JP6210061B2 - 磁気センサデバイス - Google Patents

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Description

本発明は、電流センサ等として利用可能な磁気センサデバイスに関する。
携帯電話機等の電子機器に利用される磁気センサにおいて、電子機器内部の電子部品が発生する磁場の影響を低減するシールド技術が、特許文献1に開示されている。この特許文献1に開示された技術では、電極部を除く全体をシールド部材でシールドし、特に磁気センサの感度軸方向に長めのシールド部材を用いることとし、これにより、電極部の開口を通じた外部磁場の影響を軽減することとしている。
また磁束吸収体でMR素子を覆うことによって、飽和点Pに至らしめる磁束量を増加させ、無磁場状態の検出範囲を拡張する技術が特許文献2に開示されている。
特開2009−036579号公報 特開2011−180080号公報
特許文献1に開示のような上記従来の磁気センサは、パッケージ内部に測定対象の磁場が形成されるものであるため、全体をシールドすることにより外部磁場を遮蔽するものであり、比較的強い磁場が印加された場合に、磁気センサに印加される磁場の強さを減衰させること(すなわちアッテネートさせること)は開示されていない。また磁場の強さを減衰させる場合、磁気センサ素子の周囲を磁束吸収体で覆ってしまうことで無磁場状態の検出範囲を拡張していた(特許文献2の例)。
本発明は上記実情に鑑みて為されたもので磁気センサに印加される磁場の強さを減衰する磁気センサデバイスを提供することを、その目的の一つとする。
本発明の一態様に係る磁気センサデバイスは、基板面に形成され、予め定められた検出軸方向の磁場の強さを検出する磁気センサ素子と、前記磁気センサ素子の面に平行な第1、第2の面を有し、前記磁気センサ素子を内包する仮想的な直方体の前記磁気センサ素子の面に平行な第1の面内に配された第1の磁場減衰部と、前記第1の磁場減衰部に対し、前記磁気センサ素子を間において対向し、前記仮想的な直方体の、前記磁気センサ素子の面に平行な第2の面内に配された第2の磁場減衰部と、を含む。
本発明によると、磁気センサに印加される磁場の強さを減衰できる。
本発明の実施の形態に係る磁気センサデバイスの一例の概要を表す斜視図である。 本発明の実施の形態に係る磁気センサデバイスのもう一つの例の概要を表す斜視図である。 本発明の実施の形態に係る磁気センサデバイスの磁気センサ素子の例を表す説明図である。 本発明の実施の形態に係る磁気センサデバイスの一例の概要を表す断面図である。 本発明の実施の形態に係る磁気センサデバイスの別の概要例を表す断面図である。 本発明の実施の形態に係る磁気センサデバイスのさらに別の概要例を表す断面図である。 本発明の実施の形態に係る磁気センサデバイスのさらに別の例の概要を表す斜視図である。 本発明の実施の形態に係る磁気センサデバイスのさらに別の例に係る断面図である。 本発明の実施の形態に係る磁気センサデバイスのまた別の例の概要を表す説明図である。 本発明の実施の形態に係る磁気センサデバイスのまたさらに別の例の概要を表す説明図である。 本発明の実施の形態に係る磁気センサデバイスのもう一つの別の例の概要を表す説明図である。 本発明の実施の形態に係る磁気センサデバイスの一例に係る断面図である。 本発明の実施の形態に係る磁気センサデバイスの別の例に係る断面図である。 本発明の実施の形態に係る磁気センサデバイスの使用例を表す説明図である。別の例 本発明の実施の形態に係る磁気センサデバイスの別の使用例を表す説明図である。 本発明の実施の形態に係る磁気センサデバイスにおける磁気センサ素子の例を表す説明図である。 本発明の実施の形態に係る磁気センサデバイスにおける磁気センサ素子の別の例を表す平面透視図である。 本発明の実施の形態に係る磁気センサデバイスにおける磁気センサ素子のコイルの配置例を表す説明図である。 本発明の実施の形態に係る磁気センサデバイスにおける磁気センサ素子のコイルの配線例を表す説明図である。 本発明の実施の形態に係る磁気センサデバイスにおける磁気センサ素子の接続例を表す説明図である。 本発明の実施の形態に係る磁気センサデバイスにおける磁気センサ素子の例を表す断面図である。 本発明の実施の形態に係る磁気センサデバイスにおける別の磁気センサ素子の例による回路例を表す概略回路図である。 本発明の実施の形態に係る磁気センサデバイスにおけるまた別の磁気センサ素子の例による回路例を表す概略回路図である。 本発明の実施の形態に係る磁気センサデバイスにおける磁場減衰部の形成例を表す説明図である。 本発明の実施の形態に係る磁気センサデバイスにおける磁場減衰部のもう一つの形成例を表す説明図である。 本発明の実施の形態に係る磁気センサデバイスにおける磁場減衰部のさらにもう一つの形成例を表す説明図である。 本発明の実施の形態に係る磁気センサデバイスにおける減衰量調整の方法の例を表す説明図である。 本発明の実施の形態に係る磁気センサデバイスにおける減衰量調整の例を表す説明図である。 本発明の実施の形態に係る磁気センサデバイスにおける減衰量調整のもう一つの例を表す説明図である。
本実施の形態について以下、図面を参照しながら説明する。図1は本実施の形態の磁気センサデバイス1の一例の概要を表す斜視図である。本実施の形態の磁気センサデバイス1のある例(例A1とする)は図1に例示するように、基板面に形成され、予め定められた検出軸方向(Y軸方向)の磁場の強さを検出する、実質的に直方体形状の磁気センサ素子11を含む。また、この磁気センサデバイス1は、磁気センサ素子11の面(X軸正の方向にその法線を有する面)200(またはその裏面(X軸負の側にあって、X軸負の方向にその法線を有する面))に平行な第1、第2の面211,212を仮想的に想定し、この第1の面211内に配され、平面視(X軸正の方向からX軸負の方向へ向かう視点)で磁気センサ素子11を内包する第1の磁場減衰部12と、上記第2の面212内に配されこの第1の磁場減衰部12に対し、磁気センサ素子11を間において(磁気センサ素子11を間に挟んで)対向する第2の磁場減衰部13と、を含む。
なお、実際には磁気センサ素子11と、第1、第2の磁場減衰部12,13とを含む磁気センサデバイス1の全体は、第1、第2の磁場減衰部12,13より透磁率の低いレジン等でモールドされているのであるが、ここでは説明のため、レジンの図示を省略し、また第1、第2の磁場減衰部12,13を透過させて図示している。
磁気センサ素子11の面(検出軸方向をその面内に含む)に対して平行に磁場減衰部を配することにより、磁気センサ素子11を通過する磁束は、透磁率の比較的高い磁場減衰部を通ることになる。これにより磁気センサ素子11にかかる磁場の強さを減衰できる。磁気センサ素子11の上記面に対して平行な面に磁場減衰部が配されていれば、磁場減衰部の形状はこの限りでない。つまり第2の磁場減衰部13の形状は、図1に例示した例A1に係るものに限られない。また図1においてZ軸方向(検出軸方向に直交する方向)に法線を有して対向する面213,214内にさらに別の磁場減衰部を配してもよい。さらにY軸方向(検出軸方向)に法線を有して対向する面215,216には磁場減衰部を置かないこととしてもよい。以下に、それぞれの例について説明する。
