JP2003191104A - 主軸装置 - Google Patents

主軸装置

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JP2003191104A
JP2003191104A JP2001391669A JP2001391669A JP2003191104A JP 2003191104 A JP2003191104 A JP 2003191104A JP 2001391669 A JP2001391669 A JP 2001391669A JP 2001391669 A JP2001391669 A JP 2001391669A JP 2003191104 A JP2003191104 A JP 2003191104A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】軸受に生じた摩擦熱の放熱を促進し、且つ摩擦
熱の発生を効果的に抑制し得る主軸装置を提供する。 【解決手段】主軸装置1は、ハウジング51の保持穴5
1aと、軸受52との間に圧挿された支持リング10を
備える。支持リング10は、軸線が主軸53の軸線と平
行、且つ所定間隔で環状に配置された複数の管状部材1
1を備え、隣り合う管状部材11間にスペーサ13を介
挿するとともに、この隣り合う管状部材11同士及びス
ペーサ13を接着剤14によって接着せしめた構造を備
える。軸受52に生じた熱は、管状部材11を介して、
軸受52からハウジング51に放熱される。一方、軸受
52が熱膨張すると、管状部材11が弾性変形して熱膨
張分を吸収し、転動体52cに作用する摩擦力が著しく
増加するのを防止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、工作機械の主軸装
置に関し、更に詳しくは、主軸を回転自在に支持する軸
受の温度上昇を、効果的に抑制できるように構成された
主軸装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の主軸装置の一例を図5に示す。
尚、図5は、かかる主軸装置を示す断面図である。この
主軸装置50はマシニングセンタに用いられるもので、
図示するように、保持穴51aを有するハウジング51
と、このハウジング51の前記保持穴51a内に、所定
間隔を隔てて嵌挿された2つの軸受52,52と、この
軸受52,52によって回転自在に支持された主軸53
と、前記ハウジング51の前端部に取り付けられた前カ
バー54などを備えて構成される。
【0003】各軸受52は、それぞれ外輪52a及びこ
の外輪52aの内側に配置される内輪52b、並びにこ
れら外輪52a,内輪52b間に配置される転動体52
cからなる。尚、前記外輪52aは外輪間座60によっ
てその位置が規制されており、前記内輪52bは内輪間
座70によってその位置が規制されている。また、前記
外輪52aと、前記ハウジング51の保持穴51aとの
間の嵌め合いは、すきま嵌めとなっており、図示はして
いないが、外輪52aの外周面52dと保持穴51aの
内周面との間には、わずかな隙間が存在している。
【0004】また、前記外輪間座60は、その両端部に
配設されたノズル61,61を備え、更に、このノズル
61,61に接続した潤滑油供給孔62を備えている。
潤滑油供給孔62は、前記ハウジング51に形成された
潤滑油供給路51bと連通しており、適宜潤滑油供給手
段(図示せず)から潤滑油供給路51b及び潤滑油供給
孔62を介して前記ノズル61に潤滑油が供給され、当
該ノズル61から前記転動体52cに向けて潤滑油が吐
出される。
【0005】また、前記外輪間座60の両端面には、潤
滑油排出溝63が形成されている。この潤滑油排出溝6
3は、前記軸受52の内部空間52e、及び前記ハウジ
ング51に形成された潤滑油排出路51cと連通してお
り、これら潤滑油排出溝63及び潤滑油排出路51cを
介して、前記内部空間52eから潤滑油が排出されるよ
うになっている。
【0006】また、前記主軸53には、その中心部に中
心穴53aが形成されており、この中心穴53a内に
は、工具Tを保持,固定するためのコレットチャック5
6及びこれを駆動するドローバ55などが配設されてい
る。
【0007】そして、前記主軸53は、図示しない駆動
