JP5680287B2 - 電流センサ - Google Patents

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Description

本発明は、電流センサにかかり、特に、磁気センサを用いた電流センサに関する。
近年、電子機器の普及に伴い、電流を検出する電流センサの需要が高まっている。特に、計測対象となる機器が小型化されるにつれて、電流センサ自体の小型化も必須であり、構造の簡素化による低コスト化も要求されている。また、もちろん電流検出の高精度化、高感度化も要求されている。
そして、電流センサの一例が、特許文献1に開示されている。この特許文献1に開示の磁気センサの構成の概略を図1(A)に示す。この図に示すように、磁気センサは、プリント配線基板101上にパターニングされた被計測電流パターン103を、凸部102aを備えた磁性体コア102で覆い、当該凸部102aに対局したプリント配線基板101部位に、磁気センサ104を配置することで、被測定電流に比例した出力電気信号を得る、というものである。
具体的には、被計測電流パターン103に電流が流れると、かかる電流により磁界が発生し、かかる磁界が磁性体コア102によって増強される。すると、磁性体コア102の対局する凸部102a間、つまり、磁気センサ104を配置したギャップ間に、強い磁界が発生するため、この磁界を検出することで、電流を検出することができる。そして、特に、磁性体コア102の左右側面に凹型の溝加工を施すことで、当該磁性体コア102を分割することなく装着できるよう構成されている。また、上記磁性体コア102で磁気センサ104を覆っているため、外部磁気ノイズを遮蔽することができる。
特開2008−20403号公報
しかしながら、上述した電流センサの磁性体コア102では、外部磁気ノイズまで検出してしまう、という問題が生じる。具体的に、図1(B)に、特許文献1に開示の磁性体コア102を示すが、図の縦方向つまり実践矢印方向に外部磁界が発生すると、凸部102aが形成されている箇所では、点線矢印に示すように、外部磁界が増強されて凸部102a間を通過しうる。すると、高感度な磁気センサであればあるほど、被計測電流パターン103に電流が流れていない状態であっても外部磁気ノイズを検出することがあり、電流検出精度が低下する、という問題が生じる。さらに、上述した磁性体コア102は、内面に凸部102aがあるため形状が複雑であり、部品コストが増大する、という問題が生じる。
このため、本発明の目的は、上述した課題である、低コストで外部磁気ノイズの誤検出を抑制した信頼性の高い電流センサを提供することにある。
かかる目的を達成するため本発明の一形態である電流センサは、
計測対象となる電流が相互に逆方向に流れるよう同一配線の一部が平行に配設された平行配設部を有する被電流計測配線と、
上記平行配設部に位置する平行な配線間に配置され、当該平行な配線によって形成される平面に対して垂直方向の磁界を検出する磁気検出手段と、
上記磁気検出手段にて検出した磁界に基づいて、上記被電流計測配線に流れた電流を検出する電流検出手段と、
上記平行配設部に位置する平行な配線に電流が流れることによって当該配線周りに生じる磁界を増強するよう上記平行配設部を囲う磁性体コアと、を備える。
そして、上記磁性体コアは、上記平行な配線によって形成される平面を挟んで相互に対向する一対の壁部を有しており、上記一対の壁部のうち上記平行な配線間に位置する箇所の相互間の距離が、他の箇所と等しい、あるいは、他の箇所よりも開いて形成されている。さらに、上記磁性体コアの上記一対の壁部の間に、上記磁気検出手段を配置している、という構成を採る。
また、本発明の他の形態である電流センサの製造方法は、
計測対象となる電流が相互に逆方向に流れるよう同一配線の一部が平行に配設された平行配設部を有する被電流計測配線に対して、上記平行配設部に位置する平行な配線間に、当該平行な配線によって形成される平面に対して垂直方向の磁界を検出する磁気検出手段を配置し、
上記磁気検出手段を、当該磁気検出手段にて検出した磁界に基づいて上記被電流計測配線に流れた電流を検出する電流検出手段に接続し、
上記平行配設部に位置する平行な配線に電流が流れることによって当該配線周りに生じる磁界を増強するよう上記平行配設部を囲うと共に、上記平行な配線によって形成される平面を挟んで相互に対向する一対の壁部を有し、当該一対の壁部のうち上記平行な配線間に位置する箇所の相互間の距離が、他の箇所と等しい、あるいは、他の箇所よりも開いて形成されている磁性体コアを装備する。そして、上記磁性体コアを装備する際に、当該磁性体コアの上記一対の壁部の間に、上記磁気検出手段を配置する、という構成を採る。
本発明は、以上のように構成されることにより、低コスト化、及び、外部磁気ノイズの検出を抑制した高精度な電流センサを提供することができる。
本発明に関連する電流センサの構成を示す図である。 実施形態1における電流センサの構成及び組み付けの様子を示す図である。 実施形態1における電流センサの構成及び組み付けの様子を示す図である。 実施形態1における電流センサの構成及び組み付けの様子を示す図である。 実施形態1における電流センサの構成及び組み付けの様子を示す図である。 実施形態1における電流センサの構成及び組み付けの様子を示す図である。 実施形態1における電流センサの構成及び組み付けの様子を示す図である。 実施形態1における電流センサの構成の概略を示す図である。 図5及び図8に開示した磁性体コアの機能を説明する図である。 図5及び図8に開示した磁性体コアの機能を説明する図である。 図5及び図8に開示した性体コアの機能を説明する図である。 図1に開示した磁気センサの構成を示す図である。 図12に開示した磁気センサを上方から見た図である。 図12に開示したGMRチップの一部の拡大図である。 図12に開示したGMRチップに形成されているGMR素子にて構成されたブリッジ回路を示す図である。 GMR素子の特性を説明する図である。 GMRチップに対する磁界の様子を示す図である。 実施形態1における磁気センサに対する磁界の様子を示す図である。 実施形態2における磁性体コアの構成を及び機能を説明する図である。 実施形態2における磁性体コアの内部に発生する磁界の様子を示す図である。 実施形態3における磁性体コアの構成を示す図である。 実施形態4におけるシールドの構成を示す図である。 実施形態5におけるケースの構成を示す図である。 実施形態6におけるGMRセンサの構成を示す図である。 実施形態6におけるGMRセンサに対する磁界の様子を示す図である。 実施形態6におけるGMRセンサの他の構成を示す図である。 実施形態6における他の構成のGMRセンサに対する磁界の様子を示す図である。
<実施形態1>
本発明の第1の実施形態を、図2乃至図18を参照して説明する。図2乃至図7は、電流センサの構成及び組み付けの様子を示す図である。図8は、電流センサの構成の概要を示す図である。図9乃至図11は、電流センサに対して発生する磁界の様子を示す図である。図12乃至図18は、電流センサを構成する磁気センサの詳細な構成及び動作を説明する図である。
