JPH07110329A - 便内潜血検出装置 - Google Patents

便内潜血検出装置

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JPH07110329A
JPH07110329A JP19153094A JP19153094A JPH07110329A JP H07110329 A JPH07110329 A JP H07110329A JP 19153094 A JP19153094 A JP 19153094A JP 19153094 A JP19153094 A JP 19153094A JP H07110329 A JPH07110329 A JP H07110329A
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JP
Japan
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container
antibody
occult blood
stool
suspension
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Application number
JP19153094A
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English (en)
Inventor
Runa Yuuki
城 瑠 奈 結
Chie Shibuya
谷 千 恵 渋
Kiyoshi Oguchi
口 清 小
Masayasu Hayashi
正 保 林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 容易かつ簡単に潜血検出を行なうことがで
き、操作ミスおよびこれに伴う衛生上の問題を回避でき
る便内潜血検出装置を提供する。 【構成】 便内潜血検出装置は、開封自在の隔壁13に
より開口側の溶液室14と密閉側の検出体室15とに区
画された容器11a,11bを備えている。また溶液室
14内に懸濁用溶液25が充填され、容器11aの開口
には、採便スティック23が取付けられた密閉蓋21が
装着される。検出体室15内には、フィルタ部18と、
抗体感作粒子部19と、検出板17とが設けられてい
る。検出板17には陽性時に抗体感作粒子と反応したヘ
モグロビンをトラップする抗体固定部30が設けられて
いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、抗原抗体反応を利用し
た免疫法により便内潜血の検出を行なう便内潜血検出装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】集団検診および次期OTC(大衆薬)化
等の大腸癌検診において、検査技師はもちろん一般人
(受診者)に対しても、誰でも判りやすく間違いなく操
作できる便内潜血検出装置が検討されている。この場
合、便内潜血検出装置は不快感および不衛生感を伴うも
のであってはならない。
【0003】糞便排泄物中の潜血検出は、初期自覚症状
の乏しい大腸癌のスクリーニング方法として非常に貴重
な手段であり、消化器系等の多くの病態の診断における
早期発見、治療のために様々な医療機関で実施されてい
る。
【0004】検出方法は大きく2つに大別することがで
きる。これらはヘモグロビンの持つ鉄イオンを検出する
化学法と、抗体を用いる免疫法(SPIA法等)とから
なる。食事や薬の制限をしなくても良いこと、および特
異性および感度の良さなどから、現在では免疫法が潜血
検出方法の主流になりつつある。この免疫法は、抗体に
感作する標識物として金コロイドなどの金属ゾル(SP
IA法等)、および染料ゾル、着色ラテックス、アルカ
リホスファターゼ、西洋ワサビペルオキシダーゼ他の酵
素を用いる潜血検出方法である。
【0005】糞便排泄物中の潜血の検出は、従来、主に
医療機関の関係者が行うものであり、採便工程、懸濁工
程、ろ過工程、検出判定工程の各々の工程を経て行なわ
れる。そして各工程は各々独自の装置(採便スティッ
ク、懸濁装置等)を用いて実施されている。しかしなが
ら、現在では自分の健康は自分で管理する風潮が強く、
また年々増加する大腸癌の早期発見にもつながることか
ら、診断薬のOTC(大衆薬)化が望まれている。さら
に老人保険事業として、大腸癌検診が制度化されれば、
便内潜血検出装置の需要は集団検診等において今後益々
増加し、次期OTC化も具体化するものと考えられてい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述のように便内潜血
の検出は医療機関関係者が行うものであるが、医療機関
のみでは検診の機会が少なく、医療機関まで出向く必要
がある等の問題がある。
【0007】またOTC化するにあたり、従来の便内潜
血検査は採便工程、懸濁工程、ろ過工程、検出判定(呈
色判定)工程等、種々の工程を経て行なわれ、各々独自
の装置を用いているため、多くの操作が必要である。こ
のため操作が煩雑で煩わしく、操作ミスまたは不衛生感
等の問題が生じることがある。このように従来の検出装
置は使用時の操作が複雑で、家庭で簡便に使用すること
はできない。
【0008】本発明はこのような点を考慮してなされた
ものであり、使用時の操作が簡単で衛生上優れた便内潜
血検出装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
一側が開口するとともに他側が密閉された容器と、この
