JP6211240B1 - 数値制御装置 - Google Patents

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Abstract

加工プログラム(11)に基づいてサーボモータ(16)を制御する数値制御装置(10)において、サーボモータ(16)により移動軸の方向に駆動される機械系に移動方向反転を発生させる命令と、命令より後に実行される命令とを含む加工プログラム(11)に基づいて、移動方向反転に対して補正を実行するか否かを決定する。

Description

本発明は、工作機械といった産業用機械装置を制御する数値制御装置に関する。
工作機械に代表される産業用途の機械においては、工具またはテーブルが指令値に追従するように駆動制御が実行される。特に、加工対象物であるワークに対する工具位置が指令された経路である指令軌跡に正確に追従するように機械を駆動する制御は軌跡制御または輪郭運動制御とよばれ、数値制御装置およびそれに付属するサーボ制御装置を用いて精密に行われる。制御対象となる機械は複数の移動軸を有し、それぞれの移動軸に沿った方向にサーボ制御装置により駆動される。
数値制御装置は、サーボ制御装置を用いて機械の移動軸方向の位置制御を行う。基本的にはモータ端エンコーダまたは工具端の位置を測定するリニアスケールによって検出されるフィードバック位置が指令位置に追従するようにフィードバック制御が行われるが、フィードバック位置と工具端の位置との間の機械系にはバックラッシおよびロストモーションなどの誤差要因が存在するため、これらの誤差要因の影響で工具端の位置はフィードバック位置に対して誤差を有することになる。バックラッシとは、ボールねじ等のガタである。ロストモーションとは、案内面の摩擦によりボールねじに生じる弾性変形である。工具端の位置がフィードバック位置に対して誤差をもつということは、フィードバック制御のみでは工具端の位置に誤差が生じるということである。
特に、送り軸である移動軸に沿った方向の反転時にはバックラッシまたはロストモーションの影響が工具位置の運動軌跡に顕著に影響する。典型的なものとしては、円弧軌跡を指令した場合に、円弧軌跡の象限切替り部分において段差状の軌跡誤差が生じるものがある。これは、機械系のバックラッシまたはロストモーションの影響により、正方向移動時には軌跡が負方向にずれて移動し、負方向移動時には軌跡が正方向にずれて移動することによって生じる。このような軌跡の追従誤差が発生すると、加工面に筋または傷が発生することになり、好ましくない。
そのため、数値制御装置には、機械系に存在するバックラッシおよびロストモーションといった誤差要因の影響を抑制するために、フィードバック制御に加えて機械系の誤差要因により生じる軌跡の誤差を予測して、補正を行う機能が備わっている。特に、指令位置の方向が反転すなわち速度の正負の符号が反転する際に、指令位置に補正量の加算を行ってバックラッシおよびロストモーションの影響を低減する、いわゆるバックラッシ補正が行われている(例えば、特許文献1参照)。
特開2014−54001号公報
しかしながら、特許文献1に記載の技術のように、送り軸の移動方向が反転する際、バックラッシまたはロストモーションによる工具端の追従誤差を補正するためにバックラッシ補正量を指令位置に印加する方式は、指令位置の移動方向反転時に補正量を印加する方式であるため、微小な方向反転でも補正を実行することになる。その結果、かえって精度を悪化させる場合がある。具体的には、円弧と直線との接続部においてCAM(Computer Aided Manufacturing)の演算誤差により微小な移動指令が挿入され、バックラッシ幅以下の微小な反転が生じるような場合には、円弧の出口部分で不要なバックラッシ補正が行われる。さらに、隣接するパス同士で微小反転ブロックが入ったり入らなかったりすると、パスによって補正がかかったりかからなかったりして、加工傷の原因となる。不感帯を設けて回避することも考えられるが、その場合は指令形状が円弧の場合のように本来補正すべきケースで補正がかかるタイミングが遅くなってしまう。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、不要なバックラッシ補正を回避できる数値制御装置を得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、加工プログラムに基づいてサーボモータを制御する。そして、本発明は、サーボモータにより移動軸の方向に駆動される機械系に移動方向反転を発生させる命令と、命令より後に実行される命令とを含む加工プログラムに基づいて、移動方向反転に対して補正を実行するか否かを決定することを特徴とする。
本発明にかかる数値制御装置は、不要なバックラッシ補正を回避できるという効果を奏する。
本発明の実施の形態1にかかる数値制御装置の構成を示すブロック図 実施の形態1にかかる数値制御装置が制御の対象としているサーボモータおよび機械系の構造を示す図 実施の形態1にかかる加工プログラムの一例を示す図 実施の形態1にかかる一つの移動軸の移動方向が反転する様子を説明する図 実施の形態1にかかるサーボ制御部の構成を示すブロック図 実施の形態1にかかる走査線加工において並列している複数の走査線移動経路を示す図 実施の形態1にかかる走査線加工を行う加工プログラムの一例を示す図 実施の形態1にかかる数値制御装置の機能をコンピュータで実現する場合の構成を示す図
