JPH1119064A - 磁場検出方法及びmri装置 - Google Patents

磁場検出方法及びmri装置

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JPH1119064A
JPH1119064A JP9181957A JP18195797A JPH1119064A JP H1119064 A JPH1119064 A JP H1119064A JP 9181957 A JP9181957 A JP 9181957A JP 18195797 A JP18195797 A JP 18195797A JP H1119064 A JPH1119064 A JP H1119064A
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magnetic
leakage
sensor
cylindrical
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JP9181957A
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Yoshifumi Higa
良史 比嘉
Yuji Inoue
勇二 井上
Kazuhiko Sato
和彦 佐藤
Yusuke Ito
祐介 伊藤
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GE Healthcare Japan Corp
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GE Yokogawa Medical System Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 MRI装置からの漏洩磁場が存在する環境
で、複雑な装置や制御を必要とせずに、外部からの磁場
変動を検出することが可能な磁場検出方法及びMRI装
置を実現する。 【解決手段】 被検体を載置して撮像する撮像領域にM
RI用の磁場を発生する磁場発生手段Mと、この磁場発
生手段Mの外部の所定の位置における漏洩磁場を相殺す
るために該漏洩磁場とは逆方向の磁場を発生するキャン
セル磁場発生手段CMと、この逆方向の磁場により前記
漏洩磁場が減少した領域で外部からの磁場を検出する磁
気センサMSと、を備えたことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は磁気共鳴イメージン
グ(MRI(Magnetic Resonance Imaging))装置にお
ける磁場検出方法及びMRI装置に関し、特に、外部要
因による磁場の乱れを検出するに適した磁場検出方法及
びMRI装置に関する。
【0002】
【従来の技術】MRI装置は、核磁気共鳴現象を利用し
て被検体中の所望の検査部位における原子核スピンの密
度分布,緩和時間分布等を計測して、その計測データか
ら被検体の断面を画像表示するものである。
【0003】所定の磁場が形成される計測空間に載置さ
れる被検体の原子核スピンは、静磁場の強さによって定
まる周波数(ラーモア周波数)で静磁場の方向を軸とし
て歳差運動を行う。
【0004】そこで、このラーモア周波数に等しい周波
数の高周波パルスを外部より照射すると、スピンが励起
されて高いエネルギー状態に遷移する。これを核磁気共
鳴現象と言う。この高周波パルスの照射を打ち切ると、
スピンはそれぞれの状態に応じた時定数で元の低いエネ
ルギー状態に戻り、この時に外部に電磁波を照射する。
【0005】そして、その周波数に同調した高周波受信
コイル(RFコイル)で検出してNMR受信データを得
て、このNMR受信データを逆フーリエ変換などにより
画像再構成することで2次元断層イメージを生成するこ
とができる。
【0006】所定の磁場が形成されるべき計測空間が外
部環境の磁場変動の影響を受けることがあり、これによ
りゴーストなどが発生して断層イメージの画質劣化が生
