JP6210123B2 - モータビルトイン方式の主軸装置 - Google Patents

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本発明は、モータビルトイン方式の主軸装置に関し、特に、多軸制御の工作機械等に適用され、dmn値が100万以上の高速回転可能なモータビルトイン方式の主軸装置に関する。
工作機械等に適用される主軸装置の回転軸は、高速回転を行いながら、加工荷重を受けるため、加工荷重に対する剛性、あるいは、高速回転時の遠心力に対する変形抑制特性などを維持することが必要であり、その材質としては、金属が主に使用される。
従来、コレットを挿入可能なテーパ孔を有して、工具保持部に螺合するナットを締め付けて工具を固定するようにした工具ホルダにおいて、ナットの外周面に炭素繊維層を巻き付け、遠心力によるナットの膨張抑制を図ったものが開示されている(例えば、特許文献1、2参照。)。また、特許文献3に記載の工作機械の主軸装置では、主軸の先端部に形成された溝に、縦弾性係数が大きい繊維に合成樹脂を含浸させた繊維層を形成し、高速回転時における主軸の膨張を抑制するようにしたものが知られている。
特開平6‐218608号公報 特開平6‐226516号公報 特開平6‐226506号公報
工作機械の主軸用軸受は、高回転精度、且つ低振動特性が要求されるため、組込時に軸受内部のすきまをなくした、いわゆる予圧が付与された状態で組み込まれている。一方、従来のモータビルトイン方式の主軸装置においては、ロータからの熱が金属製の回転軸を介して軸受内輪に伝わるため、軸受の内輪温度が外輪温度より高くなる傾向がある。この内外輪温度差の影響により内外輪の熱膨張が異なり、予圧荷重に加えて軸受の内部荷重が上昇する。更に、高速回転時(特に、dmn値で100万以上)には、玉(転動体)に作用する遠心力も加わり、軸受の内部荷重が過大となって軸受の焼付きなどの障害が発生する虞があった。また、回転軸自体の熱膨張により加工精度が低下する問題があった。
特許文献1〜3では、縦弾性係数が大きく、且つ比重が小さい炭素繊維層をナットや主軸の外周側に形成し、炭素繊維層の機械的強度を利用してナットや主軸の膨張を抑制するようにしたものであり、内輪の温度上昇や回転軸の伸びを抑制することについては考慮されていない。また、モータビルトイン式のものについて記載されておらず、上記課題を認識するものではない。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ロータの発熱による回転軸や軸受の温度上昇、特に内輪の温度上昇を抑制して、軸受の焼き付きを防止すると共に、加工精度を向上することができるモータビルトイン方式の主軸装置を提供することにある。
本発明の上記目的は、下記の構成により達成される。
(1) 金属製の回転軸と、
前記回転軸をハウジングに対して回転自在に支持し、内輪が前記回転軸にそれぞれ外嵌する軸受と、
前記回転軸と一体回転可能に配置されるロータと、該ロータの周囲に配置されるステータと、を有するモータと、
を備えるモータビルトイン方式の主軸装置であって、
軸方向において、前記軸受と、前記ロータ又は前記ロータが取り付けられるロータスリーブが前記回転軸に嵌合する位置との間であって、軸方向における、前記軸受と、前記ロータ又は前記ロータスリーブが前記回転軸に嵌合する位置を含まない箇所であり、且つ、前記回転軸の内周面と前記回転軸の外周面との少なくとも一ヶ所には、環状溝が形成され、
前記回転軸よりも熱伝達率及び熱膨張率が小さい部材が前記環状溝に一体に結合されることを特徴とするモータビルトイン方式の主軸装置。
(2) 前記回転軸よりも熱伝達率及び熱膨張率が小さい部材は、炭素繊維複合材料から形成されることを特徴とする(1)に記載のモータビルトイン方式の主軸装置。
本発明によれば、軸方向において、軸受と、ロータ又はロータが取り付けられるロータスリーブが回転軸に嵌合する位置との間であって、軸方向における、前記軸受と、前記ロータ又は前記ロータスリーブが前記回転軸に嵌合する位置を含まない箇所であり、且つ、回転軸の内周面と回転軸の外周面との少なくとも一ヶ所には、環状溝が形成され、回転軸よりも熱伝達率及び熱膨張率が小さい部材が環状溝に一体に結合されるので、ロータから回転軸に伝達された熱が、軸受の内輪に伝わり難くなり、内外輪での温度差が抑えられて適正な予圧を維持することができ、軸受の焼き付き発生を防止することができる。
