JP3647953B2 - 加工作用点の位置ずれ補正方法 - Google Patents

加工作用点の位置ずれ補正方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、加工作用点の位置ずれ補正方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
駆動源からの力がかかる被駆動体の駆動点と作業点との間に機械の撓みによる遅れが生じると、制御装置から指令される作業点と実作業点とが一致しなくなるといった問題がある。このような撓みによる位置ずれは、駆動点と作用点間に距離のある産業機械、例えば、ワイヤ放電加工機等において顕著である。
【0003】
ワイヤ放電加工機は、図1に示されるように、ベッド1に固定されたコラム2の上端にはUV軸,Z軸3が固定され、中間部には下ワイヤガイドを支えるアームが固定され、該アームはコラム2に固定されたアームカバー4内を貫通している。ベッド1上にはX−Yの各軸方向に移動可能に設けられたクロステーブル5、および、クロステーブル5上にはワーク載置台及び浸漬加工のための加工槽6等を備え、Z軸の先端に設けられた上ワイヤガイドと上記アームの先端に設けられた下ワイヤガイドとの間にワイヤ電極7を張設して放電加工作業を行うようになっている。
【0004】
コラム2に一致体に固定されたアームはアームカバー4内を貫通し、加工槽6内部に突入しており、クロステーブル5、加工槽6及びクロステーブル5に設けられたワーク載置台に固定されたワークはアームに対して相対移動を行うので、アームと加工槽6との係合部で加工液の漏れを確実に防止し、かつ、前述の相対移動が可能なように構成しなければならない。
【0005】
図2はアームカバー4と加工槽6との係合部の概略を示す斜視図である。加工槽6の背面にはアームカバー4を固着するフランジ8を備えたシール板9が設けられ、このシール板9は加工槽6の背面に穿設されたX軸方向の長穴を塞ぐかたちで、多数のベアリング10により加工槽6の背面に圧着されている。前記長穴の外周部にはシールベースが取り付けられてシール板9との間の加工液の漏れを防止し、また、フランジ8の内周部には貫通するアームとの間の加工液の漏れを防止するためのVパッキン等が取り付けられている。
【0006】
この結果、クロステーブル5を駆動して加工槽6及びワークを移動させた場合、特に、加工槽6をX軸方向に駆動した場合では、加工槽6に圧着されたシール板9が両者間に作用する摺動抵抗に引き摺られて加工槽6と共に移動しようとするので、クロステーブル5、該クロステーブル5を駆動するボールネジ/ナット等の伝動機構部及びこの伝動機構部とクロステーブル5の連結部等(以下これらをワーク駆動部という)にはX軸方向の曲げモーメントが作用して撓みが生じ、指令された作業点に対する実作業点の遅れが生じることになる。この場合の作業点とはワークとワイヤ電極7が対向する位置である。
【0007】
例えば、制御装置から指令された作業点が(x,y)=(x1,y1)のときにワーク駆動部にX軸方向の外力が全く作用せず、ワイヤ電極7が(x,y)=(x1,y1)の位置にあるとし、この状態から(x,y)=(x1+a,y1)の位置(a>0)にワイヤ電極7を移動させたとする(但し、実際に移動するのはクロステーブル5の側である)。
【0008】
このときワーク駆動部には前述の撓みが生じるので、クロステーブル5に設けられたワーク載置台上のワークは遅れて移動することになる。この撓みによる位置ずれ量をCa′(Ca′>0)とすれば、実際の作業点の位置は(x,y)=(x1+a−Ca′,y1)であり、指令された作業点(x,y)=(x1+a,y1)からCa′の遅れを生じていることになる。この遅れCa′の最大値Aは加工槽6とシール板9との間の摺動抵抗の大きさやワーク駆動部の各部材の剛性およびそのスパン等によって決まり、作業点を如何に大きく移動させようとも、遅れCa′がAを越えることはない。
【0009】
つまり、加工槽6からシール板9に対して+X方向に与えられる力がシール板9と加工槽6との間の摺動抵抗よりも小さい間は、シール板9が加工槽6と一体的に移動してワーク駆動部の−X方向の撓みCa′が増大するが、ワーク駆動部の撓みが増大して+X方向の反力がシール板9と加工槽6との間の摺動抵抗を上回るようになると、シール板9と加工槽6との間に滑りが生じて加工槽6のみが移動するようになるということである。要するに、この滑りが生じる時に+X方向に作用している反力に相当する撓みCa′の値が、最大値Aである。
【0010】
機械の位置ずれを修正するための補正方法としては、送りネジのピッチ誤差によって生じる位置ずれを補正するピッチ誤差補正や、被駆動体の反転移動時に生じる動力伝達機構の遊びを補正するバックラッシ補正等が知られているが、いずれのものも、撓みを原因とする位置ずれの補正には適用することができない。
【0011】
