JP6208604B2 - 体脂肪低減剤 - Google Patents

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Description

本発明は、体脂肪低減剤及び当該体脂肪低減剤を添加することにより食品に体脂肪低減作用を付与する方法に関する。
現代社会では栄養摂取量が慢性的に多く、運動不足等で脂肪が蓄積される傾向にある。特に内臓脂肪は、高血圧や高血糖、高脂血症などのリスクを高める悪玉のアディポサイトカインを分泌する組織であることから、内臓脂肪を無理なく減らすことが必要である。今日まで、運動と共に摂取することで効果を発揮するカテキン類や脂肪の吸収を抑制するポリフェノール類等の報告がある。
ラクトフェリンは、分子量約8万の鉄結合性糖タンパク質である。ラクトフェリンは哺乳動物の乳中に含有されており、ヒトでは初乳中に最も多く含まれる。
ラクトフェリンは、脂肪の蓄積を抑制し、また蓄積した脂肪を分解することで内臓脂肪を低減することが知られている(特許文献1,2)。
茶抽出物は、体脂肪の燃焼の促進作用を有することが知られている(特許文献3)。
柑橘類果実抽出物は、抗肥満効果を有すること、脂肪分解活性を有することが知られている(特許文献4,5)。
黒大豆種皮抽出物は、内臓脂肪量抑制作用を有することが知られている(特許文献6)。
黒ウコンにはクルクミンやポリフェノールが含まれており、これらが抗ガン作用や活性酸素除去作用を有するため、動脈硬化等を抑制する効果があると言われている。また、アントシアニジンも豊富に含まれており、疲れ目、視力低下、眼精疲労等の低減に効果があることが報告されている。加えて、黒ウコンの抽出物が冷え性を改善することも報告されている(特許文献7)。
特許文献8,9には、ラクトフェリンと特定の植物抽出物とを含む組成物が脂肪分解促進作用を有することが記載されている。
特開2011−1333号公報 特開2011−1334号公報 特開2006−117687号公報 特開2006−321772号公報 特表2010−526043号公報 特許第4350885号公報 特開2011−236133号公報 国際公開第2012/099238号 特開2011−236133号公報
しかしながら、メタボリック症候群やその予備群の患者は年々多くなっており、近年では、愛玩動物等の患畜のメタボリック症候群も問題となってきており、脂肪量をより効果的に減少させるための剤についての社会的要望は、依然として存在している。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、体脂肪量を顕著に減少させることができる剤及びその使用方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題に鑑み、鋭意検討を重ねた結果、驚くべきことに、ラクトフェリン類とある特定の植物抽出物とを併用した際に、それらの成分を単独で用いたときよりも、内臓脂肪と皮下脂肪の両方を同時に効果的に減少させることができ、体脂肪(内臓脂肪及び皮下脂肪)を顕著に減少させることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、下記の〔1〕〜〔7〕を提供する。
〔1〕 (a)ラクトフェリン、アポラクトフェリン、ホロラクトフェリン、及び鉄ラクトフェリンからなる群から選ばれる少なくとも1種の成分と、(b)茶抽出物、柑橘類果実抽出物、黒大豆種皮抽出物、及び黒ウコン抽出物からなる群から選ばれる少なくとも1種の成分と、を含む体脂肪低減剤。
〔2〕 (b)成分が、茶抽出物及び柑橘類果実抽出物からなる群から選ばれる少なくとも1種の成分である、〔1〕記載の体脂肪低減剤。
〔3〕 内臓脂肪低減剤である、〔1〕又は〔2〕記載の体脂肪低減剤。
〔4〕 皮下脂肪低減剤である、〔1〕又は〔2〕記載の体脂肪低減剤。
〔5〕 (a)ラクトフェリン、アポラクトフェリン、ホロラクトフェリン、及び鉄ラクトフェリンからなる群から選ばれる少なくとも1種の成分と、(b)茶抽出物、柑橘類果実抽出物、黒大豆種皮抽出物、及び黒ウコン抽出物からなる群から選ばれる少なくとも1種の成分と、を含む体脂肪低減剤を、食品中に添加することを含む、食品に体脂肪低減作用を付与する方法。
