JP2000009143A - 流体軸受装置 - Google Patents

流体軸受装置

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JP2000009143A JP10189611A JP18961198A JP2000009143A JP 2000009143 A JP2000009143 A JP 2000009143A JP 10189611 A JP10189611 A JP 10189611A JP 18961198 A JP18961198 A JP 18961198A JP 2000009143 A JP2000009143 A JP 2000009143A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、高剛性を維持しながら回転軸の高速
回転時における熱膨張による影響を防止し、高精度の流
体軸受装置を提供する。 【構成】本発明の流体軸受装置は、軸受ハウジング10
の円筒内孔7に軸受金11が密嵌合され、軸受金11の
内面の軸受面9には円周方向に軸方向ランド15で等角
度間隔で区画され、かつ両端を周方向ランド17、17
´により区画された等角度間隔で矩形の静圧ポケット1
4が形成され、軸受金11の外周の中間部には軸受金1
1の外方への熱膨張を許容する環状の熱膨張許容隙間1
6が形成されている。軸受金11の内面の軸受面9に
は、適度のクリアランスをもって回転軸13が支持され
ている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、研削盤の砥石軸等の工
作機械主軸等、軸部材を回転可能に軸承する流体軸受装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の流体軸受装置は、図10に示され
るように、軸受金11は外周が軸受ハウジング10の円
筒内孔7に密嵌合され、軸受金11の軸受面9には等角
度間隔で静圧ポケット14が形成され、静圧ポケット1
4を円周方向に隔絶する軸方向の軸受ランド15が設け
られ、軸受ランド15は回転軸13と所定の軸受クリア
ランスで軸受面9を構成している。静圧ポケット14に
は軸受ハウジング10の供給ポート19から軸受金11
の外周に設けられた環状溝8を介して圧力流体が供給さ
れるようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、流体軸受装置
においては、例えば、回転軸の一端に固定される砥石車
を毎分200m程度の高周速度で回転させる高速研削加
工においては、回転軸を毎分1万回転以上の高い回転数
で駆動することが必要となる。この場合、軸受面におけ
る発熱により軸受金の軸受面近辺の温度が上昇し、軸受
金の軸受面近辺と軸受ハウジングとの温度差は10℃以
上にもなり、軸受金の熱膨張が顕著となる。軸受金11
は、径方向外方への膨張が軸受ハウジング10との密嵌
合により規制されているので、軸方向軸受ランド15の
部分は図10に鎖線で示されるように径方向内方へ向か
って膨張し、軸受ランド15と回転軸13との間のクリ
アランスを減少させることになり、このクリアランスの
減少は、回転軸13の径方向外方へ向かう熱膨張及び遠
心膨張による影響も受ける。このクリアランスの減少に
より、回転軸13を駆動するモータの所要負荷動力が増
大し、場合によっては、回転軸13と軸方向軸受ランド
15との焼き付きが生じるという問題が生じる。
【0004】また、この問題を解決するために、軸受ク
リアランスの設計値を大きくとることが考えられるが、
このようにした場合、起動初期における低温時の軸受剛
性が低下する問題を生じる。
【0005】本発明は、上記の問題点に鑑みてなされた
ものであり、高剛性を維持しながら回転軸の高速回転時
における熱膨張による影響を防止し、高精度の流体軸受
装置を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本発明の流体軸受装置は、軸受ハウジングの円筒内
孔に軸受金の外周を密嵌合し、軸受金の内周に静圧ポケ
