JP6213548B2 - スピンドル装置 - Google Patents

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本発明は、スピンドル装置に関し、より詳細には、防水機能を有し、工作機械に適用するのに好適なスピンドル装置に関する。
工作機械等に適用されるスピンドル装置の回転軸は、高速回転して被加工物の切削加工や研削加工を行っている。加工に際して、一般的に、刃具および加工部位の潤滑や冷却を目的として多量の切削液が加工部位に供給される。即ち、潤滑により、被削特性の向上、加工刃先の摩耗抑制、工具寿命の延長などが図られる。また、冷却により、刃具及び被加工物の熱膨張が抑制されて加工精度の向上、加工部位の熱溶着を防止して加工効率の向上や加工面の表面性状の向上が図られる。スピンドル装置と加工部位との距離が近いこともあり、切削液がスピンドル装置の前面にも多量にかかる。切削液が軸受内部に浸入すると、軸受の潤滑不良や焼付きなどの原因となるため軸受の防水性能が重要となる。特に、グリース封入潤滑やグリース補給潤滑される軸受においては、エアと共に潤滑油が供給されるオイル・エア潤滑やオイルミスト潤滑の軸受と比較して軸受内部が低圧であるため、切削液が軸受内部に浸入しやすく、より高い防水性能が必要となる。
一般的な防水機構としては、オイルシールやVリングなどの接触式シールが知られている。しかしながら、この接触式シールを、dmn値で40万以上(より好適には、50万以上)の高速回転で使用されるスピンドル装置に適用した場合、接触式シールの接触部からの発熱が大きく、シール部材が摩耗して防水性能を長期間に亘って維持し難い問題がある。このため、工作機械では、スピンドル装置の前端部(工具側)に、回転軸にフリンガーを外嵌し、該フリンガーとハウジングとの間の隙間を小さくした非接触シールである、所謂ラビリンスシールを構成して防水を図っている。高速で回転するフリンガーは、ラビリンス効果と共に、フリンガーに降りかかった切削液を遠心力で径方向外方に振り飛ばして、切削液の軸受内部への浸入を防止している。
フリンガーによる遠心力及びラビリンス効果を利用した防水効果は、回転の高速化や大径のフリンガーを用いることで遠心力を大きくすると共に、フリンガーとハウジングとの間の隙間を極力小さく、且つ、長く設けることが効果的である。しかし、高速回転したり、フリンガーの直径を大きくすると、フリンガーに作用する遠心力及びフープ応力もこれに比例して大きくなる。
遠心力による影響を抑制する従来の技術としては、工具に装着されたコレットを工具保持部のテーパ孔に挿入し、工具保持部に螺合するナットを締め付けて工具を工具保持部に固定するようにした工具ホルダにおいて、ナットの外周面に炭素繊維層を巻き付け、遠心力によるナットの膨張抑制を図ったものが開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
特開平6−226516号公報
一般的にフリンガーは、SC材、SCM材、SUS材、AL材、CU材などの比較的比重が大きな金属材料で製作されている。従って、フリンガーに降りかかる切削液に大きな遠心力を作用させるために、フリンガーの直径を大きくすると、フリンガー自身、特に外径側に大きな遠心力が作用する。工作機械の回転軸のようにdmn値が100万以上となる高速回転においては、遠心力によってフリンガーが変形したり、極端な場合には遠心力がフリンガーの引張強度を越えて破壊に至る可能性がある。このため、遠心力による影響が許容される程度に、フリンガーの直径や回転軸の回転速度を制限する必要があった。