以下に、本発明の実施の形態にかかる数値制御装置を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1にかかる数値制御装置10の構成を示すブロック図である。図2は、実施の形態1にかかる数値制御装置10が制御の対象としているサーボモータ16および機械系6の構造を示す図である。機械系6は、工作機械といった産業用機械装置において移動軸方向に可動な部分の総称である。したがって、移動軸は、機械系6が移動できる方向を示す。図2の構造は移動軸毎に設けられており、1つ以上の移動軸に対応して、数値制御装置10は、1つ以上の機械系6を制御の対象とする。
図1に示すように、数値制御装置10は、入力された加工プログラム11に基づいて、サーボモータ16を制御する。加工プログラム11には、加工に必要な工具の移動経路の情報である経路情報がいわゆるGコードによって命令により記述されている。Gコードは、EIA(米国電子工業会)コードとも呼ばれる。加工プログラム11は、テキストデータで記述されており、基本的に一行が一命令に相当する。
図2に示すように、サーボモータ16には位置検出器17が取り付けられており、サーボモータ16の位置を検出する。位置検出器17としては、通常はロータリーエンコーダなどが用いられる。サーボモータ16にはボールねじ61を介して機械系6が接続されており、サーボモータ16はボールねじ61を回転駆動させる。ここで、機械系6は、ボールねじ61の回転を移動軸の方向の直動運動に変換するナット62およびナット62に固定されているテーブル63である。リニアガイド64は、テーブル63を支持しており、テーブル63の運動方向を移動軸の方向に拘束している。したがって、サーボモータ16は移動軸に沿って機械系6を駆動することができる。
なお、位置検出器17において直接検出されるモータ位置は、サーボモータ16の回転角度の値である。したがって、このモータ位置である角度の値にサーボモータ16の1回転あたりのテーブル移動距離であるボールねじリードを乗じてサーボモータ16の1回転あたりの角度2π(rad)で除することで、テーブル63の移動方向の長さに換算することができる。以降では、モータ位置は、テーブル63の移動方向の長さに換算した値を用いることとする。
数値制御装置10は、加工プログラム11に記述された命令が示す経路情報に基づいて指令位置を算出する指令位置生成部12と、加工プログラム11に記述された命令が示す経路情報を解析する経路情報解析部13と、移動方向反転に対して補正するか否かを決定して反転時補正量を決定する補正量決定部14と、トルク指令を出力するサーボ制御部15と、加算器18と、を備える。
指令位置生成部12は、加工プログラム11の命令を先頭行から順番に読み込み、加工プログラム11の先頭から順番に記述された命令が示す経路情報を逐次的に処理して補間および加減速の演算を行い、制御周期ごとの指令位置を算出して出力する。加工プログラム11に記述される命令は定められた順番で実行されるので、加工プログラム11に記述される命令が示す経路情報はその前に実行される命令が示す経路情報より時間的には後に処理されることになる。
経路情報解析部13は、加工プログラム11に記述された命令が示す経路情報を解析して、機械系6の移動軸に沿った移動の方向が反転する移動方向反転を発生させる命令の加工プログラム11内での記述箇所を抽出して、方向反転情報として生成して出力する。
図3は、実施の形態1にかかる加工プログラム11の一例を示す図である。加工プログラム11は、移動軸としてX軸およびY軸の2つの移動軸を有する機械に対する加工プログラムであり、命令が指示する位置座標の単位は「mm」とする。加工プログラム11の1行目および3行目の命令は位置座標を指示していないので説明を省く。2行目の命令“G0X0.Y0.”は、原点である点(0,0)(以下同様に(X軸座標,Y軸座標)と表記する)への位置決めを指示する。4行目の命令“X10.”は、Y軸座標は変更せずに、X軸座標が10.0mmの位置への移動を指示する。したがって、4行目の命令は、点(10,0)への移動を指示している。5行目の命令“Y10.”は、X軸座標は変更せずに、Y軸座標が10.0mmの位置への移動を指示する。したがって、5行目の命令は、点(10,10)への移動を指示している。以後は同様で、6行目の命令が指示する点(−10,10)、7行目の命令が指示する点(−10,0)、8行目の命令が指示する点(0,0)を順に移動することが加工プログラム11において命令されている。したがって、6行目および8行目の命令はX軸の移動方向の反転を指示する命令になっている。
図4は、実施の形態1にかかる一つの移動軸の移動方向が反転する様子を説明する図である。図4は、図3に示した加工プログラム11において移動軸の一つであるX軸の移動方向が反転する様子を示している。X軸上の点41において正方向への移動が負方向の移動へと移動方向が反転し、点42において負方向への移動が正方向の移動へと移動方向が反転する。図2がX軸を移動軸とする機械系6を示しているとすると、図4の点41および点42において機械系6の移動方向反転が生ずる。