ットが形成されている流体軸受装置において、前記軸受
ハウジングの円筒内孔の内周と軸受金の外周との嵌合部
に環状の熱膨張許容隙間を形成したことを特徴とするも
のである。また、前記環状の熱膨張許容隙間は、軸受金
の外周に形成し、該熱膨張許容隙間の底面に軸方向又は
円周方向に延びる複数の溝を形成したことを特徴として
いる。
【0007】更に、本発明の流体軸受装置は、軸受ハウ
ジングの円筒内孔に軸受金の外周を密嵌合し、軸受金の
内周に軸方向ランド及び周方向ランドにより区画された
静圧ポケットが形成されている流体軸受装置において、
前記軸受金の軸方向ランドが形成される角度位相部分の
径方向外方へ向かう熱膨張を許容する熱膨張許容隙間
を、軸受ハウジングの内周と軸受金の外周との嵌合部の
軸方向ランドと対応する角度位相部分に形成したことを
特徴とし、前記径方向外方へ向かう熱膨張を許容する熱
膨張許容隙間の角度幅θ2 は、前記軸方向ランドの角度
幅θ1 よりも広く形成されていることを特徴とするもの
である。また更に、前記各熱膨張許容隙間の軸方向長さ
2 は軸受面の軸方向長さl1の少なくとも4割以上と
するものである。
【0008】更に、本発明の流体軸受装置は、前記熱膨
張許容隙間に加圧流体を供給する手段を設け、熱膨張許
容隙間に供給される加圧流体を静圧ポケットへ供給する
絞り要素を備える通路を軸受金に形成すると共に、熱膨
張許容隙間に供給される加圧流体の一部を静圧ポケット
を経由せずに加圧流体供給源に還流する別の絞り要素を
備える通路を軸受金及び軸受ハウジングの少なくとも一
方に形成したことを特徴とし、また、前記加圧流体を供
給する手段には加圧流体を冷却する冷却装置を含むこと
を特徴とするものである。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の流体軸受装置は、軸受ハ
ウジングの円筒内孔に軸受金の外周を密嵌合し、軸受金
の内周に静圧ポケットが形成されている流体軸受装置に
おいて、前記軸受ハウジングの円筒内孔の内周と軸受金
の外周との嵌合部に環状の熱膨張許容隙間を形成するこ
とにより、軸受金の熱膨張による軸方向ランドの半径方
向内方への膨脹を防止することができ、軸方向ランドと
回転軸との間のクリアランスの減少が抑制され、負荷の
増大、焼き付きが防止され、剛性が高く、高精度の流体
軸受装置を提供することができる。前記環状の熱膨張許
容隙間は、軸受ハウジングの円筒内孔の内周と軸受金の
外周との嵌合部における軸受ハウジングの円筒内孔の内
周に形成することもできるが、軸受金の外周に形成し、
該熱膨張許容隙間の底面に軸方向又は円周方向に延びる
複数の溝を形成することにより、加工が容易になり、か
つ冷却効果を増大することができる。
【0010】また、本発明の流体軸受装置は、軸受ハウ
ジングの円筒内孔に軸受金の外周を密嵌合し、軸受金の
内周に軸方向ランド及び周方向ランドにより区画された
静圧ポケットが形成されている流体軸受装置において、
前記軸受金の軸方向ランドが形成される角度位相部分の
径方向外方へ向かう熱膨張を許容する熱膨張許容隙間
を、軸受ハウジングの内周と軸受金の外周との嵌合部の
軸方向ランドと対応する角度位相部分に形成することに
より、剛性を高く維持しながら軸受金の熱膨張による悪
影響を効率良く防止することができる。前記軸受金の軸
方向ランドが形成される角度位相部分の径方向外方へ向
かう熱膨張を許容する熱膨張許容隙間は、軸受ハウジン
グの円筒内孔の内周、又は軸受金の外周のそれぞれの対
応する角度位相位置に設けられるが、その際、前記径方
向外方へ向かう熱膨張を許容する熱膨張許容隙間の角度
幅θ2 は、前記軸方向ランドの角度幅θ1 よりも広く形
成することにより、より効率を高めることができる。更
に、前記各熱膨張許容隙間の軸方向長さl2 は軸受面の
軸方向長さl1 の少なくとも4割以上とすることにより
十分な効果が得られる。
【0011】更に、本発明の流体軸受装置は、前記熱膨
張許容隙間に加圧流体を供給する手段を設け、熱膨張許
容隙間に供給される加圧流体を静圧ポケットへ供給する
絞り要素を備える通路を軸受金に形成すると共に、熱膨
