JPH11129101A - 工作機械の主軸装置 - Google Patents

工作機械の主軸装置

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JPH11129101A
JPH11129101A JP29652997A JP29652997A JPH11129101A JP H11129101 A JPH11129101 A JP H11129101A JP 29652997 A JP29652997 A JP 29652997A JP 29652997 A JP29652997 A JP 29652997A JP H11129101 A JPH11129101 A JP H11129101A
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JP
Japan
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bearing
housing
temperature
cylindrical portion
spindle
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JP29652997A
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English (en)
Inventor
Masayuki Nashiki
政行 梨木
Shihou Katsumata
志芳 勝又
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Okuma Corp
Original Assignee
Okuma Corp
Okuma Machinery Works Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 転がり軸受と固定ハウジングとのすきまをで
きるだけ小さくして主軸の剛性を高めることができ、な
おかつ軸受に必要以上の予圧がかからないようにするこ
とができる工作機械の主軸装置を提供する。 【解決手段】 固定ハウジング7の内側に、転がり軸受
2、3、4、5を介して主軸1が回転支持されている。
固定ハウジング7が、ハウジング本体7aと、その内周に
設けられて転がり軸受2〜5の外輪2b、3b、4b、5bが固
定された薄肉円筒部7b、7cとを備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、工作機械の主軸
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】工作機械の主軸装置として、従来、図1
に示すようなものが知られている。
【0003】図1において、中空状の主軸(1)の前部の
数箇所と後部の1箇所が転がり軸受(2)(3)(4)(5)(6)に
より厚肉円筒状の固定ハウジング(7)に対して回転支持
されている。転がり軸受(2)〜(6)としては、たとえば深
みぞ玉軸受、アンギュラ玉軸受、円すいころ軸受など、
ラジアル荷重と少なくとも一方向のスラスト荷重が受け
られるものが用いられる。ハウジング(7)は、主軸頭あ
るいは主軸台などの機械本体(8)に固定されている。ハ
ウジング(7)内の前側の軸受(2)〜(5)と後側の軸受(6)の
間の部分に、主軸(1)を回転させるための駆動装置であ
るビルトイン型の電動機(9)が設けられている。電動機
(9)は、主軸(1)の外周に設けられたロータ(9a)と、その
周囲のハウジング(7)の内周に設けられたステータ(9b)
とから構成されている。
【0004】軸受(2)〜(6)の内輪は主軸(1)の外径にし
まりばめにより取り付けられ、これらの外輪はハウジン
グ(7)の内径にすきまばめにより取り付けられている。
前側の4個の軸受(2)〜(5)の内輪はカラー(10)(11)(12)
およびナット(13)を用いて主軸(1)に固定され、これら
の外輪はカラー(14)および抑え蓋(15)を用いてハウジン
