JP6216168B2 - プラスチックレンズ成型用粘着テープ - Google Patents

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Description

本発明は、プラスチックレンズ成型用粘着テープに関する。
従来、ガラスモールド(型)と封止用の粘着テープとを用いた注型重合法によってプラスチックレンズを成型する方法が知られている(特許文献1参照)。
具体的には、従来のプラスチックレンズは、以下のようにして製造される。まず、所定間隔を隔てて一対のガラスモールドを対向配置し、これらのガラスモールドの外周縁部全周に封止用の粘着テープを周方向に沿って貼り付けて、ガラスモールド間の隙間の開口を連続的に封止する。
次に、その粘着テープの一端を剥離して隙間を開け、その隙間から樹脂注入用のノズルを差し込み、一対のガラスモールドと封止用の粘着テープとによって形成された空間内に、液状の樹脂(重合性モノマー)を注入して充填した後、再びその隙間を粘着テープで塞ぐ。その後、その樹脂を加熱や光照射などによって重合硬化することによって、プラスチックレンズが得られる。
このような従来のプラスチックレンズの製造方法において、重合性モノマーが重合硬化する際に、外気中の水分が封止用粘着テープを透過し、重合性モノマーとともに注入される重合開始剤や架橋剤と反応し、気泡が発生してしまうという問題が生じる。例えば、プラスチックレンズの材料としてイソシアネート基(NCO基)を有する重合性モノマーを使用する場合には、封止用粘着テープを透過した水分と、重合性モノマー中のNCO基とが反応して二酸化炭素が生成し、プラスチックレンズ中に空隙が形成される。この空隙が大きい場合には、主に、封止用粘着テープを透過した水分との反応が最も起こり易いプラスチックレンズの外周縁部において気泡が発生する。また、レンズ成型時には、外周縁部が最も高い位置となるようにプラスチックレンズが配置されるため、発生した気泡が浮くことにより、プラスチックレンズの外周縁部に気泡が集まりやすい。
一方、プラスチックレンズ中に形成された空隙が小さい場合には、プラスチックレンズの主に中央部に白化が発生する恐れがある。尚、プラスチックレンズの白化とは、光を照射しながらプラスチックレンズを観察した場合に、プラスチックレンズが白く濁って見える状態をいう。
ここで、このように外気中の水分が封止用粘着テープを透過するのを抑制するために、粘着テープに金属酸化物や金属等からなる薄膜を形成する技術が存在する(特許文献2参照)。
特開平01−257016号公報 特開2001−316645号公報
しかし、金属酸化物や金属等からなる薄膜を粘着テープに形成した場合であっても、この薄膜に割れ等が生じた場合には、薄膜の割れを介して水分が粘着テープを透過しやすくなる場合がある。そして、例えばプラスチックレンズの製造工程において、水分が粘着テープを透過した場合には、プラスチックレンズの材料である重合性モノマーに水分が混入し、プラスチックレンズの外周縁部に気泡等が発生する場合がある。
本願はこのような問題を解決するためになされた発明であり、水分の透過が抑制された粘着テープを提供することを目的とする。
かかる目的のもと、本発明のプラスチックレンズ成型用粘着テープは、シート状の第1の基材と、無機薄膜層と、接着層と、シート状の第2の基材と、を順に積層した複合基材と、前記複合基材の一方の面に形成された粘着層と、を有し、前記複合基材は、前記無機薄膜層を前記接着層を介して、前記第1の基材と前記第2の基材とで挟み込んでおり、粘着テープとしてのJIS K 7129に従う水蒸気透過度が、1.5g/(m ・24h)以下であることを特徴とする。
ここで、前記無機薄膜層が、ケイ素およびアルミニウムから選ばれる少なくとも1種を含むことを特徴とすることができる。さらに、前記粘着層は、シリコーン樹脂を含み、且つ前記複合基材の前記第1の基材側の面に形成されることを特徴とすることができる。さらにまた、前記第2の基材は、前記第1の基材の厚さに対し、少なくとも2倍の厚さを有することを特徴とすることができる。
さらに本発明をプラスチックレンズ成型用粘着テープとして捉えると、本発明のプラスチックレンズ成型用粘着テープは、重合性モノマーが充填される一対のモールド間をその周方向に沿って連続的に封止するためのプラスチックレンズ成型用粘着テープであって、シート状の第1の基材と、シリカおよびアルミナから選ばれる少なくとも1種を含む無機薄膜層と、接着層と、当該第1の基材の厚さに対し少なくとも2倍の厚さを有するシート状の第2の基材と、を順に積層した複合基材と、前記複合基材の前記第1の基材側の面に形成されたシリコーン樹脂を含む粘着層と、を有し、前記複合基材は、前記無機薄膜層を前記接着層を介して、前記第1の基材と前記第2の基材とで挟み込んでおり、粘着テープとしてのJIS K 7129に従う水蒸気透過度が、1.5g/(m ・24h)以下であることを特徴とする。
本発明によれば、水分の透過が抑制された粘着テープを提供することが可能になる。
本実施の形態が適用される粘着テープの構成の一例を示した図である(第1の実施の形態)。 本実施の形態が適用される粘着テープの第2の実施の形態一例を示した図である。 本実施の形態が適用されるプラスチックレンズの成型方法の一例を示した図である。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
(粘着テープの構成)
図1は、本実施の形態が適用される粘着テープ1の構成の一例を示した図である(第1の実施の形態)。本実施の形態の粘着テープ1は、例えばメガネレンズ等に用いられるプラスチックレンズの作製の用途に使用される。
図1に示すように、本実施の形態の粘着テープ1は、複合基材2と粘着層3とが積層された構造を有している。そして、複合基材2は、第1の基材4上に無機薄膜層5が形成された第1の積層体10と、第2の基材7上に接着層6が形成された第2の積層体20とが積層されて構成されている。また、本実施の形態では、粘着層3は、複合基材2における第1の基材4側の面に形成されている。
また、本実施の形態の粘着テープ1は、JIS K 7129に従う水蒸気透過度(以下、単に水蒸気透過度と呼ぶことがある)が、1.5g/(m・24h)以下となっている。水蒸気透過度がこの範囲であると、後述するプラスチックレンズの製造工程において、水分が粘着テープ1を透過してキャビティC(図3参照)内に侵入するのを抑制でき、プラスチックレンズにおける気泡や白化の発生を抑制することが可能になる。
尚、本実施の形態の粘着テープ1では、必要に応じて、複合基材2(第1の基材4)と粘着層3との間や、第1の基材4と無機薄膜層5との間に、密着性を向上させるためのアンカーコート層(図示せず)を設けてもよい。