張許容隙間に供給される加圧流体の一部を静圧ポケット
を経由せずに加圧流体供給源に還流する別の絞り要素を
備える通路を軸受金及び軸受ハウジングの少なくとも一
方に形成することにより、加圧流体を熱膨張許容隙間を
経由して静圧ポケットへ供給し、更に熱膨張許容隙間に
供給される加圧流体の一部を静圧ポケットを経由せずに
還流することにより軸受金を効率良く冷却することがで
きるので、軸受金の熱膨張を押さえることが可能であ
る。その際、前記加圧流体を供給する手段には加圧流体
を冷却する冷却装置を含ませることにより冷却効果を更
に高めることができる。
【0012】
【実施例】本発明の第1の実施例を図1及び図2につい
て説明する。図1において、10は、例えば研削盤の砥
石台を構成する軸受ハウジングであり、軸受金11を介
して、例えばその左端に砥石を固定した砥石軸等の回転
軸13を支持している。軸受ハウジング10の円筒内孔
7に左端にフランジ部12が形成された軸受金11が密
嵌合され、そのフランジ部12により該軸受ハウジング
10の左端面にボルトにて固着されている。軸受金11
の内面に形成された軸受面9には、図2(図1のII−
II矢視図)に示されるように、円周方向に軸方向軸受
ランド15で等角度間隔で区画され、かつ両端を周方向
軸受ランド17、17´により区画された等角度間隔で
4つ(5つ以上でもよい)の矩形の静圧ポケット14が
形成されている。また軸受金11の外周の中間部には、
環状の熱膨張許容隙間16が形成されている。なお、図
1は本実施例の正面断面図であるが、静圧ポケット14
と軸方向ランド15を表すため、図2のI−I矢視図と
している。
【0013】この熱膨張許容隙間16の径方向の深さC
は、軸受金11の熱膨張が飽和しサチレートした状態に
おいて、この隙間の底部が径方向外方に最も膨張する膨
らみ以上の幅として設定される。また、隙間の軸方向の
幅l2 は、図例では軸受面9の幅l1 よりも若干広幅に
設定されている。しかし、幅l1 を持つ軸受面9と対応
する軸受金11の外周面は、その軸方向中央部が中高と
なるように熱膨張するので、熱膨張許容隙間16を軸方
向に均一深さとする場合、幅l2 は幅l1 の4割程度と
してもよく、したがって少なくとも4割程度以上あれば
その機能を果たし得るものである。さらに、熱膨張許容
隙間16を、軸受金11が熱膨張していない状態におい
て、その軸方向中央部が径方向内方にへこんだ凹状とし
てもよい。
【0014】軸受金11の外周面の熱膨張許容隙間16
から各静圧ポケット14に開口する径方向通路が形成さ
れ、これら通路にはそれぞれ絞り要素20が設けられて
いる。 一方、リザーバ32を含むポンブユニット31
から冷却装置30を経由して供給される加圧流体(好適
には、加圧油)は、軸受ハウジング10の流体供給ポー
ト19を介して熱膨張許容隙間16に供給され、さらに
絞り要素20を経て複数の各静圧ポケット14に供給さ
れる。更に、図略のモータにて回転される回転軸13
は、軸受金11の軸受面9に所定のクリアランスを有し
て嵌合され、複数の静圧ポケット14に生起される流体
の静圧力により回転自在に支持される。
【0015】なお、軸受金11の内面の静圧ポケット1
4の両端にはそれぞれ周方向ランド17、17´が形成
されており、更にその周方向ランド17、17´の両側
端部には圧力流体の排出溝18、18´が形成されてお
り、供給された圧力流体は静圧ポケット14から周方向
ランド17、17´を乗り越えて排出溝18、18´に
排出され、排出流路21を介してリザーバ32に還流さ
れる。
【0016】本実施例の流体軸受装置においては、以上
のように構成したので、ポンプユニット31から冷却装
置30を経由して供給される加圧流体(好適には、加圧
油)は、軸受ハウジング10の流体供給ポート19を介
して熱膨張許容隙間16に供給され、さらに絞り要素2
0を経て複数の各静圧ポケット14に供給されているの
で、回転軸13は各静圧ポケット14に生起される流体
の静圧力により支持され良好に回転する。回転軸13の
高速回転等により熱が発生しても、その外周に設けられ
た環状の熱膨張許容隙間16に絶えず冷却された圧力流