つまり、ピッチ誤差補正は、機械座標系におけるクロステーブル5等の被駆動体の現在位置(送りネジに対する被駆動体の螺合位置)に応じて補正量を一義的に決めるものであるため、不特定位置で被駆動体を反転移動させた時に反転後の移動距離に応じて生じる機械の撓みに対処することはできず、また、歯車等の回転方向の切り替えに伴って生じる遊びを解消するための補正量を被駆動体の反転時に出力するバックラッシ補正では、反転位置からの移動距離によって徐々に変化する撓み量の補正に対処することはできないということである。
【0012】
要するに、機械の撓みによって生じる位置ずれを解消するための補正方法といったものは、これまでのところ、何ら提案されていない。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明の目的は、前記従来技術の不備を解消し、機械の撓みによる位置ずれがある場合でも、これを適確に補正して、指令された位置に作業点を移動させることのできる加工作用点の位置ずれ補正方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は、駆動源からの力がかかる被駆動体の駆動点と作業点との間に機械の撓みによる遅れが生じる機械において、駆動点に対する作業点の最大遅れ量を予め求めておき、前記駆動点の移動方向反転後の移動において前記遅れを補正する補正区間を決め、移動方向反転後、前記遅れを補正する補正量の積算値が前記最大遅れに達するまで、前記補正区間に対する前記最大遅れと移動方向反転後の移動指令値に基づいて前記補正量を求めてこの補正量を移動指令値に加算して移動指令値として出力することによって機械の撓みによる遅れによる加工作用点の位置ずれを補正する。
【0015】
特に、遅れに対応する補正値を記憶する記憶手段を設け、反転時には、前記補正区間と前記最大遅れ量および移動指令値に基いて新たな補正値を求め、該新たな補正値前記記憶手段に記憶された補正値との差を移動指令値に加算して移動指令値として出力し、前記求めた補正値を記憶手段に格納して更新記憶し、前記記憶手段に記憶された補正値の絶対値が前記最大遅れ量となると前記移動指令値をそのまま移動指令値として出力することによって機械の撓みによる遅れによる加工作用点の位置ずれを補正する。
【0016】
また、遅れが最大遅れ量となっている状態から駆動点を反転移動させてその遅れが再び最大遅れ量となるときの反転後の前記駆動点の移動区間を測定し、この移動区間を前記補正区間とする。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。図1はワイヤ放電加工機とその制御装置の構成の概略を示すブロック図である。ワイヤ放電加工機の本体は、従来の技術の項でも述べた通り、ベット1,コラム2,UV軸,Z軸3,下ワイヤガイドを支持するアームをガイドするアームカバー4,ワークを載置するワーク載置台を備えるクロステーブル5,加工槽6等を備え、制御装置11によりサーボ制御回路12,13を介して駆動制御されるX軸駆動用のサーボモータMxおよびY軸駆動用のサーボモータMyによりクロステーブル5、加工槽6、ワークがX−Y平面内で移動されるようになっている。
【0018】
更に、ワイヤ放電加工機の本体には、Z軸先端のジェットノズルや加工槽6に加工液を供給する加工液循環器や、ワイヤ送り等のための各種モータ、および、ワイヤ電極7に加工電圧を印加するための放電加工電源等が設けられ、各々、加工液制御回路14,ワイヤ制御回路15,放電制御回路16を介して制御装置11により駆動制御されるようになっている。
【0019】
制御装置11には、ROM17に格納されたシステムプログラムやRAM18に格納された加工プログラム等に基いて放電加工機の各軸を駆動制御するためのCNC用CPU19が設けられ、バス20を介して、前述のサーボ制御回路12,13が接続されている。CNC用CPU19は、各軸のサーボ制御回路12,13に分配パルスを出力し各軸サーボモータを駆動してクロステーブル5を移動させ、加工槽6内のワーク載置台に取り付けられたワークの加工面とワイヤ電極7との間に放電を生じせしめて、加工を行う。
【0020】
PMC用CPU21は、ROM17に格納されたシステムプログラムやRAM18に格納された電源条件や加工条件等に応じて放電制御回路16やワイヤ制御回路15および加工液制御回路14を駆動制御する。
【0021】
CNC用CPU19には表示制御回路22を介してディスプレイ付き手動データ入力装置23が接続され、加工プログラムの入力操作や電源条件および加工条件の入力操作等が行えるようになっており、また、ディスプレイ付き手動データ入力装置23の表示画面により加工経路や設定条件のモニタ表示が行えるようになっている。
【0022】
次に、本実施形態における位置ずれ補正方法の作用原理について、図3ないし図5に示す作用原理図を用いて説明する。
【0023】
図3は図1および図2に示すようなワイヤ放電加工機において、作業点を+X方向に移動させてから−X方向に反転移動させるものとして、ワーク駆動部の撓みによって生じる位置ずれの発生状況の概略を示した概念図であり、白丸の標によって制御装置からの指令位置を示し、また、黒丸の標によりワイヤ電極7、つまり、作業点の実位置を示している。なお、図3に示す作業点Sの位置では、その前に行われた+X方向への移動により、既にワーク駆動部が最大限に撓んで、指令位置と作業点との間に最大の位置ずれAが生じているものとし、また、クロステーブル5を駆動する送りネジのピッチ誤差補正、および、サーボモータMxとクロステーブル5との間の動力伝達機構のバックラッシ補正等は、完全な状態で行われているものとする。作業点(ワイヤ電極7)の+X方向への移動はクロステーブル5の−X方向への移動である。