まず、図2乃至図7を参照して、電流センサの構成及び組み付け手順を説明する。図2は、電流センサを構成するベースとなる基板1の表面を示しており、図3(A)は、その裏面を示している。図2及び図3(A)に示すように、基板1は略長方形状の薄板部材である。そして、基板1の裏面には、図3に示すように、当該基板1の面に沿ってU字状(コ字状)の電流バー2が搭載されている。
上記電流バー2(被電流計測配線)は、電流が流れる配線として機能し、両端に端子を形成しており、計測対象となる機器(被電流計測機器)に形成された端子に接続することが可能である。そして、電流バー2を機器の端子に接続すると、一端から他端に向かって電流が流れるため、本発明である電流センサは、この機器から流れる電流を計測対象として、その値を計測するよう機能する。なお、本発明の電流センサは、計測対象となる機器に組み込まれて常時装備された状態であってもよく、必要なときに機器に装着されるものであってもよい。
そして、上記電流バー2は、具体的にはU字状(コ字状)に形成されている。このため、それぞれ端部が位置する2本の直線部21,22は相互に平行であり、平行配設部を形成している。そして、電流バー2は、同一配線を構成しているため、上記平行な直線部21,22には相互に逆方向に電流が流れることとなる。
ここで、上記電流バー2は、基板1の裏面に接して搭載されているため、当該電流バー2自体つまり2本の直線部21,22によって定まる平面は、基板1と平行の位置関係にある。このため、上述したように、平行な各直線部21,22に相互に逆方向の電流が流れると、当該各直線部21,22を取り巻くよう磁界が発生し、この磁界は、各直線部21,22間の中央部分では、基板1に対してほぼ垂直となる。
なお、電流バー2は、基板1上に一体的に形成されたトレース配線で構成されるなど、必ずしも上述した部材であることに限定されない。また、電流バー2は、必ずしもU字状であることに限定されず、同一配線の一部が相互に逆方向に流れる平行に配設された部分であってもよい。
また、電流バー2を形成する直線部21,22に流れる電流を制御するために、電流バー2の端子の一端と電流バー2の端子の他端に隣接する場所に、図3(B)に示すように、当該電流バー2の端子の一端と電流バー2の端子の他端とを連結する連結配線部23を形成してもよい。このような構成とすることで、電流バー2の端子間に流れる電流が大きい場合には、電流バー2の直線部21,22に流れる電流を低下させることが可能となるので、直流大電流を測定する場合には望ましい。なお、製造コストを低減すべく、上記連結配線部23と電流バー2とは、一体に形成されると望ましい。
また、上記基板1には、電流バー2の外側、具体的に、各直線部21,22に隣接して、当該直線部21,22と平行に延びる所定の幅の切り込みである切り欠き部11,12が形成されている。この切り欠き部11,12は、一定の幅で基板1内部にまで切り込まれて形成されており、後述する磁性体コア5を装着すべく当該磁性体コア5の壁部53,54が挿入されることとなる。
そして、上記基板1の表面には、上記電流バー2の空間部に対応する箇所、特に、平行な各直線部21,22間の中央に位置する箇所に、磁気センサ3(磁気検出手段)が搭載される。この磁気センサ3は、基板1に対して垂直方向の磁界を検出可能である。従って、上記電流バー2に電流が流れることにより生じる磁界は、2本の直線部21,22の間では基板1に対して垂直方向となるため、かかる磁界を検出することができる。そして、磁気センサ3からの出力を検出する回路が制御器10(図8参照)として基板1上に搭載されており、当該基板1上に搭載された磁気センサ3は、制御器10に接続される。なお、制御器10については後述する。
なお、本実施形態では、磁気センサ3の一例として、後述するようにGMR(Giant Magneto Resistive effect)素子(磁気抵抗効果素子)を用いているが、ホール素子やTMR(Tunnel Magneto-Resistance)素子でもよく、基板1に対して垂直方向に発生した磁界を検出可能であればいかなる磁気センサであってもよい。磁気センサ3の構成の詳細については、後述する。
また、図4に示すように、基板1の表面には、略円筒形状のコイル4が搭載される。具体的に、コイル4は略円筒形状のボビンの外周に巻かれて構成されている。なお、コイル4は、ボビンがなくてもよく、空芯コイルであってもよい。そして、コイル4は、内部の中心に上記磁気センサ3が位置するよう基板1上に搭載される。また、コイル4の高さは、当該コイル4の高さ方向の中央に、後述する磁気センサ3の磁界を検出する素子が形成された素子面が位置するよう形成されている。なお、基板1の表裏にそれぞれ配置されたコイル4と電流バー2にはそれぞれ電流が流れるため、基板1のうち、少なくともコイル4及び磁気センサ3と電流バー2とが搭載される箇所は、その表裏面が相互に絶縁されている。
そして、上記コイル4に電流を流すことで、当該コイル4の内部及び周囲に磁界を発生させることができる。特に、コイル4の中空の中心部分には、基板1に対して垂直方向の磁界を発生させることができる。このため、コイル4に流れる電流の方向、及び、強さを制御することで、上述した電流バー2に電流が流れることで発生する基板1に対して垂直方向の磁界と反対方向の磁界をコイル4にて発生させ、電流バー2によって発生した磁界を打ち消すことができる。
そして、上述したように、コイル4に流す電流を制御する回路が、制御器10(図8参照)として基板1上に搭載されており、当該基板1上に搭載されたコイル4は、制御器10に接続される。この制御器10は、上述した磁気センサ3からの出力を検出して、その出力に応じてコイル4に電流を流すよう制御する機能を有する。具体的に、制御器10は、磁気センサ3にて検出する磁界の値が「0」になるよう、電流バー2によって生じる磁界をコイル4にて発生させる磁界で打ち消すべく、当該コイル4に流す電流の値を制御する。なお、具体的な制御器10の動作については後述する。
また、制御器10は、磁気センサ3にて検出する磁界の値が「0」となるよう、コイル4に流した電流に基づいて所定の演算を施した値を、電流バー2に流れた電流値として検出して、外部に出力する機能を有する。つまり、制御器10は、コイル4に流した電流に基づいて電流バー2に流れた電流を検出する機能を有する。なお、この機能を換言すると、制御器10は、磁気センサ3が検出した磁界の値に応じてコイル4に流す電流値を制御して電流バー2に流れた電流を検出しているため、磁気センサ3にて検出した磁界に基づいて電流バー2に流れた電流を検出している、とも言える。
なお、本実施形態では、コイル4に流れた電流値に基づいて、電流バー2に流れた電流値を検出しているため、コイル4と制御器10が電流検出手段として機能している。但し、制御器10は、磁気センサ3にて検出した磁界の値から、所定の演算を施して電流バー2に流れた電流値を検出してもよい。かかる場合には、制御器10にはコイルを制御する機能(コイル制御手段)は装備されていないが、制御器10のみが電流検出手段として機能する。
