JP2012115962A - 放電加工装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】被加工物および加工電極の材質や形状、加工液の種類やその状態、あるいは機械の個体差等による誤差を生ずることなく、加工安定度の指標を与える放電間隙の状態を推定し、加工不安定の抑制制御が行える放電加工装置を得ること。
【解決手段】加工開始直後に印加される最初の加工パルスによる放電周期において取得された極間電圧は、放電間隙が加工屑等の影響がなくクリアな状態であるときに取得されたものであるから、それを基準極間電圧として記憶し、その基準極間電圧と加工中の極間電圧との差分を算出し、差分が閾値を超えたとき、放電間隙が加工不安定の状態にあると推定し、加工屑の排出制御と加工屑の発生抑制制御の少なくとも一方の加工不安定の抑制制御を行う。
【選択図】図1
【解決手段】加工開始直後に印加される最初の加工パルスによる放電周期において取得された極間電圧は、放電間隙が加工屑等の影響がなくクリアな状態であるときに取得されたものであるから、それを基準極間電圧として記憶し、その基準極間電圧と加工中の極間電圧との差分を算出し、差分が閾値を超えたとき、放電間隙が加工不安定の状態にあると推定し、加工屑の排出制御と加工屑の発生抑制制御の少なくとも一方の加工不安定の抑制制御を行う。
【選択図】図1
Description
本発明は、放電加工装置に関するものである。
被加工物と加工電極との間の放電間隙にパルス電圧を印加して発生させた放電現象を利用して被加工物を加工する場合、放電間隙を満たす加工液中に、発生ガスと共に、放電により溶融除去された被加工物の一部が加工屑として浮遊し介在するので、放電間隙の状態は、放電加工の進行に伴って時々刻々と変化する。放電間隙における放電状態も時々刻々と変化するから、放電間隙における電気的インピーダンスが時々刻々と変動する。その結果、同一加工条件であっても、放電間隙に現れる極間電圧は、その時々で異なることになり、加工安定度が劣化する方向へ変化する。
このように加工液中に加工屑やガスが浮遊することに起因した放電間隙の状態変化が加工安定度に作用し加工性能や加工効率に大きな影響を与えるので、従来から、放電加工時に放電間隙の状態を推定する方法が種々提案されている(例えば特許文献1〜4等)。
すなわち、特許文献1では、放電電圧波形を放電状態の適正度に対応させて予め複数個の基準パターンとして記憶し、実際の放電電圧の検出値から得られた電圧波形パターンと比較して、後続の放電パルスの発生を制御する方法が提案されている。特許文献2では、無負荷電圧、アーク電圧等から放電状態を数値化し、放電安定度を求め加工条件を制御する方法が提案されている。
また、特許文献3では、無負荷電圧充電中に計算した放電電圧の微分値を使用して漏れ電流を検出し、被加工物と加工電極との間の放電間隙に現れる極間電圧が異常パルスであるか否かを判別する方法が提案されている。特許技術4では、極間電圧波形のパルス幅の半分の時間遅れtd後の電圧を複数回測定し、これらの平均電圧と閾値とを比較して加工状態を判定する等の方法が提案されている。
このように、従来提案されている方法は、予め記憶された基準となる極間電圧データあるいは極間電圧から算出したパラメータデータと、現在の加工時の極間電圧あるいは極間電圧から算出したパラメータとの比較から、加工安定度の指標を与える放電間隙の状態を推定する方法である。
しかし、極間電圧は、被加工物と加工電極それぞれの材質や形状、加工液の種類やその状態、あるいは機械の個体差等により、同等の放電間隙状態であっても電圧レベルは変化する。そのため、従来の方法による加工安定度の推定では、誤差が生じてしまうという問題があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、被加工物および加工電極の材質や形状、加工液の種類やその状態、あるいは機械の個体差等による誤差を生ずることなく、加工安定度の指標を与える放電間隙の状態を推定し、加工不安定の抑制制御が行える放電加工装置を得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、被加工物と加工電極との放電間隙に加工パルスを休止時間を挟んで印加する加工電源の出力内容を指定制御する加工電源制御部と、前記被加工物に対し前記加工電極を接近離反させるサーボモータを加工条件に従って駆動制御するモータ制御部と、前記放電間隙に生ずる極間電圧を検出する極間電圧検出部と、加工開始直後に印加される加工パルスによる放電周期における無負荷時間と放電時間と休止時間とのそれぞれにおいて、前記極間電圧検出部が検出した極間電圧を基準極間電圧として記憶する極間電圧記憶部と、各放電周期における無負荷時間と放電時間と休止時間とのそれぞれにおいて、前記極間電圧検出部が検出した極間電圧と前記極間電圧記憶部に記憶されている対応する基準極間電圧との電圧差分を求める電圧差分演算部と、前記放電間隙における加工状態が安定か不安定かを判別するための閾値が設定されている閾値記憶部と、前記電圧差分演算部が求めた電圧差分と前記閾値記憶部に記憶されている対応する閾値とを比較し、前記電圧差分の少なくとも1つが前記閾値記憶部に記憶されている対応する閾値を超えるとき不安定検出信号を出力する電圧差分比較部と、前記電圧差分比較部が不安定検出信号を出力するとき前記放電間隙が加工不安定の状態にあると推定し、前記加工電源制御部と前記モータ制御部との両方または一方に加工不安定を抑制する動作指示を出力する放電間隙状態推定部とを備えたことを特徴とする。
