JP2000210826A - 工作機械の主軸装置 - Google Patents

工作機械の主軸装置

Info

Publication number
JP2000210826A
JP2000210826A JP11014710A JP1471099A JP2000210826A JP 2000210826 A JP2000210826 A JP 2000210826A JP 11014710 A JP11014710 A JP 11014710A JP 1471099 A JP1471099 A JP 1471099A JP 2000210826 A JP2000210826 A JP 2000210826A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
housing
fixed
spindle
spindle device
main shaft
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP11014710A
Other languages
English (en)
Inventor
Shihou Katsumata
志芳 勝又
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Okuma Corp
Original Assignee
Okuma Corp
Okuma Machinery Works Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Okuma Corp, Okuma Machinery Works Ltd filed Critical Okuma Corp
Priority to JP11014710A priority Critical patent/JP2000210826A/ja
Publication of JP2000210826A publication Critical patent/JP2000210826A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 温度変化にかかわらず、常に、移動ハウジン
グの動きを円滑にして、転がり軸受の予圧を適切な値に
保持するとともに、主軸の支持剛性を高くすることがで
き、よって、低速回転から高速回転まで安定した運転が
可能で、加工精度などの性能を高くする。 【解決手段】 主軸1の前後複数箇所に固定ハウジング
7に対して主軸1を回転支持するための転がり軸受6の
内輪6aを固定し、一部の軸受6の外輪6bを固定ハウジン
グ7の内周に軸方向移動可能に取付けられた移動ハウジ
ング10に固定する。移動ハウジング10を、移動ハウジン
グ10に一体に形成されかつ主軸1の軸方向に弾性変形す
る連結部10c を介して、固定ハウジング7に対して同心
状に連結する。予め弾性変形させた連結部10c により、
移動ハウジング10を固定ハウジング7に対して一定方向
に付勢し、これにより転がり軸受6に予圧を付与する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、工作機械の主軸
装置に関する。
【0002】この明細書において、主軸の先端側、すな
わち各図面の左側を前、これと反対側を後ということに
する。
【0003】
【従来の技術】工作機械とくに高速主軸を備えたマシニ
ングセンタなどにおいては、低速から高速までの広い範
囲で安定した加工が可能な主軸装置が望まれている。
【0004】工作機械の主軸装置として、主軸の前部お
よび後部が転がり軸受によりハウジングに対して回転支
持されているものが知られている。このような主軸装置
の軸受として、アンギュラ玉軸受などが使用され、軸受
内輪は主軸側に、軸受外輪はハウジング側に固定され
る。そして、軸受の転動体のすべり防止や主軸の剛性増
加のため、軸受に適切な予圧が付与されるように各軸受
間の内輪の軸方向相対位置と外輪の軸方向相対位置との
関係が決められている。
【0005】ところで、主軸が回転すると、軸受が発熱
し、主軸に温度上昇が生じる。また、近年、主軸駆動用
の電動モータを内蔵した主軸装置が増加しているが、そ
の場合、主軸側のモータのロータも発熱し、主軸の温度
上昇はさらに大きくなる。主軸の温度上昇の度合は回転
