JP2004356895A - 無線通信端末用外部アンテナ接続構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】携帯電話等の無線通信端末が例えば車室内で輻射した電波を高効率で車室外に設置されたアンテナから再輻射できるようにすると共に、ユーザに特段の操作・作業を要求せず、ユーザにとって使い勝手のよい外部アンテナ接続構造を提供すること。
【解決手段】無線通信端末を外部アンテナに接続する構造が、開口部を有し、該開口部から所定の向きで挿入された無線通信端末を少なくとも部分的に収容する略直方体状の収容体を備える。この収容体はその一側面にループアンテナ素子を備える。このループアンテナ素子のループ部分の1周の長さは収容される無線通信端末が使用する周波数帯域に応じて決定される。また、このループアンテナ素子は上記周波数帯域に共振された外部アンテナに接続される。
【選択図】 図3
【解決手段】無線通信端末を外部アンテナに接続する構造が、開口部を有し、該開口部から所定の向きで挿入された無線通信端末を少なくとも部分的に収容する略直方体状の収容体を備える。この収容体はその一側面にループアンテナ素子を備える。このループアンテナ素子のループ部分の1周の長さは収容される無線通信端末が使用する周波数帯域に応じて決定される。また、このループアンテナ素子は上記周波数帯域に共振された外部アンテナに接続される。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、概して、無線通信端末(例えば携帯電話)を外部アンテナ(例えば車載アンテナ)に接続するための構造に係り、特に、無線通信端末を少なくとも部分的に収容するホルダ型であって、無線通信端末に対してレピータとして機能し得る無線通信端末用外部アンテナ接続構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、携帯電話の普及により、車両に乗った状況でもハンズフリー通話や情報コンテンツのダウンロードなどの通信の必要性が生じている。しかしながら、車両に乗った状況では、通信用電波(通信キャリア)が車両ボデーを通過して車両内部に置かれた携帯電話アンテナに直接入力するまでの過程で減衰が大きく、通信品質が劣化するという問題が生じる。
【0003】
そこで、従来、車載アンテナを利用することで安定した通信が行えるように、携帯電話と車載アンテナを接続するための様々な方法及び装置が提案されている。
【0004】
最も典型的な従来技術は、接続ケーブルを用いて携帯電話と車載アンテナを接続する方法である。この一例を図1に概略的に示す。この例は、車両100内に携帯電話101が持ち込まれた状況を示す。
【0005】
携帯電話101には、通常、充電及びデータ通信のためにコネクタ102が設けられており、このコネクタ102に同軸ケーブルである接続ケーブル103をつないで、携帯電話101と車室外の例えばルーフ上やトランク上などに設置された車載アンテナ104とを接続する。この接続により、携帯電話101側では内部のRF部電子スイッチを切り替えて、携帯電話101に搭載された2本のアンテナの使用を停止し、図中のRF1及びRF2へRF送受信接続を切り替える。よって、携帯電話101は、外部アンテナ104を介して例えば基地局105と通信を行うことができる。
【0006】
別の従来例を図2に示す。この例では、1組の内側エレメント202と外側エレメント203とから成るガラス貼り付けレピータを例えば車両200のリアガラスの内側と外側に貼り付ける。車両200内に持ち込まれた携帯電話201から発射された電波204は内側エレメント202によって受信され、この受信された電力は例えば容量結合により外側エレメント203に伝達され、外側エレメント203から外界へ輻射205される。
【0007】
また、更に別の従来例として、赤外線通信などの別の通信回線を用いて、携帯電話と車載アンテナを非接触接続する手法も提案されている(例えば、特許文献1〜3参照。)。
【0008】
【特許文献1】
特開2001−24785号公報
【0009】
【特許文献2】
特開平11−227536号公報
【0010】
【特許文献3】
特開平10−226281号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術にはそれぞれ固有の課題が内在する。
【0012】
図1に示す従来例では、通常防水等の目的で携帯電話101のコネクタ102に設けられたゴムキャップ106を外した上で車両側に予め準備された接続ケーブルを接続しなければならない。車両に乗り降りする度にこのような接続ケーブルの脱着を行わなければならないことはユーザにとって非常に煩わしいものである。
【0013】
また、図2に示す従来例では、エレメント202及び203がそれぞれ所望の周波数に共振されてはいるものの、図示するような略等高線となる携帯電話201から全方位に向けて放射されたエネルギ(電波)のうち、ごくわずかの角度分しかエレメント202によって受信されないため、携帯電話201からエレメント202への伝搬路204における伝搬効率が伝搬路205におけるそれに比して非常に低いものとなり、実質上の効果は極めて少ない。
【0014】
さらに、上記特許文献1〜3に記載されたような赤外線通信による非接触接続を図る手法を用いる場合、携帯電話が赤外線通信を実行可能なハードウェアを備えていなければならないという制約が生じ、携帯電話のコストやサイズの低減を困難にする。
【0015】
本発明はこのような課題を解決するためのものであり、携帯電話等の無線通信端末が例えば車室内で輻射した電波を高効率で車室外に設置されたアンテナから再輻射できるようにすると共に、ユーザに特段の操作・作業を要求せず、ユーザにとって使い勝手のよい外部アンテナ接続構造を提供することを主たる目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明の一態様は、無線通信端末を外部アンテナに接続する構造であって、
開口部を有し、該開口部から所定の向きで挿入された無線通信端末を少なくとも部分的に収容する略直方体状の収容体を備え、
上記収容体はその一側面にループアンテナ素子を備え、
上記ループアンテナ素子のループ部分の1周の長さは収容される無線通信端末が使用する周波数帯域に応じて決定され、