本発明によれば、加工開始直後に印加される最初の加工パルスによる放電周期において取得された極間電圧は、放電間隙が加工屑等の影響がなくクリアな状態であるときに取得されたものであるから、それを基準極間電圧として記憶し、その基準極間電圧と加工中の極間電圧との差分を算出し、差分が閾値を超えたとき、放電間隙が加工不安定の状態にあると推定し、加工屑の排出制御と加工屑の発生抑制制御の少なくとも一方の加工不安定の抑制制御を行う。したがって、被加工物および加工電極の材質や形状、加工液の種類やその状態、あるいは機械の個体差等による誤差を生ずることなく、加工安定度の指標を与える放電間隙の状態を推定でき、加工不安定の抑制制御が行えるという効果を奏する。
以下に、本発明にかかる放電加工装置の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1による放電加工装置の構成を示すブロック図である。図1において、この実施の形態1による放電加工装置は、一般的な構成部分(被加工物1、加工電極2、主軸3、サーボモータ4、モータ制御部5、加工電源6、加工電源制御部7および極間電圧検出部8)に、極間電圧記憶部9、電圧差分演算部10、閾値記憶部11、電圧差分比較部12および放電間隙状態推定部13を設け、モータ制御部5および加工電源制御部7に、この実施の形態による加工不安定の抑制動作を行わせるように構成したものである。
図1は、本発明の実施の形態1による放電加工装置の構成を示すブロック図である。図1において、この実施の形態1による放電加工装置は、一般的な構成部分(被加工物1、加工電極2、主軸3、サーボモータ4、モータ制御部5、加工電源6、加工電源制御部7および極間電圧検出部8)に、極間電圧記憶部9、電圧差分演算部10、閾値記憶部11、電圧差分比較部12および放電間隙状態推定部13を設け、モータ制御部5および加工電源制御部7に、この実施の形態による加工不安定の抑制動作を行わせるように構成したものである。
まず、一般的な構成部分について簡単に説明する。被加工物1は、XYテーブル上に配置されている。加工電極2は、被加工物1の配置位置の直上(Z軸上)において、被加工物1と対面するように主軸3に取り付けられている。被加工物1および加工電極2は加工液中にあり、放電間隙は加工液で満たされている。主軸3は、上下動可能に配置されており、モータ制御部5から駆動制御されるサーボモータ4により、その上下動の位置およびXY面内の位置が制御される。つまり、被加工物1に対する加工電極2の位置である放電間隙の間隔が制御される。放電間隙には、加工電源制御部7の制御を受ける加工電源6から加工パルスが休止時間を挟んで印加される。
放電加工は、加工条件に従って行われるが、被加工物1を設定して放電加工を行うためのジャンプダウン時間が定められ、その後、ジャンプサイクルを繰り返しながら加工が行われる。ジャンプサイクルは、ジャンプダウン時間とジャンプ動作時間とで構成される。この加工条件に従って、モータ制御部5は、サーボモータ4を駆動制御し、また、加工電源制御部7は、加工電源6に出力指示を与える。
具体的には、加工電源制御部7は、各ジャンプダウン時間内において、放電間隙での放電周期を管理し、休止時間と、休止時間を挟んで印加する加工パルスの電圧値およびパルス幅とを指定して加工電源6に出力指示を行い、ジャンプ動作時間内では加工電源6に出力を停止させる。加工電源6は、加工電源制御部7から指示された加工パルスを生成し、それを被加工物1と加工電極2との間の放電間隙に、指示されたタイミングで印加する。
また、モータ制御部5は、ジャンプダウン時間内において、サーボモータ4に加工サーボ制御指令を出力し、ジャンプ動作の開始タイミングでサーボモータ4にジャンプ制御指令を出力する。
モータ制御部5が加工サーボ制御指令を出力すると、サーボモータ4は、加工電極2が被加工物1に近接して配置されるように主軸3を下降させ、加工サーボ制御により放電加工を行うのに必要な間隙となるように放電間隙を調整しつつ加工送りを行う。また、モータ制御部5がジャンプ制御指令を出力すると、その運動制御信号により、主軸3を現在の加工位置から引き上げた後、主軸3を元の放電間隙位置付近まで引き下げて加工電極2を被加工物1に近接させる。この時間がジャンプ動作時間である。モータ制御部5は、このジャンプ動作が終了するタイミングで再度加工サーボ制御指令を出力する。このタイミングで最初の加工パルスが放電間隙に印加され、その後放電が開始する前にジャンプダウン時間に入る。サーボモータ4は、再度加工サーボ制御による加工送り動作の状態に復帰し次のジャンプ動作開始までのジャンプダウン時間において加工サーボ制御を行う。