容器内を開口側の溶液室と密閉側の検出体室とに区画す
る開封自在の隔壁と、前記容器の開口に装着されるとと
もに、前記溶液室内に収納される採便スティックが取付
けられた密閉蓋と、を備え、前記溶液室内に懸濁用溶液
を充填するとともに、前記検出体室内に潜血の有無を判
定する判定部を設けたことを特徴とする便内潜血検出装
置である。
【0010】請求項2記載の発明は、容器は互いに回転
可能な第1および第2容器に2分割され、この第1およ
び第2容器は各々、互いに摺動するとともに隔壁を構成
する第1および第2隔壁を有し、この第1および第2隔
壁は各々第1容器を第2容器に対して所定位置まで回転
させた場合に連通する第1連通孔および第2連通孔を有
することを特徴とする請求項1記載の便内潜血検出装置
である。
【0011】請求項3記載の発明は、容器は互いに軸線
方向に移動可能な第1および第2容器に2分割され、隔
壁は破断可能となっているとともに前記第1容器に取付
けられ、前記第2容器に前記隔壁を破断する突差部が設
けられ、前記第1および第2容器の間に、この第1およ
び第2容器を突差部と隔壁が互いに離間する離間位置に
位置決めする位置決め体を取外自在に介在させ、この位
置決め体を取外した場合に前記突差部により隔壁を破断
可能としたことを特徴とする請求項1記載の便内潜血検
出装置である。
【0012】請求項4記載の発明は、検出体室の判定部
の上流側および下流側に、各々溶液吸収用の上流側およ
び下流側吸収パッドを設け、前記上流側吸収パッドによ
り溶液室の溶液の一部を吸収し、溶液の残りを判定部か
ら前記下流側吸収パッドに流入させたことを特徴とする
請求項1記載の便内潜血検出装置である。
【0013】
【作用】請求項1記載の発明によれば、採便スティック
で採便した後、密閉蓋を容器の開口に装着して、溶液室
内で懸濁用溶液と便を混合し便懸濁液を作成する。隔壁
を開として溶液室内の便懸濁液を検出体室内に流入さ
せ、判定部において便内潜血の有無が判定される。
【0014】請求項2記載の発明によれば、第1容器を
第2容器に対して所定位置まで回転させ、第1隔壁の第
1連通孔と第2隔壁の第2連通孔を連通させ、このよう
にして隔壁を開とする。
【0015】請求項3記載の発明によれば、第1容器と
第2容器との間に位置決め体を介在させ、突差部と隔壁
とが互いに離間するよう第1および第2容器を位置決め
して便懸濁液を作成する。その後、位置決め体を取外し
て、第1容器と第2容器を互いに接近させ、突差部によ
り隔壁を破断する。
【0016】請求項4記載の発明によれば、便懸濁液の
一部を上流側吸収パッドにより吸収し、残りの便懸濁液
を判定部から下流側吸収パッドに流入させることができ
る。
【0017】
【実施例】第1の実施例 以下、図面を参照して本発明の実施例について説明す
る。図1乃至図6は本発明による便内潜血検出装置の第
1の実施例を示す図である。
【0018】図1乃至図4において、便内潜血検出装置
は、二つ割自在の合成樹脂製またはガラス製の透明性第
1および第2容器11a,11bを備えている。第1お
よび第2容器11a,11bは互いに回転自在となって
おり、各々の容器11a,11bは互いに摺動する第1
および第2隔壁13a,13bを有している。さらに第
1容器11aの一側は、開口している。
【0019】また図4に示すように、第1容器11aの
第1隔壁13aおよび第2容器11bの第2隔壁13b
は、各々第1および第2連通孔31a,31bを有して
おり、第1容器11aを第2容器11bに対して所定位
置まで回転させた場合に、第1連通孔31aの位置と第
2連通孔31bの位置とが互いに一致して第1容器11
a内と第2容器11b内が連通するようになっている。
【0020】第1および第2容器11a,11bを組合
せた場合、一側が開口するとともに他側が密閉された組
合せ容器11a,11bが構成され、この組合せ容器1
1a,11bは互いに摺動する第1および第2隔壁13
a,13bからなる隔壁13により第1容器11a内の
溶液室14と第2容器11b内の検出体室15に区画さ
れるようになっている。
【0021】また、第1容器11a内の溶液室14内に
は、水道水、生理食塩水、バッファー等からなる懸濁用
溶液25が充填されるとともに、第1容器11aの開口
に採便スティック23が取付けられた密閉蓋21が装着
されている。採便スティック23は計量溝23aを有し
ており、密閉蓋21を第1容器11aの開口に装着した
場合に、採便スティック23が溶液室14内の懸濁用溶
液25内に浸るようになっている。
【0022】また、第2容器11b内には、隔壁13側
から順に、フィルタ部18と、抗体固定部30を有する
検出板17(判定部)と、吸収パッド20とが設けられ
ている。
【0023】このうち、フィルタ部18は、ミリポアフ
ィルター、ニトルセルロース、ナイロンメンブラン、テ
フロンメッシュ、ガラスフィルター、ろ紙、PVDF等
からなり、必要に応じて1層のみならず、多層構造とし
て構成される。この場合、下流側層の孔径を上流側層の
ものより細かくすることによりろ過効率を向上させるこ
とができる。また上流側層と下流側層との間にシリカや
アルミナ等のパウダを介在させて、ろ過効率を向上させ
ることもできる。
【0024】また、フィルタ部18と検出板17との間
には、便内にヘモグロビンが存在する場合に抗原抗体反
応により免疫複合体を形成する抗体感作粒子からなる抗
体感作粒子部19が、滴下またはスプレー等を用いて設
けられている。なお、この抗体感作粒子部19を、フィ
ルタ部18内あるいは検出板17上に設けることもでき
る。抗体感作粒子としては、金、銀等の金属粒子、セレ
