JP2017109383A - 複合成形部材、複合成形部材の製造方法、および電子部品 - Google Patents

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邦明 鈴木
Kuniaki Suzuki
邦明 鈴木
小原 啓志
Keiji Obara
啓志 小原
尭也 坂本
Takaya Sakamoto
尭也 坂本
和裕 宮川
Kazuhiro Miyagawa
和裕 宮川
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Abstract

【課題】気密性に優れる樹脂複合成形体を提供する。
【解決手段】金属部2と成形樹脂部1とを備える複合成形部材10であって、金属部2と成形樹脂部1とは接着層3を介して接合する部分を備え、接着層3を介して成形樹脂部1に対向する金属部2の面は凹凸(複数の凹部2d)を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、複合成形部材、複合成形部材の製造方法、および上記の複合成形部材または上記の複合成形部材の製造方法により製造された複合成形部材からなる電子部品に関する。
特許文献1には、金属端子をインサートし、その一部が樹脂の筐体より突き出して電気的接続部を形成する金属端子をインサートした樹脂複合成形体の製造方法であって、予め金属端子の板幅側の端部に樹脂の圧縮応力を生み出す溝形状を少なくとも1箇所設け、該溝形状が前記金属端子の板幅側端面との交点になす角が、90°より小さい鋭角形状を少なくとも1つ有する形態とし、溶融樹脂が凝固する際の体積変化の現象を利用して前記金属端子と前記樹脂とを前記溝形状の内部で部分的に密着させて気密性を向上させる、金属端子をインサートした樹脂複合成形体の製造方法が開示されている。
特開2012−101394号公報
しかし、特許文献1に記載された製造方法では、溝形状における前記金属端子の板幅側端面との交点になす角を、90°より小さい鋭角形状とするため、金属端子の形状加工は容易とはいえず、金属端子が小型化すると上記の溝形状の加工が適切に行われない場合がある。このような場合には、樹脂複合成形体における樹脂部と樹脂成型部と密着性が低下して、樹脂複合成形体の気密性を適切に確保することが困難となる。
本発明は、上記従来の課題を解決するためのものであり、気密性に優れる樹脂複合成形体を提供することを目的とする。また、本発明は、気密性に優れる樹脂複合成形体の製造方法を提供することをも目的とする。さらに、本発明は、上記の複合成形部材の製造方法により製造された複合成形部材からなる電子部品を提供することも目的とする。
上記の課題を解決するために提供される本発明は、一態様において、金属部と成形樹脂部とを備える複合成形部材であって、前記金属部と前記成形樹脂部とは接着層を介して接合する部分を備え、前記接着層を介して前記成形樹脂部に対向する前記金属部の面は凹凸を有することを特徴とする複合成形部材である。
金属部と成形樹脂部との間に接着層を設けてこれらを接合させることにより、金属部と成形樹脂部との間の密着性を高めることができる、換言すれば、金属部と成形樹脂部との間の剥離しにくさを高めることができる。しかも、接着層を介して樹脂部に対向する金属部の面は凹凸を有するため、接着層の金属部や成形樹脂部に接触する面積を増やすことができる。その結果、仮に金属部と樹脂成形部との間に隙間が生じたとしても、延面距離が長くなり、外部からの物質(水、フラックスなどが例示される。)が複合成形部材の内部に到達しにくくすることができる。
前記金属部における前記凹凸を有する面の部分の厚さは100μm以下である場合には、前記凹凸を有する面は、JIS B0601:2013に規定される最大高さ粗さRzが5μm以下であることにより、金属部の凹凸が金属部全体の機械強度に与える影響を少なくすることができ、好ましい。
