JP5712838B2 - 主軸装置 - Google Patents

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本発明は、主軸装置に関し、特に、金属材料、樹脂材料、木材などを切削加工、又は、研削加工する、工作機械の主軸装置に関する。
従来の主軸装置では、主軸の前側を固定側軸受で、主軸の後側を自由側軸受で支持し、自由側軸受の外周にスリーブを外嵌して配置し、スリーブとその外側に外嵌するハウジングとの間のはめあいすきまを、運転時の主軸の熱膨張を考慮して数μm〜数十μm程度に設定したものがある。これにより、主軸装置は、モータの発熱や軸受の熱によって、回転側である主軸の温度が固定側であるハウジングの温度より高くなり、主軸が軸方向に相対的に伸びるが、この相対膨張量差をスリーブの摺動によって、主軸の後側(又は前側)に逃がすように構成されている。
但し、軸受の発熱やロータの発熱が増加すると軸受の外側に設けているスリーブに熱が伝わりスリーブが熱膨張することにより、スリーブとハウジングとのすきまが減少する。その結果、スリーブの摺動が妨げられ摺動不良となり、固定側軸受と自由側軸受に突っ張り力が発生し、軸受の転がり接触部の面圧が増加し、予圧増加や焼付きが発生する。
また、熱膨張を考慮し、摺動性不良が起きないように初期にスキマ量を大きく設けると、低速(低発熱)時にスリーブとハウジング間での振動が発生したり、この振動が原因でフレッチング等による本部位の摩耗やかじりなどの問題があった。その結果、摩耗粉の軸受内部への侵入による軸受の損傷、あるいは、かじりによる摺動不良が発生し、逆効果となる場合もあった。
特許文献1に記載の主軸装置では、軸受スリーブ、後蓋、外輪抑えの各部材を鋼よりも熱膨張係数が小さい、インバー、スーパーインバーなどの材質で構成させ、初期設定隙間の変化を小さくすることが記載されている。
また、特許文献2及び3では、コレットを挿入可能なテーパ孔を有し、工具保持部に螺合するナットを締め付けて工具を固定するようにした工具ホルダにおいて、ナットの外周面に炭素繊維層を巻き付け、遠心力によるナットの膨張抑制を図った工具ホルダが開示されている。
特開2006−88245号公報 特開平6−226516号公報 特開平6−210608号公報
ところで、特許文献1に記載の主軸装置では、軸受スリーブをインバー、スーパーインバーなどの鋼よりも熱膨張係数が小さい材質で構成させ、初期設定隙間の変化を小さくすることが記載されており、また、これらの材料は熱伝達率が低いことが知られている。しかしながら、これらの材料は、振動に対する減衰性が低く、使用される材料により、ある数値に固定されるなど、改善の余地があった。また、特許文献2及び3に記載の炭素繊維層は、工具ホルダに関するものであり、上記課題を認識するものではない。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ハウジングと軸受スリーブとの摺動部の初期隙間を小さくすることができ、低速時の振動を低減できるとともに、振動に対する減衰性が高く、高速回転時にも低振動な主軸装置を提供することにある。
本発明の上記目的は、下記の構成により達成される。
(1) 回転軸と、
内輪が前記回転軸の一端側に外嵌され、外輪がハウジングに固定される固定側軸受と、
前記回転軸の他端側に配置され、前記ハウジングにすきま嵌めで嵌合するスリーブと、
内輪が前記回転軸の他端側に外嵌され、外輪が前記スリーブに嵌合し、前記固定側軸受と協働して前記回転軸を回転自在に支持する自由側軸受と、
を有する主軸装置であって、
前記スリーブは、該スリーブと同じ軸方向長さを有する、環状の炭素繊維複合材料を少なくとも有することを特徴とする主軸装置。
