JP6213109B2 - 感染症検査用キット - Google Patents

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Description

本発明は、臨床検査用試料、特に潜血や酵素、ウイルス等を検出するための試料として用いられる検体を採取し、かつその検体を容器内の検体溶解用緩衝液に入れて懸濁液にした状態で保持する検体採取用容器、および、その懸濁液を用いて検体の検査を行なう検査器具を備える感染症検査用キットに関する。
便潜血検査は、大腸癌や直腸癌のスクリーニングのために広く利用されているが、一般に、家庭で採取された便を基に、病院で検体を作って検査している。ラテックスを用いた定性的な分析では、検体作成に際して便の量の規制があるため、指定された採便棒を利用しているが、採便棒を用いても正確な量の便を採取することが難しく、従来は便を採取した後、採便棒を紙などで拭いたりして余分の便を取り去っていた。
しかしながら、便は汚く、また臭いが強いものであり、紙などで拭き取る際に間違って便が手などに付着することがある。また検体容器のキャップを開けて採便棒に採るため検体の作成者は悪臭に悩まされることが多く問題であった。また、便溶解用緩衝液の収容された従来の検体容器では、特に高齢者などの一部の被験者の場合、便採取後に蓋体を閉めたつもりでも、完全に閉め切れず、搬送の途中で液漏れが発生することがあった。
そこで上記の様な問題を解決するものとして、特開平10−185912号公報(特許文献1)、特開2007−47042号公報(特許文献2)、および国際公開第2007/069731号(特許文献3)に開示される採便用容器が用いられている。
特開平10−185912号公報 特開2007−47042号公報 国際公開第2007/069731号
特開平10−185912号公報(特許文献1)には、便試料が便溶解用緩衝液に溶けた懸濁液を保持する採便用容器の薄膜を針で刺通することにより、検査器具内に懸濁液を流下させて採取することが開示されている。採便用容器から懸濁液を流出させる際に、採便用容器と検査器具との密着が不十分であると、懸濁液が一部外部へ漏れ出す可能性がある。便試料を検査する作業者にとって、漏出した懸濁液は不快であるとともに、不衛生である。ノロウイルスなどの感染力の強いウイルス感染者の検体を検査する場合には、検体が溶けた懸濁液の液滴に検査作業者が接触しないことに加え、検査作業者がウイルスに空気感染しないことが特に要求されている。
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、検体が溶解した懸濁液の漏出を抑制できる、感染症検査用キットを提供することである。
本発明に係る感染症検査用キットは、容器内に検体溶解用緩衝液を保持する検体採取用容器、および採取した検体が検体溶解用緩衝液に溶解した懸濁液を用いて検体の検査を行なう検査器具を備えている。検体採取用容器は、棒状の検体採取棒と、容器本体とを備えている。検体採取棒は、先端に検体を採取する検体採取部を有している。容器本体の内部には、中空空間が形成されている。中空空間は、容器本体の一端と他端との両方に開口している。容器本体は、他端側に設けられた薄膜部を有している。薄膜部は、中空空間を一端側の一端側空間と他端側の他端側空間とに仕切っている。容器本体は、他端側空間の内壁が径方向内側に突出した環状突起を有している。容器本体は、一端側空間に検体溶解用緩衝液を蓄えている。検査器具は、尖端と基端とを有する針を備えている。針は、環状突起の内径よりも大きい外径を有する大径部を有している。大径部の尖端側の端部と尖端との間の距離は、環状突起と薄膜部との間の距離よりも小さい。
上記感染症検査用キットにおいて、針の外径は、尖端から基端へ向かって単調増加している。
上記感染症検査用キットにおいて、針の延在方向に対する針の外表面のテーパ角度は、基端よりも、尖端においてより大きい。
上記感染症検査用キットにおいて、環状突起は、他端に設けられている。
上記感染症検査用キットにおいて、検査器具は、針を有する本体と、本体に取り付け可能に設けられ本体との間に検査部材収容空間を規定する蓋と、検査部材収容空間に収容される懸濁液検査部材と、本体と蓋とを一体に固定する固定部材とを備えている。固定部材により固定された本体と蓋とは互いに密着している。
上記感染症検査用キットにおいて、蓋は、蓋の外表面から突出したリブを有しており、固定部材により本体に固定された状態でリブが本体に密着している。
上記感染症検査用キットにおいて、固定部材は、本体と蓋との一方を他方に向かって押圧している。
上記感染症検査用キットにおいて、本体は、針を収容する筒状の収容部を有しており、収容部は、検体採取用容器を検査器具に装着したときに容器本体に係合する係合部を有している。
本発明の感染症検査用キットによると、検体が溶解した懸濁液の外部への漏出を、より確実に抑制することができる。
本実施の形態の検体採取用容器の構成の概略を示す斜視図である。 図1に示す容器本体の縦断面図である。 図2中の領域III付近を拡大して示す断面図である。 図1に示す容器本体の底面図である。 本実施の形態の検査器具を構成する本体の斜視図である。 図5中に示すVI−VI線に沿う本体の断面図である。 図5中に示すVII−VII線に沿う本体の断面図である。 本実施の形態の検査器具を構成する蓋の斜視図である。 図8に示す蓋の平面図である。 図8に示す蓋の正面図である。 図9中に示すXI−XI線に沿う蓋の断面図である。 蓋を本体に組み付けた状態を示す断面図である。 本実施の形態の検査器具を構成する固定部材の斜視図である。 本実施の形態の検査器具を構成する固定部材の平面図である。 検体採取用容器を検査器具に装着した状態の感染症検査用キットの斜視図である。 図15に示すXVI−XVI線に沿う感染症検査用キットの断面図である。 変形例の感染症検査用キットの分解斜視図である。 変形例の感染症検査用キットの検体採取用容器を検査器具に装着した状態の斜視図である。