速度によって変化し、とくに高速回転時に、主軸の温度
上昇が大きく、主軸とハウジングとの間に大きな温度差
が生じ、ハウジングに対して主軸の軸方向の熱変形が大
きくなる。その結果、主軸側に固定されている軸受内輪
の軸受間の軸方向相対位置とハウジング側に固定されて
いる軸受外輪の軸受間の軸方向相対位置との関係が変化
し、予圧過小あるいは予圧過大になり、これが軸受損傷
の原因となる。
【0006】このような主軸の熱変形を吸収するため、
固定ハウジングに軸方向移動可能に取付けられた移動ハ
ウジングに一部の軸受の外輪が固定された主軸装置が提
案されている。そのような主軸装置の1例が図5に示さ
れ、その後部が図6に拡大して示されている。
【0007】図5において、中空状の主軸(1) の前部の
4箇所と後部の1箇所が転がり軸受(2)(3)(4)(5)(6) に
より円筒状の固定ハウジング(7) に対して回転支持され
ている。この例の場合、軸受(2) 〜(6) は全てアンギュ
ラ玉軸受である。固定ハウジング(7) は、前後方向に長
い円筒状の外側ハウジング部材(7a)と、外側ハウジング
部材(7a)の前部内側に同心状に固定された円筒状の前部
ハウジング部材(7b)と、外側ハウジング部材(7a)の後部
内側に同心状に固定された円筒状の後部ハウジング部材
(7c)とから構成されており、外側ハウジング部材(7a)が
主軸台(8) などに固定されている。固定ハウジング(7)
内の前後のハウジング部材(7b)(7c)の間の部分に、主軸
(1) を駆動するための内蔵型電動モータ(9) が設けられ
ている。モータ(9) は、主軸(1) の外周に設けられたロ
ータ(9a)と、その周囲の外側ハウジング部材(7a)の内周
に設けられたステータ(9b)とから構成されている。
【0008】前側の4個の軸受(2) 〜(5) の内輪は主軸
(1) の外周に、外輪は前部ハウジング部材(7b)の内周に
それぞれ前後方向に適切な間隔をおいて固定されてお
り、これらに適切な予圧が付与されるように、各軸受
(2) 〜(5) 間の内輪の軸方向相対位置と、外輪の軸方向
相対位置とが決められている。
【0009】図6に詳細に示すように、後側の軸受(6)
の内輪(6a)は主軸(1) の外周に固定されている。後部ハ
ウジング部材(7c)の内周に、円筒状の移動ハウジング(1
0)がはめられている。移動ハウジング(10)は、ハウジン
グ部材(7c)に対して回転はしないが、軸方向に移動しう
るようになっている。ハウジング部材(7c)より後方に出
ている移動ハウジング(10)の後端部に蓋(11)が固定さ
れ、移動ハウジング(10)の内周に軸受(6) の外輪(6b)が
固定されている。ハウジング部材(7c)の後端面に3つ以
上のばね収容穴(12)が円周方向に等間隔をおいて形成さ
れ、これらの穴(12)に対応して、蓋(11)の後端部に外方
突出部(11a) が形成されている。各穴(12)に、弾性部材
である圧縮コイルばね(13)が収容されている。ばね(13)
は、穴(12)の底と蓋(11)の突出部(11a) に圧接して、蓋
(11)を後向きに付勢している。これにより、移動ハウジ
ング(10)が後向きに付勢され、その結果、軸受(6) の外
輪(6b)が後向きに付勢されて、軸受(6) に適切な予圧が
付与されている。
【0010】この主軸装置の場合、主軸(1) に熱変形が
生じても、ハウジング部材(7c)に対して移動ハウジング
(10)が軸方向に移動することにより、軸受(6) の予圧の
変化が防止される。しかし、次のような問題がある。
【0011】上記の主軸装置では、ハウジング部材(7c)
の内周と移動ハウジング(10)の外周との間には、移動ハ
ウジング(10)の軸方向の移動を円滑に行うことができる
ための適切な隙間が設けられている。ところで、主軸
(1) 回転中に、軸受(6) や主軸(1) に発熱が生じると、
これらに近い移動ハウジング(10)の方が後部ハウジング
部材(7c)に比べて温度上昇が大きく、両者の間に温度差
およびそれによる径方向の熱変形の差が生じる。移動ハ
ウジング(10)とハウジング部材(7c)との温度差は主軸
(1) の温度変化によって変化し、温度差が変化すること
により、上記隙間が変化する。このため、上記隙間を温
度差が小さい状態において適切になるように設定する
と、温度差が大きい状態では、隙間が小さくなって、移
動ハウジング(10)の動きが悪くなる。逆に、上記隙間を