本実施の形態のある例(例A2)に係る磁気センサデバイス1は、図2(a),(b)に例示するように、基板面に形成され、予め定められた検出軸方向の磁場の強さを検出する平板状の磁気センサ素子11と、この磁気センサ素子11の面に平行な面を有し、平面視において磁気センサ素子11を内包する奥行及び幅を有する第1の磁場減衰部12と、この第1の磁場減衰部12に対し、磁気センサ素子11を間において対向し、かつ磁気センサ素子11の面に平行な仮想面内にあって、平面視において磁気センサ素子11を間においてその検出軸方向に直交する方向両側に配された一対の第2の磁場減衰部13a,bと、を含んで構成される。図2(a)は本実施の形態の磁気センサデバイス1の概要を表す斜視図であり、図2(b)は本実施の形態の磁気センサデバイス1の概要を表す平面図である。
ここでの例では、図2(a)に示したように奥行(Y軸方向)2000μm、幅(Z軸方向)1000μmの矩形板状の第1の磁場減衰部12を平面視したときに、磁気センサ素子11を内包する奥行き及び幅となっている。さらに好ましくは、その中心(対角線の交点)と、磁気センサ素子11に仮想的に外接する矩形の中心(対角線の交点)とを一致させるのが好ましい。つまり磁気センサ素子11は、平面視において第1の磁場減衰部12の中央に配される。この配置については例A1も同様としてよい。中心を一致させることで最も少ない部材で最も大きな減衰効果を得ることができる。
また例A2において、第2の磁場減衰部13a,bは、それぞれ奥行(Y軸方向)2000μm、幅(Z軸方向)約250μmの矩形板状をなす。この第2の磁場減衰部13a,bは、平面視でその奥行方向(Y軸方向)の位置がそれぞれ第1の磁場減衰部12の奥行方向の位置に一致するように配される。また、第1の磁場減衰部12のZ軸方向の上縁(図中で上側の辺)と、第2の磁場減衰部13aのZ軸方向の上縁(図中で上側の辺)とを平面視で一致させる。さらに第1の磁場減衰部12のZ軸方向の下辺(図中で下側の辺)と、第2の磁場減衰部13bのZ軸方向の下辺(図中で下側の辺)とを平面視で一致させる。つまり、一対の第2の磁場減衰部13a,bは平面視において、第1の磁場減衰部12の幅の内側に配される。
ここでの例A1,A2において、磁気センサ素子11は、予め定められた検出軸方向の磁場の強さを検出する。この磁気センサ素子11は、例えば図3に例示するようなSVGMR素子(スピンバルブ型巨大磁気抵抗効果素子)であり、基板111の面P(以下では説明のため、この面がYZ面内に置かれるものとする。この面は磁気センサ素子11の面200に平行な面となる)上に下地層112、反強磁性層113、固定層114、非磁性導電層115、自由層116、保護層117の順で(X軸方向に)スパッタ成膜したSVGMR素子の膜を含む平板状の磁気センサ素子である。このSVGMR素子の磁気センサ素子11では、外部から印加される磁場により自由層116の磁化方向が回転する。そしてこの自由層116の磁化方向と、固定層114の磁化方向と相対角度によって非磁性導電層115の電気抵抗が変化することとなる。
つまり、この磁気センサ素子11では、固定層114や自由層116の面内(基板111の上記面Pに平行な面)にあって、磁場が面内方向で回転することで磁気センサ素子に印加される磁場の大きさが変化すること、または、面内方向で平行または反平行の方向に磁場の大きさが変化することにより、自由層116の磁化方向が回転あるいは反転することとなり、その磁場を検出できるようになる。つまり、この固定層114や自由層116の面内にこの例の磁気センサ素子11の検出軸方向があることとなる。つまりこの検出軸はYZ面内にあり、ここでの例ではY軸方向であるとする。
またこの磁気センサ素子11では、たとえば両端に導体120が接続され、この導体がリード線121に接続されている。
また第1磁場減衰部12、第2磁場減衰部13a,bは、いずれも例えば次に挙げるものを用いて構成することができる。
(1)Fe−Ni系の合金材料(パーマロイ、42アロイ、45アロイ等)、
(2)Fe−BまたはFe−Si−Bを基本成分として、これにCu,Nb,Ta,Mo,Zr等を添加して得られる合金材料を用いて形成したナノ結晶軟磁性材料、
(3)Fe基やCo基等のアモルファス磁性材料、
(4)珪素鋼板等。
いずれの場合も、透磁率の高い磁性材料で形成することが好ましい。例えば、Fe−Ni系合金材料をフレーム状に圧延によって形成してもよいし、軟磁性の膜をめっきで被着して形成してもよいし、ソフトフェライトの基板やソフトフェライトのシートで形成してもよい。また、粉末状にして成形したり、樹脂含浸して成形してもよい。さらに磁気センサ素子における基板としてSi基板に代えて、フェライト基板等に置き換えたものを、減衰部の一部として用いることもできる。
本実施の形態の図2に示した例A2では、第1磁場減衰部12は、図1に示したように磁気センサ素子11の面200(基板111の上記面Pに平行な面:図におけるYZ面)に平行な面を有する。また、第2の磁場減衰部13a,bは、平板状をなし、磁気センサ素子11を間において、第1磁場減衰部12に対向する仮想的な面内に配される。また本実施の形態の一例では、この一対の第2の磁場減衰部13a,bは、磁気センサ素子11の検出軸方向(Y軸方向)にその長手方向を有する矩形状をなす面を有する。
図4はこの例A2に係る磁場減衰体を磁気センサ素子11を含むXZ面で切断したときの断面を表す断面図である(図2のIV−IV断面)。後に述べるように、これらの例A1,A2では、磁気センサ素子11と、第1,第2の磁場減衰部12,13(以下、まとめて減衰体と呼ぶ)との全体が例えばレジンモールドされる(図4においても説明のため、レジンを取り去った状態を示している)。
またこの図4の例では、磁気センサ素子11と第1,第2の磁場減衰部12,13と間に、それぞれスペーサ15を配している。このスペーサ15は、第1,第2の磁場減衰部12,13より透磁率が低い材質であり、センサ素子に接触するように配されているが、リード線を引き出す箇所はショートしないように不導体によって形成されている。具体的にはこのスペーサ15には、Si基板や、熱膨張係数が、レジンモールドの熱膨張係数に比して所定範囲内の差であるような素材を用いることができる。また基板111側の磁場減衰部13a,13bと、磁気センサ素子11との間は、スペーサ15を用いずに、基板111の厚さをスペーサ15に相当する分だけ厚くして、スペーサ15に代えてもよい。なお、レジン、基板111或いはスペーサ15については、それらの少なくとも一部分が、平面視において磁場減衰部12の外縁よりも外側、或いは一対の磁場減衰部13a,13bの外縁よりも外側に突出していてもよい。これらは非磁性材であるために、減衰に係る特性に影響を及ぼさない。
