JP6211254B2 - 導波管スロットアレイアンテナ - Google Patents

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Description

本発明は、主にミリ波帯で用いられる導波管スロットアレイアンテナに関する。
近年、安全運転支援等を目的として、自動車にレーダ装置(レーダシステム)が搭載される場合がある。この種のレーダ装置は、センサーとして、レーザレーダを使用するものと、ミリ波レーダを使用するものとに大別されるが、レーザレーダのセンシング能力(分解能)は、車両の汚れや気象条件等の外的要因によって変化し易い。そのため、近時においては、外的要因によって分解能が変化し難く、所望の分解能を常時安定的に発揮し得るミリ波レーダを採用する場合が多くなっている。
上記のミリ波レーダでは、アンテナ部として、並列に配置された複数条(複列)の導波路を有する導波管スロットアレイアンテナ(単に「スロットアレイアンテナ」とも称される)が用いられる場合がある。この種のスロットアレイアンテナとして、例えば下記の特許文献1には、無数の放射スロットを有する放射スロット板および複数条の導波路を画成する複数の導波路壁が樹脂で一体成形され、少なくとも導波路を形成する内面に金属メッキ被膜が形成された放射スロット構体と、この放射スロット構体に固着される放射背面板とで構成されたものが開示されている。このスロットアレイアンテナにおいて、放射背面板は、金属で構成される場合と、少なくとも内面に金属メッキ被膜が形成された樹脂で構成される場合とがある。
特開2000−13135号公報
特許文献1のスロットアレイアンテナは、放射スロット構体に放射背面板を固着するだけで形成することができ、しかも、放射スロット構体及び放射背面板のうち少なくとも放射スロット構体は樹脂製とされることから、低コストに量産可能であるとも考えられる。しかしながら、特許文献1のスロットアレイアンテナには改良の余地がある。
例えば、スロットアレイアンテナにおける導波路の配列数は、必要とされるアンテナ性能等に応じて適宜設定されるが、特許文献1のスロットアレイアンテナは、上述のとおり、放射スロット板および複数の導波路壁を樹脂で一体成形した放射スロット構体に、一枚の放射背面板を固着して構成される関係上、導波路の配列数を任意に変更することができない。すなわち、特許文献1のスロットアレイアンテナは、設計自由度(アンテナ性能の変更自由度)が低い。特許文献1の構成において、導波路の配列数を変更するには、異なる成形金型を使用して放射スロット構体を成形すると共に、放射スロット構体の寸法に応じた多種多様な放射背面板を準備・保有せざるを得ず、従って設備投資や管理コストの面でどうしても不利となる。
また、スロットアレイアンテナのアンテナ性能は導波路の形状・寸法精度によって大きく左右されることから、スロットアレイアンテナのうち、少なくとも導波路を画成する部位には特に高い精度が求められる。しかしながら、特許文献1のスロットアレイアンテナを構成する上記の放射スロット構体は、比較的大型の樹脂部品となる関係上、成形収縮に伴って比較的大きなヒケ,反り,曲がり等が生じ易いことから、所定の形状・寸法精度を安定的に確保することが難しい。従って、特許文献1の構成では、所望のアンテナ性能を発揮し得るスロットアレイアンテナを安定的に得ることが難しく、結果的に製品歩留が低下するという問題もある。
かかる実情に鑑み、本発明は、高性能で、しかも設計変更の自由度が高い導波管スロットアレイアンテナを低コストに量産可能とすることを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明では、並列配置された複数条の導波路を有し、各導波路に沿って複数の放射スロットが設けられた導波管スロットアレイアンテナであって、それぞれが給電口を有する複数の導波管を並列接続してなり、個々の導波管は、管軸方向と直交する断面で有端状をなし、相手側と接合されることにより一条の導波路を画成する第1及び第2の導波管形成部材からなり、第1及び第2の導波管形成部材は、何れも、樹脂の射出成形品であると共に、少なくとも導波路を画成する部位の内面に形成された導電性被膜を有し、第1及び第2の導波管形成部材の何れか一方に放射スロットが設けられると共に、他方に放射スロットの直下位置における導波路の断面積を縮小させる複数の内壁が一体的に設けられ、複数の内壁は管軸方向で相互に離間して配置されると共に、各内壁の高さ寸法給電口との離間距離が拡大するほど大きくなっており、上記一方は、内底面に一の放射スロットが形成された複数の凹部を有することを特徴とする導波管スロットアレイアンテナを提供する。なお、ここでいう「管軸方向」とは、「導波管の延びる方向」と同義である(以下同様)。