グ(7)に固定されている。後側の軸受(6)の内輪はカラー
(16)(17)およびナット(18)を用いて主軸(1)に固定さ
れ、その外輪は抑え蓋(19)を用いてハウジング(7)に固
定されている。そして、軸受(2)〜(6)には、所定の予圧
が付与されている。
【0005】上記のような主軸装置においては、一般
に、主軸(1)外径と軸受(2)〜(6)内径とは、主軸(1)回転
時の軸受内輪の遠心膨張や主軸(1)と軸受内輪とのすべ
り防止などを考慮して上記のようにしまりばめで取り付
け、反対に軸受(2)〜(6)外径とハウジング(7)内径とは
上記のようにすきまばめで取り付けるように、寸法を管
理している。また、この際、工作物加工時におけるびび
り防止や加工精度向上のために、軸受(2)〜(6)外径とハ
ウジング(7)内径とのすきまを必要最小限にし、さらに
上記のように軸受(2)〜(6)に予圧を付与して主軸剛性を
高めている。
【0006】ところが、上記のような主軸装置では、主
軸回転時に発生する遠心力により主軸および軸受が膨張
すること、主軸回転時の軸受の発熱などにより、主軸、
軸受およびハウジングに温度上昇が生じ、これらが熱膨
張すること、主軸、軸受およびハウジングの温度上昇に
は差があり、したがって、これらの間に、熱膨張による
径方向寸法変化の差が生じること、とくに回転開始後の
初期の段階においては、主軸、軸受およびハウジングの
間に温度上昇の時間的ずれが生じ、したがって、これら
の間の温度差および熱膨張による径方向寸法変化の差が
大きいことなどにより、次に説明するように、軸受の予
圧が大きくなり、軸受外径とハウジング内径とのすきま
を主軸停止時あるいは低速回転時に最適となるように小
さい値に設定すると、高速回転時に軸受の予圧が過大に
なって軸受の損傷のおそれがあり、逆に、上記すきまを
高速回転時に最適となるように大きい値に設定すると、
とくに低速回転時にすきまが過大となり、軸受剛性が低
下するという問題がある。
【0007】すなわち、主軸が回転すると、軸受の内輪
および外輪と転動体との接触点で発熱が生じ、発生した
熱は、軸受内輪から主軸に、軸受外輪からハウジングに
伝搬していく。そして、主軸の回転開始から十分に長い
時間が経過した安定状態においては、最終的に主軸、軸
受およびハウジングの各部の温度は飽和して、それぞれ
の温度に保たれるが、ハウジングは軸受や主軸に比べて
質量および放熱面積が大きく、しかも機械本体の温度上
昇による熱変形を避けるために油などで冷却しているこ
とが作用して、ハウジングの温度上昇およびそれによる
熱膨張は主軸や軸受に比べて小さい。また、回転開始の
初期の段階においては、軸受外輪からハウジングに熱が
伝わってきても、ハウジング内部の熱伝導により熱が拡
散するため、ハウジングと軸受および主軸との間に温度
上昇の時間的ずれが生じ、ハウジングの温度上昇は軸受
や主軸に比べて遅い。とくに、高速回転時には、軸受に
おける発熱が大きく、主軸および軸受とハウジングとの
間の温度差およびそれによる熱膨張の差も大きい。ま
た、主軸が回転すると、主軸およびこれに固定されてい
る軸受内輪に遠心力が発生し、それにより主軸および軸
受内輪が径方向に膨張するが、軸受外輪およびハウジン
グは回転しないので、これらには遠心力およびそれによ
る膨張は生じない。とくに、10,000rpm以上の
高速回転領域では、遠心力による主軸および軸受内輪の
膨張は無視できない。したがって、とくに、高速回転時
の回転開始時には、主軸および軸受内輪の膨張量は、ハ
ウジングに比べて大きくなる。
【0008】このように、とくに回転開始後の初期の段
階においては、軸受外輪の膨脹量がハウジングに比べて
大きいため、軸受外径とハウジング内径とのすきまが0
以下になることがあり、そうなると、軸受外輪はそれ以
上膨張できなくなる。しかも、主軸および軸受内輪の膨
張量がハウジングに比べて大きいため、内輪と外輪との
間の軸受すきまが小さくなり、予圧が大きくなる。そし
て、予圧が大きくなると、発熱量も増え、軸受外輪と軸
受内輪の寸法変化の差がさらに大きくなるという悪循環
