JP6210922B2 - 電子部品 - Google Patents

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Description

本発明は、ハウジングなどを構成する合成樹脂製の基体に金属導体がインサートされている電子部品に関する。
電子部品のハウジングやケースには、金属導体が埋設された合成樹脂製の基体が使用されることが多く、この種の基体はいわゆるインサート成形法で製造される。
特許文献1に記載された電子部品では、金属端子がインサート成形で埋設された蓋体と、ハウジングとで収納室が形成されている。この蓋体を製造するインサート成形工程では、端子が金型内で押さえピンで押さえられた状態で、金型内に樹脂が射出成形され、樹脂圧によって金型内で端子の位置がずれるのが防止されている。この成形工程では、成形後の蓋体に、前記押さえピンの形状に対応したピン孔が形成される。
特開平10−55906号公報
金属板材から形成された端子は、表面にメッキが施されその表面に防腐処理などが施されているのが一般的である。そのため、インサート成形において、金属端子の表面と蓋体を構成する樹脂との密着性があまり良好ではなく、蓋体とハウジングとで形成される収納室の気密性を保つのに限界がある。
特に、特許文献1に記載のように、蓋体の表面から内部の端子まで通じるピン孔が形成されている構造では、ピン孔の周囲部分において金属端子と蓋体との密着性が低下して、ピン孔の周囲のシール性が損なわれやすくなり、ピン孔の周囲から収納室に液体が浸透する可能性が高くなる。
本発明は上記従来の課題を解決するものであり、いわゆるインサート成形工程で形成される開口部の周囲において、金属導体と基体と間のシール性を高めることができる電子部品を提供することを目的としている。
本発明は、合成樹脂製の基体の内部に金属導体が埋設されている電子部品において、
前記基体には、前記金属導体の表面まで到達するように開口部が形成され、前記金属導体の表面には、少なくとも前記開口部を囲む全周領域に、単層または複層の繋ぎ樹脂層が形成されており、前記繋ぎ樹脂層の表面層が前記基体を形成する合成樹脂と相溶性を有することを特徴とするものである。
本発明の電子部品は、開口部の周囲の全周領域において、金属導体と基体との間が繋ぎ樹脂層で埋められるため、開口部の周囲でのシール性を高めることができ、基体で形成されるハウジングの内部の気密性を高めることができる。
本発明では、前記基体はインサート成形されており、前記金属導体を金型内に支持する支持突体によって前記開口部が形成されるものである。
本発明の電子部品は、前記繋ぎ樹脂層の表面層と、前記基体を形成する前記合成樹脂が、同じ系の主成分を有していることが好ましい。例えば、前記主成分はポリアミド樹脂である。
前記のように同じ系を主成分とする樹脂を使用することで、繋ぎ樹脂層と基体との密着性をさらに向上させることができる。
本発明では、前記繋ぎ樹脂層の表面層は、前記基体よりも高い弾性を有することが好ましい。
このように設定すると、基体が成形される際の冷却工程などにおいて基体を構成する合成樹脂が収縮したときでも、繋ぎ樹脂層がこの変形に追従でき、繋ぎ樹脂層と基体との密着性を維持できるようになる。
本発明の電子部品は、前記繋ぎ樹脂層が形成されている金属導体の表面は活性化処理されていることが好ましい。
この活性化処理によって、金属導体と繋ぎ樹脂層との密着性を高めることができる。
本発明は、前記金属導体は、帯状の金属板材で形成されており、前記繋ぎ樹脂層が前記金属板材の表面において幅方向の全域に形成されていることが好ましい。
上記構成では、開口部の位置が公差によりずれたとしても、開口部の周囲の全周に繋ぎ樹脂層を配置しやすくなる。
本発明は、インサート成形で基体に開口部が形成されている構造において、開口部の周囲全周で、金属導体と基体との間に繋ぎ樹脂層が形成されているため、開口部の周囲全周でシール性を高めることができ、例えば基体でハウジングを形成したときにハウジング内の密閉度を高めることが可能になる。