また、第2の基材7の表面(接着層6とは反対側の面)に、剥離性改良処理等の表面処理を施してもよい。
<複合基材>
上述したように、本実施の形態の複合基材2は、第1の積層体10と第2の積層体20とが積層されることで、第1の基材4、無機薄膜層5、接着層6および第2の基材7が順に積層された構造を有している。
以下、複合基材2を構成する各層について説明する。
[第1の基材]
本実施の形態の粘着テープ1に用いる第1の基材4の材質は、特に限定されるものではなく、例えばプラスチック製、金属製等の基材を用いることができる。
これらの中でも、特にポリエチレンテレフタレート(PET)を主成分とする基材を用いることが好ましい。また、第1の基材4としては、例えば、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリフェニレンサルファイド、二軸延伸ポリプロピレン、ポリイミド、アラミド、ポリシクロオレフィン、フッ素系樹脂等の樹脂フィルムを用いてもよい。
詳細については後段で説明するが、本実施の形態の第1の基材4上には、例えばケイ素
やアルミニウム等を含む無機薄膜層5を設ける。
第1の基材4としてPETを用いた場合には、第1の基材4の厚さを、9μm以上25μm以下の範囲とすることが好ましい。
第1の基材4の厚さが9μm未満の場合、粘着テープ1の幅方向において第1の基材4の膜厚のムラが大きくなり、第1の基材4上に無機薄膜層5を積層する際にしわ、折れ等が発生しやすくなる。そしてその結果、粘着テープ1において水蒸気透過度が部分的に高くなる場合があり、粘着テープ1を用いて製造されるプラスチックレンズに気泡や白化が発生しやすくなる傾向がある。
また、後述する粘着テープ1の製造工程において、第1の基材4上に無機薄膜層5を積層した第1の積層体10は、通常、無機薄膜層5側が外周となるように、巻き取られる。ここで、第1の基材4の厚さが25μmを超えた場合には、第1の基材4の厚さが25μm以下の場合と比較して、第1の積層体10を巻き取った際に第1の積層体10の外周側(無機薄膜層5側)が伸びやすくなる。その結果、第1の積層体10において無機薄膜層5が伸びることで無機薄膜層5の全体に亘ってクラック(ひび割れ)が発生する場合がある。そして、このように無機薄膜層5のクラックが発生した粘着テープ1では、水蒸気透過度が高くなる場合があり、粘着テープ1を用いて製造されるプラスチックレンズに気泡や白化が発生しやすくなる傾向がある。
[第2の基材]
第2の基材7の材質は、第1の基材4と同様に、特に限定されるものではなく、例えば、プラスチック製、金属製等の基材を用いることができる。
これらの中でも、特にポリエチレンテレフタレートを主成分とする基材を用いることが好ましい。また、第2の基材7としては、第1の基材4と同様に、例えば、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリフェニレンサルファイド、二軸延伸ポリプロピレン、ポリイミド、アラミド、ポリシクロオレフィン、フッ素系樹脂等の樹脂フィルムを用いてもよい。
第2の基材7としてポリエチレンテレフタレートを用いた場合には、第2の基材7の厚さを18μm以上38μm以下の範囲内とすることが好ましい。
第2の基材7の厚さが過度に小さい場合には、第2の基材7の剛性が低くなりやすく、後述するレンズの製造工程において2つのモールド50(図3参照)間の間隔を維持することが困難になる傾向がある。また、第2の基材7の厚さが過度に小さい場合、モールド50と粘着テープ1とにより形成されたキャビティC間に注入した樹脂100(図3参照)が膨張する力に抗しきれずに粘着テープ1に割れや切断などが生じてキャビティC内に空気が侵入する場合がある。さらに、第2の基材7の厚さが過度に小さい場合、キャビティC内の樹脂100が収縮する力に抗しきれずに、粘着テープ1がキャビティC内の中心に向かって押しつぶされるように引っ張られてシワが発生し、形成されるレンズに粘着テープ1のシワに起因したシワ(テープシワ)が生じる懸念がある。
一方、第2の基材7の厚さが過度に大きい場合、第2の基材7の剛性が高くなりやすく、粘着テープ1の伸縮性が低下する傾向がある。また、粘着テープ1の総厚が大きくなって、後述するレンズの製造工程において、モールド50に対して粘着テープ1を巻いた際に、粘着テープ1が重なるラップ部分において粘着テープ1の間に隙間が生じてしまい、キャビティCから樹脂100が漏れてしまう場合がある。
また、第1の基材4と第2の基材7との関係について考慮すると、第2の基材7の厚さは、第1の基材4の厚さの2倍以上3倍以下の範囲とすることが好ましい。第1の基材4と第2の基材7とがこのような関係を有することで、粘着テープ1を巻き取った際やプラスチックレンズの製造工程等において、粘着テープ1の変形に伴って、第1の基材4と第2の基材7との間に設けられる無機薄膜層5に対して負荷がかかるのを抑制することができる。さらに、第1の基材4と第2の基材7とがこのような関係を有することで、粘着テープ1全体の剛性および伸縮性をプラスチックレンズの成型用途として好ましい範囲とすることができる。これにより、後述するプラスチックレンズの製造工程において、キャビティC内への水分の混入やキャビティCからの樹脂100の漏れ等の発生を抑制することが可能になる。
さらにまた、第1の基材4と第2の基材7とを合わせた合計の厚さは、27μm以上60μm以下の範囲にすることが好ましい。第1の基材4と第2の基材7とを合わせた合計の厚さをこのような範囲とすることで、後述するプラスチックレンズの製造工程において、粘着テープ1が重なるラップ部分の段差による液漏れを抑制するとともに、樹脂100(図3参照)の収縮などに伴う変形により粘着テープ1が破損したり剥がれたりするのを抑制することが可能になる。
[無機薄膜層]
無機薄膜層5は、無機物質を含んで構成され、粘着テープ1の防湿性およびガスバリア性を高めて、粘着テープ1における水分の透過を抑制するために設けられる。
無機薄膜層5を構成する無機物質としては、ケイ素、アルミニウム、マグネシウム、亜鉛、スズ、ニッケル、チタン、炭化水素等、あるいはこれらの酸化物、炭化物、窒化物またはそれらの混合物が挙げられる。中でも、ケイ素酸化物、ケイ素窒化物、アルミニウム酸化物、アルミニウム窒化物、ダイアモンドライクカーボン等の炭化水素を主体とした物質を採用することが好ましい。特に、無機薄膜層5として、二酸化ケイ素、酸化アルミニウムを用いることが、粘着テープ1における水分の透過を抑制できる点でより好ましい。
尚、上記無機物質は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