また、上述したような高速回転条件下では、一般的に、フリンガーが外嵌する回転軸とフリンガーとの嵌合部の遠心力膨張量がフリンガーの方が大きくなる。dmn値が100万以上となる高速回転の場合、回転軸とフリンガーの芯ずれによるアンバランスを抑えるため、回転軸とフリンガー間の嵌合は、通常、両者間で0〜数十μm程度の僅かな径方向隙間を設けている。しかし、フリンガーの強度設計が適切でないと遠心力膨張差によって、この径方向隙間が増大し、高速回転条件下で、フリンガーの触れ回りからアンバランスによる異常振動の発生やフリンガーとハウジングとのラビリンスでの接触等の不具合が問題となる。また、嵌合部でのフレッチング磨耗や回転軸とフリンガーとのクリープ現象も発生する。このようにフリンガーと回転軸との間で不具合が発生すると、高価で高精度な回転軸の手直しが必要となり、最悪の場合、使用できなくなるという問題もあった。
本発明は、前述した課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、高速回転時においても嵌合部の径方向隙間の増大を抑制することができ、且つ、良好な防水機能を有するスピンドル装置を提供することにある。
本発明の上記目的は、下記の構成により達成される。
(1)回転軸と、前記回転軸をハウジングに対して回転自在に支持する軸受と、前記軸受への液体の浸入を抑制する防水機構の少なくとも一部を構成し、前記回転軸に外嵌する回転部材と、を備えたスピンドル装置であって、
前記回転部材は、前記回転軸に外嵌されるボス部と、ボス部から径方向外方に延設された円盤部と、該円盤部の外周部からリング状に延設された円環部とを有し、
前記円環部は、前記ハウジングの外周面を覆うように僅かな隙間を介して配置され、
前記円盤部は、径方向中間に前記ハウジング側に向かって突出する凸部が形成され、
前記回転部材は、径方向において分割される外径側部材と内径側部材とを含み、前記外径側部材が前記内径側部材に外嵌され、前記外径側部材と前記内径側部材との境界面が前記凸部に形成され、
前記回転部材の少なくとも一部は、前記回転軸よりも比弾性率が大きく、前記外径側部材は、前記内径側部材より比弾性率が大きいことを特徴とするスピンドル装置。
(2)前記回転部材は、前記回転軸よりも線膨張係数が小さいことを特徴とする(1)に記載のスピンドル装置。
(3)前記回転部材は、前記ハウジングに対して僅かな隙間を介して対向配置されるフリンガーであることを特徴とする(1)又は(2)に記載のスピンドル装置。
(4)前記回転部材における前記外径側部材は、炭素繊維複合材料から形成されることを特徴とする(1)〜(3)のいずれか1つに記載のスピンドル装置。
上記(1)に記載のスピンドル装置によれば、軸受への液体の浸入を抑制する防水機構の一部を構成し、回転軸に外嵌する回転部材の少なくとも一部が、回転軸よりも比弾性率が大きいので、回転軸に比べて回転部材の遠心力膨張が小さくなる。従って、高速回転時に、遠心力による変形や破損が発生するのを抑制するとともに、遠心力膨張があったとしても回転軸の遠心膨張が回転部材により抑えられるので、嵌合部の径方向隙間が停止時に対して増大する等の不具合の発生を抑制することができる。
また、円環部とハウジングとの間には、その周速度の差によってエアカーテンが形成され、被加工物を加工する際、スピンドル装置に降りかかる切削液が軸受側に入ることを抑制できる。
そして、外径側部材と内径側部材との境界面を凸部に設定することにより、内径側部材と外径側部材との接合面積を大きくすることができ、接合強度が向上して遠心力による回転部材の損傷が防止される。
上記(2)に記載のスピンドル装置によれば、回転部材は回転軸よりも線膨張係数が小さいので、昇温による熱膨張が生じても、回転軸の熱膨張が回転部材により抑えられるので、嵌合部の径方向隙間が停止時に対して増大する等の不具合の発生を抑制することができる。
上記(3)に記載のスピンドル装置によれば、防水機構の主要な構成要素であるフリンガーの比弾性率を回転軸の比弾性率よりも大きくすることで、遠心力が多くなればなるほどフリンガーが回転軸に対して強固に嵌合するので、防水性能を向上させることができる。
