JP4048050B2 - 主軸装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、工作機械の主軸装置に関し、更に詳しくは、主軸を回転自在に支持する軸受の温度上昇を、効果的に抑制できるように構成された主軸装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の主軸装置の一例を図5に示す。尚、図5は、かかる主軸装置を示す断面図である。この主軸装置50はマシニングセンタに用いられるもので、図示するように、保持穴51aを有するハウジング51と、このハウジング51の前記保持穴51a内に、所定間隔を隔てて嵌挿された2つの軸受52,52と、この軸受52,52によって回転自在に支持された主軸53と、前記ハウジング51の前端部に取り付けられた前カバー54などを備えて構成される。
【0003】
各軸受52は、それぞれ外輪52a及びこの外輪52aの内側に配置される内輪52b、並びにこれら外輪52a,内輪52b間に配置される転動体52cからなる。尚、前記外輪52aは外輪間座60によってその位置が規制されており、前記内輪52bは内輪間座70によってその位置が規制されている。また、前記外輪52aと、前記ハウジング51の保持穴51aとの間の嵌め合いは、すきま嵌めとなっており、図示はしていないが、外輪52aの外周面52dと保持穴51aの内周面との間には、わずかな隙間が存在している。
【0004】
また、前記外輪間座60は、その両端部に配設されたノズル61,61を備え、更に、このノズル61,61に接続した潤滑油供給孔62を備えている。潤滑油供給孔62は、前記ハウジング51に形成された潤滑油供給路51bと連通しており、適宜潤滑油供給手段(図示せず)から潤滑油供給路51b及び潤滑油供給孔62を介して前記ノズル61に潤滑油が供給され、当該ノズル61から前記転動体52cに向けて潤滑油が吐出される。
【0005】
また、前記外輪間座60の両端面には、潤滑油排出溝63が形成されている。この潤滑油排出溝63は、前記軸受52の内部空間52e、及び前記ハウジング51に形成された潤滑油排出路51cと連通しており、これら潤滑油排出溝63及び潤滑油排出路51cを介して、前記内部空間52eから潤滑油が排出されるようになっている。
【0006】
また、前記主軸53には、その中心部に中心穴53aが形成されており、この中心穴53a内には、工具Tを保持,固定するためのコレットチャック56及びこれを駆動するドローバ55などが配設されている。
【0007】
そして、前記主軸53は、図示しない駆動モータによって、その中心軸周りに回転駆動される。主軸53が回転すると、これと共に軸受52の内輪52bが回転し、外輪52a,内輪52b間に配設された転動体52cが、外輪52a及び内輪52bに形成された軌道上を自転しながら公転する。その際、前記ノズル61から吐出される潤滑油によって転動体52c及び軌道が潤滑され、これにより転動体52cと外輪52a及び内輪52bとの間の摩擦が緩和される。斯くして、かかる転動体52cの作用により、外輪52aに対して内輪52bが抵抗無く回転し、この結果、主軸53がスムーズに回転する。
【0008】
ところで、転動体52cが自転しつつ公転する際、転動体52cと外輪52a及び内輪52bとの間には、全く摩擦が存在しないのではなく、これらの接触点の弾性変形領域における微小すべりによるわずかな摩擦抵抗及び潤滑油の撹拌抵抗が存在する。このため、転動体52cの自,公転によって外輪52a及び内輪52bとの間に摩擦熱が生じ、この摩擦熱によって軸受52が昇温し、当該軸受52が熱膨張することになる。
【0009】
そこで、従来、上述した如く、外輪52aとハウジング51の保持穴51aとの間の嵌め合いをすきま嵌めとして、外輪52aと保持穴51aとの間に隙間を生じさせ、この隙間により、軸受52の熱膨張を吸収し得る構造としていた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記従来の主軸装置50には、以下に説明するような問題があった。
【0011】
一般に、固相−気相間の熱移動量は、固相−固相間の熱移動量に比べて著しく低い。したがって、上記のように外輪52aと保持穴51aとをすきま嵌めとすると、外輪52aと保持穴51aとの間に隙間、即ち、気体(空気)が存在することになり、軸受52に生じた摩擦熱の外部への放熱が、この気体によって阻害されるのである。このため、従来の構造では、摩擦熱が軸受52及びその内輪52bを介して主軸53に蓄積され易く、主軸53が熱膨張を起こし、これが加工精度に悪影響を与える原因となっていた。