本発明に基づいた実施の形態における感染症検査用キットについて、以下、図を参照しながら説明する。なお、以下に説明する実施の形態において、個数、量などに言及する場合、特に記載がある場合を除き、本発明の範囲は必ずしもその個数、量などに限定されない。また、実施の形態に表れる構成を適宜組み合わせて用いることは当初から予定されていることである。
(実施の形態:感染症検査用キット)
まず、本実施の形態における感染症検査用キットの構造について説明する。本実施の形態における感染症検査用キットは、容器内に検体溶解用緩衝液を保持する検体採取用容器500、および、採取した検体が検体溶解用緩衝液に溶解した懸濁液を用いて検体の検査を行なう検査器具を備えている。
(検体採取用容器500)
図1は、本実施の形態の検体採取用容器500の構成の概略を示す斜視図である。図2は、図1に示す容器本体520の縦断面図である。図3は、図2中の領域III付近を拡大して示す断面図である。図4は、図1に示す容器本体520の底面図である。図1から図4を参照して、検体採取用容器500の構造について説明する。図1に示すように、検体採取用容器500は、検体採取棒510と、容器本体520とを備えている。
検体採取棒510は、全体として細長の棒形状を有している。検体採取棒510は、把持部511と、本体軸部512と、検体採取軸部513と、検体採取部514と、ヒレ部515とを有している。把持部511は、使用者および検査作業者が検体採取棒510を取り扱う際に用いられる。本体軸部512は、把持部511から延びている。検体採取軸部513は、本体軸部512から延びており、本体軸部512よりも細い外径を有している。検体採取部514は、検体採取軸部513の先端に設けられており、検体を採取する際に検体を係止させる部分である。一対のヒレ部515は、平板状の部材が検体採取軸部513から径方向外側に張り出すように設けられており、本体軸部512に対して検体採取部514側に取り付けられている。
検体採取棒510は、樹脂材料等からなる成形品であり、適度に弾性および硬度があればよい。検体採取棒510の材質としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ABS樹脂等の可撓性樹脂が好適に用いられる。また、検体採取棒510の代わりに、綿棒などを用いても良い。
容器本体520は、中空円筒状の第1容器部521と、中空円筒状の第2容器部522とを有している。第1容器部521と第2容器部522とは、互いに同心に配置されている。第2容器部522は、第1容器部521と比較して、径が小さく形成されている。容器本体520はまた、第1容器部521と第2容器部522とを連結する第3容器部523を有している。第3容器部523は、中空の円錐台形状に形成されており、第1容器部521および第2容器部522に対して同心に配置されている。
容器本体520はまた、第2容器部522に対して第3容器部523と反対側に設けられた、中空円筒状の先端容器部530を有している。先端容器部530は、第1〜第3容器部521〜523に対して同心に配置されている。先端容器部530は、第2容器部522と比較して、径が小さく形成されている。
容器本体520は、第1容器部521、第3容器部523、第2容器部522および先端容器部530の順に配置された筒形状を有しており、当該筒形状の一端と他端との両方に開口する中空空間が内部に形成されている。第1容器部521の内部空間が容器本体520の外部に開口する開口521aは、容器本体520の一端側の開口として設けられている。検体採取棒510は、開口521aを経由して容器本体520の内部に挿入される。開口521aは、検体採取棒挿入口としての機能を有している。先端容器部530の内部空間が容器本体520の外部に開口する開口531は、容器本体520の他端側の開口として設けられている。後述する針105は、開口531を経由して容器本体520の内部に挿入される。開口531は、針挿入口としての機能を有している。
図2に示すように、容器本体520の内部には、薄膜部524が設けられている。薄膜部524は、容器本体520の延在方向(図1および図2中の上下方向)に、容器本体520の中空の内部空間を仕切っている。薄膜部524は、容器本体520の他端側、すなわち開口531に近接する側に配置されている。薄膜部524は、第2容器部522の第1容器部521とは反対側の端部を覆うように設けられている。薄膜部524は、容器本体520の内部の中空空間を、薄膜部524よりも一端側(開口521a側)の一端側空間529と、薄膜部524よりも他端側(開口531側)の他端側空間539とに二分割している。検体採取棒510を用いて採取された便試料などの検体を溶解するための検体溶解用緩衝液は、一端側空間529内に蓄えられている。
第2容器部522の外周面には、外周面の一部が径方向外側に突き出した環状突起525が形成されている。環状突起525は、円筒状の第2容器部522の周方向に延び、周方向の全周において、第2容器部522から突出して形成されている。
第3容器部523の内周面には、内周面の一部が径方向内側に突き出した複数のリブ526が設けられている。リブ526は、容器本体520の延在方向に延びている。複数のリブ526は、第3容器部523の周方向において、各々等間隔に配置されている。