が生じる。このため、主軸停止時の軸受外径とハウジン
グ内径とのすきまを小さい値に設定すると、とくに高速
回転時の回転開始時に軸受予圧が過大になって軸受が破
損するおそれがある。これを避けるために、主軸停止時
の軸受外径とハウジング内径とのすきまを大きい値に設
定するが、このような不必要なすきまを設けると、主軸
の剛性が低下し、切削時のびびりや回転時の振動の原因
となる。
【0009】軸受内輪側と軸受外輪側の膨脹量に差が出
ないようにするために、主軸内部に冷却手段を設けて軸
受の発熱による主軸および軸受内輪の膨張を極力抑えた
り、軸受部に大量の冷却油をかけて強制的に軸受の発熱
を低減させる方法などが採用されることがあるが、それ
ぞれ、コストアップの問題や主軸、ハウジングなどの構
成部品が複雑になって、製作が難しくなるなどの問題が
ある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】この発明の目的は、軸
受とハウジングとのすきまをできるだけ小さくして主軸
の剛性を高めることができ、なおかつ軸受に必要以上の
予圧がかからないようにすることができる工作機械の主
軸装置を提供することにある。
【0011】この発明の目的は、また、軸受の予圧をほ
ぼ一定に保つことができる工作機械の主軸装置を提供す
ることにある。
【0012】
【課題を解決するための手段および発明の効果】請求項
1の発明による工作機械の主軸装置は、固定ハウジング
の内側に転がり軸受を介して主軸が回転支持されている
工作機械の主軸装置において、固定ハウジングが、ハウ
ジング本体と、その内周に設けられて転がり軸受の外輪
が固定された薄肉円筒部とを備えていることを特徴とす
るものである。
【0013】請求項2の発明による工作機械の主軸装置
は、請求項1の発明において、内径にみぞ部を有するハ
ウジング本体の内周にパイプ状部材が固定されることに
より、転がり軸受の外輪が固定された薄肉円筒部がみぞ
部の内側に形成されていることを特徴とするものであ
る。
【0014】請求項3の発明による工作機械の主軸装置
は、請求項1または2の発明において、薄肉円筒部の近
傍のハウジング本体の部分に冷却手段が設けられている
ことを特徴とするものである。
【0015】請求項4の発明による工作機械の主軸装置
は、請求項1、2または3の発明において、薄肉円筒部
の温度または転がり軸受に作用する荷重を検出する状態
検出手段と、固定ハウジングの薄肉円筒部の冷却および
加熱を行うための冷却加熱手段と、状態検出手段の出力
信号に基づき冷却加熱手段を制御して薄肉円筒部の温度
を適切に制御する温度制御手段とを備えていることを特
徴とするものである。
【0016】以下、図2に示す説明図を参照して、この
発明の構成について説明する。
【0017】図2において、機械本体(20)に固定された
厚肉円筒状の固定ハウジング(21)の内側に、主軸(22)が
転がり軸受(23)を介して回転支持されている。
【0018】ハウジング(21)は、厚肉円筒状のハウジン
グ本体(21a)と、ハウジング本体(21a)の内周に設けられ
た薄肉円筒部(21b)とから構成されている。薄肉円筒部
(21b)は、例えば、ハウジング本体(21a)の内周に形成さ
れた環状みぞ(24)の内周側に薄肉のパイプ状部材(25)を
固定することにより形成されている。
【0019】軸受(23)は、内輪(23a)、外輪(23b)および
これらの間に配置された複数の転動体(23c)を備えてい
る。軸受内輪(23a)は主軸(23)の外径にしまりばめによ
り取り付けられ、軸受外輪(23b)はハウジング(21)の薄
肉円筒部(21b)の軸方向中央部の内径にすきまばめによ
り取り付けられている。軸受外輪(23b)とハウジング(2
1)の薄肉円筒部(21b)とのすきまは、主軸(23)の剛性を
高めるため、必要最小限に設定されている。
【0020】たとえば、薄肉円筒部(21b)の近傍のハウ
ジング本体(21a)の部分、たとえば、みぞ(24)の軸方向
両側のハウジング本体(21a)の内径側の部分に、薄肉円
