JP2021169430A - 筋繊維維持用組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】テアフラビン類化合物を利用して、筋肉を構成する筋繊維を維持する作用効果に優れた組成物を提供する。【解決手段】テアフラビン類化合物を有効成分として含有する筋繊維維持用組成物である。また、筋繊維維持用組成物の製造のためのテアフラビン類化合物の使用である。この筋繊維維持用組成物は、廃用性筋萎縮又は加齢性筋萎縮の抑制のために好適に用いられる。また、ヒトだけでなくペットや畜産等の動物に好適に用いられる。【選択図】なし

Description

本発明は、テアフラビン類化合物を有効成分として含有する筋繊維維持用組成物に関する。
筋肉は、筋肉タンパク質の合成と分解の速度のバランスによって動的に恒常性が調節される組織であると考えられている。例えば、座りがちな生活習慣や床上安静などによる筋肉の不使用は、廃用性筋萎縮を引き起こす。また、老化によっても筋肉の生理組織の恒常性が損なわれて加齢性筋委縮を引き起こす。こうした筋肉の機能低下は、運動や行動の不足や精神的ストレスにもつながり、更なる別の身体機能に支障をきたすといった負の連鎖により、臨床的に顕著な疾患に発展してしまうこともある。近年の高齢化社会においては、生活の質を向上し、健康寿命を延ばすためにも、筋肉の機能低下を防ぐことは重要である。
このような課題に関連して、例えば、特許文献1には、大豆、その抽出物又はその分画、及びその粉砕物から選択される一以上と、赤ピーマン、その抽出物又はその分画、その搾汁、及びその粉砕物並びにそれらの加工物から選択される一以上とを含有する、筋萎縮抑制剤の発明が開示されている。
一方、紅茶やウーロン茶に含まれる赤色色素のテアフラビン類化合物は、茶葉の発酵過程で生成する赤色を呈するポリフェノールである。茶葉中に含まれるカテキン類化合物が、ポリフェノールオキシダーゼ活性やペルオキシダーゼ活性などを有する酵素による酸化を受けて生成する。テアフラビン類化合物には、さまざまな医薬的、保健的機能性があることが知られている。具体的には、抗酸化、抗菌、抗ウイルス、血糖上昇抑制、体脂肪蓄積抑制、口腔内細菌の増殖抑制などについて報告がある。
特開2019−94308号公報
しかしながら、テアフラビン類化合物に、筋肉を構成する筋繊維に対する優れた作用効果があることは知られていなかった。
よって、本発明の目的は、テアフラビン類化合物を利用して、筋肉を構成する筋繊維を維持する作用効果に優れた組成物を提供することにある。
本発明は、以下の構成を備えた組成物に関するものである。
[1]テアフラビン類化合物を有効成分として含有する筋繊維維持用組成物。
[2]筋タンパク質分解を抑制する、前記[1]記載の筋繊維維持用組成物。
[3]筋タンパク質合成を促進する、前記[1]記載の筋繊維維持用組成物。
[4]廃用性筋萎縮又は加齢性筋萎縮の抑制に用いる、前記[1]〜[3]のいずれか1項に記載の筋繊維維持用組成物。
[5]筋繊維維持用組成物の製造のためのテアフラビン類化合物の使用。
[6]前記筋繊維維持用組成物は、筋タンパク質分解を抑制するためのものである、前記[5]記載の使用。
[7]前記筋萎縮抑制用組成物は、筋タンパク質合成を促進するためのものである、前記[5]記載の使用。
[8]前記筋繊維維持用組成物は、廃用性筋萎縮又は加齢性筋萎縮の抑制に用いるものである、前記[5]〜[7]のいずれか1項に記載の使用。
本発明によれば、テアフラビン類化合物を有効成分として用いるので、筋肉を構成する筋繊維を維持する作用効果に優れている。特に、例えば、廃用性筋萎縮又は加齢性筋萎縮の抑制のために好適に用いられる。また、ヒトだけでなくペットや畜産等の動物に好適に用いられる。
試験例1においてヒラメ筋について組織学的分析を行った結果を示す図表であり、図1(a)にはHE染色組織切片の顕微鏡による観察画像の一例を示し、図1(b)には筋繊維の筋束ごとの断面積の平均値と標準偏差を表すグラフを示し(各群n=6)、図1(c)には筋線維の筋束サイズの断面積100μmごとの頻度分布を示す。また、図1(b)のグラフ中には、群間の有意差を、一元配置分散分析とそれに続くDunnett検定により統計分析し、「♯:p<0.1」又は「*:p<0.05」で表した。 試験例1において長趾伸筋について組織学的分析を行った結果を示す図表であり、図2(a)にはHE染色組織切片の顕微鏡による観察画像の一例を示し、図2(b)には筋繊維の筋束ごとの断面積の平均値と標準偏差を表すグラフを示し(各群n=6)、図2(c)には筋線維の筋束サイズの断面積300μmごとの頻度分布を示す。また、図2(b)のグラフ中には、群間の有意差を、一元配置分散分析とそれに続くDunnett検定により統計分析し、「♯:p<0.1」又は「*:p<0.05」又は「**:p<0.01」又は「***:p<0.001」で表した。 試験例2においてヒラメ筋についてウエスタンブロット分析を行った結果を示す図表であり、図3(a)にはバンド強度の定量値をphospho-Akt/Akt比、phospho-4EBP1/4EBP1比、FoxO3a/phospho-FoxO3a比、LC3B/α-tubulin比、又はUbiquitinのそのもの値で表し、更に、それらを対照溶媒投与/接地群(Ground-Vehicle群)の定量値の平均値を1として規格化して、各群の平均値と標準偏差で表したグラフを示し(各群n=6)、図3(b)にはウエスタンブロットの化学発光バンド画像の一例を示す。