上記(4)に記載のスピンドル装置によれば、回転部材における外径側部材が炭素繊維複合材料から形成されているので、金属と比較して質量が小さくなることで遠心力が小さくなり、遠心力による回転部材への影響を軽減することができる。また、引張強度が金属と比較して高いので、遠心力による変形が更に抑制される。これにより、回転軸の高速回転化が可能となると共に、回転部材に対する大きさの制限が大幅に緩和されて径方向長さを大きくすることができるため、ラビリンスを長く確保することで良好な防水性能が得られる。
本発明の第1実施形態に係るスピンドル装置の断面図である。 図1に示すスピンドル装置の要部拡大図である。 本発明の第2実施形態に係るスピンドル装置の要部拡大図である。 本発明の第2実施形態に係るスピンドル装置の要部拡大図である。
以下、本発明に係るスピンドル装置の各実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本明細書における第1,第2実施形態は、本発明の前提とする参考例である。
図1及び図2に示すように、本実施形態のスピンドル装置10は、工作機械用のモータビルトイン式スピンドル装置であり、回転軸11が、その工具側(前側)を支承する2列の前側軸受50,50と、反工具側(後側)を支承する2列の後側軸受60,60とによって、ハウジングHに回転自在に支持されている。ハウジングHは、工具側から順に、前側軸受外輪押さえ12、外筒13、及び後側ハウジング14によって構成されている。
各前側軸受50は、外輪51と、内輪52と、接触角を持って配置される転動体としての玉53と、図示しない保持器と、をそれぞれ有するアンギュラ玉軸受であり、各後側軸受60は、外輪61と、内輪62と、転動体としての玉63と、図示しない保持器と、を有するアンギュラ玉軸受である。前側軸受50,50(並列組合せ)と後側軸受60,60(並列組合せ)とは、互いに協働して背面組み合わせとなるように配置されている。
前側軸受50,50の外輪51,51は、外筒13に内嵌されており、外筒13にボルト15で締結された前側軸受外輪押え12によって外輪間座54を介して外筒13に対し軸方向に位置決め固定されている。
また、前側軸受50,50の内輪52,52は、回転軸11に外嵌されており、回転軸11に締結されたナット16によって回転部材であるフリンガー40及び内輪間座55を介して回転軸11に対し軸方向に位置決め固定されている。
フリンガー40は、前側軸受50,50より工具側(図中左側)において回転軸11に外嵌し、ナット16で内輪52,52と共に回転軸11に固定されている。
後側軸受60,60の外輪61,61は、後側ハウジング14に対して軸方向に摺動自在に内嵌するスリーブ18に内嵌すると共に、このスリーブ18に不図示のボルトで一体的に固定された後側軸受外輪押え19によって、外輪間座64を介してスリーブ18に対し軸方向に位置決め固定されている。
後側軸受60,60の内輪62,62は、回転軸11に外嵌されており、回転軸11に締結された他のナット21によって、内輪間座65を介して回転軸11に対し軸方向に位置決め固定されている。後側ハウジング14と後側軸受外輪押え19との間にはコイルばね23が配設され、このコイルばね23のばね力が、後側軸受外輪押え19をスリーブ18と共に後方に押圧する。これにより、後側軸受60,60に予圧が付与される。
回転軸11の工具側には、軸中心を通り軸方向に形成された工具取付孔24及び雌ねじ25が設けられている。工具取付孔24及び雌ねじ25は、刃具などの不図示の工具を回転軸11に取付けるために使用される。なお、工具取付孔24及び雌ねじ25の代わりに、回転軸11の軸芯に従来公知のドローバー(図示せず)を摺動自在に挿嵌するようにしてもよい。ドローバーは、いずれも不図示の工具ホルダを固定するコレット部を備え、皿ばねの力によって反工具側方向に付勢する。