(2) 前記スリーブは、その外径側に配置され、前記ハウジングに嵌合する外周面を有する環状の外側金属部材と、その内径側に配置され、前記外輪に嵌合する内周面を有する環状の内側金属部材と、前記環状の外側金属部材と前記環状の内側金属部材との間に配置される前記炭素繊維複合材料と、を有することを特徴とする(1)に記載の主軸装置。
(3) 前記スリーブは、その外径側に配置され、前記ハウジングに嵌合する外周面を有する環状の外側金属部材と、該外側金属部材の内側に配置され、前記外輪に嵌合する内周面を有する前記炭素繊維複合材料と、を有することを特徴とする(1)に記載の主軸装置。
(4) 前記スリーブは、その外径側に配置され、前記ハウジングに嵌合する外周面を有する前記炭素繊維複合材料と、該炭素繊維複合材料の内側に配置され、前記外輪に嵌合する内周面を有する環状の内側金属部材と、を有することを特徴とする(1)に記載の主軸装置。
(5) 前記固定側軸受及び自由側軸受は、定圧予圧が付与される構成であり、
前記スリーブには、前記自由側軸受の外輪の一端面に当接する外輪抑えが設けられることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の主軸装置。
(6) 前記固定側軸受及び自由側軸受は、定位置予圧が付与される構成であり、
前記自由側軸受の外輪と前記スリーブとは、すきま嵌めで嵌合しており、前記自由側軸受の外輪は、前記スリーブから径方向内向きに突出する肩部と、前記スリーブに固定される外輪抑えと、によって軸方向に位置決めされることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の主軸装置。
本発明の主軸装置によれば、ハウジングにすきま嵌めで嵌合するスリーブは、スリーブと同じ軸方向長さを有する、環状の炭素繊維複合材料を少なくとも有する。これにより、スリーブの昇温によるスリーブ外径の熱膨張を抑えることができるので、スリーブ外径とハウジング内径との隙間が減少することがない。この結果、ハウジングとスリーブとの摺動部の初期隙間を小さくすることができ、摺動性を維持しつつ、低速時の振動を低減できる。また、炭素繊維複合材料は、炭素繊維の配向方向によって異方性があり、任意に熱膨張率を変えることで、すきま設定を選択することができる。従って、スリーブの昇温とハウジング側の昇温との差によるすきまの減少分が想定できると、これに応じて、最適な熱膨張率が得られるように繊維の配向方向や角度を選ぶことも可能であり、この点、従来の材料(インバーなど)に比べて、優れている。
本発明の第1実施形態に係る主軸装置の断面図である。 本発明の第2実施形態に係る主軸装置の断面図である。 本発明の第3実施形態に係る主軸装置の断面図である。 本発明の第3実施形態の第1変形例に係る主軸装置の断面図である。 本発明の第3実施形態の第2変形例に係る主軸装置の断面図である。
以下、本発明の各実施形態に係る主軸装置について図面に基づいて詳細に説明する。
(第1実施形態)
図1に示すように、主軸装置10は、モータビルトイン方式であり、その軸方向中心部には、中空状の回転軸12が設けられ、回転軸12の軸芯には、ドローバー13が摺動自在に挿嵌されている。ドローバー13は、工具ホルダ14を固定するコレット部15を、皿ばね17の力によって反工具側方向(図の右方向)に付勢しており、工具ホルダ14は、回転軸12のテーパ面18と嵌合する。工具ホルダ14には工具(図示せず。)が取り付けられており、この結果、回転軸12は、一端(図の左側)に工具をクランプして、工具を取り付け可能としている。
また、回転軸12は、その工具側を支承する2列の前側軸受(固定側軸受)50,50と、反工具側を支承する2列の後側軸受(自由側軸受)60,60とによって、ハウジングHに回転自在に支持されている。なお、ハウジングHは、工具側から順に、フロントカバー40、前側軸受外輪押さえ29、前側ハウジング27、外筒19、後側ハウジング24及び後蓋26によって構成されている。