したがって、経路情報解析部13が生成する方向反転情報は、少なくとも移動軸に沿って機械系6の移動方向反転を発生させる加工プログラム11の命令の記述箇所についての情報を含む。加工プログラム11内において機械系6の移動方向反転を発生させる命令の記述箇所についての情報の具体例は、加工プログラム11において機械系6の移動方向反転を発生させる命令が記述されている行の先頭行から何行目かといった情報である。
図3に示した加工プログラム11を例に説明すると、経路情報解析部13は、1回目に位置座標を指示する命令を受け取ると当該命令が指示する移動先の座標を求めて記憶領域に保持しておく。そして、経路情報解析部13は、2回目に位置座標を指示する命令を受け取ると当該命令が指示する移動先の座標を求めて記憶領域に保持するとともに、1回目の命令が指示した移動先の座標からの移動ベクトルに相当する情報を求める。経路情報解析部13は、この移動ベクトルに基づいて軸毎の移動方向の符号を求めて記憶領域に保持する。なお、移動量が0になる軸については符号が求められないので、符号は保持されない。そして、経路情報解析部13は、3回目に位置座標を指示する命令を受け取ると当該命令が指示する移動先の座標を求めて記憶領域に保持するとともに、2回目の命令が指示した移動先の座標からの移動ベクトルに相当する情報を求める。経路情報解析部13は、この移動ベクトルに基づいて軸毎の移動方向の符号を求めて記憶領域に保持する。なお、移動量が0になる軸については符号が求められないので、符号は保持されない。経路情報解析部13は、以下この作業を繰り返す。これにより、軸毎に0でない移動量が最後に発生したときの移動方向の符号が記憶領域に保持されることになるので、新たな命令により符号が反転した場合に、経路情報解析部13は、移動方向の反転が生じたと判定することができる。
図3に示した加工プログラム11の例においては、経路情報解析部13が4行目の命令“X10.”より求めたX軸についての符号である「+」が、6行目の命令“X−10.”により求めたX軸についての符号「−」へ反転している。したがって、経路情報解析部13は、6行目の命令“X−10.”により図4の点41における移動方向の反転が生じると判定することができる。また、経路情報解析部13が6行目の命令“X−10.”により求めたX軸についての符号「−」が、8行目の命令“X0.”により求めたX軸についての符号「+」へ反転している。したがって、経路情報解析部13は、8行目の命令“X0.”により図4の点42における移動方向の反転が生じると判定することができる。したがって、経路情報解析部13が生成するX軸に関する方向反転情報には、X軸の移動方向の反転を発生させる命令の加工プログラム11における行数である「6行目」および「8行目」が含まれる。
さらに、経路情報解析部13は、指令位置生成部12より加工プログラム11を先読みするので、加工プログラム11において機械系6の移動方向反転を発生させる命令より後に実行される命令が示す経路情報を方向反転情報に含ませることができる。経路情報解析部13が指令位置生成部12より加工プログラム11を先読みするとは、指令位置生成部12が指令位置を算出するために用いる経路情報を示す命令より後に実行される命令を読み込むことである。経路情報解析部13は、生成した方向反転情報を補正量決定部14に提供する。補正量決定部14は、経路情報解析部13が先読みした加工プログラム11の命令から生成された方向反転情報に基づいて、移動経路上の移動方向反転箇所においてバックラッシ補正を実行するか否かの判断を行うことが可能となる。
経路情報解析部13は、上記の先読みを実行することにより、移動方向反転箇所に引き続く移動経路の予め定めた区間において、移動方向反転が発生した移動軸に沿った移動方向反転箇所からの機械系6の移動量を求めることができる。経路情報解析部13は、求めた機械系6の移動量を方向反転情報に含めて、補正量決定部14に方向反転情報を提供してもよい。移動軸に沿った移動量の具体例は、テーブル63の移動方向反転が発生した移動軸に沿った移動量である。
図3に示した加工プログラム11の例においては、6行目の命令“X−10.”によれば、点(10,10)から点(−10,10)へと移動方向反転箇所である点(10,10)からX軸方向に機械系6は20mm移動する。したがって、方向反転情報は、移動方向反転箇所にかかる「6行目」と共に移動方向反転箇所からの移動量である「20mm」を含んでもよい。また、8行目の命令“X0.”によれば、点(−10,0)から点(0,0)へと移動方向反転箇所である点(−10,0)からX軸方向に機械系6は10mm移動する。したがって、方向反転情報は、移動方向反転箇所にかかる「8行目」と共に移動方向反転箇所からの移動量である「10mm」を含んでもよい。