温度差が大きい状態において適切になるように設定する
と、温度差が小さい状態において、隙間が大きくなり、
主軸(1)の支持剛性が不足して、主軸(1) に振動が発生
して加工精度などに悪影響を及ぼしたり、移動ハウジン
グ(10)が傾いて、動きが悪くなったりする。いずれにし
ても、主軸(1) の温度変化にかかわらずに、常に移動ハ
ウジング(10)の動きを円滑にして、主軸(1) の支持剛性
を高くすることは不可能である。
【0012】そこで、このような問題を解決するため
に、図7に示す主軸装置が考えられている。この主軸装
置の場合、後部ハウジング部材(7c)の内周と移動ハウジ
ング(10)の外周との間にボールブッシュ(14)が介在させ
られ、移動ハウジング(10)はボールブッシュ(14)の多数
のボール(14a) を介してハウジング部材(7c)に対して軸
方向に移動しうるようになっている。その他の構成は図
5および図6に示す装置と同じである。
【0013】この場合、ハウジング部材(7c)の内周と移
動ハウジング(10)の外周との隙間の大きさをボール(14
a) の外径より若干小さくし、ボール(14a) に適切な締
め代を与えて、主軸(1) の支持剛性を高めるようにして
いる。ところが、この主軸装置の場合にも、図5および
図6に示す主軸装置と同様に、主軸(1) の回転中の温度
変化により、移動ハウジング(10)とハウジング部材(7c)
との温度差が変化し、両者の温度差が変化することによ
り、両者の隙間が変化して、上記締め代が変化する。こ
のため、上記締め代を温度差が小さい状態において適切
になるように設定すると、温度差が大きい状態では、締
め代が大きくなって、ボール(14a) に作用する圧縮力が
大きくなり、これにより、ボール(14a) の転がり抵抗が
大きくなって、移動ハウジング(10)の動きが悪くなる。
逆に、上記締め代を温度差が大きい状態において適切に
なるように設定すると、温度差が小さい状態において、
締め代が小さくなり、主軸(1) の支持剛性が不足して、
加工精度などに悪影響を及ぼす。いずれにしても、主軸
(1) の温度変化にかかわらずに、常に移動ハウジング(1
0)の動きを円滑にして、主軸(1) の支持剛性を高くする
ことは不可能である。また、ボール(14a) とハウジング
部材(7c)および移動ハウジング(10)との接触面積が小さ
く、これらの接触点に大きな応力が作用するため、ハウ
ジング部材(7c)の内周面および移動ハウジング(10)の外
周面に摩耗や圧痕が生じるという問題がある。
【0014】移動ハウジング(10)とハウジング部材(7c)
との温度差を小さくするために、移動ハウジング(10)の
内部に冷却油を循環させるようにしたものが提案されて
いる。しかし、このようにしても、両者の温度差を十分
に小さくすることができず、上記の問題を解決すること
はできない。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】この発明の目的は、上
記の問題を解決し、温度変化にかかわらず、常に、移動
ハウジングの動きを円滑にして、転がり軸受の予圧を適
切な値に保持するとともに、主軸の支持剛性を高くする
ことができ、よって、低速回転から高速回転まで安定し
た運転が可能で、加工精度などの性能を高くすることが
できる工作機械の主軸装置を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段および発明の効果】この発
明による工作機械の主軸装置は、主軸の前後複数箇所に
固定ハウジングに対して主軸を回転支持するための転が
り軸受の内輪が固定され、一部の転がり軸受の外輪が固
定ハウジングの内周に軸方向移動可能に取付けられた移
動ハウジングに固定されている工作機械の主軸装置にお
いて、移動ハウジングが、主軸の軸方向に弾性変形する
弾性体を介して、固定ハウジングに対して同心状に連結
され、予め弾性変形させられた弾性体により、移動ハウ
ジングが固定ハウジングに対して一定方向に付勢され、
これにより転がり軸受に予圧が付与されているものであ
る。
【0017】この発明の装置によれば、移動ハウジング
が、主軸の軸方向に弾性変形する弾性体を介して、固定
ハウジングに対して同心状に連結されているので、移動
ハウジングと固定ハウジングが直接接触することはな
