JP5780110B2 - 放電加工装置およびその制御方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電極によってワークへの放電加工を行う放電加工装置およびその制御方法に関する。
従来、この種の放電加工装置では、一般的に図7に示すようなプロセスで放電加工を行う。すなわち、(1)電極111からワークW表面への放電によってワークWの表面の一部が除去される。これにより、電極111とワークWとの間の隙間(ギャップ)が拡大する。そのギャップの拡大分、電極111をワークW側に移動させ、放電しやすい状態を維持する。
ここで、電極111からワークW表面への放電に伴って、加工液中に気泡Bが発生する。また、ワークWの表面の一部が除去されることによってスラッジSが発生する。
(2)加工が進むにつれ、スラッジSが電極111とワークWとの間に溜まる。そのスラッジSにより、電極111とワークWとが短絡状態になる。
(3)短絡状態を解消する為に電極111をワークWから遠ざかる側に移動させる。短絡状態が解消されて開放状態になったら(1)の放電状態に戻る。
ちなみに特許文献1には、電極をサーボモータで駆動することが記載されている。
特開2009−226559号公報
しかしながら、上記従来技術では、上記(1)〜(3)の合計時間に対して、実際に加工が行われる(1)の時間の占める割合が15%程度にしかならず、加工効率が低いという問題がある。その原因として、電極駆動の応答性が低いことが挙げられる。
本発明は上記点に鑑みて、加工効率を向上させることを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、ワーク(W)に対して放電を行う電極(111)と、
電極(111)をワーク(W)に対して近づく方向および遠ざかる方向に駆動する電極駆動手段(13)と、
電極駆動手段(13)を制御する制御手段(17)とを備え、
電極駆動手段(13)は、超音波振動を利用する超音波モータであり、
制御手段(17)は、超音波モータ(13)を駆動するための電圧信号を、電極(111)からワーク(W)への放電状態に基づいて生成した電圧波形(P1)に過電圧波形(P2)を付加することによって生成するものであり、
制御手段(17)は、過電圧波形(P2)の大きさを電圧波形(P1)の大きさに基づいて決定することを特徴とする。
これによると、電極駆動手段(13)が超音波モータであるので、電極駆動手段がサーボモータである場合に比べて電極駆動の応答性を向上することが可能になる。
ここで、電極の駆動にはメカ慣性による静摩擦や初期トルク等の抵抗が存在するので、超音波モータに電圧信号を出力しても電極が追従しない不感帯領域が存在することとなる。
その点に鑑みて、超音波モータ(13)を駆動するための電圧信号を、電極(111)からワーク(W)への放電状態に基づいて生成した電圧波形(P1)に過電圧波形(P2)を付加することによって生成するので、メカ慣性による静摩擦や初期トルク等の抵抗に抗して電極(111)の追従性を向上させることができる。よって、加工効率を向上させることができる。
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の発明において、制御手段(17)は、電極(111)の移動方向が反転する場合、電極(111)の移動方向が反転しない場合に比べて過電圧波形(P2)の大きさを増加させることを特徴とする。
これにより、電極(111)の移動方向が反転するときに生じる大きな慣性力に抗して電極(111)の追従性を向上させることができる。よって、加工効率を一層向上させることができる。
また例えば、請求項に記載の発明のように、請求項1または2に記載の発明において、制御手段(17)は、過電圧波形(P2)の大きさをワーク(W)の加工深さに基づいて決定すればよい。
請求項に記載の発明では、請求項1ないしのいずれか1つに記載の発明において、制御手段(17)は、割込回路(172)をもつCPUを有し、放電状態の読み込み処理、電圧信号の生成処理および電圧信号の出力処理を割込回路(172)で行うことを特徴とする。
これにより、超音波モータ(13)を駆動するための電圧信号の周期を高密度化することができるので、超音波モータ(13)の高応答性を有効に活用して電極(111)の追従性を一層向上することができる。よって、加工効率を一層向上させることができる。