上記ループアンテナ素子は、上記周波数帯域に共振された外部アンテナに接続される、無線通信端末用外部アンテナ接続構造である。
【0017】
この態様に係る無線通信端末用外部アンテナ接続構造は、例えば、車両車室内に設けられる。
【0018】
この態様において、上記無線通信端末とは例えば携帯電話であるが、携帯電話以外の通信機能を備えた携帯機器(例えば、PDA、ラップトップPCなど)であってもよい。また、上記外部アンテナは例えば車載アンテナであるが、携帯電話を車両車室内以外の伝搬環境が比較的悪い場所(例えば、屋内など)で使用する場合には他の種類の外部アンテナ(例えば、屋外アンテナ)であってもよい。
【0019】
この態様によれば、煩雑な作業を伴わず、上記収容体に無線通信端末を入れるだけで容易に該無線通信端末と外部アンテナとの接続を実現できるため、ユーザ利便性が高い。
【0020】
なお、上記一態様において、上記ループアンテナ素子はプリント基板パターンとして形成されてもよい。
【0021】
また、上記ループアンテナ素子のループ部分を略長方形とし、且つその一短辺の長さを上記1周の長さ(ここでは1λ)の約1/10〜約1/20(ここでは、0.05〜0.10λ)とすると、上記ループアンテナ素子にポール型アンテナのような電界検出型アンテナの特性とループ型アンテナのような磁界検出型アンテナの特性とを双方持たせることでき、ポール型アンテナとループ型アンテナとでアンテナダイバーシチを行う多くの携帯電話機種にとって通信品質が良好な方を選択できるるため、好ましい。
【0022】
また、上記一態様において、上記収容体の上記ループアンテナ素子が備えられた一面以外の面のうち少なくとも一面と少なくとも部分的に接する導電性プレートを備えると、イメージ(鏡像)によってアンテナゲインを向上させることができ、好ましい。
【0023】
上記導電性プレートは、無線通信端末の特性等に応じて上記収容体の特性を変え得るように、着脱可能に備えられることが好ましい。また、上記導電性プレートは、無限大のグランドに近づけるためにアースに接続されることが好ましい。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施の形態1〜3について説明する。なお、以下に説明する実施の形態1〜3では、一例として、携帯電話が車両車室内に持ち込まれた場合に、携帯電話と車載アンテナとを接続する構造について説明するが、本発明に係る外部アンテナ接続構造は、車両用に限定されたものではなく、他の用途にも適用可能である。
【0025】
(実施の形態1)
まず、図3〜8を用いて、本発明の実施の形態1に係る外部アンテナ接続構造及びその変形例について説明する。
【0026】
本実施形態に係る外部アンテナ接続構造は、無線通信端末を少なくとも部分的に収容する略直方体状の収容体を備えたホルダ型の接続構造である。この収容体の一側面に無線通信端末から放射された電波を車載アンテナ(外部アンテナ)へ伝達するレピータ(中継)アンテナを設けることによって、本実施形態に係る外部アンテナ接続構造は、ホルダとしての収容機能と、レピータとしての中継機能とを同時に実現するものである。
【0027】
図3に本実施形態に係る外部アンテナ接続構造の全体の構成を概略的に示す。車両300の車室内に備えられる本構造の無線通信端末収容体301は、例えば樹脂などの絶縁材料から成り、図示するように略直方体の形状をしている。
【0028】
この収容体301の奥行きl×幅wは、汎用性の観点から、できるだけ多くの携帯電話機種を特定の方向に収容できるように設定されることが好ましい。当然、特定の機種を収容することに限定した形状とすることも可能である。ここで、「特定の方向に収容する」とは、例えば、図示するように、l>wとし、携帯電話を一定の縦横向きでしか収容できないようにすることを指す。
【0029】
また、収容体301の高さは、収容された携帯電話を保持できれば任意でよく、例えば、図4(a)に示すように携帯電話全体を収容するように設定されてもよく、図4(b)に示すように携帯電話の一部を収容するように設定されてもよい。図から明らかなように、図4(a)では、一例として、折り畳み式携帯電話を折り畳んだ状態で収容する場合、図4(b)では、一例として、折り畳み式でない携帯電話を収容する場合、をそれぞれ示す。いずれの場合であっても、携帯電話のアンテナを後述するアンテナ素子に近づけるために、携帯電話のアンテナ側を下にして、すなわちアンテナが収容体301の奥へ入れられるように収容することが望ましい。
【0030】
収容体301の一側面には金属プレート302が取り付けられる。プレート302は、金属に限られず、導電体であれば任意の部材でよい。また、金属プレート302の収容体301への取り付けは任意の方法でよい。例えば、金属プレート302の一面がシールになっていてもよく、ビス留めされてもよく、或いは、接着剤で接着されてもよい。
【0031】
収容体301の金属プレート302と略直交する一側面には磁界検出型のループアンテナとして動作するループアンテナ素子303が取り付けられる。このループアンテナ素子303の収容体301への取り付けも任意の方法でよい。本分野では良く知られているように、磁界検出型のアンテナであるループアンテナは、電界検出型のポールアンテナに比べて近距離において高効率且つ広帯域である。そこで、本実施形態では、図示するようにアンテナ素子と携帯電話とが接近しているため、ループアンテナを用いる。
【0032】
また、本実施形態において、このループアンテナ素子303のループ部分の1周の長さは、収容体301に収容される携帯電話が使用する周波数帯域の1波長とほぼ等しい値となるように設定される(実際には、アンテナ短縮率を掛ける分、1波長より短くなる)。携帯電話が送受信に用いる周波数につき、送信周波数をfTX、受信周波数をfRX、とすると、f0=(fTX+fRX)/2によって求められる周波数をf0とし、f0から導き出される波長λ0を所望の波長とする。例えば、1.5GHz帯を使用する携帯電話の場合、ループ部分の1周を20cmとする。
【0033】
ループアンテナ素子303は、平衡−不平衡変換を行うバラン304を介して同軸ケーブル305(例えば、特性インピーダンス50Ωのもの)に接続される。同軸ケーブル305の他端は車載アンテナ306に接続される。車載アンテナ306は、例えば、ルーフトップ上やトランクリッド上などの車両外部に設置されたアンテナでもよく、或いは、リアガラスにパターン形成されたアンテナでもよい。図3にはトランクリッド上に配置された場合を一例として示す。