回転軸11の前側軸受50,50と後側軸受60,60間の略軸方向中央には、回転軸11と一体回転可能に配置されるロータ26と、ロータ26の周囲に配置されるステータ27とを備える。ステータ27は、ステータ27に焼き嵌めされた冷却ジャケット28を、ハウジングHを構成する外筒13に内嵌することで、外筒13に固定される。ロータ26とステータ27はモータMを構成し、ステータ27に電力を供給することでロータ26に回転力を発生させて回転軸11を回転させる。
フリンガー40は、回転軸11に外嵌するボス部41と、ボス部41から径方向外方に延設された円盤部42と、該円盤部42の外周部から後方(前側軸受外輪押さえ12側)に向かってリング状に延設された円環部43と、を有する。円盤部42の径方向中間には、前側軸受外輪押さえ12と対向する面に、前側軸受外輪押さえ12側に向かって突出する凸部44が形成されている。
前側軸受外輪押さえ12には、フリンガー40と対向する面に、フリンガー40の凸部44と対向して該凸部44を僅かな隙間を介して収容可能な凹部31が形成されている。また、前側軸受外輪押さえ12には、外周前端側に小径部32が形成されている。
フリンガー40は、前側軸受外輪押さえ12と僅かな軸方向隙間及び径方向隙間を介して対向配置され、所謂ラビリンスシールを構成する。より具体的に説明すると、フリンガー40の凸部44が前側軸受外輪押さえ12の凹部31に僅かな隙間を介して収容されると共に、リング状の円環部43が小径部32の外周面を覆うように、僅かな径方向隙間、例えば0.5mm程度の隙間を介して配置されている。
特に、円環部43と小径部32との間には、その周速度の差によってエアカーテンが形成され、被加工物を加工する際、スピンドル装置10に降りかかる切削液が前側軸受50,50側に入ることを抑制するための防水機構を構成する。
フリンガー40は、回転軸11と比較し、比弾性率が大きい材料から形成されている。ここで比弾性率とは、縦弾性係数を密度で除した値である(非弾性率=E(縦弾性係数:kgf/m)/ρ(密度:kg/m))。
例えば、回転軸11をSC材、SCM材、SUS材、AL材、CU材等の金属で形成した場合、比弾性率は1.4×10m〜2.7×10mであるが、それよりも大きな比弾性率を有する材料でフリンガー40を形成する。フリンガー40の比弾性率は、回転軸11の比弾性率より大きければよいが、5×10m以上が好ましく、8×10m以上がさらに好ましい。一方で、内嵌する回転軸11との応力の不均衡などを考慮し、上限値は実用上20×10m以下が好ましい。なお、比弾性率が大きいということは、軽くて変形しにくいことを意味している。回転軸11及びフリンガー40を比弾性率の異なる金属でそれぞれ形成してもよく、少なくとも一方を金属以外の材料で形成してもよい。
このように、フリンガー40の比弾性率を、回転軸11の比弾性率よりも大きくすることで、回転軸11に比べてフリンガー40の遠心力膨張が小さくなる。即ち、回転中は回転軸11の方が半径方向の膨張が大きくなるので、嵌合部の径方向隙間が減少するか、或いはしまり嵌め(しめしろ)嵌合とすることができる。従って、高速回転時に、遠心力による変形や破損が発生するのを抑制するとともに、遠心力膨張があったとしても回転軸11の遠心膨張がフリンガー40により抑えられるので、嵌合部の径方向隙間が停止時に対して増大する等の不具合の発生を抑制することができる。
例えば回転軸11とフリンガー40の嵌合を、数μm程度のすきま嵌めとすると、この場合、高速回転時に回転軸11の膨張によりしまり嵌め嵌合となり、遠心力が大きくなればなるほど回転軸11とフリンガー40との嵌合が強固になる。
また、回転中の径方向隙間の減少を考慮して、必要に応じて、組み込み時の径方向隙間を大きく設定することもできる。これにより、フリンガー40の回転軸11への組み込みを容易にすることができる。
また、フリンガー40の比弾性率が、回転軸11の比弾性率よりも大きいことに加えて、フリンガー40の線膨張係数が、回転軸11の線膨張係数よりも小さいことが好ましい。