【0012】
また、蓄積された熱によって軸受52が熱膨張を続けると、その外輪52aがハウジング51の保持穴51aに圧接することになるが、この場合、固相−固相間の熱移動によって、軸受52からハウジング51に放熱される環境が確立されるものの、その反面、ハウジング51によって軸受52の熱膨張が抑制され、その結果、転動体52cと外輪52a及び内輪52bとの間の隙間が減少して摩擦力が著しく増し、発生する摩擦熱が却って増大する結果となる。
【0013】
そして、主軸53を超高速回転(例えば、軸受52の転動体52cのピッチ円直径をDm(mm)、主軸53の回転速度をN(min−1)とした時、Dm×Nの値が3×106以上となる回転)させるなどして、発生する摩擦熱量がハウジング51への放熱量を越える事態に至った場合には、転動体52cと外輪52a及び内輪52bとの間の摩擦力が加速的に増大して、最終的には軸受52が焼き付くことになる。
【0014】
本発明は、以上の実情に鑑みなされたものであって、軸受に生じた摩擦熱の放熱を促進し、且つ摩擦熱の発生を効果的に抑制し得る主軸装置の提供を目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段及びその効果】
上記目的を達成するための本発明は、保持穴を有するハウジングと、該ハウジングの保持穴内に配設され、少なくとも外輪及び該外輪の内側に配置される内輪、並びに該外輪,内輪間に配置される転動体からなる軸受と、該軸受によって回転自在に支持される主軸とを備えて構成される主軸装置において、
金属から構成される、複数の管状をした部材を、前記ハウジングの保持穴と外輪との間に、該各管状部材の軸線が前記主軸の軸線とそれぞれ平行となるように且つ前記保持穴内周面及び外輪外周面の双方に圧接するように配設したことを特徴とする主軸装置に係る。
【0016】
この主軸装置によれば、主軸が回転し、これに伴って軸受に摩擦熱が生じると、当該軸受に生じた摩擦熱が、ハウジングの保持穴と外輪との間に、該保持穴内周面及び外輪外周面の双方に圧接するように配設された複数の金属製の管状部材を介して、ハウジングに放熱される。
【0017】
この金属製の管状部材を介した放熱は、固相−固相間の熱移動であり、上述した従来の主軸装置におけるような固相−気相間の熱移動に比べて、移動する熱量が大きく、効果的に放熱することができる。これにより、軸受や主軸に蓄熱される熱量を抑制することができ、主軸の熱膨張を最小限に押えることができるとともに、主軸の熱膨張に起因した加工精度の悪化を抑えることができる。
【0018】
一方、摩擦熱によって軸受が熱膨張すると、前記管状部材は、軸受の熱膨張に伴う作用力を受けて自体弾性変形し、その作用力を吸収する。したがって、外輪及び内輪と転動体との間に生じる摩擦力は、従来のように、その熱膨張によって著しく増大することは無い。このため、主軸を超高速(例えば、前記Dm×Nの値が3×106以上となる回転速度)で回転させても、軸受に生じる摩擦熱量を、軸受からハウジングに放熱され得る熱量以下に押えることが可能であり、摩擦熱量と放熱量とを平衡状態に保つことが可能である。尚、管状部材は、内部が中空であるため弾性変形し易く、軸受の熱膨脹に伴う前記作用力を効果的に吸収することができる。
【0019】
このように、この主軸装置によれば、前記管状部材の作用により、軸受に生じた摩擦熱の放熱を促進することができるとともに、外輪の熱膨脹を妨げず、転動体と外輪及び内輪との間の隙間の減少を防ぎ、発生する摩擦熱が軸受の熱膨張に伴って著しく増大するのを効果的に抑制することができる。
【0020】
尚、各管状部材は、前記弾性変形に支障をきたさないように、隣り合う管状部材との間に間隙を有するように配置されるのが好ましい。そして、その位置関係を維持するためには、この隣り合う管状部材同士を接着剤によって接着したり、或いは、各管状部材間に、その軸線に沿ったスペーサを介挿させると良い。尚、このスペーサは、管状部材との対向面に、この管状部材の軸線に沿った凹溝を備え、凹溝部が、管状部材に対して非接触となるように構成されているものが好ましく、更に、このスペーサを用いる場合に、隣り合う管状部材同士、及びこの管状部材間に介挿されたスペーサを接着剤によって接着することもできる。
【0021】
また、前記各管状部材内にゲル剤などの制振剤を充填した構成としても良い。これにより、管状部材の剛性を高めることができ、軸受に生じた振動を制振剤によって効果的に吸収することができる。
【0022】