無機薄膜層5の形成方法としては、蒸着法、コーティング法等の公知の方法を用いることができる。中でも、防湿性およびガスバリア性の高い均一な薄膜が得られるという点で、蒸着法を採用することが好ましい。蒸着法には、真空蒸着、イオンプレーティング、スパッタリング等を含むPVD(物理的気相蒸着法)や、CVD(化学的気相蒸着法)等の方法が含まれる。
無機薄膜層5の厚さは、例えば、0.1nm〜500nmの範囲であり、好ましくは0.5nm〜40nmの範囲である。無機薄膜層5の厚さを上記範囲とすることで、水分の透過を抑制でき、また、無機薄膜層5における割れ等の発生を抑制することができる。また、無機薄膜層5の厚さを上記範囲とすることで、粘着テープ1の透明性の低下を抑制することが可能になる。
[接着層]
接着層6は、第1の積層体10における無機薄膜層5と、第2の積層体20における第2の基材7とを接着するために設けられる。
接着層6は、接着剤により形成される。接着層6を形成する接着剤としては、例えば、イソシアネート系硬化剤で硬化するポリエステル系接着剤を用いることができる。ただし、接着層6に用いられる接着剤はこれに限られるものではなく、例えばエポキシ系接着剤やポリエーテル系接着剤等の公知の材料を使用することができる。
接着層6の厚さとしては、1μm以上10μm以下の範囲であることが好ましい。
接着層6の厚さが過度に小さい場合、接着層6と無機薄膜層5との接着強度が不十分となる傾向がある。そして、無機薄膜層5との接着強度が低下した場合には、無機薄膜層5の割れが発生して、粘着テープ1における水蒸気透過度が高くなりやすい。
一方、接着層6の厚さが過度に大きい場合、粘着テープ1の総厚が厚くなりやすい。そして、粘着テープ1の総厚が厚くなった場合には、後述するプラスチックレンズの製造工程において、モールド50に対して粘着テープ1を巻いた際に、粘着テープ1が重なるラップ部分において粘着テープ1の間に隙間が生じてしまい、キャビティCから樹脂100が漏れてしまう場合がある。
<粘着層>
本実施の形態の粘着層3は、粘着剤により形成される。粘着層3を形成する粘着剤は、例えば、付加反応型のシリコーン粘着剤と、過酸化物硬化型のシリコーン粘着剤と、付加反応型のシリコーン粘着剤に有効な架橋剤とを主成分とする材料から構成される。
付加反応型のシリコーン粘着剤としては、例えば、信越化学工業株式会社製のKR3700、KR3701、X−40−3237−1、X−40−3240、X−40−3291−1、X−40−3229、X−40−3270、X−40−3306や、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製のTSR1512、TSR1516、XR37−B9204や、東レ・ダウコーニング株式会社製のSD4584、SD4585、SD4560、SD4570、SD4600PFC、SD4593などがあげられるが、特にこれらに限定されるものではない。
また、過酸化物硬化型のシリコーン粘着剤としては、例えば、信越化学工業株式会社製のKR100、KR101−10や、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製のYR3340、YR3286、PSA610−SM、XR37−B6722や、東レ・ダウコーニング株式会社製のSH4280などがあげられるが、特にこれらに限定されるものではない。
また、付加反応型シリコーン接着剤の架橋剤としては、例えば、信越化学工業株式会社製のX−92−122、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製のCR50、東レ・ダウコーニング株式会社製のBY24−741などがあげられるが、特にこれらに限定されるものではない。
このような構成とすることで、粘着層3は、後述するプラスチックレンズの製造工程において、常温付近では、モールド50(図3参照)に対する粘着力を十分に発揮することができる。これにより、モールド50から樹脂100(図3参照)が漏れるのを抑制することができ、プラスチックレンズにおける気泡や欠けの発生を抑制することが可能になる。また、粘着層3が上述の構成を有することで、樹脂100の重合に伴う高温雰囲気下では、粘着層3の凝集力が弱まり、粘着テープ1の幅方向に作用する力が弱まる。これにより、重合に伴って収縮する樹脂100の変形に粘着テープ1が追従して変形することが可能になり、粘着テープ1と樹脂100との間に空隙ができてプラスチックレンズに欠けや気泡が発生するのを抑制することが可能になる。
粘着層3を構成する各構成要素の割合としては、付加反応型のシリコーン粘着剤が95質量部〜65質量部、過酸化物硬化型のシリコーン粘着剤が5質量部〜35質量部、付加反応型のシリコーン粘着剤に有効な架橋剤が0.1質量部〜0.2質量部の範囲であることが好ましい。
例えば、付加反応型のシリコーン粘着剤が過度に少なく、過酸化物硬化型のシリコーン粘着剤が過度に多い場合には、粘着テープ1の粘着力が低下する傾向がある。そして、粘着テープ1の粘着力が低下した場合には、後述するプラスチックレンズの製造工程において、粘着テープ1がモールド50(図3参照)から剥がれやすくなり、樹脂100(図3参照)の液漏れが生じる場合がある。そして、樹脂100の液漏れが生じた場合には、形成するプラスチックレンズに欠けが生じる場合がある。
また、付加反応型のシリコーン接着剤が過度に多く、過酸化物硬化型のシリコーン粘着剤が過度に少ない場合には、粘着テープ1の粘着力が増大する傾向がある。そして、プラスチックレンズの製造工程において、樹脂100が収縮した場合に、粘着テープ1が樹脂100の収縮に追従できずに、粘着テープ1と樹脂100との間に隙間が形成され、形成されるプラスチックレンズに気泡が発生する場合がある。
さらに、付加反応型のシリコーン粘着剤に有効な架橋剤が0.1質量部よりも少ない場合には、50℃以下の環境下における粘着テープ1の粘着力が低下し、プラスチックレンズの製造工程において樹脂100が膨張した場合に、樹脂100の液漏れが生じる場合がある。
また、架橋剤が0.2質量部よりも多い場合には、樹脂100の重合時に、粘着テープ1が樹脂100の収縮に追従できずに樹脂100と粘着テープ1との間に空隙ができ、プラスチックレンズに気泡が発生する場合がある。さらに、形成されるプラスチックレンズにおいて、中央部の厚さ(CT)と端部の厚さ(ET)とに偏りができて、所望の厚みを有するプラスチックレンズを形成することができない場合がある。
尚、本実施の形態の粘着テープ1では、粘着層3を、付加反応型のシリコーン粘着剤と、過酸化物硬化型のシリコーン粘着剤と、付加反応型のシリコーン粘着剤に有効な架橋剤とを含むものとしたが、粘着層3の構成はこれに限られず、他の粘着剤を用いて粘着層3を構成してもよい。