極間電圧検出部8は、放電加工をスタートしたときのジャンプダウン時間内、および、各ジャンプサイクルにけるジャンプダウン時間内のそれぞれにおいて、印加された加工パルスにより放電間隙に生ずる極間電圧を逐一検出する。検出する極間電圧は、各放電周期において、放電開始前の無負荷時間中の電圧(以降、無負荷電圧と表記する)と、放電時間中の電圧(以降、アーク電圧と表記する)と、休止時間中の電圧(以降、残留電圧と表記する)とからなる。
次に、この実施の形態に関わる部分について説明する。極間電圧検出部8が検出した極間電圧cは、極間電圧記憶部9と電圧差分演算部10とに入力される。極間電圧記憶部9は、外部からの極間電圧記憶期間信号aが示す記憶期間において、極間電圧検出部8から入力される極間電圧c1を外部からのサンプリング時間信号b1のタイミングで取り込み記憶する。
電圧差分演算部10は、極間電圧検出部8から入力される極間電圧c1と、極間電圧記憶部9に記憶された極間電圧d1とを外部からのサンプリング時間信号b1のタイミングで比較しその電圧差分eを演算する。閾値記憶部11には、予め、放電間隙における加工状態が安定か不安定かを判別するための閾値が記憶されている。この閾値は、無負荷電圧に対する閾値と、アーク電圧に対する閾値と、残留電圧に対する閾値とで構成されている。
電圧差分比較部12は、電圧差分演算部10が出力する電圧差分eと閾値記憶部11に記憶された閾値fとを比較し、電圧差分eが閾値fを越えている場合に、不安定検出信号gを出力する。
放電間隙状態推定部13は、電圧差分比較部12から不安定検出信号gが入力された場合に、放電間隙の状態は加工不安定を起こす状態であると推定し、「不安定」を示す推定結果をモータ制御部5と加工電源制御部7の両方または一方へ出力する。
モータ制御部5は、放電間隙状態推定部13からの推定結果が「安定」を示すときは、加工条件の通りにモータ4を駆動制御するが、放電間隙状態推定部13からの推定結果が「不安定」に切り替わると、加工屑等の排出ないしは発生抑制を目的としたジャンプ制御を行う機能が追加されている。
加工電源制御部7は、放電間隙状態推定部13からの推定結果が「安定」を示すときは加工電源6への上述した加工パルス出力指示を繰り返すが、その過程で、放電間隙状態推定部13からの推定結果が「不安定」に切り替わると、加工条件による加工パルス出力指示を、加工屑等の発生抑制を目的とした加工パルス出力指示に変更する機能が追加されている。
ここで、図2は、放電間隙の状態を説明するための極間電圧波形の一例を示す図である。図2において、破線14で示す波形は、放電間隙内の加工液中に加工屑等の無い加工安定時での極間電圧波形例である。実線15で示す波形は、放電間隙内の加工液中に加工屑等が浮遊堆積することで加工不安定となった時での極間電圧波形例である。それぞれを比較すると、電気的インピーダンスが変化することで、無負荷時間Td中の無負荷電圧、放電時間Ton中のアーク電圧および休止時間Toff中の残留電圧に変化が現れることがわかる。
以下、図1と図3を参照して加工不安定の抑制動作について説明する。この実施の形態1では、動作例を2つ示す。ここで、加工不安定の抑制方法には、加工不安定の要因である加工屑を排出する方法と加工屑の発生を抑制する方法とがある。両方併用するか、一方のみとするかは、加工状態に応じて選択される。
<動作例1>
図3は、加工不安定の抑制動作を説明する波形図である。図3では、(1)極間電圧検出部8にて検出された極間電圧c1と、(2)外部入力の極間電圧記憶期間信号aと、(3)外部入力のサンプリング時間信号b1と、(4)電圧差分比較部12が出力する不安定検出信号gとの各波形が示されている。
図3は、加工不安定の抑制動作を説明する波形図である。図3では、(1)極間電圧検出部8にて検出された極間電圧c1と、(2)外部入力の極間電圧記憶期間信号aと、(3)外部入力のサンプリング時間信号b1と、(4)電圧差分比較部12が出力する不安定検出信号gとの各波形が示されている。
また、図3(1)では、被加工物1をXYテーブルに設定し放電加工をスタートしたときの最初のジャンプ動作までのジャンプダウン時間における加工サーボ制御時に、各放電周期で取得された極間電圧の波形の一部が示されている。波形Aは、放電加工をスタートしたときの加工開始直後の1放電周期(Td+Ton+Toff)での極間電圧波形であり、波形B,C,Dは、それぞれ、以降放電加工が進行していく途中での極間電圧波形である。波形Aは、加工開始直後であるから、加工屑等の影響が無く、放電間隙がクリアな状態で取得されたものであり、図2に示した波形14に相当する。以降の波形B,C,Dでは、加工屑等の影響がでてきて、放電間隙がクリアな状態でなくなっていく過程で取得されたものであり、その中に図2に示す波形15に相当するものが存在する。
