JP5899932B2 - スピンドル装置 - Google Patents

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Description

本発明は、スピンドル装置に関し、より詳細には、防水機能を有し、工作機械に適用するのに好適なスピンドル装置に関する。
工作機械等に適用されるスピンドル装置の回転軸は、高速回転して被加工物の切削加工や研削加工を行っている。加工に際して、一般的に、刃具および加工部位の潤滑や冷却を目的として多量の加工液が加工部位に供給される。即ち、潤滑により、被削特性の向上、加工刃先の摩耗抑制、工具寿命の延長などが図られる。また、冷却により、刃具及び被加工物の熱膨張が抑制されて加工精度の向上、加工部位の熱溶着を防止して加工効率の向上や加工面の表面性状の向上が図られる。スピンドル装置と加工部位との距離が近いこともあり、加工液がスピンドル装置の前面にも多量にかかる。加工液が軸受内部に浸入すると、軸受の潤滑不良や焼付きなどの原因となるため軸受の防水性能が重要となる。特に、グリース封入潤滑やグリース補給潤滑される軸受においては、エアと共に潤滑油が供給されるオイルエア潤滑やオイルミスト潤滑の軸受と比較して軸受内部が低圧であるため、加工液が軸受内部に浸入しやすく、より高い防水性能が必要となる。
一般的な防水機構としては、オイルシールやVリングなどの接触式シールが知られている。しかしながら、この接触式シールを、dmn値で100万以上(より好適には、150万以上)の高速回転で使用されるスピンドル装置に適用した場合、接触式シールの接触部からの発熱が大きく、シール部材が摩耗して防水性能を長期間に亘って維持し難い問題がある。このため、工作機械では、スピンドル装置の前端部(工具側)に、回転軸と一体回転可能にフリンガーを固定し、該フリンガーとハウジングとの間の隙間を小さくした非接触シールである、所謂ラビリンスシールを構成して防水を図っている。高速で回転するフリンガーは、ラビリンス効果と共に、フリンガーに降りかかった加工液を遠心力で径方向外方に振り飛ばして、加工液の軸受内部への浸入を防止している。
フリンガーによる遠心力及びラビリンス効果を利用した防水効果は、回転の高速化や大径のフリンガーを用いることで遠心力を大きくすると共に、フリンガーとハウジングとの間の隙間を極力小さく、且つ、長く設けることが効果的である。しかし、高速回転したり、フリンガーの直径を大きくすると、フリンガーに作用する遠心力及びフープ応力もこれに比例して大きくなる。
遠心力による影響を抑制する従来の技術としては、工具に装着されたコレットを工具保持部のテーパ孔に挿入し、工具保持部に螺合するナットを締め付けて工具を工具保持部に固定するようにした工具ホルダにおいて、ナットの外周面に炭素繊維層を巻き付け、遠心力によるナットの膨張抑制を図ったものが開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
特開平6−226516号公報
一般的にフリンガーは、SC材、SCM材、SUS材、AL材、CU材などの比較的比重が大きな金属材料で製作されている。従って、フリンガーに降りかかる加工液に大きな遠心力を作用させるために、フリンガーの直径を大きくすると、フリンガー自身、特に外径側に大きな遠心力が作用する。工作機械の回転軸のようにdmn値が100万以上となる高速回転においては、遠心力によってフリンガーが変形したり、極端な場合には遠心力がフリンガーの引張強度を越えて破壊に至る可能性がある。このため、遠心力による影響が許容される程度に、フリンガーの直径や回転軸の回転速度を制限する必要がある。
従来のdmn値が100万以上となる環境下で使用されるスピンドル装置では、遠心力の大きさを考慮してフリンガーの径方向寸法を制限していたために、防水性能の点で改善の余地があった。
本発明は、前述した課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、dmn値が100万以上の高速回転可能、且つ、良好な防水機能を有するスピンドル装置を提供することにある。
本発明の上記目的は、下記の構成により達成される。
転軸と、前記回転軸をハウジングに対して回転自在に支持する軸受と、前記軸受への液体の浸入を抑制する防水機構の少なくとも一部を構成し、前記回転軸に一体回転可能に固定される回転部材と、を備えたスピンドル装置であって、
前記回転部材の少なくとも一部は、炭素繊維複合材料から形成され
前記回転部材は、前記ハウジングに対して僅かな隙間を介して対向配置されるフリンガーであり、