前側軸受50,50と後側軸受60,60間における回転軸12の外周面には、ロータ20が焼き嵌めにより外嵌されている。また、ロータ20の周囲に配置されるステータ22は、ステータ22に焼き嵌めされた冷却ジャケット23をハウジングHを構成する外筒19に内嵌することで、外筒19に固定される。従って、ロータ20とステータ22はモータMを構成し、ステータ22に電力を供給することでロータ20に回転力を発生させ、回転軸12を回転させる。
各前側軸受50は、外輪51と、内輪52と、接触角を持って配置される転動体としての玉53と、図示しない保持器と、をそれぞれ有するアンギュラ玉軸受であり、各後側軸受60は、外輪61と、内輪62と、転動体としての玉63と、図示しない保持器と、を有するアンギュラ玉軸受である。
前側軸受50,50の外輪51,51は、前側ハウジング27に内嵌されており、且つ前側ハウジング27にボルト締結された前側軸受外輪押え29によって外輪間座30を介して前側ハウジング27に対し軸方向に位置決め固定されている。また、前側軸受50,50の内輪52,52は、回転軸12に外嵌されており、且つ回転軸12に締結されたナット31によって内輪間座32を介して回転軸12に対し軸方向に位置決め固定されている。
後側軸受60,60の外輪61,61は後側ハウジング24の内側に後側ハウジング24に対して軸方向に摺動自在の状態とされたスリーブ25に内嵌されている。また、外輪61,61は、且つスリーブ25にボルト締結された後側軸受外輪押え33に一端面が当接されており、外輪間座34を介してスリーブ25に対し軸方向に位置決め固定されている。後側軸受60,60の内輪62,62は、回転軸12に外嵌されており、回転軸12に締結された他のナット35によって、内輪間座36及び速度センサ37の被検出部38を介して位置決め固定されている。
前側軸受50,50(並列組合せ)と後側軸受60,60(並列組合せ)とは、互いに協働して背面組み合わせとなるように配置されており、前側軸受50,50と後側軸受60,60には、定圧予圧が付与される構成となっている。後側ハウジング24と後側軸受外輪押え33との間には、バネなどの付勢部材39が配置されており、後側軸受外輪押さえ33とスリーブ25とは、後側ハウジング24に対して軸方向に摺動自在となる。
ここで、スリーブ25は、その外径側に配置され、後側ハウジング24に嵌合する外周面を有する環状の外側金属部材71と、その内径側に配置され、外輪61,61に嵌合する内周面を有する環状の内側金属部材72と、外側金属部材71と内側金属部材72との間に配置される環状の炭素繊維複合材料(CFRP)73と、を有する。外側金属部材71、内側金属部材72、及び炭素繊維複合材料73が、それぞれスリーブ25と同じ軸方向長さを有しており、スリーブ25は、半径方向多層構造に構成されている。
外側及び内側金属部材71,72には、炭素鋼、SCM材、鋳鉄などの金属材料が使用される。また、炭素繊維複合材料73は、外側及び内側金属部材71,72を構成する金属材料より比弾性率が高く、比重が小さく、熱膨張率が小さいものが使用される。特に、炭素繊維複合材料の比弾性率は、共にスリーブ25を形成する外側及び内側金属部材71,72の熱膨張に対応するため、好ましくは、使用される金属材料の2倍以上、より好ましくは3倍以上とする。炭素繊維複合材料は、繊維方向により異方性であるが、かかる荷重の方向に合わせて、成形時に繊維方向を決定する。また、繊維方向を交差させることで、等方性にして使用してもよい。さらに、円周方向の比弾性率が大きくなるように、繊維方向を決定してもよい。
例えば、炭素繊維複合材料73は、PAN(ポリアクリルニトリル)を主原料とした炭素繊維からなる糸を平行に引きそろえたものや、炭素繊維からなる糸で形成した織物(シート状)に、硬化剤を含むエポキシ樹脂などの熱硬化樹脂を含浸させてなるシートを多数層重ね合わせて、芯金などに巻きつけ、加熱硬化させることで製造される。