経路情報解析部13は、上記の先読みを実行することにより、移動方向反転箇所での機械系6の移動軸における座標値を求めることができる。経路情報解析部13は、移動方向反転箇所での機械系6の移動軸における座標値を方向反転情報にさらに含めて、補正量決定部14に方向反転情報を提供してもよい。機械系6の移動軸における具体的な座標値は、テーブル63の移動軸に相当する移動方向の座標値といった値である。機械系6の移動軸が複数ある場合は、移動方向反転箇所の機械系6の移動軸における座標値は、移動方向反転箇所における全ての移動軸における各座標値を含むものとする。
図3に示した加工プログラム11の例においては、6行目の命令“X−10.”による移動方向反転箇所の座標値は、上述したように(10,10)である。したがって、「6行目」を含む方向反転情報は、移動方向反転箇所の座標値として(10,10)を含んでもよい。また、8行目の命令“X0.”による移動方向反転箇所の座標値は、上述したように(−10,0)である。したがって、「8行目」を含む方向反転情報は、移動方向反転箇所の座標値として(−10,0)を含んでもよい。
補正量決定部14は、方向反転情報および指令位置に基づいて、移動方向反転に対する補正の補正量である反転時補正量を決定して出力する。具体的には、反転時補正量を0にするか否かを決定し、反転時補正量を0としない場合、すなわちバックラッシ補正を実行する場合は、反転時補正量に0以外の値を持たせる。
補正量決定部14が0以外の値の反転時補正量を出力してバックラッシ補正を実行する場合の反転時補正量は、バックラッシ補正のパラメータとして予め設定しておく。具体的には、機械系6の移動方向反転が発生した移動軸に沿った移動方向反転後の移動方向と同一の符号で、移動方向反転が発生した移動軸の機械系6に固有なバックラッシ量に相当する大きさの値を反転時補正量とする。
加算器18において、指令位置と反転時補正量とが加算され、指令位置と反転時補正量とが加算された値が補正後の指令位置としてサーボ制御部15に入力される。すなわち、反転時補正量により補正された指令位置がサーボ制御部15に入力される。
サーボ制御部15には、補正後の指令位置が入力されるとともに位置検出器17で検出されたサーボモータ16のモータ位置すなわち回転角度の値がフィードバック位置として入力される。そして、サーボ制御部15においては、フィードバック位置が補正後の指令位置に追従するようにサーボ制御が行われる。具体的には、フィードバック位置および補正後の指令位置を用いたサーボ制御部15による演算の結果のモータトルクがトルク指令として出力され、トルク指令に従ってサーボモータ16が駆動される。
図5は、実施の形態1にかかるサーボ制御部15の構成を示すブロック図である。
サーボ制御部15は、位置制御処理を実行する位置制御部31と、速度制御処理を実行する速度制御部32と、微分演算を実行する微分演算部33と、減算器34,35と、を備える。
減算器34は、補正後の指令位置とフィードバック位置との差を位置偏差として求め、この位置偏差は位置制御部31に入力される。位置制御部31は、位置偏差に対して比例制御といった位置制御処理を実行して指令速度を演算して出力する。
微分演算部33は、フィードバック位置を微分して微分値を出力する。なお、この微分処理は、離散時間系においては差分処理で実行される。すなわち、現在のフィードバック位置と1サンプル前のフィードバック位置との差を制御処理周期で除した値が、近似的な微分値として求められ、微分演算部33から出力される。
減算器35は、位置制御部31が出力した指令速度と微分演算部33が出力した微分値との差を求めて、速度制御部32に入力する。
速度制御部32は、減算器35からの出力に対して比例積分制御といった速度制御処理を実行してトルク指令を求めて出力する。
通常、加工プログラム11は、CAD(Computer−Aided Design)形状からCAMを用いて生成される。CAMでは、CADで表現される形状情報を点群データにおきかえ、これらの点群を走査線および等高線といった経路でつないで加工の経路情報を生成し、この経路情報をGコードの書式で記述したものが加工プログラム11として出力される。もとのCAD形状が自由曲面形状である場合、出力される加工プログラム11は、微小な線分を接続したものとなる。このような加工プログラム11は、微小線分プログラムと呼ばれる。加工プログラム11が微小線分プログラムである場合、移動軸の一方向に動いたあと、わずかに反転して停止するようなパターンが加工プログラム11に含まれることがある。また、微小線分プログラムで走査線加工を行う場合、走査線加工において並列している複数の移動経路において、ある移動経路においてのみ機械系6の移動方向反転が発生し、当該移動経路と並列する他の移動経路においては機械系6の移動方向反転が発生しない場合も生じる。
図6は、実施の形態1にかかる走査線加工において並列している複数の走査線移動経路を示す図である。図7は、実施の形態1にかかる走査線加工を行う加工プログラム11の一例を示す図である。図6は、X軸、Y軸およびZ軸の直交する3つの移動軸を有する機械において、並列している複数の走査線移動経路51,52,53,54,55を接続した移動経路をX軸Y軸平面に投影した図になっている。図6の紙面垂直方向がZ軸である。図7は、X軸、Y軸およびZ軸の3つの移動軸を有する機械において図6に示した走査線加工の実行を指示する加工プログラム11を示している。図7の加工プログラム11における命令が指示する位置座標の単位は「mm」とする。なお、図7の加工プログラム11の1行目および3行目の命令は位置座標を指示していない。