前記フリンガーは、径方向において少なくとも2部材から構成され、外径側に炭素繊維複合材料から形成される部材が配置され、且つ、軸方向で前記ハウジングと対向する面に前記ハウジング側に突出する凸部を有し、
前記ハウジングは、前記フリンガーと対向する面に前記凸部を僅かな隙間を介して収容する凹部を有し、
前記フリンガーの凸部に、前記少なくとも2部材の境界面が存在することを特徴とするスピンドル装置
上記スピンドル装置によれば、回転軸に一体回転可能に固定され、軸受への液体の浸入を抑制する防水機構の一部を構成する回転部材の少なくとも一部が、炭素繊維複合材料から形成されているので、金属と比較して質量が小さくなることで遠心力が小さくなり、遠心力による回転部材への影響を軽減することができる。また、引張強度が金属と比較して高いので、遠心力による変形が更に抑制される。これにより、回転軸の高速回転化が可能となると共に、回転部材に対する大きさの制限が大幅に緩和されて径方向長さを大きくすることができるため、ラビリンスを長く確保することで良好な防水性能が得られる。
上記スピンドル装置によれば、防水機構の主要な構成要素であるフリンガーの少なくとも一部を炭素繊維複合材料とすることで、より防水性能を向上させることができる。
上記スピンドル装置によれば、内径側に金属材料から形成される部材を配置することで、高精度な加工が可能となる。また、軸受固定用のナットで挟み込む部分を金属材料から形成される部材とすることで、典型的に金属材料から形成される回転軸との線膨張係数の違いによる回転軸との伸び量の差が小さくなり、軸方向固定力が落ちにくくなる。
上記スピンドル装置によれば、2部材の接触面積を大きく確保することができる。
本発明の第1実施形態に係るスピンドル装置の断面図である。 図1に示すスピンドル装置の要部拡大図である。 本発明の第2実施形態に係るスピンドル装置の要部拡大図である。 本発明の第3実施形態に係るスピンドル装置の要部拡大図である。
以下、本発明に係るスピンドル装置の各実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本明細書における図2及び図3に示す構成に関しては、発明の前提となる参考例である。
(第1実施形態)
図1及び図2に示すように、本実施形態のスピンドル装置10は、工作機械用のモータビルトイン式スピンドル装置であり、回転軸11が、その工具側(前側)を支承する2列の前側軸受50,50と、反工具側(後側)を支承する2列の後側軸受60,60とによって、ハウジングHに回転自在に支持されている。ハウジングHは、工具側から順に、前側軸受外輪押さえ12、外筒13、及び後側ハウジング14によって構成されている。
各前側軸受50は、外輪51と、内輪52と、接触角を持って配置される転動体としての玉53と、図示しない保持器と、をそれぞれ有するアンギュラ玉軸受であり、各後側軸受60は、外輪61と、内輪62と、転動体としての玉63と、図示しない保持器と、を有するアンギュラ玉軸受である。前側軸受50,50(並列組合せ)と後側軸受60,60(並列組合せ)とは、互いに協働して背面組み合わせとなるように配置されている。
前側軸受50,50の外輪51,51は、外筒13に内嵌されており、外筒13にボルト15で締結された前側軸受外輪押え12によって外輪間座54を介して外筒13に対し軸方向に位置決め固定されている。
また、前側軸受50,50の内輪52,52は、回転軸11に外嵌されており、回転軸11に締結されたナット16によって回転部材であるフリンガー40及び内輪間座55を介して回転軸11に対し軸方向に位置決め固定されている。
フリンガー40は、前側軸受50,50より工具側(図中左側)において回転軸11に外嵌し、ナット16で内輪52,52と共に回転軸11に固定されている。
後側軸受60,60の外輪61,61は、後側ハウジング14に対して軸方向に摺動自在に内嵌するスリーブ18に内嵌すると共に、このスリーブ18に不図示のボルトで一体的に固定された後側軸受外輪押え19によって、外輪間座64を介してスリーブ18に対し軸方向に位置決め固定されている。
後側軸受60,60の内輪62,62は、回転軸11に外嵌されており、回転軸11に締結された他のナット21によって、内輪間座65を介して回転軸11に対し軸方向に位置決め固定されている。後側ハウジング14と後側軸受外輪押え19との間にはコイルばね23が配設され、このコイルばね23のばね力が、後側軸受外輪押え19をスリーブ18と共に後方に押圧する。これにより、後側軸受60,60に予圧が付与される。