本発明に係る導波管スロットアレイアンテナ(以下、単に「スロットアレイアンテナ」という)は、一条の導波路を有する導波管を並列接続して形成される。そのため、必要とされるアンテナ性能(導波路の配列数)に応じた数の導波管を並列に接続するだけで、所望の性能を具備するスロットアレイアンテナを得ることができる。従って、本発明のスロットアレイアンテナは、導波路の配列数を任意に変更することができる設計自由度(アンテナ性能の変更自由度)が高いものとなる。
また、本発明のスロットアレイアンテナにおいて、個々の導波管(導波路)は、管軸方向と直交する断面で有端状をなした第1及び第2の導波管形成部材を接合することで形成される。この場合、第1及び第2導波管形成部材は、何れも、相手側と協働して一条の導波路を画成し得るような構造を備えていれば足りるので、特許文献1に記載の放射スロット構体等に比べて大幅に小型化されると共に形状が簡略化される。そのため、高精度の導波路を安定的に得ることができる。またこの場合、不良率を低減して製品歩留を高めることができる。従って、高性能のスロットアレイアンテナを低コストに得ることができる。
第1及び第2の導波管形成部材(導波管形成部材のうち少なくとも導波路を画成する部位)は、管軸方向と直交する断面で角部を備えた形状(例えば、断面凹字状やL字状)に形成するのが好ましい。このようにすれば、角部を有さない形状(例えば断面平板状)とする場合に比べ、導波管形成部材の剛性、特にねじれ剛性を高めることができるので、導波路の形状安定性を高め、アンテナ性能を高精度に維持する上で有利となる。
上記構成において、第1及び第2の導波管形成部材の何れか一方に放射スロットが設けられ、他方に給電口が設けられたものとすることができる。このようにすれば、第1の導波管形成部材と第2の導波管形成部材の接合部に跨って放射スロットや給電口を設ける場合に比べ、放射スロットや給電口の形状精度を高めることができるので、アンテナ性能を高める上で有利となる。
上記構成において、第1及び第2の導波管形成部材は、何れも樹脂で形成されると共に、少なくとも導波路を画成する部位(導波路画成部)の内面に形成された導電性被膜を有するものとすることができる。このようにすれば、電波の伝搬性が確保される導波管を低コストに量産することができる。この場合、両導波管形成部材の成形用樹脂としては、液晶ポリマー(LCP)を主成分とするものが好適である。LCPは形状安定性に優れ、かつ成形に伴うバリの発生量を抑えることができるからである。導波管形成部材の成形用樹脂には、導波管形成部材の形状安定性や機械的強度を高めるために、必要に応じて各種充填材を配合することができる。
導電性被膜の膜厚は、これが薄過ぎると耐久性に乏しくなり、逆に厚過ぎると被膜形成に多大な時間を要してコスト高を招来する。従って、導電性被膜の膜厚は、0.3μm以上1.0μm以下とするのが好ましい。また、上記の導電性被膜は、単層構造としても良いが、複層構造とするのが好ましく、具体的には、二種以上の金属メッキ被膜を積層させて上記導電性被膜を構成するのが好ましい。例えば、金属の中でも特に導電性の高い銅や銀で第1の金属メッキ被膜を形成し、第1の金属メッキ被膜上に、耐久性に富むニッケルで第2の金属メッキ被膜を形成する。これにより、導電性及び耐久性の双方に優れた導電性被膜を得ることができるので、アンテナ性能の向上が図られる。
以上の構成において、複数の導波管は、分離可能に並列接続することができる。このようにすれば、アンテナ性能の変更自由度が一層高まる。
