JP6217567B2 - 半導体製造装置、半導体基板の製造方法及び搬送ロボット - Google Patents

半導体製造装置、半導体基板の製造方法及び搬送ロボット Download PDF

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Description

本発明は、半導体製造装置、半導体基板の製造方法及び搬送ロボットに関する。
近年、CCD(Charge Coupled Device)やCIS(CMOS Image Sensor)等の撮像素子用基板として、シリコンエピタキシャルウェーハが使用される。シリコンエピタキシャルウェーハはシリコンウェーハ上にシリコン膜を気相成長させている。撮像素子用のエピタキシャルウェーハでは、ウェーハ内に金属不純物が存在すると白キズ(白点)と呼ばれる不良が発生する。そのため、ウェーハ中の金属不純物(重金属汚染)のレベルを低くすることが重要となっている。
エピタキシャル層を気相成長する際に反応炉内(反応チャンバー内)に金属不純物が存在すると、製造するエピタキシャルウェーハが金属不純物により汚染をされる。汚染源の金属不純物としては、例えば原料に用いるシリコン結晶やシリコン含有化合物が考えられる。その他に気相成長装置のメンテナンス(洗浄)時に付着した金属不純物、反応チャンバーを構成する素材に含まれる金属不純物、気相成長装置及び配管系に通常用いられるステンレス成分等が考えられる。
ところで、気相成長装置は定期的なメンテナンスが必要であり、例えば気相成長装置を大気開放して反応チャンバーや配管の洗浄等が行われる。また、気相成長装置によりシリコンエピタキシャルウェーハの製造を繰り返すと反応チャンバー内にシリコンが次第に堆積していく。この堆積したシリコン堆積物がパーティクル等の発生原因となる。そのため、定期的に反応チャンバー内のシリコン堆積物を除去(反応チャンバー内のクリーニング)する必要がある。反応チャンバーをクリーニングする方法としては、例えば、反応チャンバー内にHCLガスを流して、そのHCLガスにより反応チャンバー内をベーパーエッチングする方法が知られる。
しかし、反応チャンバーのメンテナンスやベーパーエッチングの直後は、気相成長装置の汚染度が一時的に悪化する。また、反応チャンバー内への微量な酸素混入によってもエピタキシャルウェーハに対する金属不純物の汚染が悪化することが分かっている。エピタキシャル層を気相成長させる基板を外部から気相成長装置内に搬入する場合、基板が搬入される搬入チャンバー(例えば、ロードロックチャンバー等)は大気開放状態となる。よって、気相成長装置内に基板を搬入する度に搬入チャンバーを含む基板の搬送系統(搬入チャンバーや基板を搬入チャンバーから反応チャンバーに搬送する搬送チャンバー等)に大気成分や外部の汚染が持ち込まれる。基板の搬送系統(搬送チャンバー)と反応チャンバーは、通常、隔離弁により両者の繋がりが遮断されるが、基板を反応チャンバーに搬送する場合には隔離弁が開放され、搬送チャンバーと反応チャンバーが一続きになる。それ故、搬送チャンバーから反応チャンバーに残留大気(特に酸素)が混入し、残留大気が製造されるエピタキシャルウェーハの金属不純物の汚染を引き起こすことが懸念される。
反応チャンバーに混入する大気対策として、気相成長装置内の酸素濃度を酸素濃度計により管理することが考えられる。しかし、微量な酸素濃度を検出するために高精度の計器を導入する必要があり、計器を導入すべき対象が多数存在する場合は計器を導入するコストが高くなる。そのため、酸素濃度計を用いた大気対策は現実的ではない。また、酸素濃度計では、酸素濃度しか濃度を管理できず、酸素濃度以外の汚染源が反応チャンバーに混入した場合、汚染を抑制することは困難である。