本発明の第1実施形態に係る主軸装置の断面図である。 第1実施形態の変形例に係る主軸装置の要部断面図である。 本発明の第2実施形態に係る主軸装置の断面図である。 第2実施形態の変形例に係る主軸装置の要部断面図である。 第1及び第2実施形態を組み合わせて適用した、本発明の変形例に係る主軸装置の要部断面図である。
以下、本発明に係るモータビルトイン方式の主軸装置の各実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
(第1実施形態)
図1に示すように、主軸装置10は、モータビルトイン方式であり、その軸方向中心部には、中空状の回転軸12が設けられ、回転軸12の軸芯には、ドローバー13が摺動自在に挿嵌されている。ドローバー13は、工具ホルダ14を固定するコレット部15を、皿ばね17の力によって反工具側方向(図の右方向)に付勢しており、工具ホルダ14は、回転軸12のテーパ面18と嵌合する。工具ホルダ14には工具(図示せず。)が取り付けられており、この結果、回転軸12は、一端(図の左側)に工具をクランプして、工具を取り付け可能としている。
回転軸12は、その工具側を支承する2列の前側軸受50,50と、反工具側を支承する2列の後側軸受60,60とによって、ハウジングHに回転自在に支持されている。なお、ハウジングHは、工具側から順に、フロントカバー40、前側軸受外輪押さえ29、外筒19、後側ハウジング24及び後蓋26によって構成されている。
各前側軸受50は、外輪51と、内輪52と、接触角を持って配置される転動体としての玉53と、図示しない保持器と、をそれぞれ有するアンギュラ玉軸受であり、各後側軸受60は、外輪61と、内輪62と、転動体としての玉63と、図示しない保持器と、を有するアンギュラ玉軸受である。前側軸受50,50(並列組合せ)と後側軸受60,60(並列組合せ)とは、互いに協働して背面組み合わせとなるように配置されている。
前側軸受50,50の外輪51,51は、外筒19に内嵌されており、且つ外筒19にボルト締結された前側軸受外輪押え29によって外輪間座30を介して外筒19に対し軸方向に位置決め固定されている。また、前側軸受50,50の内輪52,52は、回転軸12に外嵌されており、且つ回転軸12に締結されたナット31によって内輪間座32を介して回転軸12に対し軸方向に位置決め固定されている。
後側軸受60,60の外輪61,61は後側ハウジング24の内側に後側ハウジング24に対して軸方向に摺動自在の状態とされたスリーブ25に内嵌されており、且つスリーブ25にボルト締結された後側軸受外輪押え33によって外輪間座34を介してスリーブ25に対し軸方向に位置決め固定されている。後側軸受60,60の内輪62,62は、回転軸12に外嵌されており、回転軸12に締結された他のナット35によって、内輪間座36及び速度センサの被検出部37を介して位置決め固定されている。
回転軸12の前側軸受50,50と後側軸受60,60間の略軸方向中央には、ロータスリーブ70を介して回転軸12と一体回転可能に配置されるロータ20と、ロータ20の周囲に配置されるステータ22とを備える。ステータ22は、ステータ22に焼き嵌めされた冷却ジャケット23を、ハウジングHを構成する外筒19に内嵌することで、外筒19に固定される。ロータ20とステータ22はモータMを構成し、ステータ22に電力を供給することでロータ20に回転力を発生させ、回転軸12を回転させる。
ここで、ロータ20と回転軸12との間に配置されるロータスリーブ70は、金属から構成される。また、ロータスリーブ70が嵌合する回転軸12の嵌合部の外周面には、複数の環状溝71を画成するように環状の外向き凸部72が形成されている。各環状溝71には、炭素繊維複合材料(CFRP)73がリング状に配置され、しまり嵌め、接着、或いは一体成形などにより回転軸12に一体固定される。
炭素繊維複合材料(CFRP)としては、熱伝達率及び熱膨張率が金属材料より小さく、比弾性率が金属材料より高く、比重が金属材料より小さいものが使用される。特に、熱伝達率が小さい炭素繊維複合材料73を、ロータスリーブ70と嵌合する複数の環状溝71に配置して、ロータスリーブ70と回転軸12の金属同士の接触面積、即ち、熱伝導面積を少なくすることで、ロータ20の発熱が回転軸12に伝わり難くなり、回転軸12自体の熱膨張が抑制されて良好な加工精度が維持される。