ン等の非金属粒子、または着色ラテックス、酵素等が用
いられ、粒径1nm〜100nmが好ましい。
【0025】検出板17は、フィルタ部18と吸収パッ
ド20との間に第2容器11bの軸線方向に沿って配置
されており、便懸濁液を浸透させるようになっている。
また検出板17は、、陽性時に抗体感作粒子部19によ
って形成され、便懸濁液とともに通過する免疫複合体を
抗体固定部30でトラップするようになっている。な
お、この検出板17は、ニトロセルロース、ガラス繊維
フィルタ、クロマトグラフィ紙、PVDF(商品名)、
ナイロン系またはポリエステル系の不織布等、疎水性の
多孔質膜状の材料により構成されている。また抗体固定
部30には、ヘモグロビン抗体が設けられている。さら
に、余分な便懸濁物は、検出板17を通過して吸収パッ
ド20に吸収されるようになっている。
【0026】この吸収パッド20としては、セルロース
類、レーヨン、ポリエチレン、ポリプロピレン微孔性プ
ラスチック、ガラスマイクロファイバー、スミカゲル等
を用いることができる。
【0027】次にこのような構成からなる本実施例の作
用について説明する。まず、密閉蓋21に取付けられた
採便スティック23を用いて採便する。この場合、採便
スティック23は計量溝23a側から便に突き刺され
る。その後、採便スティック23が便から引抜かれ、ス
キージ(図示せず)により採便スティック23が拭き取
られる。このようにして計量溝23a内に一定量の便が
採取される。
【0028】次に、予め溶液室14に懸濁用溶液25が
充填された第1容器11aの開口に密閉蓋21が、採便
スティック23が懸濁用溶液25内に浸るように装着さ
れる。次に第1および第2容器11a,11bがよく振
られ、便と懸濁用溶液25が混合され、このようにして
便懸濁液が得られる。
【0029】次に第2容器11bに対して第1容器11
aを回転させて、第1容器11aの第1隔壁13aに形
成された第1連通孔31aの位置を、第2容器11bの
第2隔壁13bに形成された第2連通孔31bの位置と
一致させて、第1容器11a内の溶液室14と第2容器
11b内の検出体室15とを連通させる。次に第1およ
び第2容器11a,11bを、図1に示すように第1容
器11aを上方にして垂直方向に静置する。
【0030】この場合、溶液室14内の便懸濁液が、第
1および第2隔壁13a,13bの第1および第2連通
孔31a,31bを通って検出体室15内に流入する。
検出体室15内に流入した便懸濁液は、その後フィルタ
部18を通過し、この間、便懸濁液中の不純物がフィル
タ部18により除去される。
【0031】次にフィルタ部18を通過した便懸濁液
は、採取した便が陽性の場合、便内のヘモグロビンが抗
体感作粒子部19の粒子と反応し(一次反応)、ヘモグ
ロビンと抗ヘモグロビン抗体の免疫複合体を形成する。
この場合、便懸濁液と免疫複合体が検出板17内を吸収
パッド20側に向って浸透していく。次に便懸濁液中の
免疫複合体が抗体固定部30の抗ヘモグロビン抗体と反
応し(二次反応)、ヘモグロビンが抗ヘモグロビン抗体
によってサンドイッチ状に挟まれて抗体固定部30にト
ラップされる。このように抗体固定部30にヘモグロビ
ンがトラップされると、例えば抗体感作粒子が金コロイ
ドの場合、抗ヘモグロビン抗体に結合した金コロイドに
より抗体固定部30が赤紫色を示す。この結果は容器1
1bの外方から確認され、陽性と判断される。他方、便
中にヘモグロビンが存在しない場合は、上記のような反
応は生じず、抗体固定部30に色の変化は表われないの
で、この場合は陰性として判断される。
【0032】この間、余分な便懸濁液は、吸収パッド2
0に吸収されるので、便懸濁液の検出板17内の浸透を
スムーズに行なうことができる。
【0033】以上説明したように、本実施例によれば、
採便スティック23で採便した後第1容器11aの開口
を密閉蓋21で密閉し、よく振った後に第1容器11a
と第2容器11bを互いに回転させて相互に連通するだ
けで、容易かつ簡単に潜血検出を行なうことができる。
このため、操作ミスをなくすことができるとともに、衛
生上問題なく潜血検出を行なうことができる。
【0034】なお、上述の実施例では、溶液室14と検
出体室15とを連通した後に第1および第2容器11
a,11bを垂直方向に静置する例について説明した
が、図3に示すように、第1および第2容器11a,1
1bを水平方向に静置してもよい。また、第1および第
2容器11a,11bを互いに回転させて第1および第
2隔壁13a,13bを連通させた例について説明した
が、これに限らず、隔壁13をフィルム等で形成し、密
閉蓋21に取付けられた採便スティック23で隔壁13
を破断してもよい。
【0035】次に図5および図6により変形例について
説明する。図5および図6に示す変形例は抗体固定部3
0が設けられた検出板17および抗体感作粒子部19の
構成が異なるだけであり、他は図1乃至図3に示す実施
例と略同一となっている。なお、図5および図6におい
て、図1乃至図3に示す部分と同一部分には同一符号を
付して詳細な説明は省略する。
【0036】図5に示すように、検出体室15内のフィ
ルタ部18に抗体感作粒子部19が設けられ、便懸濁液
が抗体感作粒子部19部を通過し、反応するようになっ
ている。また抗体感作粒子部19の下方には、所定間隔
をおいて検出板17が設けられている。この検出板17
は第2容器11bの軸線方向と直交する方向に配置され
ており、検出板17の略中央部には抗体固定部30が取
付けられている。
【0037】次に本実施例の作用を説明する。採便ステ
ィック23で採便した後に、第1容器11aの開口に密