(A)は、本発明の製造方法で製造される電子部品の一例を示す斜視図、(B)はその平面図、 図1(A)に示す電子部品をII−II線で切断した断面図、 図2の一部を示す拡大断面図、 図3のIV部の部分拡大断面図、 図3のV部の部分拡大断面図、 図3のVI部の部分拡大断面図、 接着樹脂層の熱処理時の性質を示す線図、 金属導体と基体との接合部を示す断面写真、
図1(A)(B)と図2に示す電子部品1は、ハウジング2を有している。ハウジング2は基体3と蓋体4とで構成されている。蓋体4は撓み変形できる合成樹脂材料で形成されている。基体3は合成樹脂により形成され底壁部3aと4つの側壁部3bを有している。基体3は側壁部3bの上端で囲まれた開口部を有しており、この開口部が蓋体4で閉鎖されて、ハウジング2の内部に密閉空間である収納空間5が形成されている。ハウジング2は微小な構造であり、立方体や直方体で、1辺の最大値が5mm以下、さらには2mm以下に形成される。
ハウジング2の収納空間5の内部に検知素子6が収納されている。検知素子6はMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)素子であり、シリコン基板を主体として構成されている。検知素子6は力センサであり、外部の圧力で変形部が撓み、その撓み量が電荷の変化によって検出されるものである。蓋体4が可撓性の樹脂材料で形成されているため、外部の圧力に応じて蓋体4が変形し、そのときの収納空間5の内部圧力の変化が検知素子6で検知される。したがって、収納空間5は外部空気から遮断された気密空間であることが必要である。
図1(A)(B)と図2および図3に示すように、基体3の底壁部3aの内部に4枚の金属導体10がいわゆるインサート成形法によって埋設されて固定されている。
図2と図3に示すように、それぞれの金属導体10は、第1の板部11と第2の板部12を有している。第1の板部11は、底壁部3aの底面3cと平行に延びており、第2の板部12は、第1の板部11からほぼ直角に折り曲げられ、底面3cと垂直に上向きに延びている。第1の板部11と第2の板部12の境界が屈曲部15である。金属導体10には、第1の板部11に連続する外部端子部14と、第2の板部12に連続する内部端子部13とが一体に形成されている。内部端子部13は第2の板部12からほぼ直角に折り曲げられ、底面3cとほぼ平行に延びている。
金属導体10は、第1の板部11と第2の板部12が、基体3の底壁部3aの内部に埋設されている。外部端子部14は、基体3の側方へ突出している。内部端子部13は、その上側表面13bが収納空間5内に露出した状態でそれ以外の部分が底壁部3aに埋設されている。収納空間5の内部では、4枚の金属導体10の内部端子部13の上側表面13bが露出している。検知素子6には4か所に電極が形成されており、それぞれの電極とそれぞれの内部端子部13とが一対一の関係で半田フィレット7によって接続されている。
図2と図3に示すように、基体3の底壁部3aでは、底面3cから第1の板部11の下側表面11aにかけて第1の開口部3dが開口しており、底面3cから内部端子部13の下側表面13aにかけて第2の開口部3eが開口している。
基体3を製造するインサート形成工程では、図5と図6に一部が示されている金型20の内部に金属導体10が設置される。このとき、図5に示すように、第1の板部11が金型20内に設けられた支持突体21で支持され、図6に示すように、内部端子部13が支持突体22で支持された状態で、金型20の内部に溶融樹脂が射出される。金属導体10が、支持突体21,22で支持されることで、金型20のキャビティ内で金属導体10を正確に位置決めして、基体3の射出成形を行うことができる。
金型20内に射出された溶融樹脂が冷却されて固化すると、支持突体21,22が金型20内で後退して底壁部3aから抜き出され、さらに金型20が分離されて成形後の基体3が取り出される。基体3は、支持突体21が抜き出された場所に第1の開口部3dが形成され、支持突体22が抜き出された場所に第2の開口部3eが形成される。
図3に示すように、金属導体10は、場所に応じて表面処理の条件が相違している。その条件の違いに応じて、金属導体10を区分(i)(ii)(iii)(iv)に分けることができる。
図3に示す区間(i)では、第1の板部11の下側表面11aならびに第2の板部12の左側表面12aと、内部端子部13の下側表面13aに同じ表面処理が施されている。