以上に示すように、本発明によれば、高性能で、しかも設計自由度(アンテナ性能の変更自由度)が高い導波管スロットアレイアンテナを低コストに量産することが可能となる。
(a)図は本発明の第1実施形態に係る導波管スロットアレイアンテナの概略平面図、(b)図は同側面図、(c)図は同背面図である。 図1に示す導波管スロットアレイアンテナを構成する一の導波管の軸直交断面を含む概略斜視図である。 図1に示す導波管スロットアレイアンテナの要部概略断面図である。 変形例に係る導波管の軸直交断面を含む概略斜視図である。 変形例に係る導波管の軸直交断面を含む概略斜視図である。 変形例に係る第2の導波管形成部材の軸平行断面図である。 (a)図は、変形例に係る第1の導波管形成部材の概略平面図、(b)図は、変形例に係る第2の導波管形成部材の軸平行断面図である。
以下、本発明の実施の形態を、図1〜図7を参照しながら説明する。
図1(a)〜(c)に、本発明の第1実施形態に係る導波管スロットアレイアンテナ1(以下、単に「スロットアレイアンテナ1」ともいう)の平面図、側面図及び背面図をそれぞれ示す。同図に示すスロットアレイアンテナ1は、例えば、安全運転支援を目的として自動車に搭載されるレーダシステム(車載用レーダシステム)のアンテナ部を構成するものであって、複数本(図示例では5本)の導波管10を並列接続して構成される。個々の導波管10は、図1(b)等に示すように、電波が流通する導波路2をその内部に一条有し、従って、このスロットアレイアンテナ1は、並列配置された5条の導波路2を有する。なお、5本の導波管10のうち、例えば中央部に配置された導波管10は送信用アンテナとして機能させることができ、その幅方向両側に2本ずつ配置された導波管10は受信用アンテナとして機能させることができる。
各導波管10は、全体として中空の略直方体形状をなしており、中空部で導波路2が形成される。すなわち、各導波管10は、スロットアレイアンテナ1の厚さ方向[図1(b)で紙面左右方向]で対峙する一対の頂壁10aおよび底壁10bと、スロットアレイアンテナ1の幅方向[図1(a)及び図1(c)で紙面左右方向]で対峙する一対の側壁10c,10dと、管軸方向(導波管10の延びる方向)の一端および他端に設けられた一対の端壁10e,10fとを備えている。
図1(a)に示すように、各導波管10の頂壁10aには、導波管10の導波路2内を流通する電波を外部に放射するため(あるいは、対象物に当たってはね返ってきた電波を導波路2内に取り込むため)の放射スロット3が設けられている。放射スロット3は、導波管10の管軸方向に沿って所定間隔で複数配置されている。また、本実施形態において、各放射スロット3は、頂壁10aの表面側に設けた凹部4の内底面に形成されており、かつその幅方向中央部を通って延びる直線が管軸方向に対して45°傾斜している。
一方、図1(b)(c)に示すように、各導波管10の底壁10b(底壁10bのうち、端壁10eに近接した領域)には給電口としての給電スロット5が設けられている。当該スロットアレイアンテナ1を実使用する際には、導波管10の底壁10b側に給電導波管9(図1(c)中に二点鎖線で示す)が適宜の手段で固定され、そのときには給電導波管9の導波路と各導波管10の導波路2とが、上記の給電スロット5および給電導波管9の開口部を介して連通状態となる。
個々の導波管10は、図1(b)や図2に示すように、第1の導波管形成部材11と第2の導波管形成部材12とを接合することで形成される。第1の導波管形成部材11及び第2の導波管形成部材12は、それぞれ、管軸方向と直交する断面(厳密には、端壁10e,10fを除く管軸方向領域における軸直交断面)で有端状をなし、相手側と接合されることにより一条の導波路2を画成する部位(導波路画成部A1,A2)を備えている。