図3(2)に示すように、極間電圧記憶期間信号aは、放電加工をスタートしたときの加工開始直後の1放電周期(Td+Ton+Toff)の期間を指定する信号である。図3(3)に示すように、サンプリング時間信号b1は、各放電周期おいて、無負荷時間Tdと放電時期間Tonと休止時間Toffとを個別に指定する3つのパルス信号で構成される。
そうすると、極間電圧記憶部9には、極間電圧記憶期間信号aにより指定された加工開始直後の放電周期において検出された波形Aの極間電圧c1のうちサンプリング時間信号b1のタイミングにおける、無負荷時間Tdでの極間電圧(無負荷電圧)16と、放電時間Tonでの極間電圧(アーク電圧)17と、休止時間Toffでの極間電圧(残留電圧)18とがそれぞれ記憶される。波形Aの極間電圧c1は、放電間隙が加工屑等の影響がなくクリアな状態であるときに取得されている。そこで、加工開始直後に記憶される、無負荷時間Tdでの極間電圧16を基準無負荷電圧16とし、放電時間での極間電圧17を基準アーク電圧17とし、休止時間Toffでの極間電圧18を基準残留電圧18とする。つまり、図1において、極間電圧記憶部9から電圧差分演算部10へ出力される極間電圧d1は、3つの基準極間電圧で構成されている。
電圧差分演算部10は、各放電周期において、サンプリング時間信号b1のタイミングに従って、無負荷時間Tdにおいて極間電圧記憶部9に記憶される基準無負荷電圧16と極間電圧検出部8が検出した現在の極間電圧c1との電圧差分eと、放電時間Tonにおいて極間電圧記憶部9に記憶される基準アーク電圧17と極間電圧検出部8が検出した現在の極間電圧c1との電圧差分eと、休止時間Toffにおいて極間電圧記憶部9に記憶される基準残留電圧18と極間電圧検出部8が検出した現在の極間電圧c1との電圧差分eとをそれぞれ演算する。
電圧差分比較部12は、各放電周期において、電圧差分演算部10から入力される3つの電圧差分eのそれぞれと、閾値記憶部11に設定されている対応する閾値とを比較し、3つの電圧差分eの全てが閾値を超えない場合は不安定検出信号gを出力しないが、3つの電圧差分eの1つでも閾値を超える場合に不安定検出信号gを出力する。
図3に示す例で言えは、極間電圧検出部8が検出した現在の極間電圧c1が波形Bである場合は、3つの電圧差分eはほぼゼロであり閾値以内に収まっているので、電圧差分比較部12は、不安定検出信号gを出力しない。一方、極間電圧検出部8が検出した現在の極間電圧c1が波形Cである場合は、3つの電圧差分eのうち、放電時間Tonと休止時間Toffとにおける電圧差分eが閾値を超える電圧差分19,20として求められたので、電圧差分比較部12は、不安定検出信号gを出力する。また、極間電圧検出部8が検出した現在の極間電圧c1が波形Dである場合は、3つの電圧差分eのうち、無負荷時間Tdにおける電圧差分eが閾値を超える電圧差分21として求められたので、電圧差分比較部12は、同様に不安定検出信号gを出力する。
放電間隙状態推定部13は、電圧差分比較部12の出力状態に基づき、各放電周期における放電間隙の状態が加工安定の状態か加工不安定の状態かを推定する。すなわち、図3に示す例で言えば、放電間隙状態推定部13は、電圧差分比較部12が不安定検出信号gを出力しない波形Bが取得された放電間隙の状態は、加工安定の状態であると推定する。一方、放電間隙状態推定部13は、電圧差分比較部12が不安定検出信号gを出力する波形C,Dが取得された放電間隙の状態は、加工不安定の状態であると推定する。
その結果、モータ制御部5は、加工条件が指定するジャンプサイクルによりサーボモータ4を駆動制御している過程で、放電間隙状態推定部13からの推定結果が「不安定」に切り替わると、ジャンプ制御を、加工条件が指定するジャンプサイクルにおけるジャンプ制御から加工屑等の排出あるいは発生抑制を行うためのジャンプ制御に切り替えて実行する。放電間隙状態推定部13からの推定結果が「安定」に戻ると、ジャンプ制御を、加工条件が指定するジャンプサイクルにおけるジャンプ制御の実行に戻る。
この加工屑等の排出を行うためのジャンプ制御では、ジャンプアップ距離を加工条件が指定するジャンプアップ距離よりも長くする制御が行われる。そうすると、加工電極2の大きな上動または下動の運動により、放電間隙内外の加工液に流れが生じ、加工屑等が浮遊介在している放電間隙内の加工液が放電間隙の外へ排出される。代わりに、放電間隙内は、放電間隙の外から加工屑等が浮遊介在していないクリーンな加工液が流れ込み満たされる。
一方、加工屑等の発生抑制を行うためのジャンプ制御では、ジャンプ動作から次のジャンプ動作までの間におけるジャンプダウン時間を、加工条件が指定するジャンプダウン時間よりも短くする制御が行われる。これによって、加工時間が短くなるので、加工屑等の発生が抑制される。この加工屑等の排出制御と加工屑等の発生抑制制御とは、加工状態に応じて、両方を並行して実施するか、いずれか一方のみを実施するか選択される。