図4、図5、図6は、図3のIV部、V部、VI部を拡大して示している。これら各図に現れているように、区間(i)では、第1の板部11の下側表面11aならびに第2の板部12の左側表面12aと、内部端子部13の下側表面13aに、繋ぎ樹脂層30が形成されている。繋ぎ樹脂層30は、前記表面11a,12a,12aに密着して形成される絶縁樹脂層31と、前記絶縁樹脂層31の上に積層された接着樹脂層32とで構成されている。前記接着樹脂層32が、繋ぎ樹脂層30の表面層である。図4と図5に示すように、区間(ii)では、第1の板部11の上側表面11bと、第2の板部12の右側表面12bに接着樹脂層32のみが形成される。
区間(i)においては、金属導体10の表面11a,12a,13aと、繋ぎ樹脂層30の下層となる前記絶縁樹脂層31との密着性を高める必要があり、区間(ii)では、金属導体10の表面11b,12bと前記接着樹脂層32との密着性を高める必要がある。そのため、区間(i)における表面11a,12a,13aと、区間(ii)における表面11b,12bに対して、前記樹脂層31,32を形成する前の工程で活性化処理が施される。
実施の形態での金属導体10はリン青銅板の両表面に銀メッキが施されており、さらに銀メッキの表面に、フッ素系の硫化防止剤や防錆剤などの各種保護剤が塗布されている。前記活性化処理としては、金属導体10を形成する金属板材の表面に真空紫外光が照射される。真空紫外光の光源としては、キセノンガスを封入したエキシマUVランプ(波長172nm)などが好適に用いられる。真空紫外光は大気中での減衰が大きいため、金属導体10とランプとの距離は数mmから十数mmと近接させて照射する。真空紫外光が照射されると、低波長の紫外光で金属導体10表面の有機物の結合が切断され、また、ランプと金属導体10との間の空気中の酸素が分解されてオゾンが形成されるなどし、表面の前記保護剤が除去される。これとともに、金属導体10の表面の極性化が促進されて表面自由エネルギーが高められ濡れ性が向上する。
繋ぎ樹脂層30を構成する前記絶縁樹脂層31と接着樹脂層32は、互いに親和性がある樹脂材料が選択されて形成される。また、絶縁樹脂層31が形成された後に、その表面に真空紫外光を照射し、絶縁樹脂層31の表面自由エネルギーを高めた後に、その上に接着樹脂層32を形成することにより、絶縁樹脂層31と接着樹脂層32との密着性をより高めることができる。
接着樹脂層32は、基体3を構成する合成樹脂と相溶性を有するものであり、接着樹脂層32と基体3を構成する合成樹脂は同系のものが選択されて使用される。実施の形態では、基体3を構成する合成樹脂がポリアミド系であり、いわゆるエンジニアプラスチックの1種であるナイロン9Tが使用されている。接着樹脂層32は、2液混合タイプの接着用樹脂を用いて形成される。実施の形態での接着用樹脂は、ナイロン系の主剤とイソシアネート系の硬化剤とが混合されてポリアミド樹脂が形成され、熱処理により架橋反応を生じる。
図7には、ナイロン系の前記接着用樹脂の温度上昇と状態変化との関係が示されている。横軸は加熱温度であり、縦軸は熱変化を示し、縦軸のプラス側は発熱反応を示し、マイナス側は吸熱反応を示している。
図7に示す(a)の範囲は、接着用樹脂を乾燥させている過程であり、接着用樹脂はいわゆるホットメルト状態である。109℃付近まで加熱されて溶剤が蒸発すると、(b)の範囲に入って乾燥状態となり、温度上昇とともに架橋反応が開始される。さらに温度が150℃または160℃を超えて(c)の範囲になると、三次元架橋が促進されて水不溶性になる。
前記接着樹脂層32は、接着用樹脂を、金属導体10を構成する金属板材の表面に塗布し、図7において(b)で示す範囲の温度条件で加熱した状態で使用される。すなわち110℃〜150℃または110〜160℃の加熱条件で接着用樹脂が乾燥された状態であって、完全な架橋状態になっていない仮硬化状態すなわち部分架橋状態で使用される。インサート成形法では、金型内に射出される溶融樹脂と接触することで接着樹脂層32が加熱されて溶融し、接着樹脂層32と基体3を形成する合成樹脂とが相溶状態となる。したがって、成形後の基体3は金属導体10と固着される。