く、移動ハウジングと固定ハウジングとの温度差が変化
しても、移動ハウジングの軸方向の移動は円滑に行われ
る。また、移動ハウジングが、弾性体を介して固定ハウ
ジングに対して同心状に連結されているので、移動ハウ
ジングは常に固定ハウジングの中心に保持されることに
なり、主軸の支持剛性を高く保つことができて主軸の振
動発生を防止することができる。さらに、予め弾性変形
させられた弾性体により、移動ハウジングが固定ハウジ
ングに対して一定方向に付勢され、これにより転がり軸
受に予圧が付与されているので、弾性体の変形量が適切
な量となるように予め設定しておけば、転がり軸受に適
切な予圧を付与することができる。このため、主軸が温
度上昇して軸方向に熱変形したとしても、これに追従し
て移動ハウジングが主軸軸方向に移動することにより、
転がり軸受に付与される予圧の変化を抑制することがで
きる。その結果、低速回転から高速回転まで安定した運
転が可能となり、加工精度などの性能も向上する。
【0018】この発明の装置において、弾性体が、内周
縁部が移動ハウジングに連結され、外周縁部が固定ハウ
ジングに連結されている薄肉円環状であることが好まし
い。この場合、弾性体は主軸の軸方向に弾性変形しやす
いが、径方向には弾性変形しにくくなり、移動ハウジン
グが固定ハウジングの中心に確実に保持される。
【0019】また、弾性体が薄肉円環状である主軸装置
において、弾性体が、主軸の軸方向に間隔をおいて複数
設けられていることがある。この場合、、固定ハウジン
グの中心軸に対して、移動ハウジングの中心軸がねじれ
方向に傾こうとするのを、弾性体を1箇所に設ける場合
よりも確実に防止することができるため、軸受に対して
無理な力が加わらない。
【0020】また、薄肉円環状である弾性体が、主軸の
軸方向に間隔をおいて複数設けられている主軸装置にお
いて、移動ハウジング、固定ハウジングおよび隣り合う
弾性体によって、これらの間に冷却流体循環路が形成さ
れていることがある。この場合、冷却流体循環路に冷却
流体を流すことによって、移動ハウジング、固定ハウジ
ングおよび弾性体の温度変化を抑制することができ、弾
性体に無理な力が加わることが防止できる。したがっ
て、弾性体による効果が一層顕著になる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を、
図面を参照して説明する。
【0022】図1はこの発明の第1の実施形態を示す図
6に相当する主軸装置後部の縦断面図であり、図1にお
いて、図6のものに対応する部分には同一の符号を付し
ている。
【0023】この実施形態の場合、固定ハウジング(7)
は後部ハウジング部材(7c)を備えておらず、移動ハウジ
ング(10)の外周と固定ハウジング(7) の外側ハウジング
部材(7a)の内周との間には大きな隙間が設けられてい
る。移動ハウジング(10)は、転がり軸受(6) の外輪(6b)
を固定する厚肉円筒状の外輪固定部(10a) と、ハウジン
グ部材(7a)へ固定される厚肉円環状の固定部(10b) と、
外輪固定部(10a) の後端部の外周面および固定部(10b)
の内周面に一体に形成されかつ外輪固定部(10a)と固定
部(10b) とを一体に連結する薄肉円環状の連結部(10c)
(弾性体)とよりなる。連結部(10c) は、前後方向に弾
性変形しやすいが、径方向には弾性変形しにくくなって
おり、移動ハウジング(10)をハウジング部材(7a)に対し
てその中心に支持するとともに前後方向に弾性変形す
る。固定部(10b) は、環状のスペーサ(20)を介してハウ
ジング部材(7a)の後端面に固定されており、これにより
連結部(10c) が、その外周部が若干後方に傾くように弾
性変形させられている。スペーサ(20)は、連結部(10c)
の変形量を、予め設定された変形量にするためのもので
あり、これにより移動ハウジング(10)の外輪固定部(10
a) が常に後方に付勢され、転がり軸受(6) に適切な予
圧が付与されている。
【0024】主軸装置の後部における他の部分の構成
は、図6のものと同様である。また、主軸装置全体の構
成は、たとえば図5のものと同様にすることができる。
【0025】上記の主軸装置において、主軸(1) に熱変
形が生じて軸方向にのびたとしても、固定ハウジング
(7) の外側ハウジング部材(7a)に対して移動ハウジング
(10)が軸方向後方に移動することにより、軸受(6) の予