また、本実施の形態の粘着テープ1では、複合基材2において、粘着層3を第1の積層体10における第1の基材4側に設けたが、粘着層3を第2の積層体20における第2の基材7側に設けてもよい。ただし、粘着テープ1の製造工程において無機薄膜層5の割れ等を抑制し、粘着テープ1の水蒸気透過度の上昇を抑制する観点からは、粘着層3を第1の基材4側に設けることが好ましい。
図2は、本実施の形態が適用される粘着テープの第2の実施の形態の一例を示した図である。図1と同様な構成には同じ符号を使用し、その詳細な説明は省略する。
図2に示すように、本実施の形態が適用される粘着テープ11は、複合基材2と粘着層3とが積層されている。複合基材2は、第1の基材4上に無機薄膜層5が形成された第1の積層体10と、第2の基材7上に接着層6が形成された第2の積層体20とから構成されている。そして、第1の積層体10と第2の積層体20とは、第1の積層体10の無機薄膜層5と第2の積層体20の接着層6が対向するように積層されている。さらに、本実施の形態では、第2の積層体20における第2の基材7の、接着層6とは反対側の面に粘着層3が形成されている。
(粘着テープの製造方法)
続いて、図1において説明した第1の実施の形態が適用される粘着テープ1を例に挙げて、その製造方法について説明する。粘着テープ1は、複合基材2を形成し、形成した複合基材2に対して粘着層3を積層することで形成される。
[複合基材の形成]
まず、第2の基材7として用いるPETフィルムに、例えば、ポリエステル系ウレタン接着剤やエポキシ樹脂接着剤等からなる接着剤をグラビアロール等で塗布し乾燥させる。これにより、第2の基材7上に接着層6が積層された第2の積層体20が形成される。
続いて、形成した第2の積層体20に対して、第1の基材4として用いるPETフィルム上に二酸化ケイ素等から構成される無機薄膜層5を積層した第1の積層体10を、無機薄膜層5と接着層6とが対向するように貼り合わせる。これにより、第1の積層体10と第2の積層体20とが積層された複合基材2が形成される。
その後、第1の積層体10側(第1の基材4側)が内側となるように、複合基材2を巻き取り、巻き取った複合基材2を40℃〜50℃雰囲気下で、48時間エージングする。
ところで、複合基材2の形成工程において、例えば、第1の基材4上に積層された無機薄膜層5に対して接着剤を直接塗布することにより接着層6を形成し、この接着層6上に第2の基材7を積層することで複合基材2を形成した場合には、無機薄膜層5に割れや亀裂等が生じる場合がある。
具体的には、無機薄膜層5に接着剤を塗布する際や、無機薄膜層5上に形成された接着層6上に第2の基材7を更に積層する際等に、無機薄膜層5に対して負荷がかかり、無機薄膜層5に割れや亀裂等が生じる恐れがある。そして、このような無機薄膜層5を含む粘着テープ1では、無機薄膜層5の割れ等において水分が透過しやすくなり、水蒸気透過度が上昇する懸念がある。
これに対し、本実施の形態では、接着層6を無機薄膜層5上に直接積層せずに、接着層6を第2の基材7上に積層して第2の積層体20を形成した後、第1の積層体10と第2の積層体20とを貼り合わせることで複合基材2を形成している。このような工程で複合基材2を形成することにより、本実施の形態では、上述のように無機薄膜層5上に直接、接着層6を形成する場合と比較して、無機薄膜層5に対して負荷がかかるのを抑制できる。その結果、無機薄膜層5における割れや亀裂の発生を抑制でき、粘着テープ1の水蒸気透過度が上昇するのを抑制することが可能になる。
[粘着層の形成]
続いて、エージングが終了した複合基材2に対して、第1の積層体10における第1の基材4上に、シリコーン樹脂等からなる粘着剤を塗布し、粘着層3を形成する。
具体的には、例えば付加反応型のシリコーン粘着剤および過酸化物硬化型のシリコーン粘着剤をトルエン、キシレン等の有機溶剤に溶解した溶液に、付加反応型のシリコーン粘着剤に有効な架橋剤を添加して粘着剤組成物とする。次いで、この粘着剤組成物を、複合基材2における第1の基材4に対して、乾燥後の厚さが均一となるように、コンマコーターやリップコーター等で塗布する。その後、塗布した粘着剤組成物を所定温度で乾燥させることで、複合基材2上に粘着層3を形成する。
以上の工程により、図1に示した粘着テープ1(第1の実施の形態)が得られる。
一般に、基材に対してコンマコーターやリップコーター等を用いて粘着層を形成して粘着テープを作製する場合には、基材に張力を加えながら粘着剤組成物の塗布を行う。ここで、例えば本実施の形態の無機薄膜層5のような無機物質を有する薄膜が基材上に形成されている場合、基材に粘着層を形成する際に、基材に張力が加えられたり、薄膜がガイドロールに接触したりすることによって、薄膜に負荷がかかり、薄膜に割れ等が生じる場合がある。そして、薄膜に割れ等が生じた場合には、薄膜の割れ等を介して水分が透過しやすくなることで、粘着テープにおける水蒸気透過度が上昇する場合がある。
これに対し、本実施の形態の粘着テープ1の複合基材2は、無機薄膜層5を、接着層6を介して第1の基材4と第2の基材7とで挟んだ構成を有している。これにより、複合基材2に対して粘着層3を形成する場合に、複合基材2に対して張力を加えた場合であっても、本構成を有さない場合と比較して、第1の基材4および第2の基材7により無機薄膜層5を保護することが可能になり、無機薄膜層5に割れ等が生じるのを抑制することが可能になる。そして、無機薄膜層5における割れ等の発生を抑制することで、粘着テープ1における水蒸気透過度の上昇を抑制することが可能になる。
なお、上記の工程により形成された粘着テープ1は、通常、粘着層3が内側になるように巻き取られる。本実施の形態では、粘着層3を第1の基材4上に設けているため、粘着テープ1を巻き取った状態では、複合基材2は第1の基材4側が内側となるように巻き取られていることになる。また、上述した複合基材2の形成工程では、第1の積層体10をエージングする際に、第1の基材4側が内側となるように第1の積層体10を巻き取っている。
すなわち、本実施の形態では、製造された粘着テープ1が巻き取られた状態と、複合基材2の形成工程において第1の積層体10が巻き取られた状態とで、第1の積層体10の巻き取り方向が等しくなっており、粘着テープ1の製造工程において第1の積層体10に設けられた無機薄膜層5の巻き取り方向が変化していない。
ここで、例えば粘着テープ1の製造工程において無機薄膜層5の巻き取り方向が変化した場合には、無機薄膜層5に対して負荷がかかってクラックや欠陥、割れが生じる懸念がある。
これに対し、本実施の形態では、粘着テープ1の製造工程において無機薄膜層5の巻き取り方向を変化させない構成を採用することで、無機薄膜層5に対する負荷を抑制し、無機薄膜層5に割れ等が発生するのを抑制することが可能になる。
(粘着テープを用いたプラスチックレンズの成型方法)
上述したように、本実施の形態の粘着テープ1(第1の実施の形態)は、例えば、メガネレンズ等として使用されるプラスチックレンズの成型に用いられる。