体が供給されているので、軸受金11の温度上昇は極力
少なく押さえられ、たとえ温度上昇があり、軸受金11
に熱膨張が起こっても、外周に熱膨張許容隙間16が設
けられているので、その隙間16が減少する方向に膨脹
し、内方への膨脹は少なくなり、軸受面9の軸方向ラン
ド15と回転軸13とのクリアランスの減少は極めて少
なく押さえることができる。その結果、回転軸の駆動負
荷の増大、焼き付きが防止される。
【0017】(その他の実施例)以下にその他の実施例
について説明するが、前記実施例と同一の部分の説明は
省略してある。図3に示された実施例では、軸受金11
の軸受面9の軸方向両端に設けられた環状排出溝18、
18´に対し、熱膨張許容隙間16の軸方向両端をそれ
ぞれ絞り要素23、23´を介して連通し、熱膨張許容
隙間16に供給された加圧流体の一部が環状排出溝1
8、18´に流れるように構成している。これにより、
冷却された加圧流体の一部は、熱膨張許容隙間16の両
端の絞り要素23、23´を介して直接排出溝18、1
8´から排出流路によりリザーバへ還流されるので、冷
却された加圧流体の循環が促進されて軸受金11の冷却
効率を高めることができる。
【0018】図4に示された実施例は、前記図3の熱膨
張許容隙間16に供給された加圧流体の一部のリザーバ
への還流を、軸受ハウジング10に設けた絞り要素24
を介して行うようにしたものであり、図3の実施例の場
合と同様に軸受金11の冷却効率を高めることができる
ものである。
【0019】図5及び図6に示された実施例では、軸受
金11の冷却効果を高めるために冷却された加圧流体と
軸受金11との接触表面積を拡大するものであり、図5
のものは、熱膨張許容隙間16の底面に軸方向幅方向に
スプライン溝26を形成することにより接触面積を増大
し、図6のものは、熱膨張許容隙間16の底面に複数の
環状凹溝27を形成することにより接触面積を増大させ
ている。
【0020】更に、図7に示された実施例においては、
熱膨張許容隙間16を環状ではなく、軸方向ランド15
と等角度位相位置でかつ軸方向ランド15の角度幅θ1
よりも広い角度幅θ2 の複数の円弧状熱膨張許容隙間1
6aとして形成したものである。 このように構成する
ことにより、軸受金11の外周は、静圧ポケット14と
対応する角度位相位置において軸受ハウジング10の円
筒内孔7に密嵌合され、軸受金11の軸受ハウジング1
0の円筒内孔7への支持を確実にすることができる。こ
の態様では、静圧ポケット14と対応する角度位相にお
ける軸受金11の熱膨張は軸方向内方へ静圧ポケット1
4側に向かって生じるが、静圧ポケット14の深さが減
少するのみであり、また、軸方向ランド15と対応する
角度位相位置における軸受金11の熱膨張は軸方向外方
へ円弧状熱膨張許容隙間16a側に向かって生じ、軸方
向ランド15と回転軸13間のクリアランスは減少しな
いことになる。なお、この実施例においては、軸方向ラ
ンド15の角度幅θ1 よりも広い角度幅θ2 の円弧状熱
膨張許容隙間16aとして形成しているが、円弧状の熱
膨張許容隙間は軸方向ランドと等角度位相位置であれ
ば、必ずしも軸方向ランド15の角度幅θ1 よりも広い
角度幅θ2 でなくとも効果は得られるが、円弧状熱膨張
許容隙間16aを軸方向ランド15の角度幅θ1 よりも
広い角度幅θ2 とすることにより確実な効果が期待でき
る。
【0021】図8に示された実施例では、図1、図2に
おける軸受金11外周に形成されている環状の熱膨張許
容隙間16を軸受ハウジング10の円筒内孔7面上に環
状の熱膨張許容隙間16bとして形成したものであり、
図1の実施態様と同等の効果を奏するものである。
【0022】図9の実施例では、図8の実施例における
軸受ハウジング10の円筒内孔7面上に形成された環状
の熱膨張許容隙間16bに代えて、複数の円弧状の熱膨
張許容隙間16cを軸方向ランド15と等角度位相位置
で軸受ハウジング10の円筒内孔7面上に形成したもの
である。円弧状の熱膨張許容隙間16cは軸方向ランド
15と等角度位相位置でかつ軸方向ランド15の角度幅