【0024】
既に従来の技術の項でも述べた通り、位置ずれの最大値Aは加工槽6とシール板9との間の摺動抵抗の大きさやワーク駆動部の剛性およびそのスパン等によって決まるものであって、図3に示す作業点Sから+X方向に作業点をいくら移動させようとも、指令位置に対する作業点の実位置の遅れCa′がAを越えることはない。つまり、作業点が反転位置Tに達するまでの区間S〜Tでは、遅れCa′の値は常に最大値Aに等しい。
【0025】
ここで、指令位置U(実位置T)で作業点の移動方向を+Xの方向から−Xの方向に反転させたとする。このとき、X軸を駆動するサーボモータMxの反転駆動は制御装置11からの移動指令の反転によって直ちに開始されるが、既に述べた通り、ワーク駆動部には−X方向の撓みCa′=Aが既に蓄積されているので、サーボモータMxを反転移動させても、最初はこの撓みCa′が徐々に解消されて行くだけで、作業点の実位置T(反転開始時の位置)と実位置T′(反転直後の位置)との間に大きな差(移動指令に見合った移動量)を生じることはない。つまり、図3に示す指令位置Vと実位置T′および指令位置Uと実位置Tのような関係が生じるのである。
【0026】
そして、作業点が更に−Xの方向に移動してワーク駆動部に前記と逆方向の+X方向の撓みが生じ始めると、指令位置に対する作業点の位置ずれが逆方向の遅れCa′となって徐々に現れ始める。図3に示す指令位置Fと実位置Gのような関係である。
【0027】
加工槽6とシール板9との間の摺動抵抗の大きさやワーク駆動部の剛性およびそのスパン等は常に一定であるから、作業点を−X方向に移動する場合も、+X方向への移動の場合と同様、位置ずれCa′の値は最終的に最大値Aにまで達することになる。これが図3に示す指令位置Hと実位置Pとの関係である。この状態から作業点を−X方向に更に移動させたとしても、位置ずれCa′の値がAを越えるといったことはない。作業点(ワイヤ電極7)の−X方向への移動はクロステーブル5の+X方向への移動である。
【0028】
反転を開始してからの位置ずれCa′が再び最大値Aに達するまでの移動指令量D、および、位置ずれ量Ca′の最大値Aは予め実験的に求めておくようにする。
【0029】
結果的に、ワーク駆動部が−X方向に最大限撓んで位置ずれCa′が最大値Aまで蓄積された状態で作業点を+X方向に移動させるときに必要とされる補正値は指令位置に対して+Aであり〔例えば図3における実位置S〜実位置T(指令位置U)の移動区間〕、また、ワーク駆動部が+X方向に最大限撓んで位置ずれCa′が最大値Aまで蓄積された状態で作業点を−X方向に移動させるときに必要とされる補正値は指令位置に対して−Aである〔例えば図3における実位置P(指令位置H)〜実位置Jの移動区間〕。
【0030】
従って、図3に示すような状況下において実位置T(指令位置U)〜実位置P(指令位置H)の反転移動区間で撓みによる遅れ量Ca′が位置指令量(サーボモータMxの移動量)に比例して−A〜+Aまで変化するものであると仮定するなら、ワーク駆動部が−X方向に最大限撓んで位置ずれCa′が最大値Aまで蓄積された状態、つまり、指令位置に対して補正値+Aを加算して補正を行って+X方向への移動を行っている状態で作業点の移動方向を+Xから−Xに反転させる場合においては、作業点がこの反転移動区間の実位置T〜実位置Pを実際に移動する間、要するに、反転を開始してから後逆方向の位置ずれ量がAまで蓄積される間に−2Aの補正値を出力すればよいことになる。
【0031】
つまり、図3の例に示されるように、加工プログラムに基く反転後の分配パルスが−(D−2A)だけ出力される間に補正値を−2Aだけ出力すれば、実際に出力される分配パルスの量は−(D−2A)−2A=−D(U−H間に対応)となり、このときの実移動量が−(D−2A)〔T−P間に対応〕となって、加工プログラムに基く反転後の分配パルスによる移動指令−(D−2A)と作業点の実移動量−(D−2A)とが完全に一致するということである。
【0032】
これとは逆に、ワーク駆動部が+X方向に最大限撓んで位置ずれCa′が最大値Aまで蓄積された状態、つまり、指令位置に対して補正値−Aを加算して補正を行っている状態で作業点の移動方向を−Xから+Xに反転させる場合においては、作業点が実移動量(D−2A)だけ移動する間に+2Aの補正値を出力すればよいことになる。
【0033】
−X方向へのワーク駆動部の最大撓みに対処して指令位置に補正値Aを加算して補正を行っている状態から作業点の移動方向を+Xから−Xに反転させた場合、および、+X方向へのワーク駆動部の最大撓みに対処して指令位置に補正値−Aを加算して補正を行っている状態から作業点の移動方向を−Xから+Xに反転させた場合の各々について、補正値(実線)と遅れ(破線)との関係を図4に示す。図4に示す通り、遅れ量が位置指令量に比例して−A〜+Aまで変化するものであると仮定するなら、遅れ−A〜+Aに補正値+A〜−Aを加えた値は常に零となり、作業点の実位置が指令位置に一致する。