前記金属部を構成する部材が基材と前記基材上に設けられた銀含有めっき層と前記銀含有めっき層上に設けられた変色防止層とを備えてなる場合には、前記金属部の前記凹凸を有する面は基材からなることが、金属部と成形樹脂部との密着性を高める観点から好ましい。すなわち、凹凸部では、金属部を構成する部材から銀含有めっき層と変色防止層とが剥離した状態となっていることが好ましい。
前記金属部の前記凹凸を有する面は、平面視で直径10μm以上60μm以下の開口を有する複数の凹部を有する面であってもよい。
本発明は、他の一態様として、金属部と成形樹脂部とを備える複合成形部材の製造方法であって、金属部材における厚さ100μm以下の部分の面にレーザ光を照射して、前記金属部材の基材を変形させて複数の凹部を形成するレーザ照射工程、前記金属部材における前記複数の凹部が形成された面上に接着剤層を形成する接着剤層形成工程、前記金属部材を、前記接着剤層が形成された側の面がキャビティ内を向くように成形金型内に配置する配置工程、および前記金属部材の前記複数の凹部が形成された面上の前記接着剤層が成形樹脂で覆われるように樹脂成形を行って、前記金属部材に由来する前記金属部と、前記成形樹脂部と、前記接着剤層の硬化物からなる接着層とを備える前記複合成形部材を得る成形工程を備えることを特徴とする成形部材の製造方法を提供する。
このような製造方法を採用することにより、上記の本発明の一態様に係る複合成形部材を効率的に製造することができる。
前記金属部材は前記基材上に銀含有めっき層および変色防止層を備えていてもよい。この場合には、前記レーザ照射工程では、前記複数の凹部を形成するとともに、前記銀含有めっき層および前記変色防止層を除去することが、生産効率を高める観点から好ましい。
前記複数の凹部が形成された面は、JIS B0601:2013に規定される最大高さ粗さRzが5μm以下であることが、レーザ照射工程において金属部に凹部を形成したときに金属部が変形するといった不具合が生じにくく、好ましい。
前記凹部は平面視で直径10μm以上60μm以下の開口を有することが、レーザ照射工程において効率的に加工を行う観点から好ましい。
前記金属部材は抜き打ち加工により形成されたものであってもよい。打ち抜き加工の際には、加工油が用いられることが一般的であるところ、この加工油が金属部材の表面に残留していても、レーザ照射工程により金属部材に凹部を形成するときに加工油を除去することが可能であるため、複数の凹部が形成された面上に接着剤層を安定的に形成することができる。
マスクレスに加工されることが、生産性を高める観点から好ましい。
本発明は、別の一態様として、上記の本発明の一態様に係る成形部材からなる電子部品を提供する。
本発明によれば、気密性に優れる樹脂複合成形体が提供される。また、本発明により、気密性に優れる樹脂複合成形体の製造方法も提供される。さらに、本発明により、上記の複合成形部材の製造方法により製造された複合成形部材からなる電子部品も提供される。
本発明の一実施形態に係る複合成形部材を模式的に示す部分断面図である。 本発明の一実施形態に係る複合成形部材の製造方法を示すフローチャートである。 レーザ照射工程に供される金属部材の構造を模式的に示す部分断面図である。 レーザ照射工程が行われている途中の状態を模式的に示す部分断面図である。 レーザ照射工程後の金属部材の状態を模式的に示す部分断面図である。 接着剤層形成工程が行われている途中の状態を模式的に示す部分断面図である。 接着剤層形成工後の状態を模式的に示す部分断面図である。 成形工程が行われている途中の状態を模式的に示す部分断面図である。 レーザ照射工程後の金属部材の一例における複数の凹部を有する面の(a)観察結果および(b)測定結果を示す図である。 レーザ照射工程後の金属部材の一例における複数の凹部を有する面の(a)観察結果および(b)測定結果を示す図である。 本発明の一実施形態に係る電子部品の一例を示す斜視図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
