JP2012228833A - 樹脂成形装置およびこの樹脂成形装置を用いた成形方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】樹脂充填部分に孔が残ることが無く、電子部品の破損を抑制でき、電子部品の両面に露出部を形成することも可能な樹脂成形装置を提供すること。
【解決手段】基板アッセンブリ30を樹脂で封止した半導体装置を成形する樹脂成形装置であって、基板アッセンブリ30は、露出部33d,34dを備え、両型10,20は、キャビティ面11,21の露出部33d,34dに対向する位置に、柔軟な気密素材により膨張および収縮可能に形成されて膨張時に露出部33d,34dの全体に亘り密着可能なエアバッグ61,62を備え、エアバッグ61,62内に流体を供給および排出させてエアバッグ61,62を膨張収縮させるエア給排装置63を備えていることを特徴とする樹脂成形装置とした。
【選択図】図1
【解決手段】基板アッセンブリ30を樹脂で封止した半導体装置を成形する樹脂成形装置であって、基板アッセンブリ30は、露出部33d,34dを備え、両型10,20は、キャビティ面11,21の露出部33d,34dに対向する位置に、柔軟な気密素材により膨張および収縮可能に形成されて膨張時に露出部33d,34dの全体に亘り密着可能なエアバッグ61,62を備え、エアバッグ61,62内に流体を供給および排出させてエアバッグ61,62を膨張収縮させるエア給排装置63を備えていることを特徴とする樹脂成形装置とした。
【選択図】図1
Description
本発明は、半導体チップや回路基板などの電子部品を樹脂で封止して半導体装置を製造するのに用いる樹脂成形装置およびその成形方法に関するものである。
従来、半導体チップなどの電子部品を樹脂により封止し、この封止の際に、放熱部分を、封止樹脂の表面から露出させた半導体装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
この従来技術は、樹脂を充填するキャビティ空間を形成する上面金型および下面金型と、下面金型に放熱部となる載置片を載置して両金型を型締めした際に、上面金型を挿通して載置片を押し付ける可動棒と、を備えている。
このような従来技術では、型締め時に、可動棒が電子部品の載置片を下面金型のキャビティ面に押さえ付け、この状態で、キャビティ空間に樹脂を充填すると、樹脂が載置片とキャビティ面との間に浸入し難い。
よって、成形後には、載置片の表面が封止樹脂から露出され、この載置片から電子部品の放熱を行うことができる。
この従来技術は、樹脂を充填するキャビティ空間を形成する上面金型および下面金型と、下面金型に放熱部となる載置片を載置して両金型を型締めした際に、上面金型を挿通して載置片を押し付ける可動棒と、を備えている。
このような従来技術では、型締め時に、可動棒が電子部品の載置片を下面金型のキャビティ面に押さえ付け、この状態で、キャビティ空間に樹脂を充填すると、樹脂が載置片とキャビティ面との間に浸入し難い。
よって、成形後には、載置片の表面が封止樹脂から露出され、この載置片から電子部品の放熱を行うことができる。
しかしながら、上述の従来技術にあっては、可動棒によりキャビティ空間側から金型に向けて露出部を押圧する構造であったため、以下に列挙する解決すべき問題があった。
a)可動棒によりキャビティ空間側から金型のキャビティ面に向けて電子部品の露出部を押し付けるため、成形後、樹脂内に可動棒が存在していた部分が孔として残る。
このため、この孔に水分が浸入するおそれがあり、耐湿性および絶縁性が低下するおそれがある。
b)電子部品の寸法公差が大きい場合、電子部品を可動棒によりキャビティ面に強く押さえ付けると、電子部品が破損するおそれがある。
c)可動棒がキャビティ空間側からキャビティ面へ押圧する構造であるため、電子部品の上下両側に露出部を設ける場合には、可動棒を両金型からキャビティ空間を通り他方の金型へ貫通させる必要があり、両可動棒が干渉しないようにするのが難しく実施が困難である。
a)可動棒によりキャビティ空間側から金型のキャビティ面に向けて電子部品の露出部を押し付けるため、成形後、樹脂内に可動棒が存在していた部分が孔として残る。
このため、この孔に水分が浸入するおそれがあり、耐湿性および絶縁性が低下するおそれがある。
b)電子部品の寸法公差が大きい場合、電子部品を可動棒によりキャビティ面に強く押さえ付けると、電子部品が破損するおそれがある。
c)可動棒がキャビティ空間側からキャビティ面へ押圧する構造であるため、電子部品の上下両側に露出部を設ける場合には、可動棒を両金型からキャビティ空間を通り他方の金型へ貫通させる必要があり、両可動棒が干渉しないようにするのが難しく実施が困難である。