図7の加工プログラム11には、図6において(X軸座標,Y軸座標,Z軸座標)で表記した各点への移動を指示する命令が記載されている。具体的には、図7の加工プログラム11には、2行目の位置決め命令が指示する点である(0,0,0)を始点として、4行目の命令が指示する点(5,0,0)、5行目の命令が指示する点(10,0,0)、6行目の命令が指示する点(10,1,1)、7行目の命令が指示する点(5,1,1)、8行目の命令が指示する点(0,1,1)、9行目の命令が指示する点(0,2,2)、10行目の命令が指示する点(5,2.001,2)、11行目の命令が指示する点(10,2,2)、12行目の命令が指示する点(10,3,3)、13行目の命令が指示する点(5,3,3)、14行目の命令が指示する点(0,3,3)、15行目の命令が指示する点(0,4,4)、16行目の命令が指示する点(5,4,4)、17行目の命令が指示する点(10,4,4)を順に移動することが命令されている。
走査線移動経路53を指示する命令は図7の加工プログラム11の10行目および11行目であるが、11行目の命令“X10.Y2.”によりY軸の移動方向の反転が生じる。すなわち、11行目の命令による移動方向反転箇所の座標値は(5,2.001,2)である。さらに、11行目の命令におけるY軸方向の機械系6の移動量は、点(5,2.001,2)から点(10,2,2)までの移動であるので、d=0.001mmとなる。
また、12行目の命令“Y3.Z3.”によってもY軸の移動方向の反転が生じる。12行目の命令による移動方向反転箇所の座標値は(10,2,2)である。さらに、12行目の命令におけるY軸方向の機械系6の移動量は、点(10,2,2)から点(10,3,3)までの移動であるので、1mmとなる。
CAMにおいては、演算誤差により、もとのCAD形状においては移動方向反転が発生していないにもかかわらず、微小な距離の移動方向反転が発生するような移動経路が加工プログラム11に含まれる場合がある。CAD形状における面と面の継ぎ目の本来直線的に接続されるべき移動経路において、このような移動方向反転がCAMの演算誤差により発生する場合がある。
図6に具体的に示すように、走査線移動経路53では、CAMの演算誤差により二つの微小な線分がわずかに折れ曲がって接続されていて接続点(5,2.001,2)が移動反転箇所となり紙面上下方向の移動軸であるY軸において機械系6の移動方向反転が発生している。それにもかかわらず、走査線移動経路53と並列する他の移動経路である走査線移動経路51,52,54,55においては折れ曲がっていない線分で移動経路が形成されていてY軸において機械系6の移動方向反転が発生していない。
そして、移動方向反転が発生してから反転した方向への移動が停止するまでの移動量が機械系6に固有のバックラッシ量よりも小さい場合、移動方向反転時に当該バックラッシ量に相当するバックラッシ補正を行ってしまうと、バックラッシ補正を本来実行する必要がない箇所にバックラッシ補正を行うことになり、加工面に筋が発生してしまう。すなわち、図6に示したような移動経路の場合、移動方向反転が発生する走査線移動経路53の移動方向反転箇所においてY軸の方向にバックラッシ補正を実行してしまうと、走査線移動経路53だけバックラッシ補正を行うことになり、走査線移動経路53のバックラッシ補正を行った箇所において加工面に傷が発生してしまう。
そこで、補正量決定部14は、移動経路を大域的に観てバックラッシ補正の要否を判断し、バックラッシ補正が不要であると判断した当該移動経路における移動方向反転箇所においては、バックラッシ補正を行わないようにする。このために、指令位置生成部12が加工プログラム11から経路情報を読み込む処理に先行して、経路情報解析部13が加工プログラム11を読み込んで方向反転情報を求めて出力する。移動経路を大域的に観てバックラッシ補正の要否を判断するとは、経路情報解析部13が加工プログラム11を指令位置生成部12より先読みして得た方向反転情報に基づいて、補正量決定部14がバックラッシ補正の要否を判断することである。
実施の形態1にかかる数値制御装置10においては、加工プログラム11を指令位置生成部12が読み込んで指令位置を出力する前に、経路情報解析部13が加工プログラム11を指令位置生成部12よりも先読みしておいて、方向反転情報を一定量求めて出力する。すなわち、加工プログラム11の先頭から順に経路情報の読み込みを実行した指令位置生成部12から出力された指令位置に対して、加工プログラム11を先読みした経路情報解析部13による方向反転情報に基づいて補正量決定部14はバックラッシ補正を実行するか否かの判断を実行する。なお、指令位置生成部12に先立って経路情報解析部13が加工プログラム11を読み込む量は、加工プログラム11の行数または文字数として、予めパラメータとして設定しておくものとする。予めパラメータとして設定しておく経路情報解析部13が先読みする加工プログラム11の行数の具体例は1000行、先読みする加工プログラム11の文字数の具体例は10000文字といった値である。