圧の変化が防止される。たとえば、主軸(1) の熱変形が
大きくなってその後部が後側に移動すると、これに伴っ
て後側の軸受(6) の内輪(6a)も後側に移動し、軸受(6)
の予圧が減少する。すると、軸受(6) の外輪(6b)に働い
ている予圧の分力と弾性変形している連結部(10c) の弾
発力とのつりあいがくずれ、移動ハウジング(10)および
外輪(6b)が連結部(10c) の弾発力により後側に移動し、
両方の力がつりあう位置で停止する(図1鎖線参照)。
逆に、主軸(1) の熱変形が小さくなってその後部が前側
に移動すると、これに伴って軸受(6) の内輪(6a)も前側
に移動し、軸受(6) の予圧が増加する。すると、軸受
(6) の外輪(6b)に働いている予圧の分力と弾性変形して
いる連結部(10c) の弾発力とのつりあいがくずれ、移動
ハウジング(10)および外輪(6b)が連結部(10c) を弾性変
形させて前側に移動し、両方の力がつりあう位置で停止
する。
【0026】移動ハウジング(10)は軸方向に移動可能で
はあるものの、移動ハウジング(10)は、径方向には弾性
変形しにくい連結部(10c) により固定ハウジング(7) に
対してその中心に支持されているので、主軸(1) の支持
剛性を高くすることができ、加工精度が向上する。
【0027】図2はこの発明の第2の実施形態を示す図
1に相当する主軸装置後部の縦断面図である。図2にお
いて、図1のものに対応する部分には同一の符号を付し
ている。
【0028】この実施形態の場合、移動ハウジング(10)
は、固定部(10b) および連結部(10c) を持たず、移動ハ
ウジング(10)と固定ハウジング(7) の外側ハウジング部
材(7a)とは、これらと別個に形成された円環状のダイヤ
フラム(21)(弾性体)によって連結されている。ダイヤ
フラム(21)の内周縁部は蓋(22)によって移動ハウジング
(10)に固定され、同じく外周縁部は蓋(23)によって外側
ハウジング部材(7a)の後端面に固定されている。ダイヤ
フラム(21)とハウジング部材(7a)内周面の段部(7d)との
間には環状のスペーサ(24)が介在させられている。スペ
ーサ(24)によって、ダイヤフラム(21)が、その外周部が
若干後方に傾くように、予め設定された量だけ弾性変形
させられており、これにより移動ハウジング(10)が常に
後方に付勢され、転がり軸受(6) に適切な予圧が付与さ
れている。
【0029】主軸装置の後部における他の部分の構成
は、図1のものと同様である。また、主軸装置全体の構
成は、たとえば図5のものと同様にすることができる。
【0030】上記主軸装置において、軸受(6) の予圧の
変化は、ダイヤフラム(21)により第1の実施形態の装置
の場合と同様にして防止される。また、主軸(1) の支持
剛性は、ダイヤフラム(21)により確保される。
【0031】図3はこの発明の第3の実施形態を示す図
2に相当する主軸装置後部の縦断面図である。図3にお
いて、図2のものに対応する部分には同一の符号を付し
ている。
【0032】この実施形態の場合、移動ハウジング(10)
と固定ハウジング(7) の外側ハウジング部材(7a)とは、
前後に間隔をおいて配された2つのダイヤフラム(21)に
よって連結されている。これらのダイヤフラム(21)の内
周縁部はカラー(25)および蓋(22)を用いて前後方向に間
隔をおいて移動ハウジング(10)に固定され、同じく外周
縁部はカラー(26)および蓋(23)を用いて前後方向に間隔
をおいて外側ハウジング部材(7a)に固定されている。前
側のダイヤフラム(21)と外側ハウジング部材(7a)の段部
(7d)との間には環状のスペーサ(24)が介在させられてい
る。スペーサ(24)によって、各ダイヤフラム(21)が、そ
の外周部が若干後方に傾くように、予め設定された量だ
け弾性変形させられており、これにより移動ハウジング
(10)が常に後方に付勢され、転がり軸受(6) に適切な予
圧が付与されている。
【0033】主軸装置の後部における他の部分の構成
は、図2のものと同様である。また、主軸装置全体の構
成は、たとえば図5のものと同様にすることができる。
【0034】上記主軸装置において、軸受(6) の予圧の
変化は、2つのダイヤフラム(21)により第1の実施形態
の装置の場合と同様にして防止される。また、主軸(1)