モータによって、その中心軸周りに回転駆動される。主
軸53が回転すると、これと共に軸受52の内輪52b
が回転し、外輪52a,内輪52b間に配設された転動
体52cが、外輪52a及び内輪52bに形成された軌
道上を自転しながら公転する。その際、前記ノズル61
から吐出される潤滑油によって転動体52c及び軌道が
潤滑され、これにより転動体52cと外輪52a及び内
輪52bとの間の摩擦が緩和される。斯くして、かかる
転動体52cの作用により、外輪52aに対して内輪5
2bが抵抗無く回転し、この結果、主軸53がスムーズ
に回転する。
【0008】ところで、転動体52cが自転しつつ公転
する際、転動体52cと外輪52a及び内輪52bとの
間には、全く摩擦が存在しないのではなく、これらの接
触点の弾性変形領域における微小すべりによるわずかな
摩擦抵抗及び潤滑油の撹拌抵抗が存在する。このため、
転動体52cの自,公転によって外輪52a及び内輪5
2bとの間に摩擦熱が生じ、この摩擦熱によって軸受5
2が昇温し、当該軸受52が熱膨張することになる。
【0009】そこで、従来、上述した如く、外輪52a
とハウジング51の保持穴51aとの間の嵌め合いをす
きま嵌めとして、外輪52aと保持穴51aとの間に隙
間を生じさせ、この隙間により、軸受52の熱膨張を吸
収し得る構造としていた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来の
主軸装置50には、以下に説明するような問題があっ
た。
【0011】一般に、固相−気相間の熱移動量は、固相
−固相間の熱移動量に比べて著しく低い。したがって、
上記のように外輪52aと保持穴51aとをすきま嵌め
とすると、外輪52aと保持穴51aとの間に隙間、即
ち、気体(空気)が存在することになり、軸受52に生
じた摩擦熱の外部への放熱が、この気体によって阻害さ
れるのである。このため、従来の構造では、摩擦熱が軸
受52及びその内輪52bを介して主軸53に蓄積され
易く、主軸53が熱膨張を起こし、これが加工精度に悪
影響を与える原因となっていた。
【0012】また、蓄積された熱によって軸受52が熱
膨張を続けると、その外輪52aがハウジング51の保
持穴51aに圧接することになるが、この場合、固相−
固相間の熱移動によって、軸受52からハウジング51
に放熱される環境が確立されるものの、その反面、ハウ
ジング51によって軸受52の熱膨張が抑制され、その
結果、転動体52cと外輪52a及び内輪52bとの間
の隙間が減少して摩擦力が著しく増し、発生する摩擦熱
が却って増大する結果となる。
【0013】そして、主軸53を超高速回転(例えば、
軸受52の転動体52cのピッチ円直径をDm(m
m)、主軸53の回転速度をN(min−1)とした
時、Dm×Nの値が3×10以上となる回転)させる
などして、発生する摩擦熱量がハウジング51への放熱
量を越える事態に至った場合には、転動体52cと外輪
52a及び内輪52bとの間の摩擦力が加速的に増大し
て、最終的には軸受52が焼き付くことになる。
【0014】本発明は、以上の実情に鑑みなされたもの
であって、軸受に生じた摩擦熱の放熱を促進し、且つ摩
擦熱の発生を効果的に抑制し得る主軸装置の提供を目的
とする。
【0015】
【課題を解決するための手段及びその効果】上記目的を
達成するための本発明は、保持穴を有するハウジング
と、該ハウジングの保持穴内に配設され、少なくとも外
輪及び該外輪の内側に配置される内輪、並びに該外輪,
内輪間に配置される転動体からなる軸受と、該軸受によ
って回転自在に支持される主軸とを備えて構成される主
軸装置において、金属から構成される弾性部材を、前記
ハウジングの保持穴と外輪との間に、該保持穴内周面及
び外輪外周面の双方に圧接するように配設したことを特
徴とする主軸装置に係る。
【0016】この主軸装置によれば、主軸が回転し、こ
れに伴って軸受に摩擦熱が生じると、当該軸受に生じた
摩擦熱が、ハウジングの保持穴と外輪との間に、該保持
穴内周面及び外輪外周面の双方に圧接するように配設さ
れた金属製の弾性部材を介して、ハウジングに放熱され
る。
【0017】この金属製の弾性部材を介した放熱は、固
相−固相間の熱移動であり、上述した従来の主軸装置に
おけるような固相−気相間の熱移動に比べて、移動する