θ1よりも広い角度幅θ2の複数の円弧状隙間16cと
して形成したものである。これにより、軸方向ランド1
5と角度位相が対応する軸受金11の部分は径方向外方
に熱膨張して軸受ハウジング10の円弧状の熱膨張許容
隙間16cへ進出し、一方、静圧ポケット14と角度位
相が対応する軸受金11の部分は径方向内方に熱膨張し
て静圧ポケット14の深さを減少するように作用するこ
ととなり、軸方向ランド15と回転軸13とのクリアラ
ンスが熱膨張により減少されることが防止され、良好な
回転を保証するものである。なお、この実施例において
は、軸方向ランド15の角度幅θ1 よりも広い角度幅θ
2 の円弧状熱膨張許容隙間16cとして形成している
が、円弧状の熱膨張許容隙間は軸方向ランドと等角度位
相位置であれば、必ずしも軸方向ランド15の角度幅θ
1 よりも広い角度幅θ2 でなくとも効果は得られるが、
円弧状熱膨張許容隙間16cを軸方向ランド15の角度
幅θ1 よりも広い角度幅θ2 とすることにより確実な効
果が期待できる。
【0023】上述した各実施例における各静圧ポケット
は矩形に形成されているが、矩形以外の形状、例えば特
公昭57−50971号公報に開示されるようなU字状
に形成してもよい。このように各静圧ポケットをU字状
とする場合、各軸方向ランド部は大略T字状となり、前
述した熱膨張許容隙間はこのT字状のランド部に対応し
て軸受金とハウジングとの嵌合部に形成されることにな
る。以上、本発明の流体軸受装置を各実施例に沿って説
明したが、本発明の趣旨を損なわない範囲で、各実施例
を適宜組み合わせ、又は変形して実施することができる
ことはいうまでもない。
【0024】
【発明の効果】本発明は、軸受ハウジングの円筒内孔に
軸受金の外周を密嵌合し、軸受金の内周に静圧ポケット
が形成されている流体軸受装置において、前記軸受ハウ
ジングの円筒内孔の内周と軸受金の外周との嵌合部に環
状の熱膨張許容隙間を形成したことにより、加圧流体
は、熱膨張許容隙間を介して各静圧ポケットに供給され
ているので、回転軸は各静圧ポケットに生起される流体
の静圧力により支持され良好に回転すると共に、回転軸
の高速回転等により熱が発生しても、その外周に設けら
れた環状の熱膨張許容隙間にたえず加圧流体が供給され
ているので、軸受金の温度上昇は極力少なく押さえら
る。また、たとえ温度上昇により軸受金に熱膨張が起こ
っても、外周に熱膨張許容隙間が設けられているので、
その隙間を減少する方向に膨脹し、内方への膨脹は少な
く、したがって、軸受面の軸方向ランドと回転軸とのク
リアランスの減少は極めて少なく押さえることができ、
負荷の増大、焼き付きが防止される。なお、前記環状の
熱膨張許容隙間は、軸受金の外周に形成し、該熱膨張許
容隙間の底面に軸方向又は円周方向に延びる複数の溝を
形成することにより、加工が容易になり、冷却効果も増
大することができる。
【0025】また、本発明は、軸受ハウジングの円筒内
孔に軸受金の外周を密嵌合し、軸受金の内周に軸方向ラ
ンド及び周方向ランドにより区画された静圧ポケットが
形成されている流体軸受装置において、前記軸受金の軸
方向ランドが形成される角度位相部分の径方向外方へ向
かう熱膨張を許容する熱膨張許容隙間を、軸受ハウジン
グの内周と軸受金の外周との嵌合部の軸方向ランドと対
応する角度位相部分に形成することにより、剛性を高く
維持しながら軸受金の熱膨張による悪影響を効率良く防
止することができる。その際、前記径方向外方へ向かう
熱膨張を許容する熱膨張許容隙間の角度幅θ2 は、前記
軸方向ランド15の角度幅θ1 よりも広く形成されるこ
とにより、より効率的に効果を発揮できる。更に、前記
各熱膨張許容隙間の軸方向長さl2 は軸受面の軸方向長
さl1 の少なくとも4割以上とすることにより十分な結
果が得られる。
【0025】更に、本発明は、前記熱膨張許容隙間に加
圧流体を供給する手段を設け、熱膨張許容隙間に供給さ
れる加圧流体を静圧ポケットへ供給する絞り通路を軸受
金に形成すると共に、熱膨張許容隙間に供給される加圧
流体の一部を静圧ポケットを経由せずに加圧流体供給源
に還流する別の絞り通路を軸受金及び軸受ハウジングの
