JP5677343B2 - 象限突起測定装置および象限突起測定方法 - Google Patents

象限突起測定装置および象限突起測定方法 Download PDF

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本発明は、工作機械やレーザ加工機などの送り軸において移動方向反転時に生じる軌跡誤差の測定装置および測定方法、特に、象限突起測定装置および象限突起測定方法に関する。
工作機械やレーザ加工機などの機械では、加工ヘッドやテーブルの位置を、サーボモータを駆動することによって制御する。その際、移動の始点と終点の間の経路が指令された経路に正確に追従するように制御される。この制御は、軌跡制御あるいは輪郭運動制御と呼ばれる。指令された経路上を通る軌跡を指令軌跡、制御の結果機械が通る軌跡を応答軌跡と呼ぶ。サーボモータによって駆動される軸は送り軸と呼ばれ、複数の送り軸を有することにより二次元形状や三次元形状の軌跡を実現できる。
円弧形状の指令を与えた場合、各送り軸は正弦波状の運動を行う。例えば、XY平面内で円弧指令を行った場合、X軸は正弦波、Y軸はX軸の正弦波に対して90°位相のずれた波形となる。円弧の象限が切替る点において、いずれかの送り軸の移動方向が反転する。送り軸にはボールねじやガイド等の接触部で摩擦が発生し、制御系に外乱として作用する。摩擦による外乱は移動方向と反対方向に作用するため、移動方向が反転する点では、外乱である摩擦が作用する向きが変化する。その際、外乱の変化に対して制御系が一定の遅れをもって応答するため、応答軌跡に追従誤差が生じることとなる。その結果、象限の切替り直後に応答軌跡が指令軌跡の少し外側を通ることとなる。この誤差は通常は非常にわずかな誤差であるため、通常は指令軌跡の半径に対する応答軌跡の半径の誤差分を拡大してプロットする方法が行われる。
このような方法で軌跡をプロットすると、象限切替り部分では、指令軌跡に対して突起状に外側にふくらむような経路の応答軌跡が得られる。そこで、応答軌跡に生じるこのような誤差は象限突起と呼ばれる。象限突起が生じるような状態で加工を行うと、加工面の象限切替り部分にあたる部分に段差や筋が生じてしまうことになり、好ましくない。そこで、この象限突起の大きさや形状を測定して表示し、サーボ系の調整や補正パラメータの調整を行うことが従来から行われてきた。
特許文献1はその一例であり、円弧指令を行った際の位置フィードバックデータを取得し、2次元平面上において半径方向に誤差を拡大して表示することにより、象限切替り部分、すなわち移動方向反転部分における象限突起の形状を観察して、象限突起を補正するためのパラメータを調整している。
特開2006−227886号公報
従来の象限突起測定方法では、象限突起の測定のために1周の円弧指令を行う必要があり、指令速度が低い場合や円弧の指令半径が大きい場合には、測定に要する時間が非常に長くなり、その結果象限突起の確認やパラメータの調整に時間がかかりすぎるという問題があった。
また、指令半径が大きい場合には機械が広い範囲で動くため、機械同士の干渉が生じたり、機械によっては機械の可動範囲が不足したりして測定を行うことができないという問題があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、どのような条件の円弧であっても短い時間で象限突起の測定が可能となり、また機械の可動範囲が狭い場合でも象限突起の測定が可能となるような象限突起測定装置および象限突起測定方法を得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、円弧指令の半径と送り速度を出力する指令条件入力部と、加減速パラメータを出力する加減速パラメータ入力部と、前記半径、前記送り速度、および前記加減速パラメータに基づいて、前記円弧指令による経路から求めた少なくとも1つの送り軸の移動方向が反転する部分を含む所定の長さの部分円弧経路を含んだ測定用経路を生成する測定用経路生成部と、前記測定用経路および前記加減速パラメータに基づいて、前記送り軸の位置指令を出力する測定用位置指令生成部と、前記送り軸のモータ位置が前記位置指令に追従するようにサーボ制御を行うサーボ制御部と、前記モータ位置に基づいて、少なくとも前記部分円弧経路における前記モータ位置の象限突起部分の誤差を拡大する処理を行う誤差波形拡大部と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、円弧指令のうち送り軸の移動方向反転部のみを抽出するため、1周の円弧すべてを測定する場合に比べ、測定時間を短縮できるという効果がある。また、接続部分において大きく減速する必要がないため、測定に必要な時間を短縮できるという効果がある。さらに、測定に用いる経路の長さが短くなるため、どのような条件の円弧であっても測定に必要な時間を短縮できるという効果がある。加えて、測定に用いる経路の長さが短くなることで、機械の可動範囲が狭い場合でも象限突起の測定が可能となるという効果がある。