第1容器部521の内周面には、内周面の一部が径方向内側に突き出した環状突起527が形成されている。図1および図2に示すように、開口521aに近い側から順に、2つの環状突起527a,527bが形成されている。環状突起527は、円筒状の第1容器部521の周方向に延び、周方向の全周において第1容器部521から径方向内側に突出して形成されている。
第1容器部521と第3容器部523との境界の外周面には、外周面が径方向外側に突き出した鍔部528が周方向の全周にわたって形成されている。
先端容器部530の外周面には、外周面の一部が径方向外側に突き出した複数のリブ532が設けられている。リブ532は、先端容器部530の延在方向、すなわち容器本体520の延在方向に延びている。図4に示すように、複数のリブ532は、先端容器部530の周方向において、各々等間隔に配置されている。なお図4には、図2中に示す矢印IV方向から見た容器本体520が図示されている。
円筒状の先端容器部530の径方向における、先端容器部530の中心軸からリブ532の先端までの距離は、第2容器部522側から開口531側へ向かって、徐々に小さくなっている。リブ532は、容器本体520の延在方向における第2容器部522側の端部において、第2容器部522の外径と、先端容器部530の中心軸からリブ532の径方向における先端までの距離とが、ほぼ等しくなるように形成されている。
先端容器部530の内周面には、内周面の一部が径方向内側に突き出した環状突起533が形成されている。環状突起533は、容器本体520の内部の中空空間のうち、薄膜部524よりも開口531側の他端側空間539の内壁の一部が、径方向内側に突出して、周方向の全周にわたって形成されている。
環状突起533は、容器本体520の他端、すなわち開口531に設けられている。環状突起533は、先端容器部530の開口531を形成している端部に形成されており、そのため、環状突起533から薄膜部524までの距離が大きくなっている。先端容器部530の、第2容器部522から離れる側の端部において、先端容器部530の内周面が周方向に突出することにより、環状突起533が形成されている。環状突起533は、先端容器部530から径方向内側に張り出し、容器本体520の開口531における内径を小さくしている。
第1容器部521に設けられた環状突起527の内径は、検体採取棒510の本体軸部512の外径と略同じ寸法、または本体軸部512の外径よりもわずかに小さくされている。検体採取棒510を容器本体520に装着したとき、本体軸部512と環状突起527とが密着する。このとき環状突起527が弾性変形することで密着性がさらに向上する。これにより、第1容器部521と本体軸部512との間に隙間が生じず、容器本体520の内部の一端側空間529が液密にシールされた状態が形成される。
検体採取棒510は、検体採取部514で検体を採取した後に、容器本体520の内部の中空空間内に収容される。このとき検体採取棒510は、一端側の開口521aから一端側空間529に挿入されて、一端側空間529内に収容される。検体採取棒510が容器本体520に組みつけられ、検体採取棒510の本体軸部512、ヒレ部515、検体採取軸部513および検体採取部514が容器本体520に収容された状態で、本体軸部512は第1容器部521内に収容されており、検体採取部514は第2容器部522内に収容されて検体溶解用緩衝液に浸漬されている。
本体軸部512の外周面が環状突起527に密着することにより、検体採取棒510および容器本体520によって規定される検体採取用容器500の内部空間が、液密にされる。第1容器部521は、本体軸部512を液密的に保持する。第2容器部522は、検体溶解用緩衝液に検体が溶解した懸濁液を内部に蓄えるとともに、その内部に検体採取軸部513および検体採取部514を収容する。
容器本体520は、樹脂材料成形品であり、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリブタジエン、ポリスチレン、ポリエステル等の透明または半透明の可撓性樹脂が好適に用いられる。
(検査器具)
次に、検査器具の構造について説明する。検査器具は、検体採取用容器500を用いて採取した便試料などの検体が検体溶解用緩衝液に溶解した懸濁液を用いて検体の検査を行なうための器具である。検査器具は、本体100と、蓋200と、固定部材300とを備えている。
(本体100)
図5は、本実施の形態の検査器具を構成する本体100の斜視図である。図6は、図5中に示すVI−VI線に沿う本体100の断面図である。図7は、図5中に示すVII−VII線に沿う本体100の断面図である。図5から図7を参照して、本体100の構造について説明する。
本体100は、検体採取用容器500の容器本体520をその内部に収容可能な収容部103を有している。収容部103は、略円筒形状に形成されており、その内部に、容器本体520が収容部103の軸方向に沿って挿入可能な挿入空間104を規定している。収容部103の一方の端部(図6および図7において図中上側に示す端部)において、挿入空間104が外部に開口する容器挿入口104aが形成されている。容器本体520は、容器挿入口104aを経由して、挿入空間104内に挿入される。挿入空間104の内径は容器本体520の外径と略同じ寸法に設けられており、容器本体520を挿入空間104に装着した状態で、容器本体520の外面と挿入空間104の内面との間に大きな隙間は生じない。