閉蓋21を装着して第1および第2容器11a,11b
をよく振る。このようにして懸濁用溶液25と便とが混
合され、便懸濁液が得られる。
【0038】次に第1および第2隔壁13a,13bの
位置合せを行なって溶液室14と検出体室15を連通さ
せ、第1容器11aを上方にして第1および第2容器1
1a,11bを垂直方向に静置する。この場合、溶液室
14内の便懸濁液が検出体室15内に流入し、フィルタ
部18を通って抗体感作粒子部19内を通過する。その
後、便懸濁液は抗体感作粒子部19の中央部から一滴ず
つ下方へ落下し、検出板17に取付けられた抗体固定部
30に当接して内部に浸透する。
【0039】そして、採取した便が陽性の場合は、上述
と同様の反応により、抗体感作粒子が金コロイドの場
合、抗体固定部30が赤紫色を呈する。この色の変化は
外部から確認することができる。
【0040】本実施例によれば、抗体感作粒子部19を
通った便懸濁液を自然落下により、速やかに抗体固定部
30に到達させることができる。
【0041】第2の実施例 次に図7(a)(b)(c)および図8により本発明に
よる便内潜血装置の第2の実施例について説明する。図
7(a)(b)(c)および図8において、図1乃至図
6に示す第1の実施例と同一部分には同一符号を付して
詳細な説明は省略する。
【0042】便内潜血装置は溶液室14を形成する円筒
状の第1容器11aと、この第1容器11aの外側に装
着され検出体室15を形成する円筒状の第2容器11b
とを備えている。第1および第2容器11a,11bは
いずれも合成樹脂製の透明体からなり、互いに軸線方向
に移動可能となっている。また第1容器11aの外周に
は突起49が形成され、第1容器11aの外周には、突
起49と第2容器11bの端部との間に位置決め体41
が嵌込まれている。この位置決め体41は、軸線方向に
貫通する切欠(図示せず)を有し、この切欠により第1
容器11aから取外せるようになっている。
【0043】また、第1容器11aの第2容器11bと
反対側端部は開口しており、この開口端に密閉蓋21が
内ねじ22を第1容器11aの外ねじ22aに係合させ
て装着されている。密閉蓋21には採便スティック23
が取付けられており、採便スティック23の先端側には
おねじ47aからなる円柱状計量部47が取付けられて
いる。図8に示すように、計量部47はおねじ47a間
において所定量の便を充てんするものである。
【0044】また第1容器11a内には、計量部47の
おねじ47aと係合するめねじ40aを有するねじスキ
ージ40が設けられている。図7(b)に示すように、
ねじスキージ40は、第1容器11aの内面から半径方
向内方に4本突設され、このめねじ40aは計量部47
のおねじ47aと係合しておねじ47a間の便を掻き取
り溶液室14内に放出するようになっている。図7
(a)に示すように、おねじ47aとめねじ40aは、
いずれも硬質合成樹脂製となっており、おねじ47aと
めねじ40aが係合する時は、密閉蓋21の内ねじ22
は外ねじ22aと未だ係合しないようになっている。
【0045】さらに第1容器11aの第2容器11b側
端部には連通孔42が形成され、この連通孔42は破断
自在のフィルム43によって密封されている。
【0046】一方、第2容器11b内には、第1容器1
1a側のフィルム43を破断する突差部44が設けら
れ、この突差部44の基端には連通孔45が形成されて
いる。すなわち、位置決め体41を第1容器11aの外
周に嵌込んだ場合、第1および第2容器11a,11b
は突差部44とフィルム43とが互いに離間するように
位置決めされ(図7(a)参照)、位置決め体41を第
1容器11aの外周から取外した場合、第1および第2
容器11a,11bを互いに接近させることにより突差
部44によりフィルム43を破断するようになってい
る。また、第1容器11aと第2容器11bとの間に
は、シールリング24が取付けられている。
【0047】さらに第2容器11b内には、突差部44
側から順にフィルタ部18と、抗体固定部30を有する
検出板17と、吸収パッド20aとが配設されている。
また、フィルタ部18と検出板17との間には、抗体感
作粒子部19が設けられている。検出板17は、図7
(c)に示すように、軸線方向に沿って配置されている
とともに、第2容器11b内に設けられた支持部17a
により支持されている。
【0048】次にこのような構成からなる本実施例の作
用について説明する。
【0049】まず密閉蓋21に取付けられた採便スティ
ック23を用いて採便する。この場合、採便スティック
23は計量部47側から便に突き刺される。その後、採
便スティック23が便から引抜かれ、スキージ(図示せ
ず)により採便スティック23が拭き取られる。このよ
うにして、計量部47のおねじ47a間に所定量の便が
採取される。
【0050】次に、予め溶液室14に懸濁用溶液25
(図1参照)が充てんされた第1容器11aの開口側か
ら、採便スティック23が挿入される。この場合、まず
採便スティック23のおねじ47aが、ねじスキージ4
0のめねじ40aに係合する。次に採便スティック23
を回転させながら第1容器11a内に進入させていく
と、おねじ47a間の便がめねじ40aによって掻き取
られ、溶液室14内に放出される。
【0051】計量部47がねじスキージ40を通り過ぎ
た後、密閉蓋21の内ねじ22が第1容器11aの外ね
じ22aに係合し、密閉蓋21が第1容器11aの開口
に装着される。
【0052】この時、位置決め体41は未だ第1容器1
1aの外周に嵌込まれており、第1および第2容器11
