエネルギーよりも大きい、
(2)前記p側組成傾斜層の下端のバンドギャップエネルギーは、前記n側組成傾斜層の上端のバンドギャップエネルギーよりも大きい、
(3)前記p側半導体層は、さらに、前記p側組成傾斜層と前記電子障壁層とを繋ぐp側中間層であって、前記p側組成傾斜層の上端のバンドギャップエネルギー以上であり且つ前記電子障壁層のバンドギャップエネルギー未満であるバンドギャップエネルギーを有し、アンドープである、p側中間層を有する。
このような半導体レーザ素子によれば、閾値電流を低減することにより長波長のレーザ光を発振することができ、且つ、電圧の上昇を抑制することができ、さらに、吸収損失を低減することができる。
図1は、実施形態に係る半導体レーザ素子の模式的な断面図である。 図2Aは、実施形態に係る半導体レーザ素子の活性層及びその近傍のバンドギャップエネルギーを模式的に示す図である。 図2Bは、実施形態に係る半導体レーザ素子の別の例を模式的に示す図である。 図2Cは、実施形態に係る半導体レーザ素子の別の例を模式的に示す図である。 図3Aは、図2Aの半導体レーザ素子と比較用の半導体レーザ素子の活性層及びその近傍の屈折率分布を示す図である。 図3Bは、図2Bの半導体レーザ素子と比較用の半導体レーザ素子の活性層及びその近傍の屈折率分布を示す図である。 図4Aは、図2Aの半導体レーザ素子と比較用の半導体レーザ素子の活性層及びその近傍の光強度分布を示す図である。 図4Bは、図2Bの半導体レーザ素子と比較用の半導体レーザ素子の活性層及びその近傍の光強度分布を示す図である。 図5Aは、n側組成傾斜層及びその付近の一部拡大図である。 図5Bは、p側組成傾斜層及びその付近の一部拡大図である。 図6は、組成傾斜層におけるSiドープ量と自由キャリア吸収損失の関係のイメージを示すグラフである。 図7は、実施例1及び比較例1の半導体レーザ素子のI-L特性を示すグラフである。 図8は、実施例1及び比較例1の半導体レーザ素子のI-V特性を示すグラフである。 図9は、実施例2及び比較例1の半導体レーザ素子のI-L特性を示すグラフである。 図10は、実施例2及び比較例1の半導体レーザ素子のI-V特性を示すグラフである。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。ただし、以下に示す実施形態は、本発明の技術思想を具体化するための方法を例示するものであって、本発明を以下の実施形態に特定するものではない。さらに以下の説明において、同一の名称、符号については同一もしくは同質の部材を示しており、詳細説明を適宜省略する。
図1は、本実施形態に係る半導体レーザ素子100の模式的な断面図であり、半導体レーザ素子100の共振器方向と垂直な方向における断面を示す。図2Aは、半導体レーザ素子100の活性層3及びその近傍のバンドギャップエネルギーの大小関係を模式的に示す図である。半導体レーザ素子100は、それぞれが窒化物半導体からなるn側半導体層2と、活性層3と、p側半導体層4と、を上方に向かってこの順に有する。n側半導体層2は、上方に向かってバンドギャップエネルギーが小さくなっており、n型不純物を5×1017/cmより大きく2×1018/cm以下のn型不純物濃度で含有するn側組成傾斜層26を有する。活性層3は、n側組成傾斜層26に接して配置されると共に、n側組成傾斜層26よりもn型不純物濃度が大きく且つ膜厚が小さく、n側組成傾斜層26の上端のバンドギャップエネルギーよりも大きなバンドギャップエネルギーを有するn側障壁層31を有する。活性層3はさらに、n側障壁層31の上方に配置される複数の井戸層32A及び32Bと、複数の井戸層32A及び32Bに挟まれる中間障壁層33と、を有する。p側半導体層4は、上方に向かってバンドギャップエネルギーが大きくなっており、アンドープであるp側組成傾斜層41を有する。p側半導体層4はさらに、p側組成傾斜層41の上方に配置され、中間障壁層33よりもバンドギャップエネルギーが大きく、p側組成傾斜層41よりもp型不純物濃度が大きい電子障壁層42を有する。
半導体レーザ素子100は、さらに、以下の(1)~(3)から選ばれた1以上の構造を有する。構造(1)及び(2)の例を図2Aに示し、構造(3)の例を図2Bに示す。
(1)n側組成傾斜層26の膜厚をtとするときに、活性層3とp側半導体層4の界面から上方に向かってtの距離範囲におけるp側半導体層4の平均バンドギャップエネルギーは、n側組成傾斜層26の平均バンドギャップエネルギーよりも大きい。
(2)p側組成傾斜層41の下端のバンドギャップエネルギーは、n側組成傾斜層26の上端のバンドギャップエネルギーよりも大きい。
(3)p側半導体層4は、さらに、p側組成傾斜層41と電子障壁層42とを繋ぐp側中間層45であって、p側組成傾斜層41の上端のバンドギャップエネルギー以上であり且つ電子障壁層42のバンドギャップエネルギー未満であるバンドギャップエネルギーを有し、アンドープである、p側中間層45を有する。
まず、n側組成傾斜層26について説明する。n側組成傾斜層26は、上方に向かってバンドギャップエネルギーが小さくなっており、且つ、上側のバンドギャップエネルギーがn側障壁層31のバンドギャップエネルギーよりも小さい。換言すれば、n側組成傾斜層26は、n側障壁層31側の第1面26aと、第1面26aと反対側の第2面26bとを有し、そのバンドギャップエネルギーは第2面26bから第1面26aに向かって小さくなっている。このような構成を有することにより、活性層3への光閉じ込めを強化することができ、レーザ発振閾値電流密度を低減することができる。これにより局在準位の遮蔽を抑制することができ、電流注入増加に伴う短波長シフトを抑制することができる。さらに、n側組成傾斜層26の上端とn側障壁層31との間にバンドギャップ差があることにより、n側組成傾斜層26内の第1面26a近傍において電子濃度が局所的に高くなる。これによりホールのオーバーフローの抑制が促進されるため、このような促進がない場合と比較して、ホールのオーバーフロー抑制のために設けるn側障壁層31の膜厚を小さくすることができる。n型不純物高濃度層であるn側障壁層31を薄膜化することにより、n側障壁層31起因の電子による局在準位の遮蔽を低減することができる。また、n側障壁層31の薄膜化によってn側組成傾斜層26を活性層3のより近くに配置することができるため、活性層3への光閉じ込めを強化することができる。