請求項に記載の発明では、ワーク(W)に対して放電を行う電極(111)と、
電極(111)をワーク(W)に対して近づく方向および遠ざかる方向に駆動する電極駆動手段(13)とを備える放電加工装置を制御する制御方法であって、
電極駆動手段(13)として、超音波振動を利用する超音波モータを用い、
超音波モータ(13)を駆動するための電圧信号を、電極(111)からワーク(W)への放電状態に基づいて生成した電圧波形(P1)に過電圧波形(P2)を付加することによって生成し、
過電圧波形(P2)の大きさを電圧波形(P1)の大きさに基づいて決定することを特徴とする。
これによると、上記した請求項1に記載の発明と同様の作用効果を得ることができる。
請求項に記載の発明では、請求項に記載の発明において、電極(111)の移動方向が反転する場合、電極(111)の移動方向が反転しない場合に比べて過電圧波形(P2)の大きさを増加させることを特徴とする。
これによると、上記した請求項2に記載の発明と同様の作用効果を得ることができる。
例えば、請求項に記載の発明のように、請求項5または6に記載の発明において、過電圧波形(P2)の大きさをワーク(W)の加工深さに基づいて決定すればよい。
請求項に記載の発明では、請求項ないしのいずれか1つに記載の発明において、放電状態の読み込み処理、電圧信号の生成処理および電圧信号の出力処理をCPUの割込回路(172)で行うことを特徴とする。
これによると、上記した請求項に記載の発明と同様の作用効果を得ることができる。
以上では、本発明を放電加工装置の発明および放電加工装置の制御方法の発明として把握した場合について説明したが、本発明を放電加工方法の発明として把握することも可能である。
なお、この欄および特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
一実施形態における放電加工装置を示す全体構成図である。 図1の放電加工装置の電気制御部を示すブロック図である。 図2の高速割込回路で処理する制御処理と、通常の処理回路で処理する制御処理とを説明する図である。 一実施形態における制御装置による超音波モータ用ドライバへの出力信号波形の生成処理の概要を示すフローチャートである。 電極とワークとの間の隙間と放電電源の電圧との相関関係を説明する図である。 一実施形態における制御装置が超音波モータ用ドライバへ出力するパルス制御信号の例を示す図である。 従来技術における放電加工のプロセスを説明する図である。
以下、一実施形態における放電加工装置およびその制御方法を説明する。放電加工装置は、治具10、電極ユニット11、放電電源12、超音波モータ13、ガイド14、モータ支持部15、超音波モータ用ドライバ16、制御装置17および電極位置センサ18を備えている。
治具10は、ワークW(被加工物)を保持する。図示を省略しているが、治具10は、ワークWの姿勢を変更させる機構を有している。
電極ユニット11は、電極111および電極支持部112を有している。電極111は細い針状の部材であり、その先端部がワークWに対向するように電極支持部112に支持されている。
放電電源12は、電極111に放電電圧をかけるための電源手段である。放電電源12が電極111に放電電圧をかけることにより、電極111からワークWへ放電が行われ、この放電によりワークWの一部が除去されて放電加工が行われる。
超音波モータ13は、電極支持部112を上下方向に駆動する電極駆動手段である。ガイド14は、電極支持部112の上下方向の移動をガイドする。超音波モータ13が電極支持部112を上下方向に駆動することにより電極111も上下方向に移動する。その結果、電極111の先端部がワークWに近づいたり遠ざかったりする。
なお、超音波モータ13とは、超音波振動を利用して被駆動体を駆動する方式のモーターのことであり、サーボモータに比べて非常に高い応答性を有している。
モータ支持部15は、超音波モータ13を定位置に固定支持するための支持手段である。超音波モータ用ドライバ16は、超音波モータ13を駆動する駆動ドライバである。
制御装置17は、超音波モータ13を制御する制御手段をなすものであり、超音波モータ13を駆動するための電圧信号(パルス信号)を超音波モータ用ドライバ16に出力する。
制御装置17は、CPU、ROMおよびRAM等を含む周知のマイクロコンピュータとその周辺回路から構成され、そのROM内に記憶された制御プログラムに基づいて各種演算、処理を行い、出力側に接続された各種機器の作動を制御するための制御電圧、制御信号等を出力するものである。本例では、制御装置17はPLC(プログラマブルロジックコントローラ)で構成されている。