本発明は、上述の従来の問題点に着目して成されたもので、樹脂充填部分に孔が残ることが無く、電子部品の破損を抑制でき、電子部品の両面に露出部を形成することも可能な樹脂成形装置およびこの樹脂成形装置を用いた成形方法を提供することを目的とする。
上述の目的を達成するために本発明は、型締め時にキャビティ面により囲まれたキャビティ空間を形成する第1の型および第2の型を備え、前記キャビティ空間に電子部品を配置し樹脂を充填して成形し、前記電子部品を前記樹脂で封止した半導体装置を成形する樹脂成形装置であって、前記電子部品は、前記樹脂による封止状態で前記樹脂から露出される露出部を備え、前記両型の少なくとも一方は、前記キャビティ面の前記露出部に対向する位置に、柔軟な気密素材により膨張および収縮可能に形成されて膨張時に前記露出部全体に亘り密着可能な伸縮袋を備え、前記伸縮袋内に流体を供給および排出させて前記伸縮袋を膨張収縮させる流体給排装置を備えていることを特徴とする樹脂成形装置とした。
また、請求項2の発明は、請求項1に記載の樹脂成形装置において、前記露出部が、前記型締め方向の両側に設けられ、両型の各キャビティ面に、前記伸縮袋が設けられていることを特徴とする樹脂成形装置とした。
また、請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の樹脂成形装置において、前記電子部品は、前記露出部がセラミック基板の表面により形成されていることを特徴とする樹脂成形装置とした。
また、請求項2の発明は、請求項1に記載の樹脂成形装置において、前記露出部が、前記型締め方向の両側に設けられ、両型の各キャビティ面に、前記伸縮袋が設けられていることを特徴とする樹脂成形装置とした。
また、請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の樹脂成形装置において、前記電子部品は、前記露出部がセラミック基板の表面により形成されていることを特徴とする樹脂成形装置とした。
また、請求項4に記載の発明は、請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の樹脂成形装置を用いて前記半導体装置を製造する成形方法であって、前記型開きした両型の一方に、前記電子部品を配置した後に、両型を型締めする工程と、前記伸縮袋に流体を供給して膨張させ、前記露出部の全体に前記伸縮袋を密着させる工程と、前記伸縮袋の前記密着状態を維持させたまま前記キャビティ空間に前記樹脂を充填する工程と、前記樹脂が硬化するまで前記伸縮袋の前記密着状態を維持し、前記樹脂の硬化後、型開きする工程と、を実行することを特徴とする成形方法とした。
本発明の樹脂成形装置を用いて成形する場合、両型の型締めを行った後、伸縮袋を膨張させて電子部品の露出部の全体に密着させ、この密着状態を維持させてキャビティ空間に樹脂を充填すれば、充填された樹脂が露出部表面に浸入するのを防止できる。
このように、電子部品の露出部を、キャビティ面側から覆うため、キャビティ空間側から可動棒でキャビティ面に押し付けた場合のように、樹脂内に孔が残ることが無く、この孔に水分が浸入して耐湿性および絶縁性が低下するおそれがない。また、電子部品をキャビティ面に押さえ付けないことから、電子部品が破損し難い。加えて、電子部品の上下両側に露出部を設定可能となる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
本実施の形態の樹脂成形装置は、型締め時にキャビティ面(11,21)により囲まれたキャビティ空間(50)を形成する第1の型(10)および第2の型(20)を備え、前記キャビティ空間(50)に電子部品(30)を配置し樹脂(40)を充填して成形し、前記電子部品(30)を前記樹脂(40)で封止した半導体装置を成形する樹脂成形装置であって、前記電子部品(30)は、前記樹脂(40)による封止状態で前記樹脂(40)から露出される露出部(33d,34d)を備え、前記両型(10,20)の少なくとも一方は、前記キャビティ面(11,21)の前記露出部(33d,34d)に対向する位置に、柔軟な気密素材により膨張および収縮可能に形成されて膨張時に前記露出部全体に亘り密着可能な伸縮袋(61,62)を備え、前記伸縮袋内に流体を供給および排出させて前記伸縮袋を膨張収縮させる流体給排装置(63)を備えていることを特徴とする樹脂成形装置である。