図1は、本発明の一実施形態に係る複合成形部材を模式的に示す部分断面図である。
図1に示されるように、本発明の一実施形態に係る複合成形部材10は、金属部2と成形樹脂部1とこれらの間に位置する接着層3とを備える。
金属部2は、金属、合金またはこれらの積層構造体からなる。金属部2を構成する材料として、リン青銅等の銅系材料、アルミニウム系材料、銀系材料などが例示される。
成形樹脂部1は、成形可能な樹脂系材料からなる。樹脂系材料に含まれる樹脂材料として、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン;ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル;6,6−ナイロン等のポリアミド;ポリスルホン;液晶ポリマーなどが例示される。樹脂系材料はシリカ、ガラスなどからなるフィラーを含有していてもよい。
接着層3は、金属部2と成形樹脂部1とを接合させている。上記のように、金属部2を構成する材料と成形樹脂部1を構成する材料とは異なるため、熱膨張率、ヤング率などの物性が大きく異なる。このため、複合成形部材が金属部と金属部上に直接設けられた成形樹脂部とを備える構成を有する場合には、金属部と成形樹脂部との間に隙間が生じやすい。この隙間から水分やフラックスが入り込むと、金属部2に腐食が生じて、複合成形部材の機械特性や電気特性が劣化してしまう。しかしながら、本発明の一実施形態に係る複合成形部材10は、金属部2と成形樹脂部1との間に接着層3が設けられていることにより、金属部2と成形樹脂部1との間の密着性を高めることができる。この点を換言すれば、金属部2と成形樹脂部1との間の剥離しにくさを高めることができる。
接着層3を介して成形樹脂部1に対向する金属部2の面(接合面)は、凹凸、具体的には、複数の凹部2dを有する。このように、金属部2の接合面が凹凸を有することにより、接着層3の金属部2や成形樹脂部1に接触する面積を増やすことができる。その結果、仮に金属部2と成形樹脂部1との間に隙間が生じたとしても、延面距離が長くなり、外部からの物質(水、フラックスなどが例示される。)が複合成形部材10の内部に到達しにくくすることができる。
さらに、上記の凹凸(複数の凹部2d)に沿って接着層3は位置するため、金属部2と成形樹脂部1との間にせん断力が生じても、接着層3は、せん断力の方向とは異なる方向に接着層3の面内方向が位置する部分を有することができる。このため、金属部2と成形樹脂部1との間にせん断力が生じても、接着層3の大規模な(金属部2と成形樹脂部1とが剥離するほどの)せん断破壊が生じる可能性を低減させることができる。接着層3の厚さは、接着層3が適切に機能を果たすことができるように、適宜設定される。限定されない例示を行えば、接着層3の厚さとして、0.1μm以上20μm以下が挙げられる。
金属部2における上記の凹凸(複数の凹部2d)を有する面の部分の厚さが100μm以下である場合には、上記の凹凸(複数の凹部2d)を有する面は、JIS B0601:2013に規定される最大高さ粗さRzが5μm以下であることが好ましい。上記の最大高さ粗さRzが5μm以下であることにより、金属部2の凹凸(複数の凹部2d)が金属部2全体の機械強度に与える影響を少なくすることができる。金属部2と成形樹脂部1との密着性を高める観点から、上記の最大高さ粗さRzは1μm以上であることが好ましく、2μm以上であることが好ましい。