【0034】
ここで、反転後の指令移動位置に対応する補正値の値をCa′として、指令移動位置と補正値Ca′との関係を図6に示す。図6では−X方向へ作用点が移動したときのワーク駆動部の最大撓みに対処して指令位置に補正値−Aを加算して補正を行っている状態から作業点の移動方向を−Xから+Xに反転させたときの分配パルス量を「0」とし、その後の分配パルス量がLのときの累積補正量(補正値Ca′)を補正区間(D−2A)について表わしている。従って、−Xから+Xへ反転したときの、補正値Ca′の初期値Caは−A(反転開始時)で、反転開始時の位置を基準とする+X方向への移動量(分配パルス量)をL(但し、L>0)とし、このLを補正区間0〜(D−2A)における補正区間の位置とすると、補正区間の位置がLの時に必要とされる補正値をCa′とすれば、図6から明らかなように、
Ca′=2A・〔L/(D−2A)〕−A・・・(1)
となる。つまり、反転開始時点ではL=0でCa′=2A・0−A=−Aとなり、また、補正区間の位置LがL=(D−2A)となり補正が終了した時点、つまり、図6における横軸の値が(D−2A)となる位置ではCa′=2A・−A=Aになるということである。既に述べた通り|Ca′|が±Aを越えるような補正は必要なく、補正値±Aはその状態を保持される。なお、補正区間の位置LがL=(D−2A)/2の時点ではCa′=2A・(1/2)−A=0で、補正値Ca′の値が0である。
【0035】
また、−X方向へのワーク駆動部の最大撓みに対処し指令位置に補正値+Aを加算して補正を行っている状態から作業点の移動方向を+Xから−Xに反転させた場合では、補正値Ca′の初期値Caは+A(反転開始時)である。反転開始時の位置を基準とする−X方向への移動量をL′(但し、L′<0)、また、移動量がL′の時に必要とされる補正値をCa′とすれば、L=D−2A+L′であるから、(1)式より、
Figure 0003647953
となる。つまり、図6における横軸の値Lが(D−2A)となる反転開始時点では、反転後の移動量L′=0、L=D−2AでCa′=2A・0+A=+Aとなり、また、反転開始後の移動量L′がL′=−(D−2A)、L=0の時点ではCa′=2A・0−A=−Aになる。即ち、補正値Ca′が+Aとなった後は、補正区間の位置Lを(D−2A)に、補正値Ca′が−Aになった後は補正区間の位置Lを「0」に保持しておき、反転が開始されると、この位置Lに移動量L´を加算して、補正区間の位置Lを求めて、補正値Ca′を求めればよいことになり、反転後の移動量L、L´によって補正値Ca´が求まる。なお、反転開始後の移動量L′がL′=−(D−2A)/2の時点ではCa′=−2A・(1/2)+A=0で、補正値Ca′の値が0である。
【0036】
また、図5に示されるように、反転実行後に補正値Ca′がAまたは−Aに達する前の段階、つまり、ワーク駆動部に逆方向の最大撓みが蓄積する前の段階で再び作業点の反転動作が行われた場合であっても、状況はこれと全く同様であり、前述の(1)式に従って補正値Ca′を求めればよい。
【0037】
例えば、図5に示されるように、+Xへの移動から−Xへの最初の反転時の補正処理を(1)式に基いて実施している状態で補正値Ca′の値が−Aに達する前に再び作業点の移動方向が−Xから+Xに反転されたとする。この場合においても、補正値Ca′=Ca=−Aの時点を「0」とする補正区間0〜(D−2A)の位置Lによって補正値Ca′を(1)式で求めることができる。
【0038】
次に、図7および図8を参照して、本実施形態の制御装置11(CNC用CPU19)によって実施される位置ずれ補正処理について説明する。図7は作業点を機械原点へ復帰させる際に実施される初期設定処理、また、図8はパルス分配周期毎に実施される補正処理である。
【0039】
なお、この実施形態においてはワーク駆動部に撓みの発生しやすいX軸方向の移動に対してのみ初期設定処理と補正処理を実施するようにしているが、Y軸方向への撓みが懸念されるような構造の場合は、Y軸方向への撓み量の最大値Ayや撓みの蓄積に対応する移動量Dyを求め、Y軸に対しても以下に示すものと同じような処理を実施するようにする。
【0040】
原点復帰を行う場合には、原点復帰までの移動量が(D−2A)を越える十分の距離がある状態で原点復帰指令を与える。図7に示す通り、X軸のサーボモータMxに原点復帰指令を出力したCNC用CPU19は、サーボモータMxが機械原点に復帰するまで待機し(ステップA1)、原点復帰への移動方向がプラス方向であるかマイナス方向であるかを判別する(ステップA2)。そして、原点復帰への移動方向がプラス方向、つまり、図3に示す+X方向への移動であれば、CNC用CPU19は補正値記憶レジスタCaに最大補正値+Aをセットすると共に、反転後の補正区間0〜D−2Aの位置Lを記憶する移動位置記憶レジスタLにD−2Aをセットし、サーボモータMxに+Aの送りをかけて指令位置と実作業点の位置を一致させる(ステップA3)。また、原点復帰への移動方向がマイナス方向、つまり、図3に示す−X方向への移動であれば、補正値記憶レジスタCaに−Aをセットすると共に、移動位置記憶レジスタLに0をセットし、サーボモータMxに−Aの送りをかけて指令位置と実作業点の位置を一致させる(ステップA4)。なお、インクリメンタル量で移動動作を制御する場合は、原点復帰後の+A又は−Aの送りは必要ない。