炭素繊維複合材料73の特性としては、例えば、東邦テナックス社の炭素繊維タイプ:HTAを使用すると引張強度2060MPa、引張弾性率137GPa、比重1.55g/ccであり、従来の高張力鋼などと比べて、引張強度は同等以上であり、比重は1/5程度になる。また、熱膨張率も、繊維方向・角度を最適化することにより、−5〜+5°×10−6℃にすることができるので、従来の炭素鋼に比べて1/2〜1/10程度にすることができる。スリーブ25とハウジング24の運転中の温度差による半径方向の膨張量差を想定し、両者間のすきまが減少することがないような適正な熱膨張率となるように繊維方向や角度を最適化してもよい。
炭素繊維複合材料73と外側及び内側金属部材71,72との結合方法は、別々に形成されたものを締まり嵌めや接着により結合してもよく、あるいは、一体成形であってもよい。
このように、内側金属部材72の外側に炭素繊維複合材料73を設けることで、内側金属部材72の膨張を外側の炭素繊維複合材料73によって押さえ込むことができる。従って、スリーブ25の外径が膨張して、後側ハウジング24とスリーブ25との間の隙間が減少するのを抑制することができる。
また、炭素繊維複合材料73のような熱伝達率の小さい材料を用いることで、炭素繊維複合材料73よりも外側の部材に軸受の熱が伝達され難くなる。これにより、後側ハウジング24の温度が上昇し難くなり、主軸の熱変位による加工精度の悪化を防止することができる。また、炭素繊維複合材料73の外側にある外側金属部材71の温度も上がり難いので、その分も隙間が減少しにくくなる。
なお、内側金属部材72は、ノビナイトなどの、炭素繊維複合材料73により近い線膨張係数を有する低膨張鋳物部材を用いることで、後側ハウジング24とスリーブ25との隙間の減少を抑制するうえでより好ましいが、例えば、後側ハウジング24と線膨張係数が同程度の材質であっても、炭素繊維複合材料73の押さえ込み作用により、効果を発揮することができる。また、炭素繊維複合材料73の肉厚を内側金属部材72に比べて厚くしておくことで、押さえ込み作用がより大きくなり好ましい。
また、本実施形態では、後側ハウジング24と直接接触していない、熱容量が大きい後側軸受外輪押え33と外輪61,61とを結合することで、熱を外輪押え33側に逃がすという効果もある。
この結果、後側ハウジング24とスリーブ25との摺動部の初期隙間を小さくすることができ、摺動性を維持しつつ、低速(低発熱)時の振動を低減できる。また、高速回転時の発熱によりスリーブの外径の膨張を押さえ、隙間の減少を押さえ、スリーブの摺動不良を防止することができる。
さらに、炭素繊維複合材料は、振動に対する減衰性に優れていることから、振動を抑制することができる。
また、本実施形態においても、スリーブ25は、第2及び第3実施形態と同様に、外側金属部材71と炭素繊維複合材料73との組合せや、炭素繊維複合材料73と内側金属部材72との組合せ、炭素繊維複合材料73のみのいずれかによって構成することができる。特に、スリーブ25の外周面は、後側ハウジング24との摺動性を満足するものであれば、外側金属部材71によって構成されてもよいし、炭素繊維複合材料73によって構成されてもよい。また、炭素繊維複合材料の外周面に金属メッキやセラミックを溶射するようにしてもよい。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態に係る主軸装置について、図2を参照して説明する。なお、第1実施形態と同一又は同等部分については、同一符号を付して説明を省略或いは簡略化する。
本実施形態では、回転軸12は、その工具側を支承する2列の前側軸受(固定側軸受)50,50と、反工具側を支承する2列の後側軸受(自由側軸受)60,60とによって、ハウジングHに回転自在に支持されており、外部からの駆動力によって回転駆動される。なお、ハウジングHは、工具側から順に、前側軸受外輪押さえ29、外筒19、及び後蓋26によって構成されている。