第1の導波管形成部材11は、複数の放射スロット3が設けられた頂壁10aと、一対の側壁10c,10d及び一対の端壁10e,10fの一部とを構成する複数の壁部を一体に備え、本実施形態では、導波管10の頂壁10aと一対の側壁10c,10dの一部とを構成する壁部で導波路画成部A1が形成される。従って、導波路画成部A1は、図2に示すように、導波管10の管軸方向と直交する断面で角部を有する形状(より具体的には凹字状)をなしている。また、第2の導波管形成部材12は、給電スロット5が設けられた底壁10bと、一対の側壁10c,10dおよび一対の端壁10e,10fの残部とを構成する複数の壁部を一体に備え、底壁10bと、一対の側壁10c,10dの残部とを構成する壁部で導波路画成部A2が形成される。従って、導波路画成部A2は、図2に示すように、導波管10の管軸方向と直交する断面で角部を有する形状(より具体的には凹字状)をなしている。
上述したように、このスロットアレイアンテナ1は、5本の導波管10を並列接続することで形成され、本実施形態では、5本の導波管10が分離可能に並列接続されている。このような接続態様は、例えば、隣り合う導波管10,10の間に一又は複数の凹凸嵌合構造を設けることによって実現される。本実施形態では、図3に示すように、隣り合う導波管10,10のうち、何れか一方の導波管10の側壁(図3では側壁10d)に凸部15を設けると共に、他方の導波管10の側壁(図3では側壁10c)に凸部15を嵌合(圧入)可能な凹部16を設け、一方の導波管10の凸部15を他方の導波管10の凹部16に圧入することにより、上記の凹凸嵌合構造が形成される。なお、図示例においては、第1及び第2の導波管形成部材11,12の双方に、凸部15および凹部16を設けているが、所望の接続(接合)強度を確保し得る限りにおいて凸部15と凹部16の形成態様は任意に変更することができる。例えば、第1及び第2の導波管形成部材11,12の何れか一方にのみ、凸部15および凹部16を設けるようにしても構わない。
もちろん、複数の導波管10を並列接続するための手段は、上記の凹凸嵌合構造に限られない。例えば、導波管10,10同士を、両面テープ、接着剤等で固定することにより、複数の導波管10を並列接続することもできる。
第1及び第2の導波管形成部材11,12は、何れも樹脂製とされる。導波管形成部材11,12の成形用樹脂としては、射出成形可能な熱可塑性樹脂を主成分(ベース樹脂)とするものが使用され、ベース樹脂としては、例えば、液晶ポリマー(LCP)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)およびポリアセタール(POM)等の群から選択される少なくとも一種が使用される。ベース樹脂には、必要に応じて適宜の充填材が添加される。本実施形態では、LCPを主成分とし、これに充填材としてのグラスファイバー(GF)を適量添加した樹脂材料を使用して第1及び第2の導波管形成部材11,12を個々に射出成形する。LCPは、PPS等に比べて形状安定性に優れ、かつ成形に伴うバリの発生量を好適に抑え得る点で好ましい。また、グラスファイバーは、カーボンファイバー(CF)に比して安価でありながら、成形品に高い形状安定性や機械的強度を付与し得る点で好ましい。
図2中の拡大図に示すように、樹脂製とされる第1の導波管形成部材11のうち、少なくとも導波路を画成する部位(導波路画成部A1)の内面には導電性被膜6が形成されている。また、図示は省略しているが、樹脂製とされる第2の導波管形成部材12のうち、導波路画成部A2の内面にも同様の導電性被膜6が形成されている。これにより、樹脂製の導波管10内に画成される導波路2を電波が流通可能となる。本実施形態では、基材(導波管形成部材11,12)の内面に析出形成した第1被膜6aと、この第1被膜6a上に析出形成した第2被膜6bとで導電性被膜6を構成している。第1被膜6aは、銅、銀、金等、特に導電性に優れた金属のメッキ被膜とし、第2被膜6bは、ニッケル等、耐久性(耐腐食性)に優れた金属のメッキ被膜とすることができる。導電性被膜6をこのような積層構造とすることにより、導電性被膜6に高い導電性と高い耐久性とを同時に付与することができる。