次いで、本実施の形態の粘着テープ1を用いた、プラスチックレンズの成型方法の一例について説明する。
図3は、本実施の形態が適用されるプラスチックレンズの成型方法の一例を示した図である。
[キャビティ形成工程]
まず、図3に示すように、例えば略円板状の形状を有する一対のモールド50を所定の間隔を隔てて対向配置させた後に、両モールド50の外周縁部に粘着テープ1を周方向に沿って巻き付けるように貼り付ける。そして、モールド50同士の間隔を保持した状態で、モールド50間に形成された空間の開口を連続的に封止する。これによって、図3に示すように、モールド50同士が略平行をなして連結されるとともに、その間にレンズ形状のキャビティCが区画形成される。
尚、モールド50としては、一般にガラス(二酸化ケイ素)製のものや金属製のものが多用されるが、モールド50の材質はこれらに限定されるものではない。
[樹脂充填工程]
モールド50間にキャビティCを形成した後、続いて、図3に示すように、粘着テープ1の一端を剥離して隙間を開け、その隙間からキャビティCに図示しないノズルを差し込む。そして、そのノズルからキャビティC内に液状の樹脂100を注入して充填する。その後、剥離した粘着テープ1を元に戻し、隙間を塞ぐ。
尚、キャビティC内に注入・充填する樹脂100は、例えば、重合性モノマーに重合開始剤や架橋剤を添加したものである。
[重合工程]
次に、粘着テープ1を巻き付けてキャビティC内に樹脂100を注入したモールド50に対して、図示しない固定治具を装着して、モールド50同士の間隔が変動しないように固定する。モールド50が固定治具によって固定されることにより、キャビティC内の内圧が変化しても、モールド50同士の間隔が変化することなく一定の間隔が維持される。そして、モールド50を固定治具により固定させた状態で、キャビティC内の樹脂100を加熱または光照射などによって重合反応させて硬化させる。
次いで、樹脂100が十分に硬化した後、粘着テープ1を全て剥離してモールド50を取り外すことで、プラスチックレンズが得られる。
尚、本実施の形態で形成されたプラスチックレンズは、例えばメガネレンズとして用いられる。
ここで、プラスチックレンズの成型に用いる樹脂100(重合性モノマー)としては、従来公知の材料を用いることができる。
例えば超高屈折率(1.65≦Ne)のメガネレンズを形成する場合には、エピスルフィド系樹脂(三井化学株式会社製MR−174、三菱瓦斯化学株式会社製IU−20)やチオウレタン系樹脂(三井化学株式会社製MR−7)のモノマーなどが用いられる。
また、高屈折率(1.58≦Ne<1.65)のメガネレンズを形成する場合には、チオウレタン系樹脂(三井化学株式会社製MR−6、三井化学株式会社製MR−8)やポリエステルメタクリレート(株式会社トクヤマ製TS−26)、ポリカーボネート(帝人化成株式会社製Panlite)のモノマーなどが用いられる。
また、中屈折率(1.55≦Ne<1.58)のメガネレンズを形成する場合には、ウレタンメタクリレート(株式会社クレハ製K−23)やエポシキメタクリレート(三菱レーヨン株式会社製MCR−50)、ジアリルカーボネート(PPGインダストリーズ社製HIRI)、ジアリルフタレート系樹脂(日油株式会社製NK−55)などのモノマーが用いられる。
さらに、低屈折率(Ne<1.55)のメガネレンズを形成する場合には、ウレタン系樹脂(PPGインダストリーズ社製TRIVEX)やウレタンメタクリレート(三菱レーヨン株式会社製MCR−10)、メタクリレート(株式会社クレハ製K−55)、アリルジグリコールカーボネート(PPGインダストリーズ社製CR−39)、ジアリルカーボネート(PPGインダストリーズ社製CR−607)、ポリメチルメタクリレート(ポリメタクリル酸メチル)などのモノマーを用いることができる。
尚、プラスチックレンズの成型に用いる樹脂100としては、特にこれらに限定されるものではない。
従来、プラスチックレンズの製造工程における重合工程において、外気中の水分が粘着テープ1を透過してキャビティC内に侵入する場合があった。そして、水分が樹脂100に混入し、例えば樹脂100に添加された重合開始剤や架橋剤と反応して気体等が発生する場合があった。その結果、プラスチックレンズ中に空隙が形成され、得られるプラスチックレンズに気泡が発生したり、白化が発生したりする場合があった。ここで、外気中の水分が樹脂100に混入することで形成されたプラスチックレンズ中の空隙が大きい場合には、プラスチックレンズの主に周縁部に気泡が発生し、空隙が小さい場合には、プラスチックレンズの主に中央部に白化が発生する。
尚、プラスチックレンズの白化とは、光を照射しながらプラスチックレンズを観察した場合に、プラスチックレンズが白く濁って見える状態をいう。
特に、樹脂100の硬化にイソシアネート系硬化剤を利用する場合には、樹脂100中のイソシアネート基(NCO基)と樹脂100に混入した水分とが反応して、副生成物としてCOガスが発生する。そして、このCOガスによって空隙が形成されることで、プラスチックレンズに気泡や白化が発生したりする場合があった。
これに対し、本実施の形態の粘着テープ1では、粘着テープ1における水分の透過を抑制するための無機薄膜層5を設けている。そして、粘着テープ1は、接着層6を介して、無機薄膜層5を第1の基材4と第2の基材7とで挟んだ構成を有している。このような構成を有することで、本実施の形態の粘着テープ1では、第1の基材4および第2の基材7により無機薄膜層5が保護され、粘着テープ1の製造工程やプラスチックレンズの製造工程において、無機薄膜層5に割れ等が発生しにくい。
これにより、本実施の形態では、プラスチックレンズの製造工程において、無機薄膜層5における割れ等に起因して外気中の水分が粘着テープ1を透過してキャビティC内に侵入するのを抑制することが可能になる。
その結果、形成されるプラスチックレンズにおいて、キャビティC内の樹脂100に水分が混入することによって起こる気泡や白化の発生を抑制することが可能になる。
続いて、実施例および比較例を用いて本発明をさらに具体的に説明する。尚、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
1.粘着テープの製造およびプラスチックレンズの成型
[実施例1]
第1の基材4としての厚さ12μmのポリエステルフィルム上に、シリカを蒸着して無機薄膜層5を積層した第1の積層体10(三菱樹脂株式会社製テックバリアLX)と、第2の基材7としての厚さ25μmのポリエステルフィルム(三菱樹脂株式会社製ポリエステルフィルム)上に、接着層6としての厚さ4μmのポリエステル系接着剤(三井化学株式会社製タケラックA−310/タケネートA−3)を積層した第2の積層体20とを、無機薄膜層5と接着層6とが対向するように貼り合わせて複合基材2を形成した。