また、接着樹脂層32は、基体3よりも高い弾性を有する、すなわち、弾性係数の低い状態とされるのが好ましい。接着樹脂層32の弾性係数を、基体3を構成する合成樹脂よりも低くしておくと、インサート成形の冷却工程で、基体3を構成する合成樹脂に熱収縮が生じた場合であっても、接着樹脂層32がその変形に追従し、接着樹脂層32と基体3との相溶状態を保てるようになる。
前述のように、前記絶縁樹脂層31と接着樹脂層32は、互いに親和性があり密着性が良い樹脂材料で形成される。実施の形態では、絶縁樹脂層31がウレタン樹脂で形成され、硬化剤にイソシアネートが使用される。接着樹脂層32を形成しているナイロン樹脂とウレタン樹脂は、化学的構造が近似しているのが周知であり、さらに絶縁樹脂層31と接着樹脂層32とで同じイソシアネート系の硬化剤を使用している。絶縁樹脂層31と接着樹脂層32として前記樹脂を選択することで樹脂層間の密着性がよくなる。
絶縁樹脂層31は、接着樹脂層32のような仮硬化状態ではなく、3次元架橋が促進されてほぼ不溶性となった状態に形成される。すなわち、前記接着樹脂層32は架橋の程度が低い仮硬化の状態で形成されるが、絶縁樹脂層31は、接着樹脂層32よりも3次元架橋が促進されたものが使用される。そのために、絶縁樹脂層31は接着樹脂層32よりも高い温度で加熱処理されて使用される。絶縁樹脂層31の加熱処理温度は、例えば180℃以上が好ましい。インサート成形法では、前述のように接着樹脂層32が基体3を構成する合成樹脂と相溶状態となるが、絶縁樹脂層31は、基体3を構成する合成樹脂と完全な相溶状態とはなりにくく、絶縁樹脂層31として、金属導体10の表面に残ることになる。
図8は、金属導体10がインサートされた基体3の一部断面を撮影した電子顕微鏡写真である。金属導体10は、表面を真空紫外光照射で活性化処理した後に絶縁樹脂層31を形成し、さらに絶縁樹脂層31の表面を真空紫外光照射で活性化させてから接着樹脂層32を形成したものである。この写真は50,000倍である。図8では、10が金属導体、10aがメッキ層である。メッキ層10aの表面に絶縁樹脂層31が密着し、さらに接着樹脂層32が基体3の合成樹脂と相溶状態となっている構造が現れている。
インサート成形後の基体3では、金属導体10の第1の板部11の2つの表面11a,11bに形成された接着樹脂層32が、基体3を構成する合成樹脂と相溶状態となっており、第2の板部12の2つの表面12a,12bに形成された接着樹脂層32が、基体3を構成する合成樹脂と相溶状態となっている。そのため、金属導体10と基体3の底壁部3aとの密着部に隙間が形成されにくくなり、図2に示すハウジング2の内部の収納空間5の気密性を高めることができる。その結果、前記隙間から収納空間5の内部に水分やフラックス等の溶剤やその他の液体が浸透する可能性を低下させることができる。
金属導体10では、第1の板部11と第2の板部12の境界の屈曲部15の両面にも接着樹脂層32が形成されているため、この屈曲部15においても、金属導体10と基体3を構成している合成樹脂とを強固に固着させることができる。
屈曲部15を有する金属導体10を用いたインサート成形法では、屈曲部15の周囲で溶融樹脂の流れが悪くなるため、樹脂が冷却されて固化するときに、屈曲部15の周囲にヒケと称される変形が発生しやすくなる。また底壁部3aが薄いと、屈曲部15が埋設されている部分で樹脂強度が低下しやすい。しかし、屈曲部15を挟む両側に位置する第1の板部11と第2の板部12の両面に接着樹脂層32が設けられ、さらに屈曲部15の表面にも接着樹脂層32が設けられているため、屈曲部15を含む領域で金属導体10と基体3とが強固に固着されるようになり、ヒケの問題や強度低下の問題が生じにくくなる。
図4に示すように、基体3から外部端子部14が突出している部分では、第1の板部11の2つの表面11a,11bに形成された接着樹脂層32が基体3を構成する樹脂と相溶状態となって、第1の板部11と基体3とが強固に固着されている。よって、外部端子部14の突出基部において、金属導体10と基体3との間に隙間が形成されることがなく、収納空間5の気密性を高い状態に保つことができる。さらに、外部端子部14の突出基部の周囲での基体3の強度を高めることもできる。