図1は、本発明の実施の形態1にかかる象限突起測定装置の構成を示すブロック図である。 図2は、本発明の実施の形態2にかかる象限突起測定装置の構成を示すブロック図である。 図3は、本発明の実施の形態3にかかる象限突起測定装置の構成を示すブロック図である。 図4は、本発明の実施の形態1における測定用経路生成部の動作を示すフローチャートである。 図5は、本発明の実施の形態1における測定用経路の例を示す図である。 図6は、本発明の実施の形態1における誤差波形表示の例を示す図である。 図7は、本発明の実施の形態2における測定用経路生成部の動作を示すフローチャートである。 図8は、本発明の実施の形態2における測定用経路の例を示す図である。 図9は、本発明の実施の形態3における測定用経路生成部の動作を示すフローチャートである。 図10は、本発明の実施の形態3における測定用経路の例を示す図である。
以下に、本発明にかかる象限突起測定装置および象限突起測定方法の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
工作機械やレーザ加工機の数値制御装置において、送り軸の移動方向が反転する時の摩擦トルクの変化に起因して生じる象限突起誤差を抑制するために象限突起補正機能を用いる。象限突起を効果的に補正するためには、さまざまな速度で真円運動を行って象限突起が小さくなるようにパラメータを微調整する。
図1は本発明の実施の形態1にかかる象限突起測定装置10の構成を表すブロック図である。指令条件入力部1から円弧指令の条件である半径と送り速度が測定用経路生成部2へ入力される。加減速パラメータ入力部3からは、加減速制御に必要なパラメータである加減速パラメータとして加減速時定数が出力され、測定用経路生成部2および測定用位置指令生成部4に入力される。測定用経路生成部2では、入力された円弧指令の条件と加減速パラメータに基づいて測定用の経路(測定用経路)を生成し、測定用位置指令生成部4へ出力する。測定用位置指令生成部4では、入力された測定用の経路に対して加減速パラメータに従った加減速処理を行い、測定用の位置指令を演算して出力する。円弧形状を描くためには2つの送り軸の運動が必要であるため、位置指令は、第1軸位置指令および第2軸位置指令の2つの位置指令を出力する。第1軸サーボ制御部5および第2軸サーボ制御部6は、それぞれの位置指令にモータ位置が追従するようにサーボ制御を行ってモータ位置を制御する。サーボ制御の応答として得られる各軸のモータ位置と、各軸の位置指令が、誤差波形拡大部7へ入力されて、誤差波形が出力される。さらに、誤差波形表示部8で誤差波形が表示される。
次に、各部分の動作について説明する。指令条件入力部1では、円弧指令の半径と送り速度が数値データとして入力される。円弧指令の半径をR(m)、送り速度をF(m/s)とおく。本実施の形態では、送り軸のうち第1軸をX軸、第2軸をY軸とする。円弧指令の経路は、円弧半径Rを用いて以下の(1)のようにX軸とY軸の座標値(x,y)で表すことができる。
Figure 0005677343
ここで、θ(t)は円弧の偏角を表す時間の関数であり、単位はradである。円弧経路上の位置は、この偏角を用いて表現することができる。なお、座標系の原点は円弧の中心にとっているが、必要に応じて任意の位置に平行移動してもよい。
加減速パラメータ入力部3では、加減速パラメータである加減速時定数が数値データとして出力され、測定用経路生成部2および測定用位置指令生成部4へ入力される。加減速処理では、経路にそった直線型の加減速が行われるものとする。加減速時定数をTa(s)とおく。加速の場合は、加速開始時の指令速度をF0として、経過時間に比例して直線的に指令速度を増加させ、時間Ta経過後に指令速度が円弧指令の送り速度Fに到達するように指令速度を変化させる。減速の際も、減速開始から時間Ta経過後に指令速度がF0となるように指令速度を変化させる。ここで、指令速度は経路に沿った速度(接線方向の速度)である。この加減速により、指令速度は一般に時間に関して台形状に変化することになる。