さらに、この例に係る磁気センサデバイス1は、これらの全体をレジン16にてモールドしたものであってもよい(図5)。図5は、レジンモールドした磁気センサデバイス1を、図4と同じ破断面で見たときの概要を表す概略断面図である。磁気センサ素子11に接続されるリード線121は、レジンモールドから外部に引出される。
さらに図5のように全体をレジン16にてモールドするのではなく、図6(a)に例示するように、磁気センサ素子11と第2の磁場減衰部13a,bとをレジン16でモールドし、このモールドの外側で、第2の磁場減衰部13a,bに対して、磁気センサ素子11を間において対向する位置に、第1の磁場減衰部12を配する構成としてもよい。
また図6(b)に例示するように、磁気センサ素子11のみをレジン16にてモールドし、このモールドの外側の定められた位置に、第1の磁場減衰部12と、第2の磁場減衰部13a,bとを配してもよい。これらの例で、レジン16がスペーサ15としての役割を果たす部分では、スペーサ15は必ずしも必要でなくなる。なお、例A1についても、例A2の場合と同様に磁気センサ素子11と第1,第2の磁場減衰部12,13と間に、それぞれスペーサ15を配する。あるいは、基板111側の磁場減衰部13と、磁気センサ素子11との間は、スペーサ15を用いずに、基板111の厚さをスペーサ15に相当する分だけ厚くして、スペーサ15に代えてもよい。
また、本実施の形態の磁気センサデバイス1のもう一つの例(例B)は図7に例示するように、磁気センサ素子11と、この磁気センサ素子11を間において互いに対向する面を有する第1磁場減衰部12及び第2磁場減衰部13と、第1,第2の磁場減衰部に交差する方向に設けられた第3の磁場減衰部14a,bとを含んで構成される。
ここで磁気センサ素子11は、予め定められた検出軸方向の磁場の強さを検出する。この磁気センサ素子11は、例えば図2に例示したようなSVGMR素子(スピンバルブ型巨大磁気抵抗効果素子)と同じものでよい。ここでも検出軸方向はY軸方向であるとする。さらに、検出軸方向をZ軸方向にしても良く、その場合には減衰効果だけでなく、外乱磁界の影響を低減でき、より高精度な測定が可能となる。
第1磁場減衰部12、第2磁場減衰部13、及び第3磁場減衰部14a,bは、いずれも例えば次に挙げるものを用いて構成することが出来る。
(1)Fe−Ni系の合金材料(パーマロイ、42アロイ、45アロイ等)、
(2)Fe−BまたはFe−Si−Bを基本成分として、これにCu,Nb,Ta,Mo,Zr等を添加して得られる合金材料を用いて形成したナノ結晶軟磁性材料、
(3)Fe基やCo基等のアモルファス磁性材料、
(4)珪素鋼板等。
いずれの場合も、透磁率の高い磁性材料で形成することが好ましい。例えば、Fe−Ni系合金材料をフレーム状に圧延によって形成したり、軟磁性の膜をめっきで被着して形成してもよいし、ソフトフェライトの基板やソフトフェライトのシートで形成してもよい。また、粉末状にして成形したり、樹脂含浸して成形したりしてもよい。磁気センサ素子における基板としてSi基板に代えて、フェライト基板等に置き換えたものを、減衰部の一部として用いることもできる。
本実施の形態のある例(例B1とする)では、磁気センサ素子11を間において対向する面をそれぞれ有する第1の磁場減衰部12及び第2の磁場減衰部13、並びに磁気センサ素子11を間において互いに対向する面を有し、磁気センサ素子11の検出軸に平行であり、第1、第2の磁場減衰部12、13に交差する方向に設けられた第3の磁場減衰部14a,bを含んだ磁場減衰体と、を含んでいる。第1磁場減衰部12は、図7に示したように磁気センサ素子11の面200(基板111の面Pに平行な面:図におけるYZ面)に平行な面を有する。また、第2磁場減衰部13は、磁気センサ素子11を間において、第1磁場減衰部12に対向し、磁気センサ素子11の面200(基板111の面Pに平行な面:図におけるYZ面)に平行な面を有する。さらに第3磁場減衰部14a,bは、磁気センサ素子11を間において互いに対向する面を有し、磁気センサ素子11の検出軸に平行であり、第1,第2の磁場減衰部12,13に交差する方向に設けられる。また図7の例では、これら第1磁場減衰部12、第2磁場減衰部13、及び第3の磁場減衰部14a,bのY軸方向の長さは実質的に同じとし、Y軸方向の位置を揃えて配している。例B1では、磁気センサ素子11の検出軸方向には、第1,第2の磁場減衰部12,13より低い透磁率を有するレジンやスペーサ、孔などの低透磁部が形成されている。
本実施の形態の例B1では、第2の磁場減衰部13と第3の磁場減衰部14とは互いに連結される。すなわち、第2の磁場減衰部13と第3の磁場減衰部14とは一体となって、実質的にΠ字状の磁場減衰体を形成する。なお、第3の磁場減衰部14は、第2の磁場減衰部13の面Qに必ずしも垂直に交わる必要はなく、第2の磁場減衰部13の面Qに斜めに交わっても構わない。図7はこの例に係る磁場減衰体の斜視図であり、図8はこの例に係る磁場減衰体を磁気センサ素子11を含むXZ面で破断したときの断面を表す断面図である(図7のVIII−VIII断面)。後に述べるように、この例B1では、磁気センサ素子11と、磁場減衰体との全体が例えばレジンモールドされるものであるが、図7,8では説明のため、レジンモールドの図示を省略している。
図7に例示したように、本実施の形態の例B1では第1磁場減衰部12、第2磁場減衰部13、及び第3の磁場減衰部14a,bにより、実質的に筒状の磁場減衰体が形成されている。また検出軸方向(Y軸方向)には磁場減衰部を置かれず、磁場減衰部より透磁率が低い(磁場の測定結果に対してなるべく影響を与えないよう配慮した)、低透磁率部としての開口が形成されている。また磁気センサ素子11から延伸されているリード線121は、第2の磁場減衰部13及び第3の磁場減衰部14が一体的となったΠ字状の磁場減衰体と、第1の磁場減衰部12との間から外部に引出される(図8)。さらに図8の例では、磁気センサ素子11と第2の磁場減衰部13及び第3の磁場減衰部14が一体的となったΠ字状の磁場減衰体との間に、スペーサ15を配している。このスペーサ15は、不導体によって形成され、例えばSi基板や、熱膨張係数が、レジンモールドの熱膨張係数に比して所定範囲内の差であるような素材を用いることができる。また、スペーサ15を用いずに、基板111の厚さをスペーサ15の分だけ厚くして、スペーサ15に代えてもよい。本実施の形態の例B1では、磁場減衰部は実質的に筒状をなすが、その外周は不連続で、スリットがあってもよい。この場合、磁場減衰部によって完全に遮蔽されることはないので、検出軸方向をZ軸方向としてもよい。この場合、配線を開口部から引き出すことができ、また外乱磁界の影響を低減できるので、より高精度な測定が可能となる。
さらに、この例に係る磁気センサデバイス1は、これらの全体をレジンにてモールドしたものであってもよい。磁気センサ素子11に接続されるリード線121は、レジンモールドから外部に引出される。