a,11bはフィルム43と突差部44が互いに離間す
る離間位置に位置決めされている。この状態で、第1お
よび第2容器11a,11bがよく振られ、便と懸濁用
溶液25が混合され、このようにして便懸濁液が得られ
る。
【0053】次に位置決め体41が第1容器11aの外
周から切欠を介して取外され、第1および第2容器11
a,11bが互いに接近して、第1容器11aの突起4
9と第2容器11bの端部とが当接して停止する。この
間、突差部44がフィルム43を突き刺して破断し、便
懸濁液が連通孔42,45を介してフィルタ部18側へ
流出する。その後、第1および第2容器11a,11b
は、第2容器11bを下方にして垂直に立てられる。こ
の場合、便懸濁液は、フィルタ部18、抗体感作粒子部
19、検出板17および吸収パッド20内を順次流れ
る。
【0054】採取した便が陽性の場合、便内のヘモグロ
ビンが抗体感作粒子部19の粒子と反応し(一次反
応)、ヘモグロビンと抗ヘモグロビン抗体の免疫複合体
を形成する。次に免疫複合体が抗体固定部30の抗ヘモ
グロビン抗体と反応し(二次反応)、抗体固定部30に
トラップされる。抗体固定部30にヘモグロビンがトラ
ップされると、例えば抗体感作粒子が金コロイドの場
合、抗体固定部30が赤紫色を示し、この結果は第2容
器11bの外方から確認することができる。他方、抗体
固定部30が変色しない場合は陰性と判断される。
【0055】本実施例によれば、第1容器11aの外周
に位置決め体41を嵌込んだ状態で第1および第2容器
11a,11bをよく振って便と懸濁用溶液とを混合す
るので、混合中に突差部44がフィルム43を破断する
ことはない。混合が終了した後は、位置決め体41を第
1容器11aの外周から取外し、第1および第2容器1
1a,11bを互いに接近させることにより、フィルム
43を突差部44で破断して溶液室14内の便懸濁液を
検出体室15側へ流入させることができる。さらにねじ
スキージ40のめねじ40aを計量部47のおねじ47
aに係合させることにより、おねじ47a間に充てんさ
れた便を確実に掻き取ることができる。
【0056】第3の実施例 次に図9(a)(b)および図10(a)(b)によ
り、本発明による便内潜血検出装置の第3の実施例につ
いて説明する。
【0057】図9(a)(b)および図10(a)
(b)において、図7(a)(b)(c)および図8に
示す第2の実施例と同一部分には同一符号を付して詳細
な説明は省略する。
【0058】図9(a)(b)および図10(a)
(b)において、便内潜血検出装置は溶液室14を形成
する第1容器11aと、検出体室15を形成する第2容
器11bとを備え、第1容器11aの外周には第1およ
び第2容器11a,11bの位置決めを行なう位置決め
体41が嵌込まれている。この位置決め体41は、第1
容器11aと第2容器11bとの間に介在され、突差部
44とフィルム43とが互いに離間するよう第1および
第2容器11a,11bを位置決めするようになってい
る。
【0059】また第1容器11aの開口に装着される密
閉蓋21の内面には、密封性を向上させるための裏蓋2
1aが取付けられている。さらに密閉蓋21に取付けら
れた採便スティック23は円柱状となっており、その先
端側には、図10(a)(b)に示すように、先端に向
って面取りされた複数の傾斜面52aが形成され、この
傾斜面52aにより計量部52が構成される。すなわ
ち、この傾斜面52aによって所定量の便が採取される
ようになっている。
【0060】また、第1容器11aの内面には、計量部
52の傾斜面52aに採取された便を掻き取るための軟
質スキージ51が半径方向半方に延びて設けられてい
る。この軟質スキージ51は軟質の合成樹脂材からな
り、採便スティック23により変形するようになってい
る。
【0061】他方、第2容器11b内には、基端に連通
孔45が形成された突差部44が設けられている(図9
(b))。また第2容器11b内の突差部44側に上流
側吸収パッド20aが配設され、この上流側吸収パッド
20aの下流側に順次フィルタ部18と、抗体感作粒子
部19と、抗体固定部30を有する検出板17と、下流
側吸収パッド20bとが配設されている。このうち上流
側吸収パッド20aは便懸濁液の一部を吸収するもので
あり、残りの便懸濁液はフィルタ部18から抗体感作粒
子部19、および検出板17を経て下流側吸収パッド2
0bにより吸収されるようになっている。
【0062】次にこのような構成からなる本実施例の作
用について説明する。まず、密閉蓋21に取付けられた
採便スティック23を用いて採便する。この場合、採便
スティック23は計量部52側から便に突き刺される。
次に図示しないスキージにより採便スティック23が拭
き取られ、このようにして計量部52の傾斜面52a上
に所定量の便が採取される。
【0063】次に第1容器11aの開口側から採便ステ
ィック23が挿入される。この場合、傾斜面52a上の
便が軟質スキージ51により掻き取られ、溶液室14内
に放出される。
【0064】次に密閉蓋21が第1容器11aの開口に
装着され、位置決め体41を第1容器11aの外周に嵌
込んだ状態で第1および第2容器11a,11bがよく
振られ、このようにして便懸濁液が得られる。
【0065】次に位置決め体41が第1容器11aの外
周から取外され、第1および第2容器11a,11bが
互いに接近し、第1および第2容器11a,11b同志
が互いに当接して停止する。この間、突差部44がフィ
ルム43を突き刺して破断し、便懸濁液が連通孔42,
45を介して上流側吸収パッド20a側に流入する。
【0066】その後、第1および第2容器11a,11