このように基板の搬送系統(搬入・搬送チャンバー)に残留大気が持ち込まれると、搬送チャンバーと反応チャンバーとの間を搬送される基板の基板搬送時に残留大気が反応チャンバーに混入するのを効果的に防げられない。搬送チャンバーと反応チャンバーの汚染を防止する関連技術として、特許文献1及び2には、搬送チャンバーと反応チャンバーを遮断する遮断機構が開示されている。
特開2000−31071号公報 特開2010−202982号公報
しかしながら、特許文献1及び2では、基板を搬送する搬送ロボットと独立して遮断機構が設けられる。よって、搬送ロボットにより基板が搬送される際は、搬送チャンバーと反応チャンバーの間が遮断できず、搬送チャンバーから反応チャンバーへ大気が混入するのを防止できない。
本発明の課題は、基板の搬送にともなう金属汚染を抑制して高品質な半導体基板を製造できる半導体製造装置、半導体基板の製造方法及び搬送ロボットを提供することにある。
課題を解決するための手段及び発明の効果
本発明の半導体製造装置は、
基板上に反応ガスを導入して基板を処理する反応チャンバーと、
反応チャンバーに基板を搬入し、基板を処理した処理基板を反応チャンバーから搬出する搬送ロボットを有する搬送チャンバーと、
反応チャンバーと搬送チャンバーの間を基板及び処理基板が往来可能な往来空間を有するように連通する連通部と、
を備える半導体製造装置において、
搬送ロボットは、搬送ロボットが基板を搬入及び処理基板を搬出する搬送中に往来空間を流路とする気体の流れを阻止する阻止板を有することを特徴とする。
本発明者らは、反応チャンバーと搬送チャンバーの間を基板及び処理基板が搬送される際、反応チャンバーと搬送チャンバーを連通する連通部を通して搬送チャンバーから反応チャンバーに汚染が混入するのを発見した。つまり、反応チャンバーと搬送チャンバーの間を基板及び処理基板が往来可能な往来空間を流路として搬送チャンバーから反応チャンバーに汚染が混入するのを発見した。搬送ロボットが基板を搬入及び処理基板を搬出する搬送中は、搬送チャンバーと反応チャンバーを連通する連通部が開放される。そのため、基板及び処理基板の搬送中に搬送チャンバーから反応チャンバーに汚染が混入するのを防ぐ必要がある。よって、基板及び処理基板の搬送時に搬送チャンバーと反応チャンバーの間の連通部を流路とする雰囲気ガスの流れを遮る阻止板を搬送ロボットに備えることで、反応チャンバーに汚染が混入するのを抑制できる。したがって、製造される半導体基板が金属不純物に汚染されるのを低減できる。
本発明の実施態様では、阻止板は、搬送中に搬送チャンバーと連通部の連通を閉鎖することができる。よって、搬送中に連通を閉鎖することで、一時的に往来空間を流路とする気体の流れを遮断できる。
また、本発明の実施態様では、阻止板は、搬送中に流路内に位置して流路の少なくとも一部を遮ることができる。よって、搬送中に阻止版が流路内に位置することで、一時的に往来空間を流路とする気体の流れを遮ることができる。
更に、上記の半導体製造装置により半導体基板を製造することができる。そのため、金属不純物による汚染が低減した半導体基板を製造できる。
また、本発明の搬送ロボットは、
基板上に反応ガスを導入して基板を処理する反応チャンバーと、反応チャンバーに基板を搬入し、基板を処理した処理基板を反応チャンバーから搬出する搬送チャンバーと、反応チャンバーと搬送チャンバーの間を基板及び処理基板が往来可能な往来空間を有するように連通する連通部を備える半導体製造装置における反応チャンバーに基板を搬入及び反応チャンバーから処理基板を搬出する搬送ロボットにおいて、
搬送ロボットは、搬送ロボットが基板を搬入及び処理基板を搬出する搬送中に往来空間を流路とする気体の流れを阻止する阻止板を有することを特徴とする。
本発明は、基板を搬入及び処理基板を搬出する搬送ロボットとして構成したものであり、搬送中に往来空間を流路とする気体の流れを阻止板で阻止することにより反応チャンバーに汚染が混入するのを抑制できる。したがって、搬送ロボットが搬送する処理基板が金属不純物により汚染されるのを低減できる。