金属導体10は、2つの表面に絶縁樹脂層31と接着樹脂層32が形成された金属板材(いわゆるフープ基材)から切断されるため、金属導体10は、下側に向く表面11a,12a,13aに絶縁樹脂層31と接着樹脂層32が形成され、上側に向く表面11b,12bに接着樹脂層32が形成されるが、切断加工の際の切断面となる側面(板厚が現れる側面)は、いずれの樹脂層も形成されない。ただし、インサート成形工程で、金属導体10が加熱されるため、板部11の2つ表面11a,11bと板部12の2つの表面12a,12bならびに板部13の表面13aに形成されている接着樹脂層32が加熱されて溶融状態となり、射出成形時の溶融樹脂の圧力により溶融状態となった接着樹脂32の一部が金属導体10の側面に回り込む。これにより、金属導体10の側面と基体3の底壁部3aとの間で、少なくとも一部に接着樹脂層32が存在することになり、金属導体10の側面と底壁部3aとの間に隙間が形成されにくくなり、ハウジング2の内部の収納空間5の気密性を高めることができる。
図3に示す区分(iii)では、内部端子部13の下側表面13aが接着樹脂層32によって基体3を構成する合成樹脂に固着させられている。一方、図6にも示すように、内部端子部13の上側表面13bは底壁部3aから露出している。この上側表面13bには絶縁樹脂層31や接着樹脂層32が形成されておらず、真空紫外光を使用した前記活性化処理が施されていない状態であり、銀メッキが硫化防止剤などの保護剤で覆われたままである。
区分(iv)では、外部端子部14が基体3の側方に突出しているが、外部端子部14の上側表面14aと下側表面14bにも、絶縁樹脂層31や接着樹脂層32が形成されておらず、真空紫外光を使用した前記活性化処理も施されていない。よって、表面14a,14bは、銀メッキが硫化防止剤などの保護剤で覆われたままである。
したがって、内部端子部13の上側表面13bと、外部端子部14の下側表面14aならびに上側表面14bは、銀メッキが腐食しにくい状態を保つことができる。
図5と図6に示すように、基体3をインサート成形する工程では、金型内において、第1の板部11の下側表面11aが支持突体21に当接して支持され、内部端子部13の下側表面13aも支持突体22に当接して支持された状態で、金型および支持突体21,22が加熱される。このとき、支持突体21,22が当接している部分で、仮硬化状態の接着樹脂層32が溶融し、支持突体21,22が当接する部分で接着樹脂層32が除去される。また、接着樹脂層32は、図7に示す(b)の範囲で加熱処理されており、(a)の範囲のホットメルト状態に比べて粘着性が低下している。そのため、溶融した接着樹脂層32は、支持突体21,22の先端面などに付着しにくい。
一方、絶縁樹脂層31は三次元架橋状態に形成されているため、金型温度によって溶解することがなく、支持突体21,22が当接する部分においても、金属導体10の表面が絶縁樹脂層31で覆われた状態に維持される。
インサート成形後の基体3では、図2と図3に示すように、基体3の底壁部3aに底面3cから金属導体10に通じる開口部3d,3eが複数箇所に形成される。
図5と図6に示すように、開口部3d,3eの周囲では、繋ぎ樹脂層30の表面層となる接着樹脂層32と基体3を構成する樹脂とが相溶状態となってから硬化する。そのため、開口部3d,3eの周囲全周は、絶縁樹脂層31と接着樹脂層32の2層構造となる繋ぎ樹脂層30で埋められた構造となり、この周囲部分で、金属導体10と基体3との間に隙間が形成されることがなくなってシール性が高められる。よって、収納空間5内の気密性をさらに高めることができる。
また、底壁部3aの底面3cに開口する開口部3d,3eの内部に金属導体10が露出するが、図5と図6に示すように、開口部3d,3eの内部で、金属導体10の表面が絶縁樹脂層31で覆われているため、金属導体10の絶縁が保たれている。