また、加工電源制御部7は、加工電源6に対し加工パルス出力指示を繰り返す過程で、放電間隙状態推定部13からの推定結果が「不安定」に切り替わると、加工電源6へ与える加工パルス出力指示を、加工条件に従って生成した加工パルス出力指示から、加工屑等の発生抑制を目的とした加工パルス出力指示に変更する。その後、放電間隙状態推定部13からの推定結果が「安定」に戻ると、変更を取り消し元の加工パルス出力指示を出力する。加工屑等の発生抑制を目的とした加工パルス出力指示としては、例えば休止時間を、加工条件が指定する長さよりも長くした休止時間に変更した加工パルス出力指示である。これによって、加工パルス出力指示を変更した以降の各放電周期において放電間隙での加工屑等の発生が抑制される。
<動作例2>
動作例1では、加工開始時として、被加工物1を設定して放電加工をスタートしたときを捉えたが、この動作例2では、各ジャンプサイクルにおけるジャンプ動作終了時を捉える。ジャンプ動作終了により、ジャンプダウン時間が開始し、そのジャンプダウン時間内加工が行われる。
動作例1では、加工開始時として、被加工物1を設定して放電加工をスタートしたときを捉えたが、この動作例2では、各ジャンプサイクルにおけるジャンプ動作終了時を捉える。ジャンプ動作終了により、ジャンプダウン時間が開始し、そのジャンプダウン時間内加工が行われる。
ジャンプ動作が行われると、加工液に流れが生ずるので、ジャンプ動作終了時での放電間隙における加工屑等は少なくなり、クリアな状態になっている。そこで、この動作例2では、極間電圧記憶部9に入力する極間電圧記憶期間信号aは、ジャンプ動作終了直後(つまり加工開始直後)の放電周期を指定するように入力される。
そうすると、極間電圧記憶部9に記憶される基準極間電圧は、ジャンプサイクル毎に更新されるので、加工の進行状況に応じて安定時の極間電圧が変化した場合でも、電圧差分比較部12では、精度良く電圧差分と閾値との比較が行える。動作例2のみを実施してもよいが、動作例1と併用すれば、一層効果的に、加工不安定の抑制制御が可能になる。
実施の形態2.
図4は、本発明の実施の形態2による放電加工装置の構成を示すブロック図である。なお、図4では、図1(実施の形態1)に示した構成要素と同一ないしは同等である構成要素には同一の符号が付されている。ここでは、この実施の形態2に関わる部分を中心に説明する。
図4は、本発明の実施の形態2による放電加工装置の構成を示すブロック図である。なお、図4では、図1(実施の形態1)に示した構成要素と同一ないしは同等である構成要素には同一の符号が付されている。ここでは、この実施の形態2に関わる部分を中心に説明する。
図4に示すように、この実施の形態2による放電加工装置では、図1(実施の形態1)に示した構成において、極間電圧検出部8に代えて平均極間電圧演算部25が設けられ、外部から符号を変えたサンプリング時間信号b2が入力される。その他の構成は、図1と同様である。
平均極間電圧演算部25は、加工パルスの印加に応答して各放電周期における放電時間から休止時間に至る期間において、平均電圧取込周期に応じた平均極間電圧を求める。
サンプリング時間信号b2は、各放電周期における放電時間から休止時間に至る期間において、例えば、放電時間に対応するタイミングと休止時間に対応するタイミングとにおいて入力される。
閾値記憶部11には、実施の形態1と同様に、予めサンプリング時間信号b2のパルス数と同数の閾値が記憶されている。この実施の形態2では、上記の例で言えば、各放電周期における放電時間に対応するタイミングで用いる閾値と、休止時間に対応するタイミングで用いる閾値と閾値とが記憶されている。
次に、図5を参照して、動作について説明する。図5は、実施の形態2による加工不安定の抑制動作の一例を説明する波形図である。図5では、(1)サーボモータ4が制御する主軸位置の軌跡と、(2)平均極間電圧演算部25にて演算された平均極間電圧c2、(3)外部入力の極間電圧記憶期間信号aと、(3)外部入力のサンプリング時間信号b2、および(4)電圧差分比較部12が出力する不安定検出信号gの各波形が示されている。
図5では、放電加工をスタートしたときのジャンプダウン時間経過後における各ジャンプサイクルでの様子が示されている。ジャンプサイクルEは、最初のジャンプサイクルであり、ジャンプサイクルF,Gは、その後の適宜なタイミングでのジャンプサイクルである。
図5(1)において、ジャンプ中26はジャンプ制御によるジャンプ動作時間である。主軸3が、加工位置からジャンプアップ距離27だけ急速に引き上げられ、その後、元の加工位置の近くまで急降下してジャンプ動作終了となる。ジャンプ動作終了時から次のジャンプ動作開始まで加工サーボ制御が行われて加工サーボ中28となる。加工サーボ制御が開始されると、主軸3が緩やかに降下して元の加工位置に戻る。