じていた。
【0007】例えば、自動車などの金属の塊が移動する
ことにより静磁場マグネットの周囲の磁力線の分布に変
化や乱れが生じ、計測空間内でも静磁場強度が変動する
ことがあった。また、鉄道などのように電流によって自
ら磁場を発生しつつ移動するものによっても、計測空間
内の静磁場強度は影響を受けて変動することがあった。
【0008】例えば、0.05μT程度の微弱な外乱磁
場によっても、イメージにゴーストを発生することがあ
る。このような場合に、外部からの微弱な磁場変動を正
確に検出し、補正(静磁場の補正,NMR受信データの
補正など)をすることが考えられる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】なお、MRI装置近傍
では、装置内部の強力な静磁場の一部が外部に漏れてお
り、漏洩磁場を形成している。例えば、内部で0.2T
の静磁場を形成しているMRI装置では、マグネットの
中心から1m離れた位置において5mT程度の漏洩磁場
を形成している。
【0010】ところが、上述したような微弱な磁場を検
出するための高感度なセンサは、強い磁場の環境下では
使用することができない。また、強い磁場の環境下で使
用できるセンサも存在するが、検出特性のリニアリティ
が良くなく、温度特性も良くないため、使用には適して
いない。
【0011】例えば、上記の場合、0.05μT程度の
外乱磁場を検出するセンサは、2mT程度が最大使用可
能範囲であり、それ以上の磁場のもとでは使用すること
ができない。
【0012】そこで、漏洩磁場をキャンセルするための
コイルをセンサの周囲に配置し、このコイルに電流を流
して漏洩磁場を相殺することが考えられている。しか
し、上述したような条件で漏洩磁場を相殺するのに必要
なキャンセル磁場を発生させることは、コイルの製作が
困難である。例えば、直径3cmのソレノイドコイルの場
合、1Aの電流を流すのであれば、15000ターン以
上にする必要がある。このため、キャンセルコイルが非
常に大掛かりなものになることが予想される。
【0013】更に、キャンセルコイルに流す電流のばら
つきによるキャンセル磁界の変動は磁場変動と区別がつ
かないため、電流の安定性も重要である。すなわち、上
述した例では、50ppm以上の精度が必要になる。しか
し、このような精度を有する電源は非常に高価なものに
なるという問題がある。
【0014】本発明は上記の点に鑑みてなされたもの
で、その目的は、MRI装置からの漏洩磁場が存在する
環境で、複雑な装置や制御を必要とせずに、外部からの
磁場変動を検出することが可能な磁場検出方法及びMR
I装置を実現することである。
【0015】
【課題を解決するための発明】すなわち、課題を解決す
る手段としての本発明は以下に説明するようなものであ
る。
【0016】(1)第1の発明は、磁界発生装置近傍の
所定の位置における漏洩磁場を相殺するために該漏洩磁
場とは逆方向の磁場を発生し、この逆方向の磁場により
前記漏洩磁場が減少した領域に磁気センサを配置し、こ
の磁気センサによって外部からの磁場を検出する、こと
を特徴とする磁場検出方法である。
【0017】この磁場検出方法の発明では、磁界発生装
置近傍の所定の位置において漏洩磁場とは逆方向の磁場
を発生し、この逆方向の磁場により漏洩磁場が減少した
領域に配置した磁気センサで、外部からの磁場を検出す
るようにしている。
【0018】この結果、MRI装置からの漏洩磁場が存
在する環境で、複雑な装置や制御を必要とせずに、外部
からの磁場変動を検出することが可能になる。 (2)第2の発明は、磁界発生装置近傍の所定の位置に
おける漏洩磁場によって磁気的に飽和する筒状磁性体を
配置し、この筒状磁性体の内部に磁気センサを配置し、
この磁気センサによって外部からの磁場を検出すること
を特徴とする磁場検出方法である。
【0019】この磁場検出方法の発明では、磁界発生装
置近傍の所定の位置において、筒状磁性体に漏洩磁場の
磁力線を通過させることで、磁気センサ近傍(筒状磁性