続いて、付加反応型のシリコーン粘着剤(信越化学工業株式会社製X−40−3240)95質量部、過酸化物硬化型のシリコーン粘着剤(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製PSA610−SM)5質量部、前記付加反応型のシリコーン粘着剤に有効な架橋剤(信越化学工業株式会社製X−92−122)0.10質量部をトルエン中にて均一撹拌混合して粘着剤溶液を作製した。
そして、この粘着剤溶液を、乾燥後の厚さが20μmとなるように、複合基材2の第1の基材4に塗工・乾燥して粘着層3を形成し、塗工・乾燥して粘着層3を形成し、図1に示した構造を有する総厚61μmの粘着テープ1を得た。
次いで、形成した粘着テープ1を用いて、図3に示した方法でプラスチックレンズを成型した。
[実施例2]
第1の基材4としての厚さ12μmのポリエステルフィルム上に、シリカ/アルミナを蒸着して無機薄膜層5を積層した第1の積層体10(東洋紡績株式会社製エコシアールVE500)と、第2の基材7としての厚さ25μmのポリエステルフィルム(東洋紡績株式会社製ポリエステルフィルム)上に、接着層6としての厚さ4μmのポリエステル系接着剤(大日精化工業株式会社製セイカボンドE−372/C−76)を積層した第2の積層体20とを、無機薄膜層5と接着層6とが対向するように貼り合わせて複合基材2を形成した。
続いて、付加反応型のシリコーン粘着剤(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製TSR1512)70質量部、過酸化物硬化型のシリコーン粘着剤(信越化学工業株式会社製KR100)30質量部、前記付加反応型のシリコーン粘着剤に有効な架橋剤(東レ・ダウコーニング株式会社製BY24−741)0.15質量部をトルエン中にて均一撹拌混合して粘着剤溶液を作製した。
そして、この粘着剤溶液を、乾燥後の厚さが20μmとなるように、複合基材2の第1の基材4に塗工・乾燥して粘着層3を形成し、図1に示した構造を有する総厚61μmの粘着テープ1を得た。
次いで、形成した粘着テープ1を用いて、図3に示した方法でプラスチックレンズを成型した。
[実施例3]
第1の基材4としての厚さ12μmのポリエステルフィルム上に、シリカを蒸着して無機薄膜層5を積層した第1の積層体10(三菱樹脂株式会社製テックバリアLX)と、第2の基材7としての厚さ38μmのポリエステルフィルム(東レ株式会社製ポリエステルフィルム)上に、接着層6としての厚さ2μmのポリエステル系接着剤(三井化学株式会社製タケラックA−310/タケネートA−3)を積層した第2の積層体20とを、無機薄膜層5と接着層6とが対向するように貼り合わせて複合基材2を形成した。
続いて、付加反応型のシリコーン粘着剤(東レ・ダウコーニング株式会社製SD4560)65質量部、過酸化物硬化型のシリコーン粘着剤(信越化学工業株式会社製KR101−10)35質量部、前記付加反応型のシリコーン粘着剤に有効な架橋剤(東レ・ダウコーニング株式会社製BY24−741)0.20質量部をトルエン中にて均一撹拌混合して粘着剤溶液を作製した。
そして、この粘着剤溶液を、乾燥後の厚さが20μmとなるように、複合基材2の第1の基材4に塗工・乾燥して粘着層3を形成し、図1に示した構造を有する総厚72μmの粘着テープ1を得た。
次いで、形成した粘着テープ1を用いて、図3に示した方法でプラスチックレンズを成型した。
[実施例4]
第1の基材4としての厚さ12μmのポリエステルフィルム上に、シリカを蒸着して無機薄膜層5を積層した第1の積層体10(三菱樹脂株式会社製テックバリアLX)と、第2の基材7としての厚さ18μmのポリエステルフィルム(南亜プラスチック社製ポリエステルフィルム)上に、接着層6としての厚さ2μmのポリエステル系接着剤(三井化学株式会社製タケラックA−310/タケネートA−3)を積層した第2の積層体20とを、無機薄膜層5と接着層6とが対向するように貼り合わせて複合基材2を形成した。
続いて、付加反応型のシリコーン粘着剤(東レ・ダウコーニング株式会社製SD4560)65質量部、過酸化物硬化型のシリコーン粘着剤(信越化学工業株式会社製KR101−10)35質量部、前記付加反応型のシリコーン粘着剤に有効な架橋剤(東レ・ダウコーニング株式会社製BY24−741)0.20質量部をトルエン中にて均一撹拌混合して粘着剤溶液を作製した。
そして、この粘着剤溶液を、乾燥後の厚さが20μmとなるように、複合基材2の第1の基材4に塗工・乾燥して粘着層3を形成し、図1に示した構造を有する総厚52μmの粘着テープ1を得た。
次いで、形成した粘着テープ1を用いて、図3に示した方法でプラスチックレンズを成型した。
[実施例5]
第1の基材4としての厚さ12μmのポリエステルフィルム上に、シリカを蒸着して無機薄膜層5を積層した第1の積層体10(三菱樹脂株式会社製テックバリアLX)と、第2の基材7としての厚さ23μmのポリエステルフィルム(東レ株式会社製ポリエステルフィルム)上に、接着層6としての厚さ4μmのポリエステル系接着剤(三井化学株式会社製タケラックA−310/タケネートA−3)を積層した第2の積層体20とを、無機薄膜層5と接着層6とが対向するように貼り合わせて複合基材2を形成した。
続いて、付加反応型のシリコーン粘着剤(東レ・ダウコーニング株式会社製SD4580)70質量部、過酸化物硬化型のシリコーン粘着剤(信越化学工業株式会社製KR130)30質量部、前記付加反応型のシリコーン粘着剤に有効な架橋剤(東レ・ダウコーニング株式会社製BY24−741)0.20質量部をトルエン中にて均一撹拌混合して粘着剤溶液を作製した。
そして、この粘着剤溶液を、乾燥後の厚さが25μmとなるように、複合基材2の第2の基材7に塗工・乾燥して粘着層3を形成し、図2に示した構造を有する総厚64μmの粘着テープ11を得た。
次いで、形成した粘着テープ11を用いて、図3に示した方法でプラスチックレンズを成型した。
[実施例6]
第1の基材4としての厚さ12μmのポリエステルフィルム上に、シリカ/アルミナを蒸着して無機薄膜層5を積層した第1の積層体10(東洋紡績株式会社製エコシアールVE500)と、第2の基材7としての厚さ25μmのポリエステルフィルム(南亞プラスチック製ポリエステルフィルム)上に、接着層6としての厚さ4μmのポリエステル系接着剤(三井化学株式会社製タケラックA−310/タケネートA−3)を積層した第2の積層体20とを、無機薄膜層5と接着層6とが対向するように貼り合わせて複合基材2を形成した。
続いて、付加反応型のシリコーン粘着剤(東レ・ダウコーニング株式会社製SD4560)65質量部、過酸化物硬化型のシリコーン粘着剤(信越化学工業株式会社製KR101−10)35質量部、前記付加反応型のシリコーン粘着剤に有効な架橋剤(東レ・ダウコーニング株式会社製BY24−741)0.20質量部をトルエン中にて均一撹拌混合して粘着剤溶液を作製した。