ハウジング2は1辺が5mm以下さらには2mm以下の微小な立方体または直方体であるため、基体3の底面3cに液体(フラックス等の溶剤も含む)が付着することがあると、液体が複数箇所の開口部3d,3eに同時に入り込みやすくなる。しかし、開口部3d,3eの底部に現れている金属導体10の表面が絶縁樹脂層31で覆われて、絶縁されているため、液体により金属導体10どうしが短絡することを防止できる。
それぞれの金属導体10は帯状であり、図1(B)の左右方向が長手方向で、上下方向が幅方向である。繋ぎ樹脂層30は、金属導体10の幅方向の全域にわたって形成されているため、金型内で金属導体10が支持されるときに、支持突体21,22と金属導体10との間に、幅方向(図1(B)の図示上下方向)での位置の公差ずれが生じていたとしても、開口部3d,3eの周囲全周に繋ぎ樹脂層30が位置する状態を構成しやすい。また、図5と図6に示すように、繋ぎ樹脂層30は長手方向の長い範囲に形成されているため、支持突体21,22と金属導体10との間に図1(B)の左右方向において位置の公差ずれが生じていたとしても、開口部3d,3eの周囲全周に繋ぎ樹脂層30が位置する状態を構成しやすい。
なお、前記実施の形態では、少なくとも開口部3d,3eの周囲部分に、絶縁樹脂層31と接着樹脂層32の2層構造となる繋ぎ樹脂層30が形成されているが、金属導体10の下側表面11aと下側表面13aに接着樹脂層32のみの1層構造の繋ぎ樹脂層が形成されてもよい。この場合、開口部3d,3eの周囲全周では、金属導体10と基体3との間に接着樹脂層32が介在し、この接着樹脂層32が基体3を構成する合成樹脂と相溶状態となるため、開口部3d,3eの周囲全周のシール性を高めることができる。 なお、前記実施の形態では、基体3を構成する合成樹脂をナイロン9T、接着樹脂層32を構成する接着用樹脂をナイロン樹脂、絶縁樹脂層31を形成する樹脂をウレタン樹脂として説明したが、これら樹脂は相互に相溶性や親和性があれば前記組み合わせに限られない。例えば、ウレタン系―ウレタン系、アクリル系―アクリル系、オレフィン系―オレフィン系、エポキシ系―エポキシ系、イソシアネート系―イソシアネート系などの同一系の材料のほか、エポキシ系―ウレタン系、ウレタン系―イソシアネート系、エポキシ系―イソシアネート系などの組み合わせが可能である。また、極性化を促進する活性化処理は、真空紫外光の照射に限られるものではなく、プラズマ処理、UVオゾン処理、コロナ処理、化成処理、火炎処理、加熱処理、陽極酸化処理等であってもよい。
1 電子部品
2 ハウジング
3 基体
3a 底壁部
3d,3e 開口部
5 収納空間
6 検知素子
10 金属導体
11 第1の板部
11a 下側表面
11b 上側表面
12 第2の板部
12a 左側表面
12b 右側表面
13 内部端子部
13a 下側表面
13b 上側表面
14 外部端子部
15 屈曲部
20 金型
21,22 支持突体
30 繋ぎ樹脂層
31 絶縁樹脂層
32 接着樹脂層

Claims (7)

  1. 合成樹脂製の基体の内部に金属導体が埋設されている電子部品において、
    前記基体には、前記金属導体の表面まで到達するように開口部が形成され、前記金属導体の表面には、少なくとも前記開口部を囲む全周領域に、単層または複層の繋ぎ樹脂層が形成されており、前記繋ぎ樹脂層の表面層が前記基体を形成する合成樹脂と相溶性を有することを特徴とする電子部品。
  2. 前記基体はインサート成形されており、前記金属導体を金型内に支持する支持突体によって前記開口部が形成されている請求項1記載の電子部品。
  3. 前記繋ぎ樹脂層の表面層と、前記基体を形成する前記合成樹脂が、同じ系の主成分を有している請求項1または2記載の電子部品。
  4. 前記主成分はポリアミド樹脂である請求項3記載の電子部品。
  5. 前記繋ぎ樹脂層の表面層は、前記基体よりも高い弾性を有する請求項1ないし4のいずれかに記載の電子部品。
  6. 前記繋ぎ樹脂層が形成されている金属導体の表面は活性化処理されている請求項1ないし5のいずれかに記載の電子部品。
  7. 前記金属導体は、帯状の金属板材で形成されており、前記繋ぎ樹脂層が前記金属板材の表面において幅方向の全域に形成されている請求項1ないし6のいずれかに記載の電子部品。
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