体内部)の漏洩磁場を磁気センサの許容する大きさに減
衰させており、外部からの磁場は飽和している筒状磁性
体を貫通して磁気センサで検出される。
【0020】この結果、MRI装置からの漏洩磁場が存
在する環境で、複雑な装置や制御を必要とせずに、外部
からの磁場変動を検出することが可能になる。 (3)第3の発明は、被検体を載置して撮像する撮像領
域にMRI用の磁場を発生する磁場発生手段と、前記撮
像領域以外の所定の位置における前記磁場発生手段から
の漏洩磁場を相殺するために該漏洩磁場とは逆方向の磁
場を発生するキャンセル磁場発生手段と、前記逆方向の
磁場により前記漏洩磁場が減少した領域で外部からの磁
場を検出する磁気センサと、を備えたことを特徴とする
MRI装置である。
【0021】このMRI装置の発明では、磁界発生装置
近傍の所定の位置において漏洩磁場とは逆方向の磁場を
発生し、この逆方向の磁場により漏洩磁場が減少した領
域に配置した磁気センサで、外部からの磁場を検出する
ようにしている。
【0022】この結果、MRI装置からの漏洩磁場が存
在する環境で、複雑な装置や制御を必要とせずに、外部
からの磁場変動を検出することが可能になる。 (4)第4の発明は、上記(3)の発明において、前記
キャンセル磁場発生手段が、MRI用の磁場とは逆方向
の磁場を発生するために複数の磁石から構成されたこと
を特徴とするものである。
【0023】このMRI装置の発明では、磁界発生装置
近傍の所定の位置において、複数の磁石により漏洩磁場
とは逆方向の磁場を発生し、この逆方向の磁場により漏
洩磁場が減少した領域に配置した磁気センサで、外部か
らの磁場を検出するようにしている。
【0024】このように複数の磁石で相殺磁場を発生す
ることで、磁気センサを使用可能な領域が広がり、調整
も容易なる。この結果、MRI装置からの漏洩磁場が存
在する環境で、複雑な装置や制御を必要とせずに、容易
に、外部からの磁場変動を検出することが可能になる。
【0025】(5)第5の発明は、被検体を載置して撮
像する撮像領域にMRI用の磁場を発生する磁場発生手
段と、前記撮像領域以外の所定の位置における前記磁場
発生手段からの漏洩磁場によって磁気的に飽和する筒状
磁性体と、前記筒状磁性体の内部に配置されており、外
部からの磁場を検出する磁気センサと、を備えたことを
特徴とするMRI装置である。
【0026】このMRI装置の発明では、磁界発生装置
近傍の所定の位置において、筒状磁性体に漏洩磁場の磁
力線を通過させることで、磁気センサ近傍(筒状磁性体
内部)の漏洩磁場を磁気センサの許容する大きさに減衰
させており、外部からの磁場は飽和している筒状磁性体
を貫通して磁気センサで検出される。
【0027】この結果、MRI装置からの漏洩磁場が存
在する環境で、複雑な装置や制御を必要とせずに、外部
からの磁場変動を検出することが可能になる。 (6)第6の発明は、被検体を載置して撮像する撮像領
域にMRI用の磁場を発生する磁場発生手段と、前記撮
像領域以外の所定の位置に配置された筒状磁性体と、前
記磁場発生手段からの漏洩磁場と合成されて前記筒状磁
性体を飽和させる補助磁界を発生する補助磁界発生手段
と、前記筒状磁性体の内部に配置されており、外部から
の磁場を検出する磁気センサと、を備えたことを特徴と
するMRI装置である。
【0028】このMRI装置の発明では、磁界発生装置
近傍の所定の位置において、筒状磁性体に漏洩磁場の磁
力線を通過させることで、磁気センサ近傍(筒状磁性体
内部)の漏洩磁場を磁気センサの許容する大きさに減衰
させる。そして、漏洩磁場と補助磁界とにより筒状磁性
体を磁気的に飽和させることで、外部からの磁場は飽和
している筒状磁性体を貫通して磁気センサで検出され
る。
【0029】この結果、MRI装置からの漏洩磁場が存
在する環境で、複雑な装置や制御を必要とせずに、外部
からの磁場変動を検出することが可能になる。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態例を詳細に説明する。図1は本実施の形態例の