また例B1では、第3の磁場減衰部14を含む仮想的な面と、第1磁場減衰部12を含む仮想的な面とが交差する仮想的な線分L1,L2(図7に示すY軸方向に延びる線分)が、第1磁場減衰部12上にあるよう、第1磁場減衰部12のZ軸方向の幅が第2の磁場減衰部13のZ軸方向の幅以上の長さに形成される。
またリード線121をY軸方向に形成された開口から外部へ取り出し、第1磁場減衰部12と、第2、第3の磁場減衰部13,14とを一体に形成してもよい。この場合、磁場減衰体は中空のある四角柱状をなす。
また、本実施の形態は、これらの例に限られるものではない。図9(a),(b)は本実施の形態のさらに別の例B2に係る磁気センサデバイスの概要を表す斜視図及びIX(b)−IX(b)断面図である。この例B2は、例B1と基本的には同様の構成をとるものであるが、磁場減衰体の形状が異なる。この例における磁場減衰体は、図9に例示するように、第1の磁場減衰部12の、磁気センサ素子11の検出軸方向に直交する方向の長さよりも、第2の磁場減衰部13の、磁気センサ素子11の検出軸方向に直交する方向の長さが短く形成される。
すなわち、この例B2では図9(b)の断面図に示されるように、第3の磁場減衰部14を含む仮想的な面は、いずれも第2の磁場減衰部13と交差せず、第2の磁場減衰部13の面外となるように配される。具体的には、第1の磁場減衰部12と第2の磁場減衰部13とのZ軸方向の中心を一致させて配しておけばよい。また磁気センサ素子11から引出されるリード線121は、この第2の磁場減衰部13のZ軸方向両側に形成された開口部から引出される。またこの例では、第1の磁場減衰部12と第3の磁場減衰部14とを例えば一体として、実質的にΠ字状の磁場減衰体を形成してもよい。
さらにこの図9の例では第1の磁場減衰部12と第2の磁場減衰部13とのZ軸方向の中心を一致させて配する例としたが、図10(a),(b)に例示するように、2つの第2の磁場減衰部13a,bを用い、これらをそれぞれ第3の磁場減衰部14a,bに磁気的に接続して磁気的に一体とすることとしてもよい(例B3)。この場合、第1、第2、第3の磁場減衰部12,13,14が全体として一体の磁場減衰体を形成し、そのZX面でのX(b)−X(b)断面は、図10(b)に例示したように、実質的にC字状をなす。
さらに図10の例B3において、第1の磁場減衰部12を、そのZ軸方向中心から所定範囲を取り除いた形状としてもよい(例B4)。この例B4は図11(a),(b)に例示するように、2つの第1の磁場減衰部12a,bと、第2の磁場減衰部13a,bとを用い、第1の磁場減衰部12a,第2の磁場減衰部13a,及び第3の磁場減衰部14aを磁気的に接続して磁気的に一体とし、第1の磁場減衰部12b,第2の磁場減衰部13b,及び第3の磁場減衰部14bを磁気的に接続して磁気的に一体とすることとしてもよい。この場合、第1の磁場減衰部12a,第2の磁場減衰部13a,及び第3の磁場減衰部14aを磁気的に接続した磁気的に一体の磁場減衰体と、第1の磁場減衰部12b,第2の磁場減衰部13b,及び第3の磁場減衰部14bを磁気的に接続した、磁気的に一体の磁場減衰体とを含む形状となり、そのZX面でのXI(b)−XI(b)断面は、図11(b)に例示したように、実質的にC字状の2つの磁場減衰体M1,M2が、Y軸方向における端にC字状の開口を有し、Z軸方向で隣り合う2つのC字状の開口で1つの矩形状の開口を構成するように配された形状となる。磁気センサ素子11は、これらの2つの磁場減衰体M1,M2の間に配される。これら図9から図11に示した例B2,B3,B4においても、磁気センサ素子11と、磁場減衰体との全体がレジンモールドされてもよい。図9から図11では説明のため、レジンモールドの図示を省略している。また図7に示した例よりも、磁場減衰体に対する磁気センサ素子1の大きさを比較的大きく形成することにより、磁気センサ素子1にC字状の2つの磁場減衰体を嵌めこんだ構成としてもよい。
また図9に示した例による場合は、図12に、レジン16にてモールドした場合の図9(b)に対応する断面図を示すように、全体をモールドするのではなく、磁気センサ素子11と第2の磁場減衰部13とをモールドして、磁気センサ素子11のリード線121を外部に取り出すとともに、第1の磁場減衰部12と第3の磁場減衰部14a,bとを一体とした磁場減衰体をモールドの外側に貼り付けることとしてもよい。なお、第3の磁場減衰部14a,bは、第2の磁場減衰部13に近づくほどZ軸方向の幅が広くなるように形成されてもよく、第2の磁場減衰部13と第3の磁場減衰部をアモルファス等の曲げに弱い材質を使用しても、減衰効果を得ることができる(図12)。この場合において第2の磁場減衰部13は、モールドされた領域内でなるべく広くすることとしてもよい。
さらに図7,図8に示した例B1においても、全体をレジン16にてモールドするのではなく、図13(a)に例示するように、磁気センサ素子11と第2の磁場減衰部13及び第3の磁場減衰部14とをモールドし、このモールドの外側で、第2の磁場減衰部13に対して、磁気センサ素子11を間において対向する位置に、第1の磁場減衰部12を配する構成としてもよい。
また図13(b)に例示するように、磁気センサ素子11のみをレジン16にてモールドし、このモールドの外側で、X軸方向に磁気センサ素子11を間において、第1の磁場減衰部12と第2の磁場減衰部13とを配し、またZ軸方向に磁気センサ素子11を間において、第3の磁場減衰部14a,bを配してもよい。なお、第3の磁場減衰部14a,bは、第1の磁場減衰部12に近づくほどZ軸方向の幅が広くなるように形成されてもよい(図13(a),(b))。この後者の例ではスペーサ15は必ずしも必要でなくなる。
本実施の形態の磁気センサデバイス1は、このような例の構成となっており、本実施の形態のある例では、図14に例示するように、この磁気センサデバイス1を、導体を流れる電流値の検出に用いる。なお、図では例B1の磁気センサデバイス1を示しているが、例A1,A2または例B2からB4の磁気センサデバイス1であってもよい。
具体的に磁気センサデバイス1を、導体を流れる電流値の検出に用いる場合は、測定対象の電流が流れている導体2の方向をZ軸として、この導体2と磁気センサ素子11との間に、第1の磁場減衰部12が介在するように磁気センサデバイス1を配する。ここで導体2は、長細く形成した金属導体(いわゆるバスバー)であってもよい。またこのバスバーは、図15(a)に例示するように、ヘアピンU字型に形成され、磁気センサデバイス1の近傍でZ軸に沿った一方方向に電流を流し(往路)、また別の箇所で折り返して磁気センサデバイス1の近傍で、Z軸に沿って他方方向に電流を流す(復路)ようになっていてもよい。この例のバスバーは、磁気センサデバイス1の近傍において図15(a)でZ軸に平行な視点で見た場合、図15(b)に例示するように、X軸方向に距離をおいて平行に(Y軸方向の位置は揃えておく)、それぞれ往路と復路のバスバーが配されるものとする。さらに、図14、図15では第1の磁場減衰部12が導体2と素子11の間に位置しているが、導体2は第1の磁場減衰部12と素子11との間、あるいは第2の磁場減衰部13と素子11との間にあってもよい。このように導体2を配置する場合、外乱磁界の影響を低減でき、より高精度な測定が可能となる。