【0034】
このように構成された本実施形態に係る外部アンテナ接続構造によれば、収容体301に収容された携帯電話から輻射された電波は、ループアンテナ素子303によって受信され、バラン304によって平衡−不平衡変換されて50Ω同軸ケーブル305に整合したものとされ、該ケーブルを通じてアンテナ306から外界へ再輻射される。他方、車載アンテナ306によって例えば基地局から受信された電波は、同軸ケーブル305を通り、バラン304によって不平衡−平衡変換され、ループアンテナ素子303によって励振・再輻射され、収容体301に収容された携帯電話によって受信される。
【0035】
ここで、金属プレート302の機能・効果について説明する。一般に知られているように、ループアンテナのループ面に直交するように無限大の接地(アース)板を設置すると、イメージ(鏡像)によりアンテナゲインが向上する。これを図5を用いて説明する。図5(a)はアンテナ素子303がポール型アンテナであった場合のイメージ電流i1’〜i3’を示し、図5(b)はアンテナ素子303が本実施形態通りループ型アンテナである場合のイメージ電流ia’〜id’を示す。
【0036】
図5(a)の場合、収容体301内側から見ると逆方向の(逆位相の)電流が流れ、互いに打ち消し合うため、アンテナゲインは低下する。他方、図5(b)の場合、収容体301内側から見ると、同方向の(同位相の)電流が流れ、同じループアンテナが2つ存在することとなり、互いに強め合うため、アンテナゲインが向上する。
【0037】
本実施形態に係る金属プレート302は当然ながら無限大のグランドではないが、実験により、例えば図3に示すようにループアンテナ素子303と直交する面に該面と略同じ面積の金属プレート302を取り付けることによってループアンテナ素子303のアンテナゲインが2〜3dB向上することが確認された。
【0038】
なお、本実施形態に係る外部アンテナ接続構造の一変形例として、図6に示すように、金属プレート302から例えばワイヤ601を引き出して他端をアースに接続することによって、金属プレート302を上述の無限大のグランドにより近づけることが可能となり、アンテナゲインをより向上させることができる。ここで、本実施形態のように本外部アンテナ接続構造を車両で用いる場合、通常車両では金属製のボディをマイナス電位に帯電させたいわゆる「ボディ・アース」が採用されていると考えられるため、ワイヤ601をボディ(の一部)と導通可能に接続させることによって(或いは、金属プレート302を収容体301ごとボディへビス留めすることによって)、この変形例は容易に実現できる。
【0039】
また、携帯電話のアンテナの位置、形状、及び特性は、機種によって様々であり、例えば内部の金属基板がアンテナとして機能し得る機種も存在する。本願発明者による実験・調査によれば、上述のようにループアンテナの直交面に金属プレートを配置するよりも、ループアンテナと平行な面に金属プレートを配置した方が利得が上がり、携帯電話と外部アンテナとの結合ゲインが向上する機種も一部存在することが判明した。したがって、本実施形態の別の一変形例として、図7に示すように、ループアンテナ素子303と平行な面に金属プレート302が配置されてもよい。
【0040】
すなわち、本実施形態では、上述の如き収容体301において、ループアンテナ素子303が備えられた一面以外の面の少なくとも一面に金属プレート302が取り付けられることが好ましい、と言える。したがって、ループアンテナ素子303が備えられた一面以外の任意の一面(直交する一面又は平行な一面)のみに金属プレート302が設けられてもよく、或いは、ループアンテナ素子303が備えられた一面以外のすべての面に金属プレート302が設けられてもよい。
【0041】
また、当業者には明らかなように、本実施形態において、収容体301がホルダとして機能し、ループアンテナ素子303がレピータとして機能する以上、金属プレート302は必須の構成要素ではない。金属プレート302はあくまでゲイン向上を目的とした追加的構成要素である。また、上述のように、金属プレート302を配置すべき位置は収容する携帯電話の機種によって変わり得る。
【0042】
そこで、本実施形態の更に別の一変形例として、図8に示すように、収容体301の内側にガイド溝801を設け、金属プレート302をガイド溝801に沿って収容体301の面と接するように挿入する構造とし、金属プレート302を着脱可能なものとして備えてもよい。ここで、図8(a)は、一例として、ループアンテナ素子303が備えられた面に直交する一側面にガイド溝801が設けられた様子を示し、図8(b)は、図8(a)に示す一例においてガイド溝801に金属プレート302が挿入された様子を示す。
【0043】
したがって、本実施形態によれば、特段の取付・接続作業無しに、車両に乗り込んだユーザは、携帯電話を車室内に備えられたホルダ型の外部アンテナ接続構造に「さっと」差し入れるだけで、該ホルダ型接続構造がレピータとして機能し、該携帯電話と車載アンテナとを通信品質良好に接続することができる。
【0044】
また、上述の如き金属プレートを設けることによって、アンテナゲインを向上させ、携帯電話とレピータアンテナとの結合状態を良好なものとすることができる。
【0045】
(実施の形態2)
次いで、図9を用いて、本発明の実施の形態2に係る外部アンテナ接続構造について説明する。本実施形態に係る外部アンテナ接続構造は、上記実施の形態1に係るものとほぼ同一であり、但し、ループアンテナ素子303及びバラン304をプリント基板として実現するものである。
【0046】
本実施形態に係るループアンテナ素子303及びバラン304を図9に示す。本実施形態において、ループアンテナ素子303及びバラン304は銅箔パターンとしてプリント基板900上に形成される。
【0047】
したがって、本実施形態によれば、ループアンテナ素子303をリジットな(固定的且つ安定的な)ものとすることができると共に、50Ω系の不平衡同軸ケーブルに接続するために平衡−不平衡変換を行うバラン304をプリント基板900上に実装することができ、サイズが低減される。