磁場検出方法を実施するMRI装置の構成を示す構成図
である。
【0031】まず、図1を参照して本実施の形態例のM
RI装置の概略構成を説明する。なお、この図1に示す
MRI装置においては、静磁場を垂直方向に発生する垂
直磁場方式のものを例示しているが、水平磁場方式など
の他の方式のものであってもよい。また、ここでは、永
久磁石方式のものを例示しているが、コイルを用いたも
のや超電導磁石を用いたものであってもよい。
【0032】図1に示すように、角筒状の磁場発生部M
の内部には対向するように上下に永久磁石のマグネット
M1とM2とが配置されている。なお、ここでは磁場発
生部M全体がヨークの働きをしている。
【0033】そして、磁場発生部Mの内部に、勾配コイ
ル部GC及びRFコイルRFCが配置されている。な
お、この図1では模式的に勾配コイル部GCとRFコイ
ルRFCとを示したが、この垂直磁場方式のものでは、
開放性を損なわないように、マグネットM1及びM2に
沿うようにして、勾配コイル部GCとRFコイルRFC
(または、送信コイル及び受信コイル)が配置される。
なお、他の形状や形式のコイルであってもよい。
【0034】また、これら磁場発生部M、RFコイル部
RFCおよび勾配コイル部GCの内部に形成される概ね
空間(計測空間)に、図示されていない被検体が搬入さ
れて断層撮影が実行される。
【0035】RFコイル部RFCには送信部TXが接続
されている。送信部TXはスキャンコントローラCNT
の指示のもとでRFコイル部RFCに駆動信号を与えて
RF磁場を発生させ、それによって、被検体の体内のス
ピンを励起するようになっている。
【0036】勾配コイル部GCには勾配駆動部GRが接
続されている。勾配駆動部GRはスキャンコントローラ
CNTの指示のもとで勾配コイル部GCに駆動信号を与
えて勾配磁場を発生させるようになっている。
【0037】また、RFコイル部RFCには受信部RX
が接続されている。受信部RXはスキャンコントローラ
CNTの指示のもとでRFコイル部RFCからMR信号
を受信するようになっている。
【0038】受信部RXにはアナログ・ディジタル(ana
log-to-digital) 変換部ADCが接続されている。アナ
ログ・ディジタル変換部ADCは受信部RXの出力信号
をディジタル信号に変換するようになっている。
【0039】また、磁場発生部Mの外部であって計測空
間に近い位置(計測空間の中心の真上など)に磁場変動
を起こす外乱磁場Bdを検出する磁気センサMSが配置
されており、この磁気センサMSの検出信号は磁場変動
検出部MDに供給されている。
【0040】なお、外乱磁場Bdはある程度の距離から
届いているものであるため、計測空間に比較的近い位置
で検出すれば、計測空間内でも同一の値であると推定す
ることができる。また、この実施の形態例では、外乱磁
場Bdについては、計測する磁場と同じ方向の成分(イ
メージにゴーストを発生させる成分)を検出対象とす
る。
【0041】そして、磁場変動検出部MDの検出出力は
スキャンコントローラCNTに供給されている。なお、
これら磁気センサMSと磁場変動検出部MDとが、磁場
変動検出手段を構成している。
【0042】キャンセル磁場発生部CMは、静磁場発生
部Mからの漏洩磁場を相殺するために該漏洩磁場とは逆
方向の磁場を局所的(少なくとも磁気センサMSを含む
領域)に発生するものである。また、磁気センサMS
は、キャンセル磁場発生部CMによって静磁場発生部M
からの漏洩磁場が低減された領域に配置されている。な
お、ここでは、キャンセル磁場発生部CMが2つの対向
する磁石で構成された例を図示している。
【0043】なお、本実施の形態例において、漏洩磁場
とは、MRI装置内部(撮像領域)の強力な静磁場の一
部が装置外部に漏れて形成する磁場のことをいう。ま
た、キャンセル磁場発生部CMと磁気センサとは、非磁
性体の材質で構成された保持手段により静磁場発生部M
に対して所定の位置を保つように配置されることが好ま
しい。