また図14、図15のように、磁気センサ11に対して第1磁場減衰部12を磁場の源である導体2に近接させる場合は、第1磁場減衰部12に印加される磁場の強さの方が大きくなり易い。したがって、体積、寸法、厚さを比較したときに、第2磁場減衰部13よりも第1磁場減衰部12を大きく、厚く形成することとしてもよい。なお図14,図15でリード線121の引き出し方向が異なっているが、これはどちらでも構わないことを表すためである。このようにすると、導体2を流れる電流により、磁気センサ素子11が、その近傍に生じる磁場の強さに応じた抵抗値を呈することとなる。
磁気センサデバイス1の外部に取り出されている2つのリード線121間の抵抗値(磁気センサ素子11が呈する抵抗値)は、例えば抵抗値が既知である3つの抵抗器と、磁気センサデバイス1とでホイートストンブリッジを構成し、このブリッジ回路によって磁気センサデバイス1の磁気センサ素子11が呈する抵抗値を測定することで得られる。
また本実施の形態の磁気センサデバイス1の磁気センサ素子11は、図16(a),(b)に示すように、概念的には、面内に形成した環状の磁性体31と、その中心部に配された磁気抵抗効果素子32とを含む。ここで磁性体31は周方向に、互いに中心からの角度がθだけずれた位置における磁化方向が2θだけ異なるように、つまり半周で一回転するように磁化される(図では磁化方向を矢印で示す)。このような配列は、いわゆるハルバッハ配列として知られたものである。
図16(a)の例では、磁気抵抗効果素子32は、その幅方向(磁気抵抗効果素子32自体の長手方向に直交する方向)が検出軸方向(上記のY軸方向)となるSVGMR素子(スピンバルブ型巨大磁気抵抗効果素子)である。この図16(a)の例に係る磁気抵抗効果素子32は、その幅方向に磁化方向が固定された固定層(外部磁場により磁化方向が変化しない層)を有する。図16(a)の構成は、フィードバック方式の電流センサに用いることができる。
また本実施の形態では、この磁気抵抗効果素子32の幅方向と測定対象となる磁場の方向D(図16(a)でY軸の方向)とが一致するよう、磁性体31と磁気抵抗効果素子32とを配する。
また本実施の形態の別の例では、図16(b)に例示するように、測定対象となる磁場の方向D(Y軸方向)と磁気抵抗効果素子32の幅方向とが、磁性体31からその中心近傍に配された磁気抵抗効果素子32に印加される磁束の向き(Z軸方向)に直交するように(つまりY軸方向となるように)、磁性体31と磁気抵抗効果素子32とを配してもよい。この場合は磁気抵抗効果素子32の幅方向と、磁性体31から磁気抵抗効果素子32に印加される磁束の向きとが直交するようにそれぞれが配される。図16(b)の構成は、磁気比例方式の電流センサに用いることができる。
このうち図16(a)の概念に基づく具体的な磁気センサ素子11の一例を図17に示す。本実施の形態のある例に係る磁気センサ素子11は、縦横比の異なる環状をなす磁性体31と、その中心Cの近傍に配された磁気抵抗効果素子32と、磁性体31を挟んで積層される層であって、コイル33の下部パターン33aと、及びコイル33の上部パターン33bをそれぞれ含んだ層とを備える。この磁気センサデバイス31は、図17でDの方向(Y軸負の方向)へ外部から印加される磁場を測定することが可能なものである。
ここで磁性体31や、コイル33の下部パターン33a及び上部パターン33bは平面視では互いに重なりあって陰となる部分があるので、現実には容易には視認できるものではないが、図17に例示した平面図では、説明のために磁性体31、磁気抵抗効果素子32、コイル33の各部を透過した状態を示している。
磁性体31は、例えば鉄とニッケルの合金(パーマロイ)であり、本実施の形態のある例では、厚さ1μm、飽和磁束密度Bs=1.45T、初透磁率μi=2000である。さらにこの磁性体31は、その中心C(幅方向及び長手方向の中心)を通って短径方向に延びる線分と、磁性体31とが交差する位置に、磁気抵抗効果素子32に向けた絞り部100が設けられて、その内周及び外周形状が実質的に亜鈴(ダンベル)形状(C字状を、その開口で向い合わせて接続した形状、あるいは数字の3の字を向かい合わせて、上側弧の上部と下側弧の下部とを接続した形状)をなす。ここで内周は中心Cを通りY軸に平行な線に対して線対称であり、絞り部100に至るまでは、その内周のY軸方向の幅wは、中心Cから離れるほど狭くなるように形成されている。またそのY軸に実質的に平行な部分Lyは、他の部分よりも幅広に形成されている。これにより、より大きな外部磁場に対しても飽和しにくくなる。一例としてこの幅が100μmであるときには、約3182A/m(40Oe)、150μmのときには約3422A/m(43Oe)、200μmのときには、約3740A/m(47Oe)の外部磁場を印加できる。
また磁性体31の絞り部100には磁気抵抗効果素子32に向けてその幅が狭められたテーパが形成されている。さらにこの絞り部100の外周側(中心を通る短径方向に延びる線分に交差する位置の外周部)には、中心C、つまり磁気抵抗効果素子32に向けた切込みUが形成されてもよい。この磁性体31には、その周方向に半周で一回転する方向の磁場を形成するようにコイル33が巻回される。
また本実施の形態の一例では、この磁性体31には、中心Cを通り短径方向に延びる線分に交差する位置における磁性体31の幅が、中心Cを通り長径方向に延びる線分に交差する位置における磁性体31の幅よりも細く形成されている。
磁気抵抗効果素子32は、例えばスピンバルブ型の巨大磁気抵抗効果素子(SVGMR素子)であり、ここではその幅方向(長手方向に直交する方向)に固定層が磁化されており、この幅方向の磁場の強さに応じた抵抗値を呈する。本実施の形態の一例では、この磁気抵抗効果素子32は、その幅方向(検出軸方向)がY軸に平行になるように配される。
コイル33は、磁性体31が形成された面より下層に積層された面に配される下部パターン33aと、磁性体31が形成された面の上層に積層された面に配される上部パターン33bとを含む。この下部パターン33aを図18(a)に、上部パターン33bを図18(b)にそれぞれ示す。これらの図18(a),(b)において、円形で示される部分はいずれもビアホールの位置を示すものであって、上部パターン33bと下部パターン33aとの対応する位置に存在し、当該互いに対応する円形部分をビアホールを介して電気的に接続する部分にあたる。また下部パターン33aと上部パターン33bとの矩形のパッド部Q1〜Q6は互いに電気的に接続される。なお、以下の説明で、磁性体31の長径方向をZ軸(図中左方向をZ軸負の方向とする)、これに対する方向をY軸(図中上方向をY軸正の方向とする)とする。
またこれらの下部パターン33a及び上部パターン33bは、磁性体31の環状の中心に対して点対称な部分を含む。