の支持剛性は、2つのダイヤフラム(21)により確保され
る。
【0035】図4はこの発明の第4の実施形態を示す図
3に相当する主軸装置後部の縦断面図である。図4にお
いて、図3のものに対応する部分には同一の符号を付し
ている。
【0036】この実施形態の場合、2つのダイヤフラム
(21)間の部分において、主軸台(8)、外側ハウジング部
材(7a)およびカラー(26)にかけて冷却流体供給路(30)お
よび同排出路(図示略)が形成され、これにより2つの
ダイヤフラム(21)と、移動ハウジング(10)と、外側ハウ
ジング部材(7a)に囲まれた部分に冷却流体循環路(31)が
形成されている。
【0037】上記主軸装置において、軸受(6) の予圧の
変化は第1の実施形態の装置の場合と同様にして防止さ
れる。また、主軸(1) の支持剛性は、2つのダイヤフラ
ム(21)により確保される。
【0038】さらに、冷却流体循環路(31)に冷却流体を
流すことにより、移動ハウジング(10)、ハウジング部材
(7a)およびダイヤフラム(21)の温度変化を抑制すること
ができ、ダイヤフラム(21)に無理な力が加わることが防
止できる。したがって、ダイヤフラム(21)による軸受
(6) の予圧変化防止効果、および主軸(1) の支持剛性確
保効果が一層顕著になる。
【0039】上述した4つの実施形態において、主軸装
置の全体の構成は適宜変更可能であり、また移動ハウジ
ング(10)、固定ハウジング(7) および弾性体の構成も適
宜変更可能である。また、主軸(1) と移動ハウジング(1
0)との間の転がり軸受の数も適宜変更可能であるととも
に、転がり軸受の主軸(1) および移動ハウジング(10)へ
の取付け構造も適宜変更可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、この発明の第1の実施形態を示す主軸
装置後部の縦断面図である。
【図2】図2は、この発明の第2の実施形態を示す主軸
装置後部の縦断面図である。
【図3】図3は、この発明の第3の実施形態を示す主軸
装置後部の縦断面図である。
【図4】図4は、この発明の第4の実施形態を示す主軸
装置後部の縦断面図である。
【図5】図5は、従来例を示す主軸装置の縦断面図であ
る。
【図6】図6は、図5の後部を拡大して示す縦断面図で
ある。
【図7】図7は、他の従来例を示す主軸装置後部の縦断
面図である。
【符号の説明】
(1):主軸 (2)(3)(4)(5)(6):転がり軸受 (6a):内輪 (6b):外輪 (7):固定ハウジング (7a):外側ハウジング部材 (10):移動ハウジング (10c):連結部(弾性体) (21):ダイヤフラム(弾性体)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主軸の前後複数箇所に固定ハウジングに
    対して主軸を回転支持するための転がり軸受の内輪が固
    定され、一部の転がり軸受の外輪が固定ハウジングの内
    周に軸方向移動可能に取付けられた移動ハウジングに固
    定されている工作機械の主軸装置において、 移動ハウジングが、主軸の軸方向に弾性変形する弾性体
    を介して、固定ハウジングに対して同心状に連結され、
    予め弾性変形させられた弾性体により、移動ハウジング
    が固定ハウジングに対して一定方向に付勢され、これに
    より転がり軸受に予圧が付与されている工作機械の主軸
    装置。
  2. 【請求項2】 弾性体が、内周縁部が移動ハウジングに
    連結され、外周縁部が固定ハウジングに連結されている
    薄肉円環状である請求項1の工作機械の主軸装置。
  3. 【請求項3】 弾性体が、主軸の軸方向に間隔をおいて
    複数設けられている請求項1または2の工作機械の主軸
    装置。
  4. 【請求項4】 移動ハウジング、固定ハウジングおよび
    隣り合う弾性体によって、これらの間に冷却流体循環路
    が形成されている請求項3の工作機械の主軸装置。