測定用経路生成部2においては、円弧指令のうち、送り軸の移動方向が反転する部分を含む所定の長さLの部分円弧経路を抽出し、それを含んだ測定用の経路を生成する。図4は、測定用経路生成部2の動作を示すフローチャートである。
まず、ステップS11において、1周の円弧指令のうちの送り軸の移動方向反転部分を2箇所以上の部分円弧経路として抽出する。本実施の形態の場合、当該箇所は4箇所あり、それぞれ偏角で表すと、0、π/2、π、3π/2となる。
次に、ステップS12において、部分円弧経路の長さLを決定する。部分円弧経路の長さLは、送り軸の移動方向が反転する時における加減速後の指令速度が円弧指令の送り速度Fに到達するために必要な移動距離Laよりも長い値を設定する。この最低限必要な距離Laは、加減速時定数Taと送り速度の変化量(円弧指令の送り速度Fと部分円弧経路の始点または終点における送り速度F0との差|F−F0|)の積で表される。したがって、部分円弧経路の長さLは、加減速時定数Taと送り速度の変化量|F−F0|の積よりも大きい値となるように設定する。
続いて、ステップS13において、各部分円弧経路の始点と終点の位置を決定する。各部分円弧経路の始点をPsn(n=1,2,3,4)とし、それぞれの点における偏角をθsn(n=1,2,3,4)とする。また、各部分円弧経路の終点をPen(n=1,2,3,4)とし、それぞれの点における終点をθen(n=1,2,3,4)とおく。各部分円弧経路の中央の点が送り軸の移動方向の反転と一致するようにする。円弧経路の長さを円弧指令の半径で除すると、偏角が得られる。したがって、部分円弧経路の始点および終点における偏角は、以下の(2)のように表される。
Figure 0005677343
最後に、ステップS14において、各部分円弧経路の間を、図5に示すように、直線で接続する。すなわち、Pe1とPs2、Pe2とPs3、Pe3とPs4、Pe4とPs1の間を、直線で接続する。直線部分は、早送り速度で移動するように設定する。なお、図5では、円弧部分を太線で、直線部分を細線で表している。
なお、測定用円弧経路全体の始点および終点は、直線部分の上であればどこでもよいが、本実施の形態1では、Pe4とPs1の中点を全体の始点および終点に設定する。また、周回する方向も任意であるが、本実施の形態1では、反時計回りに周回するものとする。
測定用位置指令生成部4では、測定用経路生成部2で生成された図5の経路に対して、各部分円弧経路およびその間の直線部分について、加減速時定数Taを用いて前述の経路に沿った直線型の加減速処理を行い、第1軸であるX軸および第2軸であるY軸の位置指令を生成する。
第1軸サーボ制御部5および第2軸サーボ制御部6は、それぞれモータ位置が位置指令に追従するようにサーボ制御を行う。これらのサーボ制御部には、フィードフォワード制御やフィードバック制御など、公知のサーボ制御を適用することができる。
誤差波形拡大部7では、部分円弧経路について、位置指令の経路に対するモータ位置の経路の誤差のうち半径方向の誤差を拡大する。半径方向の誤差を求めるため、位置指令およびモータ位置を極座標に変換する。その結果、位置指令(xr,yr)は以下の(3)のように表される。
Figure 0005677343
ここで、r0(θ)は、各偏角θにおける位置指令の半径である。また、モータ位置(xm,ym)は以下の(4)のように表される。
Figure 0005677343
ここで、rm(θ)は、各偏角θにおけるモータ位置の半径である。したがって、半径方向に誤差を拡大した経路(xe,ye)は、次式(5)で表される。
Figure 0005677343
ここで、aは誤差の拡大倍率であり、拡大後の波形がプロット範囲内におさまるように決定される。
誤差波形表示部8では、円弧部分について誤差を拡大した経路を、図6のように表示する。図6において、太い実線は位置指令の経路、細い実線はモータ位置の経路を表す。破線は、描画上の補助線である。
以上のように、実施の形態1にかかる象限突起測定装置および象限突起測定方法によれば、円弧指令のうち送り軸の移動方向反転部のみを抽出するため、1周の円弧すべてを測定する場合に比べ、測定時間を短縮できるという効果がある。
また、加減速時定数を考慮して、送り軸の移動方向反転時に指令速度が円弧指令の送り速度に到達するように部分円弧の長さを決定するので、1周の円弧すべてを測定した場合と同じ条件で象限突起を測定することができるという効果がある。
さらに、モータ位置の経路について位置指令の経路からの半径方向の誤差を拡大して表示することにより、簡単な方法で象限突起の大きさや形状を把握できるという効果がある。
実施の形態2.