導電性被膜6を構成する第1及び第2被膜6a,6bの形成方法としては、例えば、電解メッキ法や無電解メッキ法を採用することができるが、無電解メッキ法の方が好ましい。無電解メッキ法の方が、電解メッキ法よりも均一厚みの導電性被膜6(6a,6b)を得易く、所望のアンテナ性能を確保する上で有利となるからである。なお、導電性被膜6の膜厚は、これが薄過ぎると耐久性に乏しくなり、逆に厚過ぎると被膜形成に多大な時間を要してコスト高を招来する。従って、導電性被膜6の膜厚は、0.3μm以上1.0μm以下とするのが好ましい。本実施形態のように積層させた第1及び第2被膜6a,6bで導電性被膜6を構成する場合、第1被膜6aの膜厚は0.5μm程度とし、第2被膜6bの膜厚は0.3μm程度とすることができる。
なお、特にコスト面で問題がなければ、導電性被膜6は、三種以上の金属メッキ被膜を積層させて構成することも可能である。また、導電性被膜6は、両導波管形成部材11,12の表面全域に形成するようにしても構わない。この場合、導電性被膜6形成前(メッキ処理前)におけるマスキングの形成作業と、導電性被膜6形成後(メッキ処理完了後)におけるマスキングの除去作業とを省略することができるので、導電性被膜6の形成コストを抑えることができる。
以上の構成を有するスロットアレイアンテナ1の製造手順を簡単に述べると、まず、第1及び第2の導波管形成部材11,12を樹脂で射出成形してから、両導波管形成部材11,12の所定箇所に導電性被膜6を形成し、その後、両導波管形成部材11,12を接合して導波管10を形成する。そして、隣り合う導波管10,10間に上述の凹凸嵌合構造を形成するようにして複数(ここでは5本)の導波管10を並列接続(分離可能に並列接続)すると、図1(a)〜(c)に示すスロットアレイアンテナ1が完成する。
ここで、第1の導波管形成部材11と第2の導波管形成部材12の接合方法は任意であるが、本実施形態では接着を採用している。接着剤としては、嫌気性接着剤や熱硬化型接着剤を使用することができるが、接着剤を硬化させる際に加熱処理が必要となる熱硬化型接着剤では、上記の加熱処理に伴って樹脂製とされる導波管形成部材11,12の何れか一方又は双方が変形等する可能性がある。そのため、両部材11,12を接合させるのに用いる接着剤としては嫌気性接着剤が好ましい。なお、このように第1及び第2の導波管形成部材11,12を接着固定することで導波管10を形成するようにした場合、両者を接着固定してなる接着部から、特に導波路2を画成する内面の側に接着剤が溢れ出ないように注意を払うことが肝要である。接着剤は、一般に絶縁体であるので、導波路2内の電波の流通性に悪影響が及ぶ可能性があるからである。
以上で説明したように、本発明に係る導波管スロットアレイアンテナ1は、(内部に)一条の導波路2を有する導波管10を並列接続(本実施形態では分離可能に並列接続)して構成される。そのため、必要とされるアンテナ性能(導波路2の配列数)に応じた数の導波管10を並列に接続し、あるいは相互に接続された導波管10を分離するだけで、所望のアンテナ性能を具備するスロットアレイアンテナ1を得ることができる。従って、本発明のスロットアレイアンテナ1は、導波路2の配列数を変更することができる設計自由度(アンテナ性能の変更自由度)が高いものとなる。
また、本実施形態の導波管スロットアレイアンテナ1において、個々の導波路2は、樹脂製の第1及び第2の導波管形成部材11,12を接合することで画成される。この場合、第1及び第2導波管形成部材11,12は、何れも、相手側と協働して一条の導波路2を画成し得るような部位(導波路画成部A1,A2)を備えていれば良いので、特許文献1に記載の放射スロット構体等に比べて小型化される。そのため、第1及び第2の導波管形成部材11,12は、何れも、成形収縮に伴う形状精度の低下が抑制され、その結果として各導波路2の形状・寸法精度が高められる。これにより、不良率を低減して製品歩留を向上することができる。なお、電波の伝搬性(流通性)を確保するために、樹脂製とされる第1及び第2の導波管形成部材11,12のうち、少なくとも相手側の導波管形成部材と協働して導波路2を画成する部位の内面には導電性被膜6が形成される。これらのことから、高性能のスロットアレイアンテナを低コストに量産することができる。