【0044】また、ここでは磁気センサMSは磁場発生
部Mの外部に配置したが、磁場発生部Mの内部の磁場の
分布を乱さず、かつ更に高磁場の環境のもとで外部から
の微小な磁場変動を検出可能なものであれば、磁場発生
部Mの内部に配置することも可能である。
【0045】すなわち、磁気センサMSは、計測する磁
場と同じ方向の成分を確実に検出できる位置であれば何
処に配置してもよいが、計測空間になるべく近い位置で
あって、計測空間の中心の真上などが好ましい。
【0046】アナログ・ディジタル変換部ADCはコン
ピュータCOMに接続されている。コンピュータCOM
はアナログ・ディジタル変換部ADCからディジタルデ
ータとしてのNMR受信データを受け、このNMR受信
データについて所定のデータ処理(逆フーリエ変換など
の各種画像再構成処理)を行い、被検体についての断層
イメージを生成するようになっている。
【0047】コンピュータCOMには表示部DISと操
作部OPが接続されている。表示部DISはコンピュー
タCOMから出力される各種の情報を表示するようにな
っている。操作部OPは操作者によって操作され、各種
の指令や情報等をコンピュータCOMに入力するように
なっている。
【0048】コンピュータCOMには、また、スキャン
コントローラCNTが接続されている。スキャンコント
ローラCNTには送信部TX、勾配駆動部GR、受信部
RXおよびアナログ・ディジタル変換部ADCが接続さ
れている。
【0049】スキャンコントローラCNTはコンピュー
タCOMから指令が与えられ、それに基づいて送信部T
X、勾配駆動部GR、受信部RXおよびアナログ・ディ
ジタル変換部ADCにそれぞれ制御信号を与える制御手
段であり、所定のパルスシーケンスに基づいて動作を制
御するようになっている。
【0050】また、図2はキャンセル磁場発生部CMと
磁気センサMSとの様子を詳細に示す説明図である。図
2(a)では、キャンセル磁場発生部CMは、静磁場発
生部Mからの漏洩磁場Bを相殺するために該漏洩磁場B
とは逆方向の磁場(キャンセル磁場Bc)を、対向する
2つの磁石の間で局所的(少なくとも磁気センサMSを
含む領域)に発生している。
【0051】なお、漏洩磁場Bとキャンセル磁場Bcと
を強度の絶対値を等しくするためには、磁石CM1と磁
石CM2との間隔を調整することでキャンセル磁場Bcの
強度を調節することで行うことが可能である。この場
合、MRI装置を設置する現地において、この磁石CM
1とCM2の間隔を調整できるような機構を設けておくこ
とも好ましい。
【0052】また、図2(b)では、キャンセル磁場発
生部CMは、静磁場発生部Mからの漏洩磁場Bを相殺す
るために該漏洩磁場Bとは逆方向の磁場(キャンセル磁
場Bc)を、単一の磁石で発生している。この場合、図
2(b)の破線で囲った領域が、双方の磁場が相殺され
た領域を示しており、この領域内に磁気センサMSを配
置する。
【0053】以上のようにキャンセル磁場発生部CMか
らのキャンセル磁場Bcにより静磁場発生部Mからの漏
洩磁場Bを相殺あるいは低減するようにしておいて、こ
のように漏洩磁場Bが相殺あるいは低減された領域に磁
気センサMSを配置することで、磁気センサMSが使用
可能な範囲になり、外部からの外乱磁場Bdを検出でき
るようになる。
【0054】上述した0.05μT程度の外乱磁場を検
出するセンサでは、2mT程度が最大使用可能範囲であ
るため、5mT程度の漏洩磁場Bをキャンセル磁場Bc
によって2mT以下に低減させておけばよい。また、異
なる磁場強度で使用する場合や、異なる性能の磁気セン
サを用いる場合であっても、同様に、必要なレベルにま
で漏洩磁場Bを低減させておけばよい。
【0055】なお、このキャンセル磁場Bcを永久磁石
により発生させることで変動は生じておらず、正確に外
乱磁場を検出することができるようになる。また、キャ
ンセル磁場Bcを発生させるためにコイルや電源を必要
としないので、装置が大型化することもない。
【0056】まず、磁気センサMSにより磁場発生部M