図2は、本発明の実施の形態2にかかる象限突起測定装置10の構成を表すブロック図である。実施の形態1と相違する点は、測定用経路生成部2における動作と、第1軸サーボモデル部15と第2軸サーボモデル部16をさらに設けて、それぞれの軸の位置指令を第1軸サーボモデル部15および第2軸サーボモデル部16に入力し、それぞれの出力を誤差波形拡大部7に入力するようにした点である。
実施の形態1の場合、各部分円弧経路間を図5に示したように直線で接続するため、最も短い経路で移動できるが、円弧部分と直線部分の接点において経路の接線方向が不連続に変化することとなり、機械の剛性が低い場合には振動が生じる恐れがある。また、振動の発生を避けるために、各接点において指令速度を十分下げる必要があり、加減速に要する時間を考慮すると測定に要する時間がかえって長くなる恐れもある。
そこで、各部分円弧経路の間を円弧の経路とし、その間は高い指令速度で移動させるものとする。図7は、実施の形態2の測定用経路生成部2の動作を示すフローチャートである。図7のステップS21〜S23はそれぞれ、図4のステップS11〜S13と同様であるが、本実施の形態においては、ステップS24における動作が、各部分円弧経路間を円弧で接続するものとなっている。各部分円弧経路間の接続用に挿入する円弧の送り速度は、円弧指令の送り速度Fよりも絶対値が大きい値に設定する。また、図8は、測定用経路生成部2で生成される経路を示す図である。図8では、送り軸の方向反転部分を含む円弧部分を太線で、接続用に挿入した円弧部分を細線で表している。
なお、測定用円弧経路全体の始点および終点は、接続用に挿入する円弧部分の上であればどこでもよいが、本実施の形態2では、Pe4とPs1の中間の点を全体の始点および終点に設定する。また、周回する方向も任意であるが、本実施の形態2では、反時計回りに周回するものとする。
実施の形態1では指令位置の半径とモータ位置の半径の差を拡大しているが、サーボ系の追従特性が低い場合には、モータ位置の半径が定常的に小さくなってしまい、誤差を拡大すると定常的な半径の誤差も拡大されてしまって、表示した際に象限突起の誤差が判別しにくくなってしまうという問題が生じる。そこで、本実施の形態2においては、サーボ系の追従特性を模擬するサーボモデル部(第1軸サーボモデル部15および第2軸サーボモデル部16)を用いて各モータ位置に対するモデルであるそれぞれのモデル位置を演算し、各モータ位置とそれに対応する各モデル位置の差を表示するようにする。モータ位置とモデル位置の差を、モデル誤差と呼ぶ。
モデル位置の演算は、サーボ系の位置制御系の伝達関数を用いて行う。位置制御系がゲインKpの比例制御である場合、その伝達関数G(s)は次式となる。
Figure 0005677343
そこで、位置指令を伝達関数G(s)に入力して得られる出力をモデル位置とする。モデル位置は象限突起の影響は現れないが、サーボ系の追従遅れの影響は現れる。したがって、定常状態ではモデル位置とモータ位置は概ね一致する。すなわち、モデル誤差は定常状態では0となる。
また、誤差波形を演算する場合は、もとの指令半径Rに、モデル誤差を一定倍率で拡大した値を加算した値を半径とする経路を演算する。モデル位置を(xd,yd)とおくと、半径方向に誤差を拡大した経路(xe,ye)は、次の式(7)で表される。
Figure 0005677343
ここで、aは誤差の拡大倍率であり、拡大後の波形がプロット範囲内におさまるように決定される。
以上のように、実施の形態2にかかる象限突起測定装置および象限突起測定方法によれば、測定に用いる経路が連続的に接続されることで接続部分において振動が発生することを防ぐことができるという効果がある。
また、接続部分において大きく減速する必要がないため、測定に必要な時間を短縮できるという効果がある。
さらに、モデル位置とモータ位置の誤差を拡大するので、定常的な追従遅れが大きい場合でも象限突起部分のみを拡大して表示できるという効果がある。
また、誤差波形の拡大において位置指令およびモータ位置を極座標変換する必要がないため、誤差波形の演算が容易になるという効果がある。
実施の形態3.