【0041】
要するに、補正値記憶レジスタCaは補正値の現在値Ca′の値を記憶するレジスタであり、原点復帰への移動方向がプラスで作業点にマイナス方向の遅れが生じていた場合では補正値記憶レジスタCaに補正値+Aがセットされ、また、これとは逆に原点復帰への移動方向がマイナスで作業点にプラス方向の遅れが生じていた場合では−Aがセットされることになる。
【0042】
以上の初期設定終了後、加工プログラム等を実行させて各軸の駆動制御を開始させると、CNC用CPU19はパルス分配周期毎に図8に示すような補正処理を実行する。
【0043】
補正処理を開始したCNC用CPU19は、加工プログラム等に基いて従来と同様のパルス分配処理を実施してX軸方向の分配パルスΔLを求め(ステップa1)、これらの値を各軸の現在位置記憶レジスタに加算して各軸の現在位置記憶レジスタの値を更新し(ステップa2)、更に、従来と同様にして送りネジのピッチ誤差補正量を求める(ステップa3)。当然、分配パルスΔLには符号があり、+X方向の移動ではプラス、−X方向の移動ではマイナスとなる。
【0044】
次いで、CNC用CPU19はX軸の移動方向に反転があったか否かを判別し(ステップa4)、移動方向の反転がなければ、動力伝達系のバックラッシ補正量を記憶するレジスタに0をセットし(ステップa5)、反転後の移動位置を記憶する移動量記憶レジスタLの値がL=0またはL=D−2Aとなっているか否か、つまり、作業点が遅れの補正を必要とする反転移動区間を移動しているか否かを判別する(ステップa7)。遅れの補正を必要とする反転移動区間は図3及び図6から明らかなように0≦L≦D−2Aの範囲であるが、ワーク駆動部に既に最大の撓み|A|が発生した状態で同一方向への作業点の移動が継続して行われるような状況下、例えば、図4および図5に示すように補正値Ca′の値が+Aまたは−Aとなる+X方向および−X方向の移動区間では移動量記憶レジスタLの値が0又はD−2Aで保持されているのでステップa7の判別結果が真であれば、ワーク駆動部に既に最大の撓み|A|が発生した状態で作業点が同方向に移動していることを意味するから、補正値Ca′の値を変える必要はない。この場合、補正値Ca′の値は必然的に+Aまたは−Aである。従って、CNC用CPU19は、パルス分配周期毎のインクリメンタル補正値Ciに0をセットし(ステップa19)、ステップa1で求めたX軸方向の分配パルスΔLとステップa19でセットしたインクリメンタル補正値0およびステップa3で求めたピッチ誤差補正値ならびにステップa5でセットしたバックラッシ補正量0とを加算して当該周期でサーボモータMxに出力すべき移動指令を求め(ステップa16)、従来と同様の加減速処理を行った後(ステップa17)、この移動指令をサーボ制御回路12に出力する(ステップa18)。
【0045】
当然、+X方向への原点復帰を行った後そのまま作業点を+X方向に移動させたような場合では、ステップa4の判別結果が偽、また、L=D−2A(初期設定処理のステップA3参照)でステップa7の判別結果が真となるので、パルス分配周期毎のインクリメンタル補正値Ciの値は0に保持される。−X方向への原点復帰を行った後そのまま作業点を−X方向に移動させた場合もこれと同様である。
(1)−X方向移動から+X方向移動へ反転した場合
−X方向への原点復帰を行ってから作業点を+X方向に移動させた場合や、補正区間を越える−X方向への移動を行なった後+X方向に移動した場合、ステップA4、及び後述するステップa9、a11、a15の処理によってL=0、Ca=−Aにセットされている。そして、ステップa4で移動方向の反転が検出されると、従来と同様にして動力伝達系のバックラッシ補正量を求め(ステップa6)、更に、ステップa1で求めたX軸方向の分配パルスΔL(ΔL>0)を移動位置記憶レジスタLに加算し、該移動位置記憶レジスタLの値である補正区間の位置Lが「0」より小さいか、(D−2A)より大きいか判断して(ステップa9、a10)、補正区間であるか判断し、0<L<D−2Aで補正区間であるときには、(1)式の演算処理を実行し、補正区間の位置Lに対応する補正値Ca´を求める(ステップa13)。
【0046】
そして、求めた補正値Ca´(アブソリュート量)から補正値記憶レジスタCaの値(アブソリュート量)を差し引いて当該周期でサーボモータMxに出力すべきインクリメンタル補正量Ciを求め(ステップa14)、補正値記憶レジスタCaに補正値Ca´に格納し、更新記憶させる(ステップa15)。
【0047】
次にCNC用CPU19は、ステップa1で求めたX軸方向の分配パルスΔLとステップa14で求めたインクリメンタル補正量Ciおよびステップa3で求めたピッチ誤差補正値ならびにステップa6でセットしたバックラッシ補正量とを加算して当該周期でサーボモータMxに出力すべき移動指令を求め(ステップa16)、従来と同様の加減速処理を行った後(ステップa17)、この移動指令をサーボ制御回路12に出力する(ステップa18)。