【0048】
(実施の形態3)
次いで、図10〜12を用いて、本発明の実施の形態3に係る外部アンテナ接続構造について説明する。本実施形態に係る外部アンテナ接続構造は、上記実施の形態1及び2に係るものとほぼ同一であり、但し、ループアンテナ素子303のループ形状を工夫して、ループアンテナ素子303にポール型アンテナとしての特性も持たせるものである。
【0049】
図10に示すように、携帯電話のアンテナ1000は、電界検出型のポール型アンテナ1001と磁界検出型のループ型アンテナ1002との2系統を備え、アンテナダイバーシチにより通信品質の良好な方を適宜用いる構成とされている場合が多い。
【0050】
ポール型アンテナ1001は、通常、伸縮できるものであり、ループ型アンテナ1002は、チップや平板(金属板)から構成される。通常、ポール型アンテナ1001を伸ばした状態では、ポール型アンテナ1001のアンテナゲインの方がループ型アンテナ1002のそれより良好になり、ポール型アンテナ1001を収納した状態では、ループ型アンテナ1002のアンテナゲインの方が大きくなる。
【0051】
しかしながら、既述のように、携帯電話のアンテナの位置、形状、及び特性は、機種によって様々であり、ポールアンテナ1001が収納された状態であっても常にループ型が優位とは限らない。
【0052】
そこで、本実施形態では、ループアンテナ素子303のループ形状を図11に示すようにポール型アンテナとしての特性も示すような形状とする。すなわち、折り返しダイポールアンテナに近づける。ここで、本願発明者による実験・調査によれば、1周の長さが1波長(1λ)に相当するループの形状を略長方形とし、その短辺の長さを0.1λ(1/10波長)より長くするとループ型アンテナとしての特性を強め、0.05λ(1/20波長)より短くすると、図12に示すような半波長ダイポールアンテナと類似した特性を示すことが判明した。そこで、本実施形態では、略長方形のループ形状において、短辺を上記両特性の中間的な長さである0.05〜0.10λとし、長辺を0.40〜0.45λとすることによって、ポール型アンテナとループ型アンテナの双方のアンテナ特性を兼ね備えたアンテナを実現する。
【0053】
したがって、本実施形態によれば、収容体301に収容された携帯電話は、ポール型アンテナとループ型アンテナのうち、携帯電話アンテナとループアンテナ素子303との間の通信品質がより良好な方のアンテナ、すなわちループアンテナ素子303との結合状態がより良好な方のアンテナを適宜ダイバーシチ選択することができる。
【0054】
なお、本実施形態においては、上記実施の形態1の変形例として説明したように、金属プレートが着脱可能に設けられることが好ましい。
【0055】
例えば、アンテナ素子302が備えられた面と直交する面に金属プレートが着脱可能である場合、ユーザは、金属プレートを外してポール型アンテナの特性を活かすことも、金属プレートを挿入してループ型アンテナの特性を強めることもできる。
【0056】
また、アンテナ素子302が備えられた面以外のすべての面に金属プレートが着脱可能である場合、ユーザは、可能であれば伝搬路状態が比較的良好でない環境において、収容体301に携帯電話を挿入した状態で収容体301の各面に金属プレートを挿入し、その時の携帯電話の通信状況(例えばアンテナの立っている本数)を確認することによって、そのユーザの携帯電話に適した金属プレート装着状態を見つけることができる。
【0057】
以上、説明してきたように、本発明の各実施形態によれば、車両車室内に持ち込まれた携帯電話を効率良く且つ高品質で車載アンテナに接続することができると共に、その接続に要するユーザ操作・作業が携帯電話をホルダに入れるだけであり、高いユーザ利便性を実現できる。
【0058】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、携帯電話等の無線通信端末が例えば車室内で輻射した電波を高効率で例えば車載アンテナ等の外部アンテナから再輻射できるようにすると共に、ユーザに特段の操作・作業を要求せず、ユーザにとって使い勝手のよい外部アンテナ接続構造を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】接続ケーブルを用いて携帯電話と車載アンテナを接続する従来例を示す概略図である。
【図2】車室内用レピータの従来例を示す概略図である。
【図3】本発明の実施の形態1に係る外部アンテナ接続構造の概略構成を示す図である。
【図4】(a) 本発明の実施の形態1に係る外部アンテナ接続構造に折り畳み式携帯電話を収容した様子を示す図である。
(b) 本発明の実施の形態1に係る外部アンテナ接続構造に折り畳み式でない携帯電話を収容した様子を示す図である。
【図5】(a) ポール型アンテナに金属プレートを備えた場合の鏡像を示す模式図である。
(b) ループ型アンテナに金属プレートを備えた場合の鏡像を示す模式図である。
【図6】本発明の実施の形態1に係る外部アンテナ接続構造の金属プレートをアースに接続した様子を示す図である。
【図7】金属プレートをアンテナ素子と平行な面に備えた場合の本発明の実施の形態1に係る外部アンテナ接続構造を示す概略図である。
【図8】(a) 金属プレートを着脱可能に備える本発明の実施の形態1に係る外部アンテナ接続構造の金属プレート挿入前の状態を示す図である。
(b) 金属プレートを着脱可能に備える本発明の実施の形態1に係る外部アンテナ接続構造の金属プレート挿入後の状態を示す図である。
【図9】アンテナ素子をプリント基板で形成した本発明の実施の形態2に係る外部アンテナ接続構造を示す概略図である。
【図10】2系統のアンテナを備える携帯電話のアンテナ部分を示す概略図である。
【図11】本発明の実施の形態3に係る外部アンテナ接続構造のアンテナ素子の概略を示す図である。
【図12】半波長ダイポールアンテナの概略図である。
【符号の説明】
300 車両
301 収容体
302 金属プレート
303 ループアンテナ素子
304 バラン
305 同軸ケーブル
306 車載アンテナ
601 ワイヤ
801 ガイド溝
900 プリント基板
901 コネクタ
【発明の属する技術分野】