前側軸受50,50と後側軸受60,60は、それぞれ背面組み合わせとなるように配置されており、定位置予圧が付与される構成となっている。前側軸受50,50の外輪51,51は、外筒19に内嵌されており、且つ外筒19にボルト締結された前側軸受外輪押え29によって外輪間座30を介して外筒19に対し軸方向に位置決め固定されている。また、前側軸受50,50の内輪52,52は、回転軸12に外嵌されており、且つ回転軸12に締結されたナット31によって内輪間座32を介して回転軸12に対し軸方向に位置決め固定されている。
後側軸受60,60の外輪61,61は外筒19に対して軸方向に摺動自在の状態とされたスリーブ25に内嵌されて、スリーブ25に対し軸方向に位置決め固定されている。後側軸受60,60の内輪62,62は、回転軸12に外嵌されており、回転軸12に締結された他のナット35によって、内輪間座36を介して軸方向に位置決め固定されている。
ここで、スリーブ25は、その外径側に配置され、外筒19に嵌合する外周面を有する炭素繊維複合材料(CFRP)81と、炭素繊維複合材料81の内側に配置され、外輪61,61に嵌合する内周面を有する環状の内側金属部材82と、を有した半径方向多層構造に構成されている。炭素繊維複合材料81と内側金属部材82とは、接着又は焼嵌めによって接合される。また、炭素繊維複合材料81の外周面の仕上げは、内側金属部材82との接合後に行われるのが好ましい。
さらに、スリーブ25には回り止め部85が設けられており、加減速時の転がり軸受60の摩擦トルク増によるハウジング19とスリーブ25間の円周方向滑りを防止している。
このように、スリーブ25の外側を炭素繊維複合材料81、内側を内側金属部材82とすることで、内側金属部材82の膨張を炭素繊維複合材料81で押さえ込むことができ、外筒19とスリーブ25との隙間の減少を抑制することができる。また、熱膨張量は、(熱膨張量=線膨張係数×長さ(この場合、直径)×温度上昇)で与えられるので、径の大きいスリーブ25の外側部位に炭素繊維複合材料81を配置することで、効果的にスリーブ25の膨張を押さえることができる。
(第3実施形態)
図3は、本実施形態の第3実施形態に係る主軸装置10の断面図である。この実施形態では、スリーブ25の内周面、即ち、内側金属部材82の内周面と後側軸受60,60の外輪61,61の外周面とのはめあいをすきま嵌めとしている。
スリーブ25と外輪61,61との間のすきまは、軸受60,60が高速回転した際の玉63,63の遠心力作用による外輪61,61の半径方向膨張分より大きく設定することで、遠心力による内部予圧の増大を外輪膨張で緩和することができる。
ただし、スリーブ25と外輪61,61との間をすきま嵌めとする場合、外輪61,61がスリーブ25の内部で円周方向に滑らないように、外輪61,61の両端面を内側金属部材82の肩部82aと、内側金属部材82にボルト締結された外輪押さえ84とで押さえるように構成される。また、外輪61,61の両端面を押さえることで、すきま嵌めにより懸念される軸受60,60の振動も防止することができる。
なお、その他の構成及び作用については、第2実施形態と同様である。
図4は、本実施形態の第3実施形態の第1変形例に係る主軸装置10の断面図である。この変形例では、スリーブ25の構成において第3実施形態と異なる。即ち、スリーブ25は、その外径側に配置され、外筒19に嵌合する外周面を有する環状の外側金属部材83と、外側金属部材83の内側に配置され、外輪61,61にすきま嵌めで嵌合する内周面を有する炭素繊維複合材料(CFRP)81と、を有する。
この場合、スリーブ25と外輪61,61との間のすきまは、第3実施形態と同様、軸受60,60が高速回転した際の玉63,63の遠心力作用による外輪61,61の半径方向膨張分より大きく設定されているので、このすきまによって遠心力による内部予圧の増大を緩和する外輪膨張が許容されている。従って、スリーブ25の内周面は、該変形例のように、炭素繊維複合材料81によって構成されてもよい。