回転軸11の工具側には、軸中心を通り軸方向に形成された工具取付孔24及び雌ねじ25が設けられている。工具取付孔24及び雌ねじ25は、刃具などの不図示の工具を回転軸11に取付けるために使用される。なお、雌ねじ25の代わりに、タップが設けられ、工具がタップ留めされるようにしてもよい。また、工具取付孔24及び雌ねじ25の代わりに、回転軸11の軸芯に従来公知のドローバー(図示せず)を摺動自在に挿嵌するようにしてもよい。ドローバーは、いずれも不図示の工具ホルダを固定するコレット部を備え、皿ばねの力によって反工具側方向に付勢する。
回転軸11の前側軸受50,50と後側軸受60,60間の略軸方向中央には、回転軸11と一体回転可能に配置されるロータ26と、ロータ26の周囲に配置されるステータ27とを備える。ステータ27は、ステータ27に焼き嵌めされた冷却ジャケット28を、ハウジングHを構成する外筒13に内嵌することで、外筒13に固定される。ロータ26とステータ27はモータMを構成し、ステータ27に電力を供給することでロータ26に回転力を発生させて回転軸11を回転させる。
フリンガー40は、回転軸11に外嵌するボス部41と、ボス部41から径方向外方に延設された円盤部42と、該円盤部42の外周部から後方(前側軸受外輪押さえ12側)に向かってリング状に延設された円環部43と、を有する。円盤部42の径方向中間には、前側軸受外輪押さえ12と対向する面に、前側軸受外輪押さえ12側に向かって突出する凸部44が形成されている。
前側軸受外輪押さえ12には、フリンガー40と対向する面に、フリンガー40の凸部44と対向して該凸部44を僅かな隙間を介して収容可能な凹部31が形成されている。また、前側軸受外輪押さえ12には、外周前端側に小径部32が形成されている。
フリンガー40は、前側軸受外輪押さえ12と僅かな軸方向隙間及び径方向隙間を介して対向配置され、所謂ラビリンスシールを構成する。より具体的に説明すると、フリンガー40の凸部44が前側軸受外輪押さえ12の凹部31に僅かな隙間を介して収容されると共に、リング状の円環部43が小径部32の外周面を覆うように、僅かな径方向隙間、例えば0.5mm程度の隙間を介して配置されている。
特に、円環部43と小径部32との間には、その周速度の差によってエアカーテンが形成され、被加工物を加工する際、スピンドル装置10に降りかかる加工液が前側軸受50,50側に入ることを抑制するための防水機構を構成する。
フリンガー40は、金属と比較して、引張強度が高く、比重が小さい炭素繊維複合材料(CFRP)から形成されている。
具体的に、炭素繊維複合材料としては、例えば、PAN(ポリアクリルニトリル)を主原料とした炭素繊維からなる糸を平行に引きそろえたものや、炭素繊維からなる糸で形成した織物(シート状)に、硬化剤を含むエポキシ樹脂などの熱硬化樹脂を含浸させてなるシートを多数層重ね合わせて、芯金などに巻きつけ、加熱硬化させることで製造される。また、ピッチ系を主原料とした炭素繊維を使用することもできる。炭素繊維複合材料は、纖維方向・角度を最適化することで、引張強度、引張弾性率、線膨張係数などの物性値を用途に合わせて最適化することができる。
炭素繊維複合材料の特性としては、例えば、引張強度1800〜3500MPa、引張弾性率130〜280GPa、比重1.5〜2.0g/ccの物性値を持ったPAN系を主原料とした炭素繊維を用いると、従来の高張力鋼などと比べて、引張強度は同等以上であり、比重は1/5程度になる(比強度では、通常の金属材料に比べて略3倍となる)。また、熱膨張係数は、繊維方向・角度を最適化することにより、−5〜+12×10−6−1にすることができるので、従来の炭素鋼に比べて1〜1/10程度にすることができる。
このように、金属と比較して比重が小さい炭素繊維複合材料を用いることで、直径が同じであればフリンガー40に作用する遠心力を大幅に小さくすることができ、高速回転時におけるフリンガー40の遠心力破損の虞がなくなる。更に、引張強度が金属と比較して同等以上であるため、遠心力による変形も抑えられる。従って、回転軸11の回転速度に対する制約や、フリンガー40の大きさ(径方向)に対する制限を大幅に緩和することができる。
これにより、従来達成することが困難であった更なる高速回転化、或いはフリンガー40の大型化が可能となり、加工液に作用する遠心力を高めて、降りかかる加工液を確実に径方向外方に振り飛ばして軸受内部への浸入を防止することができる。また、フリンガー40の円環部43に作用する遠心力が小さくなることで、比較的強度が弱い片持ち構造となる円環部43の開口側(図中右側)が径方向外方へ拡径することを抑制することができる。これにより、円環部43の径方向長さ及び軸方向長さを長く設定して、ラビリンスシールの長さが長くなり防水効果が向上する。