或いは、前記各管状部材内に、冷却液を流通せしめる構成とすることもできる。具体的には、冷却液が流通する流路であって、前記各管状部材の内部に連通する往路及び復路をそれぞれ前記ハウジングに形成するとともに、前記往路に冷却液を供給する一方、前記復路から冷却液を受け入れる冷却液供給手段を設けて、前記冷却液供給手段から供給された冷却液が、前記往路,管状部材内部,復路を順次経由して前記冷却液供給手段に還流されるように構成する。このようにすれば、前記管状部材内を流通する冷却液によって、軸受を冷却することができ、より効果的に、その温度上昇を抑制することができる。
【0023】
また、前記管状部材に代えて、金属から構成される環状部材を、前記ハウジングの保持穴と外輪との間に、前記外輪と同軸となるように且つ前記保持穴内周面及び外輪外周面の双方に圧接するように配設しても良い。この環状部材には、環状溝が外周側及び/又は内周側に周方向に沿って形成され、この環状溝内には、上記と同様、前記冷却液供給手段によって冷却液が流通せしめられる。
【0024】
前記管状部材に代えて前記環状部材を設けるようにしても、この環状部材の外周側及び/又は内周側に、周方向に沿った環状溝を形成した構造故、上記管状部材と同様に、弾性変形し易く、軸受の熱膨脹に伴う前記作用力を効果的に吸収することができる。また、冷却液によって軸受を冷却し、その温度上昇をより効果的に抑制することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の具体的な実施形態について添付図面に基づき説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る主軸装置の概略構成を示した断面図であり、図2は、図1における矢示A―A方向の上半分を示した断面図である。図1及び図2に示すように、本実施形態に係る主軸装置1は、上記従来の主軸装置50を改良したものであり、従って、従来の主軸装置50の構成と同じ構成部分については同一の符号を付して、その詳しい説明を省略する。
【0026】
図1及び図2に示すように、本例の主軸装置1は、ハウジング51の保持穴51aと各軸受52との間に、それぞれ支持リング10を圧挿した構成を備える。
【0027】
この支持リング10は、軸線が前記主軸53の軸線と平行、且つ所定間隔で環状に配置された複数の管状部材11を備え、隣り合う管状部材11間にそれぞれスペーサ13を介挿するとともに、この隣り合う管状部材11同士、及びこの管状部材11間に介挿されたスペーサ13をエポキシ樹脂などの接着剤14によって接着せしめた構造を備える。尚、前記管状部材11は、金属製であれば何らその材質が限定されるものではないが、熱伝導性能に優れ、且つ適切な縦弾性係数である点でアルミニウム製であるのが好ましい。また、その内部にはゲル剤などの制振剤12が充填されている。
【0028】
また、前記スペーサ13は、図3に示すように、管状部材11との対向面に、その軸線に沿った凹溝13bを備え、この凹溝13bの両縁部13a,13aが管状部材11に接触し、凹溝13b内は管状部材11に対して非接触となるように構成されている。
【0029】
かかる支持リング10は、例えば、次のようにしてこれを製造することができる。即ち、まず、円筒形状をなし、且つその外周面に軸方向に沿った複数の凹溝を円周方向に所定間隔で備える治具の前記各凹溝に、それぞれ制振剤12の充填された管状部材11を装着し、ついで、装着した管状部材11間にスペーサ13を介挿した後、その外側から接着剤14を塗布してこれらを接着する。
【0030】
次に、接着剤14を乾燥,固化させた後、治具に装着されたままの状態で、円筒研削盤によって、管状部材11が表面に現れるまで、接着剤14の外周面を研削加工する。そして、研削加工後、一体的に形成された管状部材11,スペーサ13及び接着剤14から構成される構造体を前記治具から取外し、これを前記ハウジング51の保持穴51aに嵌挿する。
【0031】
次に、保持穴51aに嵌挿された前記構造体の内側から接着剤14を塗布して、これを乾燥,固化させた後、ハウジング51に装着されたままの状態で、円筒研削盤によって、管状部材11が表面に現れるまで、接着剤14の内周面を研削加工する。以上のようにして、上記構造の支持リング10を製造することができる。
【0032】
次に、上記のようにして製造された支持リング10内に軸受52を嵌挿した後、主軸53などを順次組み付けて、本例の主軸装置1とする。
【0033】