本発明の気相成長装置の概略を示す概略図。 図1の気相成長装置におけるA−A模式断面図(ただし、ロードロックチャンバーの内部機構は省略した)。 図2の搬送ロボットが基板を反応チャンバーに搬入する一連の流れを説明する模式断面図(第3流路が閉じられている状況)。 図3Aに続き、搬送ロボットが開放された第3流路に進行する状況を示す模式断面図。 図3Bに続き、搬送ロボットの阻止板が搬送口を閉鎖する状況を示す模式断面図。 比較例及び実施例のエピタキシャルウェーハ製造工程を示すフロー図。 ICP−MS法によりエピタキシャルウェーハの表面のMo濃度を測定した比較例と実施例の結果を示したグラフ。 実施例と比較例の搬送チャンバーの酸素濃度を示したグラフ。 実施例と比較例の反応チャンバーの酸素濃度を示したグラフ。
図1及び図2は本発明で使用される枚葉式の気相成長装置1の一例を示す。気相成長装置1は、シリコン基板Wの表面上にシリコン単結晶膜(エピタキシャル層)を気相成長してシリコンエピタキシャルウェーハ(処理後のシリコン基板W’)を製造する装置である。気相成長装置1は、例えば、CCDやCIS等の撮像素子用基板に使用されるシリコンエピタキシャルウェーハを製造する。
気相成長装置1は、シリコン基板W、W’を保持するロードロックチャンバー2とシリコン基板Wを搬送する搬送チャンバー3とシリコン基板Wを処理する反応チャンバー4及びクーリングチャンバー5を備える。
ロードロックチャンバー2は、処理前のシリコン基板Wを収容する第1チャンバー2aと処理後のシリコン基板W’を収容する第2チャンバー2bを備える。第1チャンバー2aは、処理前のシリコン基板Wを複数保持する第1カセットC1と、シリコン基板Wを第1チャンバー2aから搬出する搬送口G1を有する。第2チャンバー2bは、処理後のシリコン基板W’を複数保持可能な第2カセットC2と、シリコン基板W’を第2チャンバー2bに搬入する搬送口G2を有する。第1チャンバー2a内及び第2チャンバー2b内はそれぞれ、図示しないガス導入管とガス排出管を備え、導入管から雰囲気ガスが供給され、排出管から雰囲気ガスが排出される。例えば、雰囲気ガスとして窒素ガスが用いられ、第1及び第2チャンバー2a、2b内は窒素雰囲気にされる。
搬送チャンバー3はロードロックチャンバー2と反応チャンバー4の間に挟まれるように位置する。搬送チャンバー3は、ロードロックチャンバー2から反応チャンバー4にシリコン基板Wを搬送する。また、反応チャンバー4からクーリングチャンバー5経てロードロックチャンバー2にシリコン基板W’を搬送する。図2に示すように搬送チャンバー3は、シリコン基板W、W’を搬送する搬送ロボット6と、チャンバーの間(チャンバー2と3、チャンバー3と4)を隔離する可動弁7と、ガス排出管8と、シリコン基板W、W’の出入口となる搬送口G3、G4(図1参照)、G5を備える。図示省略してあるが、搬送チャンバー3にはガス排出管8に対応してガス導入管も備わる。
搬送ロボット6は、シリコン基板W、W’が載置されるブレード6aと、ブレード6aに接続される伸縮可能なアーム6bと、アーム6bを伸縮させる可動機構6cと、アーム6bを回転させる回転機構6dを備える。ブレード6aは二股状に形成され、上面にシリコン基板W、W’が載置される。ブレード6aは例えば石英製である。ブレード6aに接続されるアーム6bはアーム6bの外周部に沿って鍔状の阻止板6b1を備え、伸縮機構6cにより伸縮する。伸縮機構6cは、図示しないモーターを介してアームを水平方向に伸縮可能にする。回転機構6dは、図示しないモーターを介して軸線O1回りにアーム6bを回転可能にする。
アーム6bを可動させる伸縮機構6c及び回転機構6dには制御部9が接続される。制御部9は、図示しないCPUと、各機構6c、6dに備わるモーターを駆動する駆動回路を有する。制御部9(CPUと駆動回路)によりアーム6bの伸縮、回転が制御される。よって、搬送ロボット6は、シリコン基板Wをブレード6aに載置した状態で第1チャンバー2aから反応チャンバー4にシリコン基板Wを搬送する。また、シリコン基板W’をブレード6aに載置した状態で反応チャンバー4からクーリングチャンバー5や第2チャンバー2bにシリコン基板W’を搬送する。