また、図5に示すように、基板1には、環状であり、端面が矩形(長方形)に形成された磁性体コア5が装備される。換言すると、磁性体コア5は、一定の幅の帯状体が、端面が長方形となるよう環状に形成されており、帯状体の幅方向が高さ方向(長さ方向)に位置する筒状に形成されている。なお、磁性体コア5は、例えば、軟磁性体で形成されている。
そして、図5に示すように、磁性体コア5を構成する相互に対向する一対の壁部、ここでは短い方の辺を構成する一対の壁部(図8で符号53,54に示す壁部)を、上記基板1に対して垂直に位置した状態で、当該基板1に形成された各切り欠き11,12にそれぞれ挿入することで、当該磁性体コア5を基板1に装備する。換言すると、ここでは長い方の辺を構成する長辺側の一対の壁部(図8で符号51,52に示す壁部)を相互に連結する短辺側の壁部(他の一対の壁部)を、磁性体コア5の端面側から各切り欠き11,12に挿入する。すると、磁性体コア5を構成する長辺側の一対の壁部(図8で符号51,52に示す壁部)が、基板1と平行に位置する。換言すると、長辺側の一対の壁部51,52は、電流バー2によって形成される平面と平行に位置する。さらに、長辺側の一対の壁部51,52は、その内面が平坦に形成されている。また、同様に、短辺側の一対の壁部53,54も、その内面が平坦に形成されている。
なお、磁性体コア5の基板1と垂直な短辺側の一対の壁部53,54は、当該各壁部53,54よりもそれぞれ外側に位置する曲率が概ね同一な一対の曲線壁部にて形成されていてもよい。また、各壁部が連結する箇所、つまり、各壁部が相互に直交している箇所が直交せずに相互に滑らかに連結され、曲線状つまり所定の半径の円弧状に連結して形成されていてもよい。上記構造とすることで、後述するような局所的な磁界発生を低減できる可能性がある。
ここで、図8に、電流センサの構成の概略を示すが、上述したように磁性体コア5は、基板1に装備された電流バー2と、磁気センサ3と、コイル4と、を取り囲むよう配置される。これにより、電流バー2と磁気センサ3とコイル4は、磁性体コア5の長辺側の一対の壁部51,52の間に挟まれて配置された状態となる。
次に、図9乃至図11を参照して、上述した磁性体コア5の機能について説明する。まず、電流バー2に電流が流れると、当該電流バー2の周りに磁界が発生する。ここでは、図9に示すように電流バー2に電流が流れたとすると、電流バー2の各直線部21,22周りに、点線矢印に示すように磁界が発生する。すると、この発生した磁界は、電流バー2の周囲に位置する磁性体コア5でさらに増強され、電流バー2の相互に平行に位置する各直線部21,22間の中央には、当該電流バー2によって形成される平面に対して垂直方向の磁界が発生し、磁性体コア5がない場合よりも増強された状態となる。そして、図9に示すように、電流バー2の各直線部21,22間の中央には磁気センサ3が配置されているため、当該磁気センサ3にて磁界を検出することができる。
そして、電流バー2の各直線部21,22間の中央にはコイル4も配置されているため、電流バー2によって発生した基板1に対して垂直な磁界を打ち消す磁界を発生させることができる。このとき、制御器10は、磁気センサ3からの検出値を計測し、この検出値が「0」となるようコイル4に流す電流の値を制御する。例えば、磁気センサ3が所定の値の磁界を検出すると、この値に対応した大きさであり、かつ、逆方向の磁界を発生させる方向の電流をコイル4に流すよう制御する。つまり、磁気センサ3にて検出した磁界の値が大きいほど、大きい値の電流をコイル4に流すこととなる。そして、このときコイル4に流した電流値に比例する値が、電流バー2に流れた電流値となる。従って、制御器10は、コイル4に流した電流値に所定の演算を施した値を、電流バー2に流れた電流値として外部に出力する。
また、磁性体コア5は、上述したように電流バー2に電流が流れることにより発生した磁界を増強させるだけでなく、外部磁界が磁気センサ3にて検出されることを抑制するよう、当該外部磁界を遮蔽する機能も有する。ここで、例えば、図10の実線矢印に示すように、基板1に対して垂直方向、つまり、電流バー2によって形成される平面に対して垂直方向に外部磁界が発生したとする。すると、この外部磁界は、点線矢印に示すように、磁性体コア5自体を導通するものの、磁気センサ3が配置されている内部空間ではその強度が減少する。特に、本実施形態における磁性体コア5の長辺側の一対の壁部51,52の内面は平坦に形成されているため、当該一対の壁部51,52の相互間の距離が一定である。従って、図1(B)で説明した凸部102aが形成されたコア102では、外部磁界が増強されて磁気センサにて検出可能な強度の磁界が凸部102a間を通過することがあるが、本発明における磁性体コア5では、内部を通過する外部磁界の強度を大幅に減少させ、当該外部磁界を遮蔽することができる。その結果、磁気センサ3にて外部磁界が検出されることを抑制できる。
そして、磁性体コア5による磁気遮蔽効果は、図11の実線矢印に示す、基板1と平行な方向の外部磁界に対しても同様であり、この外部磁界は、点線矢印に示すように、磁性体コア5自体を導通するものの、磁気センサ3が配置されている内部空間ではその強度が大幅に減少され、当該外部磁界を遮蔽することができる。
なお、上記磁性体コア5を基板1に装備する前に、図6に示すように、基板1に対して垂直方向の端面がそれぞれ開口し、コイル4よりも一回り大きい円筒形状の軟磁性体のシールド6を、コイル4及びその内部に位置する磁気センサ3を取り囲むよう基板1上に装備する。そして、このシールド6も取り囲むよう、上述した磁性体コア5を設ける。
そして、さらに、図7に示すように、上述したように基板1に装備された全ての構成を、ケース7で取り囲んで、電流センサが構成される。なお、ケース7は、例えば、難燃性材料である。そして、ケース内部はゴム系、樹脂系のモールドで封止される。
次に、本実施形態における磁気センサ3の詳細な構成を、図12乃至図18を参照して説明する。まず、本実施形態における磁気センサ3は、基板1上に搭載されたGMRチップ31と、このGMRチップ31の上面に配置された磁性体32と、を有して構成されている。
具体的に、GMRチップ31は、図12に示すように、略直方体形状であり、基板1と接する底面とは反対側の上面に、4つのGMR素子R1,R2,R3,R4が形成された素子面を有している。これらGMR素子R1,R2,R3,R4は、図15に示すように接続され、ブリッジ回路を構成している。つまり、GMR素子R1,R3と、GMR素子R2,R4がそれぞれ直列に接続されており、当該直列接続されたGMR素子R1,R3とR2,R4とは、電源に対して並列に接続され、閉回路を構成している。これにより、GMR素子R1とR3の接続点Vaと、GMR素子R2とR4の接続点Vbと、の間における差動電圧を検出することが可能である。なお、ブリッジ回路は、予めGMRチップ31に、上述したように差動電圧が検出可能なよう形成されていることとする。
そして、本実施形態では、特に、図13に示すように、4つのGMR素子のうち、図15に示すブリッジ回路において相互に隣り合って接続されていない対となる2つのGMR素子R1,R4が、ほぼ同一箇所である素子形成部31aに形成されている。また、ブリッジ回路において相互に隣り合って接続されていない対となる他の2つのGMR素子R2,R3が、ほぼ同一箇所である素子形成部31bに形成されている。