制御装置17には、電極位置センサ18の検出信号が入力される。電極位置センサ18は、電極111の上下方向位置を検出するためのセンサであり、本例では、電極位置センサ18として、電極支持部112の上下方向位置を検出するレーザ変位計が用いられている。
電極位置センサ18が電極支持部112の上下方向位置を検出することにより電極111の上下位置を把握でき、ひいてはワークWの加工深さ(放電加工の進展状態)を把握することができる。
また、制御装置17には、放電電源12の放電状態(放電電圧)が入力される。なお、制御装置17は、放電電源12に対して、放電の開始・停止を指令する指令信号を出力する。
また、制御装置17は、設備制御用PLC20との間で制御信号を入出力する。設備制御用PLC20は、工程全体の設備を制御するための制御装置である。
図2は、上記構成における電気制御部を示すブロック図である。制御装置17のCPUは、ネットワーク回路171および高速割込回路172を有している。
ネットワーク回路171は、外部機器との間で制御信号を入出力するための回路であり、本例では設備制御用PLC20との間で制御信号を入出力する。高速割込回路172は、パルス信号が入力されると割り込み処理を高速で実施する回路であり、通常の処理回路での処理に比べ数倍〜数十倍以上の速度で処理することができる。
制御装置17は、パルス発生器173、高応答A/D回路174および高応答D/A回路175を有している。パルス発生器173は、パルス信号を短い周期(例えば0.4ms)で発生して高速割込回路172へ出力する。
高応答A/D回路174は、放電電源12の放電状態(放電電圧)と、電極位置センサ18の検出信号とが入力され、それらをデジタル信号に変換する。高速割込回路172は、高応答A/D回路174で変換されたデジタル信号に基づいて超音波モータ13を駆動するための電圧波形を生成する。そして、高応答D/A回路175は、高速割込回路172で生成された電圧波形をアナログ信号に変換して超音波モータ用ドライバ16へ出力する。
CPUは、放電加工に直接的に必要な制御処理を高速割込回路172で超高速で処理し、それ以外の補助的な制御処理を通常の処理回路で処理する。高速割込回路172で処理する制御処理としては、図3(a)に示すように、放電状態読込、電極位置読込、波形生成および波形出力が挙げられる。
放電状態読込とは、放電電源12の放電状態(放電電圧)を読み込む処理のことである。電極位置読込とは、電極位置センサ18の検出信号を読み込む処理のことである。波形生成とは、超音波モータ13を駆動するための電圧波形を生成する処理のことである。波形出力とは、生成した電圧波形を超音波モータ用ドライバ16へ出力する処理のことである。
通常の処理回路で処理する制御処理としては、図3(b)に示すように、初期設定、他コントローラ信号交換、各種異常検出・処理、自動運転処理、各個運転処理、システム処理等が挙げられる。これらの処理は、非放電加工時および加工余剰時間(放電加工の際に高速割り込み処理を行って余った時間)で処理される。
初期設定とは、パラメータ設定等の処理のことである。他コントローラ信号交換とは、他CPUと加工情報等の信号交換を行うことであり、例えば設備制御用PLC20との信号交換を行う。システム処理とは、制御装置17自身のシステム処理を行うことであり、例えばI/O&ユニットのリフレッシュ、ツール処理および共通処理システム等を行う。
図4は、高速割込回路172が行う制御処理の概要を示すフローチャートであり、図示しないメインルーチンのサブルーチンとして実行される。まずステップS100では放電状態を読み込む。具体的には、放電電源12の電圧を読み込む。
ここで、放電電源12の電圧は、電極111とワークWとの間の隙間(ギャップ)の大きさと相関関係がある。このことを図5を用いて説明する。電極111とワークWとの間に所定の隙間Gがある状態で放電させた時、この隙間Gを小さくしていくと電圧は小さくなっていき、電極111の先端部がワークWに接触した時点で短絡状態となって電圧はゼロとなる。反対に、隙間Gを大きくしていくと電圧は大きくなっていく。
よって、電極111とワークWとの間にかかる電圧(放電状態)から、電極111とワークWとの隙間、即ちワークWに対する電極111の位置(相対位置)を把握することができる。