図3は、本発明の実施の形態3にかかる象限突起測定装置10の構成を表すブロック図である。実施の形態1および実施の形態2と相違する点は、測定用経路生成部2における動作と、誤差波形拡大部7においてモータ位置のみから誤差拡大後の波形を演算するようにした点である。
実施の形態1および実施の形態2の場合、各部分円弧間を直線または円弧で接続するが、特に指令円弧の半径が大きい場合には接続部分の経路の移動に長い時間を要してしまい測定に必要な時間が長くなるという問題があった。
そこで、送り軸の位置によって象限突起の大きさや形状がそれほど変わらないことがわかっている場合には、接続部分の経路を省略し、各部分円弧を直接に接続することで測定に必要な時間を短縮することができる。
図9は、実施の形態3の測定用経路生成部2の動作を示すフローチャートである。図9のステップS31〜S33はそれぞれ、図4のステップS11〜S13と同様であるが、本実施の形態においては、ステップS34における動作が、各部分円弧経路の端点同士を直接に接続するものとなっている。また、図10は、測定用経路生成部2で生成される経路を示す図である。各部分円弧の端点は、Ps1とPe4、Ps2とPe1、Ps3とPe2、Ps4とPe3がそれぞれ同一の点となる。
なお、測定用円弧経路全体の始点および終点は、各部分円弧の端点のうちのいずれか1点とする。本実施の形態3では、Ps1(Pe4)を全体の始点および終点に設定する。また、周回する方向も任意であるが、本実施の形態3では、反時計回りに周回するものとする。
実施の形態3では、誤差波形拡大部7において、モータ位置の平均半径raを求め、その平均半径とモータ位置の半径の差を拡大する。これにより、誤差波形を拡大する演算を簡便化できる。モータ位置を極座標に変換する。モータ位置(xm,ym)は以下のように表される。
Figure 0005677343
ここで、rm(θ)は、各偏角θにおけるモータ位置の半径を表す。したがって、半径方向に誤差を拡大した経路(xe,ye)は、次式で表される。
Figure 0005677343
ここで、aは誤差の拡大倍率であり、拡大後の波形がプロット範囲内におさまるように決定される。
以上のように、実施の形態3にかかる象限突起測定装置および象限突起測定方法によれば、測定に用いる経路の長さが短くなるため、どのような条件の円弧であっても測定に必要な時間を短縮できるという効果がある。
また、測定に用いる経路の長さが短くなることで、機械の可動範囲が狭い場合でも象限突起の測定が可能となるという効果がある。
さらに、モータ位置のみを用いて誤差波形の拡大を行うので、誤差波形の演算が容易になるという効果がある。
なお、以上の実施の形態1乃至3においては、X軸およびY軸を用いた例について説明したが、Z軸や回転軸など、いずれの軸を用いてもよい。また、X軸およびY軸両方の方向反転部分を抽出するものとして説明したが、いずれか一方の方向反転部分のみを抽出するものであってもよい。例えば、X軸の象限突起のみを短時間で測定したい場合には、偏角θが0(rad)およびπ(rad)の2箇所の方向反転部分を抽出すればよい。
また、以上の実施の形態1乃至3においては、加減速パラメータとして加減速時定数を指定したが、加速度を設定するものであってもよい。この場合、送り速度を加速度で除した値を加減速時定数として用いればよい。加減速時定数ではなく加速度を指定すると、特に送り速度が低い場合に加減速に要する時間が短縮されるという効果がある。
さらに、以上の実施の形態1乃至3においては、加減速は1段のみであるとして説明したが、複数段の加減速処理を行うものであってもよい。この場合、各段の加減速時定数の合計値を、指令速度が送り速度に到達するために最低限必要な移動距離Laを求める際に使用する時定数Taとして用いればよい。複数段の加減速を行うと、移動開始や終了時の動きが滑らかとなって、機械の振動が生じにくくなるという効果がある。
さらに、本願発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、上記実施の形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出されうる。例えば、上記実施の形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出されうる。更に、異なる実施の形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
以上のように、本発明にかかる象限突起測定装置および象限突起測定方法は、送り軸の移動方向が反転する時の摩擦トルクの変化に起因して生じる象限突起誤差を抑制するため象限突起の測定に有用であり、特に、工作機械やレーザ加工機などの機械において、加工ヘッドやテーブルの位置を、サーボモータを駆動することによって制御する数値制御装置の象限突起補正に適している。
1 指令条件入力部
2 測定用経路生成部
3 加減速パラメータ入力部
4 測定用位置指令生成部
5 第1軸サーボ制御部
6 第2軸サーボ制御部
7 誤差波形拡大部
8 誤差波形表示部
10 象限突起測定装置
15 第1軸サーボモデル部
16 第2軸サーボモデル部