ここで、図14には、素子形成部31aの拡大図を示すが、この図に示すように、2つのGMR素子R1,R4が同一箇所にミアンダ形状(ジグザグ)に形成されている。また、素子形成部31bにおけるGMR素子R2,R3も同様に、同一箇所にミアンダ形状に形成されている。また、全てのGMR素子R1,R2,R3,R4は、同一方向、つまり、矢印A方向に磁化固定されている。
そして、2つずつのGMR素子(R1とR4、R2とR3)が形成された各素子形成部31a,31bは、相互に離間して形成されている。例えば、図13に示すように、GMRチップ31の長辺方向つまりGMR素子の磁化固定方向における一端付近と中央付近に、各素子形成部31a,31bが形成されている。このとき、各素子形成部31a,31bは、その間に磁性体32が配置可能な領域を空けて形成されている。なお、磁性体32については後述する。
ここで、本発明にて用いられるGMR素子の特性について、図16を参照して説明する。GMR素子は、入力される磁界の向きに応じて出力される抵抗値が変化するスピンバルブ型のGMR素子(巨大磁気抵抗効果素子)である。そして、図16に、GMR素子に対する磁界Hの侵入角と、抵抗値との関係について示す。
図16(A)の例におけるGMRチップ31は、その上面にGMR素子が形成されている。このGMR素子は、矢印A方向の磁界を検出可能なよう当該矢印A方向に磁化固定されて、構成されていることとする。
そして、図16(A)において、GMR素子は、当該GMR素子の形成面に対して垂直に入射する磁界H中に配置されている。この場合に、GMR素子の抵抗値は、図16(B)に示すように、「Ro」となる。これに対し、磁界Hの向きが傾くと、図16(A)の点線にて示すように、GMR素子面に対する磁界Hの入射角が、垂直方向から−△θ(△(デルタ):変化量を表すこととして用いる)、あるいは、+△θの角度だけ傾く。すると、GMR素子は、上述したように一方向に磁化固定されているため、その方向において磁界の向きが変化することとなり、図16(B)に示すように、MR抵抗値が変化する。このように、GMR素子は、入射する磁界の向きが垂直な状態にて抵抗値をRoと設定したときに、当該磁界Hの向きが微小角度だけ傾いたときに特に抵抗値が大きく変化するという特性を有する。
ここで、図17は、上述したGMRチップ31を側方から見た図であり、当該GMRチップ31が磁界H中に配置されているときの様子を示す図である。なお、この図においては、磁性体32を配置していない。この図に示すように、GMR素子R1,R2,R3,R4の磁化固定方向Aに対して磁界Hが垂直である状態から、当該磁界Hの向きが変化した場合には、全てのGMR素子R1,R2,R3,R4に対してほぼ同一の角度だけ変化する。すると、全てのGMR素子R1,R2,R3,R4の抵抗値がほぼ同一の値だけ変化することとなる。ところが、この場合には、これらGMR素子R1,R2,R3,R4にて構成された図15に示すブリッジ回路においては、上述した接続点Va−Vb間の差動電圧を検出することが困難となる。
これに対して、本発明における磁気センサ3は、上述したGMRチップ31に形成されているブリッジ回路の周囲に、GMR素子R1,R2,R3,R4に入力される磁界Hの向きを変化させる磁性体32を配置している。具体的に、本実施形態における磁気センサ3は、上記GMRチップ31上に形成されたブリッジ回路の各素子形成部31a,31bの間に、磁性体32を載置している。なお、磁性体32は、例えば、ソフトフェライト(軟磁性体)である。このように、本実施形態では、特に、磁性体32とGMR素子R1,R2,R3,R4とが、当該GMR素子の磁化固定方向Aに沿って同一直線状に配置された状態となっている。なお、磁性体32の配置位置は、上記位置に限定されない。例えば、GMRチップ31に載置されず、当該GMRチップ31の上方に配置されていてもよい。また、必ずしも各素子形成部31a,31bの間に配置されていることに限定されない。
次に、上記構成の磁気センサ3の動作を、図18を参照して説明する。図18は、上述した図17の例と同様に、GMR素子R1,R2,R3,R4の素子面に対してほぼ垂直な磁界H中に磁気センサ3が配置されている場合を示している。すると、本実施形態においては、この図に示すように、磁性体32よりも上方から当該磁性体32の中心付近にかけては、磁界Hは磁性体32に対して引き寄せられ、また、磁性体32の中心付近から各素子形成部31a,31bが形成された下方においては、磁界Hは磁性体32から離れる方向に曲折される。
すると、磁性体32を挟んで位置する各素子形成部31a,31b(GMR素子(R1とR4、R2とR3))に対しては、それぞれ反対方向の磁界Hが入射することとなる。具体的には、図18の点線矢印Y1,Y2に示すように、素子形成部31aのGMR素子R1,R4に対しては、磁化固定方向Aと同一方向の向きに変化した磁界Hが入射し、素子形成部31bのGMR素子R2,R3に対しては、磁化固定方向Aとは反対方向の向きに変化した磁界Hが入射することとなる。なお、上記磁界HがGMR素子に入射され易くするため、GMRチップ31の底面、つまり、GMRチップ31と基板1との間に別の磁性体を配置してもよい。
以上のように各GMR素子に磁界が入射することにより、ブリッジ回路においては、GMR素子R1,R4の抵抗値と、GMR素子R2,R3の抵抗値と、がそれぞれ反対の符号に変化する。例えば、GMR素子R1,R4の抵抗値は+ΔRだけ変化し、GMR素子R2,R3の抵抗値は−ΔRだけ変化する。これにより、差動電圧の検出点であるVaとVbの差が大きくなり、大きな差動電圧値を検出することができる。なお、差動電圧を検出する回路は、例えば、図8を参照して説明した制御器10であり、基板1上に形成されている。このため、図12に示すように、GMRチップ31の素子面に形成された端子31cと基板1上に形成された端子33とを接続することで、基板1上の制御器10にて差動電圧を検出することができる。
そして、上記制御器10は、GMRチップ31のブリッジ回路から検出した作動電圧の値に応じて、発生した磁界を打ち消す逆方向の磁界をコイル4に発生させるよう当該コイル4に流す電流を制御する。そして、制御器10は、コイル4に流した電流値に基づいて、電流バー2に流れた電流値を検出し、外部に出力する。
以上のように、本実施形態の電流センサは、磁性体コア5の構造が容易であるため、低コストにて製造することができると共に、外部磁気ノイズの誤検出を抑制することができ、高精度である。
また、上記構成の磁気センサ3を用いることで、磁界の検出精度の向上を図ることができる。特に、本実施形態では、磁気センサ3を磁化固定方向が同一方向に向いて配置された複数のGMR素子(磁気抵抗効果素子)にて形成しているため、当該複数のGMR素子を接続したブリッジ回路を一チップ上に形成できることから、個々のGMR素子のばらつきを小さくすることができる。このためブリッジ回路におけるオフセット電圧を抑制して、磁界検出精度のさらなる向上を図ることができる。加えて、ブリッジ回路を構成するGMR素子を複数の分割されたチップ上に形成することなく、一チップ上に形成しているため、チップ全体の小型化を図ることができ、これによりチップの製造効率も向上し、センサの低コスト化を図ることもできる。