このように短波長シフトの原因である局在準位の遮蔽を抑制することにより、長波長域(例えば530nm以上の発振波長)でレーザ発振する半導体レーザ素子100を実現することができる。さらには、n側組成傾斜層26を比較的低濃度でn型不純物ドープすることにより、n側組成傾斜層26を設けたことによる電圧の上昇を抑制することが可能となる。
一般的に、閉じ込め係数Γと閾値利得gthの積であるΓgthを閾値モード利得と呼び、素子全体としてのモードに要求される本質的な利得を表す。閾値モード利得に関しては一般的に以下のモデル式で表される。ここでのαとαはそれぞれ平均内部損失と反射鏡損失とする。なお、便宜上、モード分布は考慮せず平均で表記している。
Γgth=α+α
電流密度の増加とともにモード利得Γgは増加する。上述の式から、利得gが増加し閾値利得gthに達することにより、内部損失及び反射鏡損失に打ち勝ってレーザ発振に至ることが理解できる。レーザ発振時には、レーザ共振器内部において g=gthの定常状態となる。このような定常状態においてモード利得はキャリア密度に単調に依存するので、レーザ発振閾値電流以上におけるキャリア密度は閾値キャリア密度Nthでクランプされる。注入キャリア密度が高いほど、局在準位が遮蔽されて実質的なバンドギャップが大きくなりやすく、レーザ発振波長が短波長側にシフトしやすい。閉じ込め係数Γを向上させ、より低い電流で閾値利得gthに達することにより、閾値電流密度jthも閾値キャリア密度Nthも共に低くすることができる。これにより、注入キャリア密度が低減され、局在準位の遮蔽が抑制されてより長波長側でレーザ発振させることができる。
なお、ここでは局在準位の遮蔽の抑制について説明したが、バンドフィリング効果の抑制についても同様である。すなわち、電流注入により擬フェルミ準位がバンド端より離れて実効的な遷移間隔が拡がるというバンドフィリング効果によっても短波長シフトが生じるが、閉じ込め係数Γを向上させて閾値キャリア密度を低減することによってこれも抑制することができる。
一方で、n側組成傾斜層26を設ける場合には固定電荷の発生による電圧上昇が懸念される。n側組成傾斜層26では、上方に向かってバンドギャップエネルギーが小さくなるように、バンドギャップエネルギーの大きい層の上にバンドギャップエネルギーの小さい層を成長させる。このため、その界面近傍に固定電荷が生じ、電子に対する障壁が高くなる。そうすると、この障壁を越えて電子を活性層3に注入するために高い電圧が必要となることから、顕著な電圧上昇が懸念される。n側組成傾斜層26において組成の切り替わりを微細に行ったとしても、格子定数差が生じる以上、固定電荷の発生を完全に防止することは難しい。そこで、n側組成傾斜層26にn型不純物を含有させる。これにより、固定電荷を遮蔽することができるため、電圧上昇を抑制することができ、低い駆動電圧においてレーザ発振させることができる。なお、n側組成傾斜層26に不純物を添加することにより、この不純物により光が吸収され、吸収損失の増加によるレーザ特性の低下が懸念されるが、n型不純物濃度を低く抑えることにより、電圧異常を抑制しつつレーザ特性の低下を防ぐことを可能としている。
以上のとおり、n側組成傾斜層26を設けることで、短波長シフトを抑制して長波長域でレーザ発振させることが可能であり、且つ、低電圧で駆動させることができる。駆動電圧を低く抑えることで、半導体レーザ素子100の信頼性を向上させることができる。
しかし、このようにn側半導体層2に光閉じ込め強化の構造を採用すると、相対的に、p側半導体層4に存在する光の強度が上昇する。p側半導体層4は電子障壁層42のようにp型不純物を含有する層を有しており、p型不純物含有層における光強度が高いほど自由キャリア吸収による損失αが増大する。Siなどのn型不純物も自由キャリアを吸収するが、窒化物半導体に対するp型不純物として用いられるMgはSiなどよりも活性率が低いため、高濃度にp型不純物をドープする必要がある。自由キャリア吸収による吸収係数はキャリア濃度Nと吸収断面積σの積によってあらわされるため、p側半導体層4の方がn側半導体層2よりも吸収損失が大きい。特に波長530nm以上のように長波長のレーザ光を発振する半導体レーザ素子100になると、活性層3の発光効率がまだ十分ではないため、損失αの増大がレーザ発振閾値電流の上昇に繋がりやすい。そこで、上述の構造(1)~(3)の少なくとも1つを採用することにより、n側組成傾斜層26による光閉じ込め強化の効果を維持しつつ、電子障壁層42などのp型不純物含有層における光強度の増大の抑制を図る。
構造(1)~(3)について、具体例を用いて以下に説明する。図3A及び図3Bは、半導体レーザ素子100の活性層3及びその近傍の屈折率分布を示す図であり、図4A及び図4Bは、光強度分布を示す図である。いずれも計算により得られた値をプロットしたグラフである。図3A及び図4Aにおける実線はそれぞれ図2Aに示す例(つまり、構造(1)及び(2)を有する例)の屈折率分布及び光強度分布を示し、図3B及び図4Bにおける実線はそれぞれ図2Bに示す例(つまり、構造(3)を有する例)の屈折率分布及び光強度分布を示す。図3A及び図3Bの両方において、破線は、p側組成傾斜層41の屈折率が活性層3を挟んでn側組成傾斜層26と対称であり、且つp側中間層45を設けない比較用の半導体レーザ素子を示す。図4A及び図4Bにおいて、光強度は最大強度で規格化しており、図中の左側がn側半導体層2、図中の右側がp側半導体層4である。
図3A及び図4Aに示すとおり、p側組成傾斜層41の屈折率をn側組成傾斜層26の屈折率よりも低くすることで、p側半導体層4への光の漏れを低減することができる。p側組成傾斜層41はアンドープであるので自由キャリア吸収は実質的に無いと考えてよく、自由キャリア吸収が生じる層は電子障壁層42及び第1p型半導体層43である。p側半導体層4への光の漏れを低減することでこれらの層における光強度を低下させることができるので、これによって自由キャリア吸収による損失αを低減することができる。
また、図2Aに示すようにバンドギャップエネルギーがp側組成傾斜層41の方がn側組成傾斜層26よりも大きいことにより、比較用の半導体レーザ素子と比べてp側半導体層4の側への電子のオーバーフローが低減可能である。これにより、特に高電流領域(例えば1.5A以上)での活性層3へのキャリアの注入効率を改善することができる。