尚、上述したように、支持リング10はハウジング51の保持穴51aと各軸受52との間にそれぞれ圧挿された状態となっている。言い換えれば、支持リング10の外周部10aとハウジング51の保持穴51aとの間、及び前記支持リング10の内周部10bと外輪52aの外周部52dとの間の嵌め合いが、それぞれしまり嵌めとなっており、管状部材11は前記保持穴51a及び外輪52aに対して圧接した状態となっている。
【0034】
また、支持リング10は、スペーサ2,3によって、ハウジング51の軸方向における移動が規制されている。このスペーサ2には、前記潤滑油供給孔62と連通する潤滑油供給孔62a、及び前記潤滑油排出溝63と連通する潤滑油排出溝63aがそれぞれ形成されており、前記潤滑油供給手段(図示せず)から前記潤滑油供給路51b,前記潤滑油供給孔62,62a及び前記ノズル61を介して前記転動体52cに潤滑油が供給される一方、供給された潤滑油が、前記潤滑油排出溝63,63a及び前記潤滑油排出路51cを介して前記軸受52の内部52eから排出される。
【0035】
以上の構成を備えた本例の主軸装置1によれば、主軸53が回転し、これに伴って軸受52に摩擦熱が生じると、当該軸受52に生じた摩擦熱が、ハウジング51の保持穴51aと外輪52aとの間に、これらに圧接するように配設された管状部材11を介して、ハウジング51に放熱される。
【0036】
この管状部材11を介した放熱は、固相−固相間の熱移動であり、上述した従来の主軸装置におけるような固相−気相間の熱移動に比べて、移動する熱量が大きく、効果的に放熱することができる。これにより、軸受52や主軸53に蓄熱される熱量を抑制することができ、主軸53の熱膨張を最小限に押えることができるとともに、主軸53の熱膨張に起因した加工精度の悪化を抑えることができる。
【0037】
一方、摩擦熱によって軸受52が熱膨張すると、前記管状部材11は、中空構造であるが故に、軸受52の熱膨張に伴う作用力を受けて自体容易に弾性変形し、その作用力を吸収する。したがって、外輪52a及び内輪52bと転動体52cとの間に生じる摩擦力は、従来のように、その熱膨張によって著しく増大することは無い。このため、主軸53を超高速(例えば、前記Dm×Nの値が3×106以上となる回転速度)で回転させても、軸受52に生じる摩擦熱量を、軸受52からハウジング51に放熱され得る熱量以下に押えることが可能であり、摩擦熱量と放熱量とを平衡状態に保つことが可能である。
【0038】
このように、この主軸装置1によれば、前記管状部材11の作用によって、軸受52に生じた摩擦熱の放熱を促進することができるとともに、外輪52aの熱膨脹を妨げず、転動体52cと外輪52a及び内輪52bとの間の隙間の減少を防ぎ、発生する摩擦熱が軸受52の熱膨張に伴って著しく増大するのを効果的に抑制することができる。
【0039】
また、隣り合う管状部材11間にスペーサ13を介挿しているので、管状部材11の配置間隔を適正に保つことができ、また、前記スペーサ13の管状部材11との対向面に凹溝13bを設けているので、かかる凹溝13の存在により、管状部材11が弾性変形可能となっている。
【0040】
また、支持リング10は、接着剤14や管状部材11内に充填された制振剤12によって所定の剛性が確保され、更に、軸受52に生じた振動が前記制振剤12によって効果的に吸収される。
【0041】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明の採り得る具体的な態様は、何らこれに限定されるものではない。
【0042】
例えば、前記各管状部材11内に制振剤12を充填しないで、当該管状部材11内に冷却液を流通せしめる構成とすることもできる。具体的には、冷却液が流通する流路であって、前記各管状部材11の内部に連通する往路及び復路をそれぞれ前記ハウジング51に形成するとともに、前記往路に冷却液を供給する一方、前記復路から冷却液を受け入れる冷却液供給手段を設けて、前記冷却液供給手段から供給された冷却液が、前記往路,管状部材内部,復路を順次経由して前記冷却液供給手段に還流されるように構成する。このようにすれば、前記管状部材内11を流通する冷却液によって、軸受52を冷却することができ、より効果的に、その温度上昇を抑制することができる。
【0043】
また、上例の支持リング10に代えて、図4に示すような支持リング20を使用することもできる。同図4に示すように、この支持リング20は、前記軸受52側に複数の環状溝21aが形成された環状部材21から構成されるものであり、この環状溝21内には冷却液が流通するように構成される。
【0044】