そして、この粘着剤溶液を、乾燥後の厚さが20μmとなるように、複合基材2の第2の基材7に塗工・乾燥して粘着層3を形成し、図2に示した構造を有する総厚61μmの粘着テープ11を得た。
次いで、形成した粘着テープ11を用いて、図3に示した方法でプラスチックレンズを成型した。
[比較例1]
付加反応型のシリコーン粘着剤(信越化学工業株式会社製X−40−3240)70質量部、過酸化物硬化型のシリコーン粘着剤(信越化学工業株式会社製KR130)30質量部、前記付加反応型のシリコーン粘着剤に有効な架橋剤(東レ・ダウコーニング株式会社製BY24−741)0.20質量部をトルエン中にて均一撹拌混合して粘着剤溶液を作製した。
この粘着剤溶液を、第1の基材4としての厚さ38μmのポリエステルフィルム上に、シリカを蒸着して無機薄膜層5を積層した第1の積層体10(尾池工業株式会社製MOS)における第1の基材4に対して、乾燥後の厚さが20μmとなるように塗工・乾燥して粘着層3を形成し、粘着テープを得た。
尚、比較例1で調製した粘着テープでは、実施例1〜実施例6の第2の積層体20(第2の基材7および接着層6)に対応する構成を有していない。
次いで、形成した粘着テープを用いて、図3に示した方法でプラスチックレンズを成型した。
[比較例2]
付加反応型のシリコーン粘着剤(東レ・ダウコーニング株式会社製SD4560)65質量部、過酸化物硬化型のシリコーン粘着剤(信越化学工業株式会社製KR101−10)35質量部、前記付加反応型のシリコーン粘着剤に有効な架橋剤(東レ・ダウコーニング株式会社製BY24−741)0.20質量部をトルエン中にて均一撹拌混合して粘着剤溶液を作製した。
この粘着剤溶液を、第2の基材7としての厚さ38μmのポリエステルフィルム(東レ株式会社製ポリエステルフィルム)に対して、乾燥後の厚さが20μmとなるように塗工・乾燥して粘着層3を形成し、粘着テープを得た。
尚、比較例2で調製した粘着テープでは、実施例1〜実施例6の第1の積層体10(第1の基材4および無機薄膜層5)および接着層6に対応する構成を有していない。
次いで、形成した粘着テープを用いて、図3に示した方法でプラスチックレンズを成型した。
[比較例3]
第1の基材4としての厚さ12μmのポリエステルフィルム上にシリカを蒸着して無機薄膜層5を積層した第1の積層体10(三菱樹脂株式会社製テックバリアLX)と、第2の基材7としての厚さ23μmのポリエステルフィルム(東レ株式会社製ポリエステルフィルム)上に接着層6としての厚さ4μmのポリエステル系接着剤(三井化学株式会社製タケラックA−310/タケネートA−3)を積層した第2の積層体20とを、無機薄膜層5が外側になるように接着層6と貼り合わせて(すなわち、第1の基材4と第2の基材7の接着層6が対向する)複合基材2を形成した。
続いて、付加反応型のシリコーン粘着剤(東レ・ダウコーニング株式会社製SD4580)70質量部、過酸化物硬化型のシリコーン粘着剤(信越化学工業株式会社製KR130)30質量部、前記付加反応型のシリコーン粘着剤に有効な架橋剤(東レ・ダウコーニング株式会社製BY24−741)0.20質量部をトルエン中にて均一撹拌混合して粘着剤溶液を作製した。
そして、この粘着剤溶液を、乾燥後の厚さが25μmとなるように、複合基材2の第2の基材7に塗工・乾燥して粘着層3を形成し、総厚64μmの粘着テープを得た。
尚、比較例3で調製した粘着テープでは、実施例1で調製した粘着テープ1のように、接着層6を介して、無機薄膜層5を第1の基材4と第2の基材7とで挟んだ構成を有していない。
次いで、形成した粘着テープを用いて、図3に示した方法でプラスチックレンズを成型した。
[比較例4]
第1の基材4としての厚さ12μmのポリエステルフィルム上にシリカを蒸着して無機薄膜層5を積層した第1の積層体10(三菱樹脂株式会社製テックバリアLX)と、第2の基材7としての厚さ23μmのポリエステルフィルム(東レ株式会社製ポリエステルフィルム)上に接着層6としての厚さ4μmのポリエステル系接着剤(三井化学株式会社製タケラックA−310/タケネートA−3)を積層した第2の積層体20とを、無機薄膜層5が外側になるように接着層6と貼り合わせて(すなわち、第1の基材4と第2の基材7の接着層6とが対向する)複合基材2を形成した。
続いて、付加反応型のシリコーン粘着剤(東レ・ダウコーニング株式会社製SD4580)70質量部、過酸化物硬化型のシリコーン粘着剤(信越化学工業株式会社製KR130)30質量部、前記付加反応型のシリコーン粘着剤に有効な架橋剤(東レ・ダウコーニング株式会社製BY24−741)0.20質量部をトルエン中にて均一撹拌混合して粘着剤溶液を作製した。
そして、この粘着剤溶液を、乾燥後の厚さが25μmとなるように、複合基材2の無機薄膜層5に塗工・乾燥して粘着層3を形成し、総厚64μmの粘着テープを得た。
尚、比較例4で調製した粘着テープでは、無機薄膜層5に粘着剤溶液を直接塗工して粘着層3を形成している。さらに、実施例1で調製した粘着テープ1のように、接着層6を介して、無機薄膜層5を第1の基材4と第2の基材7とで挟んだ構成を有していない。
次いで、形成した粘着テープを用いて、図3に示した方法でプラスチックレンズを成型した。
2.評価方法
(1)粘着テープの評価
実施例1〜実施例6および比較例1〜比較例4にて調製した粘着テープについて、JIS K 7129に記載された方法に準拠して、水蒸気透過度を測定し、結果を表1に示した。
尚、粘着テープをプラスチックレンズの製造に用いる場合には、プラスチックレンズにおける気泡および白化の発生を抑制する観点から、粘着テープの水蒸気透過度が1.5g/(m・24h)以下であることが好ましい。
(2)プラスチックレンズの評価
実施例1〜実施例6および比較例1〜比較例4にて調製した粘着テープを用いて作製したプラスチックレンズについて、目視により気泡および白化の発生の有無を観察し、評価結果を表1に示した。尚、プラスチックレンズの白化とは、プラスチックレンズに対して光を照射した場合に、プラスチックレンズが白く濁って見える状態をいう。
プラスチックレンズに対する気泡および白化の発生についての評価は、以下の基準で行った。
(気泡の発生)
○:気泡が観察されない。
△:気泡が、プラスチックレンズの周縁において部分的に観察される。
×:気泡が、プラスチックレンズの周縁において全体的に観察される。
(白化の発生)
○:白化が観察されない。
△:白化が、プラスチックレンズにおいて部分的に観察される。
×:白化が、プラスチックレンズにおいて全体的に観察される。
3.評価結果
実施例1〜実施例6および比較例1〜比較例4の粘着テープおよびプラスチックレンズに対する評価結果について、表1に示す。