筒部(21b)とハウジング本体(21a)との境界部を冷却する
ための冷却手段(26)(27)が設けられている。
【0021】たとえば、薄肉円筒部(21b)の軸方向中央
部の外径に、円筒部(21b)を補強するための補強部(28)
が設けられている。そして、補強部(28)の外周に、円筒
部(21b)の冷却と加熱を行うための冷却加熱手段(29)が
設けられている。
【0022】薄肉円筒部(21b)に、円筒部(21b)の軸方向
中央部の温度を検出する状態検出手段としての円筒部温
度検出手段(30)が設けられている。また、主軸装置の適
当箇所に、主軸(22)の温度を検出する状態検出手段とし
ての主軸温度検出手段(31)が設けられている。そして、
2つの検出手段(30)(31)が、これらの出力信号に基づき
冷却加熱手段(29)を制御して円筒部(21b)の温度を適切
に制御するための温度制御手段(32)に接続されている。
【0023】図2の主軸装置において、主軸(22)が回転
すると、軸受(23)が発熱し、内輪(23a)および外輪(23b)
に熱膨張が生じる。そして、発生した熱は、内輪(23a)
から主軸(22)に伝わるとともに、外輪(23b)から薄肉円
筒部(21b)に伝わり、主軸(22)および円筒部(21b)にも熱
膨張が生じる。また、主軸(22)がビルトイン型の電動機
により回転駆動される場合には、主軸(22)に設けられた
電動機のロータが発熱し、これにより主軸(22)に温度上
昇が生じ、これによっても主軸(22)が熱膨張する。電動
機のロータから主軸(22)に伝った熱は、軸受(23)および
薄肉円筒部(21b)にも伝わり、回転開始から十分に長い
時間が経過した安定状態においては、これらの温度は飽
和して、それぞれの温度に保たれるが、回転開始後の主
軸(22)の温度上昇の方が軸受(23)および円筒部(21b)の
それより大きい状態においては、主軸(22)の膨張によっ
ても軸受(23)および円筒部(21b)が膨張させられる。円
筒部(21b)は薄肉で、熱抵抗が比較的大きいため、円筒
部(21b)からハウジング本体(21a)へは熱が伝わりにく
く、しかも、ハウジング本体(21a)は厚肉で熱容量が大
きいため、ハウジング本体(21a)の温度上昇は非常に小
さく、したがって、ハウジング本体(21a)の内径の熱膨
張による寸法変化も非常に小さい。また、円筒部(21b)
が薄肉で質量も小さく、さらに温度抵抗が比較的大きい
ため、円筒部(21b)の軸方向両端部の温度はハウジング
本体(21a)の温度に近く、円筒部(21b)の軸方向中央部の
温度は軸受外輪(23b)の温度に近くなり、軸方向中央部
は温度上昇により熱膨張する。そして、この円筒部(21
b)の軸方向中央部の熱膨張により、軸受外輪(23b)の熱
膨張が吸収され、軸受(23)の予圧上昇が緩和される。円
筒部(21b)は、円筒部(21b)の一部分を内部からラジアル
方向に膨らまそうとする荷重に対しては膨らみやすい
が、円筒部(21b)の全体をラジアル方向に変形させよう
とする荷重に対しては大きな剛性を有する。このため、
軸受外輪(23b)の温度上昇が円筒部(21b)のそれより大き
い場合でも、円筒部(21b)が軸方向に膨らむことによっ
て、軸受外輪(23b)の熱膨張が吸収され、軸受(23)の予
圧上昇が緩和される。
【0024】円筒部(21b)がパイプ状部材で構成されて
いる場合は、とくに上記のような効果が大きい。しかし
ながら、薄肉円筒部(21b)は、必ずしもパイプ状部材で
構成しなくてもよく、他の任意の手段により構成するこ
とができる。
【0025】薄肉円筒部(21b)は軸受(23)に対してある
程度の支持強度を有することが必要であるが、補強部(2
8)が設けられている場合は、これにより円筒部(21b)を
補強して支持強度を高めることができる。
【0026】ハウジング本体(21a)に冷却手段(26)(27)
が設けられている場合は、ハウジング本体(21a)の温度
上昇が極力抑えられて、ハウジング本体(21a)の熱膨張
が極力抑えられ、円筒部(21b)の軸方向両端部の温度が