本実施の形態の樹脂成形装置は、型締め時にキャビティ面(11,21)により囲まれたキャビティ空間(50)を形成する第1の型(10)および第2の型(20)を備え、前記キャビティ空間(50)に電子部品(30)を配置し樹脂(40)を充填して成形し、前記電子部品(30)を前記樹脂(40)で封止した半導体装置を成形する樹脂成形装置であって、前記電子部品(30)は、前記樹脂(40)による封止状態で前記樹脂(40)から露出される露出部(33d,34d)を備え、前記両型(10,20)の少なくとも一方は、前記キャビティ面(11,21)の前記露出部(33d,34d)に対向する位置に、柔軟な気密素材により膨張および収縮可能に形成されて膨張時に前記露出部全体に亘り密着可能な伸縮袋(61,62)を備え、前記伸縮袋内に流体を供給および排出させて前記伸縮袋を膨張収縮させる流体給排装置(63)を備えていることを特徴とする樹脂成形装置である。
以下に、図1〜図6に基づいて、この発明の実施の形態の実施例1の樹脂成形装置Aについて説明する。
実施例1の樹脂成形装置Aは、図1に示すように、下型(第1の型)10と上型(第2の型)20とを備えており、両型10,20の間に、電子部品としての基板アッセンブリ30を配置して図2に示すように樹脂40により封止して半導体装置Bを製造するのに用いる。なお、樹脂40としては、例えば、エポキシ樹脂やポリイミド樹脂などを用いる。
実施例1の樹脂成形装置Aは、図1に示すように、下型(第1の型)10と上型(第2の型)20とを備えており、両型10,20の間に、電子部品としての基板アッセンブリ30を配置して図2に示すように樹脂40により封止して半導体装置Bを製造するのに用いる。なお、樹脂40としては、例えば、エポキシ樹脂やポリイミド樹脂などを用いる。
ここで、図3の拡大図により基板アッセンブリ30について説明を加えると、この基板アッセンブリ30は、薄板状のリードフレーム31にワイヤボンディング接続された電源制御を行うパワー半導体32の上下両面に下側セラミック基板33および上側セラミック基板34を実装したものである。また、各セラミック基板33,34は、薄板状の絶縁部材33a,34aの両面に金属パターン33b,33c,34b,34cを形成して構成されている。
さらに、下側セラミック基板33の下面と上側セラミック基板34の上面とは、樹脂40により封止を行って半導体装置Bとして完成させたときに、樹脂40から外部に露出されて放熱を行う露出部33d,34dを形成する。
さらに、下側セラミック基板33の下面と上側セラミック基板34の上面とは、樹脂40により封止を行って半導体装置Bとして完成させたときに、樹脂40から外部に露出されて放熱を行う露出部33d,34dを形成する。
下型10には、図4に示すように上型20と型締めした際にキャビティ空間50を形成する開口を上向きとした凹状のキャビティ面11が形成されている。さらに、キャビティ面11には、基板アッセンブリ30のセット時に露出部34dに対向する位置に、開口を上向きとした凹状のエアバッグ収容部12が形成されている。そして、このエアバッグ収容部12にエアバッグ(伸縮袋)61が収容されている。
上型20には、下型10と型締めした際にキャビティ空間50を形成する開口を下向きとした凹状のキャビティ面21が形成されている。さらに、キャビティ面21には、基板アッセンブリ30のセット時に露出部33dに対向する位置に、開口を下向きとした凹状のエアバッグ収容部22が形成されている。そして、このエアバッグ収容部22にエアバッグ(伸縮袋)62が収容されている。また、上型20は、周知のように図示を省略した駆動装置により図1に示すように、下型10から上方に離れてキャビティ空間50を解放する型開き位置と、図2に示すように下型10に当接して下型10との間にキャビティ空間50を形成する型締め位置とに移動可能に支持されている。
なお、キャビティ空間50は、図示を省略した樹脂注入口から樹脂が注入可能となっている。
なお、キャビティ空間50は、図示を省略した樹脂注入口から樹脂が注入可能となっている。
各エアバッグ61,62は、エア給排装置(流体給排装置)63から流体としてのエアが供給および排出されることで膨張および収縮する。これらのエアバッグ61,62には、耐熱性を有し、かつ、柔軟性を有するとともに気密性を有した素材が用いられている。本実施例1では、耐熱温度を180℃以上に設定しており、例えば、フッ素ゴムやシリコーンゴムを用いることができる。
なお、エアバッグ61,62は、膨張時に露出部33d,34dの全域に亘って密着するもので、そのため、エアバッグ収容部12,22の断面形状は、露出部33d,34dの平面形状と略同形状に形成されており、エアバッグ61,62も、その外周がエアバッグ収容部12,22の内周に全周に亘って当接して配置されて、露出部33d,34dの外周形状に沿った形状に形成されている。