本発明は、概して、無線通信端末(例えば携帯電話)を外部アンテナ(例えば車載アンテナ)に接続するための構造に係り、特に、無線通信端末を少なくとも部分的に収容するホルダ型であって、無線通信端末に対してレピータとして機能し得る無線通信端末用外部アンテナ接続構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、携帯電話の普及により、車両に乗った状況でもハンズフリー通話や情報コンテンツのダウンロードなどの通信の必要性が生じている。しかしながら、車両に乗った状況では、通信用電波(通信キャリア)が車両ボデーを通過して車両内部に置かれた携帯電話アンテナに直接入力するまでの過程で減衰が大きく、通信品質が劣化するという問題が生じる。
【0003】
そこで、従来、車載アンテナを利用することで安定した通信が行えるように、携帯電話と車載アンテナを接続するための様々な方法及び装置が提案されている。
【0004】
最も典型的な従来技術は、接続ケーブルを用いて携帯電話と車載アンテナを接続する方法である。この一例を図1に概略的に示す。この例は、車両100内に携帯電話101が持ち込まれた状況を示す。
【0005】
携帯電話101には、通常、充電及びデータ通信のためにコネクタ102が設けられており、このコネクタ102に同軸ケーブルである接続ケーブル103をつないで、携帯電話101と車室外の例えばルーフ上やトランク上などに設置された車載アンテナ104とを接続する。この接続により、携帯電話101側では内部のRF部電子スイッチを切り替えて、携帯電話101に搭載された2本のアンテナの使用を停止し、図中のRF1及びRF2へRF送受信接続を切り替える。よって、携帯電話101は、外部アンテナ104を介して例えば基地局105と通信を行うことができる。
【0006】
別の従来例を図2に示す。この例では、1組の内側エレメント202と外側エレメント203とから成るガラス貼り付けレピータを例えば車両200のリアガラスの内側と外側に貼り付ける。車両200内に持ち込まれた携帯電話201から発射された電波204は内側エレメント202によって受信され、この受信された電力は例えば容量結合により外側エレメント203に伝達され、外側エレメント203から外界へ輻射205される。
【0007】
また、更に別の従来例として、赤外線通信などの別の通信回線を用いて、携帯電話と車載アンテナを非接触接続する手法も提案されている(例えば、特許文献1〜3参照。)。
【0008】
【特許文献1】
特開2001−24785号公報
【0009】
【特許文献2】
特開平11−227536号公報
【0010】
【特許文献3】
特開平10−226281号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術にはそれぞれ固有の課題が内在する。
【0012】
図1に示す従来例では、通常防水等の目的で携帯電話101のコネクタ102に設けられたゴムキャップ106を外した上で車両側に予め準備された接続ケーブルを接続しなければならない。車両に乗り降りする度にこのような接続ケーブルの脱着を行わなければならないことはユーザにとって非常に煩わしいものである。
【0013】
また、図2に示す従来例では、エレメント202及び203がそれぞれ所望の周波数に共振されてはいるものの、図示するような略等高線となる携帯電話201から全方位に向けて放射されたエネルギ(電波)のうち、ごくわずかの角度分しかエレメント202によって受信されないため、携帯電話201からエレメント202への伝搬路204における伝搬効率が伝搬路205におけるそれに比して非常に低いものとなり、実質上の効果は極めて少ない。
【0014】
さらに、上記特許文献1〜3に記載されたような赤外線通信による非接触接続を図る手法を用いる場合、携帯電話が赤外線通信を実行可能なハードウェアを備えていなければならないという制約が生じ、携帯電話のコストやサイズの低減を困難にする。
【0015】
本発明はこのような課題を解決するためのものであり、携帯電話等の無線通信端末が例えば車室内で輻射した電波を高効率で車室外に設置されたアンテナから再輻射できるようにすると共に、ユーザに特段の操作・作業を要求せず、ユーザにとって使い勝手のよい外部アンテナ接続構造を提供することを主たる目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明の一態様は、無線通信端末を外部アンテナに接続する構造であって、
開口部を有し、該開口部から所定の向きで挿入された無線通信端末を少なくとも部分的に収容する略直方体状の収容体を備え、
上記収容体はその一側面にループアンテナ素子を備え、
上記ループアンテナ素子のループ部分の1周の長さは収容される無線通信端末が使用する周波数帯域に応じて決定され、
上記ループアンテナ素子は、上記周波数帯域に共振された外部アンテナに接続される、無線通信端末用外部アンテナ接続構造である。
【0017】
この態様に係る無線通信端末用外部アンテナ接続構造は、例えば、車両車室内に設けられる。
【0018】
この態様において、上記無線通信端末とは例えば携帯電話であるが、携帯電話以外の通信機能を備えた携帯機器(例えば、PDA、ラップトップPCなど)であってもよい。また、上記外部アンテナは例えば車載アンテナであるが、携帯電話を車両車室内以外の伝搬環境が比較的悪い場所(例えば、屋内など)で使用する場合には他の種類の外部アンテナ(例えば、屋外アンテナ)であってもよい。
【0019】
この態様によれば、煩雑な作業を伴わず、上記収容体に無線通信端末を入れるだけで容易に該無線通信端末と外部アンテナとの接続を実現できるため、ユーザ利便性が高い。
【0020】
なお、上記一態様において、上記ループアンテナ素子はプリント基板パターンとして形成されてもよい。
【0021】
また、上記ループアンテナ素子のループ部分を略長方形とし、且つその一短辺の長さを上記1周の長さ(ここでは1λ)の約1/10〜約1/20(ここでは、0.05〜0.10λ)とすると、上記ループアンテナ素子にポール型アンテナのような電界検出型アンテナの特性とループ型アンテナのような磁界検出型アンテナの特性とを双方持たせることでき、ポール型アンテナとループ型アンテナとでアンテナダイバーシチを行う多くの携帯電話機種にとって通信品質が良好な方を選択できるるため、好ましい。
【0022】