例えば、回転軸11をSC材、SCM材、SUS材、AL材、CU材等の金属等の金属で形成した場合、線膨張係数は+10×10−6−1〜+24×10−6−1であるが、それよりも小さい線膨張係数を有する材料でフリンガー40を形成することが好ましい。フリンガー40の線膨張係数は、−5×10−6−1〜+10×10−6−1
好ましい。
このように、フリンガー40の線膨張係数を、回転軸11の線膨張係数よりも小さくすることで、前側軸受50,50やモータM等の発熱などの影響で昇温による熱膨張が生じても、回転軸11の熱膨張がフリンガー40により抑えられるので、嵌合部の径方向隙間が停止時に対して増大する等の不具合の発生を抑制することができる。
典型的に金属から形成される回転軸11よりも比弾性率が大きく、線膨張係数が小さい材料としては、例えば、炭素繊維複合材料(CFRP)が挙げられる。
炭素繊維複合材料(CFRP)は、金属と比較して、引張強度が高く、比重が小さい。具体的に、炭素繊維複合材料としては、例えば、PAN(ポリアクリルニトリル)を主原料とした炭素繊維からなる糸を平行に引きそろえたものや、炭素繊維からなる糸で形成した織物(シート状)に、硬化剤を含むエポキシ樹脂などの熱硬化樹脂を含浸させてなるシートを多数層重ね合わせて、芯金などに巻きつけ、加熱硬化させることで製造される。また、ピッチ系を主原料とした炭素繊維を使用することもできる。炭素繊維複合材料は、纖維方向・角度を最適化することで、引張強度、引張弾性率、線膨張係数などの物性値を用途に合わせて最適化することができる。
炭素繊維複合材料の特性としては、例えば、引張強度2000〜2100MPa、引張弾性率130〜140GPa、比重1.5〜1.6g/ccの物性値を持ったPAN系を主原料とした炭素繊維を用いると、従来の高張力鋼などと比べて、引張強度は同等以上であり、比重は1/5程度になる(比強度では、通常の金属材料に比べて略3倍となる)。また、線膨張係数は、繊維方向・角度を最適化することにより、−5〜+12×10−6−1にすることができるので、従来の炭素鋼に比べて1〜1/10程度にすることができる。
このように、金属と比較して比重が小さい炭素繊維複合材料を用いることで、直径が同じであればフリンガー40に作用する遠心力を大幅に小さくすることができ、高速回転時におけるフリンガー40の遠心力破損の虞がなくなる。更に、引張強度が金属と比較して同等以上であるため、遠心力による変形も抑えられる。従って、回転軸11の回転速度に対する制約や、フリンガー40の大きさ(径方向)に対する制限を大幅に緩和することができる。
これにより、従来達成することが困難であった更なる高速回転化、或いはフリンガー40の大型化が可能となり、切削液に作用する遠心力を高めて、降りかかる切削液を確実に径方向外方に振り飛ばして軸受内部への浸入を防止することができる。また、フリンガー40の円環部43に作用する遠心力が小さくなることで、比較的強度が弱い片持ち構造となる円環部43の開口側(図中右側)が径方向外方へ拡径することを抑制することができる。これにより、円環部43の径方向長さ及び軸方向長さを長く設定して、ラビリンスシールの長さが長くなり防水効果が向上する。
炭素繊維複合材料から形成されるフリンガー40と金属から形成される回転軸11との嵌合は、金属と炭素繊維複合材料との線膨張係数の差を考慮して、例えば数十μm程度のすきま嵌めとするのが好ましく、この場合、高速回転時に回転軸11の膨張によりしまり嵌め嵌合となる。また、フリンガー40と前側軸受外輪押さえ12との隙間も、両者の線膨張係数の差を考慮して、金属製の回転軸11や前側軸受外輪押さえ12が熱膨張しても干渉の発生が生じない程度の隙間(例えば、φ0.5mm以下)に設定される。