〔6〕 ラクトフェリン、アポラクトフェリン、ホロラクトフェリン、及び鉄ラクトフェリンからなる群から選ばれる少なくとも1種の成分と、黒ウコン抽出物と、を含む体脂肪低減剤。
〔7〕 ラクトフェリン、アポラクトフェリン、ホロラクトフェリン、及び鉄ラクトフェリンからなる群から選ばれる少なくとも1種の成分と、黒ウコン抽出物と、を含む飲食品又は内服用組成物。
本発明によれば、ラクトフェリン類とある特定の抽出物とを組み合わせることにより、顕著に優れた作用を有する体脂肪低減剤を提供することができる。また、食品や医薬等の組成物に、本発明で特定された成分を含む剤を添加することにより、当該組成物に、体脂肪低減作用を付与することができる。さらに、ラクトフェリン類、茶抽出物、柑橘類果実抽出物、黒大豆種皮抽出物、及び黒ウコン抽出物は、食用に使用することができる成分として知られており、本発明の体脂肪低減剤は、副作用を発現する可能性が低い安全な体脂肪低減剤であると考えられる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本明細書において、「体脂肪」との用語は、内臓脂肪及び皮下脂肪を意味し、「体脂肪低減」との用語は、内臓脂肪量と皮下脂肪量の両方を低減させることを意味する。
本明細書において、「対象」、「患者」、「患畜」、「動物」との用語は、哺乳動物を意味し、例えば、ヒト、ウマ、ウシ、ヒツジ、ブタ、ヤギ、ロバ、イヌ、ネコ、モルモット、マウス、ハムスターが挙げられる。本発明の剤は、近年メタボリック症候群が問題となってきている愛玩動物であるイヌやネコに投与することも好ましいが、ヒトに投与するのが特に好ましい。
本発明の剤は、体脂肪低減作用、すなわち、内臓脂肪低減かつ皮下脂肪低減の両作用を有するので、体脂肪を低減することにより予防及び/又は治療しうる疾患、例えば、メタボリック症候群、肥満などの予防及び/又は治療や、脂肪蓄積の抑制に使用することが可能でありうる。また、疾患状態ではないが体脂肪の蓄積が気になる対象が、本発明の剤を服用してもよい。
(a)成分
本発明において用いられるラクトフェリンは、その由来や生成方法に特に制限はなく、ラクトフェリンであればいずれのラクトフェリンも用いることができる。例えば、本発明において用いられるラクトフェリンには、哺乳動物の乳由来のラクトフェリン、植物由来のラクトフェリン、人工的に製造されるラクトフェリンなどが挙げられる。また、市販のラクトフェリンを使用してもよい。
哺乳動物の乳由来のラクトフェリンにおいて、哺乳動物としては例えばヒト、ウマ、ウシ、ヒツジ、ヤギ等が挙げられる。哺乳動物の乳からラクトフェリンを生成する方法としては、例えば、哺乳動物の初乳、移行乳、常乳、末期乳等の乳、またはこれらの乳の処理物である脱脂乳、ホエー等から、常法(例えば、イオン交換クロマトグラフィー)により分離する方法等が挙げられる。
植物由来のラクトフェリンとしては例えば、植物(トマト、イネ、タバコなど)から生産されたラクトフェリンが挙げられる。
人工的に製造されるラクトフェリンとしては、遺伝子組み換え技術等の生物学的手法、化学合成等の化学的手法、などの人工的な方法により製造されるラクトフェリンが挙げられる。
また、ラクトフェリンは鉄を含有していてもよく、鉄の含有量も特に限定されない。すなわち本発明においてはラクトフェリンとして、アポラクトフェリン(鉄を含有していないラクトフェリン)、ホロラクトフェリン(ラクトフェリン1分子中に2分子の鉄を持つラクトフェリン)、および鉄ラクトフェリン(ラクトフェリン1分子中に3分子以上の鉄を持つラクトフェリン)のいずれも使用し得る(以下、これらのラクトフェリンも含め、「ラクトフェリン類」と称する。)。
ラクトフェリン類は1種単独で用いることができ、また2種以上を適宜組み合わせて用いてもよい。ラクトフェリン類のうち、入手の容易性やコストの点から、ウシの乳由来のラクトフェリン(ウシラクトフェリン)が特に好ましい。
対象に適用するラクトフェリン類の量は、投与されるべき動物の種類、体重、年齢、症状の重篤度などの条件に応じて、当業者が適宜設定することができる。例えば、ヒトに投与する場合、効能、コスト、安全性などの点から、適用するラクトフェリン類の量の例としては、5mg〜5000mg/日、好ましくは50mg〜1000mg/日、更に好ましくは、100mg〜500mg/日が挙げられる。