p側組成傾斜層41の屈折率をn側組成傾斜層26の屈折率よりも低くするためには、p側組成傾斜層41の平均屈折率をn側組成傾斜層26の平均屈折率より低くすることと、p側組成傾斜層41の下端の屈折率をn側組成傾斜層26の上端の屈折率よりも低くすることが挙げられる。それぞれ構造(1)と構造(2)に対応する。図2Aに示すように両方を備えることがより好ましい。なお、本明細書において、平均バンドギャップエネルギーとは、各層のバンドギャップエネルギーと膜厚との乗算の合計値を総膜厚で除算したものを指す。上述のとおり、組成傾斜層はバンドギャップエネルギーの異なる複数層の集合と見做すことができるため、組成傾斜層においては、それらの各層のバンドギャップエネルギーと膜厚とを乗算し、その合計値を総膜厚で除算したものを組成傾斜層の平均バンドギャップエネルギーとする。平均屈折率や平均組成比についても同様である。
図4Aに示すように、構造(1)及び/又は(2)を用いると、n側半導体層2の側への光漏れがやや増大し、活性層3への光閉じ込めがやや低下する。これらの程度が大きくなると閾値電流が上昇するため、低閾値電流を維持するためには、活性層3近傍におけるn側半導体層2とp側半導体層4との屈折率差(バンドギャップエネルギー差)が小さいことが好ましい。具体的には、構造(1)においては、p側半導体層4のうちn側組成傾斜層26と同じ膜厚範囲における平均組成比と、n側組成傾斜層26の平均組成比との差を、3%以下とすることが好ましい。一方で、p側半導体層4の側への光漏れを低減するためには、これらの差を0.05%以上とすることが好ましい。
構造(2)においては、n側組成傾斜層26の上端のIn組成比とp側組成傾斜層の下端のIn組成比との差が3%以下であることが好ましい。例えば、n側組成傾斜層26の上端の組成がIn0.06Ga0.95Nである場合、p側組成傾斜層41の下端の組成はIn組成比が3%以上のInGaNであることが好ましい。さらに好ましくは、n側組成傾斜層26の上端のIn組成比とp側組成傾斜層41の下端のIn組成比との差を2%以下とする。一方で、p側半導体層4の側への光漏れを低減するためには、n側組成傾斜層26の上端のIn組成比とp側組成傾斜層41の下端のIn組成比との差は0.1%以上であることが好ましい。
図2Cに示すように、n側組成傾斜層26は、活性層3の側から順に第1部分26cと第2部分26dとを有してもよい。第1部分26cの組成変化率は第2部分26dの組成変化率よりも高い。すなわち、n側組成傾斜層26において、活性層3に近い側を比較的高屈折率とする。これにより、活性層3及びその付近の光強度が上昇しやすいため、光強度のピークの活性層3からのずれを低減することができる。また、p側組成傾斜層41は、活性層3の側から順に第3部分41cと第4部分41dとを有してもよい。第3部分41cの組成変化率は第4部分41dの組成変化率よりも高い。すなわち、p側組成傾斜層41において、活性層3に近い側を比較的高屈折率とし、活性層3から遠い側を低屈折率とする。これにより、p側半導体層4の側への光漏れを低減することができる。図2Cに示すように、これらを組み合わせてもよい。また、このようにn側組成傾斜層26及び/又はp側組成傾斜層41の組成変化率を途中で変えることにより、n側組成傾斜層26の上端のIn組成比とp側組成傾斜層の下端のIn組成比を実質的に同じとした上で構造(1)とすることができる。
図3B及び図4Bに示すとおり、構造(3)とすることで、すなわちp側中間層45を設けることで、光強度のピークを電子障壁層42などのp型不純物含有層から遠ざけることができる。これによって、p型不純物を含有する層における自由キャリア吸収による損失αを低減することができる。また、バンドギャップエネルギー大のp側中間層45を設けることにより、比較用の半導体レーザ素子と比べてp側半導体層4の側への電子のオーバーフローが低減可能である。これにより、特に高電流領域での活性層3へのキャリアの注入効率を改善することができる。構造(3)は図3B及び図4Bに示すようにp型不純物含有層を光強度のピークから遠ざける構造であるため、構造(1)及び(2)よりもp側半導体層4での自由キャリア吸収損失を低減しやすい。このため、構造(1)及び(2)よりも光出力を向上させやすく、また、閾値電流を低減させやすい。
より効率的に光強度のピークを電子障壁層42などのp型不純物含有層から遠ざけるためには、p側組成傾斜層41とp側中間層45の合計膜厚がn側組成傾斜層26の膜厚より大であることが好ましい。これにより、自由キャリア吸収による損失αを低減することができ、光出力を向上させることができる。p側中間層45の膜厚を増大させることによりp側半導体層4の側への光漏を減少させることができるため、p側中間層45の膜厚はp側組成傾斜層41の膜厚の10分の1以上、あるいは20nm以上であることが好ましい。一方でp側中間層45を厚くすると電子のオーバーフローが増加し、キャリアの活性層3への注入効率が低下しスロープ効率が低下することが考えられる。したがってスロープ効率向上のためには、p側中間層45の膜厚は400nm以下が好ましく、300nm以下がさらに好ましい。また、p側半導体層4の側への光漏れを低減するためには、p側中間層45の膜厚は10nm以上が好ましく、100nm以上がさらに好ましい。p側中間層45は、例えばGaNからなることで電圧上昇を抑制しつつp側半導体層4の側への光漏れを低減できるというメリットがある。
1つの半導体レーザ素子100において、構造(1)及び/又は構造(2)と構造(3)とを組み合わせることも可能であるが、内部の光強度分布が拡がり活性層3への光閉じ込めが低下するという理由から、構造(3)は構造(1)及び(2)と組み合わせないことが好ましい。すなわち、p側中間層45を設ける場合は、p側組成傾斜層41はn側組成傾斜層26と実質的に同じ膜厚であって活性層3を挟んでn側組成傾斜層26と対称な組成比であることが好ましい。
以下、各部材について詳述する。
(半導体レーザ素子100)
図2に示すように、半導体レーザ素子100は、基板1と、その上方に設けられた、n側半導体層2と、活性層3と、p側半導体層4と、を有する。p側半導体層4の上側には例えばリッジ4aが設けられている。活性層3のうちリッジ4aの直下の部分及びその近傍が光導波路領域である。リッジ4aの側面とリッジ4aの側面から連続するp側半導体層4の表面には絶縁膜5を設けることができる。基板1は例えばn型半導体からなり、その下面にはn電極8が設けられている。また、リッジ4aの上面に接してp電極6が設けられ、さらにその上にp側パッド電極7が設けられている。半導体レーザ素子100は長波長域のレーザ光を発振可能であり、例えば波長530nm以上のレーザ光を発振可能である。
(基板1)
