JP5687421B2 - 車両用アンテナエレメントおよび車両用アンテナ - Google Patents

車両用アンテナエレメントおよび車両用アンテナ Download PDF

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本発明は、車両用アンテナの構造に関する。
車両にはラジオ、テレビ、無線等の多くの受信装置が搭載されており、これらの受信装置それぞれの周波数に応じたアンテナが装備されている。従来、これらのアンテナには車体のピラーやフェンダー或いはルーフに取り付けられるポールアンテナ或いはロッドアンテナが用いられていた(例えば、特許文献1参照)が、ポールアンテナやロッドアンテナは車外に突出することから見栄えが悪い上、風きり音が発生する等の問題があった。また、風きり音の発生を抑えるために表面にスパイラル形状の突起を設けることもあるがこの場合はさらに見栄えが悪くなるという問題があった。このため、車両に取り付けられているエアスポイラや車両用バンパー等の樹脂製外装品の内部空間にアンテナを設置することによりスペースの共用化並びに車両外観の向上を図る方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
ポールアンテナやロッドアンテナは金属製の車両のルーフなどに取り付けられるので、アンテナの車両への接地のために別途、接地線の配線が必要となることはないが、特許文献2に記載された従来技術のように樹脂製の車両外装品の内部にアンテナを取り付ける場合、アンテナエレメントを車両外装品に取り付けたのみではアンテナを車両に接地できない。このため、外装品の内部に設置されたアンテナエレメントと近くの金属製の車両フレームとの間を信号線とは別の接地部材で接続してアンテナ性能が低下することを抑制している。
特開2005−130130号公報 特開2009−158990号公報
ところで、近年、燃費をより一層向上させるために車両をより軽量化することが求められている。このため、車両のルーフやドアの外装板等を金属よりも軽量の繊維強化樹脂などで形成することが試みられている。このような樹脂性の車両外装板の内部にアンテナを取り付ける場合もアンテナとアンテナ近くの金属製の車両フレームとを接地部材や接地線等によって接続する必要があり、アンテナの車両への組み込みに手間が掛かるという問題がある。特に、車外にアンテナが突出しないように車両の外装板と内装板との間のスペースにアンテナを取り付ける場合には接地部材を配置できないため、狭いスペースで接地線の引き回しを行うことが必要となり、より組み立ての手間がかかるという問題があった。
また、特許文献1に記載されたポールアンテナや特許文献2に記載されたアンテナは、金属製の車両外装板の外側に取り付けられているため、車室内からのノイズの影響を受けなかったが、車両外装板の内部にアンテナを配置する場合には、アンテナが車室内のノイズの影響を受けるという問題があった。
本発明は、簡便な構造でアンテナに接地機能を持たせることを目的とする。また、本発明の他の目的は、簡便な構造で車室内のノイズのアンテナへの影響を抑制することにある。
本発明の車両用アンテナエレメントは、導電性の接地板と、前記接地板と対向して配置される導電性の放射板と、前記放射板と前記接地板とを電気的に接続する導電性の接続板と、前記放射板から前記接地板の側に向かい、先端が給電端を形成する給電板と、を備え、前記接地板は、前記接地板よりも大きく、前記接地板の周囲よりもはみ出す導電性の薄板を樹脂製の車両内装板との間に挟み、前記接続板は、前記接地板と前記放射板とを接続する方向を横切る幅方向の長さが、前記放射板および前記接地板のそれぞれの当該幅方向の長さよりも短い形状を有し、前記給電板は、前記放射板から前記接地板の側に向かう方向を横切る幅方向の長さが、前記放射板および前記接地板のそれぞれの当該幅方向の長さよりも短い形状を有、前記導電性の薄板は、車両の骨組みを構成する金属に電気的に接続されていないことを特徴とする
本発明の車両用アンテナエレメントは、望ましくは、樹脂製の車両外装板と前記車両内装板との間に配置される。
本発明は、簡便な構造でアンテナに接地機能を持たせることができるという効果を奏する。また、本発明は簡便な構造で車室内のノイズのアンテナへの影響を抑制することができるという効果を奏する。