図5(2)に示すように、ジャンプ動作が終了するタイミング(加工サーボ中28の開始タイミング)で加工パルスが放電間隙に印加され、放電間隙が元の加工位置に戻るタイミングで放電が発生し、極間電圧が無負荷電圧からアーク電圧へ急降下する。ジャンプダウン時間29は、放電が発生する前のタイミングから次のジャンプ動作開始までの時間である。平均極間電圧演算部25は、このジャンプダウン時間29における各放電周期での極間電圧の平均値を求める。
なお、加工サーボ中28では、複数の加工パルスが放電間隙に印加され複数の放電周期が繰り返されるが、図5(2)〜(5)では、説明を容易にするため、ジャンプダウン時間29では、加工開始直後の1放電周期での様子のみを示してある。
したがって、図5(2)に示す平均極間電圧c2は、各ジャンプサイクルにおいて最初に印加される加工パルスによる加工開始直後の1放電周期において、放電時間でのアーク電圧と休止時間での残留電圧とにより求めた平均極間電圧が示されている。
極間電圧記憶期間信号aは、実施の形態1と同様に、加工開始直後の1放電周期の期間を指定するように入力されるから、図5(3)に示すように、各ジャンプサイクルにおいて最初に印加される加工パルスによる加工開始直後の1放電周期の期間を指定するように入力される。
サンプリング時間信号b2は、各ジャンプサイクルでのジャンプダウン時間29における各放電周期において、平均極間電圧c2の出力期間内の複数箇所を指定するように入力される。図5(4)では、一例として、加工開始直後の1放電周期において放電時間内のタイミングと、休止時間内のタイミングとで入力されるとしている。
そうすると、極間電圧記憶部9には、極間電圧記憶期間信号aにより指定された最初のジャンプサイクルEにおける最初の放電周期(つまり加工開始直後の放電周期)で求められた平均極間電圧c2のうち、サンプリング時間信号b2が指定する、放電時間に対応するタイミングでの極間電圧30と、休止時間に対応するタイミングでの極間電圧31とがそれぞれ記憶される。最初のジャンプサイクルEにおける最初の放電周期(つまり加工開始直後の放電周期)での放電間隙は、加工屑等が少なく、クリアな状態であるから、この時において取得された平均極間電圧c2は、加工屑等の影響が少ない状態で取得されている。そこで、加工開始直後に記憶される平均極間電圧30,31をそれぞれ基準極間電圧30,31とする。つまり、図4において、極間電圧記憶部9から電圧差分演算部10へ出力される極間電圧d2は、2つの基準極間電圧で構成されている。
電圧差分演算部10は、各ジャンプサイクルの各放電周期(図5では最初の放電周期を示す)において、サンプリング時間信号b2のタイミングである、放電時間に対応するタイミングにおいて極間電圧記憶部9に記憶される基準極間電圧30と平均極間電圧演算部25が演算検出した現在の平均極間電圧c2との電圧差分eを演算し、休止時間に対応するタイミングにおいて極間電圧記憶部9に記憶される基準極間電圧31と平均極間電圧演算部25が演算検出した現在の平均極間電圧cとの電圧差分eを演算する。
電圧差分比較部12は、各ジャンプサイクルの各放電周期(図5では最初の放電周期を示す)において、電圧差分演算部10から入力される2つの電圧差分eのそれぞれと、閾値記憶部11に設定されている対応する閾値とを比較し、2つの電圧差分eの全てが閾値を超えない場合は不安定検出信号gを出力しないが、2つの電圧差分eの1つでも閾値を超える場合に不安定検出信号gを出力する。
図5に示す例で言えは、平均極間電圧演算部25が演算検出した現在の平均極間電圧c2がジャンプサイクルFの最初の放電周期で得られたものである場合は、2つの電圧差分eはほぼゼロであり閾値以内に収まっているので、電圧差分比較部12は、不安定検出信号gを出力しない。一方、平均極間電圧演算部25が演算検出した現在の平均極間電圧c2がジャンプサイクルGの最初の放電周期で得られたものである場合は、2つの電圧差分eのうち、放電時間に対応するタイミングと休止時間に対応するタイミングとにおける電圧差分eが閾値を超える電圧差分32,33として求められたので、電圧差分比較部12は、不安定検出信号gを出力する。
放電間隙状態推定部13は、電圧差分比較部12の出力状態に基づき、各ジャンプサイクルの各放電周期(図5では最初の放電周期を示す)における放電間隙の状態が加工安定の状態か加工不安定の状態かを推定する。すなわち、図5に示す例で言えば、放電間隙状態推定部13は、電圧差分比較部12が不安定検出信号gを出力しないジャンプサイクルFの最初の放電周期での放電間隙の状態は、加工安定の状態であると推定する。一方、放電間隙状態推定部13は、電圧差分比較部12が不安定検出信号gを出力するジャンプサイクルGの最初の放電周期での放電間隙の状態は、加工不安定の状態であると推定する。