更に、ロータ20の熱が、回転軸12を介して前側及び後側軸受50,60の内輪52,62に伝わり難く、内輪温度の昇温が抑えられることで内外輪51,52,61,62での温度差を少なくすることができる。これにより、金属と同等の強度を有したまま、前側及び後側軸受50,60の内部荷重上昇による軸受の焼付きなどの不具合が防止できる。
また、熱伝達率が小さい炭素繊維複合材料73が位置する以外のロータスリーブ70と回転軸12との対向面、即ち、ロータスリーブ70の内周面と、回転軸12の環状の外向き凸部72とは、金属同士のはめあいを残している。金属製のロータスリーブ70が、金属と比較して表面硬度が低く弾性変形し易い炭素繊維複合材料73とのみ嵌合する場合、はめあいの適正な管理が難しくなる。一方、本実施形態のように、回転軸12の環状の外向き凸部72と、ロータスリーブ70との、金属同士のはめあいを残すことで、嵌合部におけるしめしろの適正な管理が容易となる。
具体的に、炭素繊維複合材料73としては、例えば、PAN(ポリアクリルニトリル)を主原料とした炭素繊維からなる糸を平行に引きそろえたものや、炭素繊維からなる糸で形成した織物(シート状)に、硬化剤を含むエポキシ樹脂などの熱硬化樹脂を含浸させてなるシートを多数層重ね合わせて、芯金などに巻きつけ、加熱硬化させることで製造される。炭素繊維複合材料73は、纖維方向により異方性であるが、荷重方向に合わせて繊維方向を決めることができ、成型時に繊維の方向を交差させることにより等方性にして使用するのがよい。
炭素繊維複合材料73の特性としては、例えば、東邦テナックス社の炭素繊維タイプ:HTAを使用すると引張強度2060MPa、引張弾性率137GPa、比重1.55g/ccであり、従来の高張力鋼などと比べて、引張強度は同等以上であり、比重は1/5程度になる。また、熱膨張率も、繊維方向・角度を最適化することにより、−5〜+5×10−6(K−1)にすることができるので、従来の炭素鋼に比べて1/2〜1/10程
度にすることができる。
なお、回転軸12の環状溝71と環状の外向き凸部72との比率、換言すれば、ロータスリーブ70と回転軸12との嵌合部における金属同士の接触面積と、金属と炭素繊維複合材料73との接触面積との比率は、ロータスリーブ70と回転軸12との嵌合部における断熱効果と結合強度とのバランスに基づいて決定される。
また、前側及び後側軸受50,60の外輪51,61の熱は、嵌合するハウジングHを介して放熱されるのに対して、内輪52,62の熱は放熱され難く、外輪51,61より高温となる傾向がある。従って、内外輪51,52,61,62の温度差に起因する内部荷重上昇については、内輪52,62の温度管理が重要となる。
金属製のロータスリーブ70とロータ20とは、しまり嵌め、接着、或いは一体成形などで結合する。複数の珪素鋼板が積層されてなるロータ20を、金属からなる外向き凸部72と炭素繊維複合材料73とが混在する軸部にしまり嵌めで嵌合させる場合、外向き凸部72と嵌合する珪素鋼板と、金属と比較して表面硬度が低い炭素繊維複合材料73と嵌合する珪素鋼板とでは、はめあいにばらつきが生じる可能性がある。このため、複数の珪素鋼板間でのバランスにずれが生じてモータMの性能に影響を及ぼす虞がある。一方、本実施形態では、ロータ20がロータスリーブ70を介して回転軸12に嵌合することで、はめあいにばらつきが生じることがなく、しめしろの管理が容易である。
ロータ20とロータスリーブ70、及びロータスリーブ70と回転軸12とを、しまり嵌めで嵌合する場合、遠心力による膨張量の違いによる回転時の径方向の膨張量差、各部材の線膨張係数の違い(本実施形態においては金属同士の嵌合となるので略等しい)による径方向膨張量差を見込み、回転軸12の回転数や回転中の温度を考慮して、回転中のロータ20の内径とロータスリーブ70の外径間、及びロータスリーブ70の内径と回転軸12の外径間に、少なくともすきまが発生しないように適正なしめしろを選定することが好ましい。