熱量が大きく、効果的に放熱することができる。これに
より、軸受や主軸に蓄熱される熱量を抑制することがで
き、主軸の熱膨張を最小限に押えることができるととも
に、主軸の熱膨張に起因した加工精度の悪化を抑えるこ
とができる。
【0018】一方、摩擦熱によって軸受が熱膨張する
と、前記弾性部材は、軸受の熱膨張に伴う作用力を受け
て自体弾性変形し、その作用力を吸収する。したがっ
て、外輪及び内輪と転動体との間に生じる摩擦力は、従
来のように、その熱膨張によって著しく増大することは
無い。このため、主軸を超高速(例えば、前記Dm×N
の値が3×10以上となる回転速度)で回転させて
も、軸受に生じる摩擦熱量を、軸受からハウジングに放
熱され得る熱量以下に押えることが可能であり、摩擦熱
量と放熱量とを平衡状態に保つことが可能である。
【0019】このように、この主軸装置によれば、前記
弾性部材の作用により、軸受に生じた摩擦熱の放熱を促
進することができるとともに、外輪の熱膨脹を妨げず、
転動体と外輪及び内輪との間の隙間の減少を防ぎ、発生
する摩擦熱が軸受の熱膨張に伴って著しく増大するのを
効果的に抑制することができる。
【0020】この弾性部材は、これを、複数の管状の部
材から構成し、該各管状部材を、その軸線が前記主軸の
軸線とそれぞれ平行となるように、前記ハウジング保持
穴と外輪との間に配設した構成とすることができる。管
状部材は、内部が中空であるため弾性変形し易く、軸受
の熱膨脹に伴う前記作用力を効果的に吸収することがで
きる。
【0021】また、各管状部材は、前記弾性変形に支障
をきたさないように、隣り合う管状部材との間に間隙を
有するように配置されるのが好ましい。そして、その位
置関係を維持するためには、この隣り合う管状部材同士
を接着剤によって接着したり、或いは、各管状部材間
に、その軸線に沿ったスペーサを介挿させると良い。
尚、このスペーサは、管状部材との対向面に、この管状
部材の軸線に沿った凹溝を備え、凹溝部が、管状部材に
対して非接触となるように構成されているものが好まし
く、更に、このスペーサを用いる場合に、隣り合う管状
部材同士、及びこの管状部材間に介挿されたスペーサを
接着剤によって接着することもできる。
【0022】また、前記各管状部材内にゲル剤などの制
振剤を充填した構成としても良い。これにより、管状部
材の剛性を高めることができ、軸受に生じた振動を制振
剤によって効果的に吸収することができる。
【0023】或いは、前記各管状部材内に、冷却液を流
通せしめる構成とすることもできる。具体的には、冷却
液が流通する流路であって、前記各管状部材の内部に連
通する往路及び復路をそれぞれ前記ハウジングに形成す
るとともに、前記往路に冷却液を供給する一方、前記復
路から冷却液を受け入れる冷却液供給手段を設けて、前
記冷却液供給手段から供給された冷却液が、前記往路,
管状部材内部,復路を順次経由して前記冷却液供給手段
に還流されるように構成する。このようにすれば、前記
管状部材内を流通する冷却液によって、軸受を冷却する
ことができ、より効果的に、その温度上昇を抑制するこ
とができる。
【0024】また、前記弾性部材は、これを、前記外輪
と同軸の環状をした部材から構成するとともに、その外
周側及び/又は内周側に、周方向に沿った環状溝を形成
した構成とすることができる。この環状部材は、外周側
及び/又は内周側に、周方向に沿った環状溝を形成した
構造故、上記管状部材と同様に、弾性変形し易く、軸受
の熱膨脹に伴う前記作用力を効果的に吸収することがで
きる。
【0025】尚、この環状部材についても、上記と同様
に、環状溝内に前記制振剤を充填した構成とすることが
でき、或いは、この環状溝内に冷却液を流通せしめる構
成とすることができる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明の具体的な実施形態
について添付図面に基づき説明する。図1は、本発明の
一実施形態に係る主軸装置の概略構成を示した断面図で
あり、図2は、図1における矢示A―A方向の上半分を
示した断面図である。図1及び図2に示すように、本実
施形態に係る主軸装置1は、上記従来の主軸装置50を
改良したものであり、従って、従来の主軸装置50の構
成と同じ構成部分については同一の符号を付して、その
詳しい説明を省略する。
【0027】図1及び図2に示すように、本例の主軸装