その結果、モータ制御部5は、実施の形態1と同様に、放電間隙状態推定部13からの推定結果が「不安定」に切り替わると、ジャンプ制御を、加工条件が指定するジャンプサイクルにおけるジャンプ制御から加工屑等の排出あるいは発生抑制を行うためのジャンプ制御に切り替えて実行する。放電間隙状態推定部13からの推定結果が「安定」に戻ると、ジャンプ制御を、加工条件が指定するジャンプサイクルにおけるジャンプ制御の実行に戻る。
この加工屑等の排出を行うためのジャンプ制御では、実施の形態1と同様に、ジャンプアップ距離を加工条件が指定するジャンプアップ距離よりも長くする制御が行われる。一方、加工屑等の発生抑制を行うためのジャンプ制御では、実施の形態1と同様に、ジャンプ動作から次のジャンプ動作までの間におけるジャンプダウン時間を、加工条件が指定するジャンプダウン時間よりも短くする制御が行われる。
また、加工電源制御部7は、実施の形態1と同様に、放電間隙状態推定部13からの推定結果が「不安定」に切り替わると、加工電源6へ与える加工パルス出力指示を、加工条件に従って生成した加工パルス出力指示から、加工屑等の発生抑制を目的とした加工パルス出力指示に変更する。その後、放電間隙状態推定部13からの推定結果が「安定」に戻ると、変更を取り消し元の加工パルス出力指示を出力する。加工屑等の発生抑制を目的とした加工パルス出力指示としては、例えば休止時間を、加工条件が指定する長さよりも長くした休止時間に変更した加工パルス出力指示である。これによって、加工パルス出力指示を変更した以降の各放電周期において放電間隙での加工屑等の発生が抑制される。
このように、平均極間電圧を制御に使用する放電加工装置においても、加工屑等の影響による加工不安定を抑制することができる。図5では、加工開始時に極間電圧記憶部9に記憶する基準極間電圧を、最初のジャンプ動作の終了直後の放電周期で取得された平均極間電圧とする場合を示しているが、実施の形態1と同様に、放電加工をスタートしたときの加工開始直後の放電周期で取得された平均極間電圧とすることでもよい。
ここで、実施の形態1,2に対する変形例を2つ示す。
(1)実施の形態1に対し、極間電圧記憶部9に基準極間電圧を記憶させるインタフェースを設け、手動で任意の放電間隙状態における極間電圧を極間電圧記憶部9に基準極間電圧として設定できるようにしてもよい。放電加工の現場では、作業者が加工の安定状態を放電中の音や火花、加工液の気化状態の程度などにより判断することがある。その現場作業者の判断を有効に活用することができる。
(1)実施の形態1に対し、極間電圧記憶部9に基準極間電圧を記憶させるインタフェースを設け、手動で任意の放電間隙状態における極間電圧を極間電圧記憶部9に基準極間電圧として設定できるようにしてもよい。放電加工の現場では、作業者が加工の安定状態を放電中の音や火花、加工液の気化状態の程度などにより判断することがある。その現場作業者の判断を有効に活用することができる。
(2)実施の形態1,2に対し、閾値記憶部11に閾値を記憶させるインタフェースを設け、手動で任意の閾値を閾値記憶部11に設定し、電圧差分比較部12が電圧差分演算部10からの電圧差分とその手動で設定した任意の閾値とを比較するようにしてもよい。加工不安定の検出感度を手動で調整することが可能になる。
以上のように、本発明にかかる放電加工装置は、被加工物および加工電極の材質や形状、加工液の種類やその状態、あるいは機械の個体差等による誤差を生ずることなく、加工安定度の指標を与える放電間隙の状態を推定し、加工不安定の抑制制御が行える放電加工装置として有用である。
1 被加工物
2 加工電極
3 主軸
4 サーボモータ
5 モータ制御部
6 加工電源
7 加工電源制御部
8 極間電圧検出部
9 極間電圧記憶部
10 極間電圧差分演算部
11 閾値記憶部
12 電圧差分比較部
13 放電間隙状態推定部
25 平均局間電圧演算部
2 加工電極
3 主軸
4 サーボモータ
5 モータ制御部
6 加工電源
7 加工電源制御部
8 極間電圧検出部
9 極間電圧記憶部
10 極間電圧差分演算部
11 閾値記憶部
12 電圧差分比較部
13 放電間隙状態推定部
25 平均局間電圧演算部
Claims (10)
- 被加工物と加工電極との放電間隙に加工パルスを休止時間を挟んで印加する加工電源の出力内容を指定制御する加工電源制御部と、
前記被加工物に対し前記加工電極を接近離反させるサーボモータを加工条件に従って駆動制御するモータ制御部と、
前記放電間隙に生ずる極間電圧を検出する極間電圧検出部と、
加工開始直後に印加される加工パルスによる放電周期における無負荷時間と放電時間と休止時間とのそれぞれにおいて、前記極間電圧検出部が検出した極間電圧を基準極間電圧として記憶する極間電圧記憶部と、
各放電周期における無負荷時間と放電時間と休止時間とのそれぞれにおいて、前記極間電圧検出部が検出した極間電圧と前記極間電圧記憶部に記憶されている対応する基準極間電圧との電圧差分を求める電圧差分演算部と、
前記放電間隙における加工状態が安定か不安定かを判別するための閾値が設定されている閾値記憶部と、