JP11014710A 1999-01-22 1999-01-22 工作機械の主軸装置 Withdrawn JP2000210826A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11014710A JP2000210826A (ja) 1999-01-22 1999-01-22 工作機械の主軸装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11014710A JP2000210826A (ja) 1999-01-22 1999-01-22 工作機械の主軸装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000210826A true JP2000210826A (ja) 2000-08-02

Family

ID=11868727

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11014710A Withdrawn JP2000210826A (ja) 1999-01-22 1999-01-22 工作機械の主軸装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000210826A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005523167A (ja) * 2002-04-22 2005-08-04 ルカ トンチェリ 工作機械に主軸を支持するための構造およびその製造方法
JP2011104743A (ja) * 2009-11-19 2011-06-02 Sodick Co Ltd スピンドル装置
CN103286570A (zh) * 2013-05-07 2013-09-11 青岛大成机床有限公司 大型立式高速数控车床工作台面

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005523167A (ja) * 2002-04-22 2005-08-04 ルカ トンチェリ 工作機械に主軸を支持するための構造およびその製造方法
JP4660096B2 (ja) * 2002-04-22 2011-03-30 ルカ トンチェリ 工作機械に主軸を支持するための構造およびその製造方法
JP2011104743A (ja) * 2009-11-19 2011-06-02 Sodick Co Ltd スピンドル装置
CN103286570A (zh) * 2013-05-07 2013-09-11 青岛大成机床有限公司 大型立式高速数控车床工作台面

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6012980B2 (ja) 軸受装置の予圧調整構造
US5820272A (en) Bearing structure for a rotating shaft
JP2006326695A (ja) 工作機械主軸用軸受装置
JP2000210826A (ja) 工作機械の主軸装置
EP1167787B1 (en) Bearing apparatus
JP3845757B2 (ja) 工作機械の主軸装置およびその運転方法
JP2008019943A (ja) 組合せ軸受
JPH10225802A (ja) 工作機械の主軸装置
JP2001140869A (ja) 複列軸受
JP2004190855A (ja) スピンドルモータ
JPH10122248A (ja) 回転軸の軸受支持構造及び電動機
JP2002346861A (ja) 工作機械の主軸装置
JP4048050B2 (ja) 主軸装置
JP2008032070A (ja) 玉軸受
JPH11294554A (ja) 送りねじ装置
JP3080253B2 (ja) 工作機械の主軸装置
JP6351307B2 (ja) アンギュラ玉軸受および機械装置
JP2000322820A (ja) ディスク駆動用モータ
JP2541452Y2 (ja) 軸受装置
JP2002266854A (ja) モータ
JP2001193744A (ja) 工作機械の主軸用回転支持装置
KR101727813B1 (ko) 유정압 베어링 및 이를 포함하는 공작기계
JP2020090977A (ja) 転がり軸受固定構造
JPH10328908A (ja) 工作機械の加工主軸軸受装置
JPH11129101A (ja) 工作機械の主軸装置

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20060404