特に、本実施形態では、第1及び第2の導波管形成部材11,12(導波路画成部A1,A2)の双方を、導波管10の管軸方向と直交する断面で角部を有する有端状(より具体的には凹字状)に形成したので、導波路2の形状安定性を高めることができる。そのため、アンテナ性能を高精度に維持する上で有利となる。さらに、第1の導波管形成部材11に放射スロット3を設け、第2の導波管形成部材12に給電口としての給電スロット5を設けたので、両導波管形成部材11,12の接合部に跨って放射スロット3や給電スロット5を設ける場合に比べ、放射スロット3や給電スロット5の形状精度を高め、高いアンテナ性能を確保することができる。
以上、本発明の実施の形態に係る導波管スロットアレイアンテナ1について説明を行ったが、この導波管スロットアンテナ1には、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜の変更を施すことが可能である。
例えば、第1の導波管形成部材11と第2の導波管形成部材12は、図4や図5に示すような凹凸嵌合によって接合することができる。すなわち、両導波管形成部材11,12の何れか一方(図4及び図5では第2の導波管形成部材12)に凸部17を設けると共に、他方(図4及び図5では第1の導波管形成部材11)に凸部17が嵌合(圧入)される凹部18を設け、凹部18に凸部17を嵌合(圧入)することで両導波管形成部材11,12を接合(導波管10を形成)するようにしても良い。なお、図4は、両導波管形成部材11,12の接合部全体に亘って凹凸嵌合部を設けた場合の一例であり、図5は、両導波管形成部材11,12の接合部に間欠的に凹凸嵌合部を設けた場合の一例である。このような凹凸嵌合によって両部材11,12を接合するに際し、両者間の接合強度を高める観点から、接合部(凹凸嵌合部)に接着剤を介在させるようにしても良い。この場合、凹凸嵌合部がラビリンスとなるので、接着剤が導波路2の画成面(内面)に溢れ難くなるという効果も奏される。
また、上述した構成を具備する第1の導波管形成部材11と接合される第2の導波管形成部材12(導波路画成部A2)のうち、各放射スロット3の直下位置には、図6に示すように、導波路2の断面積を縮小させる方向に立設された内壁13を設けることもできる。図示例において、各内壁13の高さ寸法(スロットアレイアンテナ1の厚さ方向の寸法)は、給電スロット5に近接した側で最も小さく、給電スロット5との離間距離が拡大するにつれて大きくなっている。このような内壁13を設けておけば、放射スロットを介して外部に放射される電波の放射強度を放射スロット3相互間で概ね等しくすることができる(放射スロット3相互間での放射強度のばらつきを抑えることができる)ので、アンテナ性能を高める上で有利である。なお、上記の内壁13を設けた場合には、特に第2の導波管形成部材12の形状が複雑化するが、第2の導波管形成部材12を樹脂製(樹脂の射出成形品)としたこと、及び、第2の導波管形成部材12は特許文献1に記載の放射スロット構体に比べれば大幅に小型化されていること、などの理由から、導波管10、ひいてはスロットアレイアンテナ1の製造コスト増は考慮せずとも足りる。
また、導波管スロットアレイアンテナ1を構成する複数の導波管10の一部又は全部は、図7(a)及び図7(b)にそれぞれ示す第1及び第2の導波管形成部材11,12を接合することで形成される導波管10に置換しても良い。両図に示す導波管形成部材11,12について詳述すると、図7(a)に示す第1の導波管形成部材11は、その幅方向略中央部(導波路画成部A1の幅方向略中央部)に設けられて管軸方向に延びる中央内壁14aを備えたものであり、図7(b)に示す第2の導波管形成部材12は、その幅方向略中央部(導波路画成部A2の幅方向略中央部)に設けられて管軸方向に延び、上記中央内壁14aに対応する中央内壁14bを備えたものである。そして、図7(a)に示す第1の導波管形成部材11及び図7(b)に示す第2の導波管形成部材12の何れか一方を、紙面の上下方向に沿って180°回転させてから他方と接合して導波管10を形成すると、この導波管10に画成される一条の導波路2は、これを平面視したときにU字状をなしたものとなる。なお、図7(b)に示す第2の導波管形成部材12は、図6に示すものと同様の構成(内壁13)を備えたものであるが、内壁13は省略しても構わない。