前記電圧差分演算部が求めた電圧差分と前記閾値記憶部に記憶されている対応する閾値とを比較し、前記電圧差分の少なくとも1つが前記閾値記憶部に記憶されている対応する閾値を超えるとき不安定検出信号を出力する電圧差分比較部と、
前記電圧差分比較部が不安定検出信号を出力するとき前記放電間隙が加工不安定の状態にあると推定し、前記加工電源制御部と前記モータ制御部との両方または一方に加工不安定を抑制する動作指示を出力する放電間隙状態推定部と
を備えたことを特徴とする放電加工装置。 - 被加工物と加工電極との放電間隙に加工パルスを休止時間を挟んで印加する加工電源の出力内容を指定制御する加工電源制御部と、
前記被加工物に対し前記加工電極を接近離反させるサーボモータを加工条件に従って駆動制御するモータ制御部と、
前記放電間隙に生ずる極間電圧のうち放電時間から休止期間に至る極間電圧の平均値を演算検出する平均極間電圧演算部と、
加工開始直後に印加される加工パルスによる放電周期において、平均極間電圧演算部が出力する放電時間から休止時間に跨る期間内の複数タイミングでの平均極間電圧を基準極間電圧として記憶する極間電圧記憶部と、
各放電周期において放電時間から休止時間に跨る期間内における前記複数のタイミングにおいて、前記平均極間電圧演算部が出力する平均極間電圧と前記極間電圧記憶部に記憶されている対応する基準極間電圧との電圧差分を求める電圧差分演算部と、
前記放電間隙における加工状態が安定か不安定かを判別するための閾値が設定されている閾値記憶部と、
前記電圧差分演算部が求めた電圧差分と前記閾値記憶部に記憶されている対応する閾値とを比較し、前記電圧差分の少なくとも1つが前記閾値記憶部に記憶されている対応する閾値を超えるとき不安定検出信号を出力する電圧差分比較部と、
前記電圧差分比較部が不安定検出信号を出力するとき前記放電間隙が加工不安定の状態にあると推定し、前記加工電源制御部と前記モータ制御部との両方または一方に加工不安定を抑制する動作指示を出力する放電間隙状態推定部と
を備えたことを特徴とする放電加工装置。 - 前記モータ制御部は、
前記放電間隙状態推定部から不安定を示す推定結果が入力されると、その後のジャンプ動作期間において、加工条件が定めるジャンプ距離よりも長い距離のジャンプ動作を行うように前記サーボモータを制御する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の放電加工装置。 - 前記モータ制御部は、
前記放電間隙状態推定部から不安定を示す推定結果が入力されると、その後に制御するジャンプダウン時間を、加工条件が定めるジャンプダウン時間よりも短くする
ことを特徴とする請求項1または2に記載の放電加工装置。 - 前記加工電源制御部は、
前記放電間隙状態推定部から不安定を示す推定結果が入力されると、前記加工電源に与える加工パルス出力指示における休止時間を、加工条件が定める休止時間よりも長い休止時間に変更する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の放電加工装置。 - 前記加工開始直後に印加される加工パルスによる放電周期は、前記被加工物を設定し放電加工をスタートしたときに最初に印加される加工パルスによる放電周期であることを特徴とする請求項1または2に記載の放電加工装置。
- 前記加工開始直後に印加される加工パルスによる放電周期は、各ジャンプサイクルにおいてジャンプ動作終了時に最初に印加される加工パルスによる放電周期であることを特徴とする請求項1に記載の放電加工装置。
- 前記加工開始直後に印加される加工パルスによる放電周期は、最初のジャンプサイクルにおけるジャンプ動作終了時に最初に印加される加工パルスによる放電周期であることを特徴とする請求項2に記載の放電加工装置。
- 前記極間電圧記憶部に、手動で任意の放電間隙状態における極間電圧を基準極間電圧として記憶させるインタフェースが設けられていることを特徴とする請求項1に記載の放電加工装置。
- 前記閾値記憶部に、手動で任意の閾値を記憶させるインタフェースが設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の放電加工装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2010269307A JP2012115962A (ja) | 2010-12-02 | 2010-12-02 | 放電加工装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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-
2010
- 2010-12-02 JP JP2010269307A patent/JP2012115962A/ja active Pending
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