本体100は、針105を有している。針105は、収容部103の内部の挿入空間104に配置されている。針105は、容器挿入口104aに向く側の尖端105tと、尖端105tと反対側の基端105bとを有している。針105の内部には、尖端105tの近傍から基端105bにまで針105を貫通する中空路106が形成されている。針105の尖端105t近傍には、挿入空間104と中空路106とを連通する連通孔106hが形成されている。図6に示すように、連通孔106hは、針105の尖端105t近傍の2箇所に形成されている。
針105の基端105b側において、中空路106は、フィルタ収容部107に連通している。フィルタ収容部107は、後述するフィルタ108をその内部に収容可能に設けられている。針105の延在方向に対し直交する方向に沿う断面積を比較すると、フィルタ収容部107は、中空路106よりも大きい断面積を有している。
針105の外径は、基端105bに近づくに従って次第に大きくなっている。針105は、相対的に外径の小さい小径部を尖端105t側に有しており、相対的に外径の大きい大径部を基端105b側に有している。大径部は、容器本体520の先端容器部530に設けられた環状突起533の内径よりも、大きい外径を有している。大径部の尖端105t側の端部と尖端105tとの間の距離は、環状突起533と薄膜部524との間の距離よりも、小さくされている。
針105は、尖端105tから基端105bに向かってその外径が単調増加するように形成されている。針105の外表面、すなわち挿入空間104に向く側の表面は、2つの円錐面が組み合わされた形状を有している。なお、針105の外表面は、2つの円錐面に加えて円筒形状がさらに組み合わされた形状を有していてもよい。すなわち針105は、その外径が尖端105tから基端105bに向かって広義単調増加するように形成されていてもよい。
針105の外表面は、尖端105tを含む部分において、針105の延在方向に対する針105の外表面のテーパ角度が相対的に大きい第1の円錐面の形状を有しており、基端105bを含む部分において、針105の延在方向に対する針105の外表面のテーパ角度が相対的に小さい第2の円錐面の形状を有している。針105の延在方向に対する針105の外表面のテーパ角度は、基端105bにおけるテーパ角度よりも、尖端105tにおけるテーパ角度の方が、より大きくなっている。
収容部103には、容器挿入口104aの近傍において、一対の貫通孔113が形成されている。貫通孔113は、筒状の収容部103を厚み方向に貫通して、収容部103の外部空間と挿入空間104とを連通するように形成されている。一対の貫通孔113は、収容部103の内周面の周方向に延びるように形成されている。収容部103は、貫通孔113に隣接して設けられた一対の突起114を有している。突起114は、貫通孔113に対して容器挿入口104a側において、収容部103の内周面の一部が径方向内側に突き出して形成されている。突起114は、円筒状の収容部103の周方向に延びて設けられている。一対の突起114は、互いに対向する位置に配置されている。
収容部103の外周面には、2つの脚部壁109が取り付けられている。脚部壁109は、各々平板状の形状を有しており、互いに間隔を空けて平行に配置されている。一対の脚部壁109の、収容部103から離れる側の縁部分は、直線状に平行に延びている。これにより、脚部壁109の当該縁部分を載置面に当接させて、検査器具を横置き状態で載置面上に安定して配置することが可能とされている。なお、検査器具に検体採取用容器500を装着した状態でも、本体100を横置きにした状態を維持することができる。検査器具は、横置き状態にすることで、後述する窓部210を上面にした状態に維持される。
本体100は、収容部103の脚部壁109とは反対側に配置された本体部101と、収容部103の容器挿入口104aとは反対側に配置された支持部102とをさらに有している。本体部101は、収容部103の外周面に固定されている。支持部102は、容器挿入口104aと反対側の収容部103の端部に固定されている。本体100は、一体構造物として設けられた本体部101、支持部102および収容部103を有している。
本体部101は、針105が延びる方向に対して平行に設けられている。本体部101は、矩形状の平面形状を有している。当該矩形の長辺方向が針105の延在方向に延びており、当該方向に沿って本体部101は収容部103よりも大きい寸法を有している。当該矩形の短辺方向において、本体部101は、収容部103の外径よりも大きい寸法を有している。本体部101は、後述する蓋200と組み合わされることにより、図6に示す検査部材収容空間111を規定する。
支持部102は、図5〜7に示す本体100を縦置きにした起立状態で、本体部101および収容部103の下方に配置されており、本体部101および収容部103を支持している。支持部102は壁形状を有しており、この壁形状の内側には中空空間112が形成されている。支持部102の収容部103側の端部には、支持部102の外表面から突出するリブ116が形成されている。
(蓋200)
図8は、本実施の形態の検査器具を構成する蓋200の斜視図である。図9は、図8に示す蓋200の平面図である。図10は、図8に示す蓋200の正面図である。図11は、図9中に示すXI−XI線に沿う蓋200の断面図である。なお図9には、図8中に示す矢印IX方向から見た蓋200が図示されており、図10には、図8中に示す矢印X方向から見た蓋200が図示されている。図8から図11を参照して、蓋200の構造について説明する。