基板1には、例えばGaN等からなる窒化物半導体基板を用いることができる。基板1の上に成長させるn側半導体層2、活性層3、p側半導体層4としては、実質的にc軸方向に成長させた半導体が挙げられる。例えばc面((0001)面)を主面とするGaN基板を用いて、そのc面上に各半導体層を成長させることができる。ここでc面を主面とするとは、±1度以内程度のオフ角を有するものを含んでよい。c面を主面とする基板を用いることにより、量産性に優れるという利点を得ることができる。
(n側半導体層2)
n側半導体層2は、GaN、InGaN、AlGaN等の窒化物半導体からなる多層構造とすることができる。n側半導体層2に含まれるn型半導体層としては、Si、Ge等のn型不純物が含有された窒化物半導体からなる層を挙げることができる。n側半導体層2は、例えば、基板1側から順に、第1n型半導体層21、第2n型半導体層22、第3n型半導体層23、第4n型半導体層24、第5n型半導体層25、n側組成傾斜層26を有する。
(第1~第5n型半導体層21~25)
第1~第5n型半導体層21~25は、n型不純物を含有する。第1n型半導体層21は、例えばAlGaNからなる。第2n型半導体層22は、例えば第1n型半導体層21よりもバンドギャップエネルギーの大きい層である。第2n型半導体層22は、例えばAlGaNからなる。第3n型半導体層23は、例えばInGaNからなり、そのIn組成比は井戸層32A、32Bよりも小さい。第4n型半導体層24は、例えば第1n型半導体層21よりもバンドギャップエネルギーの大きい層であり、第2n型半導体層22と同じであってもよい。第4n型半導体層24は、例えばAlGaNからなる。第2n型半導体層22及び第4n型半導体層24のいずれか一方あるいは両方は、n側半導体層2において最大のバンドギャップエネルギーを有してよく、典型的にはn型クラッド層として機能する。第3n型半導体層23はクラック防止層として機能させることができる。この場合、膜厚は第2n型半導体層22及び第4n型半導体層24のいずれよりも小さいことが好ましい。第5n型半導体層25は、そのバンドギャップエネルギーが、第4n型半導体層24よりも小さくn側組成傾斜層26の下端と同じかそれよりも大きいことが好ましい。例えばGaNからなる。第5n型半導体層25のn型不純物濃度はn側組成傾斜層26よりも大であることが好ましい。
(n側組成傾斜層26)
n側組成傾斜層26は、第2面26bから第1面26aに向かってバンドギャップエネルギーが小さくなるように組成を段階的に変化させた層である。すなわち、n側組成傾斜層26において、バンドギャップエネルギーは第2面26bから第1面26aに向かって階段状に減少している。一般的に、半導体界面における屈折率の不連続により光子の閉じ込め構造を形成することができる。n側組成傾斜層26を、活性層3に近づくほど屈折率nが高くなるように組成を段階的に変化させた層とすることで、n側組成傾斜層26に光導波路の障壁が連続して形成される。これにより活性層3への光閉じ込めを強化することができる。
n側組成傾斜層26は、上側(すなわち第1面26a側)がInGa1-aN(0<a<1)であり、下側(すなわち第2面26b側)がInGa1-bN(0≦b<a)であることが好ましい。井戸層32A、32Bは典型的にはInGaNであるから、第1面26a側の終端は井戸層32A、32BよりもIn組成比が小さいInGaNであることが好ましい。第2面26b側の終端は例えばGaNである。n側組成傾斜層26は、n側光ガイド層として機能させることが好ましい。n側組成傾斜層26の最も第1面26a側のIn組成比aは、0.01以上であることが好ましく、さらには0.03以上であることが好ましい。このように、井戸層32A、32Bの近くにInGaNを配置することで、井戸層32A、32Bへの光閉じ込めを向上させることができる。In組成比aの上限値は、例えば0.25である。結晶性悪化の抑制を考慮すれば、In組成比aは0.1以下であることが好ましい。
n側組成傾斜層26は、組成を段階的に変化させた層であるから、図5Aに示すように、互いに組成の異なるInGa1-xNからなる複数のサブ層261~265からなるともいえる。図5Aは、n側組成傾斜層26及びその付近の一部拡大図であり、サブ層263とサブ層264の間には明示した以外の多数のサブ層が存在することを示す。このような積層構造において、隣接するサブ層同士の格子定数差は小さいことが好ましい。これにより歪みを小さくでき、発生する固定電荷の量を低減させることができる。このために、n側組成傾斜層26は薄い厚みで少しずつ組成を変化させていくことが好ましい。具体的には、n側組成傾斜層26は第1面26aから第2面26bにかけて25nm以下の膜厚ごとにIn組成比が減少していることが好ましい。すなわち、各サブ層261~265の膜厚が25nm以下であることが好ましい。さらには、各サブ層261~265の膜厚は20nm以下であることが好ましい。各サブ層261~265の膜厚の下限値は例えば1原子層(約0.25nm)程度である。また、隣り合うサブ層(例えばサブ層261とサブ層262)のIn組成比の差は0.005以下であることが好ましい。さらに好ましくは0.001以下とする。下限値は例えば0.00007程度である。
このような範囲はn側組成傾斜層26の全体に亘って満たされていることが好ましい。すなわち、全てのサブ層がこのような範囲内であることが好ましい。例えば、膜厚230nmのn側組成傾斜層26において、最も下側をGaNとし最も上側をIn0.065Ga0.935Nとするときに、組成を120段階で徐々に変化させる製造条件で成長させる。n側組成傾斜層26において組成が変化する回数は、90回以上程度であることが好ましい。さらに好ましくは120回以上程度とする。
n側組成傾斜層26の組成変化率(すなわち、隣り合うサブ層の組成比の差)を上下方向において実質的に一定とすることにより、固定電荷の分布を実質的に均一とすることができる。後述するようにn側組成傾斜層26の第2面26bから第1面26aにかけて実質的に一定のn型不純物濃度とすることで電圧上昇抑制の効果が得られる程度であれば、n側組成傾斜層26の組成変化率は多少変動してよい。例えば、後述する実施例1では、In組成比の変化率は0.0002~0.0009の間で変動しており、0.001以下の範囲内に収まっている。なお、ここで述べた原料ガスの流量等は製造装置の設定値を指す。製造装置の仕様に合わせて各数値は調整してよい。