【0048】
次の周期からは、ステップa1〜a4が実行され、移動方向が反転していないことから、ステップa4からステップa5に移行し、バックラッシ補正量を「0」にセットし、ステップa7で移動位置記憶レジスタLの値が「0」若しくは(D−2A)か否か判断し、偽で、補正区間であると、再び前述したステップa8〜a18の処理を実行する。以下、各周期毎この処理を実行し、各周期ごとのインクリメンタル補正量Ciが分配パルス量ΔLに加算され、補正区間の位置Lに応じた補正値Ca´(アブソリュート量)が移動位置に対して補正された状態となる。
【0049】
上記ステップa1〜a5、a7〜a18の処理を各周期毎実行中に、移動位置記憶レジスタLの値が(D−2A)を越えたことがステップa10で検出されると、移動位置記憶レジスタLに(D−2A)を格納し、補正区間の位置Lを(D−2A)に制限し、ステップa13に移行する。またステップa8で求められた移動位置記憶レジスタLの値が(D−2A)であれば、ステップa10からステップa13へ移行する。すなわち、補正区間(D−2A)を越えた場合には、補正区間の位置Lを(D−2A)に制限する。そして、ステップa13で補正値Ca´を求めるが、この場合、L=D−2AであるからCa´=Aとなり、インクリメンタル補正量Ciはこの補正値AからレジスタCaに記憶する前周期で求めた補正値を差し引いた値となる(ステップa14)。また、補正値記憶レジスタCaには補正値Aが格納され(ステップa15)、前述したステップa16〜a18の処理が実行される。
【0050】
次の周期からは、L=D−2Aであるから、移動方向の反転がない限り、ステップa7からステップa19に移行し、ワーク駆動部の撓みに対する補正(Ci=0)は行われず、分配パルスΔLにピッチ誤差補正量が加算されてサーボモータMxへの移動指令となされる(ステップa16〜a18)。その結果、移動方向が反転せず、+X方向に移動し続ける間は、ステップa8〜a15の処理がなされないから、L=D−2A、Ca=+Aが保持されることになる。
(2)+X方向移動から−X方向移動へ反転した場合
+X方向への原点復帰を行ってから作業点を−X方向に移動させた場合や、前記(1)で述べたように補正区間を越える+X方向への移動を行なった後、−X方向に移動した場合、ステップA3、及び前述したステップa10、a12、a15の処理によってL=D−2A、Ca=+Aにセットされている。そして、ステップa4で移動方向の反転が検出されると、従来と同様にして動力伝達系のバックラッシ補正量を求めた後(ステップa6)、ステップa1で求めたX軸方向の分配パルスΔL(ΔL<0)を移動位置記憶レジスタLに加算し補正区間の位置Lを求め(ステップa8)、前述したステップa9〜a18の処理を実行する。
【0051】
以下、移動位置記憶レジスタLの値が「0」になるまで各周期毎ステップa1〜a5、a7〜a18の処理が実行される。この場合、ステップa1で求められる分配パルスΔLは負の値であるから、移動位置記憶レジスタLの値は各周期毎順次減少していき、ステップa13で求める補正値Ca´(及びレジスタCa)の値は最初は+Aであったものが順次減少し、インクリメンタル補正量Ciも負となり(ステップa14)、サーボモータMxへの移動指令に負の補正量Ciが順次加算され(ステップa16)、作用点の遅れが順次補正されることになる。
【0052】
そして、ステップa9で「0」を越えたことが検出すれると(なおステップa8で求めたLの値が「0」である場合には、ステップa10を介してステップSa13に移行する)、ステップa11に移行して移動位置記憶レジスタLに「0」を格納し、この値に基づいて補正値Ca´を求め(Ca´=−A)、前周期に求めた補正値との差であるインクリメンタル補正量Ciを求め(ステップa14)、レジスタCaに補正値Ca´(=−A)を格納し、前述したステップa16〜a18の処理を行なう。
【0053】
次の周期からは、L=0であるから、移動方向の反転がない限り、ステップa7からステップa19に移行し、ワーク駆動部の撓みに対する補正(Ci=0)は行われず、分配パルスΔLにピッチ誤差補正量が加算されてサーボモータMxへの移動指令となされる(ステップa16〜a18)。その結果、移動方向が反転せず、−X方向に移動し続ける間は、ステップa8〜a15の処理がなされないから、L=0、Ca=−Aが保持されることになる。
(3)補正区間0〜D−2Aを移動中に反転が生じた場合
上述したように、移動位置記憶レジスタLには、補正区間の位置Lが記憶され、補正値記憶レジスタCaにはすでに補正した補正値が記憶されており、移動方向反転が検出されたときには、ステップa8で、移動位置記憶レジスタLに記憶している補正区間の位置にステップa1で求められた分配パルス量ΔLを加算することによって、この周期の出力により移動する補正区間の位置を求め、この位置に対応する補正値Ca´をステップa13で求め、該補正値Ca´から補正値記憶レジスタCaに記憶する前周期までの補正値を減じてインクリメンタル補正量Ciを求め、この補正量Ciを分配パルスΔLに加算して出力すればよい。