本発明の実施形態における車両用アンテナを車両に取り付けた状態を示す説明図である。 本発明の実施形態における車両用アンテナの構成を示す斜視図である。 図2に示す実施形態における車両用アンテナの中央の断面を示す説明図である。 本発明の他の実施形態における車両用アンテナの構成を示す斜視図である。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。図1(a)に示すように、本実施形態の車両用アンテナ20は、樹脂製の車両外装板である車両10のルーフ11の内側に取り付けられ、ルーフ11の外部に突出しないよう構成されている。図1(b)に示すように、車両10は金属製のフレーム13によって外形の骨組みが構成されており、このフレーム13に樹脂製のルーフ11、リアウインドウガラス12が取り付けられている。取り付けは接着剤などが用いられる。また、フレーム13の車室内側には、車室の天井を構成する樹脂製の天井板14が取り付けられている。天井板14はルーフ11と略平行な形状の板で、ルーフ11と天井板14との間には空間ができるよう構成されている。本実施形態の車両用アンテナ20は、薄い導電性シート30を介して天井板14の上に取り付けられ、天井板14とルーフ11との間の空間に配置されるよう構成されている。車両用アンテナ20には同軸ケーブル40が接続され、車両用アンテナ20の受信した電波信号を外部に出力している。導電性シート30は各種プラスチックに導電塗料を塗布することによって導電性機能を付与したシートでもよいし、薄い金属箔あるいは金属板であってもよい。図1(b)に示す様に、本実施形態の導電性シート30は車両10のフレーム13と電気的に接続されていない。
図2(a)から図2(e)は本実施形態の車両用アンテナ20の構造を示している。図2(a)に示す様に、アンテナエレメント20aは金属製の薄板を折り曲げて構成され、基体部である樹脂製の天井板14に取り付けられる長方形の接地板22と、接地板22と対向し、接地板22と平行に間隔をおいて重ねあわせて配置される長方形の放射板21と、接地板22と放射板21との間を接続する接続板23と、を備えている。接地板22と放射板21とは略同様の大きさであり、接続板23は各板21,22の長手方向の各辺の中央部分を接続するもので、その幅は各板21,22の長手方向の長さよりも短くなっている。したがって、接続板23は放射板21と接地板22との中央付近のみを互いに接続している。
接続板23と対向する位置には、放射板21から接地板22に向かって折り曲げられた給電板24が設けられている。給電板24の先端は接地板22に向かって三角形にとがった形状で、その先端は給電端28となっている。給電端28と接地板22とは隙間があいており、電気的に接触していない。また、接地板22の各角部近傍には4つの四角孔25が設けられ、各四角孔25の近傍にはそれぞれ丸孔26が設けられている。給電板24の先端の給電端28に対向する位置には、接地板22をプレス加工して給電板24のほうに向かって折りあげられた接地ブラケット27が設けられている。図2(a)に示したアンテナエレメント20aの接続板23と給電板24とが配置されている中央部の断面は、図3に示すように、給電端28と接地板22との間に隙間がある四角形状となっている。
プレス加工などによって図2(a)に示すアンテナエレメント20aを形成したら、アンテナエレメント20aは樹脂成型の型の中に設定され、樹脂モールドによって放射板21と接地板22との間の間隔を一定に保持する補強部材29がインサート成形される。これによって、図2(b)に示すように、接地板22の各角近傍に設けられた四角孔25と放射板21の四角孔25に対向する位置との間に柱状に補強部材29が成形され、放射板21と接地板22との相対位置が固定されたアンテナエレメント成形品20bを得ることができる。
図2(c)に示すように、天井板14の上に導電性シート30を重ね、図2(e)に示すように、アンテナエレメント成形品20bの接地板22の丸孔26を天井板14と一体に樹脂成型されたアンテナ固定用のクリップ15にはめ込むと、クリップ15の角部が丸孔26の周縁に係合し、アンテナエレメント成形品20bは接地板22と天井板14と間に導電性シート30を挟みこむと共に天井板14に固定される。導電性シート30は、アンテナエレメント20aの接地板22よりも大きく、接地板22の周囲から接地板22の面に沿った方向にはみ出すよう配置されている。また、図2(d)に示すように、同軸ケーブル40の芯線42を給電板24の給電端28にカシメによって接続し、同軸ケーブル40のシールド線41を接地ブラケット27に挟み込んで固定することによって同軸ケーブル40とアンテナエレメント20aとを接続する。