蓋200は、本体100に対して取り付けおよび取り外し可能に設けられている。蓋200は、略L字状の外形を有している。蓋200は、L字の長辺を構成する長辺部201と、L字の短辺を構成する短辺部202とを有している。長辺部201は、矩形状の平面形状を有している。
長辺部201には、長辺部201を厚み方向に貫通する窓部210および空気孔213が形成されている。窓部210は、矩形状の平面形状を有している。窓部210に対して短辺部202と反対側に、2つの空気孔213が形成されている。長辺部201の、短辺部202寄りの位置には、表面が突出するリブ216と、表面が窪んだ凹部214とが形成されている。リブ216は、蓋200が本体100に組み付けられた状態で、リブ216と本体100のリブ116とが同じ平面状に延びるように配置されている。凹部214は、後述する固定部材300の一部分が嵌合可能なように設けられている。
短辺部202は、長辺部201の延在方向に直交する平板部212と、平板部212の周縁から立ち上がって平板部212に直交して延びる壁部220とを有している。壁部220の主表面のうち、平板部212に向く側にはリブ222が形成されており、平板部212に向かない側にはリブ221が形成されている。リブ221,222は、各々壁部220の主表面に対して突出して形成されており、平板部212の周縁に沿って延在して設けられている。
図12は、蓋200を本体100に組み付けた状態を示す断面図である。蓋200の長辺部201が本体100の本体部101に組み合わされ、本体100の支持部102の中空空間112内に蓋200の短辺部202が嵌め合わされることにより、蓋200と本体100とは一体に組み付けられる。
図12に示すように、蓋200が本体100に取り付けられた状態で、本体100と蓋200との間には、検査部材収容空間111が規定されている。検査部材収容空間111には、懸濁液検査部材としてのテストストリップ400が収容されている。テストストリップ400は、帯状の形態を有している。窓部210は、検査部材収容空間111に収容されたテストストリップ400の一部分を視認することが可能なように形成されている。
検査部材収容空間111は、針105の延在方向に沿って本体部101と長辺部201との間に延びて形成され、針105の基端105b側において針105の延在方向に直交する方向に沿ってフィルタ収容部107と平板部212との間に延びて形成されている。フィルタ収容部107は、検査部材収容空間111に開放している。針105の中空路106と検査部材収容空間111とは、フィルタ収容部107を介して連通している。中空路106の一端は挿入空間104に開口し、他端は検査部材収容空間111に連通している。
テストストリップ400は、蓋200に沿って略L字状に形成された検査部材収容空間111の形状に合わせて、側面視において略L字形状に折り曲げられている。帯状のテストストリップ400の一端は、針105の基端105b側において、フィルタ収容部107に収容されたフィルタ108に接触するように設けられている。テストストリップ400の一端は、フィルタ108を挟んで、針105の基端105bとは反対側に位置している。テストストリップ400の他端は、針105の尖端105tに向かう方向に延び、窓部210を超えて空気孔213の近傍に至るように、検査部材収容空間111に収容されている。
図11,12に示すように、蓋200の長辺部201は、複数の押さえ突起218を有している。押さえ突起218は、蓋200が本体100に取り付けられた状態で、蓋200の長辺部201から本体部101へ向かって延びている。押さえ突起218の先端と本体部101との間に、テストストリップ400が保持されている。押さえ突起218は、本体部101に対してテストストリップ400を押さえ付け、本体100および蓋200に対してテストストリップ400の位置決めをする機能を有している。これによりテストストリップ400は、検査器具の姿勢に関わらず、本体100と蓋200との間の検査部材収容空間111において、一定の位置に保持されている。
(固定部材300)
図13は、本実施の形態の検査器具を構成する固定部材300の斜視図である。図14は、本実施の形態の検査器具を構成する固定部材300の平面図である。図13および図14を参照して、固定部材300の構造について説明する。固定部材300は、本体100と蓋200とを一体に固定するための部材として設けられている。固定部材300は、図12に示す本体100と蓋200とを組み付けた構造に対し、図12中の下側から本体100と蓋200との両方を覆う、キャップとして設けられている。
固定部材300は、平板状の載置底面312を有している。本体100、蓋200および固定部材300を一体に組み立てた状態の検査器具は、載置面に載置底面312を当接させて配置することで、針105の基端105b側を下側として起立させることが可能とされている。検査器具に検体採取用容器500を装着した状態でも、検査器具を縦置きにして起立させた状態を維持することができる。
固定部材300は、載置底面312の周縁から立ち上がって載置底面312に直交して延びる壁部302を有している。壁部302は固定部材300の外形を形成している。固定部材300はまた、載置底面312に対して突出する突起部314および隔壁部331を有している。突起部314は、壁部302に沿って、壁部302と一体に形成されている。突起部314は、蓋200に形成された凹部214に嵌合可能な形状を有している。隔壁部331は、壁部302から離れて、壁部302に沿って延びて形成されている。隔壁部331と壁部302との間には、中空の空間342が形成されている。また、隔壁部331および突起部314に取り囲まれて中空の空間320が形成されている。