S11〜S14、S21〜S24、S31〜S34 ステップ

Claims (13)

  1. 円弧指令の半径と送り速度を出力する指令条件入力部と、
    加減速パラメータを出力する加減速パラメータ入力部と、
    前記半径、前記送り速度、および前記加減速パラメータに基づいて、前記円弧指令による経路から求めた少なくとも1つの送り軸の移動方向が反転する部分を含む所定の長さの部分円弧経路を含んだ測定用経路を生成する測定用経路生成部と、
    前記測定用経路および前記加減速パラメータに基づいて、前記送り軸の位置指令を出力する測定用位置指令生成部と、
    前記送り軸のモータ位置が前記位置指令に追従するようにサーボ制御を行うサーボ制御部と、
    前記位置指令に対してサーボ系の応答を模擬する演算を行い、前記送り軸のモータ位置に対するモデルであるモデル位置を出力するサーボモデル部と、
    前記モータ位置と前記モデル位置に基づいて、少なくとも前記部分円弧経路における前記モータ位置の象限突起部分の誤差を拡大する処理を行う誤差波形拡大部と、
    を備える
    ことを特徴とする象限突起測定装置。
  2. 前記測定用経路生成部において、前記所定の長さは、前記送り軸の移動方向反転時における加減速後の指令速度が前記円弧指令の送り速度に到達するために必要な移動距離よりも長くする
    ことを特徴とする請求項1に記載の象限突起測定装置。
  3. 前記測定用経路において、隣接する前記部分円弧経路の一方の始点と他方の終点の間を直線で接続している
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の象限突起測定装置。
  4. 前記測定用経路において、隣接する前記部分円弧経路の一方の始点と他方の終点の間を円弧で接続している
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の象限突起測定装置。
  5. 前記測定用経路生成部は、隣接する前記部分円弧経路の一方の始点と他方の終点の間の経路については、前記円弧指令の送り速度よりも絶対値が大きい速度に設定する
    ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の象限突起測定装置。
  6. 前記測定用経路において、隣接する前記部分円弧経路の一方の始点と他方の終点が一致している
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の象限突起測定装置。
  7. 拡大された前記誤差の波形を表示する誤差波形表示部と、
    をさらに備える
    ことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の象限突起測定装置。
  8. 円弧指令の半径と送り速度、および加減速パラメータに基づいて、前記円弧指令による経路から求めた少なくとも1つの送り軸の移動方向が反転する部分を含む所定の長さの部分円弧経路を含んだ測定用経路を生成するステップと、
    前記測定用経路および前記加減速パラメータに基づいて、前記送り軸の位置指令を生成するステップと、
    前記送り軸のモータ位置が前記位置指令に追従するようにサーボ制御を行うステップと、
    前記位置指令に対してサーボ系の応答を模擬する演算を行い、前記送り軸のモータ位置に対するモデルであるモデル位置を出力するステップと、
    前記モータ位置と前記モデル位置に基づいて、少なくとも前記部分円弧経路における前記モータ位置の象限突起部分の誤差を測定するステップと、
    を含む
    ことを特徴とする象限突起測定方法。
  9. 前記測定用経路を生成するステップは、
    前記円弧指令による経路から、少なくとも1つの送り軸の移動方向が反転する部分を求めるステップと、
    前記加減速パラメータに基づいて、前記所定の長さを決定するステップと、
    前記反転する部分と前記所定の長さに基づいて、前記部分円弧経路の始点および終点を決定するステップと、
    を含む
    ことを特徴とする請求項に記載の象限突起測定方法。
  10. 前記測定用経路を生成するステップは、
    隣接する前記部分円弧経路の一方の始点と他方の終点の間を直線で接続するステップを
    らに含む
    ことを特徴とする請求項に記載の象限突起測定方法。
  11. 前記測定用経路を生成するステップは、
    隣接する前記部分円弧経路の一方の始点と他方の終点の間を円弧で接続するステップを
    らに含む
    ことを特徴とする請求項に記載の象限突起測定方法。
  12. 前記測定用経路を生成するステップは、
    隣接する前記部分円弧経路の一方の始点と他方の終点を直接接続するステップを
    らに含む
    ことを特徴とする請求項に記載の象限突起測定方法。
  13. 測定した前記誤差を拡大して表示するステップ
    をさらに含む
    ことを特徴とする請求項8から12のいずれか1項に記載の象限突起測定方法。
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