続くステップS110では目標放電状態と放電状態との差分(目標放電状態−放電状態)を算出する。具体的には、目標放電状態は、最適な放電状態となるとき、即ち電極111とワークWとの間の隙間Gが最適な大きさになっているときの電圧値(目標電圧値)のことであり、この電圧値は予めROMやRAM等に記憶されている。
続くステップS120では電極駆動方向を選択する。具体的には、ステップS110で算出した目標放電状態と放電状態との差分が負の値である場合、電極111とワークWとの間の隙間Gが最適な大きさよりも小さくなっていると判断して戻し側方向(ワークWから遠ざかる方向)を選択する。一方、ステップS110で算出した目標放電状態と放電状態との差分が正の値である場合、電極111とワークWとの間の隙間Gが最適な大きさよりも大きくなっていると判断して動作側方向(ワークWに近づく方向)を選択する。
動作側方向を選択した場合、ステップS130で動作側出力波形を算出し、ステップS150へ進む。一方、戻し側方向を選択した場合、ステップS140で戻し側出力波形を算出し、ステップS150へ進む。
ステップS130、S140で算出される出力波形は、電極111とワークWとの間の隙間をほぼ一定に維持するための電圧波形である。本例では、ステップS130の動作側出力波形は正パルス波形になり、ステップS140の戻し側出力波形は逆パルス波形になる。
動作側方向の場合と戻し側方向の場合とで出力波形を算出するステップを別にしている理由は、外部要因を考慮して出力波形を算出するためである。外部要因の例としては重力が挙げられる。
即ち、動作側方向の場合、本例では電極111を下方側へ駆動させることとなるので重力が手助けになるが、戻し側方向の場合、本例では電極111を上方側へ駆動させることとなるので重力が負荷となる。そのため、動作側方向の場合はステップS130にて重力の手助けを考慮して出力波形を算出し、戻し側方向の場合はステップS140にて重力の負荷を考慮して出力波形を算出する。
ステップS150では電極位置を読み込む。具体的には、電極位置センサ18の検出信号を読み込む。
続くステップS160では、ステップS130、S140で算出した出力波形に加え、電極位置による出力波形可変値を反映する。即ち、ステップS150で読み込んだ電極位置によりワークWの加工深さ(加工の進み具合)を把握できるので、ステップS130、S140で算出した出力波形をワークWの加工深さ(時間経過)に応じて適宜補正する。なお、このステップS160を省略して、ステップS130、S140で算出した出力波形を補正しないようにしてもよい。
続くステップS170では、加速パルス用出力波形を算出する。ここで、加速パルス用出力波形を図6を用いて説明する。加速パルス用出力波形P2は、ステップS130〜S160で算出された出力波形P1の始め(立ち上がり部)に付加される過電圧波形(始めの瞬時過電圧出力)である。
この加速パルス用出力波形P2は、電極111の始動を補助して電極111の追従性を向上させる役割を果たす。すなわち、電極111の駆動にはメカ慣性による静摩擦や初期トルク等の抵抗が存在するので、出力波形P1を出力しても電極111が追従しない不感帯領域が存在することとなる。
そこで、出力波形P1の始めに、不感帯領域以上の加速パルス用出力波形P2を加えることによって、電極111を加速させてメカ慣性による静摩擦や初期トルク等の抵抗をキャンセルすることができる。したがって、加速パルス用出力波形P2によって形成される瞬時過電圧出力を加速パルスと表現することができる。
なお、図6では、電極駆動方向が動作側方向(ワークWに近づく方向)である場合の例を示しているので、出力波形P1および加速パルス用出力波形P2が正パルス波形になっているが、電極駆動が戻し側方向(ワークWから遠ざかる方向)の場合は出力波形P1および加速パルス用出力波形P2が逆パルス波形となる。
本例では、加速パルス用出力波形P2の大きさa2を、ステップS130〜S160で算出された出力波形P1の大きさa1に所定の係数を乗算して算出する。また本例では、加速パルス用出力波形P2のパルス幅を、予め設定された一定値(固定値)とする。