n側組成傾斜層26にはn型不純物を添加する。組成を変化させた構造であるn側組成傾斜層26では、組成変化率を小さくしたとしても固定電荷の発生を避けることは困難である。そこで、n型不純物を添加することで固定電荷を遮蔽する。n側組成傾斜層26のn型不純物濃度の下限は、電圧上昇を十分に抑制できる程度が好ましく、具体的には5×1017/cmより大きいことが好ましい。n側組成傾斜層26のn型不純物濃度が5×1017/cm以下である場合は、n側組成傾斜層26に生じる固定電荷を十分に遮蔽できず電圧が上昇する懸念がある。また、バンド計算によれば、n型不純物濃度を高くするほど障壁高さが低くなり、5×1017/cmとすることで上述の比較用の半導体レーザ素子(組成傾斜層の替わりに単一組成層を設ける)とほぼ同等の高さとなる。したがって、n型不純物濃度は5×1017/cmを越えることが好ましい。これにより、単一組成層を用いる場合よりも駆動電圧を低減させることができる。n型不純物濃度は、7×1017/cm以上がより好ましく、製造時のズレを考慮して8×1017/cm以上としてもよく、さらには1×1018/cm以上としてもよい。
一方、n側組成傾斜層26のn型不純物濃度は2×1018/cm以下であることが好ましい。n型不純物濃度が大きくなると、自由キャリアによる吸収損失が増加し光出力が低下する懸念があるが、この上限値以下とすることでこれを抑制することができる。光出力は、n側組成傾斜層26のn型不純物濃度が約2×1018/cmである場合に、組成傾斜層がアンドープである場合と同程度まで低下すると考えられる。n側組成傾斜層26のn型不純物濃度は2×1018/cmより小さくしてもよい。また、n型不純物濃度が過剰となると(例えば1×1019/cm以上)半導体層の表面の平坦性が悪化する傾向にあるため、この観点からもn型不純物濃度は高すぎないことが好ましい。
n側組成傾斜層26におけるSi濃度(n型不純物濃度)と自由キャリア吸収損失の関係のイメージを図6に示す。図6に示す数値は計算により求めたものである。不純物含有層における自由キャリア吸収による損失αはキャリア密度に依存する。すなわち、キャリア密度が増加すると自由キャリア吸収による損失が増大する。Si濃度が増加することによりキャリア密度も増加するから、Si濃度の増加によってキャリア密度が増加するほど損失が増大し、光出力が低下しやすいと考えられる。図6に示すとおり、n側組成傾斜層26におけるSi濃度が2×1018/cmを越えると、吸収損失がさらに増大し、光出力がより顕著に低下すると考えられる。なお、電圧低下のためのSi濃度は1×1018/cm程度で足りると考えられる。
n側組成傾斜層26のn型不純物濃度は、第1面26aから第2面26bにかけて実質的に一定であることが好ましい。電圧上昇を抑制するためであれば固定電荷が発生する箇所にn型不純物を添加すれば足りるのであるが、上述のように微細に組成変化させたn側組成傾斜層26においては、固定電荷発生箇所、すなわち組成変化箇所を正確に狙ってn型不純物を添加することは困難である。したがって、確実に固定電荷発生箇所にn型不純物を添加できるよう、n側組成傾斜層26の厚み方向において一端から多端にかけて実質的に一定であることが好ましい。加えて、n側組成傾斜層26の組成変化率も実質的に一定であることが好ましい。すなわち、第2面26bから第1面26aにかけてバンドギャップエネルギーが実質的に単調減少するように組成を変化させることが好ましい。組成変化率が実質的に一定のn側組成傾斜層26であれば、発生する固定電荷の分布が実質的に均一になる。このため、n型不純物を実質的に一定の濃度で含有させることにより、電圧上昇抑制の効果を厚み方向の全体に亘ってほぼ一様に得ることができる。なお、実質的に一定のn型不純物濃度とするためには、例えば、n側組成傾斜層26を成長させる際にn型不純物の供給源(例えばシランガス)の流量の設定値を成長の始めから終わりまで一定とする。製造時のズレは許容される。また、n型不純物の原料ガスの流量を一定としても、Inの原料ガスの流量の変化により実際に取り込まれるn型不純物の濃度が多少変動する場合がある。この場合も、n側組成傾斜層26のn型不純物濃度は実質的に一定であるといえる。
n側組成傾斜層26の膜厚は、光を閉じ込める効果を得るために、n側障壁層31よりも厚くする。具体的には、n側組成傾斜層26の膜厚は200nm以上であることが好ましい。また、n側組成傾斜層26の膜厚は、500nm以下であることが好ましく、さらには300nm以下であることが好ましい。また、光閉じ込め効果を得るために、n側組成傾斜層26は活性層3の近くに配置することが好ましい。具体的には、n側組成傾斜層26の井戸層32Aからの距離は20nm以下であることが好ましい。
(活性層3)
活性層3は、GaN、InGaN等の窒化物半導体層からなる多層構造とすることができる。活性層3は、単一量子井戸構造又は多重量子井戸構造を有する。十分な利得を得るためには多重量子井戸構造が好ましい。多重量子井戸構造の活性層3は、複数の井戸層32A、32Bと、井戸層32A、32Bに挟まれる中間障壁層33と、を有する。例えば活性層3は、n側半導体層2側から順に、n側障壁層31、井戸層32A、中間障壁層33、井戸層32B、p側障壁層34を含む。
n側障壁層31、中間障壁層33、p側障壁層34には、井戸層32A、32Bよりもバンドギャップエネルギーが大きい半導体を用いる。n側障壁層31、中間障壁層33、p側障壁層34は、InGaN又はGaNからなることが好ましい。これは、発振波長が長波長になるほど井戸層32A、32BのIn組成比が大きくなるので、これらとの格子定数差を大きくしすぎないためである。発振波長530nm以上の半導体レーザ素子とする場合の井戸層32A、32BのIn組成比は、活性層3以外の層構造によって多少増減するが、例えば0.25以上(25%以上)である。井戸層32A、32BのIn組成比の上限としては、例えば0.50以下(50%以下)が挙げられる。このとき、半導体レーザ素子の発振波長は600nm以下程度であると考えられる。井戸層32A、32Bは、結晶性向上や光吸収低減の観点から、アンドープが好ましい。なお本明細書において、アンドープとは意図的にドープしないことをいう。SIMS分析等の分析結果においては、検出限界以下の濃度であればアンドープといってよい。
井戸層32A、32Bの膜厚は、例えば4nm以下であり、3nm以下が好ましい。なお、各障壁層31、33、34と井戸層32A、32Bとの間に、各障壁層31、33、34の膜厚よりも薄い膜厚(例えば1nm以下)の層を配置してもよい。言い換えれば、最短距離が各障壁層31、33、34の膜厚未満(例えば1nm以下、0を含む)となるように各障壁層31、33、34と井戸層32A、32Bがそれぞれ接近して配置されていることが好ましい。