また、上記一態様において、上記収容体の上記ループアンテナ素子が備えられた一面以外の面のうち少なくとも一面と少なくとも部分的に接する導電性プレートを備えると、イメージ(鏡像)によってアンテナゲインを向上させることができ、好ましい。
【0023】
上記導電性プレートは、無線通信端末の特性等に応じて上記収容体の特性を変え得るように、着脱可能に備えられることが好ましい。また、上記導電性プレートは、無限大のグランドに近づけるためにアースに接続されることが好ましい。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施の形態1〜3について説明する。なお、以下に説明する実施の形態1〜3では、一例として、携帯電話が車両車室内に持ち込まれた場合に、携帯電話と車載アンテナとを接続する構造について説明するが、本発明に係る外部アンテナ接続構造は、車両用に限定されたものではなく、他の用途にも適用可能である。
【0025】
(実施の形態1)
まず、図3〜8を用いて、本発明の実施の形態1に係る外部アンテナ接続構造及びその変形例について説明する。
【0026】
本実施形態に係る外部アンテナ接続構造は、無線通信端末を少なくとも部分的に収容する略直方体状の収容体を備えたホルダ型の接続構造である。この収容体の一側面に無線通信端末から放射された電波を車載アンテナ(外部アンテナ)へ伝達するレピータ(中継)アンテナを設けることによって、本実施形態に係る外部アンテナ接続構造は、ホルダとしての収容機能と、レピータとしての中継機能とを同時に実現するものである。
【0027】
図3に本実施形態に係る外部アンテナ接続構造の全体の構成を概略的に示す。車両300の車室内に備えられる本構造の無線通信端末収容体301は、例えば樹脂などの絶縁材料から成り、図示するように略直方体の形状をしている。
【0028】
この収容体301の奥行きl×幅wは、汎用性の観点から、できるだけ多くの携帯電話機種を特定の方向に収容できるように設定されることが好ましい。当然、特定の機種を収容することに限定した形状とすることも可能である。ここで、「特定の方向に収容する」とは、例えば、図示するように、l>wとし、携帯電話を一定の縦横向きでしか収容できないようにすることを指す。
【0029】
また、収容体301の高さは、収容された携帯電話を保持できれば任意でよく、例えば、図4(a)に示すように携帯電話全体を収容するように設定されてもよく、図4(b)に示すように携帯電話の一部を収容するように設定されてもよい。図から明らかなように、図4(a)では、一例として、折り畳み式携帯電話を折り畳んだ状態で収容する場合、図4(b)では、一例として、折り畳み式でない携帯電話を収容する場合、をそれぞれ示す。いずれの場合であっても、携帯電話のアンテナを後述するアンテナ素子に近づけるために、携帯電話のアンテナ側を下にして、すなわちアンテナが収容体301の奥へ入れられるように収容することが望ましい。
【0030】
収容体301の一側面には金属プレート302が取り付けられる。プレート302は、金属に限られず、導電体であれば任意の部材でよい。また、金属プレート302の収容体301への取り付けは任意の方法でよい。例えば、金属プレート302の一面がシールになっていてもよく、ビス留めされてもよく、或いは、接着剤で接着されてもよい。
【0031】
収容体301の金属プレート302と略直交する一側面には磁界検出型のループアンテナとして動作するループアンテナ素子303が取り付けられる。このループアンテナ素子303の収容体301への取り付けも任意の方法でよい。本分野では良く知られているように、磁界検出型のアンテナであるループアンテナは、電界検出型のポールアンテナに比べて近距離において高効率且つ広帯域である。そこで、本実施形態では、図示するようにアンテナ素子と携帯電話とが接近しているため、ループアンテナを用いる。
【0032】
また、本実施形態において、このループアンテナ素子303のループ部分の1周の長さは、収容体301に収容される携帯電話が使用する周波数帯域の1波長とほぼ等しい値となるように設定される(実際には、アンテナ短縮率を掛ける分、1波長より短くなる)。携帯電話が送受信に用いる周波数につき、送信周波数をfTX、受信周波数をfRX、とすると、f0=(fTX+fRX)/2によって求められる周波数をf0とし、f0から導き出される波長λ0を所望の波長とする。例えば、1.5GHz帯を使用する携帯電話の場合、ループ部分の1周を20cmとする。
【0033】
ループアンテナ素子303は、平衡−不平衡変換を行うバラン304を介して同軸ケーブル305(例えば、特性インピーダンス50Ωのもの)に接続される。同軸ケーブル305の他端は車載アンテナ306に接続される。車載アンテナ306は、例えば、ルーフトップ上やトランクリッド上などの車両外部に設置されたアンテナでもよく、或いは、リアガラスにパターン形成されたアンテナでもよい。図3にはトランクリッド上に配置された場合を一例として示す。
【0034】
このように構成された本実施形態に係る外部アンテナ接続構造によれば、収容体301に収容された携帯電話から輻射された電波は、ループアンテナ素子303によって受信され、バラン304によって平衡−不平衡変換されて50Ω同軸ケーブル305に整合したものとされ、該ケーブルを通じてアンテナ306から外界へ再輻射される。他方、車載アンテナ306によって例えば基地局から受信された電波は、同軸ケーブル305を通り、バラン304によって不平衡−平衡変換され、ループアンテナ素子303によって励振・再輻射され、収容体301に収容された携帯電話によって受信される。
【0035】
ここで、金属プレート302の機能・効果について説明する。一般に知られているように、ループアンテナのループ面に直交するように無限大の接地(アース)板を設置すると、イメージ(鏡像)によりアンテナゲインが向上する。これを図5を用いて説明する。図5(a)はアンテナ素子303がポール型アンテナであった場合のイメージ電流i1’〜i3’を示し、図5(b)はアンテナ素子303が本実施形態通りループ型アンテナである場合のイメージ電流ia’〜id’を示す。
【0036】
図5(a)の場合、収容体301内側から見ると逆方向の(逆位相の)電流が流れ、互いに打ち消し合うため、アンテナゲインは低下する。他方、図5(b)の場合、収容体301内側から見ると、同方向の(同位相の)電流が流れ、同じループアンテナが2つ存在することとなり、互いに強め合うため、アンテナゲインが向上する。