補正量決定部14は、加工プログラム11に記述された経路情報を読み込んだ指令位置生成部12から出力された指令位置に対して、当該指令位置に対応する経路情報を示す命令より加工プログラム11において後に実行される命令が示す経路情報を含んだ方向反転情報に基づいて、バックラッシ補正を実行するか否かの判断ができればよい。したがって、経路情報解析部13が指令位置生成部12よりも加工プログラム11を先読みするということは、時間的により早く読み込むことを必ずしも意味しない。
上述したように、経路情報解析部13が出力する方向反転情報は、加工プログラム11内において機械系6の移動方向反転を発生させる命令の記述箇所についての情報を含んでいる。したがって、方向反転情報を受け取った補正量決定部14は、加工プログラム11内において機械系6の移動方向反転を発生させる命令の記述箇所についての情報を利用して、指令位置生成部12が現在出力する指令位置が移動方向反転を伴う指令位置か否かを判定することができる。さらに、方向反転情報は、加工プログラム11において機械系6の移動方向反転を発生させる命令より後に実行される命令が示す経路情報も含んでいる。したがって、補正量決定部14は、加工プログラム11において機械系6の移動方向反転を発生させる命令より後に実行される命令が示す経路情報を利用して、指令位置生成部12が現在処理している加工プログラム11の命令に対応した指令位置に対して、バックラッシ補正を実行する必要があるか否かを決定することができる。その結果、不要なバックラッシ補正を回避して、指令位置によって示される指令形状によらず適切なバックラッシ補正を行うことができる。
方向反転情報が、移動方向反転箇所に引き続く移動経路の予め定めた区間における移動方向反転が発生した移動軸に沿った機械系6の移動量を含んでいる場合は、指令位置生成部12が現在出力する指令位置が移動方向反転を伴う指令位置である場合に、移動方向反転の後に移動方向反転が発生した移動軸に沿ってどれだけ機械系6が移動するかを補正量決定部14は把握することができる。方向反転情報が、移動方向反転箇所に引き続く移動経路の予め定めた区間における移動方向反転が発生した移動軸に沿った機械系6の移動量を含むためには、指令位置生成部12が現在出力する移動方向反転が発生している指令位置に対応する経路情報を示す命令よりも加工プログラム11において後に実行される命令が示す経路情報に基づいて、経路情報解析部13が上記移動量を求めて方向反転情報に含める必要がある。そして、移動量が予め定めた移動量閾値より大きい場合は、補正量決定部14は反転時補正量を出力しバックラッシ補正を実行する。また、機械系6の移動量が移動量閾値より小さい場合は、CAMによって不要な移動方向反転が移動経路に挿入されていると考えられるので、補正量決定部14は反転時補正量を0にしてバックラッシ補正を実行しない。移動量閾値は、パラメータとして予め設定しておく。移動量閾値には、移動方向反転が発生した移動軸における機械系6に固有なバックラッシ量に相当する大きさの値を設定しておく。
方向反転情報が、移動方向反転箇所での機械系6の移動軸における座標値を含んでいる場合は、指令位置生成部12が現在出力する指令位置が機械系6の移動方向反転を伴う指令位置であるときに、当該移動方向反転が発生している移動方向反転箇所での機械系6の移動軸における座標値から予め定めた距離以内に他の移動方向反転箇所が存在するか否かを補正量決定部14は判定することができる。なお、補正量決定部14による上記判定のためには、指令位置生成部12が現在出力する指令位置に対応する経路情報を示す命令よりも加工プログラム11において後に実行される命令および前に実行される命令が示す経路情報に基づいて、上記移動方向反転が発生している移動方向反転箇所の機械系6の座標値から予め定めた距離以内に他の移動方向反転箇所が存在するか否かについての情報を経路情報解析部13が求めて方向反転情報に含める必要がある。したがって、予め定めた距離は、経路情報解析部13が加工プログラム11から先読みした経路情報が示す移動経路の範囲に含まれる距離である必要がある。そして、当該移動方向反転が発生している移動方向反転箇所の機械系6の座標値から予め定めた距離以内に他の移動方向反転箇所が存在する場合は、補正量決定部14は反転時補正量を出力しバックラッシ補正を実行する。また、当該移動方向反転が発生している移動方向反転箇所の機械系6の座標値から予め定めた距離以内に他の移動方向反転箇所が存在しない場合は、補正量決定部14は反転時補正量を0にしてバックラッシ補正を実行しない。予め定めた距離は、パラメータとして予め設定しておく。予め定めた距離は、加工プログラム11に指令された走査線加工において並列している移動経路の間隔であるピックフィードを設定してもよい。また、移動軸における機械系6の座標値に基づいた補正量決定部14による上記処理は、先に説明した移動方向反転が発生した移動軸に沿った機械系6の移動量に基づいた処理と併用してもかまわない。