検査器具を構成する本体100、蓋200および固定部材300は、樹脂材料成形品であり、適度に弾性および硬度があればよい。検査器具の材質としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ABS樹脂等の可撓性樹脂が好適に用いられる。
(装着状態)
図15は、検体採取用容器500を検査器具に装着した状態の感染症検査用キットの斜視図である。図16は、図15に示すXVI−XVI線に沿う感染症検査用キットの断面図である。図15および図16には、本体100、蓋200および固定部材300が一体に組み立てられた検査器具に対し、検体採取用容器500が装着された状態が図示されている。
特に図16に示すように、固定部材300の隔壁部331と壁部302との間に形成された空間342の内部に、本体100の支持部102と蓋200の壁部220とが収容されている。隔壁部331と壁部302とは、互いの間隔を一定にするように設けられている。隔壁部331と壁部302との間隔は、支持部102の厚み方向寸法および壁部220の厚み方向寸法の和に対して、略同じ寸法とされている。そのため、本体100と蓋200とが固定部材300により一体に固定された状態で、支持部102と壁部220のリブ221とは空間342内で接触し、これにより本体100と蓋200とは互いに密着している。
蓋200の壁部220の両主表面には、上述したリブ221,222が形成されている。壁部220が隔壁部331と壁部302との間で挟まれると、リブ221,222はその突出高さを小さくするように弾性変形する。これによりリブ222は隔壁部331に密着し、リブ221は支持部102に密着する。支持部102と壁部220が固定部材300の隔壁部331から押圧されて壁部302に向かう方向に応力を受けることにより、本体100と蓋200との密着性がより高められている。
また図16に示すように、検体採取用容器500を検査器具に装着した状態で、容器本体520に設けられた環状突起525が、収容部103に形成された貫通孔113の内部に配置されている。貫通孔113は、容器本体520に係合する係合部としての機能を有している。環状突起525は、収容部103に設けられた貫通孔113により係合される被係合部としての機能を有している。
以下、検体採取用容器500を検査器具へ装着する動作について説明する。まず、検体採取用容器500の検体採取棒510を用いて、便試料などの検体を採取し、検体採取部514に検体が付着した検体採取棒510を容器本体520に収容する。このとき検体採取棒510の本体軸部512が容器本体520の第1容器部521に密着し、検体採取棒510および容器本体520によって密閉空間が形成される。容器本体520の内部において検体採取部514が検体溶解用緩衝液Wに浸漬され、検体溶解用緩衝液Wに検体が溶解した懸濁液が生成される。次に、検査器具の本体100の挿入空間104に、検体採取用容器500を、容器本体520の開口531側から差し込み、検体採取用容器500を検査器具に装着する。
検体採取用容器500を検査器具に装着することにより、検査器具の本体100に設けられた針105が、容器本体520の開口531から先端容器部530の内部に挿入される。検体採取用容器500を挿入空間104内に押し進めると、針105の尖端105tが検体採取用容器500の薄膜部524に接触する。検体採取用容器500をさらに押し進めると、針105が薄膜部524に応力を加え、薄膜部524を突き破る。これにより、容器本体520の一端側空間529から、連通孔106hを経由して、懸濁液が中空路106に流入する。懸濁液は、中空路106からフィルタ108を通過して、テストストリップ400に浸透する。フィルタ108では、検体溶解用緩衝液Wに溶解しきれない検体が捕獲される。
検体採取棒510を容器本体520に取り付ける際に、第1容器部521に本体軸部512が密着して一端側空間529が密閉された状態で、検体採取部514が検体溶解用緩衝液Wに差し込まれる。これにより、一端側空間529の内部の圧力が上昇する。針105が検体採取用容器500の内部に侵入することで、一端側空間529の容積が減少し、一端側空間529の内部の圧力がさらに上昇する。この圧力上昇の結果、懸濁液のテストストリップ400への浸透が容易に行なわれる。
テストストリップ400には、たとえば、クロマト紙が用いられる。検査の一例として便潜血を検出する場合には、便潜血に反応する試薬が塗布されており、便潜血を検出した場合にはテストストリップ400の試薬塗布箇所が変色する。ウイルスを検出する場合には、ウイルスに対応する抗体が固定されており、ウイルスを検出した場合にはテストストリップ400の抗体固定箇所が変色する。窓部210において、テストストリップ400の変色を確認することにより、便潜血またはウイルスを検出することができる。
(作用・効果)
以上説明した本実施の形態の感染症検査用キットによれば、容器本体520の先端容器部530に環状突起533が設けられており、針105は環状突起533の内径よりも大きい外径を有する大径部を有しており、大径部の尖端105t側の端部と尖端105tとの間の距離は環状突起533と薄膜部524との間の距離よりも小さくされている。
これにより、薄膜部524に針105を刺通するとき、針105の尖端105tが薄膜部524に到達する前に、針105の外表面が環状突起533に接触し、密着する。環状突起533と針105とが密着して環状突起533と針105との間の液密なシール性を確保した後に、針105が薄膜部524に刺し通される。