(n側障壁層31)
n側障壁層31は、n側組成傾斜層26よりもn型不純物濃度が高く、且つn側組成傾斜層26の第1面26a側よりもバンドギャップエネルギーが大きい層である。バンドギャップエネルギーがこのような関係であることにより、n側組成傾斜層26の第1面26a近傍に電子を溜めることができる。これにより、n側障壁層31を薄くしてもホールのオーバーフローを抑制することができる。n側障壁層31はn型不純物濃度が高いため、少なくともn側障壁層31に最も近い井戸層の局在準位の遮蔽が懸念されるが、薄膜化によりこれを抑制することができ、長波長化が可能となる。n型不純物によって自由キャリア吸収が生じて吸収損失が増大するが、薄膜化によってこれも抑制できるので、光出力を向上させることができる。n側組成傾斜層26の第1面26a近傍に電子を溜めるためには、n側組成傾斜層26の最も第1面26a側のバンドギャップエネルギー(すなわちn側組成傾斜層26における最小のバンドギャップエネルギー)が、中間障壁層33よりも小さいことが好ましい。
具体的には、n側障壁層31の膜厚は20nm以下であることが好ましい。さらには、n側障壁層31の膜厚は15nm以下であることが好ましく、より好ましくは6nm以下とする。また、n側障壁層31のn型不純物濃度は1×1019/cm以上であることが好ましい。より好ましくは、3×1019/cm以上とする。n側障壁層31は活性層3における電子に対する最初の障壁層であるから、このような高濃度でn型不純物を含有させ、電子に対する障壁を低減させることが好ましい。加えて、n側障壁層31のn型不純物濃度を高くすることでホールのオーバーフローをより抑制することができる。n側障壁層31は井戸層32Aの近くに設けるため、そのn型不純物濃度の上限は結晶性が悪化しない程度であることが好ましい。特性の低下を抑制するためには、n側障壁層31のn型不純物濃度は5×1019/cm以下であることが好ましい。また、結晶性の悪化を抑制できるようにn側障壁層31はGaNであることが好ましい。
n側障壁層31とそれに最も近い井戸層32Aとの間には介在層を設けてもよい。介在層を設ける場合、n側組成傾斜層26とそれに最も近い井戸層32Aとの最短距離は200nm以下が挙げられる。また、n側障壁層31を厚くすると電子の注入に対して障壁となりやすいため、n側障壁層31の膜厚は10nm以下が好ましい。なお、各層の膜厚は1原子層以上とする。
(p側障壁層34)
p側組成傾斜層41を配置する場合は、p側組成傾斜層41と井戸層32A、32Bとの間に、p側組成傾斜層41の最小のバンドギャップエネルギーよりも大きなバンドギャップエネルギーを有するp側障壁層34を配置することが好ましい。p側障壁層34にn型不純物を含有させると光吸収やホールのトラップの虞があるため、また、p型不純物であるMgは深い準位をつくり光吸収を生じさせるため、p側障壁層34はアンドープとすることが好ましい。例えばp側障壁層34はアンドープのGaNからなる。
(p側半導体層4)
p側半導体層4は、GaN、InGaN、AlGaN等の窒化物半導体層からなる多層構造とすることができる。p側半導体層4に含まれるp型窒化物半導体層としては、Mg等のp型不純物が含有された窒化物半導体からなる層を挙げることができる。
(p側組成傾斜層41)
p側組成傾斜層41は、上方に向かってバンドギャップエネルギーが大きくなっている。換言すれば、p側組成傾斜層41は、活性層3側の第3面41aと、電子障壁層42側の第4面41bとを有し、そのバンドギャップエネルギーは第3面41aから第4面41bに向かって大きくなっている。第3面41a側のバンドギャップエネルギーは第4面41b側よりも小さい。すなわち、p側組成傾斜層41において、バンドギャップエネルギーは第3面41aから第4面41bに向かって階段状に増大している。n側組成傾斜層26だけでなくp側組成傾斜層41も設けることで、活性層3に対して両側からバランス良く光を閉じ込めることができる。これにより、活性層3における電界強度を増大させることができ、閾値電流を低減させることができる。
p側組成傾斜層41はアンドープである、又は、p側組成傾斜層41のp型不純物濃度は5×1017/cm以下である。p側障壁層34と同様の理由から、p側組成傾斜層41はアンドープであることが好ましい。p側障壁層34は、例えばp側光ガイド層として機能する。p側組成傾斜層41の組成、組成変化率、膜厚の好ましい範囲は、上述の構造(1)~(3)のいずれか1以上を満たすことを前提として、n側組成傾斜層26と同様のものを採用することができる。p側組成傾斜層41の膜厚は、350nm以下であることが好ましく、300nm以下であることがさらに好ましい。p側組成傾斜層41の第3面41a側は、p側障壁層34よりも小さいバンドギャップエネルギーを有することが好ましく、例えばInGaNからなる。p側組成傾斜層41の第4面41b側は、p側障壁層34と同等以上のバンドギャップエネルギーを有してよく、例えばGaNからなる。p側組成傾斜層41は、光を活性層3に寄せつつ電子のオーバーフローを抑制するため、活性層3側から実質的に単調にInの組成を減少させることが効果的である。
p側組成傾斜層41は、n側組成傾斜層26と同様に、図5Bに示すように互いに組成の異なるInGa1-yNからなる複数のサブ層411~415からなるともいえる。図5Bは、p側組成傾斜層41及びその付近の一部拡大図であり、サブ層413とサブ層414の間には明示した以外の多数のサブ層が存在することを示す。n側組成傾斜層26と同様の理由から、p側組成傾斜層41は第3面41aから第4面41bにかけて25nm以下の膜厚ごとにIn組成比が減少していることが好ましい。すなわち、各サブ層411~415の膜厚が25nm以下であることが好ましい。さらには、各サブ層411~415の膜厚は20nm以下であることが好ましい。各サブ層411~415の膜厚の下限値は例えば1原子層(約0.25nm)程度である。また、隣り合うサブ層(例えばサブ層411とサブ層412)のIn組成比の差は0.005以下であることが好ましい。さらに好ましくは0.001以下とする。下限値は例えば0.00007程度である。
(電子障壁層42)
電子障壁層42は、Mg等のp型不純物を含有する。電子障壁層42は、例えばAlGaNからなる。電子障壁層42は、p側半導体層4中で最も高いバンドギャップエネルギーを有し、且つp側組成傾斜層41よりも膜厚が小さい層として設けてよい。