bは、第2容器11bを下方にして垂直に立てられる。
この場合、便懸濁液は、まず上流側吸収パッド20aに
吸収され、全部の便懸濁液のうち、例えば半分の量が上
流側吸収パッド20a内に留まる。その後、残りの便懸
濁液は、フィルタ部18、抗体感作粒子部19、検出板
17および下流側吸収パッド20b内を順次流れる。
【0067】採取した便が陽性の場合は、抗体固定部3
0にヘモグロビンがトラップされ、この結果は第2容器
11bの外方から確認することができる。
【0068】本実施例によれば、溶液室14内の全部の
便懸濁液のうち、その一部を上流側吸収パッド20aに
より吸収して留めておき、残りの便懸濁液のみを検出板
17側へ流すことができる。このため、検出板17側の
受入容量以上の便懸濁液を溶液室14内で作製すること
ができ、採便スティック23で採便する採便量を多くし
て診断の正確度を高めることができる効果を有し、また
必要最少量の便懸濁液を検出板17側へ流すことができ
効率がよい。
【0069】第4の実施例 次に本発明による便内潜血装置の第4の実施例について
図11乃至図17により説明する。本実施例は、第2容
器の構成が異なるのみであり、第1容器の構成は図7
(a)(b)(c)および図8に示す第2の実施例、ま
たは図9(a)(b)および図10(a)(b)に示す
第3の実施例と略同一である。
【0070】第2容器121は透明性を有する合成樹脂
製となっているとともに、円筒部121aと、円筒部1
21aの端部に設けられた箱型部121bとを有し、内
部の第1容器側には突差部123が設けられている。
【0071】突差部123は図12に示すように、第2
容器121に支持固定されている。
【0072】また第2容器121の円筒部121a内に
は、突差部123側から順に、便懸濁液(検液)中の不
純物を除去する多孔質フィルタ125と、抗体感作粒子
(標識抗体)が配置された抗体感作粒子部129と、多
孔質スペーサ135とが配設されている。そして、これ
らフィルタ125、抗体感作粒子部129およびスペー
サ135によって、円柱状のフィルタ部125,12
9,135が構成され、このフィルタ部125,12
9,135内を便懸濁液がその軸線方向に沿って順次浸
透するようになっている。これらフィルタ部125,1
29,135は、必ずしも異なる基材により構成される
必要はなく、同一基材でも良く、さらには、単一基材で
構成されていても良い。
【0073】さらに第2容器121の筒型部121b内
には、スペーサ135の下流端と不織布等のクッション
材134を介して連結された検出板127が配設されて
いる。クッション材134はなくても良いが、このクッ
ション材134を設けることにより、スペーサ135の
下流端面と検出板127が平行でなくても両者を容易に
接続することができる。
【0074】この検出板127はフィルタ部125,1
29,135の軸線に対して直交しており、図11に示
すように検出板127にはフィルタ部125,129,
135と反対側の面(裏面)に抗ヘモグロビン抗体から
なる円形の抗体固定部130が塗布されている。この抗
体固定部130は便懸濁液に潜血がある陽性時に、便懸
濁液と同時に浸透する抗体感作粒子(標識抗体)と便懸
濁液中のヘモグロビン(Hb)とが結合したものをトラ
ップして呈色を示すものである。また図11および図1
4に示すように、検出板127の裏面には抗体固定部1
30の外方に、標識抗体に対して結合することのできる
抗体からなる円形の終了サイン部133が塗布され、抗
体感作粒子の通過時にこれをトラップして呈色を示し、
検出終了のサインを示すようになっている。なお、抗体
固定部130及び終了サイン部133は円形以外の任意
の形で良い。
【0075】また、終了サイン部133として、標識抗
体に対する抗体の代わりに、便懸濁液の水分により呈色
を示す濡れチェッカーを用いてもよい。
【0076】さらに検出板127の裏面には、透明フィ
ルム127aが積層されている。この透明フィルム12
7aは必ずしも設ける必要はない。また、図11および
図14に示すように、第2容器121の箱型部121b
内であって、検出板127の外周には、検出板127内
で便懸濁液を十分浸透させるよう、余剰の便懸濁液およ
び抗体感作粒子を吸収するための多孔質の吸収パッド1
32が配置されている。この吸収パッド132は、四角
形の帯状に形成されているが、形状は特に限定されな
い。
【0077】次に各構成部分について更に詳述する。ま
ず抗体感作粒子としては、金、銀等の金属粒子、あるい
はセレン等の非金属粒子、または着色ラテックス、酵素
等が用いられ、粒径1nm〜100nmが好ましい。こ
の抗体感作粒子はフィルタ125とスペーサ135との
間だけでなく、スペーサ135の下流側に設けてもよ
い。
【0078】また、検出板127は、ニトロセルロー
ス、ガラス繊維フィルタ、クロマトグラフィ紙、PVD
F(商品名)、ナイロン系またはポリエステル系の不織
布等、浸透できるものなら何でも良く、厚さは20〜1
000μmが好ましい。
【0079】さらに透明フィルム127aとして、ポリ
エチレンテレフタレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、
アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリプロピレン樹
脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポ
リエチレン樹脂、ジアセテート樹脂、トリアセテート樹
脂、ポリイミド樹脂等の厚さ5〜250μm程度、好ま