針105が薄膜部524を貫通することで、一端側空間529に蓄えられた懸濁液は、針105の尖端105t側に形成された連通孔106hから中空路106へ流入し、中空路106を経由して流れる。このとき、一部の懸濁液が薄膜部524を通過して先端容器部530内に浸入したとしても、針105の外表面と先端容器部530の内周面との間の液密性が確保されているために、針105と先端容器部530との間から懸濁液が漏れ出すことはない。したがって、検体が溶解した懸濁液の液滴の外部への漏出を抑制することができる。
また、針105の外形は、尖端105tから基端105bへ向かって単調増加している。これにより、針105の外表面に環状突起533が接触した後、検体採取用容器500を収容部103の内部へさらに押し進めるにつれて、環状突起533と針105との間の密着性が向上する。したがって、針105と先端容器部530との間からの懸濁液の漏出をより確実に抑制することができる。
また、針105の延在方向に対する針105の外表面のテーパ角度は、基端105bよりも、尖端105tにおいて、より大きくなっている。この場合、検体採取用容器500を検査器具に装着するとき、針105の基端105b側のテーパ角度が相対的に小さい部分で、針105の外表面に環状突起533を接触させることができる。このようにすれば、環状突起533が針105に最初に接触する位置よりも基端105b側の針105の外径の変化が小さくなるので、針105を先端容器部530内へ差し込む際に針105が環状突起533から受ける摩擦抵抗の極端な増加を回避できる。したがって、針105の先端容器部530内への差し込み、および薄膜部524への刺通が容易になる。加えて、環状突起533が針105に最初に接触する位置よりも尖端105t側におけるテーパ角度を大きくして針105の外径の変化を大きくすることにより、針105の必要な長さを低減でき、感染症検査用キットの小型化を達成することができる。
先端容器部530の外周面に複数のリブ532が形成されていることにより、先端容器部530が形成されている部分の外径がリブ532によって規定され、リブ532は容器本体520を収容部103内に挿入する際のガイド部材として機能する。これにより、針105の延在方向に沿って容器本体520を挿入空間104へまっすぐ差し込む作業が容易になる。先端容器部530の形成されている部分がリブ532を用いて大径化されており、先端容器部530の内径を小径化することができるので、先端容器部530と針105とのシール性がより向上する。先端容器部530の内径を小径化するために先端容器部530を肉厚に形成する必要がないので、先端容器部530およびリブ532の成型時の作業性を向上できるとともに、先端容器部530およびリブ532の寸法精度を向上することができる。
また、環状突起533は、容器本体520の他端を構成する開口531に設けられている。これにより、環状突起533と薄膜部524との間の距離をより大きくすることができる。針105と先端容器部530とを密着させるために、針105の径および長さを適切に設計する必要があるが、環状突起533と薄膜部524との間の距離を大きくすれば、針105の外形寸法を変更しても密着性を維持することができるので、針105の設計に係る自由度を向上することができる。
また、検査器具は本体100と蓋200と固定部材300とを備えており、固定部材300により固定された本体100と蓋200とが互いに密着している。本体100と蓋200とを別部材として、本体100と蓋200との間に検査部材収容空間111を規定することにより、蓋200を本体100に取り付けるときに本体100と蓋200とで懸濁液検査部材を挟み込んで懸濁液検査部材を検査部材収容空間111内に配置することが可能になり、懸濁液検査部材の取付性を向上できる。本体100と蓋200とを別部材としても、固定部材300を用いて本体100と蓋200とを一体に組み付けて互いに密着させることができるので、本体100と蓋200との間から懸濁液が漏れ出すことはない。したがって、懸濁液の外部への漏出を抑制することができる。
また、蓋200は外表面から突出するリブ221を有しており、固定部材300により本体100に固定された状態でリブ221が本体100に密着する。これにより、固定部材300を用いて本体100と蓋200とを一体に組み付けるときに、リブ221が弾性変形して本体100に密着するようになるので、本体100と蓋200との密着性をさらに高めることができる。
また、固定部材300は、本体100の支持部102と蓋200の壁部220とを空間342に収容し、隔壁部331側から壁部220を支持部102側に押圧する力を作用し、壁部302側から支持部102を壁部220側に押圧する力を作用する。このようにすれば、本体100と蓋200との密着性をさらに高めることができる。
また、収容部103には貫通孔113が形成されており、容器本体520には環状突起525が形成されており、検体採取用容器500を検査器具に装着したときに環状突起525が貫通孔113に係合する。このようにすれば、一旦検査器具に装着した検体採取用容器500の、検査器具からの外れが防止できる。検体採取用容器500を検査器具に装着すると同時に薄膜部524が破れて懸濁液が検体採取用容器500から流出可能となるが、薄膜部524が破れた状態の検体採取用容器500が検査器具から外れると、懸濁液が外部環境に飛散する虞がある。したがって、検体採取用容器500の検査器具からの外れを防止することで、懸濁液の外部への漏出を、より確実に抑制することができる。
貫通孔113に対し容器挿入口104a側に突起114を設けることにより、貫通孔113に係合した環状突起525が貫通孔113から外れることを抑制できるので、検体採取用容器500の検査器具からの外れをさらに確実に防止することができる。