上述したように、図7の加工プログラム11においては、11行目および12行目の命令がY軸の移動方向の反転を指示する命令になっている。したがって、経路情報解析部13は、Y軸の方向反転情報として、以下の2組の情報を生成する。
移動方向反転を発生させる命令の記述箇所:11行目
移動方向反転箇所からの移動量:0.001mm(=d)
移動方向反転箇所の座標値:(5,2.001,2)
移動方向反転を発生させる命令の記述箇所:12行目
移動方向反転箇所からの移動量:1mm
移動方向反転箇所の座標値:(10,2,2)
ここで、上述した移動量閾値を5μm(=0.005mm)、移動方向反転箇所の傍に他の移動方向反転箇所が存在するか否かを判定するために予め定めた距離を1.5mmであるとする。
図7に記載した加工プログラム11の11行目にかかる移動方向反転箇所についてみると、移動方向反転箇所からの移動量dは移動量閾値である5μmよりも小さい。さらに、12行目にかかる移動方向反転箇所の座標である(10,2,2)は、11行目にかかる移動方向反転箇所の座標である(5,2.001,2)から予め定めた距離である1.5mmより大きく離れている。
したがって、移動量dが移動量閾値よりも小さいことおよび移動方向反転箇所の座標間の距離が予め定めた距離より大きいことに基づいて、補正量決定部14はバックラッシ補正を実行しないことにして、反転時補正量を0と決定する。これにより、図6の走査線移動経路53における微小な線分の折れ曲がりの箇所である点(5,2.001,2)において不要なバックラッシ補正を実行することがなくなり、加工面に傷が発生するのを防ぐことができる。なお、補正量決定部14は、移動量dが移動量閾値よりも小さいことまたは移動方向反転箇所の座標間の距離が予め定めた距離より大きいことのいずれかに基づいて、バックラッシ補正を実行しないように決定してもかまわない。
図8は、実施の形態1にかかる数値制御装置10の機能をコンピュータで実現する場合の構成を示す図である。この場合、数値制御装置10の機能は、CPU(Central Processing Unit)101、メモリ102、インタフェース103および専用回路104により実現される。指令位置生成部12、経路情報解析部13、補正量決定部14および加算器18の機能は、ソフトウェア、ファームウェア、またはソフトウェアとファームウェアとの組み合わせにより実現される。ソフトウェアまたはファームウェアはプログラムとして記述され、メモリ102に格納される。CPU101は、メモリ102に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、各部の機能を実現する。すなわち、数値制御装置10は、その機能がコンピュータにより実行されるときに、指令位置生成部12、経路情報解析部13、補正量決定部14および加算器18の動作を実施するステップが結果的に実行されることになるプログラムを格納するためのメモリ102を備える。また、これらのプログラムは、指令位置生成部12、経路情報解析部13、補正量決定部14および加算器18の手順または方法をコンピュータに実行させるものであるともいえる。ここで、メモリ102は、経路情報解析部13が利用する上述した記憶領域にもなっており、その具体例は、RAM(Random Access Memory)である。インタフェース103は、加工プログラム11を受け付ける機能を有している。専用回路104の具体例は、サーボ制御部15のインバータ回路である。
また、指令位置生成部12、経路情報解析部13、補正量決定部14、サーボ制御部15および加算器18の各機能について、一部を専用のハードウェアで実現し、一部をソフトウェアまたはファームウェアで実現するようにしてもよい。このように、数値制御装置10は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはこれらの組み合わせによって、上述の各機能を実現することができる。
以上説明したように、実施の形態1にかかる数値制御装置10によれば、経路情報解析部13が指令位置生成部12よりも加工プログラム11を先読みすることにより、経路情報解析部13における方向反転情報の生成を指令位置生成部12における指令位置演算に先行して実行できる。その結果、方向反転情報に基づいて補正量決定部14が大域的な判断を行うことができ、バックラッシ補正を実行するか否かの判断を的確に行うことができる。
また、実施の形態1にかかる数値制御装置10によれば、移動方向反転後の機械系6の移動量が移動量閾値より小さい場合には、補正量決定部14が反転時補正量を0にして反転時補正量を出力しないようにするので、移動方向反転後の機械系6の移動量がバックラッシ量以下となるような場合に、不要なバックラッシ補正を実行しないようにすることができる。
さらに、実施の形態1にかかる数値制御装置10によれば、現在の移動方向反転箇所の周辺に他の移動方向反転箇所が存在しない場合には、補正量決定部14が反転時補正量を0にして反転時補正量を出力しないようにするので、走査線加工において特定の移動経路にだけ移動方向反転箇所が加工意図に反して発生してしまう場合に、不要なバックラッシ補正を実行しないようにすることができる。