なお、出力波形の電圧値に乗算する係数を可変にしてもよいし、加速パルス用出力波形の電圧値を一定値にしてもよい。例えばステップS110で算出した目標放電状態と放電状態との差分(目標放電状態−放電状態)が0に近いとステップS130〜S160で出力波形P1の大きさa1を小さくするような場合、出力波形P1の大きさa1に乗算する係数を可変にしたり、加速パルス用出力波形P2の大きさa2を一定値にすることが考えられる。
また、例えば加速パルス用出力波形P2の大きさa2をワークWの加工深さ(時間経過)に基づいて算出するようにしてもよい。また、加速パルス用出力波形P2のパルス幅も可変にしてもよい。
続くステップS180では、前回出力の反転出力か否かを判定する。具体的には、前回の出力波形が動作側の出力波形(正パルス波形)で今回の出力波形が戻し側の出力波形(逆パルス波形)である場合、または前回の出力波形が戻し側の出力波形(逆パルス波形)で今回の出力波形が動作側の出力波形(正パルス波形)である場合、前回出力の反転出力であると判定してステップS190へ進み、それ以外の場合、前回出力の反転出力でないと判定してステップS200へ進む。
ステップS190では、加速パルス用出力波形P2を増大させる。具体的には、ステップS170で算出した加速パルス用出力波形P2の大きさa2を増加させる補正を行う。例えば、ステップS170で算出した加速パルス用出力波形P2の大きさa2に所定の係数を乗算して補正する。
なお、加速パルス用出力波形P2の大きさa2に乗算する係数を可変にしてもよい。また、ステップS170で算出した加速パルス用出力波形P2の大きさa2に対する増加量を一定にしてもよい。
加速パルス用出力波形P2を増大させることにより、電極111の移動方向が反転するときに生じる大きな慣性力をキャンセルすることができる。
そして、ステップS200では、出力波形P1と加速パルス用出力波形P2とで生成された波形電圧パターンを出力する。この波形電圧パターンに基づいて超音波モータ用ドライバ16が超音波モータ13を駆動し、その結果、電極111がワークWに対して近づく方向および遠ざかる方向のいずれかに駆動される。
次に、上記構成における作動を説明する。電極111とワークWとの間に隙間がある状態で放電電源12が電極111に放電電圧をかけると、電極111からワークWの表面へ放電が行われ、この放電によってワークWの表面の一部が除去される。これにより、電極111とワークWとの間の隙間が大きくなる。
上述のステップS100で説明したように、電極111とワークWとの間の隙間が大きくなると放電電源12の電圧が大きくなる。この場合、上述のステップS110〜S130で説明したように、制御装置17は動作側出力波形(正パルス波形)を生成するので、電極111がワークWに近づく側(本例では下方側)に駆動される。これにより、電極111とワークWとの間の隙間が小さくなる。
上述のステップS100で説明したように、電極111とワークWとの間の隙間が小さくなると放電電源12の電圧が小さくなる。この場合、上述のステップS110、S120、S140で説明したように、制御装置17は戻し側出力波形(逆パルス波形)を生成するので、電極111がワークWから遠ざかる側(本例では上方側)に駆動される。
このように電極111とワークWとの間の隙間の大きさに応じて電極111がワークWに対して近づく方向および遠ざかる方向に駆動されることによって、電極111とワークWとの間の隙間がほぼ一定に維持され、その結果、放電しやすい状態が維持される。
本実施形態によると、非常に高い応答性をもつ超音波モータ13で電極111を駆動するので、上記従来技術のようにサーボモータでで電極を駆動する場合に比べて電極駆動の応答性を向上することが可能になる。
さらに、本実施形態によると、上述のステップS170で説明したように、電極111とワークWとの間の隙間をほぼ一定に維持するための出力波形P1に、電極111を加速するための加速パルス用出力波形P2を付加するので、メカ慣性による静摩擦や初期トルク等の抵抗をキャンセルすることができる。換言すると電極111の始動を補助することができ、ひいては電極111の追従性を一層向上することができる。よって、加工効率を向上させることができる。
さらに、上述のステップS190で説明したように、電極111の移動方向が反転する場合、電極111の移動方向が反転しない場合に比べて加速パルス用出力波形P2の大きさa2を増加させるので、電極111の移動方向が反転するときに生じる大きな慣性力をキャンセルすることができる。よって、電極111の移動方向が反転するときにも電極111の追従性を向上させることができるので、加工効率を一層向上させることができる。。