また、可動弁7は第1可動弁10と第2可動弁11を有する。第1可動弁10は、搬送口G3を閉鎖することで第1チャンバー2aと搬送チャンバー3の間を隔離可能な第1隔離弁10aと、第1隔離弁10aを搬送口G3に向けて進行後退可能に可動する可動機構10bを備える。第1隔離弁10aは搬送口G3に対向するように位置する。可動機構10bは、図示しないエアシリンダーを介して第1隔離弁10aを搬送口G3に向けて進行及び後退させる。可動機構10bは第1隔離弁10aを進行させて搬送口G3を閉鎖させることで、第1チャンバー2aと搬送チャンバー3の間が隔離する。なお、搬送口G3と同様に搬送口G4に対しても別途、独立して第1可動弁10が配置される。
第2可動弁11は、搬送口G5を閉鎖することで搬送チャンバー3と反応チャンバー4の間を隔離可能な第2隔離弁11aと、第2隔離弁11aを搬送口G5に向けて進行後退可能に可動する可動機構11bを備える。第2隔離弁11aは搬送口G5に対向するように位置する。可動機構11bは、図示しないエアシリンダーを介して第2隔離弁11aを搬送口G5に向けて進行及び後退させる。可動機構11bは第2隔離弁11aを進行させて搬送口G5を閉鎖させることで、搬送チャンバー3と反応チャンバー4の間が隔離する。
第1及び第2隔離弁10a、11aをそれぞれ駆動させる駆動機構10b、11bには弁制御部12が接続される。弁制御部12は、図示しないCPUと、各機構10b、11bに備わるエアシリンダーを駆動する駆動回路を有する。弁制御部12(CPUと駆動回路)により第1及び第2隔離弁10a、11aの可動が制御される。よって、シリコン基板W、W’の搬送に応じてロードロックチャンバー2と搬送チャンバー3の間や搬送チャンバー3と反応チャンバー4の間が隔離又は連通する。
また、ガス導入管(図示省略)及びガス排出管8は、ガス導入管が搬送チャンバー3内に雰囲気ガスを導入し、ガス排出管8により搬送チャンバー3内に導入された雰囲気ガスが排出される。例えば、雰囲気ガスとして窒素ガスが用いられ、搬送チャンバー3内は窒素雰囲気にされる。
搬送口G3はシリコン基板Wを第1チャンバー2aから搬送チャンバー3に搬入する搬入口である。搬送口G4(図1参照)はシリコン基板W’を搬送チャンバー3から第2チャンバー2bに搬出する搬出口である。搬送口G5はシリコン基板Wを搬送チャンバー3から反応チャンバー4に搬入及びシリコン基板W’を反応チャンバー4から搬送チャンバー3に搬出する搬入搬出口である。なお、搬送口G3〜G5は、それぞれの開口が各隔離弁10a、11aに対向するように搬送チャンバー3の下方に傾斜して配置される。
反応チャンバー4は搬送チャンバー3に隣接して位置する。反応チャンバー4は、シリコン基板W上に気相成長ガス(反応ガス)を導入してシリコン基板W上に薄膜(エピタキシャル層)を成長して、シリコン基板W’(エピタキシャルウェーハ)を製造する。反応チャンバー4は、シリコン基板Wを水平に支持するサセプタ13と、サセプタ13を支持する支持部14と、サセプタ13を可動する可動機構15と、ガス導入管(図示省略)及びガス排出管16を備える。また、反応チャンバー4にはシリコン基板Wの搬入口及びシリコン基板W’の搬出口となる搬送口G6を備える。
可動機構15は、支持部14を通してサセプタ13を軸線O2回りに回転及びサセプタ13を上下に可動させる。ガス導入管は、気相成長ガス(反応ガス)をサセプタ13の上側の領域に導入するとともに、サセプタ13上のシリコン基板Wの主表面上に供給する。気相成長ガスは、原料ガス(例えばTCS(トリクロロシラン))、原料ガスを希釈するキャリアガス(例えば水素)及びエピタキシャル層に導電型を付与するドーパントガスを含む。また、ガス導入管の反対側に反応チャンバー4内のガスを排出するガス排出管16が接続される。なお、反応チャンバー4内の圧力は、ロードロックチャンバー2及び搬送チャンバー3より低く設定される。図示省略するが、反応チャンバー4の周囲(例えば、反応チャンバー4の上下)には、気相成長時にシリコン基板Wをエピタキシャル成長温度(例えば、900〜1200℃)に加熱するハロゲンランプなどのランプが備わる。