ここで、金属部2を構成する部材(後述する金属部材2Mに相当する。)が、図3に示す基材2Sと、基材2S上に設けられた銀含有めっき層4と、銀含有めっき層4上に設けられた変色防止層5とを備えてなる場合には、金属部2の上記の凹凸(複数の凹部2d)を有する面は基材2Sからなることが、金属部2と成形樹脂部1との密着性を高める観点から好ましい。図3は、本発明の一実施形態に係る複合成形部材の製造方法のレーザ照射工程に供される金属部材の構造を模式的に示す部分断面図である。金属部2の接着層3に接する面が変色防止層5の面である場合には、接着層3の金属部2に対する密着性が低下する可能性があるため、接着層3を形成する前に金属部2から変色防止層5を適切に除去しておくことが好ましい。ところが、変色防止層5は銀含有めっき層4に対して化学的に相互作用して覆うように設けられるため、銀含有めっき層4を残して変色防止層5を除去することは容易でない。したがって、銀含有めっき層4とともに変色防止層5を除去することにより、変色防止層5を確実に除去できる。
金属部2の上記の凹凸の具体的な形状は限定されない。例えば、平面視で直径10μm以上60μm以下の開口を有する複数の凹部2dを有していてもよい。
本発明の一実施形態に係る複合成形部材10の製造方法は限定されない。図2から図8を参照しつつ次に説明する製造方法によれば、複合成形部材10を効率的に製造することができる。
図2は、本発明の一実施形態に係る複合成形部材の製造方法を示すフローチャートである。図4は、本発明の一実施形態に係る複合成形部材の製造方法のレーザ照射工程が行われている途中の状態を模式的に示す部分断面図である。図5は、本発明の一実施形態に係る複合成形部材の製造方法のレーザ照射工程後の金属部材の状態を模式的に示す部分断面図である。図6は、本発明の一実施形態に係る複合成形部材の製造方法の接着剤層形成工程が行われている途中の状態を模式的に示す部分断面図である。図7は、本発明の一実施形態に係る複合成形部材の製造方法の接着剤層形成工後の状態を模式的に示す部分断面図である。図8は、本発明の一実施形態に係る複合成形部材の製造方法の成形工程が行われている途中の状態を模式的に示す部分断面図である。
図2に示されるように、本発明の一実施形態に係る複合成形部材の製造方法は、レーザ照射工程(ステップS101)、接着剤層形成工程(ステップS102)、配置工程(ステップS103)、および成形工程(ステップS104)を備える。
まず、図3に示されるように、金属部材2Mを用意する。本発明の一実施形態に係る製造方法では、金属部材2Mは、リン青銅からなる基材2Sと、基材2S上に設けられた銀含有めっき層4と、銀含有めっき層4上に設けられた変色防止層5とからなる。銀含有めっき層4は、複合成形部材10からなる電子部品を接点部材として用いたとき、接点における接触抵抗を低減させることができる。変色防止層5は、銀含有めっき層4の外観変化を抑制したり、接触抵抗の上昇を抑制したりすることができる。金属部材2Mは、レーザ照射工程(ステップS101)により凹部2dが形成される部分の厚さが100μm以下であり、80μm以下であってもよく、50μm以下であってもよく、30μm以下であってもよい。
ここで、金属部材2Mは抜き打ち加工により形成されたものであってもよい。抜き打ち加工で形成された場合には、加工油などの油性物質ODが金属部材2Mの表面に残留することがある。
レーザ照射工程(ステップS101)では、図4に示されるように、金属部材2Mにおける厚さ100μm以下の部分の面にレーザ光LLを照射して、金属部材2Mの基材2Sを変形させて複数の凹部2dを形成する。この際、基材2S上に設けられた銀含有めっき層4および銀含有めっき層4上に設けられた変色防止層5は除去され、凹部2dの面は基材2Sから構成される。上記のように、金属部材2Mが抜き打ち加工により形成されたものであって加工油などの油性物質ODが金属部材2Mの表面に残留する場合であっても、油性物質ODは銀含有めっき層4および変色防止層5とともに除去され、複数の凹部2dに残留させないことが可能である。紫外線照射装置を用いた場合には変色防止層5をある程度除去することは可能であるが、油性物質ODを除去することは容易でない。
レーザ光LLを照射して複数の凹部2dを形成する場合には、レーザ光LLの照射エネルギー、照射密度、照射ピッチなどを変化させることにより、複数の凹部2dの形状を制御性高く形成することができる。したがって、レーザ照射工程(ステップS101)を採用することにより、金属部材2Mに複数の凹部2dが形成された面のJIS B0601:2013に規定される最大高さ粗さRzを5μm以下とすることは容易である。