(変形例)
これまでの実施の形態では、感染症検査用キットを用いた検査に供される検体が便試料である例について説明したが、検体は便試料に限られるものではない。たとえば、患者の血液などの体液、鼻水、口の中の粘膜、または患者の吐きだした痰もしくは吐瀉物などを検体として用い、感染症検査用キットを用いた検査に供してもよい。
図17は、変形例の感染症検査用キットの分解斜視図である。図18は、変形例の感染症検査用キットの検体採取用容器500を検査器具に装着した状態の斜視図である。図17,18に示す変形例の感染症検査用キットは、図1〜16を参照して説明した感染症検査用キットと比較して、検体採取用容器の長さがより長い。変形例の感染症検査用キットでは、検体採取棒510のうち、検体採取軸部513が図1に示す例よりも長くなっており、そのため全体としての長さが増大している。検体採取棒510を収容する容器本体520は、図1に示す第2容器部522の長さを増大させて設けられてもよく、または複数の中空円筒状の部材が組み合わされて形成されてもよい。
このように長い検体採取棒510を設けることにより、検体採取棒510を患者の鼻腔または口腔内に挿入して、鼻水または粘膜などの検体を採取することがより容易になる。変形例の感染症検査用キットの他の構成は、図5〜14に示す例と同一であるので、検体が溶解した懸濁液の液滴の外部への漏出を抑制できる効果を、同様に得ることができる。
以上のように本発明の実施の形態について説明を行なったが、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。この発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味、および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
100 本体、101 本体部、102 支持部、103 収容部、104 挿入空間、104a 容器挿入口、105 針、105b 基端、105t 尖端、106 中空路、106h 連通孔、107 フィルタ収容部、108 フィルタ、109 脚部壁、111 検査部材収容空間、112 中空空間、113 貫通孔、114 突起、116,216,221,222,526,532 リブ、200 蓋、201 長辺部、202 短辺部、210 窓部、212 平板部、213 空気孔、214 凹部、218 押さえ突起、220,302 壁部、300 固定部材、312 載置底面、314 突起部、320,342 空間、331 隔壁部、400 テストストリップ、500 検体採取用容器、510 検体採取棒、511 把持部、512 本体軸部、513 検体採取軸部、514 検体採取部、515 ヒレ部、520 容器本体、521 第1容器部、521a,531 開口、522 第2容器部、523 第3容器部、524 薄膜部、525,527,527a,527b,533 環状突起、528 鍔部、529 一端側空間、530 先端容器部、539 他端側空間、W 検体溶解用緩衝液。

Claims (7)

  1. 容器内に検体溶解用緩衝液を保持する検体採取用容器、および採取した検体が前記検体溶解用緩衝液に溶解した懸濁液を用いて前記検体の検査を行なう検査器具を備える感染症検査用キットであって、
    前記検体採取用容器は、
    先端に前記検体を採取する検体採取部を有する棒状の検体採取棒と、
    一端と他端との両方に開口する中空空間が内部に形成されており、前記他端側に設けられ前記中空空間を前記一端側の一端側空間と前記他端側の他端側空間とに仕切る薄膜部と、前記他端側空間の内壁が径方向内側に突出した、前記他端に前記薄膜部から離れて設けられた円環状の環状突起とを有し、前記一端側空間に前記検体溶解用緩衝液を蓄える容器本体と、を備え、
    前記検査器具は、尖端と基端とを有する針を備え、
    前記針は、前記環状突起の内径よりも大きい外径を有する大径部を有し、
    前記大径部の前記尖端側の端部と前記尖端との間の距離は、前記環状突起と前記薄膜部との間の距離よりも小さい、感染症検査用キット。
  2. 前記針の外径は、前記尖端から前記基端へ向かって単調増加する、請求項1に記載の感染症検査用キット。
  3. 前記針の延在方向に対する前記針の外表面のテーパ角度は、前記基端よりも、前記尖端においてより大きい、請求項1または2に記載の感染症検査用キット。
  4. 前記検査器具は、前記針を有する本体と、前記本体に取り付け可能に設けられ前記本体との間に検査部材収容空間を規定する蓋と、前記検査部材収容空間に収容される懸濁液検査部材と、前記本体と前記蓋とを一体に固定する固定部材とを備え、
    前記固定部材により固定された前記本体と前記蓋とは互いに密着している、請求項1からのいずれか1項に記載の感染症検査用キット。
  5. 前記蓋は、前記蓋の外表面から突出したリブを有し、前記固定部材により前記本体に固定された状態で前記リブが前記本体に密着する、請求項に記載の感染症検査用キット。
  6. 前記固定部材は、前記本体と前記蓋との一方を他方に向かって押圧する、請求項またはに記載の感染症検査用キット。
  7. 前記本体は、前記針を収容する筒状の収容部を有し、
    前記収容部は、前記検体採取用容器を前記検査器具に装着したときに前記容器本体に係合する係合部を有する、請求項からのいずれかに記載の感染症検査用キット。
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