図19(a)は、図18(a)に示した下部パターン33aのうち、磁性体31の長径に平行な線分(対称軸に相当する線分)からY軸正の方向のみを取出した図であり、図19(b)は、図19(b)に示した上部パターン33bのうち、磁性体31の長径に平行な線分(対称軸に相当する線分)からY軸正の方向のみを取出した図である。これらのパターンに含まれる巻線の少なくとも一部は、直線状でなく、Z軸に平行な平行部分Lと、これに斜めに交わる部分(磁性体の周方向に対して所定角度範囲の角度で斜めに交わる部分、以下、斜交部と呼ぶ)Sとを含む。つまり、このパターンは途中で屈曲している。
図19(a)の下部パターン33aの巻線T1は、パッド部Q1からビアホールH1−H1′を介して、図19(b)に示す上部パターン33bの巻線T1′に接続されている。上部パターン33bの巻線T1′は、ビアホールH12′−H12を介して、下部パターン33aの巻線T2に接続される。
巻線T2には、斜交部S2が含まれ、ビアホールH2−H2′を介して、下部パターン33bの巻線T2′に接続される。この巻線T2′にも斜交部が含まれる。以下、それぞれ対応するビアホールを通って下部パターン33aと上部パターン33bとを往来しつつ、磁性体31に対して巻線T3,T3′,T4…,T5′が巻きかかるように形成される。
ここで巻線T1,T2…,T5及びT1′,T2′…,T5′では、Z軸負の方向にある巻線ほど、斜交部Sの長さが長くなる。斜交部SのY軸に対する角度は一定となっており、その角度は例えば20度(Z軸に対して70度)となっている。
また、巻線T6は、ビアホールH6−H6′を介して上部パターン33bの巻線T7′に接続される。巻線T7′は、ビアホールH7′−H7を介して下部パターン33aのZ字状の巻線T7に接続される。この巻線T7は、二つの斜交部S7-1とS7-2と、平行部分P7とを有する。この斜交部S7-1を延長した延長線は、斜交部S7-2を延長した延長線とは、Y軸に対して線対称となる。巻線T7は、ビアホールH17−H17′を介して上部パターン33bのΠ字状の巻線T8′に接続される。以下、それぞれ対応するビアホールを通って下部パターン33aと上部パターン33bとを往来しつつ、磁性体31に対して巻線T8,T9′,T9…,T11,T12′が巻きかかるように形成される。これらの巻線T8,T9…,T11、及びT8′,T9′,…T11′の少なくとも一部(図19では、T8,T9,T8′,T9′)は、それぞれ2つの斜交部Sを備えたY軸に関して、接合箇所等の縁部を除き、概略対称な形状となっている。
なお、ここでの例では、巻線T10,T11,T11′,T12′は、それぞれの実質的にX軸に平行な部分は、磁性体31の絞り100に巻きかかるように構成されている。また巻線T12′は、ビアホールH112′−H112を介して巻線T12に接続される。巻線T12…T16,T13′…T16′は、それぞれ実質的に巻線T5,T4…,T1,T5′,…T2′のそれぞれと、Y軸に対して線対称の形状を有するものである。巻線T16は、ビアホールH116−H116′を介して巻線T17′に接続され、巻線T17′はビアホールH117′−H117を介してパッド部Q2に接続される。
なお、図18の例では、パッド部Q3は、下部パターン33aにおいて配線を介して、磁気抵抗効果素子32の端子の一端側に接続される。またパッド部Q6は、下部パターン33aと同じ層にある配線を介して、磁気抵抗効果素子32の端子の他端側に接続される。
本実施の形態の一例では、図20に例示するように、パッド部Q4にコイル電流Icを印加する。またパッド部Q5は、パッド部Q2に接続される。さらにパッド部Q1はコイル電流Icの共通端子(GND)に接続される。さらにパッド部Q3には磁気抵抗効果素子12の電源電圧Vccを印加し、パッド部Q6を共通端子(GND)とする。つまりこの例では、磁気センサデバイス1をモールドしたパッケージからは、パッド部Q1,Q4,Q3,Q6に接続される6つのリード線が引き出される。パッド部Q2、Q5を接続するリード線は、パッケージの外で配線する。
またこのパッド部Q4から印加されるコイル電流Icがコイル33に流れることで、コイル33が磁性体31を、互いに中心からの角度がθだけずれた位置における磁化方向が2θだけ異なるように磁化する。つまり、いわゆるハルバッハ配列状に磁性体31を磁化する。ここでの例では、絞り部100において絞りの方向に沿って(つまり磁気抵抗効果素子32の幅方向に平行に)磁性体31が磁化される。
図21は、図17に例示した磁気センサ素子11の一部を、検出軸方向に平行な向きに沿って破断した概略の一部断面図の一例である。図21では理解の容易のために、コイル33等はその配置の概要を示しており、巻数等を減らして図示している。図21に例示する、本実施の形態のある例に係る磁気センサ素子11は、次の要領で製造される。すなわち、まず基板41上に2層の絶縁層(SiO2(基板側)及びAl2O3(絶縁膜43側))42を形成し、この上に幅10μmの磁気抵抗効果素子32(SVGMR素子の膜等)を偶数個、薄膜プロセスにより形成する。そしてさらにこの磁気抵抗効果素子32の膜よりも厚い絶縁膜43を形成し、この絶縁膜43上に、パーマロイ等による磁性体31と、それに巻回されるアルミニウムのコイル33の下部パターン33aとを形成し、これらを樹脂44(絶縁体)により封止する。次に樹脂44に、コイル33のビアホールHを形成して下部パターン33aのビアホールHの相当箇所に導体を接続する。次にこれらの導体に対し、それぞれ接続するコイル33の上部パターン33bを形成し、さらに樹脂44(絶縁体)により封止する。ただし、コイル33に導通するパッド部Qは樹脂から露出させる。磁性体31は、磁気抵抗効果素子32の磁束の向きに沿った両側に約2μmほどの幅をとって配する。またこの例では磁気抵抗効果素子32は、磁性体31よりも基板41側(下層側)に配され、磁性体31はその中心C近傍において、磁気抵抗効果素子32に向かって下層側へ延伸されてもよい。
この例の磁気センサ素子11はいわゆる磁気平衡型の回路に利用できる。この場合の回路は、図22に例示するように、磁気抵抗効果素子32の一端側から引き出されるリード線を、直流のバイアス電源電圧Vccに接続するとともに、コンパレータ54の負極(−)端子に接続する。このコンパレータ54の負極端子はまた、出力端子(OUT)にも接続される。また、磁気抵抗効果素子32の他端側から引き出されるリード線は共通端子(GND)に接続する。なお、コンパレータ54の正極(+)端子は、基準電源55を介して共通端子(GND)に接続する。基準電源55の出力電位は、磁場のない場所における磁気抵抗効果素子32の電位とする。ここで、コンパレータ54の負極(−)端子は、Vccに接続されているものの、配線抵抗と磁気抵抗効果素子32の抵抗値とによってその電位は(微小ながら)変化する。
このコンパレータ54の出力は、コイル33の一端側(パッド部Q4)に対して、波形整形部61とローパスフィルタ(LPF)62とを介して接続される。さらにコイル33の他端側(パッド部Q6)は固定抵抗器56を介して共通端子(GND)に接続される。