以上説明したように、レーザ照射工程(ステップS101)を実施することにより、図5に示されるように、基材2Sからなる金属部材2Mに複数の凹部2dが形成された面を用意することができる。図9および図10に、基材2Sからなる複数の凹部2dが形成された面を有する金属部材2Mの具体例を示した。
図9に観察画像が示されるレーザ加工で得られた複数の凹部2dの形状測定を行った結果、図9(b)に示されるように、最大高さ粗さRzは3.9μmであった。また、凹部の平均穴径は19.7μmであり、凹部のピッチの平均値は29.2μmであった。
図10に観察画像が示されるレーザ加工で得られた複数の凹部2dの形状測定を行った結果、図10(b)に示されるように、最大高さ粗さRzは3.6μmであった。また、凹部の平均穴径は18.5μmであり、凹部のピッチの平均値は24.8μmであった。
接着剤層形成工程(ステップS102)では、図6に示されるように、ディスペンサーDSを用いて接着剤組成物ACを金属部材2Mにおける複数の凹部2dが形成された面に供給して、当該面上に接着剤層3Aを形成する。接着剤層3Aの厚さは、接着剤層3Aから形成される接着層3が適切な厚さとなるように適宜設定される。こうして、図7に示されるように、金属部材2Mの複数の凹部2dが形成された面上に接着剤層3Aが形成される。
上記のようにレーザ照射工程(ステップS101)において複数の凹部2dを形成する際にレーザ光LLを用いたことにより、接着剤層3Aが形成されるべき複数の凹部2dの面は、基材2Sから構成される。この基材2Sからなる面は、レーザ光LLが照射されていない面(変色防止層5の面やさらに油性物質ODが付着した面)とは化学的性質が大きく異なる。このため、レーザ光LLを照射することにより生成した複数の凹部2dの面に対する接着剤組成物ACの濡れ性を、金属部材2Mにおけるレーザ光LLが照射されていない面に対する接着剤組成物ACの濡れ性よりも高めることが可能である。したがって、マスクを用いることなく、すなわち、マスクレスに、接着剤組成物ACを複数の凹部2dの面に供給して接着剤層3Aを形成することができる。
配置工程(ステップS103)では、金属部材2Mを、接着剤層3Aが形成された側の面がキャビティ内を向くように成形金型内に配置する。
成形工程(ステップS104)では、図8に示されるように、金属部材2Mの前記複数の凹部2dが形成された面上の接着剤層3Aが成形樹脂部1で覆われるように樹脂1RSの成形を行う。図8では、矢印の向きに樹脂1RSが展開している。樹脂1RSの成形を射出成形により行う場合など、樹脂1RSの金属部材2Mに対する移動速度が特に速い場合がある。このような場合であっても、金属部材2Mには複数の凹部2dが設けられていて、その凹部2d上に接着剤層3Aが形成されている。このため、移動する樹脂1RSによって接着剤層3Aが金属部材2Mから剥離する不具合が生じにくい。こうして樹脂1RSを成形金型のキャビティ内に展開して樹脂成形を行うことにより、金属部材2Mに由来する金属部2上に成形樹脂部1を設けるとともに、接着剤層3Aを構成する接着剤組成物ACを硬化させて、接着剤層3Aの硬化物からなる接着層3を金属部2と成形樹脂部1との間に設ける。成形工程において行われる樹脂成形が金型の加熱や高温の樹脂1RSの供給を含む場合には、金型や樹脂1RSからの熱により、接着剤層3Aを構成する接着剤組成物ACを硬化させることが、生産効率を高める観点から好ましい。こうして、図1に示されるような、金属部2と、成形樹脂部1と、接着層3とを備える複合成形部材10を得ることができる。
以上説明した本発明の一実施形態に係る複合成形部材10は、スイッチやコネクタなど電子部品として好適に使用されうる。そのような電子部品の一例として、図11に示されるスイッチ100が挙げられる。スイッチ100は、成形樹脂部101と金属部102とからなる複合成形部材110、および複合成形部材110部を保護するとともにスイッチ100に意匠を与えるフィルム部111を備える。