以上説明したように、本実施形態のスピンドル装置10によれば、前側軸受50,50への切削液の浸入を抑制する防水機構の一部を構成し、回転軸11に外嵌するフリンガー40の比弾性率が、回転軸11の比弾性率よりも大きいので、回転軸11に比べてフリンガー40の遠心力膨張が小さくなる。従って、高速回転時に、遠心力による変形や破損が発生するのを抑制するとともに、遠心力膨張があったとしても回転軸11の遠心膨張がフリンガー40により抑えられるので、嵌合部の径方向隙間が停止時に対して増大する等の不具合の発生を抑制することができる。なお、必ずしもフリンガー40の全部を回転軸11よりも比弾性率が大きくなるように設定する必要はなく、少なくとも一部を回転軸11よりも比弾性率が大きくなるように設定すればよい。この場合の例については、第2及び第3実施形態で後述する。
また、フリンガー40の比弾性率が、回転軸11の比弾性率よりも大きいことに加えて、フリンガー40の線膨張係数が、回転軸11の線膨張係数よりも小さくすることにより、昇温による熱膨張が生じても、回転軸11の熱膨張がフリンガー40により抑えられるので、嵌合部の径方向隙間が停止時に対して増大する等の不具合の発生を抑制することができる。
また、フリンガー40を炭素繊維複合材料から形成することで、金属と比較して質量が小さく、同じ回転速度であれば遠心力が小さくなるので、遠心力によるフリンガー40への影響を軽減することができる。さらに、引張強度が金属と比較して高いので、遠心力による変形が更に抑制される。これにより、回転軸11の高速回転化、即ちdmn値で100万以上、より好ましくはdmn値で150万以上でも使用できると共に、フリンガー40に対する大きさの制限が大幅に緩和されて径方向長さを大きくすることができるため、ラビリンスを長く確保することで良好な防水性能が得られる。
(第2実施形態)
次に、スピンドル装置の第2実施形態を図3に基づいて説明する。図3は本発明の第2実施形態であるスピンドル装置の要部断面図であり、フリンガーの構成が第1実施形態と異なる。その他の部分については、本発明の第1の実施形態のスピンドル装置と同様であるので、同一部分には同一符号又は相当符号を付して説明を簡略化又は省略する。
本実施形態のスピンドル装置10Aのフリンガー40Aは、円環部43が、円環部43の外周面を含む外径側円環部43aと内径側円環部43bと、から構成され、外径側円環部43aが内径側円環部43bに外嵌している。
ここで、外径側円環部43aは、内径側円環部43bと比較し、比弾性率が大きい材料から形成されており、内径側円環部43bをSC材、SCM材、SUS材、AL材、CU材等の金属で形成した場合、比弾性率は1.4×10m〜2.7×10mであるが、それよりも大きな比弾性率を有する材料で外径側円環部43aを形成する。外径側円環部43aの比弾性率は、回転軸11の比弾性率より大きければよいが、5×10m以上が好ましく、8×10m以上がさらに好ましい。一方で、内嵌する内径側円環部43bとの応力の不均衡などを考慮し、上限値は実用上20×10m以下が好ましい。なお、外径側円環部43a及び内径側円環部43bを比弾性率の異なる金属でそれぞれ形成してもよく、少なくとも一方を金属以外の材料で形成してもよい。
このように、外径側円環部43aの比弾性率を、内径側円環部43bの比弾性率よりも大きくすることで、内径側円環部43bに比べて外径側円環部43aの遠心力膨張が小さくなる。即ち、回転中は内径側円環部43bの方が半径方向の膨張が大きくなるので、嵌合部の径方向隙間が減少、或いはしまり嵌め(しめしろ)嵌合とすることができる。従って、高速回転時に、遠心力による変形や破損が発生するのを抑制するとともに、遠心力膨張があったとしても内径側円環部43bの遠心膨張が外径側円環部43aにより抑えられるので、嵌合部の径方向隙間が停止時に対して増大する等の不具合の発生を抑制することができる。
内径側円環部43bと外径側円環部43aとの固定方法は、一体成形やインサート成形などの方法が採用可能である。あるいは、冷却した内径側円環部43bにリング状の外径側円環部43aを嵌合させる冷やし嵌めとすることもできる。冷やし嵌めの場合、例えば、0.005mm程度の小さなシメシロ嵌合であっても、回転時には、比重差に起因して金属材料から形成される内径側円環部43bに大きな遠心力が作用し、シメシロが増大して確実に固定される。これにより、内径側円環部43bと外径側円環部43aの嵌合部の径方向隙間の発生による不具合のみならず、外径側円環部43aを内径側円環部43bに外嵌させることで、内径側円環部43bの膨張を抑制し、その結果、さらに内径側円環部43bに内嵌する回転軸11の嵌合部の径方向隙間の増加を抑制することができる。