置1は、ハウジング51の保持穴51aと各軸受52と
の間に、それぞれ支持リング10を圧挿した構成を備え
る。
【0028】この支持リング10は、軸線が前記主軸5
3の軸線と平行、且つ所定間隔で環状に配置された複数
の管状部材11を備え、隣り合う管状部材11間にそれ
ぞれスペーサ13を介挿するとともに、この隣り合う管
状部材11同士、及びこの管状部材11間に介挿された
スペーサ13をエポキシ樹脂などの接着剤14によって
接着せしめた構造を備える。尚、前記管状部材11は、
金属製であれば何らその材質が限定されるものではない
が、熱伝導性能に優れ、且つ適切な縦弾性係数である点
でアルミニウム製であるのが好ましい。また、その内部
にはゲル剤などの制振剤12が充填されている。
【0029】また、前記スペーサ13は、図3に示すよ
うに、管状部材11との対向面に、その軸線に沿った凹
溝13bを備え、この凹溝13bの両縁部13a,13
aが管状部材11に接触し、凹溝13b内は管状部材1
1に対して非接触となるように構成されている。
【0030】かかる支持リング10は、例えば、次のよ
うにしてこれを製造することができる。即ち、まず、円
筒形状をなし、且つその外周面に軸方向に沿った複数の
凹溝を円周方向に所定間隔で備える治具の前記各凹溝
に、それぞれ制振剤12の充填された管状部材11を装
着し、ついで、装着した管状部材11間にスペーサ13
を介挿した後、その外側から接着剤14を塗布してこれ
らを接着する。
【0031】次に、接着剤14を乾燥,固化させた後、
治具に装着されたままの状態で、円筒研削盤によって、
管状部材11が表面に現れるまで、接着剤14の外周面
を研削加工する。そして、研削加工後、一体的に形成さ
れた管状部材11,スペーサ13及び接着剤14から構
成される構造体を前記治具から取外し、これを前記ハウ
ジング51の保持穴51aに嵌挿する。
【0032】次に、保持穴51aに嵌挿された前記構造
体の内側から接着剤14を塗布して、これを乾燥,固化
させた後、ハウジング51に装着されたままの状態で、
円筒研削盤によって、管状部材11が表面に現れるま
で、接着剤14の内周面を研削加工する。以上のように
して、上記構造の支持リング10を製造することができ
る。
【0033】次に、上記のようにして製造された支持リ
ング10内に軸受52を嵌挿した後、主軸53などを順
次組み付けて、本例の主軸装置1とする。
【0034】尚、上述したように、支持リング10はハ
ウジング51の保持穴51aと各軸受52との間にそれ
ぞれ圧挿された状態となっている。言い換えれば、支持
リング10の外周部10aとハウジング51の保持穴5
1aとの間、及び前記支持リング10の内周部10bと
外輪52aの外周部52dとの間の嵌め合いが、それぞ
れしまり嵌めとなっており、管状部材11は前記保持穴
51a及び外輪52aに対して圧接した状態となってい
る。
【0035】また、支持リング10は、スペーサ2,3
によって、ハウジング51の軸方向における移動が規制
されている。このスペーサ2には、前記潤滑油供給孔6
2と連通する潤滑油供給孔62a、及び前記潤滑油排出
溝63と連通する潤滑油排出溝63aがそれぞれ形成さ
れており、前記潤滑油供給手段(図示せず)から前記潤
滑油供給路51b,前記潤滑油供給孔62,62a及び
前記ノズル61を介して前記転動体52cに潤滑油が供
給される一方、供給された潤滑油が、前記潤滑油排出溝
63,63a及び前記潤滑油排出路51cを介して前記
軸受52の内部52eから排出される。
【0036】以上の構成を備えた本例の主軸装置1によ
れば、主軸53が回転し、これに伴って軸受52に摩擦
熱が生じると、当該軸受52に生じた摩擦熱が、ハウジ
ング51の保持穴51aと外輪52aとの間に、これら
に圧接するように配設された管状部材11を介して、ハ
ウジング51に放熱される。
【0037】この管状部材11を介した放熱は、固相−
固相間の熱移動であり、上述した従来の主軸装置におけ
るような固相−気相間の熱移動に比べて、移動する熱量
が大きく、効果的に放熱することができる。これによ
り、軸受52や主軸53に蓄熱される熱量を抑制するこ
とができ、主軸53の熱膨張を最小限に押えることがで
きるとともに、主軸53の熱膨張に起因した加工精度の
悪化を抑えることができる。