また、ロードロックチャンバー2と搬送チャンバー3の間には開閉可能なバルブゲート17が備わる。図1に示すようにバルブゲート17は、第1チャンバー2aと搬送チャンバー3の間に位置する第1バルブゲート17aと、第2チャンバー2bと搬送チャンバー3の間に位置する第2バルブゲート17bを備える。図2に示すように第1バルブゲート17aは、搬送口G1と搬送口G3を連通して第1チャンバー2aと搬送チャンバー3を連通する流路となる第1流路17a1と、第1可動弁10が備わる。なお、第1流路17a1は、シリコン基板Wが往来可能な大きさに形成される。図2には示されないが、第2バルブゲート17b(図1参照)は第1バルブゲート17aと同様に、搬送口G2と搬送口G4を連通して第2チャンバー2bと搬送チャンバー3を連通する流路となる第2流路と、第1可動弁10が備わる。なお、第2流路はシリコン基板W’が往来可能な大きさに形成される。
搬送チャンバー3と反応チャンバー4の間にも開閉可能なバルブゲート18が備わる。バルブゲート18は、搬送口G5と搬送口G6を連通して搬送チャンバー3と反応チャンバー4を連通する流路となる第3流路18aと、第2可動弁11が備わる。第3流路18aはシリコン基板W、W’が往来可能に形成される(往来空間Sを有する)。なお、第3流路18aが本発明における「連通部」の一例に相当する。
バルブゲート17、バルブゲート18はそれぞれ弁制御部12により各流路17a1、18aの開閉が制御される。よって、シリコン基板W、W’の搬送に応じてロードロックチャンバー2と搬送チャンバー3の間や搬送チャンバー3と反応チャンバー4の間が隔離されたり、開放(連通)されたりする。
以上の構成を有した気相成長装置1によりシリコンエピタキシャルウェーハ(シリコン基板W’)が製造される。シリコン基板W’の製造に先立ち、シリコン基板Wが外部(大気雰囲気)からロードロックチャンバー2内に搬入される。よって、シリコン基板Wの搬入によりロードロックチャンバー2内は大気雰囲気となる。そこで、反応チャンバー4内へ大気が混入するのを防止するために、不活性ガス(例えば窒素)によりロードロックチャンバー2内の雰囲気が置換される。
一定時間が経過してロードロックチャンバー2内の置換が完了すると、ロードロックチャンバー2と搬送チャンバー3の間のバルブゲート17を開放する。バルブゲート17が開放されると搬送ロボット6がロードロックチャンバー2(第1チャンバー2a)のカセットC1からシリコン基板Wを1枚抜き取り、シリコン基板Wをブレード6aに載置する。搬送ロボット6はシリコン基板Wをブレード6aに載置した状態でシリコン基板Wをロードロックチャンバー2から搬送チャンバー3に搬送する。
シリコン基板Wが搬送チャンバー3内に搬入されると、バルブゲート17の第1隔離弁10aが搬送口G3を閉鎖する。すると、搬送チャンバー3と反応チャンバー4の間のバルブゲート18の第2隔離弁11aが搬送口G5を開放する。搬送ロボット6のブレード6aに載置されたシリコン基板Wは搬送口G5を経て第3流路18aを通過して、反応チャンバー4内のサセプタ13に搬送(載置)される。
シリコン基板Wが反応チャンバー4内に搬入されると、搬送ロボット6がサセプタ13にシリコン基板Wを渡し、シリコン基板Wがサセプタ13上に載置される。その後、搬送ロボット6が反応チャンバー4内から退出して搬送チャンバー3内に戻ると、バルブゲート18の第2隔離弁11aが搬送口G5を閉鎖する。そして、反応チャンバー4内ではシリコン基板W上にシリコンエピタキシャル層が形成され、シリコン基板W’が製造される。