(b)成分
<茶抽出物>
本発明において用いられる茶抽出物としては、茶の抽出物であれば特に制限なく用いることができるが、Camellia属の抽出物が好ましく挙げられ、チャノキ(Camellia sinensis)の抽出物が特に好ましく挙げられる。茶の抽出方法は、従来から知られている抽出方法を用いればよい。茶抽出物としては、ポリフェノールを80%以上含むものが好ましく、更に、ポリフェノールとしてエピガロカテキンガレート(EGCg)を少なくとも約50%含むものが好ましい(この場合、ポリフェノール80%以上の一部として、EGCgが少なくとも約50%含まれ、ポリフェノール80%以上の残部が、ECGg以外のポリフェノールを含むことになる。)。高ポリフェノール含有量のこのような茶抽出物を得る方法としては、例えば、チャノキ(Camellia sinensis)の葉を熱水にて抽出し、精製処理した後、乾燥粉末化することによって得ることができる。そのような抽出物の市販品としては、例えば、サンフェノン(登録商標)90S(太陽化学株式会社製)が挙げられる。
<柑橘類果実抽出物>
本発明において用いられる柑橘類果実抽出物は、柑橘類果実の抽出物であれば特に制限なく用いることができるが、Citrus属及び/又はPaulinia属の果実の抽出物が好ましく挙げられる。なかでも、ブラッドオレンジ(Citrus sinensis)、グレープフルーツ(Citrus paradisi)、オレンジ(Citrus auntium)、ガラナ(Paullinia cupana)から選ばれる少なくとも1種の全果実(果汁、果皮)の抽出物が好ましく、これらすべての全果実(果汁、果皮)の抽出物の混合物が特に好ましい。柑橘類果実の抽出方法は、従来から知られている抽出方法を用いればよい。柑橘類果実抽出物としては、総ポリフェノール90%以上、フラバノン類20%以上、カフェイン1〜4%を含有するものが好ましい。そのような柑橘類果実抽出物を得る方法としては、例えば、特表2010−526043号公報に記載の方法を用いることができる。簡潔にその方法を記載すると、果実を圧搾して果汁を得て、圧搾で得られた果汁を溶媒で分配し、これを濃縮し、圧搾後に残った副産物(主として皮と種)から抽出物を得てこれを濃縮し、得られた2つの濃縮物を混合し、粉末化することによって得ることができる。そのような抽出物の市販品としては、例えば、Sinetrol(登録商標)X−Pur(セティ株式会社製)が挙げられる。
<黒大豆種皮抽出物>
本発明において用いられる黒大豆種皮抽出物は、黒大豆種皮の抽出物であれば特に制限なく用いることができるが、光黒の種皮抽出物が好ましく挙げられる。黒大豆種皮抽出物としては、ポリフェノール50%以上を含有し、低分子(2〜4量体)プロアントシアニジンの含有量が高いものが特に好ましい。黒大豆種皮の抽出方法は、従来から知られている抽出方法を用いればよいが、上述したような高ポリフェノール量及び高プロアントシアニジン量の抽出物を得る方法としては、例えば、特許第4350885号公報に記載の方法を用いることができる。簡潔にその方法を記載すると、リン酸を含有する溶媒で、黒大豆の種皮を抽出し、抽出物を樹脂カラムに通し、得られたフラクションを乾燥することによって得ることができる。そのような抽出物の市販品としては、例えば、クロノケア(登録商標)SP−60(フジッコ株式会社製)が挙げられる。
<黒ウコン抽出物>
本発明において用いられる黒ウコン抽出物は、黒ウコン(Kaemferia parviflora)の抽出物であれば特に制限なく用いることができる。黒ウコンの抽出方法は、従来から知られている抽出方法を用いればよい。黒ウコン抽出物としては、ポリメトキシフラボノイドを15%以上含有する抽出物が特に好ましい。そのような抽出物の市販品としては、例えば、サートマックス(登録商標)(株式会社常盤植物化学研究所製)が挙げられる。
対象に適用する(b)成分の配合量は、投与されるべき動物の種類、体重、年齢、症状の重篤度などの条件に応じて、当業者が適宜設定することができる。例えば、ヒトに投与する場合、効能、コスト、安全性などの点から、適用する(b)の例としては、(b)成分全体の合計量で、0.01mg〜50g/日、好ましくは0.1mg〜10g/日、更に好ましくは、1mg〜1000mg/日が挙げられる。