【0037】
本実施形態に係る金属プレート302は当然ながら無限大のグランドではないが、実験により、例えば図3に示すようにループアンテナ素子303と直交する面に該面と略同じ面積の金属プレート302を取り付けることによってループアンテナ素子303のアンテナゲインが2〜3dB向上することが確認された。
【0038】
なお、本実施形態に係る外部アンテナ接続構造の一変形例として、図6に示すように、金属プレート302から例えばワイヤ601を引き出して他端をアースに接続することによって、金属プレート302を上述の無限大のグランドにより近づけることが可能となり、アンテナゲインをより向上させることができる。ここで、本実施形態のように本外部アンテナ接続構造を車両で用いる場合、通常車両では金属製のボディをマイナス電位に帯電させたいわゆる「ボディ・アース」が採用されていると考えられるため、ワイヤ601をボディ(の一部)と導通可能に接続させることによって(或いは、金属プレート302を収容体301ごとボディへビス留めすることによって)、この変形例は容易に実現できる。
【0039】
また、携帯電話のアンテナの位置、形状、及び特性は、機種によって様々であり、例えば内部の金属基板がアンテナとして機能し得る機種も存在する。本願発明者による実験・調査によれば、上述のようにループアンテナの直交面に金属プレートを配置するよりも、ループアンテナと平行な面に金属プレートを配置した方が利得が上がり、携帯電話と外部アンテナとの結合ゲインが向上する機種も一部存在することが判明した。したがって、本実施形態の別の一変形例として、図7に示すように、ループアンテナ素子303と平行な面に金属プレート302が配置されてもよい。
【0040】
すなわち、本実施形態では、上述の如き収容体301において、ループアンテナ素子303が備えられた一面以外の面の少なくとも一面に金属プレート302が取り付けられることが好ましい、と言える。したがって、ループアンテナ素子303が備えられた一面以外の任意の一面(直交する一面又は平行な一面)のみに金属プレート302が設けられてもよく、或いは、ループアンテナ素子303が備えられた一面以外のすべての面に金属プレート302が設けられてもよい。
【0041】
また、当業者には明らかなように、本実施形態において、収容体301がホルダとして機能し、ループアンテナ素子303がレピータとして機能する以上、金属プレート302は必須の構成要素ではない。金属プレート302はあくまでゲイン向上を目的とした追加的構成要素である。また、上述のように、金属プレート302を配置すべき位置は収容する携帯電話の機種によって変わり得る。
【0042】
そこで、本実施形態の更に別の一変形例として、図8に示すように、収容体301の内側にガイド溝801を設け、金属プレート302をガイド溝801に沿って収容体301の面と接するように挿入する構造とし、金属プレート302を着脱可能なものとして備えてもよい。ここで、図8(a)は、一例として、ループアンテナ素子303が備えられた面に直交する一側面にガイド溝801が設けられた様子を示し、図8(b)は、図8(a)に示す一例においてガイド溝801に金属プレート302が挿入された様子を示す。
【0043】
したがって、本実施形態によれば、特段の取付・接続作業無しに、車両に乗り込んだユーザは、携帯電話を車室内に備えられたホルダ型の外部アンテナ接続構造に「さっと」差し入れるだけで、該ホルダ型接続構造がレピータとして機能し、該携帯電話と車載アンテナとを通信品質良好に接続することができる。
【0044】
また、上述の如き金属プレートを設けることによって、アンテナゲインを向上させ、携帯電話とレピータアンテナとの結合状態を良好なものとすることができる。
【0045】
(実施の形態2)
次いで、図9を用いて、本発明の実施の形態2に係る外部アンテナ接続構造について説明する。本実施形態に係る外部アンテナ接続構造は、上記実施の形態1に係るものとほぼ同一であり、但し、ループアンテナ素子303及びバラン304をプリント基板として実現するものである。
【0046】
本実施形態に係るループアンテナ素子303及びバラン304を図9に示す。本実施形態において、ループアンテナ素子303及びバラン304は銅箔パターンとしてプリント基板900上に形成される。
【0047】
したがって、本実施形態によれば、ループアンテナ素子303をリジットな(固定的且つ安定的な)ものとすることができると共に、50Ω系の不平衡同軸ケーブルに接続するために平衡−不平衡変換を行うバラン304をプリント基板900上に実装することができ、サイズが低減される。
【0048】
(実施の形態3)
次いで、図10〜12を用いて、本発明の実施の形態3に係る外部アンテナ接続構造について説明する。本実施形態に係る外部アンテナ接続構造は、上記実施の形態1及び2に係るものとほぼ同一であり、但し、ループアンテナ素子303のループ形状を工夫して、ループアンテナ素子303にポール型アンテナとしての特性も持たせるものである。
【0049】
図10に示すように、携帯電話のアンテナ1000は、電界検出型のポール型アンテナ1001と磁界検出型のループ型アンテナ1002との2系統を備え、アンテナダイバーシチにより通信品質の良好な方を適宜用いる構成とされている場合が多い。
【0050】
ポール型アンテナ1001は、通常、伸縮できるものであり、ループ型アンテナ1002は、チップや平板(金属板)から構成される。通常、ポール型アンテナ1001を伸ばした状態では、ポール型アンテナ1001のアンテナゲインの方がループ型アンテナ1002のそれより良好になり、ポール型アンテナ1001を収納した状態では、ループ型アンテナ1002のアンテナゲインの方が大きくなる。
【0051】
しかしながら、既述のように、携帯電話のアンテナの位置、形状、及び特性は、機種によって様々であり、ポールアンテナ1001が収納された状態であっても常にループ型が優位とは限らない。
【0052】