反応チャンバー4内でのエピタキシャル成長処理が完了すると、バルブゲート18の第2隔離弁11aが搬送口G5を開放する。バルブゲート18が開放されると搬送ロボット6がサセプタ13上のシリコン基板W’を受け取り、シリコン基板W’をブレード6aに載置する。搬送ロボット6はシリコン基板W’をブレード6aに載置した状態でシリコン基板W’を反応チャンバー4から搬送チャンバー3に搬送する。
シリコン基板W’が搬送チャンバー3内に搬入されると、バルブゲート18の第2隔離弁11aが搬送口G5を閉鎖する。その後、シリコン基板W’はクーリングチャンバー5を経た後、ロードロックチャンバー2に搬送される。シリコン基板W’がロードロックチャンバー2に搬送される場合は、ロードロックチャンバー2(第2チャンバー2b)と搬送チャンバー3の間のバルブゲート17の第1隔離弁10aが搬送口G4(図1参照)を開放する。搬送ロボット6のブレード6aに載置されたシリコン基板W’は搬送口G4を経て第2流路を通過して、第2チャンバー2b内のカセットC2に載置される。
以上、シリコン基板Wが搬送されてシリコン基板W’が製造される一連の流れを説明した。シリコン基板W、W’はチャンバー間(チャンバー2と3、チャンバー3と4)を搬送され、シリコン基板W、W’の搬送時には隔離されたチャンバー同士(チャンバー2と3、チャンバー3と4)が連通する。よって、シリコン基板W、W’が搬送される際、例えば反応チャンバー4に導入される気相成長ガス(反応性ガス)が搬送チャンバー3に逆流するおそれがある。そのため、反応チャンバー4に導入される気相成長ガス(反応性ガス)が搬送チャンバー3に逆流するのを防ぐために、搬送チャンバー3内の圧力は反応チャンバー4内の圧力より高く設定される。
そのため、シリコン基板Wを反応チャンバー4に搬入する際は、反応チャンバー4と搬送チャンバー3の間の第3流路18aを通り搬送チャンバー3の雰囲気ガスが反応チャンバー4内に流れ込む。この際、搬送チャンバー3の雰囲気ガスに残留大気が存在すると、反応チャンバー4に残留大気が持ち込まれ、製造されるシリコン基板W’に金属不純物の汚染が発生するおそれがある。そこで、反応チャンバー4内に残留大気が混入するのを防ぎ、製造されるシリコン基板W’に金属不純物の汚染が発生するのを抑制する必要がある。そのため、本発明ではシリコン基板Wを搬送する搬送ロボット6が阻止板6b1を備える。以下、阻止板6b1を備えた搬送ロボット6がシリコン基板Wを反応チャンバー4に搬入する一連の流れの詳細を説明する。なお、シリコン基板Wを反応チャンバー4に搬入する例を説明するが、シリコン基板W’を反応チャンバー4から搬出する場合でも同様に反応チャンバー4内に残留大気が混入する。
図2に示すように搬送ロボット6のアーム6bには阻止板6b1が備わる。搬送チャンバー3から反応チャンバー4にシリコン基板Wが搬送される際は、ブレード6aにシリコン基板Wが載置される。そして、シリコン基板Wが載置されたブレード6aに接続されるアーム6bを、搬送口G5が開放されると開放された搬送口G5に向けて伸長する(図3A→B)。アーム6bが伸長すると、アーム6bに接続されたブレード6aが搬送口G5に向けて移動する。アーム6bが伸長するに従ってシリコン基板Wを載置したブレード6aを先頭にシリコン基板Wが搬送口G5に入り、第3流路18aを経て反応チャンバー4に入る。そして、ブレード6aからサセプタ13にシリコン基板Wを渡す受け渡し位置(サセプタ13上方)にシリコン基板Wが到達するとアーム6bの伸長が停止する(図3C)。その後、シリコン基板Wがブレード6aからサセプタ13に移される。シリコン基板Wが反応チャンバー4に搬入される一方で、アーム6bに備わる阻止板6b1もアーム6bの伸長にともない、搬送口G5に向けて移動する。よって、シリコン基板Wを反応チャンバー4内に搬入するためにアーム6bが伸長するにともない、阻止板6b1と搬送口G5の距離が狭まることで第3流路18aに通じる入口が狭まる(図3B→C)。