また、以上で説明した導波管10は、管軸方向と直交する断面で略凹字状をなした導波路画成部A1,A2をそれぞれ有する第1及び第2の導波管形成部材11,12を接合して形成されるものであるが、導波管10は、管軸方向と直交する断面で略L字状をなした導波路画成部A1,A2をそれぞれ有する第1及び第2の導波管形成部材11,12を接合して形成することもできる(図示省略)。
さらに、以上で説明した実施形態では、第1及び第2の導波管形成部材11,12を樹脂の射出成形品としたが、両導波管形成部材11,12は、金属の機械加工品や塑性加工品とすることができる他、低融点金属(例えば、マグネシウムやアルミニウム)の射出成形品とすることもできる。この場合、上述した実施形態における導電性被膜6は不要である。
以上で説明した導波管スロットアレイアンテナ1は、軽量・コンパクトでかつ高性能であることから、車載用レーダシステムのアンテナ部として特に好ましく使用することができる。また、この導波管スロットアレイアンテナ1は、低コストに製作可能であることから、車載用レーダシステムの低コスト化に寄与することができるので、当該システムの搭載率向上に寄与することもできる。もちろん、以上で説明した導波管スロットアレイアンテナ1は、車載用レーダシステムのアンテナ部としてのみならず、例えば、自動車のセキュリティシステムのアンテナ部、ホームセキュリティシステムのアンテナ部、滑走路の監視システムのアンテナ部、家屋等に設置される無線伝送システム(例えば、ホームサーバやハイビジョン映像の送受信システム)のアンテナ部、空港等で使用される全身スキャナのアンテナ部などとしても使用することができる。
1 導波管スロットアレイアンテナ
2 導波路
3 放射スロット
4 凹部
5 給電スロット(給電口)
6 導電性被膜
6a 第1被膜
6b 第2被膜
10 導波管
10a 頂壁
10b 底壁
11 第1の導波管形成部材
12 第2の導波管形成部材
A1 導波路画成部
A2 導波路画成部

Claims (8)

  1. 並列に配置された複数条の導波路と、個々の導波路に沿って設けられた複数の放射スロットとを有する導波管スロットアレイアンテナであって、
    それぞれが給電口を有する複数の導波管を並列接続してなり、
    個々の導波管は、管軸方向と直交する断面で有端状をなし、相手側と接合されることにより一条の導波路を画成する第1及び第2の導波管形成部材からなり、
    第1及び第2の導波管形成部材は、何れも、樹脂の射出成形品であると共に、少なくとも導波路を画成する部位の内面に形成された導電性被膜を有し、
    第1及び第2の導波管形成部材の何れか一方に放射スロットが設けられると共に、他方に放射スロットの直下位置における導波路の断面積を縮小させる複数の内壁が一体的に設けられ、前記複数の内壁は管軸方向で相互に離間して配置されると共に、各内壁の高さ寸法給電口との離間距離が拡大するほど大きくなっており、
    前記一方は、内底面に一の放射スロットが形成された複数の凹部を有することを特徴とする導波管スロットアレイアンテナ。
  2. 第1及び第2の導波管形成部材は、何れも、導波管の管軸方向と直交する断面で角部を備えた形状を有する請求項1に記載の導波管スロットアレイアンテナ。
  3. 前記樹脂は、液晶ポリマーを主成分とし、充填材としてのグラスファイバーが添加されたものである請求項1又は2に記載の導波管スロットアレイアンテナ。
  4. 前記導電性被膜の膜厚を0.3μm以上1.0μm以下とした請求項1〜3の何れか一項に記載の導波管スロットアレイアンテナ。
  5. 前記導電性被膜は、二種以上の金属メッキ被膜を積層させたものである請求項1〜4の何れか一項に記載の導波管スロットアレイアンテナ。
  6. 前記一条の導波路が、平面視でU字状をなす請求項1〜5の何れか一項に記載の導波管スロットアレイアンテナ。
  7. 複数の導波管が、分離可能に並列接続された請求項1〜6の何れか一項に記載の導波管スロットアレイアンテナ。
  8. ミリ波帯で用いられる請求項1〜7の何れか一項に記載の導波管スロットアレイアンテナ。
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