また、エアバッグ61,62に給排する流体としては、エアバッグ61,62が破損して流体が樹脂40や各型10,20に接触した場合に汚染・腐食などの影響を与えないことを考慮すると、前述のエアや窒素などの人畜無害で発火性のない気体を用いることが好ましい。
次に、実施例1の樹脂成形装置Aを用いて樹脂40の成形を行って半導体装置Bを製造する成形方法について順を追って説明する。
(基板アッセンブリ製造工程)
まず、図1に示す基板アッセンブリ30を製造する。
この基板アッセンブリ30に使用する各セラミック基板33,34は、セラミック製の絶縁部材33a,34aを焼成して形成し、アルミニウムや銅製の金属パターン33b,33c,34b,34cを溶融接合やメタライズ(活性金属による接合)により接合するもので、この場合、絶縁部材33a,34aの厚さ公差が比較的大きくなるとともに、反りが生じるおそれがあるという特性を有している。
(基板アッセンブリ製造工程)
まず、図1に示す基板アッセンブリ30を製造する。
この基板アッセンブリ30に使用する各セラミック基板33,34は、セラミック製の絶縁部材33a,34aを焼成して形成し、アルミニウムや銅製の金属パターン33b,33c,34b,34cを溶融接合やメタライズ(活性金属による接合)により接合するもので、この場合、絶縁部材33a,34aの厚さ公差が比較的大きくなるとともに、反りが生じるおそれがあるという特性を有している。
(基板アッセンブリセット工程)
次に、基板アッセンブリ30を実施例1の樹脂成形装置Aを用いて樹脂で封止する。この樹脂成形装置Aは、樹脂封止前の初期状態では、図1に示すように、両型10,20を型開きしておき、また、エアバッグ61,62は、収縮状態としておく。
この状態から、基板アッセンブリ30を、下型10にセットする。
このセット時には、リードフレーム31の外周縁を下型10の表面のあらかじめ設定された位置に当接させる。このとき、下側セラミック基板33の露出部33dが下型10のエアバッグ61の正面に当接あるいは近接される。
次に、基板アッセンブリ30を実施例1の樹脂成形装置Aを用いて樹脂で封止する。この樹脂成形装置Aは、樹脂封止前の初期状態では、図1に示すように、両型10,20を型開きしておき、また、エアバッグ61,62は、収縮状態としておく。
この状態から、基板アッセンブリ30を、下型10にセットする。
このセット時には、リードフレーム31の外周縁を下型10の表面のあらかじめ設定された位置に当接させる。このとき、下側セラミック基板33の露出部33dが下型10のエアバッグ61の正面に当接あるいは近接される。
(型締め工程)
次に、上型20を下方に移動させて、図4に示すように型締めを行う。
この型締め状態で、基板アッセンブリ30の上側セラミック基板34の露出部34dの正面に当接あるいは近接して上型20のエアバッグ62が配置される。
次に、上型20を下方に移動させて、図4に示すように型締めを行う。
この型締め状態で、基板アッセンブリ30の上側セラミック基板34の露出部34dの正面に当接あるいは近接して上型20のエアバッグ62が配置される。
(エアバッグ膨張工程)
次に、両エアバッグ61,62にエア給排装置63からエアを供給し、両エアバッグ61,62を膨張させる。
この膨張した両エアバッグ61,62は、各セラミック基板33,34の露出部33d,34dの全面に亘ってあらかじめ設定された圧力で当接される。この圧力は、後述する樹脂40の充填時に、各エアバッグ61,62と各セラミック基板33,34の露出部33d,34dとの間に樹脂が浸入することが無く、かつ、各セラミック基板33,34に反りが生じていても、破壊を招くほど強制的に各セラミック基板33,34を変形させることのない圧力に設定されている。
次に、両エアバッグ61,62にエア給排装置63からエアを供給し、両エアバッグ61,62を膨張させる。
この膨張した両エアバッグ61,62は、各セラミック基板33,34の露出部33d,34dの全面に亘ってあらかじめ設定された圧力で当接される。この圧力は、後述する樹脂40の充填時に、各エアバッグ61,62と各セラミック基板33,34の露出部33d,34dとの間に樹脂が浸入することが無く、かつ、各セラミック基板33,34に反りが生じていても、破壊を招くほど強制的に各セラミック基板33,34を変形させることのない圧力に設定されている。
(樹脂充填工程)