なお、上記に本実施形態およびその適用例を説明したが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。例えば、前述の各実施形態またはその適用例に対して、当業者が適宜、構成要素の追加、削除、設計変更を行ったものや、各実施形態の特徴を適宜組み合わせたものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含有される。
10 複合成形部材
1 成形樹脂部
2 金属部
2d 複数の凹部
2M 金属部材
2S 基材
3 接着層
4 銀含有めっき層
5 変色防止層5
OD 油性物質
LL レーザ光
DS ディスペンサー
AC 接着剤組成物
3A 接着剤層
1RS 樹脂
100 スイッチ
110 複合成形部材
101 成形樹脂部
102 金属部
111フィルム部

Claims (11)

  1. 金属部と成形樹脂部とを備える複合成形部材であって、
    前記金属部と前記成形樹脂部とは接着層を介して接合する部分を備え、
    前記接着層を介して前記成形樹脂部に対向する前記金属部の面は凹凸を有すること
    を特徴とする複合成形部材。
  2. 前記金属部における前記凹凸を有する面の部分の厚さは100μm以下であり、
    前記凹凸を有する面は、JIS B0601:2013に規定される最大高さ粗さRzが5μm以下である、請求項1に記載の複合成形部材。
  3. 前記金属部を構成する部材が基材と前記基材上に設けられた銀含有めっき層と前記銀含有めっき層上に設けられた変色防止層とを備えてなり、前記金属部の前記凹凸を有する面は前記基材からなる、請求項1または2に記載の複合成形部材。
  4. 前記金属部の前記凹凸を有する面は、平面視で直径10μm以上60μm以下の開口を有する複数の凹部を有する面である、請求項1から3のいずれか一項に記載の複合成形部材。
  5. 金属部と成形樹脂部とを備える複合成形部材の製造方法であって、
    金属部材における厚さ100μm以下の部分の面にレーザ光を照射して、前記金属部材の基材を変形させて複数の凹部を形成するレーザ照射工程、
    前記金属部材における前記複数の凹部が形成された面上に接着剤層を形成する接着剤層形成工程、
    前記金属部材を、前記接着剤層が形成された側の面がキャビティ内を向くように成形金型内に配置する配置工程、および
    前記金属部材の前記複数の凹部が形成された面上の前記接着剤層が成形樹脂で覆われるように樹脂成形を行って、前記金属部材に由来する前記金属部と、前記成形樹脂に由来する前記成形樹脂部と、前記接着剤層の硬化物からなる接着層とを備える前記複合成形部材を得る成形工程を備えること
    を特徴とする成形部材の製造方法。
  6. 前記金属部材は前記基材上に銀含有めっき層および変色防止層を備え、
    前記レーザ照射工程では、前記複数の凹部を形成するとともに、前記銀含有めっき層および前記変色防止層を除去する、請求項5に記載の成形部材の製造方法。
  7. 前記複数の凹部が形成された面は、JIS B0601:2013に規定される最大高さ粗さRzが5μm以下である、請求項5または6に記載の成形部材の製造方法。
  8. 前記凹部は平面視で直径10μm以上60μm以下の開口を有する、請求項5から7のいずれか一項に記載の成形部材の製造方法。
  9. 前記金属部材は抜き打ち加工により形成されたものである、請求項5から8のいずれか一項に記載の成形部材の製造方法。
  10. マスクレスに加工される、請求項5から9のいずれか一項に記載の成形部材の製造方法。
  11. 請求項1から4のいずれか一項に記載される成形部材からなる電子部品。
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