体脂肪低減作用の大きさやコスト等の観点からみて、本発明において使用する(a)成分であるラクトフェリン類と(b)成分全体との質量比は、固形分換算で、通常、500,000:1〜1:10,000であり、好ましくは、10,000:1〜1:200であり、更に好ましくは、500:1〜1:10である。
本発明の剤は、本発明所望の効果を得られる限り、対象への適用経路は特に限定されない。例えば、経口(例えば、口腔内、舌下など)、非経口(静注、筋肉内、皮下、経皮、経鼻、経肺など)などの経路が挙げられる。これらの中でも侵襲性の少ない経路が好ましく、経口がより好ましい。
本発明の剤は、慣用の任意の補助成分、賦形剤、希釈剤、緩衝剤、着香剤、着色剤、矯味剤、甘味剤、結合剤、界面活性剤、増粘剤、滑択剤、懸濁剤、防腐剤、酸化防止剤、研磨剤、湿潤剤、粘結剤、pH調整剤、光沢剤、薬用成分、溶剤、賦形剤などの1種以上を含有せしめてもよい。任意の補助成分は、剤型に応じて適宜選択しうる。本発明の剤に配合可能な成分はこれらに制限されるものではない。
経口適用の場合の剤型としては、例えば、小型錠剤、錠剤、散剤、顆粒剤、サシェ、マイクロカプセル剤、カプセル剤、グミ剤等の固体態様;水溶液、懸濁液、シロップ、エマルジョン等の液体態様;半液体状、クリーム状、ペースト状、ゲル状等の態様が挙げられる。また、例えば、小型錠剤、散剤、顆粒剤、マイクロカプセル剤、液体、或いは半液体状、クリーム状、ペースト状又はゲル状等の態様をカプセルやシームレスカプセル中に封入したような丸剤の形態も取りうる。
非経口適用の場合の剤型としては、例えば、例えば、水溶液、エキス、懸濁液、エマルジョン等の液体などの静脈内注射剤、筋肉内注射剤又は皮下注射剤;水溶液、懸濁液、エマルジョン等の液体などの経皮投与剤;水溶液、懸濁液、エマルジョン等の液体の経鼻投与剤又は経肺投与剤などの態様が挙げられる。
本発明の剤は、そのまま投与してもよい。また、飲食物(特に、機能性食品)、内服用組成物、医薬組成物に、体脂肪低減作用を付与するために添加してもよい。
本発明の剤を、体脂肪低減作用を付与するために添加しうる飲食物又は組成物には、特に制限はなく、例えば、飲料(清涼飲料、炭酸飲料、栄養飲料、粉末飲料、果実飲料、乳飲料、ゼリー飲料等)、菓子類(クッキー、ケーキ、ガム、キャンディー、タブレット、グミ、饅頭、羊羹、プリン、ゼリー、アイスクリーム、シャーベット等)、水産加工品(かまぼこ、ちくわ、はんぺん等)、畜産加工品(ハンバーグ、ハム、ソーセージ、ウィンナー、チーズ、バター、ヨーグルト、生クリーム、マーガリン、発酵乳等)、スープ(粉末状スープ、液状スープ等)、主食類(ご飯類、麺(乾麺、生麺)、パン、シリアル等)、調味料(マヨネーズ、ショートニング、ドレッシング、ソース、たれ、しょうゆ等)などが挙げられる。
以下に、実施例を用いて、本発明をより詳細に説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
比較例及び実施例
[方法]
実験動物としては、5週齢のKKAy雄マウス(日本クレア)を用いた。個別ケージにて、温度22℃、湿度50%、照明時間7:00〜19:00の条件下で飼育した。搬入後はCE−2固形飼料と水道水を自由摂取させ、4日間の馴化後に、体重とその増加率が均一になるように群分けした。評価期間中は、飼料をAIN93G粉飼料(Research Diets)に変更し、下記に記載される成分を、混餌投与した。成分投与群には、各成分を単独で、又はラクトフェリンと組み合せて含む組成物を、成分非添加のコントロール群(AIN93G粉飼料投与群)と摂取量が同じになるように、30日間ペアフィーディングさせた。
試験開始30日後に、マウスの体重を測定し、イソフルランによる麻酔下にて解剖を実施した。内臓脂肪としては、精巣上体周囲脂肪、腸間膜脂肪、腎周囲脂肪、後腹膜脂肪を摘出し、そして、皮下脂肪としては、鼠径部脂肪を摘出し、摘出物の重量を測定した。
なお、本実験では、体脂肪を内臓脂肪と皮下脂肪の総和と定義して、上記の代表的な内臓脂肪4種類と皮下脂肪1種類を摘出し、コントロールと比較した脂肪減少値の算出に用いた。
[試験に用いた抽出物]
茶抽出物:サンフェノン(登録商標)90S(太陽化学株式会社製)
柑橘類果実抽出物:Sinetrol(登録商標)X−Pur(セティ株式会社製)