<実施形態2>
次に、本発明の第2の実施形態を、図19乃至図20を参照して説明する。図19は、本実施形態における電流センサの構成の概略を示し、図20は、磁界の様子を示す図である。
本実施形態における電流センサは、上述した実施形態1とは磁性体コア5の形状が異なる。具体的に、本実施形態における磁性体コア5は、図19に示すように、端面が環状であるが、基板1と対向する一対の壁部51,52の形状が、その中央部分で相互に離れるよう形成されている。つまり、長辺側の一対の壁部51,52を形成する各壁部51,52は、それぞれ中央で所定の角度に屈曲して山型に形成されており、当該屈曲により形成された各凹部箇所が、磁性体コア5自体の内部側を向いて、つまり、相互に対向して位置している。そして、各壁部の屈曲部分が中央に位置していることから、一対の壁部51,52の相互間の距離は、その中央部分で最も離れた状態となる。また、一対の壁部51,52の中央部分は、電流バー2の各直線部21,22間の中央に位置しており、磁気センサ3とコイル4との配置箇所でもある。
そして、上記形状の磁性体コア5を装備した電流センサの電流バー2に、図19に示すように電流バー2に電流が流れた場合を考える。すると、電流バー2の各直線部21,22周りに点線矢印に示すように磁界が発生し、この発生した磁界は、電流バー2の周囲に位置する磁性体コア5でさらに増強され、電流バー2の相互に平行に位置する各直線部21,22間の中央には、当該電流バー2によって形成される平面に対して垂直方向の磁界が発生し、磁性体コア5がない場合よりも増強された状態となる。なお、図20は、電流バー2に電流を流したときに発生する磁界の向きをシミュレーションにて示した図である。以上のように、磁性体コア5の中央には、増強された磁界が基板1に対して垂直方向に発生するため、電流バー2の各直線部21,22間の中央に配置された磁気センサ3にて磁界を検出することができる。
また、上記形状の磁性体コア5は、相互に対向する一対の壁部51,52は、電流バー2の各直線部21,22の間に位置する箇所、特に当該各直線部21,22間の中央箇所における相互間の距離が、当該直線部21,22が位置する箇所よりも開いている。従って、電流バー2の直線部21,22によって形成される平面に対して垂直方向の外部磁界が発生した場合であっても、磁気センサ3が位置する中央箇所ではその強度が減少するため、効果的に磁気遮蔽することができる。その結果、外部磁気ノイズを磁気センサ3にて誤検出してしまうことを抑制することができる。
なお、磁性体コア5の形状は、上述した形状に限定されない。例えば、磁性体コア5の一対の壁部51,52が、中央部分で膨らむよう曲線形状に曲折して形成されてもよい。いずれにしても、上述した実施形態1の場合も含め、磁性体コア5の一対の壁部51,52のうち、磁気センサ3が配置されている箇所における相互間の距離が、他の箇所に対して短くならないよう形成されているとよい。すると、磁気センサ3が位置する箇所では、磁性体コア5にて外部磁界を減少させ、当該外部磁界を効果的に遮蔽できると共に、電流バー2に電流が流れることによって生じる磁界は増強させることができる。
<実施形態3>
次に、本発明の第3の実施形態を、図21を参照して説明する。図21は、本実施形態における電流センサの構成を示し、特に、磁性体コアの他の構成を示している。
この図に示すように、本実施形態における磁性体コア5は、上記実施形態1におけるものと同様に、端面が長方形形状であり、筒状に形成されている。そして、本実施形態では、特に、基板1と平行であり、当該基板1に対面して位置する長辺側の一対の壁部51,52が、さらに広く形成されている。つまり、実施形態1における磁性体コア5は、筒状体の高さ方向(長さ)に位置する各壁部の幅が一定であったが、本実施形態における長辺側の一対の壁部51,52の幅は、当該長辺側の一対の壁部51,52を連結する短辺側の一対の壁部53,54の幅よりも広く形成されている。なお、図21では、基板1の表面側に位置する壁部51しか図示していないが、当該壁部51と同様に、基板1の裏面側に位置する壁部52も、短辺側の壁部53,54よりもその幅が広く形成されている。
以上のような形状に磁性体コア5を形成することで、磁気センサ3にて磁界を検出可能な方向である基板1に対して垂直な方向を広く覆うことができる。従って、磁気センサ3における外部磁界ノイズの影響をさらに軽減することができる。
<実施形態4>
次に、本発明の第4の実施形態を、図22を参照して説明する。図22は、本実施形態における電流センサの構成を示し、特に、シールドの他の構成の構成を示している。
この図に示すように、本実施形態におけるシールド6は、上述した実施形態1とは異なり、端面が矩形(ここでは正方形)の筒状体にて形成されている。そして、このシールド6の内部は、実施形態1と同様に、コイル4の外形よりも大きく形成されており、当該コイル4及びその内部に位置する磁気センサ3を取り囲むよう基板1上に装備可能である。
上記シールド6を用いることで、基板1と平行な方向における磁気センサ3に対する外部磁界を遮蔽することができる。なお、シールド6は、いかなる端面形状の筒状体であってもよい。
<実施形態5>
次に、本発明の第5の実施形態を、図23を参照して説明する。図23は、本実施形態における電流センサの構成を示し、特に、ケースの他の構成の構成を示している。なお、図23(A)は、ケースの分解図を示し、図23(B)は、組み立てたケースを装備した電流センサを示している。
図7に示すように、本実施形態における基板1及び磁気センサ3等を取り囲むケース7は、上述した実施形態1とは異なり、3層構造にて形成されている。具体的には、内側と外側に位置する難燃性材料の各層71,73の間に、軟鉄やパーマロイといった透磁率の高い金属材料の層72が位置して、3層構造にて形成されている。これにより、ケース7も外部磁界を遮蔽する機能を有し、電流センサのさらなる精度の向上を図ることができる。
<実施形態6>
本発明の第6の実施形態を、図24乃至図27を参照して説明する。なお、本実施形態では、上述した磁気センサ3の他の構成例を示す。
図24に示すように、本実施形態における磁気センサ3は、上述した実施形態1におけるGMRチップ31上に配置された磁性体32に加えて、さらに別の磁性体34,35(例えば、ソフトフェライト(軟磁性体))を2つ備えている。また、これに伴い、実施形態1とは異なり、GMRチップ31の両端に各素子形成部31a,31bが形成されている。従って、GMR素子にて形成されるブリッジ回路に接続された端子(図12の符号31cで示す端子)は、GMRチップ31の素子面の空いている領域に形成されている。
具体的に、本実施形態の磁気センサ3は、GMRチップ31の各素子形成部31a,31bのさらに外側に、それぞれ磁性体34,35が配置されている。換言すると、素子形成部31aに対して素子形成部31b側とは反対側に位置するGMRチップ31の端部と、素子形成部31bに対して素子形成部31a側とは反対側に位置するGMRチップ31の端部と、にそれぞれ磁性体34,35が配置されている。これにより、図24に示すように、各磁性体34,35は、上記各素子形成部31a,31bに形成されたGMR素子R1,R2,R3,R4の素子面の下方に配置された状態となっている。