次に、図5に示すように、キャビティ空間50に樹脂40を充填する。
この充填時の樹脂40の温度および充填圧は、例えば、樹脂温度が150〜180℃の範囲で、注入圧が5MPa〜15MPaの範囲であるとする。
なお、両エアバッグ61,62の膨張状態は、樹脂40が硬化するまでその圧が保持されて上記密着状態が維持される。
次に、図5に示すように、キャビティ空間50に樹脂40を充填する。
この充填時の樹脂40の温度および充填圧は、例えば、樹脂温度が150〜180℃の範囲で、注入圧が5MPa〜15MPaの範囲であるとする。
なお、両エアバッグ61,62の膨張状態は、樹脂40が硬化するまでその圧が保持されて上記密着状態が維持される。
(型開き工程)
樹脂40が硬化するのに必要な時間の経過後、型開きを行い、上型20を上方へ移動させる。
この型開きの前、あるいは型開きの後に、両エアバッグ61,62に供給していたエアを排出して両エアバッグ61,62を収縮させる。
樹脂40が硬化するのに必要な時間の経過後、型開きを行い、上型20を上方へ移動させる。
この型開きの前、あるいは型開きの後に、両エアバッグ61,62に供給していたエアを排出して両エアバッグ61,62を収縮させる。
以上の工程を経て、図2に示す半導体装置Bが完成する。
この完成した半導体装置Bは、図2(b)の断面図に示すように、各セラミック基板33,34の表面である露出部33d、34dが樹脂40の表面に露出される。
この完成した半導体装置Bは、図2(b)の断面図に示すように、各セラミック基板33,34の表面である露出部33d、34dが樹脂40の表面に露出される。
以下に、実施例1の成形装置の効果を列挙する。
a)樹脂40の充填時に、両エアバッグ61,62が露出部33d,34dに密着するため、樹脂40が露出部33d,34dの表面に浸入するのを防止でき、露出部33d,34dを、樹脂40に覆われることなく露出させることができる。
a)樹脂40の充填時に、両エアバッグ61,62が露出部33d,34dに密着するため、樹脂40が露出部33d,34dの表面に浸入するのを防止でき、露出部33d,34dを、樹脂40に覆われることなく露出させることができる。
b)樹脂40の充填時には、キャビティ面11,21側から各エアバッグ61,62により覆うため、従来のように、露出部33d,34dを、樹脂40で封止する側から可動棒でキャビティ面11,21に押し付けた場合のように樹脂40内に孔が残ることが無い。このため、この孔に水分が浸入して耐湿性および絶縁性が低下するおそれがない。
c)樹脂40の充填時には、キャビティ面11,21側から各エアバッグ61,62により覆うため、基板アッセンブリ30をキャビティ面11,21に強く押さることが無くなり、基板アッセンブリ30の厚さ誤差が大きかったり、反りが生じたりしていても基板アッセンブリ30に破損が生じ難い。
本実施例のように、両セラミック基板33,34を用いたものでは、厚さ誤差が大きくなったり、反りが生じたりするおそれがあるが、このようなものでも、破損が生じ難くなる。
特に、各セラミック基板33,34に反りが生じていた場合、従来は、図6(a)に示すように可動棒aにより押圧するだけでは、セラミック基板bをキャビティ面cに密着させることが難しく、セラミック基板bとキャビティ面cとの間に生じた隙間eに樹脂が浸入するおそれが高いか、あるいは、セラミック基板bをキャビティ面cに強く押さえるとセラミック基板bが、破損するおそれがあった。
本実施例のように、両セラミック基板33,34を用いたものでは、厚さ誤差が大きくなったり、反りが生じたりするおそれがあるが、このようなものでも、破損が生じ難くなる。
特に、各セラミック基板33,34に反りが生じていた場合、従来は、図6(a)に示すように可動棒aにより押圧するだけでは、セラミック基板bをキャビティ面cに密着させることが難しく、セラミック基板bとキャビティ面cとの間に生じた隙間eに樹脂が浸入するおそれが高いか、あるいは、セラミック基板bをキャビティ面cに強く押さえるとセラミック基板bが、破損するおそれがあった。
それに対し、本実施例1では、図6(b)に示すように、エアバッグ61が下側セラミック基板33の反り形状に応じて変形して密着するため、下側セラミック基板33とエアバッグ61との間に隙間が生じにくく、樹脂40の浸入が生じにくくなり、また、強く押さえ付ける必要がないため、下側セラミック基板33が破損しにくい。なお、上側セラミック基板34についても同様である。
d)両エアバッグ61,62によりキャビティ面11,21側から露出部33d,34dを覆うため、半導体装置Bの上下両面に露出部33d,34dの設定が可能となる。