しくは50〜180μm程度のフィルムが用いられる。
【0080】次にこのような構成からなる本実施例の作
用について説明する。
【0081】第2容器121側に流入した便懸濁液は、
その後フィルタ125を通過し、この間、便懸濁液中の
不純物がフィルタ125により除去される。
【0082】フィルタ125を通過した便懸濁液は、そ
の後抗体感作粒子部129を経て抗体感作粒子とともに
スペーサ135側へ浸透していく。便懸濁液の陽性時、
抗体感作粒子はHbと結合し、Hbと結合した抗体感作
粒子はその後、スペーサ135およびクッション材13
4を経て検出板127へ浸透する。検出板127におい
て、便懸濁液および抗体感作粒子は、半径方向外方へ向
って広がるよう浸透し、Hbと結合した抗体感作粒子は
抗体固定部130においてトラップされる。このように
トラップされた抗体感作粒子は、抗体固定部130にお
いて呈色を示す。抗体感作粒子が金コロイドの場合は、
赤紫色の呈色を示す。
【0083】さらに便懸濁液および抗体感作粒子は、検
出板127内において半径方向外方へ向って浸透し、終
了サイン部133に達する。この終了サイン部133が
標識抗体に対する抗体からなる場合、終了サイン部13
3の抗体がHbと結合しない標識抗体と結合して呈色を
示し、これが検出終了のサインとなる。また終了サイン
部133が濡れチェッカーからなる場合、濡れチェッカ
ーが便懸濁液の水分と反応して呈色を示す。
【0084】上述した抗体固定部130における呈色お
よび終了サイン部133における呈色は、いずれも透明
フィルム127aを通して箱型部121bの裏面から確
認することができる。
【0085】この間、余分な便懸濁液および抗体感作粒
子は、検出板127から吸収パッド132に吸収され
る。
【0086】本実施例によれば、フィルタ部125,1
29,135側からクッション材134を介して検出板
127側に浸透してくる便懸濁液および抗体感作粒子
は、検出板127内において半径方向外方へ広がるよう
に浸透して抗体固定部130および終了サイン部133
に達するので、検出板127内において便懸濁液を単一
方向に浸透させる場合に比較して検出速度を速めること
ができる。
【0087】次に本発明の変形例を図15乃至図17に
より説明する。図15に示すように、フィルタ125、
抗体感作粒子部129およびスペーサ135からなるフ
ィルタ部125,129,135の検出板127側を先
細状に形成し、第2容器121の円筒部121aをこの
先細状に対応するよう形成してもよい。この場合は、ク
ッション材134を経た便懸濁液を検出板127上の狭
い領域に集中して送ることができる。
【0088】また、図16に示すように、検出板127
上にフィルタ部(クッション材134)と同芯の円周に
沿って抗体固定部130を複数設けてもよい。この場
合、各抗体固定部130の抗体塗布量は相互に異なって
いても良く、この場合、便内潜血の定量検出を行うこと
ができる。
【0089】また図17(a)に示すように、第2容器
121の箱型部121bを細長状に形成し、検出板12
7上に塗布される抗体固定部130をフィルタ部(クッ
ション材134)の下流端中心に一箇所設け、一対の吸
収パッド132,132を箱型部121bの両端部に設
けてもよい。この場合、一対の吸収パッド132,13
2と抗体固定部130との間に、一対の終了サイン部1
33,133が設けられている。
【0090】また、図17(b)に示すように、一対の
吸収パッド132,132を第2容器121の箱型部1
21bの両端部に設け、フィルタ部(クッション材13
4)の下流端中心と一対の吸収パッド132,132と
の間に、一対の抗体固定部130,130および一対の
終了サイン133,133を各々設けてもよい。
【0091】なお、上記各実施例において、第2容器1
21の箱型部121bの裏面または透明フィルム127
の裏面に、表示用の文字または図形等を印刷または刻印
することにより設けてもよい。
【0092】また、上記実施例において抗体固定部13
0を検出板127の裏面に設けた例を示したが、これに
限らず検出板127の表面(フィルタ部125,12
9,135側の面)に設けてもよい。検出板127を上
述のように20〜1000μmの厚さとした場合、検出
板127の表面に設けられた抗体固定部130の呈色
を、箱型部121bの裏面から十分確認することができ
る。
【0093】また、上記実施例において抗体感作粒子部
129を、フィルタ125の下流に設けた例を示した
が、抗体感作粒子部129は必ずしも設ける必要はな
く、第1容器で便懸濁液を作成する際に抗体感作粒子を
便懸濁液中に予め混入させてもよい。
【0094】第5の実施例 次に本発明による便内潜血検出装置の第5の実施例につ
いて図18および図19により説明する。本実施例は第
2容器の構成が異なるのみであり、第1容器の構成は図
7(a)(b)(c)および図8に示す第2の実施例、
または図9(a)(b)および図10(a)(b)に示
す第3の実施例と略同一である。
【0095】図18および図19に示すように、第2容
器221内には、フィルタ部225が配設され、またこ
のフィルタ部225に隣接して展開用スペーサー232
aが配設されている。第2容器221は第1容器に対す
る反対側の端部で拡大し、この拡大端部に環状のパッド
室233が形成されている。パッド室233内には吸収
パッド232bが配設され、展開用スペーサー232a
とパッド232bとの間には抗体固定部230を有する
検出板227が第2容器221の長手方向に直交して配
置されている。