この場合、前記ハウジング51には、冷却液が流通する流路であって、前記各環状溝21aに連通する往路及び復路からなる冷却液流通用の流路がそれぞれ形成される。また、前記往路に冷却液を供給する一方、前記復路から冷却液を受け入れる冷却液供給手段が設けられる。そして、前記冷却液供給手段から供給された冷却液は、前記往路,環状溝21a内部,復路を順次経由して前記冷却液供給手段に還流されるようになっている。
【0045】
このような支持リング20によっても、かかる環状部材21がその径方向への弾性変形が可能であるので、上述の支持リング10と同様の効果を得ることができる。尚、前記環状溝21aは、これが環状部材21の軸受52側に形成された構造に限られるものでは無く、これがハウジング51側に形成されていても、或いは、軸受52側及びハウジング51側の双方に形成されていても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態に係る主軸装置の概略構成を示した断面図である。
【図2】 図1における矢示A―A方向の上半分を示した断面図である。
【図3】 本実施形態に係るスペーサの概略構成を示した平面図である。
【図4】 本発明の他の形態に係る支持リングの概略構成を示した断面図である。
【図5】 従来例に係る主軸装置の概略構成を示した断面図である。
【符号の説明】
1 主軸装置
2,3 スペーサ
10 支持リング
11 管状部材
12 制振剤
13 スペーサ
13b 凹溝
14 接着剤
51 ハウジング
52 軸受
52a 外輪
52b 内輪
52c 転動体
53 主軸
Claims (7)
- 保持穴を有するハウジングと、該ハウジングの保持穴内に配設され、少なくとも外輪及び該外輪の内側に配置される内輪、並びに該外輪,内輪間に配置される転動体からなる軸受と、該軸受によって回転自在に支持される主軸とを備えて構成される主軸装置において、
金属から構成される、複数の管状をした部材を、前記ハウジングの保持穴と外輪との間に、該各管状部材の軸線が前記主軸の軸線とそれぞれ平行となるように且つ前記保持穴内周面及び外輪外周面の双方に圧接するように配設したことを特徴とする主軸装置。 - 前記各管状部材を、隣り合う管状部材との間に間隙を有するように配置するとともに、隣り合う管状部材同士を接着剤によって接着せしめたことを特徴とする請求項1記載の主軸装置。
- 前記各管状部材間に、その軸線に沿ったスペーサを介挿してなり、
該スペーサは、前記管状部材との対向面に、前記軸線に沿った凹溝を備え、該凹溝部が、前記管状部材に対して非接触となるように構成されてなる請求項1記載の主軸装置。 - 隣り合う前記管状部材同士、及び該管状部材間に介挿されたスペーサを接着剤によって接着せしめたことを特徴とする請求項3記載の主軸装置。
- 前記各管状部材内に制振剤を充填したことを特徴とする請求項1乃至4記載のいずれかの主軸装置。
- 冷却液が流通する流路であって、前記各管状部材の内部に連通する往路及び復路をそれぞれ前記ハウジングに形成するとともに、
前記往路に冷却液を供給する一方、前記復路から冷却液を受け入れる冷却液供給手段を設けて、
前記冷却液供給手段から供給された冷却液が、前記往路,管状部材内部,復路を順次経由して前記冷却液供給手段に還流されるように構成したことを特徴とする請求項1乃至4記載のいずれかの主軸装置。 - 保持穴を有するハウジングと、該ハウジングの保持穴内に配設され、少なくとも外輪及び該外輪の内側に配置される内輪、並びに該外輪,内輪間に配置される転動体からなる軸受と、該軸受によって回転自在に支持される主軸とを備えて構成される主軸装置において、
金属から構成され、外周側及び/又は内周側に周方向に沿って環状溝が形成された環状の部材であって、前記ハウジングの保持穴と外輪との間に、前記外輪と同軸となるように且つ前記保持穴内周面及び外輪外周面の双方に圧接するように配設された環状部材と、
前記環状溝に冷却液を供給する冷却液供給手段とを備え、
前記ハウジングには、前記冷却液が流通する流路であって、前記環状溝内に連通する往路及び復路がそれぞれ形成され、
前記冷却液供給手段は、前記往路に冷却液を供給し、前記復路から冷却液を受け入れるように構成され、
前記冷却液供給手段から供給された冷却液が、前記往路,環状溝内部,復路を順次経由して前記冷却液供給手段に還流されるように構成されてなることを特徴とする主軸装置。
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JP2003191104A (ja) | 2003-07-08 |
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