そこで、本実施形態では、ループアンテナ素子303のループ形状を図11に示すようにポール型アンテナとしての特性も示すような形状とする。すなわち、折り返しダイポールアンテナに近づける。ここで、本願発明者による実験・調査によれば、1周の長さが1波長(1λ)に相当するループの形状を略長方形とし、その短辺の長さを0.1λ(1/10波長)より長くするとループ型アンテナとしての特性を強め、0.05λ(1/20波長)より短くすると、図12に示すような半波長ダイポールアンテナと類似した特性を示すことが判明した。そこで、本実施形態では、略長方形のループ形状において、短辺を上記両特性の中間的な長さである0.05〜0.10λとし、長辺を0.40〜0.45λとすることによって、ポール型アンテナとループ型アンテナの双方のアンテナ特性を兼ね備えたアンテナを実現する。
【0053】
したがって、本実施形態によれば、収容体301に収容された携帯電話は、ポール型アンテナとループ型アンテナのうち、携帯電話アンテナとループアンテナ素子303との間の通信品質がより良好な方のアンテナ、すなわちループアンテナ素子303との結合状態がより良好な方のアンテナを適宜ダイバーシチ選択することができる。
【0054】
なお、本実施形態においては、上記実施の形態1の変形例として説明したように、金属プレートが着脱可能に設けられることが好ましい。
【0055】
例えば、アンテナ素子302が備えられた面と直交する面に金属プレートが着脱可能である場合、ユーザは、金属プレートを外してポール型アンテナの特性を活かすことも、金属プレートを挿入してループ型アンテナの特性を強めることもできる。
【0056】
また、アンテナ素子302が備えられた面以外のすべての面に金属プレートが着脱可能である場合、ユーザは、可能であれば伝搬路状態が比較的良好でない環境において、収容体301に携帯電話を挿入した状態で収容体301の各面に金属プレートを挿入し、その時の携帯電話の通信状況(例えばアンテナの立っている本数)を確認することによって、そのユーザの携帯電話に適した金属プレート装着状態を見つけることができる。
【0057】
以上、説明してきたように、本発明の各実施形態によれば、車両車室内に持ち込まれた携帯電話を効率良く且つ高品質で車載アンテナに接続することができると共に、その接続に要するユーザ操作・作業が携帯電話をホルダに入れるだけであり、高いユーザ利便性を実現できる。
【0058】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、携帯電話等の無線通信端末が例えば車室内で輻射した電波を高効率で例えば車載アンテナ等の外部アンテナから再輻射できるようにすると共に、ユーザに特段の操作・作業を要求せず、ユーザにとって使い勝手のよい外部アンテナ接続構造を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】接続ケーブルを用いて携帯電話と車載アンテナを接続する従来例を示す概略図である。
【図2】車室内用レピータの従来例を示す概略図である。
【図3】本発明の実施の形態1に係る外部アンテナ接続構造の概略構成を示す図である。
【図4】(a) 本発明の実施の形態1に係る外部アンテナ接続構造に折り畳み式携帯電話を収容した様子を示す図である。
(b) 本発明の実施の形態1に係る外部アンテナ接続構造に折り畳み式でない携帯電話を収容した様子を示す図である。
【図5】(a) ポール型アンテナに金属プレートを備えた場合の鏡像を示す模式図である。
(b) ループ型アンテナに金属プレートを備えた場合の鏡像を示す模式図である。
【図6】本発明の実施の形態1に係る外部アンテナ接続構造の金属プレートをアースに接続した様子を示す図である。
【図7】金属プレートをアンテナ素子と平行な面に備えた場合の本発明の実施の形態1に係る外部アンテナ接続構造を示す概略図である。
【図8】(a) 金属プレートを着脱可能に備える本発明の実施の形態1に係る外部アンテナ接続構造の金属プレート挿入前の状態を示す図である。
(b) 金属プレートを着脱可能に備える本発明の実施の形態1に係る外部アンテナ接続構造の金属プレート挿入後の状態を示す図である。
【図9】アンテナ素子をプリント基板で形成した本発明の実施の形態2に係る外部アンテナ接続構造を示す概略図である。
【図10】2系統のアンテナを備える携帯電話のアンテナ部分を示す概略図である。
【図11】本発明の実施の形態3に係る外部アンテナ接続構造のアンテナ素子の概略を示す図である。
【図12】半波長ダイポールアンテナの概略図である。
【符号の説明】
300 車両
301 収容体
302 金属プレート
303 ループアンテナ素子
304 バラン
305 同軸ケーブル
306 車載アンテナ
601 ワイヤ
801 ガイド溝
900 プリント基板
901 コネクタ
Claims (6)
- 無線通信端末を外部アンテナに接続する構造であって、
開口部を有し、該開口部から所定の向きで挿入された無線通信端末を少なくとも部分的に収容する略直方体状の収容体を備え、
前記収容体はその一面にループアンテナ素子を備え、
前記ループアンテナ素子のループ部分の1周の長さは収容される無線通信端末が使用する周波数帯域に応じて決定され、
前記ループアンテナ素子は、前記周波数帯域に共振された外部アンテナに接続される、ことを特徴とする無線通信端末用外部アンテナ接続構造。 - 請求項1記載の無線通信端末用外部アンテナ接続構造であって、
前記ループアンテナ素子はプリント基板パターンとして形成されることを特徴とする無線通信端末用外部アンテナ接続構造。 - 請求項1又は2記載の無線通信端末用外部アンテナ接続構造であって、
前記ループアンテナ素子のループ部分を略長方形とし、且つその一短辺の長さを前記1周の長さの約1/10〜約1/20とする、ことを特徴とする無線通信端末用外部アンテナ接続構造。 - 請求項1乃至3のいずれか一項記載の無線通信端末用外部アンテナ接続構造であって、
前記収容体の前記ループアンテナ素子が備えられた一面以外の面のうち少なくとも一面と少なくとも部分的に接する導電性プレートを備えることを特徴とする無線通信端末用外部アンテナ接続構造。 - 請求項4記載の無線通信端末用外部アンテナ接続構造であって、
前記導電性プレートは着脱可能に備えられることを特徴とする無線通信端末用外部アンテナ接続構造。 - 請求項4又は5記載の無線通信端末用外部アンテナ接続構造であって、
前記導電性プレートがアースに接続されたことを特徴とする無線通信端末用外部アンテナ接続構造。
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