このように、実施の形態1にかかる数値制御装置10においては、指令位置生成部12よりも加工プログラム11を先読みする経路情報解析部13が生成した方向反転情報に基づいて、補正量決定部14がバックラッシ補正の有無を判定する。これにより、CAMによる演算誤差といった原因による加工意図に反する微小反転が生じる場合において、不要なバックラッシ補正を実行しないようにすることができる。その結果、不要なバックラッシ補正によって輪郭運動制御の精度が悪化することを回避できるので、加工面に筋または傷が発生することを防ぐことができる。
以上の実施の形態に示した構成は、本発明の内容の一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。
6 機械系、10 数値制御装置、11 加工プログラム、12 指令位置生成部、13 経路情報解析部、14 補正量決定部、15 サーボ制御部、16 サーボモータ、17 位置検出器、31 位置制御部、32 速度制御部、33 微分演算部、41,42 点、51,52,53,54,55 走査線移動経路、61 ボールねじ、62 ナット、63 テーブル、64 リニアガイド、101 CPU、102 メモリ、103 インタフェース、104 専用回路。

Claims (5)

  1. 加工プログラムに基づいてサーボモータを制御する数値制御装置において、
    前記加工プログラムに含まれる前記サーボモータにより移動軸の方向に駆動される機械系に移動方向反転を発生させる命令と、前記加工プログラムを先読みして得られる命令であって前記移動方向反転を発生させる命令より後に実行される命令とに基づいて、前記移動方向反転に対して補正を実行するか否かを決定する
    ことを特徴とする数値制御装置。
  2. 前記加工プログラムに記述された経路情報に基づいて指令位置を生成する指令位置生成部と、
    前記経路情報に基づいて前記命令の前記加工プログラムにおける記述箇所についての情報と、前記加工プログラムを先読みして得られる命令であって前記移動方向反転を発生させる命令より後に実行される命令が示す経路情報と、を含んだ方向反転情報を生成する経路情報解析部と、
    前記指令位置および前記方向反転情報に基づいて、前記補正を実行するか否かを決定する補正量決定部と、
    前記補正により補正された前記指令位置に前記サーボモータのモータ位置が追従するようにサーボ制御を行うサーボ制御部と、
    を備える
    ことを特徴とする請求項1に記載の数値制御装置。
  3. 加工プログラムに基づいてサーボモータを制御する数値制御装置において、
    前記加工プログラムに記述された経路情報に基づいて指令位置を生成する指令位置生成部と、
    前記経路情報に基づいて、前記サーボモータにより移動軸の方向に駆動される機械系に移動方向反転を発生させる命令の前記加工プログラムにおける記述箇所についての情報と、前記移動方向反転を発生させる命令より後に実行される命令が示す経路情報と、前記移動方向反転が発生する箇所に引き続く移動経路の予め定めた区間における前記移動方向反転が発生した前記移動軸に沿った前記機械系の移動量と、を含んだ方向反転情報を生成する経路情報解析部と、
    前記指令位置および前記方向反転情報に基づいて、前記移動方向反転に対して補正を実行するか否かを決定し、前記移動量が予め定めた移動量閾値より小さい場合は、前記補正の補正量である反転時補正量を0にする補正量決定部と、
    前記補正により補正された前記指令位置に前記サーボモータのモータ位置が追従するようにサーボ制御を行うサーボ制御部と、
    を備える
    ことを特徴とする数値制御装置。
  4. 加工プログラムに基づいてサーボモータを制御する数値制御装置において、
    前記加工プログラムに記述された経路情報に基づいて指令位置を生成する指令位置生成部と、
    前記経路情報に基づいて、前記サーボモータにより移動軸の方向に駆動される機械系に移動方向反転を発生させる命令の前記加工プログラムにおける記述箇所についての情報と、前記移動方向反転を発生させる命令より後に実行される命令が示す経路情報と、前記移動方向反転が発生する箇所での前記機械系の前記移動軸における座標値と、を含んだ方向反転情報を生成する経路情報解析部と、
    前記指令位置および前記方向反転情報に基づいて、前記移動方向反転に対して補正を実行するか否かを決定し、前記座標値から予め定めた距離以内に他の前記移動方向反転が発生しない場合は、前記補正の補正量である反転時補正量を0にする補正量決定部と、
    前記補正により補正された前記指令位置に前記サーボモータのモータ位置が追従するようにサーボ制御を行うサーボ制御部と、
    を備える
    ことを特徴とする数値制御装置。
  5. 前記方向反転情報は、前記移動方向反転が発生する箇所での前記機械系の前記移動軸における座標値を含み、
    前記補正量決定部は、前記座標値から予め定めた距離以内に他の前記移動方向反転が発生しない場合は、前記補正の補正量である反転時補正量を0にする
    ことを特徴とする請求項3に記載の数値制御装置。
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