ハウジング本体(21a)の温度に非常に近い値に保たれ
る。しかも、薄肉円筒部(21b)の軸方向中央部は温度上
昇により熱膨張して、軸受外輪(23b)の熱膨張を吸収
し、軸受(23)の予圧上昇を緩和する。
【0027】冷却加熱手段(29)、円筒部温度検出手段(3
0)、主軸温度検出手段(31)および温度制御手段(32)が設
けられている場合、たとえば、温度制御手段(32)は、検
出手段(30)(31)の出力信号に基づき、円筒部(21b)の軸
方向中央部の温度と主軸(22)の温度がほぼ同一温度とな
るように、冷却加熱手段(29)を制御して、円筒部(21b)
の温度を制御する。このように円筒部(21b)の軸方向中
央部の温度と主軸(22)の温度がほぼ同一温度とすること
により、円筒部(21b)が主軸(22)および軸受(23)と同じ
ように熱膨張して、軸受(23)の熱膨張を吸収し、軸受(2
3)の予圧上昇を確実に緩和する。
【0028】状態検出手段として、温度検出手段(30)(3
1)の代わりに、軸受(23)にかかる荷重を検出する荷重検
出手段を設け、温度制御手段(32)が、荷重検出手段の出
力信号に基づき冷却加熱手段(29)を制御して、円筒部(2
1b)の温度を適切に制御するようにすることもできる。
その場合、たとえば、温度制御手段(32)は、軸受(23)に
かかる荷重すなわち予圧が適切な所定の値になるよう
に、冷却加熱手段(29)を制御する。このようにしても、
軸受(23)の予圧が適切な値に保たれ、軸受(23)の予圧上
昇が確実に緩和される。
【0029】以上のように、請求項1の発明によれば、
ハウジング本体の内径に設けられた薄肉円筒部の働きに
より、主軸の剛性を高く保ちながら、発熱による軸受の
予圧上昇を緩和して、予圧過大による軸受の損傷を防止
することができる。
【0030】請求項2の発明によれば、内径にみぞ部を
有するハウジング本体の内周にパイプ状部材を固定する
だけで、みぞ部の内側に簡単に薄肉円筒部を形成するこ
とができ、しかも、薄肉円筒部がパイプ状部材から構成
されていることにより、主軸の剛性を高く保ちながら、
発熱による軸受の予圧上昇を緩和して、予圧過大による
軸受の損傷を防止することができるという上記の効果を
高めることができる。
【0031】請求項3の発明によれば、ハウジング本体
の温度上昇を極力抑えて、ハウジング本体の熱膨張によ
る寸法変化を非常に小さくすることができ、しかも、主
軸の剛性を高く保ちながら、発熱による軸受の予圧上昇
を緩和して、予圧過大による軸受の損傷を防止すること
ができる。
【0032】請求項4の発明によれば、温度制御手段が
冷却加熱手段を制御して薄肉円筒部の温度を適切に制御
することにより、軸受の予圧上昇を確実に緩和すること
ができる。とくに、状態検出手段が転がり軸受に作用す
る荷重を検出するものである場合は、軸受の予圧をほぼ
一定に保って、軸受の予圧上昇を確実に緩和することが
できる。
【0033】
【発明の実施の形態】以下、図3を参照して、この発明
を図1のような主軸装置に適用した実施形態について説
明する。
【0034】なお、以下の図3に関する説明において、
図1のものと対応する部分には同一の図面参照符号を付
し、詳細な説明は省略する。また、以下の説明におい
て、図3の左側を前、右側を後とする。
【0035】図3は、本願発明を図1の主軸装置の前側
の軸受(2)〜(5)の部分に適用した実施形態を示してい
る。
【0036】図3において、固定ハウジング(7)は、機
械本体(8)に固定された厚肉円筒状のハウジング本体(7
a)と、ハウジング本体(7a)の内径の前後2箇所に設けら
れた薄肉円筒部(7b)(7c)とから構成されている。2つの
薄肉円筒部(7b)(7c)は、次のように、1つのパイプ状部
材(34)から構成されている。すなわち、ハウジング本体
(7a)の前側部分の内径の前後2箇所に環状みぞ(35)(36)
が固定され、これらのみぞ(35)(36)の内周側を完全に覆
うように、ハウジング本体(7a)の内径に1つのパイプ状
部材(34)が固定されている。パイプ状部材(34)は、たと