少なくとも一方に形成することにより、加圧流体を熱膨
張許容隙間を経由して静圧ポケットへ供給し、更に熱膨
張許容隙間に供給される加圧流体の一部を静圧ポケット
を経由せずに還流することにより軸受金を効率良く冷却
することができるので、軸受金の熱膨張を押さえること
が可能である。その際、前記加圧流体を供給する手段に
は加圧流体を冷却する冷却装置を含ませることにより冷
却効果を更に高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施態様を示す流体軸受装置の正面断
面図であり、図2のI−I断面矢視図。
【図2】図1におけるII−II断面矢視図。
【図3】本発明の他の実施態様を示す流体軸受装置の正
面断面図。
【図4】本発明の他の実施態様を示す流体軸受装置の正
面断面図。
【図5】本発明の他の実施態様を示す流体軸受装置の正
面断面図。
【図6】本発明の他の実施態様を示す流体軸受装置の正
面断面図。
【図7】本発明の他の実施態様を示す流体軸受装置の側
面断面図。
【図8】本発明の他の実施態様を示す流体軸受装置の正
面断面図。
【図9】本発明の他の実施態様を示す流体軸受装置の側
面断面図。
【図10】従来の流体軸受装置の正面断面図。
【符号の説明】
10: 軸受ハウジング 11: 軸受金 13: 回転軸 14: 静圧ポケット 15: 軸方向ランド 16: 熱膨張許容間隙 18: 排出溝 19: 加圧流体供給ポート 20: 絞り要素 31: ポンプユニット

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】軸受ハウジングの円筒内孔に軸受金の外周
    を密嵌合し、軸受金の内周に静圧ポケットが形成されて
    いる流体軸受装置において、前記軸受ハウジングの円筒
    内孔の内周と軸受金の外周との嵌合部に環状の熱膨張許
    容隙間を形成したことを特徴とする流体軸受装置。
  2. 【請求項2】前記環状の熱膨張許容隙間は軸受金の外周
    に形成し、該熱膨張許容隙間の底面に軸方向又は円周方
    向に延びる複数の溝を形成したことを特徴とする請求項
    1記載の流体軸受装置。
  3. 【請求項3】軸受ハウジングの円筒内孔に軸受金の外周
    を密嵌合し、軸受金の内周に軸方向ランド及び周方向ラ
    ンドにより区画された静圧ポケットが形成されている流
    体軸受装置において、前記軸受金の軸方向ランドが形成
    される角度位相部分の径方向外方へ向かう熱膨張を許容
    する熱膨張許容隙間を、軸受ハウジングの内周と軸受金
    の外周との嵌合部の軸方向ランドと対応する角度位相部
    分に形成したことを特徴とする流体軸受装置。
  4. 【請求項4】前記径方向外方へ向かう熱膨張を許容する
    熱膨張許容隙間の角度幅θ2 は、前記軸方向ランドの角
    度幅θ1 よりも広く形成されていることを特徴とする請
    求項3記載の流体軸受装置。
  5. 【請求項5】前記熱膨張許容隙間の軸方向長さl2 を軸
    受面の軸方向長さl1 の少なくとも4割以上としたこと
    を特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項記
    載の流体軸受装置。
  6. 【請求項6】前記熱膨張許容隙間に加圧流体を供給する
    手段を設け、熱膨張許容隙間に供給される加圧流体を静
    圧ポケットへ供給する絞り要素を備える通路を軸受金に
    形成すると共に、熱膨張許容隙間に供給される加圧流体
    の一部を静圧ポケットを経由せずに加圧流体供給源に還
    流する別の絞り要素を備える通路を軸受金及び軸受ハウ
    ジングの少なくとも一方に形成したことを特徴とする請
    求項1ないし請求項5のいずれか1項記載の流体軸受装
    置。
  7. 【請求項7】前記加圧流体を供給する手段には加圧流体
    を冷却する冷却装置を含むことを特徴とする請求項6記
    載の流体軸受装置。
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