(第1p型半導体層43、第2p型半導体層44)
第1p型半導体層43、第2p型半導体層44は、Mg等のp型不純物を含有する。第1p型半導体層43は、例えばAlGaNからなる。第1p型半導体層43は、例えばp型クラッド層として機能し、p側半導体層4中で電子障壁層42に次いで高いバンドギャップエネルギーを有してよい。第1p型半導体層43の膜厚は電子障壁層42よりも大きい。第2p型半導体層44は、例えばGaNからなり、p型コンタクト層として機能する。
(絶縁膜5、n電極8、p電極6、p側パッド電極7)
絶縁膜5は、例えば、Si、Al、Zr、Ti、Nb、Ta等の酸化物又は窒化物等の単層又は積層膜によって形成することができる。n電極8は、例えばn型の基板1の下面のほぼ全域に設けられる。p電極6は、例えばリッジ4aの少なくとも上面に設けられる。p電極6の幅が狭い場合は、p電極6の上にp電極6より幅が広いp側パッド電極7を設け、p側パッド電極7にワイヤ等を接続すればよい。各電極の材料は、例えば、Ni、Rh、Cr、Au、W、Pt、Ti、Al等の金属又は合金、Zn、In、Snから選択される少なくとも1種を含む導電性酸化物等の単層膜又は多層膜が挙げられる。導電性酸化物の例としては、ITO(Indium Tin Oxide)、IZO(Indium Zinc Oxide)、GZO(Gallium-doped Zinc Oxide)等が挙げられる。電極の厚みは、通常、半導体素子の電極として機能し得る厚みであればよい。例えば、0.1μm~2μm程度が挙げられる。
(実施例1)
実施例1として、以下に示す半導体レーザ素子を作製した。半導体レーザ素子となるエピタキシャルウエハーの作製にはMOCVD装置を用いた。また、原料には、トリメチルガリウム(TMG)、トリエチルガリウム(TEG)、トリメチルアルミニウム(TMA)、トリメチルインジウム(TMI)、アンモニア(NH)、シランガス、ビス(シクロペンタジエニル)マグネシウム(CpMg)を適宜用いた。
c面GaN基板(基板1)上に、Siを含有するAl0.02Ga0.98N層(第1n型半導体層21)を1.0μmの膜厚で成長させた。
次に、Siを含有するAl0.08Ga0.92N層(第2n型半導体層22)を250nmの膜厚で成長させた。
次に、Siを含有するIn0.04Ga0.96N層(第3n型半導体層23)を150nmの膜厚で成長させた。
次に、Siを含有するAl0.08Ga0.92N層(第4n型半導体層24)を650nmの膜厚で成長させた。
次に、Siを含有するGaN層(第5n型半導体層25)を300nmの膜厚で成長させた。
次に、1×1018/cm程度の濃度でSiドープした組成傾斜層(n側組成傾斜層26)を260nmの膜厚で成長させた。組成傾斜層は、成長の始端をGaNとし、成長の終端をIn0.05Ga0.95Nとして、組成傾斜がほぼ直線状となるように120段階でIn組成を実質的に単調増加させて成長させた。すなわち、2.1nmの厚みで成長する毎にIn組成比が0.02~0.09%(平均0.04%)増加するという、In組成比が実質的に単調増加する設定で組成傾斜層を成長させた。
次に、3×1019/cm程度の濃度でSiドープしたGaN層(n側障壁層31)を3nmの膜厚で成長させた。
次に、アンドープのIn0.25Ga0.75N層(井戸層32A)を2.7nmの膜厚で成長させた。
次に、アンドープのGaN層(中間障壁層33)を3.4nmの膜厚で成長させた。
次に、アンドープのIn0.25Ga0.75N層(井戸層32B)を2.7nmの膜厚で成長させた。
次に、アンドープのGaN層(p側障壁層34)を2.2nmの膜厚で成長させた。
次に、アンドープの組成傾斜層(p側組成傾斜層41)を260nmの膜厚で成長させた。組成傾斜層は、成長の始端をIn0.045Ga0.955Nとし、成長の終端をGaNとして、組成傾斜がほぼ直線状となるように120段階でIn組成を実質的に単調減少させて成長させた。すなわち、2.1nmの厚みで成長する毎にIn組成比が0.02~0.09%(平均0.04%)減少するという、In組成比が実質的に単調減少する設定で組成傾斜層を成長させた。
次に、Mgを含有するAl0.16Ga0.84N層(電子障壁層42)を11nmの膜厚で成長させた。
次に、Mgを含有するAl0.04Ga0.96N層(第1p型半導体層43)を300nmの膜厚で成長させた。
次に、Mgを含有するGaN層(第2p型半導体層44)を15nmの膜厚で成長させた。
そして、以上の層が形成されたエピタキシャルウエハーをMOCVD装置より取り出し、フォトリソグラフィとRIE、スパッタを用いて、リッジ4a、p電極6、p側パッド電極7、n電極8等を形成し、個片化して半導体レーザ素子100を得た。半導体レーザ素子100は、リッジ幅を15μm、共振器長を1200μm、素子幅を150μmとした。実施例1に係る半導体レーザ素子100は約531nmで発振した。
(実施例2)
実施例2として、p側組成傾斜層41の成長の始端をIn0.05Ga0.95Nとし、成長の終端をGaNとして成長させたのちに、アンドープのGaN層(p側中間層45)を膜厚200nmで成長した以外は実施例1と同様の方法で半導体レーザ素子100を作製した。実施例2に係る半導体レーザ素子100は約532nmで発振した。
(比較例1)
比較例1として、p側中間層45を設けないこと以外は実施例2と同様の半導体レーザ素子を作製した。
(実験結果1)
実施例1及び比較例1の半導体レーザ素子のI-L特性を図7に示し、I-V特性を図8に示す。図7及び図8において、実線が実施例2の半導体レーザ素子100を示し、破線が比較例1の半導体レーザ素子を示す。図7及び図8に示すように、実施例1の半導体レーザ素子100は、比較例1の半導体レーザ素子と比べて、光出力が向上し、且つ、電圧は同等程度に低いことが確認された。光出力が向上した理由は、比較例1よりp側組成傾斜層の屈折率を低下させたことで、p型不純物をドープした領域への光の漏れが低減され、これによってp側半導体層4での自由キャリア吸収損失が低減できたためと考えられる。閾値電流はわずかに上昇したが、これは、内部の光強度のピークがややn側半導体層の側にシフトするため、活性層への光閉じ込めが減少したためと考えられる。
(実験結果2)