近辺の外乱磁場Bdを検出しつつ、スキャンコントロー
ラCNTの指示により、各スライス毎に所定のビュー数
のNMR受信データを得ていく。
【0057】この際に、磁場変動検出部MDは磁気セン
サMSの検出信号を監視しており、所定のしきい値と比
較している。この場合のしきい値は、外部環境の磁場変
動Bdが断層イメージの画質劣化を引き起こすと認めら
れるレベルを予め定めておくようにする。
【0058】磁気センサMSの検出信号が所定のしきい
値以上であるときには、磁場変動検出部MDはその旨を
スキャンコントローラCNTに伝える。このように磁気
センサMSによって検出された外乱磁場Bdが所定のし
きい値以上であったときにスキャンコントローラCNT
は、図示されていない補正コイルから補正磁場を発生す
るか、または、そのときに得たNMR受信データに対し
て所定の処理を施すようにする。
【0059】このようにして、所定のしきい値以上の磁
場変動を引き起こす外乱磁場Bdを監視しつつNMR受
信データを得るようにして、逆フーリエ変換などにより
画像再構成して断層イメージを生成する。
【0060】従って、この実施の形態例のMRI装置で
は、ある一定レベル以上の磁場変動を引き起こす外乱磁
場Bdが発生した場合に、正確に検出を行うと共に、適
確に対処することができるようになる。
【0061】この結果、MRI装置からの静磁場の漏洩
磁場が存在する環境でも、複雑な装置や制御を必要とせ
ずに、外部からの磁場変動を検出することが可能にな
る。また、図2に説明したキャンセル磁場発生部CMの
代わりに、飽和筒状磁性体CM′を配置し、この飽和筒
状磁性体CM′内部に磁気センサCMを配置することも
可能である。この様子を、飽和筒状磁性体CM′の断面
図として図3に示す。
【0062】なお、飽和筒状磁性体CM′と磁気センサ
とは、非磁性体の材質で構成された保持手段により静磁
場発生部Mに対して所定の位置を保つように配置される
ことが好ましい。
【0063】なお、ここで飽和筒状磁性体CM′とは、
円筒若しくは角筒状のフェライトやパーマロイ等の磁性
体であって、静磁場発生部Mからの漏洩磁場Bによって
磁気的に飽和するものを指している。また、この場合の
筒の厚みや磁性体の種類は、漏洩磁場の強度に応じて選
択すればよい。
【0064】図3に示すように、飽和筒状磁性体CM′
の筒の部分に漏洩磁場Bの磁力線が引き寄せられるた
め、筒内部の磁気センサMS周囲には漏洩磁場Bが作用
しない。すなわち、静磁場発生部Mの近傍であって漏洩
磁場の強度が大きくても、磁気センサMSが使用可能な
状態になる。
【0065】そして、飽和筒状磁性体CM′が磁気的に
飽和しているために磁気抵抗が小さくなり、外部からの
外乱磁場Bdは飽和筒状磁性体CM′を容易に貫通す
る。従って、外乱磁場Bdは磁気センサMSで検出でき
る状態になる。
【0066】なお、飽和筒状磁性体CM′が磁気的に飽
和している状態で、ある程度以上漏洩磁場Bが強い場合
には、漏洩磁場Bの磁力線が筒の内部にも入ってくる。
しかし、上述した0.05μT程度の外乱磁場を検出す
るセンサでは、2mT程度が最大使用可能範囲であるた
め、5mT程度の漏洩磁場Bのうちの2mT以下であれ
ば筒の内部に入ってきても問題は生じない。また、異な
る磁場強度で使用する場合や、異なる性能の磁気センサ
を用いる場合であっても、同様に、必要なレベルになる
ように、漏洩磁場Bの磁力線を飽和筒状磁性体CM′に
引き寄せておけばよい。
【0067】また、飽和筒状磁性体CM′の飽和レベル
よりも漏洩磁場Bのレベルが小さい場合には、飽和に達
していないため磁気抵抗大きいままであり、外乱磁場B
dの磁力線が筒に沿って流れることになり、磁気センサ
MSで検出できない。
【0068】そこで、図4に示すように、飽和筒状磁性
体CM′の外筒面にソレノイドコイルを巻回し、ソレノ
イドコイルに所定の電流を流して補助磁界を発生させる
ようにする。なお、この場合の補助磁界は、漏洩磁場B
と同じ向きになるようにする。
【0069】そして、この補助磁界と静磁場発生部Mか