【0054】
このように、補正区間の位置に対応する補正値(アブソリュート値)が記憶されているから、方向反転時におけるその時点の補正値(Caの値)が分かり、この補正値Caと補正区間の位置Lによって求めた補正値Ca´によって当該周期の補正量Ciが求まる。以後は前記(1)、(2)で求めたときと同一の補正処理となる。
【0055】
以上に述べた実施形態においては、反転移動開始後の補正区間の位置Lに基いてその位置Lに対する補正値Ca´を求め、前周期で求めた補正値との差によって当該周期で出力すべきインクリメンタル補正量Ciを求めるようにしているが、インクリメンタル補正量Ciをその処理周期におけるX軸方向の分配パルスΔLに基いて直に算出するようにすることもできる。
【0056】
図6において、分配パルス量ΔLに対して、インクリメンタル補正量Ciは、次の(3)式で求まる。
【0057】
Ci=〔2A/(D−2A)〕・ΔL …(3)
分配パルス量ΔLは、符号を有しているから、インクリメンタル補正量Ciも符号を有することになり、このインクリメンタル補正量Ciを積算し、+X方向の移動であれば、この積算値が+Aになると補正処理を停止し、また−X方向の移動であればインクリメンタル補正量Ciの積算値が−Aになると補正処理を停止すればよい。
【0058】
そうした場合の処理操作について、図9および図10のフローチャートを参照して簡単に説明する。
【0059】
図9に示す初期設定処理は、基本的に、前述した図7の初期設定処理と同一である。但し、この場合は移動位置記憶レジスタLは不要であり、補正値記憶レジスタCa″に初期値A(プラス方向から原点復帰した場合)もしくは−A(マイナス方向から原点復帰した場合)をセットするだけである(ステップB3およびステップB4参照)。
【0060】
図10に示す補正処理においても、ステップb1〜ステップb6およびステップb17〜ステップb19の処理に関しては、前述した図8の補正処理におけるステップa1〜ステップa6およびステップa16〜ステップa18の処理と全く同様である。
【0061】
補正処理を開始したCNC用CPU19は、前述した実施形態の場合と同様にしてステップb1〜ステップb3の処理を実行した後、移動方向の反転の有無を判別する(ステップb4)。そして、移動方向の反転がなければ、CNC用CPU19は、バックラッシ補正値に0をセットし(ステップb5)、インクリメンタル補正量Ciの積算値を記憶する補正値記憶レジスタCa″の値が|Ca″|≧Aであるか否かを判別する(ステップb7)。
【0062】
ステップb7の判別処理は、遅れの補正を必要とする補正区間内に作業点が位置するか否かを判定するための処理である。
【0063】
|Ca″|≧Aであって遅れの補正を必要とする補正区間内に作業点がなければ、CNC用CPU19はインクリメンタル補正量Ciを「0」にし(ステップb16)、ステップb17〜ステップb19の処理を図8に示した補正処理の場合と同様にして実施し、この周期の処理を終了する。
【0064】
また、ステップb4の判別処理で移動方向の反転が検出された場合、CNC用CPU19は、バックラッシ補正値を従来と同様にして算出し(ステップb6)、ステップb1の処理で求めたΔLの値に基いて当該周期でサーボモータMxに出力すべきインクリメンタル補正値Ciの値を(3)式の演算処理を行なうことによって求め(ステップb8)、更に、補正値Ciの値を補正値記憶レジスタCa″に加算して現時点におけるアブソリュートの補正値を求めて、この値を補正値記憶レジスタCa″に更新記憶する(ステップb9)。
【0065】
ステップb9の処理で算出された現時点における補正値Ca″の値が|Ca″|≧Aとなった状態で補正区間を越えている場合には、Ciの値をそのまま用いて補正を行ってしまうと、アブソリュートの補正値の値がワーク駆動部の撓みの最大値を越えてしまうことになる。そこで、Ca″≧Aとなってしまった場合、CNC用CPU19は、インクリメンタル補正値Ciの値をA−(Ca″−Ci)に再設定し、Ca″にAを再設定する(ステップb10〜ステップb12)。また、Ca″≦−Aとなってしまった場合にはインクリメンタル補正値Ciの値を−A+(Ca″−Ci)に再設定し、Ca″に−Aを再設定する(ステップb13〜ステップb15)。
【0066】
いずれの場合もステップb11もしくはステップb14で最終的に算出されたCiの値をステップb9実行前のCa″の値に加算すれば、Ca″の値は+Aもしくは−Aに一致し、アブソリュートの補正値の値がワーク駆動部の撓みの最大値に一致させるようにするためのものである。つまり、ステップb10〜ステップb12の処理は図8の補正処理におけるステップa10,ステップa12に代わる処理であり、また、ステップb13〜ステップb15の処理は図8の補正処理におけるステップa9,ステップa11に代わる処理である。
【0067】
また、ステップb10およびステップb13の判別結果が共に偽となって|Ca″|<Aであり、補正区間内の場合は、ステップb8で求めたインクリメンタル補正値Ciの値を用いてそのまま補正操作を行っても過剰な補正が行われないことは明らかなので、CNC用CPU19はステップb8で求めた補正値Ciの値をそのまま維持する。