えば、しまりばめによりハウジング本体(7a)の内径には
められ、適宜な手段により固定されている。そして、パ
イプ状部材(34)の前側のみぞ(35)に面する部分が前側薄
肉円筒部(7b)、パイプ状部材(34)の後側のみぞ(36)に面
する部分が後側薄肉円筒部(7c)となっている。
【0037】軸受(2)〜(5)は、たとえば深みぞ玉軸受で
あり、それぞれ、内輪(2a)(3a)(4a)(5a)、外輪(2b)(3b)
(4b)(5b)およびこれらの間に配置された複数の転動体
(玉)(2c)(3c)(4c)(5c)を備えている。軸受内輪(2a)〜
(5a)は主軸(1)の外径にしまりばめにより取り付けら
れ、前側の2つの軸受(2)(3)の外輪(2b)(3b)は前側薄肉
円筒部(7b)の軸方向中央部の内径にすきまばめにより取
り付けられ、後側の2つの軸受(4)(5)の外輪(4b)(5b)は
後側薄肉円筒部(7c)の軸方向中央部の内径にすきまばめ
により取り付けられている。軸受外輪(2b)〜(5b)と薄肉
円筒部(7b)(7c)とのすきまは、主軸(1)の剛性を高める
ため、必要最小限に設定されている。
【0038】薄肉円筒部(7b)(7c)の近傍のハウジング本
体(7a)の前後3箇所、すなわち、前側のみぞ(35)のすぐ
前、前後のみぞ(35)(36)の間、および後側のみぞ(36)の
すぐ後の部分の外径側の部分に、冷却手段を構成する冷
却装置(37)(38)(39)が設けられている。各冷却装置(37)
〜(39)は、たとえば、ハウジング本体(7a)に形成された
油通路に冷却油を流すことにより薄肉円筒部(7b)(7c)と
ハウジング本体(7a)との境界部を冷却するものである。
【0039】各薄肉円筒部(7b)(7c)の軸方向中央部の外
径に、円筒部(7b)(7c)を補強するための補強部(40)(41)
が設けられている。各補強部(7b)(7c)は、たとえば、リ
ング状の部材をパイプ状部材(34)の外径にしまりばめに
より固定することにより形成される。あるいは、パイプ
状部材(34)の所定箇所の肉厚を厚くして、パイプ状部材
(34)の径方向外側に補強部(40)(41)を一体に形成しても
よい。
【0040】各補強部(40)(41)の外周に、各円筒部(7b)
(7c)の冷却と加熱を行うための冷却加熱手段を構成する
冷却加熱装置(42)(43)が設けられている。各加熱装置(4
2)(43)は、たとえば、冷却油を用いて円筒部(7b)(7c)を
冷却する冷却手段と抵抗器を用いて円筒部(7b)(7c)を加
熱する加熱手段を備えている。
【0041】各薄肉円筒部(7b)(7c)に、各円筒部(7b)(7
c)の軸方向中央部の温度を検出する状態検出手段として
の円筒部温度検出器(44)(45)が設けられている。温度検
出器(44)(45)としては、たとえば熱電対などが用いられ
る。また、主軸装置の適当箇所に、主軸(1)の温度を検
出する状態検出手段を構成する主軸温度検出装置(46)が
設けられている。主軸温度検出装置(46)としては、たと
えば輻射温度計などが用いられる。そして、温度検出器
(44)(45)および温度検出装置(46)が、これらの出力信号
に基づき冷却加熱装置(42)(43)を制御して各円筒部(7b)
(7c)の温度を適切に制御するための温度制御手段を構成
する温度制御装置(47)に接続されている。温度制御装置
(47)は、たとえば、温度検出器(44)(45)および温度検出
装置(46)の出力信号に基づき、各円筒部(7b)(7c)の軸方
向中央部の温度と主軸(1)の温度がほぼ同一温度となる
ように、各冷却加熱装置(42)(43)を制御して、各円筒部
(7b)(7c)の温度を制御する。
【0042】図3の主軸装置における作用効果は、図2
の主軸装置の場合と同じである。さらに、図3の主軸装
置の場合、ハウジング本体(7a)の内径に1つのパイプ状
部材(34)を固定するだけで、2つの薄肉円筒部(7b)(7c)
を簡単に形成することができる。
【0043】状態検出手段として、温度検出器(44)(45)
および温度検出装置(46)の代わりに、前側の少なくとも