らの漏洩磁場Bとにより、飽和筒状磁性体CM′を磁気
的に飽和させるようにする。この場合にも、前述した図
3と同じように、飽和筒状磁性体CM′の筒の部分に漏
洩磁場Bの磁力線が引き寄せられるため、筒内部の磁気
センサMS周囲には漏洩磁場Bが作用しない。すなわ
ち、静磁場発生部Mの近傍であって漏洩磁場の強度が大
きくても、磁気センサMSが使用可能な状態になる。
【0070】また、補助磁界も飽和筒状磁性体CM′を
磁気的に飽和させるために使用されるため、磁気センサ
MSに作用することがない。このため、補助磁界を発生
させる電流の精度はあまり問題にならない。
【0071】そして、飽和筒状磁性体CM′が磁気的に
飽和しているために磁気抵抗が小さくなり、外部からの
外乱磁場Bdは飽和筒状磁性体CM′を容易に貫通す
る。従って、外乱磁場Bdは磁気センサMSで検出でき
る状態になる。
【0072】この結果、MRI装置からの静磁場の漏洩
磁場が存在する環境でも、複雑な装置や制御を必要とせ
ずに、外部からの磁場変動を検出することが可能にな
る。なお、以上の各実施の形態例においては、永久磁石
を用いた垂直磁場方式のMRI装置における外乱磁場B
dの検出の様子を示している。例えば、異なる方向の磁
場を用いるMRI装置であれば、その装置によって生じ
る漏洩磁場の方向に前記キャンセル磁場の方向や前記飽
和筒状磁性体の筒の方向(磁力線を集める方向)を合わ
せるようにすることで、効果的に外乱磁場Bdを検出す
ることができる。
【0073】
【発明の効果】以上実施の形態例と共に詳細に説明した
ように、この明細書記載の各発明によれば以下のような
効果が得られる。
【0074】(1)第1の磁場検出方法の発明では、磁
界発生装置近傍の所定の位置において漏洩磁場とは逆方
向の磁場を発生し、この逆方向の磁場により漏洩磁場が
減少した領域に配置した磁気センサで、外部からの磁場
を検出するようにしているので、MRI装置からの漏洩
磁場が存在する環境で、複雑な装置や制御を必要とせず
に、外部からの磁場変動を検出することが可能になる。
【0075】(2)第2の磁場検出方法の発明では、磁
界発生装置近傍の所定の位置において、筒状磁性体に漏
洩磁場の磁力線を通過させることで、磁気センサ近傍
(筒状磁性体内部)の漏洩磁場を磁気センサの許容する
大きさに減衰させており、外部からの磁場が筒状磁性体
を貫通して磁気センサで検出できるようになるので、M
RI装置からの漏洩磁場が存在する環境で、複雑な装置
や制御を必要とせずに、外部からの磁場変動を検出する
ことが可能になる。
【0076】(3)第3のMRI装置の発明では、撮像
領域以外の所定の位置における磁場発生手段からの漏洩
磁場を相殺するために該漏洩磁場とは逆方向の磁場を発
生し、この逆方向の磁場により漏洩磁場が減少した領域
に配置した磁気センサで、外部からの磁場を検出するよ
うにしているので、MRI装置からの漏洩磁場が存在す
る環境で、複雑な装置や制御を必要とせずに、外部から
の磁場変動を検出することが可能になる。
【0077】(4)第4のMRI装置の発明では、磁界
発生装置近傍の所定の位置において、複数の磁石により
漏洩磁場とは逆方向の磁場を発生し、この逆方向の磁場
により漏洩磁場が減少した領域に配置した磁気センサ
で、外部からの磁場を検出するようにしているので、磁
気センサを使用可能な領域が広がり、調整も容易なり、
MRI装置からの漏洩磁場が存在する環境で、複雑な装
置や制御を必要とせずに、容易に、外部からの磁場変動
を検出することが可能になる。
【0078】(5)第5のMRI装置の発明では、磁界
発生装置近傍の所定の位置(撮像領域以外の所定の位
置)において、筒状磁性体に漏洩磁場の磁力線を通過さ
せることで、磁気センサ近傍(筒状磁性体内部)の漏洩
磁場を磁気センサの許容する大きさに減衰させており、
外部からの磁場が筒状磁性体を貫通して磁気センサで検
出でき、MRI装置からの漏洩磁場が存在する環境で、
複雑な装置や制御を必要とせずに、外部からの磁場変動
を検出することが可能になる。