以上説明したように、本実施形態のモータビルトイン方式の主軸装置10によれば、ロータ20と回転軸12との間にロータスリーブ70が設けられ、ロータスリーブ70と対向する回転軸12の外周面には、回転軸12よりも熱伝達率が小さい部材である炭素繊維複合材料73が部分的に介在するので、ロータ20の発熱が、回転軸12、更には回転軸12を介して前側軸受50及び後側軸受60の内輪52、62に伝わり難くなり、内外輪51、52、61、62での温度差が抑えられて適正な予圧を維持することができ、軸受50、60の焼き付き発生を防止することができる。また、回転軸12自体の膨張も抑制されるので、良好な加工精度が得られる。
また、回転軸12の外周面に複数の環状溝71を画成するように環状の外向き凸部72が形成され、複数の環状溝71に回転軸12よりも熱伝達率が小さい炭素繊維複合材料73が配置され、ロータスリーブ70の内周面と回転軸12の環状の外向き凸部72とが、しまり嵌めで嵌合するので、炭素繊維複合材料73によりロータ20の発熱を回転軸12に伝わり難くすることができ、また、回転軸12とロータスリーブ70とを金属同士の安定したはめあいとすることができる。
さらに、回転軸12よりも熱伝達率が小さい部材は、炭素繊維複合材料から形成されるので、効率的にロータ20からの熱伝達を抑制することができる。
図2は、第1実施形態の変形例に係る主軸装置の要部断面図である。本変形例の主軸装置10では、炭素繊維複合材料73の配置位置が第1実施形態と逆であり、金属製のロータスリーブ70の内周面に、複数の環状溝74を画成するように環状の内向き凸部75が形成されている。各環状溝74には、炭素繊維複合材料(CFRP)73がリング状に配置され、しまり嵌め、接着、或いは一体成形などにより結合される。
これにより、ロータスリーブ70の内周面に熱伝達率の小さな炭素繊維複合材料73を部分的に配置してロータスリーブ70と回転軸12との金属同士の接触面積を少なくすることで、ロータスリーブ70から回転軸12への熱伝達面積を小さくして、ロータスリーブ70を介して回転軸12に伝達されるロータ20の熱を抑制している。
また、ロータスリーブ70の内向き凸部75と、回転軸12の外周面との金属同士のはめあいを残して、回転軸12とロータスリーブ70とをしまり嵌めで嵌合することで、しめしろの管理が容易となる。
さらに、炭素繊維複合材料73を別部材で形成することにより、炭素繊維複合材料73を備えたロータスリーブ70を、他の主軸装置と共用化することが可能となる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態の主軸装置について図3を参照して説明する。なお、第1実施形態と同一又は同等部分には同一符号を付して説明を省略或いは簡略化する。
図3に示すように、本実施形態の主軸装置10では、ロータ20が、回転軸12の軸方向略中央に、直接しまり嵌めされて外嵌固定されている。
回転軸12には、ロータ20が嵌合する位置から軸方向両側に離れた外周面に、一対の外周側環状溝76が形成され、また、回転軸12の内周面には、一対の内周側環状溝77が形成されている。外周側環状溝76、及び内周側環状溝77には、それぞれ回転軸12よりも熱伝達率が小さい炭素繊維複合材料(CFRP)73がリング状に配置され、しまり嵌め、接着、或いは一体成形などにより回転軸12と一体に結合されている。
これにより、ロータ20と回転軸12との嵌合部(回転軸12の略軸方向中央部)と、前側軸受50及び後側軸受60との間に、熱伝達率が小さな炭素繊維複合材料73が配置されて、熱伝導率が高い金属部の断面積(熱伝導面積)が小さくなっている。
従って、ロータ20の熱が、回転軸12を介して前側及び後側軸受50,60の内輪52,62に伝わり難くなり、内輪温度の昇温を抑えることで内外輪51,52,61,62での温度差を少なくすることができる。これにより、前側及び後側軸受50,60の内部荷重上昇による軸受の焼付きなどの不具合が防止できる。
以上説明したように、本実施形態のモータビルトイン方式の主軸装置10によれば、前側及び後側軸受50、60との間、且つ、回転軸12の内周面と、ロータ20が嵌合する位置から離れた回転軸12の外周面に、回転軸12よりも熱伝達率が小さい炭素繊維複合材料73が配置されるので、ロータ20から回転軸12に伝達された熱が、前側及び後側軸受50、60の内輪52、62に伝わり難くなり、内外輪51、52、61、62での温度差が抑えられて適正な予圧を維持することができ、軸受50、60の焼き付き発生を防止することができる。