また、外径側円環部43aの比弾性率が、内径側円環部43bの比弾性率よりも大きいことに加えて、外径側円環部43aの線膨張係数が、内径側円環部43bの線膨張係数よりも小さいことが好ましい。
例えば、内径側円環部43bをSC材、SCM材、SUS材、AL材、CU材等の金属等の金属で形成した場合、線膨張係数は+10×10−6−1〜+24×10−6−1であるが、それよりも小さい線膨張係数を有する材料で外径側円環部43aを形成することが好ましい。外径側円環部43aの線膨張係数は、−5×10−6−1〜+10×10−6−1が好ましい。
このように、外径側円環部43aの線膨張係数を、内径側円環部43bの線膨張係数よりも小さくすることで、前側軸受50,50やモータM等の発熱などの影響で昇温による熱膨張が生じても、内径側円環部43bの熱膨張が外径側円環部43aにより抑えられるので、嵌合部の径方向隙間が停止時に対して増大する等の不具合の発生を抑制することができる。
好適な実施例としては、内径側円環部43bを金属で形成し、内径側円環部43bよりも比弾性率が大きく、線膨張係数が小さい炭素繊維複合材料(CFRP)で外径側円環部43aを形成することが考えられる。炭素繊維複合材料(CFRP)の詳細については、第1実施形態の同様であり、説明を省略する。
このように構成された本実施形態のスピンドル装置10Aによれば、フリンガー40Aの円環部43が、内径側円環部43bと、該内径側円環部43bに外嵌する外径側円環部43aと、の2部材から構成され、外径側円環部43aが、内径側円環部43bよりも比弾性率が大きいので、内径側円環部43bに比べて外径側円環部43aの遠心力膨張が小さくなる。従って、高速回転時に、遠心力による変形や破損が発生するのを抑制するとともに、遠心力膨張があったとしても内径側円環部43bの遠心膨張が外径側円環部43aにより抑えられるので、嵌合部の径方向隙間が停止時に対して増大する等の不具合の発生を抑制することができる。
また、最外周部である外径側円環部43aを除くフリンガー40Aの主要部を金属で形成することにより、複雑形状の加工、高精度での加工が容易であり、全体が炭素繊維複合材料で形成されたフリンガー40と比較してフリンガー40Aと前側軸受外輪押さえ12との隙間を小さくすることができる。また、ナット16によって内輪52,52を軸方向に固定するフリンガー40Aのボス部41が、回転軸11、ナット16、内輪52,52、及び内輪間座55と同じ金属製であるため、線膨張係数の差による伸び量の差が少なく、内輪52,52の軸方向固定力が変化し難い。
(第3実施形態)
次に、本発明のスピンドル装置の第3実施形態を説明する。図4は本発明の第3実施形態であるスピンドル装置の要部断面図であり、フリンガーの構成が第1及び第2実施形態と異なる。その他の部分については、本発明の第1の実施形態のスピンドル装置と同様であるので、同一部分には同一符号又は相当符号を付して説明を簡略化又は省略する。
本実施形態のスピンドル装置10Bのフリンガー40Bは、凸部44の略中間面より外径側に配置される外径側フリンガー47aと、凸部44の略中間面より内径側に配置される内径側フリンガー47bと、から構成され、外径側フリンガー47aが内径側フリンガー47bに外嵌している。
ここで、外径側フリンガー47aは、内径側フリンガー47bと比較し、比弾性率が大きい材料から形成されており、これは、第2実施形態の外径側円環部43aと内径側円環部43bとの境界面が、凸部44の略中間面に設定された構成ということもできる。従って、本実施形態の作用効果は、第2実施形態の外径側円環部43aを外径側フリンガー47aと、内径側円環部43bを内径側フリンガー47bと読み替えることで説明され、ここでは同一の作用・効果については説明を省略する。