本実施の形態のこの一例に係る磁気センサデバイス1の回路では、磁気抵抗効果素子32を通じて得られる電圧信号を、コンパレータ54、波形整形部61及びLPF62を通じて得る。このLPF62を介して得られた出力は、基準電源の電位と磁気抵抗効果素子32の出力する電圧信号の電位との差に比例する電圧信号となる。
この磁気センサデバイス1を被測定電流の流れる導体(例えばバス・バー)の近傍に配すると、この被測定電流により生じる誘導磁場により磁気抵抗効果素子32の抵抗値が変化する。するとその出力電位が磁場のないときの電位(既に述べたように基準電源の電位はこの電位に等しくしておく)からずれるので(オフセット)、コンパレータ54、波形整形部61及びLPF62を通じて得られる出力は、この電位のずれ量に応じた大きさの電圧信号となる。この電圧信号が被測定電流(バス・バー内を流れる電流)により生じる誘導磁場の強さを表す。
この電圧信号はコイル33の一端側に供給され、コイル33に電流が流れることにより、磁場(キャンセル磁場)を生じる。そしてこのキャンセル磁場による磁束が、被測定電流から生じる誘導磁場とともに、磁性体31を通って磁気抵抗効果素子32に印加される。そして磁気抵抗効果素子32を通る磁束がゼロとなるとき(磁気抵抗効果素子32の出力電圧が基準電位55と同じとなるとき)のコイル33に供給した電流量に比例した電圧信号Vを取り出す(OUT)。すると、この電圧信号Vが、被測定電流(上記の例ではバス・バー内を流れる電流)の電流量に比例した出力信号となる。
また、図16(b)に例示した概念に基づき具現化される磁気センサ素子11は、図17〜図20に例示したものと同様の構成をとるが、磁気抵抗効果素子32の配置方向がコイル33による磁化方向に対して直交するように配され、従って検出軸方向も図17〜図20のZ軸に平行または反平行の方向となる点が異なる。なお、磁気センサ素子11の磁気抵抗効果素子32の構造は図21に例示したものと同様である。ただし、磁性体31の形状は、フィードバック方式の電流センサと磁気比例方式の電流センサとで、異ならせてもよい。
図16(a)に示した概念に基づく磁気センサ素子11を用いた他の回路の例を図23に示す。この図23に例示するように、磁気抵抗効果素子32は、既知の抵抗器R1からR3とともにブリッジ回路を形成する。ブリッジ回路の対角線上にある二対の端子群のうち、一対の群に含まれる各端子はそれぞれ電源Vccと、共通端子GNDとに接続される。また、他の対に含まれる各端子は、コンパレータ54の入力端子に接続される。コンパレータ54の出力端子は、磁性体31に巻回されたコイル33と、固定抵抗56とを介して共通端子GNDに接続される。またコイル33と固定抵抗56との接続点は出力端子OUTに接続される。この出力端子OUTの共通端子GNDからの電位が、この回路の出力電位Vとなる。
この例の回路では、磁気抵抗効果素子32の抵抗値と既知の抵抗器の抵抗値R1との比と、既知の抵抗器の抵抗値R2,R3の比との差に比例してコンパレータ54の出力電位が大きくなり、コイル33にはより大きいバイアス電流が流される。またこのコンパレータ54の出力電位に比例した電位が出力端子OUTに現れる。すなわち、この出力端子OUTの電位Vは、磁気抵抗効果素子32の抵抗値の変化(磁気抵抗効果素子32に印加される磁場の強度)に比例しており、この電位Vが、被測定電流(上記の例ではバス・バー内を流れる電流)の電流量に比例した出力信号となる。
このように本実施の形態によると、磁気センサ素子に印加される磁場の強さを減衰できる。これにより、磁気センサ素子11が磁気的に飽和することを防止できる。一例として、磁場減衰体を設けない場合、図14の例において1000Aの電流がバスバーに流されているとき、磁場の強さとして約400Oeが磁気センサ素子11に印加されて素子が磁気的に飽和してしまうのに比べ、本実施の形態のように磁場減衰体を設ける構成とすると、磁気センサ素子11に印加される磁場の強さが、±50Oe程度まで減衰される。これにより素子の磁気的飽和が防止できる。
そして磁気センサ素子は一般的に、磁気的に飽和しない範囲では、検出した磁場の強さに対する出力電流量の線形性は比較的高くなっており、磁気的に飽和する領域に近くなるほど線形性が低下する。つまり本実施の形態によれば、素子の磁気的飽和が防止される程度に磁場が減衰されることで、出力の線形性を確保できる範囲を拡大できる。この範囲には、無磁場の場合も含まれる。
また本実施の形態の磁気センサ素子11は、図16(a),(b)に例示した概念に基づいて具現化されていることで、検出した磁場の強さに対する電流量の線形性がより向上されている。これにより、出力の線形性をより広い範囲で確保できる。この範囲には、無磁場の場合も含まれる。
ここまでの説明において、第1,第2,第3の磁場減衰部12,13,14については、例えば45アロイ等の合金を用いたリードフレーム材等、透磁率の高い磁性材料を用いて形成することとしていたが、具体的には、板状に加工した複数の磁性材料を平行に配し、溶融した樹脂に含浸して固化させる。この場合の磁場減衰部は、その厚さ方向の断面を図24に例示するように、複数の平行に配された板状の磁性材料301と樹脂302とを交互に積層したものとなる。
また、台紙303上に、接着用テープ304を用いて複数の磁性材料301を積層し、さらにPETフィルム305を接着用テープ304で接着して被覆して磁場減衰部を形成してもよい。この場合の厚さ方向の断面を図25に示す。
さらに、ポリイミド樹脂306と磁性材料301とを交互に積層して磁場減衰部を形成してもよい。この場合、最も外側の層はポリイミド樹脂306とする。この場合の厚さ方向の断面を図26に示す。
なお、図24ないし図26に例示した磁場減衰部の例は、いずれも板状の磁場減衰部とするものであったが、L字状やΠ字状の磁場減衰部を得る場合も、内側から逐次、サイズを大きくしながら積層することとすればよい。
また本実施の形態では、磁場減衰部の形状を変形して磁場強さの減衰量を調整することとしてもよい。具体的に例A1において、第2の磁場減衰部13の幅(Y軸方向の幅)を、第1の磁場減衰部12の幅(Y軸方向の幅)よりも小さくする。具体的には図27に示すように、第2の磁場減衰部13のY軸負の方向の端部の位置を、第1の磁場減衰部12のY軸負の方向の端部よりも、Y軸正の側へaだけずれた位置とする。また、第2の磁場減衰部13のY軸正の方向の端部の位置を、第1の磁場減衰部12のY軸正の方向の端部よりも、Y軸負の側へbだけずれた位置とする。つまり図27の例では、第2の磁場減衰部13の幅(Y軸方向の幅)が、第1の磁場減衰部12の幅(Y軸方向の幅)より(a+b)だけ狭くなっている。なお、ここでa=bであってもなくてもよい。
例A1において、開放幅W=a+bを異ならせつつ測定した、磁気センサ素子11近傍における磁束密度と測定電流値との関係を図28に示す。図28に例示するように、開放幅を0mm(第1の磁場減衰部12と第2の磁場減衰部13とが同じ幅である場合)に比べ、開放幅を1mm,1.5mm、2mm…増大させるほど、同じ測定電流値における現実の磁束密度が指数関数的に大きくなっていく。すなわち、開放幅を増大、又は減少させることにより、減衰量を小さく、又は大きくでき、この開放幅を調整することで所望の減衰量を設定できることとなる。