また、両環状溝76、77と一体結合されている炭素繊維複合材料73は、金属と同等以上の強度を有するので、回転軸12の強さが低下することはない。
なお、本実施形態においても、ロータ20は、ロータスリーブを介して回転軸12に外嵌させることもできる。
また、図3に示す実施形態では、外周側環状溝76と内周側環状溝77とは、略等しい幅を有し、軸方向同一位置に形成されているが、これに限定されない。即ち、炭素繊維複合材料73は、前側及び後側軸受50、60との間、且つ、回転軸12の内周面と、ロータ20又はロータスリーブが嵌合する位置から離れた回転軸12の外周面との少なくとも一ヶ所に配置されればよい。
例えば、図4は、第2実施形態の変形例に係る主軸装置の要部断面図である。回転軸12の内周側環状溝77は、ロータ20と軸方向にオーバーラップする位置に配置されている。また、内周側環状溝77は、ロータ20の軸方向両側に形成された外周側環状溝76と径方向にオーバーラップして形成されている。
そして、外周側環状溝76、及び内周側環状溝77には、熱伝達率が小さな炭素繊維複合材料73が、しまり嵌め、接着、或いは一体成形などにより回転軸12と一体に結合されているので、回転軸12のロータ20との嵌合部と、前側軸受50及び後側軸受60との間の熱伝導面積が小さくなり、前側及び後側軸受50,60の内輪52,62の温度昇温を効果的に抑制することができる。
なお、本発明は、前述した各実施形態及び各変形例に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。
例えば、前後軸受50、60は、アンギュラ玉軸受として説明したが、これに限定されず、玉軸受と円筒ころ軸受との組み合わせなど、軸受の種類、列数、配置、配列は任意に設定することができる。
また、第1実施形態と第2実施形態とは組み合わせて適用することができる。例えば、図5に示すように、第1実施形態の変形例と同様、内周面に設けられた環状溝74に炭素繊維複合材料73がリング状に配置されたロータスリーブ70が、回転軸12の外周面に嵌合している。さらに、回転軸12には、ロータスリーブ70との嵌合部と軸方向にオーバーラップして形成された内周側環状溝77に炭素繊維複合材料73が配置されている。
これにより、本変形例の主軸装置10では、ロータスリーブ70及び回転軸12に設けられた炭素繊維複合材料73によって、ロータスリーブ70と回転軸12との嵌合部、及び、前側軸受50及び後側軸受60との間の回転軸12において、熱伝導面積が少なくなっており、前側及び後側軸受50,60の内輪52,62の温度昇温が抑制される。
10 モータビルトイン方式の主軸装置
12 回転軸
20 ロータ
22 ステータ
50 前側軸受
60 後側軸受
70 ロータスリーブ
71、74 環状溝
72 外向き凸部
73 炭素繊維複合材料(熱伝達率が小さい部材)
75 内向き凸部
76 外周側環状溝
77 内周側環状溝
H ハウジング
M モータ

Claims (2)

  1. 金属製の回転軸と、
    前記回転軸をハウジングに対して回転自在に支持し、内輪が前記回転軸にそれぞれ外嵌する軸受と、
    前記回転軸と一体回転可能に配置されるロータと、該ロータの周囲に配置されるステータと、を有するモータと、
    を備えるモータビルトイン方式の主軸装置であって、
    軸方向において、前記軸受と、前記ロータ又は前記ロータが取り付けられるロータスリーブが前記回転軸に嵌合する位置との間であって、軸方向における、前記軸受と、前記ロータ又は前記ロータスリーブが前記回転軸に嵌合する位置を含まない箇所であり、且つ、前記回転軸の内周面と前記回転軸の外周面との少なくとも一ヶ所には、環状溝が形成され、
    前記回転軸よりも熱伝達率及び熱膨張率が小さい部材が前記環状溝に一体に結合されることを特徴とするモータビルトイン方式の主軸装置。
  2. 前記回転軸よりも熱伝達率及び熱膨張率が小さい部材は、炭素繊維複合材料から形成されることを特徴とする請求項1に記載のモータビルトイン方式の主軸装置。
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