次に、上記構成の磁気センサ3の動作を、図25を参照して説明する。図25は、上述した図18の例と同様に、GMR素子R1,R2,R3,R4の素子面に対してほぼ垂直な磁界H中に磁気センサ3が配置されている場合を示している。すると、磁性体32の中心付近から各素子形成部31a,31bが形成された下方においては、上述同様に、磁界Hは、磁性体32から離れる方向に曲折され、さらに、GMRチップ31の両端部に設けられた各磁性体34,35に引き寄せられる。従って、上述した実施形態1の場合と比較して、各素子形成部31a,31b(GMR素子(R1とR4、R2とR3))に対しては、それぞれ反対方向により大きな角度を有して磁界Hが入射することとなる。具体的には、図25の点線矢印Y1,Y2に示すように、素子形成部31aのGMR素子R1,R4に対しては、磁化固定方向Aと同一方向の向きに変化した磁界Hが入射し、素子形成部31bのGMR素子R2,R3に対しては、磁化固定方向Aとは反対方向の向きに変化した磁界Hが入射することとなる。
すると、ブリッジ回路においては、GMR素子R1,R4の抵抗値と、GMR素子R2,R3の抵抗値と、がそれぞれ反対の符号に変化する。これにより、差動電圧の検出点であるVaとVbの差が大きくなり、大きな差動電圧値を検出することができる。
なお、磁気センサ3は、図26に示すように、上述した図24に示す構成に対して、符号32に示す磁性体を備えず、符号34,35に示す磁性体(例えば、ソフトフェライト(軟磁性体))をGMRチップ31の両端側にそれぞれ備えた構成であってもよい。
このような構成であって、図27に示すように、各素子形成部31a,31bが形成された箇所においては、上述同様に、磁界Hの向きは、GMRチップ31の両端部に設けられた各磁性体34,35に引き寄せられよう変化する。従って、各素子形成部31a,31b(GMR素子(R1とR4、R2とR3))に対しては、それぞれ反対方向に角度を有して磁界Hが入射することとなる。つまり、図27の点線矢印Y1,Y2に示すように、素子形成部31aのGMR素子R1,R4に対しては、磁化固定方向Aと同一方向の向きに変化した磁界Hが入射し、素子形成部31bのGMR素子R2,R3に対しては、磁化固定方向Aとは反対方向の向きに変化した磁界Hが入射することとなる。
すると、ブリッジ回路においては、GMR素子R1,R4の抵抗値と、GMR素子R2,R3の抵抗値と、がそれぞれ反対の符号に変化する。これにより、差動電圧の検出点であるVaとVbの差が大きくなり、大きな差動電圧値を検出することができる。
<実施形態7>
次に、本発明の第7の実施形態を説明する。なお、本実施形態では、電流センサの概略を説明する。
本実施形態における電流センサは、
計測対象となる電流が相互に逆方向に流れるよう同一配線の一部が平行に配設された平行配設部を有する被電流計測配線と、
上記平行配設部に位置する平行な配線間に配置され、当該平行な配線によって形成される平面に対して垂直方向の磁界を検出する磁気検出手段と、
上記磁気検出手段にて検出した磁界に基づいて、上記被電流計測配線に流れた電流を検出する電流検出手段と、
上記平行配設部に位置する平行な配線に電流が流れることによって当該配線周りに生じる磁界を増強するよう上記平行配設部を囲う磁性体コアと、を備えている。
そして、上記磁性体コアは、上記平行な配線によって形成される平面を挟んで相互に対向する一対の壁部を有しており、上記一対の壁部のうち上記平行な配線間に位置する箇所の相互間の距離が、他の箇所と等しい、あるいは、他の箇所よりも開いて形成されている。さらに、上記磁性体コアの上記一対の壁部の間に、上記磁気検出手段を配置した、という構成を採る。
また、上記電流センサでは、上記磁性体コアは、上記一対の壁部のうち上記平行な配線間の中央箇所に位置する相互間の距離が、他の箇所に対して等しい、あるいは、他の箇所よりも開いて形成されている、という構成を採る。さらに、上記磁性体コアは、上記一対の壁部の各内面が、上記平行な配線によって形成される平面に対して平行かつ平坦に形成されている、と望ましい。
上記電流センサによると、まず、被電流計測配線に電流が流れると、平行配設部に位置する平行に配設された各配線に、相互に逆方向の電流が流れる。すると、被電流計測配線周りには磁界が生じ、特に、平行配線部に位置する平行な配線の間には、当該平行な配線によって形成される平面にほぼ垂直な磁界が発生する。そして、この発生した磁界は、磁性体コアによって増強され、平行な配線の間に配置された磁気検出手段にて検出することができる。
このとき、磁性体コアの一部である相互に対向する一対の壁部は、上記平行な配線間に位置する箇所、特に平行な配線間の中央箇所における相互間の距離が、他の箇所と等しい、あるいは、他の箇所よりも開いて形成されている。このため、一対の壁部の相互間の距離は、平行な配線の間、特に中央箇所では、他の箇所と比較して近く位置していない。従って、平行な配線によって形成される平面に対して垂直方向の外部磁界が磁性体コアの外部に生じた場合であっても、磁気検出手段が位置する一対の壁部間の空間部分を通過する外部磁界の強度を減少させることができ、当該磁気検出手段にて外部磁界を検出することを抑制することができる。その結果、磁性体コアの形状の簡素化による低コスト化を図ることができると共に、外部磁気ノイズの検出を抑制した高精度な電流センサを提供することができる。そして、特に、一対の壁部の内面を、平行配線部に位置する平行な配線によって形成される平面と平行かつ平坦に形成することで、相互間の距離が一定となるため、上述同様に、外部磁気ノイズの検出を抑制できると共に、磁性体コアの形状のさらなる簡素化を図ることができる。
また、上記電流センサでは、上記電流検出手段は、上記磁性体コア内に配置され、電流が流れることにより上記平行配設部に位置する平行な配線によって形成された平面に対して垂直方向の磁界を発生するコイルと、このコイルに流す電流を制御するコイル制御手段と、を備えている。そして、上記コイル制御手段は、上記磁気検出手段にて検出した磁界を打ち消すよう当該磁界とは逆方向の他の磁界を上記コイルから発生されるよう当該コイルに流れる電流を制御すると共に、当該コイルに流れる電流に基づいて上記被電流計測配線に流れた電流を検出する、という構成を採る。
これにより、コイルに流す電流の値は、被電流計測配線に流れる電流に比例した大きさとなるため、容易かつ高精度に電流を計測することができる。
また、上記電流センサでは、上記磁気検出手段が有する磁界を検出する素子が形成された面を、上記コイルの内部中央に配置した、という構成を採る。
これにより、コイルに電流を流すことで生じる磁界を磁気検出手段の素子面付近に発生させることができる。従って、被電流計測配線に流れる電流によって生じた磁界を磁気検出手段の素子面付近で打ち消す磁界をコイルにて発生させることができ、より高精度に電流を計測することができる。