また、この場合、外輪61,61の両端面を炭素繊維複合材料81の肩部81aと、スリーブ25にボルト締結された外輪押さえ84とで抑えるように構成される。
図5は、本実施形態の第3実施形態の第2変形例に係る主軸装置10の断面図である。この変形例では、スリーブ25全体が炭素繊維複合材料81によって構成されている。
この場合にも、スリーブ25と外輪61,61との間のすきまは、第3実施形態と同様、軸受60,60が高速回転した際の玉63,63の遠心力作用による外輪61,61の半径方向膨張分より大きく設定されているので、このすきまによって遠心力による内部予圧の増大を緩和する外輪膨張が許容されている。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良等が可能である。
上述した実施形態は、前側軸受、後側軸受を一対のアンギュラ玉軸受によって構成したが、軸受の種類や数はこれに限定されず、使用状態に応じて適宜設計することができる。
10 主軸装置
12 回転軸
20 ロータ
22 ステータ
24 後側ハウジング
50 前側軸受(固定側軸受)
60 後側軸受(自由側軸受)
71,83 外側金属部材
72,82 内側金属部材
73,81 炭素繊維複合材料
H ハウジング

Claims (6)

  1. 回転軸と、
    内輪が前記回転軸の一端側に外嵌され、外輪がハウジングに固定される固定側軸受と、
    前記回転軸の他端側に配置され、前記ハウジングにすきま嵌めで嵌合するスリーブと、
    内輪が前記回転軸の他端側に外嵌され、外輪が前記スリーブに嵌合し、前記固定側軸受と協働して前記回転軸を回転自在に支持する自由側軸受と、
    を有する主軸装置であって、
    前記スリーブは、該スリーブと同じ軸方向長さを有する、環状の炭素繊維複合材料を少なくとも有することを特徴とする主軸装置。
  2. 前記スリーブは、その外径側に配置され、前記ハウジングに嵌合する外周面を有する環状の外側金属部材と、その内径側に配置され、前記外輪に嵌合する内周面を有する環状の内側金属部材と、前記環状の外側金属部材と前記環状の内側金属部材との間に配置される前記炭素繊維複合材料と、を有することを特徴とする請求項1に記載の主軸装置。
  3. 前記スリーブは、その外径側に配置され、前記ハウジングに嵌合する外周面を有する環状の外側金属部材と、該外側金属部材の内側に配置され、前記外輪に嵌合する内周面を有する前記炭素繊維複合材料と、を有することを特徴とする請求項1に記載の主軸装置。
  4. 前記スリーブは、その外径側に配置され、前記ハウジングに嵌合する外周面を有する前記炭素繊維複合材料と、該炭素繊維複合材料の内側に配置され、前記外輪に嵌合する内周面を有する環状の内側金属部材と、を有することを特徴とする請求項1に記載の主軸装置。
  5. 前記固定側軸受及び自由側軸受は、定圧予圧が付与される構成であり、
    前記スリーブには、前記自由側軸受の外輪の一端面に当接する外輪抑えが設けられることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の主軸装置。
  6. 前記固定側軸受及び自由側軸受は、定位置予圧が付与される構成であり、
    前記自由側軸受の外輪と前記スリーブとは、すきま嵌めで嵌合しており、前記自由側軸受の外輪は、前記スリーブから径方向内向きに突出する肩部と、前記スリーブに固定される外輪抑えと、によって軸方向に位置決めされることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の主軸装置。
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