また、本実施形態のスピンドル装置10Bは、さらに、第2実施形態のスピンドル装置10Aに比べて、外径側フリンガー47aの径方向長さが大きいことから、より回転軸11の嵌合部の径方向隙間の増加を抑制することができる。また、精度が必要なラビリンスを構成する部分については、後工程で研磨加工を施すことで金属と同等の精度を確保することができる。
さらに、外径側フリンガー47aと内径側フリンガー47bとの境界面45を凸部44に設定することにより、内径側フリンガー47bと外径側フリンガー47aとの接合面積を大きくすることができ、接合強度が向上して遠心力によるフリンガー40Bの損傷が防止される。
なお、フリンガー40Bは、径方向において2部材に分割されている場合に限らず、3部材以上に分割されていてもよい。この場合、径方向外側に向かうに従って比弾性率が大きくなることが好ましく、特に最外径部に位置する部材が炭素繊維複合材料から形成されることが好ましい。
なお、本発明は、前述した各実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。例えば、上記実施形態では、フリンガーは、外周部に円環部を備えるものとして説明したが、スピンドル装置が縦型スピンドル装置として使用される場合などでは、円環部を有しないフリンガーとすることもできる。また、モータビルトイン式スピンドル装置として説明したが、これに限定されず、ベルト駆動方式スピンドル装置、モータの回転軸とカップリング連結されたモータ直結駆動方式スピンドル装置にも同様に適用可能である。更に、工作機械用のスピンドル装置に限定されず、防水機能が要望される、他の高速回転機器のスピンドル装置にも適用することができる。
10,10A,10B スピンドル装置
11 回転軸
31 凹部
40,40A,40B フリンガー(回転部材)
43a 外径側円環部(外径側部材)
43b 内径側円環部(内径側部材)
44 凸部
45 境界面
47a 外径側フリンガー(外径側部材)
47b 内径側フリンガー(内径側部材)
50 前側軸受(軸受)
60 後側軸受
H ハウジング

Claims (4)

  1. 回転軸と、前記回転軸をハウジングに対して回転自在に支持する軸受と、前記軸受への液体の浸入を抑制する防水機構の少なくとも一部を構成し、前記回転軸に外嵌する回転部材と、を備えたスピンドル装置であって、
    前記回転部材は、前記回転軸に外嵌されるボス部と、ボス部から径方向外方に延設された円盤部と、該円盤部の外周部からリング状に延設された円環部とを有し、
    前記円環部は、前記ハウジングの外周面を覆うように僅かな隙間を介して配置され、
    前記円盤部は、径方向中間に前記ハウジング側に向かって突出する凸部が形成され、
    前記回転部材は、径方向において分割される外径側部材と内径側部材とを含み、前記外径側部材が前記内径側部材に外嵌され、前記外径側部材と前記内径側部材との境界面が前記凸部に形成され、
    前記回転部材の少なくとも一部は、前記回転軸よりも比弾性率が大きく、前記外径側部材は、前記内径側部材より比弾性率が大きいことを特徴とするスピンドル装置。
  2. 前記回転部材は、前記回転軸よりも線膨張係数が小さいことを特徴とする請求項1に記載のスピンドル装置。
  3. 前記回転部材は、前記ハウジングに対して僅かな隙間を介して対向配置されるフリンガーであることを特徴とする請求項1又は2に記載のスピンドル装置。
  4. 前記回転部材における前記外径側部材は、炭素繊維複合材料から形成されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のスピンドル装置。
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