また、上記電流センサでは、上記被電流計測配線と、上記磁気検出手段及び上記コイルとを、同一の基板の表裏面にそれぞれ搭載して絶縁した、という構成を採る。これにより、電流が流れる被電流計測配線とコイルとを、上述した機能を維持しつつ、確実に絶縁して配置することができる。
また、上記電流センサでは、上記磁性体コアは、環状に形成されており、上記被電流計測配線と上記磁気検出手段とを搭載する基板に、上記磁性体コアの上記一対の壁部を相互に連結する他の一対の壁部がそれぞれ挿入可能な各切り欠き部を設けた、という構成を採る。これにより、環状の磁性体コアの一対の板面部の間に被電流計測配線と磁気検出手段とが位置するよう、当該磁性体コアを容易に取り付けることが可能である。
また、上記電流センサでは、上記磁性体コアの一対の壁部の少なくとも一方の壁部の幅を、当該一対の壁部間を連結する他の壁部の幅よりも広く形成した、という構成を採る。これにより、磁気検出手段にて検出可能な磁界の方向側を広く磁性体コアで覆うことができ、当該磁気検出手段に対する外部磁界ノイズをさらに効果的に遮蔽することができる。
また、上記電流センサでは、上記磁性体コア内に、上記平行配設部に位置する平行な配線によって形成される平面に対して垂直方向に開口し、当該平面と平行な方向の外部磁界を遮蔽するシールドを備えた、という構成を採る。これにより、平行な配線によって形成される平面と平行な方向における外部磁界をより確実に遮蔽することができる。
また、上記電流センサでは、上記磁気検出手段は、入力される磁界の向きに応じて出力する抵抗値が変化する複数の磁気抵抗効果素子が接続され、所定の接続点間の差動電圧を検出可能なよう構成されたブリッジ回路を有すると共に、上記磁気抵抗効果素子は、当該磁気抵抗効果素子の磁化固定方向が全て同一方向を向いて配置されており、上記ブリッジ回路の周囲に、上記磁気抵抗効果素子に入力される磁界の向きを変化させる磁性体を配置して備えている。そして、上記電流検出手段は、上記ブリッジ回路から検出した作動電圧に基づいて上記被電流計測配線に流れる電流を検出する、という構成を採る。
また、上記電流センサでは、上記ブリッジ回路は、4つの上記磁気抵抗効果素子を備えると共に、当該ブリッジ回路にて相互に隣り合って接続されていない対となる2つの上記磁気抵抗効果素子をほぼ同一箇所に形成した素子形成部を、当該磁気抵抗効果素子の各対に対応して2箇所に形成し、当該2箇所の素子形成部の間に上記磁性体を配置した、という構成を採る。
そして、上記電流センサでは、上記磁性体を、上記磁気抵抗効果素子が形成されている面上に載置して設けた、という構成を採る。さらに、上記電流センサでは、上記磁性体は、軟磁性体である、という構成を採る。また、上記電流センサでは、上記磁気抵抗効果素子と上記磁性体とは、上記磁気抵抗効果素子の磁化固定方向に沿って同一直線上に配置されている、という構成を採る。
上記構成によると、まず、上記ブリッジ回路は、磁化固定方向が同一方向に向いて配置された複数の磁気抵抗効果素子にて形成されているため、一チップ上に形成でき、個々の抵抗値のばらつきを小さくすることができる。そして、ブリッジ回路の周囲に磁性体が配置されているため、同一の磁化固定方向を有するよう形成された磁気抵抗効果素子に対する磁気センサの周囲に存在する磁界の向きが、磁性体によって変化する。これにより、磁性体の配置に応じて、一方向の外部磁界を、磁気抵抗効果素子間で異なる方向に変化させることができる。例えば、ブリッジ回路にて相互に隣り合って接続されていない対となる2つの磁気抵抗効果素子をほぼ同一箇所に形成した素子形成部を2箇所に形成して、一方に対しては磁化固定方向に、他方に対してはその反対方向に、磁界が入射されるよう磁性体を配置する。これにより、ブリッジ回路から大きな差動電圧が出力されるため、一方向の磁界の検出精度の向上を図ることができ、被電流計測配線に流れる電流の計測精度の向上を図ることができる。
また、上述した電流センサは、本発明の他の形態である製造方法により製造することができる。本発明の他の形態である電流センサの製造方法は、
計測対象となる電流が相互に逆方向に流れるよう同一配線の一部が平行に配設された平行配設部を有する被電流計測配線に対して、上記平行配設部に位置する平行な配線間に、当該平行な配線によって形成される平面に対して垂直方向の磁界を検出する磁気検出手段を配置し、
上記磁気検出手段を、当該磁気検出手段にて検出した磁界に基づいて上記被電流計測配線に流れた電流を検出する電流検出手段に接続し、
上記平行配設部に位置する平行な配線に電流が流れることによって当該配線周りに生じる磁界を増強するよう上記平行配設部を囲うと共に、上記平行な配線によって形成される平面を挟んで相互に対向する一対の壁部を有し、当該一対の壁部のうち上記平行な配線間に位置する箇所の相互間の距離が、他の箇所と等しい、あるいは、他の箇所よりも開いて形成されている磁性体コアを装備し、
上記磁性体コアを装備する際に、当該磁性体コアの上記一対の壁部の間に、上記磁気検出手段を配置する、
という構成を採る。
また、上記電流センサの製造方法では、
上記磁性体コアを装備する前に、電流が流れることにより上記平行配設部に位置する平行な配線によって形成された平面に対して垂直方向の磁界を発生するコイルを配置し、
上記磁気検出手段にて検出した磁界を打ち消すよう当該磁界とは逆方向の他の磁界を上記コイルから発生されるよう当該コイルに流れる電流を制御すると共に、当該コイルに流れる電流に基づいて上記被電流計測配線に流れた電流を検出するコイル制御手段に、上記コイルを接続し、
上記磁性体コア内に上記コイルが配置されるよう当該磁性体コアを装備する、
という構成を採る。
本発明における電流センサは、種々の被電流計測機器に流れる電流を計測して、かかる計測結果を当該機器の電流制御に利用をすることができる。例えば、エレベータ、工作機械などに装備されたモータの制御、溶接機の電流制御、電気自動車などの電流制御、ビルの電流管理などに利用することができ、産業上の利用可能性を有する。
1 基板
2 電流バー
3 磁気センサ
4 コイル
5 磁性体コア
6 シールド
7 ケース
10 制御器
11,12 切り欠き部
21,22 直線部
23 連結配線部
31 GMRチップ
31a,31b 素子形成部
32,34,35 磁性体

Claims (13)

  1. 計測対象となる電流が相互に逆方向に流れるよう同一配線の一部が平行に配設された平行配設部を有する被電流計測配線と、
    前記平行配設部に位置する平行な配線間に配置され、当該平行な配線によって形成される平面に対して垂直方向の磁界を検出する磁気検出手段と、
    前記磁気検出手段にて検出した磁界に基づいて、前記被電流計測配線に流れた電流を検出する電流検出手段と、
    前記平行配設部に位置する平行な配線に電流が流れることによって当該配線周りに生じる磁界を増強するよう前記平行配設部を囲う磁性体コアと、を備え、
    前記磁性体コアは、前記平行な配線によって形成される平面を挟んで相互に対向する一対の壁部を有しており、前記一対の壁部のうち前記平行な配線間に位置する箇所の相互間の距離が、他の箇所と等しい、あるいは、他の箇所よりも開いて形成されており、
    前記磁性体コアの前記一対の壁部の間に、前記磁気検出手段を配置し、