【0096】またフィルタ部225と展開用スペーサー
232aとの間には、抗体感作粒子部229が設けられ
ている。
【0097】本実施例によれば、便懸濁物中の不純物を
フィルタ部225および展開用スペーサー232aによ
って、より確実に除去して、便懸濁物を検出板227側
に送ることができる。抗体固定部230にトラップされ
た抗体感作粒子は、第2容器221の底部側(図18右
側)から容易に確認することができる。
【0098】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の発
明によれば、採便スティックで採便した後、懸濁用溶液
と便とを混合し、隔壁を開とするだけで、容易かつ簡単
に潜血検出を行なうことができる。このため操作ミスを
防止することができるとともに、操作ミスに伴う衛生上
の問題を回避することができる。
【0099】請求項2記載の発明によれば、第1容器を
第2容器に対して所定位置まで回転させるだけで、容易
かつ簡単に隔壁を開とすることができる。
【0100】請求項3記載の発明によれば、第1容器と
第2容器との間に位置決め体を介在させて便懸濁液を作
成するので、便懸濁液の作成中に誤って隔壁が突差部に
より破断されることはない。
【0101】請求項4記載の発明によれば、便懸濁液の
一部を上流側吸収パッドにより吸収し、残りの便懸濁液
を判定部から下流側吸収パッドに流入させるので、判定
部の容量以上に便懸濁液を作成することができる。この
ため、採便量を多くして、診断の正確度・適格性を向上
させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による便内潜血検出装置の第1の実施例
を示す側断面図。
【図2】図1の便内潜血検出装置の斜視図。
【図3】図1の便内潜血検出装置を水平方向に静置した
側断面図。
【図4】隔壁を示す平面図。
【図5】本発明による便内潜血検出装置の他の実施例を
示す側断面図。
【図6】図5の便内潜血検出の下方部分斜視図。
【図7】本発明による便内潜血装置の第2の実施例を示
す図。
【図8】図7の便内潜血装置の計量部を示す拡大図。
【図9】本発明による便内潜血装置の第3の実施例を示
す図。
【図10】図9の便内潜血装置の計量部を示す拡大図。
【図11】本発明による便内潜血検出装置の第4の実施
例を示す側断面図。
【図12】図11に示す便内潜血検出装置の切断部を示
す図。
【図13】便内潜血検出装置の第2容器を示す斜視図。
【図14】便内潜血検出装置の第2容器の裏面を示す
図。
【図15】便内潜血検出装置の第2容器の変形例を示す
側断面図。
【図16】便内潜血検出装置の第2容器の他の変形例を
示す裏面図。
【図17】便内潜血検出装置の第2容器の更に他の変形
例を示す裏面図。
【図18】本発明による便内潜血検出装置の第5の実施
例を示す部分側断面図。
【図19】図18の便内潜血検出装置のA−A線断面
図。
【符号の説明】
11a、11b 容器 13 隔壁 14 溶液室 15 検出体室 17 検出板 18 フィルタ部 19 抗体感作粒子部 20 吸収パッド 20a 上流側吸収パッド 20b 下流側吸収パッド 21 密閉蓋 23 採便スティック 25 懸濁用溶液 30 抗体固定部 40 ねじスキージ 41 位置決め体 43 フィルム 44 突差部 47、52 計量部 51 軟質スキージ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 林 正 保 東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一側が開口するとともに他側が密閉された
    容器と、 この容器内を開口側の溶液室と密閉側の検出体室とに区
    画する開封自在の隔壁と、 前記容器の開口に装着されるとともに、前記溶液室内に
    収納される採便スティックが取付けられた密閉蓋と、を
    備え、 前記溶液室内に懸濁用溶液を充填するとともに、前記検
    出体室内に潜血の有無を判定する判定部を設けたことを
    特徴とする便内潜血検出装置。
  2. 【請求項2】容器は互いに回転可能な第1および第2容
    器に2分割され、この第1および第2容器は各々互いに
    摺動するとともに隔壁を構成する第1および第2隔壁を
    有し、この第1および第2隔壁は各々、第1容器を第2
    容器に対して所定位置まで回転させた場合に連通する第
    1連通孔および第2連通孔を有することを特徴とする請
    求項1記載の便内潜血検出装置。
  3. 【請求項3】容器は互いに軸線方向に移動可能な第1お
    よび第2容器に2分割され、隔壁は破断可能となってい
    るとともに前記第1容器に取付けられ、前記第2容器に
    前記隔壁を破断する突差部が設けられ、前記第1および
    第2容器の間に、この第1および第2容器を突差部と隔
    壁が互いに離間する離間位置に位置決めする位置決め体
    を取外自在に介在させ、この位置決め体を取外した場合
    に前記突差部により前記隔壁を破断可能としたことを特
    徴とする請求項1記載の便内潜血検出装置。
  4. 【請求項4】検出体室の判定部の上流側および下流側
    に、各々溶液吸収用の上流側および下流側吸収パッドを
    設け、前記上流側吸収パッドにより溶液室の溶液の一部
    を吸収し、溶液の残りを判定部から前記下流側吸収パッ
    ドに流入させたことを特徴とする請求項1記載の便内潜
    血検出装置。
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