e)エアバッグ61,62に給排する流体として空気を用いたため、エアバッグ61,62に破損が生じたとしても、両型10,20や半導体装置Bに汚染や腐食などが生じるおそれがない。
以上、図面を参照して、本発明の実施の形態および実施例1を詳述してきたが、具体的な構成は、この実施の形態および実施例1に限らず、本発明の要旨を逸脱しない程度の設計的変更は、本発明に含まれる。
例えば、実施例1では、電子部品としての基板アッセンブリの上下両面に露出部を設けたが、これに限定されず、上下の一側に露出部を設けてもよい。この場合、伸縮袋も上下両型のいずれか一方に設ければよい。
また、実施例1では、電子部品として、上下セラミック基板を備えた基板アッセンブリを示したが、基板の基材の材質は、セラミックに限定されるものではない。
また、伸縮袋に給排する流体としては、エアに限定されず、他の気体、あるいは液体を用いてもよい。
10 下型(第1の型)
11 キャビティ面
20 上型(第2の型)
21 キャビティ面
30 基板アッセンブリ(電子部品)
33 下側セラミック基板
33d 露出部
34 上側セラミック基板
34d 露出部
40 樹脂
50 キャビティ空間
61 エアバッグ(伸縮袋)
62 エアバッグ(伸縮袋)
63 エア給排装置(流体給排装置)
A 樹脂成形装置
B 半導体装置
11 キャビティ面
20 上型(第2の型)
21 キャビティ面
30 基板アッセンブリ(電子部品)
33 下側セラミック基板
33d 露出部
34 上側セラミック基板
34d 露出部
40 樹脂
50 キャビティ空間
61 エアバッグ(伸縮袋)
62 エアバッグ(伸縮袋)
63 エア給排装置(流体給排装置)
A 樹脂成形装置
B 半導体装置
Claims (4)
- 型締め時にキャビティ面により囲まれたキャビティ空間を形成する第1の型および第2の型を備え、前記キャビティ空間に電子部品を配置し樹脂を充填して成形し、前記電子部品を前記樹脂で封止した半導体装置を成形する樹脂成形装置であって、
前記電子部品は、前記樹脂による封止状態で前記樹脂から露出される露出部を備え、
前記両型の少なくとも一方は、前記キャビティ面の前記露出部に対向する位置に、柔軟な気密素材により膨張および収縮可能に形成されて膨張時に前記露出部全体に亘り密着可能な伸縮袋を備え、
前記伸縮袋内に流体を供給および排出させて前記伸縮袋を膨張収縮させる流体給排装置を備えていることを特徴とする樹脂成形装置。 - 前記露出部が、前記型締め方向の両側に設けられ、
両型の各キャビティ面に、前記伸縮袋が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の樹脂成形装置。 - 前記電子部品は、前記露出部がセラミック基板の表面により形成されていることを特徴とする請求項2に記載の樹脂成形装置。
- 請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の樹脂成形装置を用いて前記半導体装置を製造する成形方法であって、
前記型開きした両型の一方に、前記電子部品を配置した後に、両型を型締めする工程と、
前記伸縮袋に流体を供給して膨張させ、前記露出部の全体に前記伸縮袋を密着させる工程と、
前記伸縮袋の前記密着状態を維持させたまま前記キャビティ空間に前記樹脂を充填する工程と、
前記樹脂が硬化するまで前記伸縮袋の前記密着状態を維持し、前記樹脂の硬化後、型開きする工程と、
を実行することを特徴とする成形方法。
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JP2011099009A JP2012228833A (ja) | 2011-04-27 | 2011-04-27 | 樹脂成形装置およびこの樹脂成形装置を用いた成形方法 |
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JP2013089607A (ja) * | 2011-10-13 | 2013-05-13 | Nissan Motor Co Ltd | モールド装置およびモールド方法 |
JP2017011192A (ja) * | 2015-06-25 | 2017-01-12 | アサヒ・エンジニアリング株式会社 | 電子素子の樹脂封止装置および樹脂封止方法 |
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2011
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