【0038】一方、摩擦熱によって軸受52が熱膨張す
ると、前記管状部材11は、中空構造であるが故に、軸
受52の熱膨張に伴う作用力を受けて自体容易に弾性変
形し、その作用力を吸収する。したがって、外輪52a
及び内輪52bと転動体52cとの間に生じる摩擦力
は、従来のように、その熱膨張によって著しく増大する
ことは無い。このため、主軸53を超高速(例えば、前
記Dm×Nの値が3×10以上となる回転速度)で回
転させても、軸受52に生じる摩擦熱量を、軸受52か
らハウジング51に放熱され得る熱量以下に押えること
が可能であり、摩擦熱量と放熱量とを平衡状態に保つこ
とが可能である。
【0039】このように、この主軸装置1によれば、前
記管状部材11部材の作用によって、軸受52に生じた
摩擦熱の放熱を促進することができるとともに、外輪5
2aの熱膨脹を妨げず、転動体52cと外輪52a及び
内輪52bとの間の隙間の減少を防ぎ、発生する摩擦熱
が軸受52の熱膨張に伴って著しく増大するのを効果的
に抑制することができる。
【0040】また、隣り合う管状部材11間にスペーサ
13を介挿しているので、管状部材11の配置間隔を適
正に保つことができ、また、前記スペーサ13の管状部
材11との対向面に凹溝13bを設けているので、かか
る凹溝13の存在により、管状部材11が弾性変形可能
となっている。
【0041】また、支持リング10は、接着剤14や管
状部材11内に充填された制振剤12によって所定の剛
性が確保され、更に、軸受52に生じた振動が前記制振
剤12によって効果的に吸収される。
【0042】以上、本発明の一実施形態について説明し
たが、本発明の採り得る具体的な態様は、何らこれに限
定されるものではない。
【0043】例えば、前記各管状部材11内に制振剤1
2を充填しないで、当該管状部材11内に冷却液を流通
せしめる構成とすることもできる。具体的には、冷却液
が流通する流路であって、前記各管状部材11の内部に
連通する往路及び復路をそれぞれ前記ハウジング51に
形成するとともに、前記往路に冷却液を供給する一方、
前記復路から冷却液を受け入れる冷却液供給手段を設け
て、前記冷却液供給手段から供給された冷却液が、前記
往路,管状部材内部,復路を順次経由して前記冷却液供
給手段に還流されるように構成する。このようにすれ
ば、前記管状部材内11を流通する冷却液によって、軸
受52を冷却することができ、より効果的に、その温度
上昇を抑制することができる。
【0044】また、上例の支持リング10に代えて、図
4に示すような支持リング20を使用することもでき
る。同図4に示すように、この支持リング20は、前記
軸受52側に複数の環状溝21aが形成された環状部材
21と、該環状溝21a内に充填された制振剤22とか
らなる。かかる環状部材21もその径方向への弾性変形
が可能であり、上述の支持リング10と同様の効果を得
ることができる。
【0045】尚、前記環状溝21は、これが環状部材2
1の軸受52側に形成された構造に限られるものでは無
く、これがハウジング51側に形成されていても、或い
は、軸受52側及びハウジング51側の双方に形成され
ていても良い。
【0046】また、この場合においても、環状溝21内
に制振剤22を充填しないで、当該環状溝21内に冷却
液を流通せしめる構成とすることができる。具体的に
は、冷却液が流通する流路であって、前記各管状部材1
1の内部に連通する往路及び復路からなる冷却液流通用
の流路をそれぞれ前記ハウジング51に形成するととも
に、前記往路に冷却液を供給する一方、前記復路から冷
却液を受け入れる冷却液供給手段を設けて、前記冷却液
供給手段から供給された冷却液が、前記往路,環状溝内
部,復路を順次経由して前記冷却液供給手段に還流され
るように構成する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る主軸装置の概略構成
を示した断面図である。
【図2】図1における矢示A―A方向の上半分を示した
断面図である。
【図3】本実施形態に係るスペーサの概略構成を示した
平面図である。
【図4】本発明の他の形態に係る支持リングの概略構成
を示した断面図である。
【図5】従来例に係る主軸装置の概略構成を示した断面
図である。
【符号の説明】