そして、図3Cに示すようにシリコン基板Wが受け渡し位置に到達した時点(アーム6bの伸長が停止した時点)で、阻止板6b1が搬送口G5を閉鎖する。したがって、阻止板6b1によりシリコン基板Wを搬送中に搬送チャンバー3から反応チャンバー4に流通する気体(残留大気)の流れを遮ることができる。更にはアーム6bの伸長が停止した時点で阻止板6b1が搬送口G5を閉鎖し、搬送チャンバー3から反応チャンバー4に流通する気体を遮断できる。よって、反応チャンバー4に汚染が混入するのを抑制でき、製造されるシリコン基板W’の金属不純物による汚染を低減できる。
阻止板6b1は、アーム6bの伸長が停止した時点で搬送口G5を閉鎖させる以外にも次のようなものを採用できる。例えば、阻止板を第3流路18a内に進入可能に形成し、アーム6b1の伸長が停止した時点で第3流路18a内に阻止板を位置させて第3流路18aの一部又は全部を遮るものでもよい。また、搬送口G5の一部を塞ぐ構成や阻止板と搬送口G5を近接させて第3流路18aに通じる入口を狭める構成にしてもよい。阻止板は、搬送ロボット6がシリコン基板Wを搬入及びシリコン基板W’を搬出する搬送中に第3流路18aを流通する気体の流れを阻止できるものであればよい。なお、シリコン基板W’を反応チャンバー4から搬出する場合でも同様となる。
以下、比較例及び実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、これらは本発明を限定するものではない。
(比較例)
先ず比較例として、図1に示す気相成長装置1から搬送ロボット6の阻止板6b1を取り除き、搬送チャンバー3と反応チャンバー4のガス排出管16(ガス排気系)にそれぞれ酸素濃度計を取り付けた装置を用意した。外部からロードロックチャンバー2に基板を搬入する前の搬送チャンバー3内及び反応チャンバー4内の酸素濃度は、いずれも測定下限値の0.1ppm以下であった。その後、反応チャンバー4内の汚染を評価する汚染評価用の半導体ウェーハの基板となるシリコンウェーハを準備した。準備した基板は、図4に示すようにロードロックチャンバー2に搬入された後、ロードロックチャンバー2から搬送チャンバー3に搬送される(S1)。基板が搬送チャンバー3に搬送された後、搬送チャンバー3と反応チャンバー4の間の第2隔離弁11aを開放する(S2)。そして、第2隔離弁11aが搬送口G5を開放して、基板を搬送チャンバー3から反応チャンバー4に搬送する(S3)。また、基板を搬送チャンバー3から反応チャンバー4へ搬送している間における搬送チャンバー3と反応チャンバー4の最大酸素濃度を酸素濃度計により測定した。
基板が反応チャンバー4に搬入された後、第2隔離弁11aが閉鎖され(S4)、その後、基板上にエピタキシャル層を成長した(S5)。エピタキシャル層の成膜時には、原料ガスのTCSを10L/min、キャリアガスの水素を50L/min流し、基板上に膜厚10μmのエピタキシャル層を成長させた。作製した汚染評価用の半導体ウェーハについて、ICP−MS法を用いて、その表面のMo(モリブデン)濃度を測定した(S6)。
図5に示すように比較例のエピタキシャルウェーハの表面のMo濃度をICP−MS法により測定した測定値は、4.2×10atоms/cmとなった。図6及び図7に示すように基板を搬送チャンバー3から反応チャンバー4に搬送する基板搬送時の搬送チャンバー3の最大酸素濃度は、84ppmであり、反応チャンバー4内の最大酸素濃度は11.4ppmとなった。
(実施例)
次に実施例について説明する。比較例の装置に阻止板6b1を取り付けた装置を用い、比較例と同様に外部から基板を搬入する前の搬送チャンバー3内及び反応チャンバー4内の酸素濃度が測定下限値の0.1ppm以下であることを確認した。そして、比較例と同様のサンプルを作製した後、比較例と同様に基板上にエピタキシャル層を成長させてエピタキシャルウェーハ表面のMo濃度を測定した。