一方の軸受(2)(3)に作用する荷重を検出する荷重検出手
段としての荷重検出装置と、後側の少なくとも一方の軸
受(4)(5)に作用する荷重を検出する荷重検出手段として
の荷重検出装置とを設け、温度制御装置(47)が、各荷重
検出装置の出力信号に基づき各冷却加熱装置(42)(43)を
制御して、各円筒部(7b)(7c)の温度を適切に制御するよ
うにすることもできる。その場合、たとえば、温度制御
装置(47)は、各円筒部(7b)(7c)に支持された軸受(2)〜
(3)に作用する荷重すなわち予圧が適切な所定の値にな
るように、各冷却加熱装置(42)(43)を制御する。このよ
うにしても、軸受(2)〜(5)の予圧が適切な値に保たれ、
軸受(2)〜(5)の予圧上昇が確実に緩和される。
【0044】図3には、この発明を主軸装置の前側の軸
受(2)〜(5)の部分に適用した実施形態を示したが、この
発明は、図1に示すような主軸装置の後側の軸受(6)に
も適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、従来例を示す主軸装置の縦断面図であ
る。
【図2】図2は、この発明の構成を示す構成図である。
【図3】図3は、この発明の実施形態を示す主軸装置の
主要部の縦断面図である。
【符号の説明】
(1) 主軸 (2)(3)(4)(5)(6) 転がり軸受 (7) 固定ハウジング (7a) ハウジング本体 (7b) 薄肉円筒部 (21) 固定ハウジング (21a) ハウジング本体 (21b) 薄肉円筒部 (22) 主軸 (23) 転がり軸受 (24) みぞ (25) パイプ状部材 (26)(27) 冷却手段 (29) 加熱冷却手段 (30) 軸受温度検出手段(状態検出手
段) (31) 主軸温度検出手段(状態検出手
段) (32) 温度制御手段 (34) パイプ状部材 (35)(36) みぞ (37)(38)(39) 冷却装置(冷却手段) (42)(43) 冷却加熱装置(冷却加熱手段) (44)(45) 円筒部温度検出装置(状態検出
手段) (46) 主軸温度検出装置(状態検出手
段) (47) 温度制御装置(温度制御手段)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】固定ハウジングの内側に転がり軸受を介し
    て主軸が回転支持されている工作機械の主軸装置におい
    て、 固定ハウジングが、ハウジング本体と、その内周に設け
    られて転がり軸受の外輪が固定された薄肉円筒部とを備
    えていることを特徴とする工作機械の主軸装置。
  2. 【請求項2】内径にみぞ部を有するハウジング本体の内
    周にパイプ状部材が固定されることにより、転がり軸受
    の外輪が固定された薄肉円筒部がみぞ部の内側に形成さ
    れていることを特徴とする請求項1の工作機械の主軸装
    置。
  3. 【請求項3】薄肉円筒部の近傍のハウジング本体の部分
    に冷却手段が設けられていることを特徴とする請求項1
    または2の工作機械の主軸装置。
  4. 【請求項4】薄肉円筒部の温度または転がり軸受に作用
    する荷重を検出する状態検出手段と、固定ハウジングの
    薄肉円筒部の冷却および加熱を行うための冷却加熱手段
    と、状態検出手段の出力信号に基づき冷却加熱手段を制
    御して薄肉円筒部の温度を適切に制御する温度制御手段
    とを備えていることを特徴とする請求項1〜3のいずれ
    か1項の工作機械の主軸装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1093883A1 (en) * 1999-10-14 2001-04-25 F.M. Elettromeccanica s.r.l. Electro-spindle separable into a rotor part and a stator part
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