フリンガー40と回転軸11との嵌合は、金属と炭素繊維複合材料との線膨張係数の差を考慮して、例えば数μm程度のすきま嵌めとするのが好ましく、この場合、高速回転時に回転軸11の膨張によりしまり嵌め嵌合となる。また、フリンガー40と前側軸受外輪押さえ12との隙間も、両者の線膨張係数の差を考慮して、金属製の回転軸11や前側軸受外輪押さえ12が熱膨張しても干渉の発生が生じない程度の隙間(例えば、φ0.5mm以下)に設定される。
以上説明したように、本実施形態のスピンドル装置10によれば、回転軸11に一体回転可能に固定され、前側軸受50,50への加工液の浸入を抑制する防水機構の一部を構成するフリンガー40の少なくとも一部が、炭素繊維複合材料から形成されているので、金属と比較して質量が小さく、同じ回転速度であれば遠心力が小さくなるので、遠心力によるフリンガー40への影響を軽減することができる。さらに、引張強度が金属と比較して高いので、遠心力による変形が更に抑制される。これにより、回転軸11の高速回転化、即ちdmn値で100万以上、より好ましくはdmn値で150万以上でも使用できると共に、フリンガー40に対する大きさの制限が大幅に緩和されて径方向長さを大きくすることができるため、ラビリンスを長く確保することで良好な防水性能が得られる。
また、フリンガー40は、ハウジングHを構成する前側軸受外輪押さえ12に対して僅かな隙間を介して対向配置されるので、フリンガー40と前側軸受外輪押さえ12とにより非接触シールであるラビリンスシールを構成することができ、長期間に亘って安定して前側軸受50,50への加工液の浸入を抑制することができる。
(第2実施形態)
次に、スピンドル装置の第2実施形態を図3に基づいて説明する。図3は本発明の第2実施形態であるスピンドル装置の要部断面図であり、フリンガーの構成が第1実施形態と異なる。その他の部分については、本発明の第1の実施形態のスピンドル装置と同様であるので、同一部分には同一符号又は相当符号を付して説明を簡略化又は省略する。
本実施形態のスピンドル装置10Aのフリンガー40Aは、円環部43が、円環部43の外周面を含む外径側円環部43aと、外径側円環部43aの内径側に位置する内径側円環部43bと、から構成される。外径側円環部43aと内径側円環部43bは、異なる材料から形成され、外径側円環部43aは炭素繊維複合材料から形成され、内径側円環部43bはボス部41と円盤部42と一体的に、主に、SC材、SCM材、SUS材、AL材、CU材などの金属材料から形成される。
このように、遠心力が最も大きくなる外径側円環部43aを炭素繊維複合材料で形成することにより、遠心力を抑制すると共に、機械的強度の高い炭素繊維複合材料で内径側円環部43bの膨張を抑えることで、高速回転時のフリンガー40Aの変形や破損を防止する。
金属材料から形成される内径側円環部43bと炭素繊維複合材料から形成される外径側円環部43aとの固定方法は、一体成形、インサート成形、接着剤固定などの方法が採用可能である。あるいは、冷却した内径側円環部43bにリング状の外径側円環部43aを嵌合させる冷やし嵌めとすることもできる。冷やし嵌めの場合、例えば、0.005mm程度の小さなシメシロ嵌合であっても、回転時には、比重差に起因して金属材料から形成される内径側円環部43bに大きな遠心力が作用し、シメシロが増大して確実に固定される。
また、最外周部である外径側円環部43aを除くフリンガー40Aの主要部を金属で形成することにより、複雑形状の加工、高精度での加工が容易であり、全体が炭素繊維複合材料で形成されたフリンガー40と比較してフリンガー40Aと前側軸受外輪押さえ12との隙間を小さくすることができる。また、ナット16によって内輪52,52を軸方向に固定するフリンガー40Aのボス部41が、回転軸11、ナット16、内輪52,52、及び内輪間座55と同じ金属製であるため、線膨張係数の差による伸び量の差が少なく、内輪52,52の軸方向固定力が変化し難い。
本実施形態のスピンドル装置10Aによれば、フリンガー40Aの円環部43が、内径側に配置される金属製の内径側円環部43bと、該内径側円環部43bの外径側に配置される炭素繊維複合材料製の外径側円環部43aと、の2部材から構成されるので、発生する遠心力が抑制されると共に、外径側円環部43aで内径側円環部43bの膨張を抑えることで、高速回転時のフリンガー40Aの変形や破損を防止することができる。
(第3実施形態)