Figure 0006216168
表1に示すように、第1の基材4、無機薄膜層5、接着層6および第2の基材7が順に積層された複合基材2と、粘着層3とが積層された構造を有する粘着テープ1(実施例1〜実施例4)及び粘着テープ11(実施例5,実施例6)は、水蒸気透過度が1.5g/(m・24h)以下の範囲である。
また、表1に示すように、第1の基材4、無機薄膜層5、接着層6および第2の基材7が順に積層された複合基材2と、粘着層3とが積層された構造を有する粘着テープ1(実施例1〜実施例4)及び粘着テープ11(実施例5,実施例6)を用いて作製したプラスチックレンズでは、気泡および白化の発生が観察されず、例えばメガネレンズとして用いる場合に良好な特性を有していることが分かる。
以上より、第1の基材4、無機薄膜層5、接着層6および第2の基材7が順に積層された複合基材2と、粘着層3とが積層された構造を有する粘着テープ1(実施例1〜実施例4)及び粘着テープ11(実施例5,実施例6)は、例えばメガネレンズとして利用されるプラスチックレンズの作製に用いる粘着テープとして有用であることが分かる。
続いて、粘着層3を複合基材2における第1の基材4側に形成した粘着テープ1(実施例1〜実施例4)と、粘着層3を複合基材2における第2の基材7側に形成した粘着テープ11(実施例5、実施例6)とを比較する。粘着層3を第1の基材4側に形成した粘着テープ1(実施例1〜実施例4)では、水蒸気透過度が0.1g/(m・24h)未満の範囲であり、粘着層3を第2の基材7側に形成した粘着テープ11(実施例5、実施例6)と比較して水蒸気透過度が低いことが分かる。
通常、作製した粘着テープ1は、粘着層3が内周側となるように巻き取った状態で保存する。粘着層3を第2の基材7側に設けた粘着テープ11(実施例5、実施例6)では、粘着テープ11を巻き取った場合に、粘着層3を第1の基材4側に設けた粘着テープ1(実施例1〜実施例4)と比較して、無機薄膜層5に対する負荷が大きくかかって無機薄膜層5に割れ等が発生しやすくなったために、水蒸気透過度が上昇したものと考えられる。
以上より、粘着層3は、複合基材2における第1の基材4側に設けることがより好ましいことが分かる。
また、第2の積層体20(第2の基材7および接着層6)を有していない粘着テープ(比較例1)では、表1に示すように、水蒸気透過度が1.8g/(m・24h)であり、プラスチックレンズを製造するために好ましい水蒸気透過度の範囲(1.5g/(m・24h)以下)よりも高い。
さらに、第2の積層体20を有していない粘着テープ(比較例1)を用いて作製したプラスチックレンズでは、表1に示すように、気泡がプラスチックレンズの周縁において部分的に観察されるとともに、白化の発生がプラスチックレンズ全体に観察された。
また、複合基材2の構成材料を使用し、無機薄膜層5が外側を位置している構成の粘着テープ(比較例3、比較例4)では、比較例1と同様に、複合基材貼り合せ工程及び粘着剤塗工・乾燥工程において無機薄膜層5にクラック(層割れ)が生じた。このため、表1に示すように、比較例3は水蒸気透過度が1.9g/(m・24h)であり、比較例4は水蒸気透過度が2.1g/(m・24h)である。これらの結果は、プラスチックレンズを製造するために好ましい水蒸気透過度の範囲(1.5g/(m・24h)以下)よりも高いことを示している。
さらに、複合基材2の構成材料を使用し、無機薄膜層5が外側を位置している構成の粘着テープ(比較例3及び比較例4)を用いて作製したプラスチックレンズでは、表1に示すように、気泡がプラスチックレンズの周縁において部分的に観察されるとともに、白化の発生がプラスチックレンズ全体に観察された。
また、第1の積層体10(第1の基材4および無機薄膜層5)および接着層6を有していない粘着テープ(比較例2)では、表1に示すように、水蒸気透過度が2.5g/(m・24h)であり、プラスチックレンズを製造するために好ましい水蒸気透過度の範囲(1.5g/(m・24h)以下)よりも高い。
さらに、第1の積層体10および接着層6を有していない粘着テープ(比較例2)を用いて作製したプラスチックレンズでは、表1に示すように、気泡がプラスチックレンズの周縁において全体に観察されるとともに、白化の発生がプラスチックレンズ全体に観察された。
1,11…粘着テープ、2…複合基材、3…粘着層、4…第1の基材、5…無機薄膜層、6…接着層、7…第2の基材、10…第1の積層体、20…第2の積層体、50…モールド、100…樹脂、C…キャビティ

Claims (5)

  1. シート状の第1の基材と、無機薄膜層と、接着層と、シート状の第2の基材と、を順に積層した複合基材と、
    前記複合基材の一方の面に形成された粘着層と、
    を有し、
    前記複合基材は、前記無機薄膜層を前記接着層を介して、前記第1の基材と前記第2の基材とで挟み込んでおり、
    粘着テープとしてのJIS K 7129に従う水蒸気透過度が、1.5g/(m ・24h)以下であることを特徴とするプラスチックレンズ成型用粘着テープ。
  2. 前記無機薄膜層が、ケイ素およびアルミニウムから選ばれる少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項に記載のプラスチックレンズ成型用粘着テープ。
  3. 前記粘着層は、シリコーン樹脂を含み、且つ前記複合基材の前記第1の基材側の面に形成されることを特徴とする請求項1又は2に記載のプラスチックレンズ成型用粘着テープ。
  4. 前記第2の基材は、前記第1の基材の厚さに対し、少なくとも2倍の厚さを有することを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載のプラスチックレンズ成型用粘着テープ。
  5. 重合性モノマーが充填される一対のモールド間をその周方向に沿って連続的に封止するためのプラスチックレンズ成型用粘着テープであって、
    シート状の第1の基材と、シリカおよびアルミナから選ばれる少なくとも1種を含む無機薄膜層と、
    接着層と、
    前記第1の基材の厚さに対し少なくとも2倍の厚さを有するシート状の第2の基材と、
    を順に積層した複合基材と、
    前記複合基材の前記第1の基材側の面に形成されたシリコーン樹脂を含む粘着層と、
    を有し、
    前記複合基材は、前記無機薄膜層を前記接着層を介して、前記第1の基材と前記第2の基材とで挟み込んでおり、
    粘着テープとしてのJIS K 7129に従う水蒸気透過度が、1.5g/(m ・24h)以下であることを特徴とするプラスチックレンズ成型用粘着テープ。
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