また、上述のステップS170で説明したように、加速パルス用出力波形の大きさを、ステップS130、S140で算出した出力波形の大きさやワークWの加工深さに基づいて決定すれば、電極111の追従性を確実に向上させることが可能になり、ひいては加工効率を確実に向上させることが可能になる。
また、制御装置17は、放電加工に直接的に必要な制御処理である放電状態の読み込み処理、出力波形の生成処理および出力波形の出力処理をCPUの高速割込回路172によって行うので、超音波モータ13への出力の周期を高密度化することができる。このため、超音波モータ13の高応答性を有効に活用して電極111の追従性を一層向上させることができるので、加工効率を一層向上させることができる。
(他の実施形態)
上記実施形態では、放電加工に直接的に必要な制御処理をCPUの高速割込回路172で処理するが、CPUの通常の処理回路が十分な処理速度をもっている場合は、放電加工に直接的に必要な制御処理をCPUの通常の処理回路で行ってもよい。
上記実施形態では、ステップS130〜S160で算出された出力波形P1の始め(立ち上がり部)に加速パルス用出力波形P2を付加するが、加速パルス用出力波形P2を付加するタイミングを、出力波形P1の始めよりも若干後にずらしてもよい。
13 超音波モータ(電極駆動手段)
17 制御装置(制御手段)
111 電極
W ワーク

Claims (8)

  1. ワーク(W)に対して放電を行う電極(111)と、
    前記電極(111)を前記ワーク(W)に対して近づく方向および遠ざかる方向に駆動する電極駆動手段(13)と、
    前記電極駆動手段(13)を制御する制御手段(17)とを備え、
    前記電極駆動手段(13)は、超音波振動を利用する超音波モータであり、
    前記制御手段(17)は、前記超音波モータ(13)を駆動するための電圧信号を、前記電極(111)から前記ワーク(W)への放電状態に基づいて生成した電圧波形(P1)に過電圧波形(P2)を付加することによって生成するものであり、
    前記制御手段(17)は、前記過電圧波形(P2)の大きさを前記電圧波形(P1)の大きさに基づいて決定することを特徴とする放電加工装置。
  2. 前記制御手段(17)は、前記電極(111)の移動方向が反転する場合、前記電極(111)の移動方向が反転しない場合に比べて前記過電圧波形(P2)の大きさを増加させることを特徴とする請求項1に記載の放電加工装置。
  3. 前記制御手段(17)は、前記過電圧波形(P2)の大きさを前記ワーク(W)の加工深さに基づいて決定することを特徴とする請求項1または2に記載の放電加工装置。
  4. 前記制御手段(17)は、割込回路(172)をもつCPUを有し、前記放電状態の読み込み処理、前記電圧信号の生成処理および前記電圧信号の出力処理を前記割込回路(172)で行うことを特徴とする請求項1ないしのいずれか1つに記載の放電加工装置。
  5. ワーク(W)に対して放電を行う電極(111)と、
    前記電極(111)を前記ワーク(W)に対して近づく方向および遠ざかる方向に駆動する電極駆動手段(13)とを備える放電加工装置を制御する制御方法であって、
    前記電極駆動手段(13)として、超音波振動を利用する超音波モータを用い、
    前記超音波モータ(13)を駆動するための電圧信号を、前記電極(111)から前記ワーク(W)への放電状態に基づいて生成した電圧波形(P1)に過電圧波形(P2)を付加することによって生成し、
    前記過電圧波形(P2)の大きさを前記電圧波形(P1)の大きさに基づいて決定することを特徴とする放電加工装置の制御方法。
  6. 前記電極(111)の移動方向が反転する場合、前記電極(111)の移動方向が反転しない場合に比べて前記過電圧波形(P2)の大きさを増加させることを特徴とする請求項に記載の放電加工装置の制御方法。
  7. 前記過電圧波形(P2)の大きさを前記ワーク(W)の加工深さに基づいて決定することを特徴とする請求項5または6に記載の放電加工装置の制御方法。
  8. 前記放電状態の読み込み処理、前記電圧信号の生成処理および前記電圧信号の出力処理をCPUの割込回路(172)で行うことを特徴とする請求項ないしのいずれか1つに記載の放電加工装置の制御方法。
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