このように、天井板14に導電性シート30を挟んで取り付けられた車両用アンテナ20は、天井板14と共に図1に示すように車両10に取り付けられ、天井板14の一端が車両10のフレーム13に固定されると天井板14とルーフ11との間の空間に配置される。
本実施形態の車両用アンテナ20は、アンテナエレメント20aの接地板22が接地板22よりも大きな導電性シート30の上に電気的に接続されるように配置されていることから、導電性シート30はアンテナエレメント20aの接地板22を電気的に拡大する効果を奏する。このため、導電性シート30は接地板22と共にアンテナエレメント20aの地板としての機能を持ち、アンテナの放射特性が良好となる。導電性シート30が車両10のフレーム13に電気的に接続されていなくとも上記の効果が得られる。このため、本実施形態の車両用アンテナ20では、アンテナエレメント20aと車両10のフレーム13とを接地線で接続しなくとも十分な放射特性が得られるという効果を奏する。また、導電性シート30が車両10のフレーム13にされてもよく、この場合には、アンテナの放射特性がより良好となる。
さらに、本実施形態の車両用アンテナ20は導電性シート30が放射板21と車室との間に配置されることから、車室内のノイズによって車両用アンテナ20が影響を受けることが抑制され、車室内のノイズによるアンテナ性能の低下を抑制することができるという効果を奏する。
図4を参照しながら本発明の他の実施形態について説明する。図1から図3を参照して説明した実施形態と同様の部分には同様の符号を付して説明は省略する。図4に示す実施形態は、放射板21と接地板22とを接続する補強部材29の形状を溝型とし、放射板21と接地板22との中間位置に放射板21から接地板22に向かって延びる板状のアーム29aを設け、アーム29aの接地板22側に突起29bを設けたものである。そして、天井板14には図2(c)、図2(e)に示したクリップ15に代わって板状のブラケット16が一体成形によって設けられている。ブラケット16の先端側には、アーム29a先端の突起29bがはまり込む四角い係合孔17が設けられている。
図4に示すように、天井板14の上に導電性シート30を重ね、アンテナエレメント成形品20bの補強部材29の溝に天井板14に一体に樹脂成型されたブラケット16を合わせ、補強部材29のアーム29a先端の突起29bをブラケット16の係合孔17にはめ込むと、突起29bが係合孔17に係合し、アンテナエレメント成形品20bは接地板22と天井板14と間に導電性シート30を挟みこむと共に天井板14に固定される。
本実施形態は先に説明した実施形態と同様の効果を奏する。
10 車両、11 ルーフ、12 リアウインドウガラス、13 フレーム、14 天井板、15 クリップ、16 ブラケット、17 係合孔、20 車両用アンテナ、20a アンテナエレメント、20b アンテナエレメント成形品、21 放射板、22 接地板、23 接続板、24 給電板、25 四角孔、26 丸孔、27 接地ブラケット、28 給電端、29 補強部材、29a アーム、29b 突起、30 導電性シート、40 同軸ケーブル、41 シールド線、42 芯線。

Claims (3)

  1. 導電性の接地板と、前記接地板と対向して配置される導電性の放射板と、前記放射板と前記接地板とを電気的に接続する導電性の接続板と、前記放射板から前記接地板の側に向かい、先端が給電端を形成する給電板と、を備え、
    前記接地板は、前記接地板よりも大きく、前記接地板の周囲よりもはみ出す導電性の薄板を樹脂製の車両内装板との間に挟み、
    前記接続板は、前記接地板と前記放射板とを接続する方向を横切る幅方向の長さが、前記放射板および前記接地板のそれぞれの当該幅方向の長さよりも短い形状を有し、
    前記給電板は、前記放射板から前記接地板の側に向かう方向を横切る幅方向の長さが、前記放射板および前記接地板のそれぞれの当該幅方向の長さよりも短い形状を有し、
    前記導電性の薄板は、車両の骨組みを構成する金属に電気的に接続されていないこと、
    を特徴とする車両用アンテナエレメント。
  2. 請求項1に記載の車両用アンテナエレメントであって、
    樹脂製の車両外装板と前記車両内装板との間に配置されること、
    を特徴とする車両用アンテナエレメント。
  3. 請求項1または請求項2に記載の車両用アンテナエレメントと、
    前記導電性の薄板と、を備えることを特徴とする車両用アンテナ。
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