【0068】
以下、CNC用CPU19はステップb17〜ステップb19の処理を図8に示した補正処理の場合と同様にして実施し、この周期の処理を終了する。
【0069】
インクリメンタル補正値Ciの値をその処理周期におけるX軸方向の分配パルスΔLに基いて直に算出すると共に補正値Ca″の現在値に基いて補正の調整の必要の有無を判定するようにした実施形態について簡単に説明したが、要するに、判定基準となる情報を取り出す対象が移動量であるか補正量であるかの相違と、インクリメンタル補正値を求めるための処理操作を当該処理周期のアブソリュート補正値と前周期のアブソリュート補正値とに基いて行うか当該処理周期の分配パルスΔLのみに基いて行うかが違うだけで、図7および図8に示した最初の実施形態と作用効果上での差を生じるものではない。
【0070】
【発明の効果】
本発明によれば、作業点の移動や反転に際し、駆動点と作用点間に距離があるときなど機械構成要素の剛性の不足や摺動抵抗等による外乱の負荷で機械の各部に撓みが生じるような場合であっても、撓みを原因とする作業点の位置ずれを駆動制御上の処理操作だけで容易に解消することができる。
【0071】
特に、加工槽の移動によって生じる摺動抵抗によってワイヤ電極を保持するアームやワーク駆動部等に撓みの生じ易いワイヤ放電加工機等に用いて好適であり、従来のバックラッシ補正やピッチ誤差補正等では解消され得なかった撓みによる位置ずれを適確に修正して、各軸の移動方向反転させながら行う円または楕円等の穴加工を確実に行うことができる。
【0072】
更に、撓み防止のために機械の構成要素自体の剛性を強化するといった必要性がないので、位置決め精度に優れた産業機械を安価な価格で提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ワイヤ放電加工機とその制御装置の構成の概略を示すブロック図である。
【図2】ワイヤ放電加工機におけるアームと加工槽との係合部の概略を示す斜視図である。
【図3】作業点を+X方向に移動させてから−X方向に反転移動させるものとして、ワーク駆動部の撓みによって生じる位置ずれの発生状況を示した概念図である。
【図4】補正値と遅れとの関係を示す作用原理図である。
【図5】補正値と遅れとの関係を示す作用原理図である。
【図6】反転後の移動位置と補正値の関係を図3に対応させて示す作用原理図である。
【図7】一実施形態における初期設定処理の概略を示すフローチャートである。
【図8】同実施形態における補正処理の概略を示すフローチャートである。
【図9】別の実施形態における初期設定処理の概略を示すフローチャートである。
【図10】同実施形態における補正処理の概略を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 ベッド
2 コラム
3 UV軸,Z軸
4 アームカバー
5 クロステーブル
6 加工槽
7 ワイヤ電極
8 フランジ
9 シール板
10 ベアリング
11 制御装置
12 サーボ制御回路
13 サーボ制御回路
14 加工液制御回路
15 ワイヤ制御回路
16 放電制御回路
17 ROM
18 RAM
19 CNC用CPU
20 バス
21 PMC用CPU
22 表示制御回路
23 ディスプレイ付き手動データ入力装置

Claims (3)

  1. 駆動源からの力がかかる被駆動体の駆動点と作業点との間に機械の撓みによる遅れが生じる機械において、駆動点に対する作業点の最大遅れ量を予め求めておき、前記駆動点の移動方向反転後の移動において前記遅れを補正する補正区間を決め、移動方向反転後、前記遅れを補正する補正量の積算値が前記最大遅れに達するまで、前記補正区間に対する前記最大遅れと移動方向反転後の移動指令値に基づいて前記補正量を求めてこの補正量を移動指令値に加算して移動指令値として出力するようにしたことを特徴とする加工作用点の位置ずれ補正方法。
  2. 駆動源からの力がかかる被駆動体の駆動点と作業点との間に機械の撓みによる遅れが生じる機械において、駆動点に対する作業点の最大遅れ量を予め求めておき、前記駆動点の移動方向反転後の移動において前記遅れを補正する補正区間を決め、遅れに対応する補正値を記憶する記憶手段を設け、反転時には、前記補正区間と前記最大遅れ量および移動指令値に基いて新たな補正値を求め、該新たな補正値前記記憶手段に記憶された補正値との差を移動指令値に加算して移動指令値として出力し、前記求めた補正値を記憶手段に格納して更新記憶し、前記記憶手段に記憶された補正値の絶対値が前記最大遅れ量となると前記移動指令値をそのまま移動指令値として出力するようにしたことを特徴とする加工作用点の位置ずれ補正方法。
  3. 遅れが最大遅れ量となっている状態から駆動点を反転移動させてその遅れが再び最大遅れ量となるときの反転後の前記駆動点の移動区間を測定し、この移動区間を前記補正区間とする請求項1または請求項2記載の加工作用点の位置ずれ補正方法。
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