1 主軸装置 2,3 スペーサ 10 支持リング 11 管状部材 12 制振剤 13 スペーサ 13b 凹溝 14 接着剤 51 ハウジング 52 軸受 52a 外輪 52b 内輪 52c 転動体 53 主軸
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F16C 37/00 B23Q 1/26 D 3J101 A (72)発明者 亀井 光平 奈良県大和郡山市北郡山町106番地 株式 会社森精機製作所内 Fターム(参考) 3C011 FF06 3C045 FD03 FD12 FD28 3C048 CC04 DD13 EE02 3J012 AB04 AB07 AB11 BB01 BB05 CB04 DB07 DB13 FB07 GB10 3J017 EA02 EA10 GA01 GA10 3J101 AA01 AA42 AA52 AA62 AA81 BA77 FA06 FA34 GA31

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 保持穴を有するハウジングと、該ハウジ
    ングの保持穴内に配設され、少なくとも外輪及び該外輪
    の内側に配置される内輪、並びに該外輪,内輪間に配置
    される転動体からなる軸受と、該軸受によって回転自在
    に支持される主軸とを備えて構成される主軸装置におい
    て、 金属から構成される弾性部材を、前記ハウジングの保持
    穴と外輪との間に、該保持穴内周面及び外輪外周面の双
    方に圧接するように配設したことを特徴とする主軸装
    置。
  2. 【請求項2】 前記弾性部材を、複数の管状の部材から
    構成し、 該各管状部材を、その軸線が前記主軸の軸線とそれぞれ
    平行となるように、前記ハウジング保持穴と外輪との間
    に配設したことを特徴とする請求項1記載の主軸装置。
  3. 【請求項3】 前記各管状部材を、隣り合う管状部材と
    の間に間隙を有するように配置するとともに、隣り合う
    管状部材同士を接着剤によって接着せしめたことを特徴
    とする請求項2記載の主軸装置。
  4. 【請求項4】 前記各管状部材間に、その軸線に沿った
    スペーサを介挿してなり、 該スペーサは、前記管状部材との対向面に、前記軸線に
    沿った凹溝を備え、該凹溝部が、前記管状部材に対して
    非接触となるように構成されてなる請求項2記載の主軸
    装置。
  5. 【請求項5】 隣り合う前記管状部材同士、及び該管状
    部材間に介挿されたスペーサを接着剤によって接着せし
    めたことを特徴とする請求項4記載の主軸装置。
  6. 【請求項6】 前記各管状部材内に制振剤を充填したこ
    とを特徴とする請求項2乃至5記載のいずれかの主軸装
    置。
  7. 【請求項7】 冷却液が流通する流路であって、前記各
    管状部材の内部に連通する往路及び復路をそれぞれ前記
    ハウジングに形成するとともに、 前記往路に冷却液を供給する一方、前記復路から冷却液
    を受け入れる冷却液供給手段を設けて、 前記冷却液供給手段から供給された冷却液が、前記往
    路,管状部材内部,復路を順次経由して前記冷却液供給
    手段に還流されるように構成したことを特徴とする請求
    項2乃至5記載のいずれかの主軸装置。
  8. 【請求項8】 前記弾性部材を、前記外輪と同軸の環状
    をした部材から構成するとともに、その外周側及び/又
    は内周側に、周方向に沿った環状溝を形成したことを特
    徴とする請求項1記載の主軸装置。
  9. 【請求項9】 前記環状溝内に制振剤を充填したことを
    特徴とする請求項8記載の主軸装置。
  10. 【請求項10】 冷却液が流通する流路であって、前記
    環状溝内に連通する往路及び復路をそれぞれ前記ハウジ
    ングに形成するとともに、 前記往路に冷却液を供給する一方、前記復路から冷却液
    を受け入れる冷却液供給手段を設けて、 前記冷却液供給手段から供給された冷却液が、前記往
    路,環状溝内部,復路を順次経由して前記冷却液供給手
    段に還流されるように構成したことを特徴とする請求項
    8の主軸装置。
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