図5に示すように実施例で測定されたMo濃度の測定値は、1.6×10atоms/cmとなった。図6及び図7に示すように基板を搬送チャンバー3から反応チャンバー4に搬送する基板搬送時の搬送チャンバー3の最大酸素濃度は、89ppmであり、反応チャンバー4内の最大酸素濃度は2.1ppmとなった。図5に示すように比較例に対して実施例ではMo濃度が大きく減少しており、本発明を適用することで金属不純物の発生が抑えられていることが分かった。また、図6に示すように比較例と実施例では搬送チャンバー3内の最大酸素濃度は同程度である。それに対し、図7に示すように実施例では反応チャンバー4内の最大酸素濃度が比較例の最大酸素濃度より大幅に減少している。そのため、本発明を適用することで搬送チャンバー3から反応チャンバー4に混入する搬送チャンバー中の雰囲気ガスが少なくできることが示された。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。上記実施形態では、半導体製造装置としてエピタキシャル成長を行う気相成長装置1を例示した。しかし、基板を搬送する基板搬送系統(ロードロックチャンバー2、搬送チャンバー3又はそれに類する装置)を具備し、反応室内で腐食性ガス(反応ガス)を反応させる装置であれば、他の半導体製造装置に用いてもよい。例えば、他の薄膜を基板上に形成するCVD装置や腐食性ガスを用いて基板表面をエッチングするドライエッチング装置等に採用してもよい。
本明細書では搬送チャンバー3に搬送ロボット6を備える例を説明したが、ロードロックチャンバー2が搬送チャンバー3(搬送機構)を兼ねた装置でもよい。
1 気相成長装置 2 ロードロックチャンバー
3 搬送チャンバー 4 反応チャンバー
6 搬送ロボット 6b1 阻止板
7 可動弁 11a 第2隔離弁(開閉部)
18 バルブゲート 18a 第3流路(連通部)

Claims (5)

  1. 基板上に反応ガスを導入して前記基板を処理する反応チャンバーと、
    前記反応チャンバーに前記基板を搬入し、前記基板を処理した処理基板を前記反応チャンバーから搬出する搬送ロボットを有する搬送チャンバーと、
    前記反応チャンバーと前記搬送チャンバーの間を前記基板及び前記処理基板が往来可能な往来空間を有するように連通する連通部と、
    を備える半導体製造装置において、
    前記搬送ロボットは、前記搬送ロボットが前記基板を搬入及び前記処理基板を搬出する搬送中に前記往来空間を流路とする気体の流れを阻止する阻止板を有することを特徴とする半導体製造装置。
  2. 前記阻止板は、前記搬送中に前記搬送チャンバーと前記連通部の連通を閉鎖する請求項1に記載の半導体製造装置。
  3. 前記阻止板は、前記搬送中に前記流路内に位置して前記流路の少なくとも一部を遮る請求項1に記載の半導体製造装置。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1項に記載の半導体製造装置により半導体基板を製造することを特徴とする半導体基板の製造方法。
  5. 基板上に反応ガスを導入して前記基板を処理する反応チャンバーと、前記反応チャンバーに前記基板を搬入し、前記基板を処理した処理基板を前記反応チャンバーから搬出する搬送チャンバーと、前記反応チャンバーと前記搬送チャンバーの間を前記基板及び前記処理基板が往来可能な往来空間を有するように連通する連通部を備える半導体製造装置における前記反応チャンバーに前記基板を搬入及び前記反応チャンバーから前記処理基板を搬出する搬送ロボットにおいて、
    前記搬送ロボットは、前記搬送ロボットが前記基板を搬入及び前記処理基板を搬出する搬送中に前記往来空間を流路とする気体の流れを阻止する阻止板を有することを特徴とする搬送ロボット。
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