また磁場強さの減衰量は、被測定電流が流れるバスバーから本実施の形態の磁気センサデバイス1の距離を変更することによっても調整できる。具体的には図29に例示するように、バスバーと磁気センサデバイス1との間の距離(ギャップ)を大きくするごとに、同じ測定電流値における現実の磁束密度が大きくなる。この増大幅はギャップが大きくなるごとに指数関数的に減少する。つまり、ギャップが1mmである場合と2.5mmである場合との減衰量の差よりも、ギャップが2.5mmである場合と4mmである場合との減衰量の差は小さくなる。しかしながらギャップを大きく、又は小さくするほど減衰量を小さく、又は大きくでき、このギャップを調整することで所望の減衰量を設定できることとなる。
このように本実施の形態においては、開放幅及び/又はギャップとの調整により所望の減衰量を設定可能である。なお、ここでは例A1の場合について述べたが、例A2の場合は、第2の磁場減衰部13a,bのそれぞれの幅(Y軸方向幅)を制御することにより減衰量を調整できる。同様に、例B1,B2,B3,B4においても第2の磁場減衰部13の幅(Y軸方向幅)を制御することで減衰量を調整できる。
以上のように本実施の形態の一例では、磁気センサ素子11を樹脂パッケージに内包させて封止する。ここで樹脂パッケージは例えば直方体をなし、その中心と磁気センサ素子11に外接する直方体の中心とは実質的に一致していてもよい。そしてこの樹脂パッケージの表面に、上述の例A1,A2,B1,B2,B3,B4の空間的配置となるよう、磁場減衰部としての磁性体を含む部材を貼り付ける。具体的に磁場減衰部は、複数の平板状の磁性体(アモルファス磁性体、ナノ結晶軟磁性材、金属帯磁性材等)を積層し、含浸用樹脂で一体化したものである。
具体的に、上述の例A1,A2,B1,B2,B3,B4について、磁場解析ソフトJMAGを用いて磁気センサの素子の位置の磁場解析を行い、測定磁場強さの減衰比をシミュレーションした。磁場減衰部のない場合を「1」としたときの測定磁場強さの減衰量の比、及び、外乱磁場強さの減衰比(X,Y,Zの各軸方向)を、次の表に示す。この実験例では、バスバーから素子までの距離を5mm、第1,第2の磁場減衰部12,13間の距離を1mm、それぞれの厚みを500μmとしている。また、バスバーから第1の磁場減衰部12までの距離を4mmとしている。
Figure 0006210061

Claims (8)

  1. 基板面に形成され、予め定められた検出軸方向の磁場の強さを検出する磁気センサ素子と、
    前記磁気センサ素子の検出軸方向に平行で、当該磁気センサ素子を間において対向する面をそれぞれ有する第1の磁場減衰部及び第2の磁場減衰部、並びに前記磁気センサ素子を間において互いに対向する面を有し、磁気センサ素子の検出軸に平行であり、前記第1、第2の磁場減衰部に交差する方向に設けられた第3の磁場減衰部を含んだ磁場減衰体と、
    を含み、
    前記第1の磁場減衰部が、測定対象の磁場の発生源と、前記磁気センサ素子との間に配され、
    前記磁気センサデバイスは、前記磁気センサ素子の検出軸方向には、前記第1,第2の磁場減衰部より低い透磁率を有する低透磁部が形成されている磁気センサデバイス。
  2. 前記第2の磁場減衰部と前記第3の磁場減衰部とが磁気的に一体である請求項記載の磁気センサデバイス。
  3. 前記第1の磁場減衰部の、前記磁気センサ素子の検出軸方向に直交する方向の長さよりも、前記第2の磁場減衰部の、前記磁気センサ素子の検出軸方向に直交する方向の長さが短く形成されている請求項1記載の磁気センサデバイス。
  4. 前記第1の磁場減衰部と前記第3の磁場減衰部とが磁気的に一体である請求項1から3のいずれか一項に記載の磁気センサデバイス。
  5. 前記磁気センサ素子は、
    環状をなす磁性体と、
    当該磁性体に巻回され、前記磁性体の周方向に半周で一回転する方向の磁場を印加するコイルと、
    前記磁性体の環状の中心部に配され、測定対象となる磁場の方向に磁化方向が固定された固定層を有する磁気抵抗効果素子と、
    を含み、
    前記固定層の面内で、磁化が固定された方向に平行または反平行な方向を前記検出軸方向とする磁気センサ素子である請求項1からのいずれか一項に記載の磁気センサデバイス。
  6. 基板面に形成され、予め定められた検出軸方向の磁場の強さを検出する磁気センサ素子と、
    前記磁気センサ素子の検出軸方向に平行な第1、第2の面を有し、
    前記第1の面内に配され、平面視において前記磁気センサ素子を内包する第1の磁場減衰部と、
    前記第2の面内に配され、前記第1の磁場減衰部に対し、前記磁気センサ素子を間において対向する第2の磁場減衰部と、
    を含み、
    前記第1の磁場減衰部が、測定対象の磁場の発生源と、前記磁気センサ素子との間に配され、
    前記磁気センサ素子は、
    環状をなす磁性体と、
    当該磁性体に巻回され、前記磁性体の周方向に半周で一回転する方向の磁場を印加するコイルと、
    前記磁性体の環状の中心部に配され、測定対象となる磁場の方向に磁化方向が固定された固定層を有する磁気抵抗効果素子と、
    を含み、
    前記固定層の面内で、磁化が固定された方向に平行または反平行な方向を前記検出軸方向とする磁気センサ素子である磁気センサデバイス。
  7. 基板面に形成され、予め定められた検出軸方向の磁場の強さを検出する磁気センサ素子と、
    前記磁気センサ素子の検出軸方向に平行な面を有し、平面視において前記磁気センサ素子を内包する奥行及び幅を有する第1の磁場減衰部と、
    前記第1の磁場減衰部に対し、前記磁気センサ素子を間において対向し、前記磁気センサ素子の面に平行な仮想面内にあって、平面視において前記磁気センサ素子の中心を間においてその検出軸方向に直交する方向両側に配された一対の第2の磁場減衰部と、
    を含み、
    前記第1の磁場減衰部が、測定対象の磁場の発生源と、前記磁気センサ素子との間に配され、
    前記磁気センサ素子は、
    環状をなす磁性体と、
    当該磁性体に巻回され、前記磁性体の周方向に半周で一回転する方向の磁場を印加するコイルと、
    前記磁性体の環状の中心部に配され、測定対象となる磁場の方向に磁化方向が固定された固定層を有する磁気抵抗効果素子と、
    を含み、
    前記固定層の面内で、磁化が固定された方向に平行または反平行な方向を前記検出軸方向とする磁気センサ素子である磁気センサデバイス。
  8. 前記一対の第2の磁場減衰部は平面視において、前記第1の磁場減衰部の内側にある請求項記載の磁気センサデバイス。
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