    前記磁気検出手段は、入力される磁界の向きに応じて出力する抵抗値が変化する複数の磁気抵抗効果素子が接続され、所定の接続点間の差動電圧を検出可能なよう構成されたブリッジ回路を有し、前記磁気抵抗効果素子は、当該磁気抵抗効果素子の磁化固定方向が全て同一方向を向いて配置されると共に、当該磁気抵抗効果素子が形成されている形成面に対して垂直に入射する磁界中に配置され、
    前記ブリッジ回路は、4つの前記磁気抵抗効果素子を備えると共に、当該ブリッジ回路にて相互に隣り合って接続されていない対となる2つの前記磁気抵抗効果素子をほぼ同一箇所に形成した素子形成部を、当該磁気抵抗効果素子の各対に対応して2箇所に形成し、
    さらに、前記磁気検出手段は、前記2箇所の素子形成部の間であり、前記磁気抵抗効果素子が形成されている面上に、あるいは、前記磁気抵抗効果素子が形成されている面よりも上方に、前記磁気抵抗効果素子の形成面に入力される磁界の入射角が垂直方向から所定の角度だけ傾くよう当該磁界の向きを変化させる磁性体を1つのみ配置して備え、
    前記電流検出手段は、前記ブリッジ回路から検出した作動電圧に基づいて前記被電流計測配線に流れる電流を検出する、
    電流センサ。
  2. 請求項1に記載の電流センサであって、
    前記磁性体コアは、前記一対の壁部のうち前記平行な配線間の中央箇所に位置する相互間の距離が、他の箇所に対して等しい、あるいは、他の箇所よりも開いて形成されている、
    電流センサ。
  3. 請求項1又は2に記載の電流センサであって、
    前記磁性体コアは、前記一対の壁部の各内面が、前記平行な配線によって形成される平面に対して平行かつ平坦に形成されている、
    電流センサ。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の電流センサであって、
    前記電流検出手段は、前記磁性体コア内に配置され、電流が流れることにより前記平行配設部に位置する平行な配線によって形成された平面に対して垂直方向の磁界を発生するコイルと、このコイルに流す電流を制御するコイル制御手段と、を備え、
    前記コイル制御手段は、前記磁気検出手段にて検出した磁界を打ち消すよう当該磁界とは逆方向の他の磁界を前記コイルから発生されるよう当該コイルに流れる電流を制御すると共に、当該コイルに流れる電流に基づいて前記被電流計測配線に流れた電流を検出する、
    電流センサ。
  5. 請求項4に記載の電流センサであって、
    前記磁気検出手段が有する磁界を検出する素子が形成された面を、前記コイルの内部中央に配置した、
    電流センサ。
  6. 請求項4又は5に記載の電流センサであって、
    前記被電流計測配線と、前記磁気検出手段及び前記コイルとを、同一の基板の表裏面にそれぞれ搭載して絶縁した、
    電流センサ。
  7. 請求項1乃至6のいずれか一項に記載の電流センサであって、
    前記磁性体コアは、環状に形成されており、
    前記被電流計測配線と前記磁気検出手段とを搭載する基板に、前記磁性体コアの前記一対の壁部を相互に連結する他の一対の壁部がそれぞれ挿入可能な各切り欠き部を設けた、
    電流センサ。
  8. 請求項1乃至のいずれか一項に記載の電流センサであって、
    前記磁性体コア内に、前記平行配設部に位置する平行な配線によって形成される平面に対して垂直方向に開口し、当該平面と平行な方向の外部磁界を遮蔽するシールドを備えた、
    電流センサ。
  9. 請求項1乃至のいずれか一項に記載の電流センサであって、
    前記磁性体は、軟磁性体である、
    電流センサ。
  10. 請求項1乃至のいずれか一項に記載の電流センサであって、
    前記磁気抵抗効果素子と前記磁性体とは、前記磁気抵抗効果素子の磁化固定方向に沿って同一直線上に配置されている、
    電流センサ。
  11. 請求項1乃至10のいずれか一項に記載の前記電流センサを備えた、ことを特徴とする被電流計測機器。
  12. 計測対象となる電流が相互に逆方向に流れるよう同一配線の一部が平行に配設された平行配設部を有する被電流計測配線に対して、前記平行配設部に位置する平行な配線間に、当該平行な配線によって形成される平面に対して垂直方向の磁界を検出する磁気検出手段を配置し、
    前記磁気検出手段を、当該磁気検出手段にて検出した磁界に基づいて前記被電流計測配線に流れた電流を検出する電流検出手段に接続し、
    前記平行配設部に位置する平行な配線に電流が流れることによって当該配線周りに生じる磁界を増強するよう前記平行配設部を囲うと共に、前記平行な配線によって形成される平面を挟んで相互に対向する一対の壁部を有し、当該一対の壁部のうち前記平行な配線間に位置する箇所の相互間の距離が、他の箇所と等しい、あるいは、他の箇所よりも開いて形成されている磁性体コアを装備し、
    前記磁性体コアを装備する際に、当該磁性体コアの前記一対の壁部の間に、前記磁気検出手段を配置する、という工程を有し、
    前記磁気検出手段は、入力される磁界の向きに応じて出力する抵抗値が変化する複数の磁気抵抗効果素子が接続され、所定の接続点間の差動電圧を検出可能なよう構成されたブリッジ回路を有して構成されており、前記磁気抵抗効果素子は、当該磁気抵抗効果素子の磁化固定方向が全て同一方向を向いて配置されると共に、当該磁気抵抗効果素子が形成されている形成面に対して垂直に入射する磁界中に配置され、
    前記ブリッジ回路は、4つの前記磁気抵抗効果素子を備えると共に、当該ブリッジ回路にて相互に隣り合って接続されていない対となる2つの前記磁気抵抗効果素子をほぼ同一箇所に形成した素子形成部を、当該磁気抵抗効果素子の各対に対応して2箇所に形成して構成されており、
    さらに、前記磁気検出手段は、前記2箇所の素子形成部の間であり、前記磁気抵抗効果素子が形成されている面上に、あるいは、前記磁気抵抗効果素子が形成されている面よりも上方に、前記磁気抵抗効果素子の形成面に入力される磁界の入射角が垂直方向から所定の角度だけ傾くよう当該磁界の向きを変化させる磁性体を1つのみ配置して備えており、
    前記電流検出手段は、前記ブリッジ回路から検出した作動電圧に基づいて前記被電流計測配線に流れる電流を検出するよう構成される、
    電流センサの製造方法。
  13. 請求項12に記載の電流センサの製造方法であって、
    前記磁性体コアを装備する前に、電流が流れることにより前記平行配設部に位置する平行な配線によって形成された平面に対して垂直方向の磁界を発生するコイルを配置し、
    前記磁気検出手段にて検出した磁界を打ち消すよう当該磁界とは逆方向の他の磁界を前記コイルから発生されるよう当該コイルに流れる電流を制御すると共に、当該コイルに流れる電流に基づいて前記被電流計測配線に流れた電流を検出するコイル制御手段に、前記コイルを接続し、
    前記磁性体コア内に前記コイルが配置されるよう当該磁性体コアを装備する、
    電流センサの製造方法。
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