黒大豆種皮抽出物:クロノケア(登録商標)SP−60(フジッコ株式会社製)
黒ウコン抽出物:サートマックス(登録商標)(株式会社常盤植物化学研究所製)
葛の花エキス:株式会社東洋新薬製
[群構成]
表1,2に、各実験群に投与した成分の組成を示した。カラム内の数字は基本餌AIN93Gに対する各成分の混合量(質量パーセント濃度)を示す。単独成分添加時の評価では、各成分とも添加量を2%とし、成分の併用時の評価では、ラクトフェリン0.5%に各成分を1%加えたもの(合計1.5%)を評価に供した。各群N=8。
[結果]
表1に、比較例として各成分単独投与群での評価結果を示す。
表2に、実施例としてラクトフェリンとその他の上述した(B)成分とを組み合わせて投与した併用投与群の評価結果を示す。
カラム内の数値は、コントロール群に対する各群の内臓脂肪重量の平均値及び皮下脂肪重量の平均値の減少率(%)を示す。
表2の結果は、ラクトフェリン0.5%及び各(B)成分1%を併用投与した際の結果であり、ラクトフェリンと(B)成分の合計量は、1.5%である。
表1,2の試験結果から、ラクトフェリン又は各(B)成分を単独で2%(併用投与群の1.5%よりも多い量)投与した場合よりも、ラクトフェリンに加えて、茶抽出物、柑橘類果実抽出物、黒大豆種皮抽出物、黒ウコン抽出物を併用した場合の方が、内臓脂肪及び皮下脂肪(すなわち、体脂肪)の減少率が、顕著に高い結果が得られており、ラクトフェリンと各(B)成分の優れた相乗効果が確認された。
また、茶抽出物、柑橘類果実抽出物とラクトフェリンとの併用時には、内臓脂肪の低減について、特に優れた効果が確認された。
表1の比較例7に示されるように、葛の花エキス単独では体脂肪(内臓脂肪及び皮下脂肪)減少効果があるが、表2の比較例8に示されるように、葛の花エキスをラクトフェリンと併用すると、ラクトフェリンを併用することにより、葛の花エキス単独に比べて、体脂肪減少効果について、相加乃至相乗効果はみられなかった。したがって、本発明の併用による体脂肪減少効果の上昇には、組み合わせの特異性が認められることが分かった。
Figure 0006208604
Figure 0006208604

Claims (8)

  1. (a)ラクトフェリン、アポラクトフェリン、ホロラクトフェリン、及び鉄ラクトフェリンからなる群から選ばれる少なくとも1種の成分と、(b)茶抽出物、柑橘類果実抽出物、及び黒大豆種皮抽出物からなる群から選ばれる少なくとも1種の成分と、を含み、
    柑橘類果実抽出物が、ブラッドオレンジ、グレープフルーツ、オレンジ及びガラナからなる群から選ばれる少なくとも1種の全果実の抽出物である体脂肪低減剤。
  2. (b)成分が、茶抽出物及び柑橘類果実抽出物からなる群から選ばれる少なくとも1種の成分である、請求項1記載の体脂肪低減剤。
  3. 内臓脂肪低減剤である、請求項1又は2記載の体脂肪低減剤。
  4. 皮下脂肪低減剤である、請求項1又は2記載の体脂肪低減剤。
  5. (a)ラクトフェリン、アポラクトフェリン、ホロラクトフェリン、及び鉄ラクトフェリンからなる群から選ばれる少なくとも1種の成分と、(b)茶抽出物、柑橘類果実抽出物、及び黒大豆種皮抽出物からなる群から選ばれる少なくとも1種の成分と、を含み、柑橘類果実抽出物が、ブラッドオレンジ、グレープフルーツ、オレンジ及びガラナからなる群から選ばれる少なくとも1種の全果実の抽出物である体脂肪低減剤を、食品中に添加することを含む、食品に体脂肪低減作用を付与する方法。
  6. (a)ラクトフェリン、アポラクトフェリン、ホロラクトフェリン、及び鉄ラクトフェリンからなる群から選ばれる少なくとも1種の成分と、(b)茶抽出物、柑橘類果実抽出物、及び黒大豆種皮抽出物からなる群から選ばれる少なくとも1種の成分と、を含み、
    柑橘類果実抽出物が、ブラッドオレンジ、グレープフルーツ、オレンジ及びガラナからなる群から選ばれる少なくとも1種の全果実の抽出物である体脂肪低減用飲食品組成物
  7. 内臓脂肪低減用飲食品組成物である請求項6に記載の体脂肪低減用飲食品組成物。
  8. 皮下脂肪低減用飲食品組成物である請求項6に記載の体脂肪低減用飲食品組成物。
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