【0079】(6)第6のMRI装置の発明では、磁界
発生装置近傍の所定の位置において、筒状磁性体に漏洩
磁場と補助磁界との磁力線を通過させることで、磁気セ
ンサ近傍(筒状磁性体内部)の漏洩磁場を磁気センサの
許容する大きさに減衰させており、外部からの磁場が筒
状磁性体を貫通して磁気センサで検出でき、MRI装置
からの漏洩磁場が存在する環境で、複雑な装置や制御を
必要とせずに、外部からの磁場変動を検出することが可
能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態例のMRI装置の全体構
成を示す構成図である。
【図2】本発明の一実施の形態例における磁気センサM
Sとキャンセル磁場発生部CMとの様子を示す説明図で
ある。
【図3】本発明の一実施の形態例における磁気センサM
Sと飽和筒状磁性体CM′との様子を示す説明図であ
る。
【図4】本発明の一実施の形態例における磁気センサM
Sと飽和筒状磁性体CM′との様子の他の例を示す説明
図である。
【符号の説明】
M 磁場発生部 MS 磁気センサ CM キャンセル磁場発生部 CM′飽和筒状磁性体 RFC RFコイル部 GC 勾配コイル部 TX 送信部 GR 勾配駆動部 RX 受信部 MD 磁場変動検出部 ADC アナログ・ディジタル変換部 CNT スキャンコントローラ COM コンピュータ DIS 表示部 OP 操作部
フロントページの続き (72)発明者 佐藤 和彦 東京都日野市旭が丘四丁目7番地の127 ジーイー横河メディカルシステム株式会社 内 (72)発明者 伊藤 祐介 東京都日野市旭が丘四丁目7番地の127 ジーイー横河メディカルシステム株式会社 内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁界発生装置近傍の所定の位置における
    漏洩磁場を相殺するために該漏洩磁場とは逆方向の磁場
    を発生し、 この逆方向の磁場により前記漏洩磁場が減少した領域に
    磁気センサを配置し、 この磁気センサによって外部からの磁場を検出する、 ことを特徴とする磁場検出方法。
  2. 【請求項2】 磁界発生装置近傍の所定の位置における
    漏洩磁場によって磁気的に飽和する筒状磁性体を配置
    し、 この筒状磁性体の内部に磁気センサを配置し、この磁気
    センサによって外部からの磁場を検出する、 ことを特徴とする磁場検出方法。
  3. 【請求項3】 被検体を載置して撮像する撮像領域にM
    RI用の磁場を発生する磁場発生手段と、 前記撮像領域以外の所定の位置における前記磁場発生手
    段からの漏洩磁場を相殺するために該漏洩磁場とは逆方
    向の磁場を発生するキャンセル磁場発生手段と、 前記逆方向の磁場により前記漏洩磁場が減少した領域で
    外部からの磁場を検出する磁気センサと、 を備えたことを特徴とするMRI装置。
  4. 【請求項4】 被検体を載置して撮像する撮像領域にM
    RI用の磁場を発生する磁場発生手段と、 前記撮像領域以外の所定の位置における前記磁場発生手
    段からの漏洩磁場によって磁気的に飽和する筒状磁性体
    と、 前記筒状磁性体の内部に配置されており、外部からの磁
    場を検出する磁気センサと、 を備えたことを特徴とするMRI装置。
  5. 【請求項5】 被検体を載置して撮像する撮像領域にM
    RI用の磁場を発生する磁場発生手段と、 前記撮像領域以外の所定の位置に配置された筒状磁性体
    と、 前記磁場発生手段からの漏洩磁場と合成されて前記筒状
    磁性体を飽和させる補助磁界を発生する補助磁界発生手
    段と、 前記筒状磁性体の内部に配置されており、外部からの磁
    場を検出する磁気センサと、 を備えたことを特徴とするMRI装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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