実施例2及び比較例1の半導体レーザ素子のI-L特性を図9に示し、I-V特性を図10に示す。図9及び図10において、実線が実施例2の半導体レーザ素子100を示し、破線が比較例1の半導体レーザ素子を示す。図9及び図10に示すように、実施例2の半導体レーザ素子100は、比較例1の半導体レーザ素子と比べて、光出力が向上し、且つ、電圧は同等程度に低いことが確認された。光出力が向上した理由は、比較例1よりも活性層3から電子障壁層42までの距離を増大させたことで、p型不純物をドープした領域への光の漏れが低減され、これによってp側半導体層4での自由キャリア吸収損失が低減できたためと考えられる。また自由キャリア吸収損失が大きく低減出来たため閾値電流も低下したと考えられる。
100 半導体レーザ素子
1 基板
2 n側半導体層
21 第1n型半導体層
22 第2n型半導体層
23 第3n型半導体層
24 第4n型半導体層
25 第5n型半導体層
26 n側組成傾斜層
3 活性層
31 n側障壁層
32A、32B 井戸層
33 中間障壁層
34 p側障壁層
4 p側半導体層
41 p側組成傾斜層
42 電子障壁層
43 第1p型半導体層
44 第2p型半導体層
45 p側中間層
4a リッジ
5 絶縁膜
6 p電極
7 p側パッド電極
8 n電極
26a 第1面、26b 第2面
41a 第3面、41b 第4面
26c 第1部分、26d 第2部分
41c 第3部分、41d 第4部分
261~265、411~415 サブ層

Claims (13)

  1. それぞれが窒化物半導体からなるn側半導体層と、活性層と、p側半導体層と、を上方に向かって順に有する半導体レーザ素子であって、
    前記n側半導体層は、上方に向かってバンドギャップエネルギーが小さくなっており、n型不純物を5×1017/cmより大きく2×1018/cm以下のn型不純物濃度で含有するn側組成傾斜層を有し、
    前記活性層は、
    前記n側組成傾斜層に接して配置されると共に、前記n側組成傾斜層よりもn型不純物濃度が大きく且つ膜厚が小さく、前記n側組成傾斜層の上端のバンドギャップエネルギーよりも大きなバンドギャップエネルギーを有するn側障壁層と、
    前記n側障壁層の上方に配置される1または複数の井戸層と、を有し、
    前記p側半導体層は、上方に向かってバンドギャップエネルギーが大きくなっており、アンドープであるp側組成傾斜層を有し、
    以下の(1)または(2)から選ばれた1以上の構造を有する、半導体レーザ素子。
    (1)前記n側組成傾斜層の膜厚をtとするときに、前記活性層と前記p側半導体層の界面から上方に向かってtの距離範囲における前記p側半導体層の平均バンドギャップエネルギーは、前記n側組成傾斜層の平均バンドギャップエネルギーよりも大きい、
    (2)前記p側組成傾斜層の下端のバンドギャップエネルギーは、前記n側組成傾斜層の上端のバンドギャップエネルギーよりも大きい
  2. 記n側組成傾斜層は、前記活性層の側から順に第1部分と第2部分とを有し、前記第1部分の組成変化率は前記第2部分の組成変化率よりも低い、請求項1に記載の半導体レーザ素子。
  3. 記p側組成傾斜層は、前記活性層の側から順に第3部分と第4部分とを有し、前記第3部分の組成変化率は前記第4部分の組成変化率よりも高い、請求項1または2に記載の半導体レーザ素子。
  4. それぞれが窒化物半導体からなるn側半導体層と、活性層と、p側半導体層と、を上方に向かって順に有する半導体レーザ素子であって、
    前記n側半導体層は、上方に向かってバンドギャップエネルギーが小さくなっており、n型不純物を5×10 17 /cm より大きく2×10 18 /cm 以下のn型不純物濃度で含有するn側組成傾斜層を有し、
    前記活性層は、
    前記n側組成傾斜層に接して配置されると共に、前記n側組成傾斜層よりもn型不純物濃度が大きく且つ膜厚が小さく、前記n側組成傾斜層の上端のバンドギャップエネルギーよりも大きなバンドギャップエネルギーを有するn側障壁層と、
    前記n側障壁層の上方に配置される1または複数の井戸層と、を有し、
    前記p側半導体層は、
    上方に向かってバンドギャップエネルギーが大きくなっており、アンドープであるp側組成傾斜層と、
    前記p側組成傾斜層の上方に配置され、前記p側組成傾斜層の上端のバンドギャップエネルギー以上であるバンドギャップエネルギーを有し、アンドープである、p側中間層と、
    前記p側中間層の上方に配置され、前記p側中間層のバンドギャップエネルギーよりも大きなバンドギャップエネルギーを有し、前記p側組成傾斜層よりもp型不純物濃度が大きい電子障壁層と、を有する、半導体レーザ素子。
  5. 前記p側中間層の膜厚は、100nm以上の膜厚を有する、請求項4に記載の半導体レーザ素子。
  6. 記p側組成傾斜層と前記p側中間層の合計膜厚は、前記n側組成傾斜層の膜厚より大である、請求項4または5に記載の半導体レーザ素子。
  7. 前記n側組成傾斜層のn型不純物濃度は上下方向において実質的に一定である、請求項1~のいずれか1項に記載の半導体レーザ素子。
  8. 前記n側組成傾斜層及び/又は前記p側組成傾斜層の膜厚は200nm以上である請求項1~のいずれか1項に記載の半導体レーザ素子。
  9. 前記n側組成傾斜層は、互いに組成の異なるInGa1-xNからなる複数のサブ層からなり、
    前記サブ層の膜厚は、25nm以下であり、
    前記n側組成傾斜層の最も上側のサブ層は、InGa1-aN(0<a<1)からなり、
    前記n側組成傾斜層の最も下側のサブ層は、InGa1-bN(0≦b<a)からなる請求項1~のいずれか1項に記載の半導体レーザ素子。
  10. 隣り合う前記サブ層のIn組成比の差は、0.005以下である請求項に記載の半導体レーザ素子。
  11. 前記n側組成傾斜層の前記1または複数の井戸層からの距離は20nm以下である請求項1~10のいずれか1項に記載の半導体レーザ素子。
  12. 前記p側組成傾斜層は、互いに組成の異なるInGa1-yNからなる複数のサブ層からなり、
    前記サブ層の膜厚は、25nm以下であり、
    前記p側組成傾斜層の最も下側のサブ層は、InGa1-cN(0<c<1)からなり、
    前記p側組成傾斜層の最も上側のサブ層は、InGa1-dN(0≦d<c)からなる請求項1~11のいずれか1項に記載の半導体レーザ素子。
  13. 前記半導体レーザ素子は波長530nm以上のレーザ光を発振可能である請求項1~12のいずれか1項に記載の半導体レーザ素子。
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