次に、本発明のスピンドル装置の第3実施形態を説明する。図4は本発明の第3実施形態であるスピンドル装置の要部断面図であり、フリンガーの構成が第1及び第2実施形態と異なる。その他の部分については、本発明の第1の実施形態のスピンドル装置と同様であるので、同一部分には同一符号又は相当符号を付して説明を簡略化又は省略する。
本実施形態のスピンドル装置10Bのフリンガー40Bは、凸部44の略中間面より外径側に配置される外径側フリンガー47aと、凸部44の略中間面より内径側に配置される内径側フリンガー47bと、から構成される。外径側フリンガー47aと内径側フリンガー47bは、異なる材料から形成され、外径側フリンガー47aは炭素繊維複合材料から形成され、内径側円環部43bは、主に、SC材、SCM材、SUS材、AL材、CU材などの金属材料から形成される。
従って、円盤部42の凸部44には、金属材料から形成される内径側フリンガー47bと炭素繊維複合材料から形成される外径側フリンガー47aとの境界面45が存在することとなる。
これにより、内径側フリンガー47bの外径を小さくして遠心力を抑制すると共に、金属材料から形成される内径側フリンガー47bと炭素繊維複合材料から形成される外径側フリンガー47aとの接合面積を大きくすることができ、接合強度が向上する。なお、金属材料から形成される内径側円環部43bと炭素繊維複合材料から形成される外径側円環部43aとの固定方法、及び線膨張係数の差による内輪52,52の軸方向固定力が維持されることは、第2実施形態のスピンドル装置10Aと同様である。
本実施形態のスピンドル装置10Bによれば、フリンガー40Bは、前側軸受外輪押さえ12と対向する面に前側軸受外輪押さえ12側に突出する凸部44を有し、前側軸受外輪押さえ12は、フリンガー40Bと対向する面に凸部44を僅かな隙間を介して収容可能な凹部31を有する。フリンガー40Bの凸部44に、金属材料から形成される内径側フリンガー47bと炭素繊維複合材料から形成される外径側フリンガー47aとの境界面45が配置されるので、フリンガー40Bの内径側フリンガー47bの直径が小さくなり、遠心力が小さくなる。また、内径側フリンガー47bと外径側フリンガー47aとの接合面積を大きくすることができ、接合強度が向上して遠心力によるフリンガー40Bの損傷が防止される。
なお、フリンガー40Bは、径方向において2部材に分割されている場合に限らず、3部材以上に分割されていてもよい。この場合、最外径部に位置する部材が炭素繊維複合材料から形成される。
なお、本発明は、前述した各実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。例えば、上記実施形態では、フリンガーは、外周部に円環部を備えるものとして説明したが、スピンドル装置が縦型スピンドル装置として使用される場合などでは、円環部を有しないフリンガーとすることもできる。また、モータビルトイン式スピンドル装置として説明したが、これに限定されず、ベルト駆動方式スピンドル装置、モータの回転軸とカップリング連結されたモータ直結駆動方式スピンドル装置にも同様に適用可能である。更に、工作機械用のスピンドル装置に限定されず、防水機能が要望される、他の高速回転機器のスピンドル装置にも適用することができる。
10,10A,10B スピンドル装置
11 回転軸
31 凹部
40,40A,40B フリンガー(回転部材)
44 凸部
45 境界面
50 前側軸受(軸受)
60 後側軸受
H ハウジング

Claims (1)

  1. 回転軸と、前記回転軸をハウジングに対して回転自在に支持する軸受と、前記軸受への液体の浸入を抑制する防水機構の少なくとも一部を構成し、前記回転軸に一体回転可能に固定される回転部材と、を備えたスピンドル装置であって、
    前記回転部材の少なくとも一部は、炭素繊維複合材料から形成され
    前記回転部材は、前記ハウジングに対して僅かな隙間を介して対向配置されるフリンガーであり、
    前記フリンガーは、径方向において少なくとも2部材から構成され、外径側に炭素繊維複合材料から形成される部材が配置され、且つ、軸方向で前記ハウジングと対向する面に前記ハウジング側に突出する凸部を有し、
    前記ハウジングは、前記フリンガーと対向する面に前記凸部を僅かな隙間を介して収容する凹部を有し、
    前記フリンガーの凸部に、前記少なくとも2部材の境界面が存在することを特徴とするスピンドル装置。
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