また、図3(a)のグラフ中には、群間の有意差を、一元配置分散分析とそれに続くDunnett検定により統計分析し、「♯:p<0.1」又は「*:p<0.05」で表した。 試験例2において長趾伸筋についてウエスタンブロット分析を行った結果を示す図表であり、図4(a)にはバンド強度の定量値をphospho-Akt/Akt比、phospho-4EBP1/4EBP1比、FoxO3a/phospho-FoxO3a比、LC3B/α-tubulin比、又はUbiquitinのそのもの値で表し、更に、それらを対照溶媒投与/接地群(Ground-Vehicle群)の定量値の平均値を1として規格化して、各群の平均値と標準偏差で表したグラフを示し(各群n=6)、図4(b)にはウエスタンブロットの化学発光バンド画像の一例を示す。また、図4(a)のグラフ中には、群間の有意差を、一元配置分散分析とそれに続くDunnett検定により統計分析し、「♯:p<0.1」又は「*:p<0.05」で表した。 試験例3においてヒラメ筋についてqRT−PCR分析を行った結果を示す図表であり、PCR定量値をMuRF1/MyoD比、又はMuRF1/PGC-1a比で表し、更に、それらを対照溶媒投与/接地群(Ground-Vehicle群)の定量値の平均値を1として規格化して、各群の平均値と標準偏差で表したグラフを示し(各群n=6)、グラフ中には、群間の有意差を、一元配置分散分析とそれに続くDunnett検定により統計分析し、「*:p<0.05」で表した。 試験例3において腓腹筋についてqRT−PCR分析を行った結果を示す図表であり、PCR定量値をMuRF1/MyoD比、又はMuRF1/PGC-1a比で表し、更に、それらを対照溶媒投与/接地群(Ground-Vehicle群)の定量値の平均値を1として規格化して、各群の平均値と標準偏差で表したグラフを示す(各群n=6)。
本発明においては、筋繊維維持用組成物の有効成分として、テアフラビン類化合物を用いる。テアフラビン類化合物は、茶葉を紅茶に加工する発酵の過程で生成する、赤色を呈するポリフェノールとして知られている。茶葉中では、茶葉中に含まれる酵素のポリフェノールオキシダーゼ活性やペルオキシダーゼ活性などによって、カテキン類が酸化を受けて生成する。テアフラビン類化合物としては、テアフラビン、テアフラビン−3−O−ガレート、テアフラビン−3'−O−ガレート、テアフラビン−3,3'−O−ジガレートなどが挙げられる。
テアフラビン類化合物は、化学合成品を用いてもよく、茶等の天然物に由来するものを用いてもよい。例えば、化学合成品としては、エピカテキン、エピガロカテキン、エピカテキン−3−ガレート、エピガロカテキン−3−ガレートなどのカテキン類を原料にして、それをフェリシアン化カリウムで酸化して合成された化学合成品などが挙げられる。また、茶等の天然物に由来するものとしては、テアフラビン類化合物を含有する茶抽出物などが挙げられる。なお、テアフラビン類化合物は、従来、茶抽出物に含まれる成分として十分な食経験があり、また、通常の茶抽出物であれば食品添加物として利用しても問題がない。
以下、テアフラビン類化合物を含有する茶由来組成物の例を挙げる。
(紅茶抽出物)
紅茶発酵の過程を経た茶葉(強発酵茶)を、水、含水アルコール等の溶媒により、加熱もしくは常温条件で、数分から数時間撹拌することにより抽出し、紅茶抽出物を得ることができる。この紅茶抽出物は、精製、濃縮、粉末化などの加工度が進んだものであってもよい。このような紅茶抽出物において、テアフラビン類化合物の含量を高めるためには、例えば、紅茶発酵の過程で発酵時間を延長する方法の他、エピカテキン、エピガロカテキン、エピカテキン−3−ガレート、エピガロカテキン−3−ガレートなどのカテキン類を紅茶抽出物に追加で投入したり、ポリフェノールオキシダーゼ活性及び/又はペルオキシダーゼ活性を有する酵素を添加したり、あるいはその両方を行ったりして、加熱もしくは常温条件で、数分から数時間反応させる方法が挙げられる。ポリフェノールオキシダーゼ活性及び/又はペルオキシダーゼ活性を有する酵素としては、リンゴ、バナナなど果実に由来するものや、該酵素を含む茶葉抽出物、該酵素を含む茶葉粉砕物、該酵素を含む植物細胞培養液などを利用することができる。また、上記カテキン類としては、茶由来カテキン製剤やカテキンを高濃度に含む茶抽出物など茶由来のものの他、カカオ等のその他の植物由来のカテキン製剤やカテキンを高濃度に含む抽出物を利用してもよい。
(茶抽出成分の酵素処理物)
水等の溶媒に溶解し又は溶解された茶抽出成分に、ポリフェノールオキシダーゼ活性及び/又はペルオキシダーゼ活性を有する酵素を添加して、加熱もしくは常温条件で、数分から数時間反応させる。これにより、茶抽出成分に含まれるカテキン類からテアフラビン類化合物が生成する。ポリフェノールオキシダーゼ活性及び/又はペルオキシダーゼ活性を有する酵素としては、リンゴ、バナナなど果実に由来するものや、該酵素を含む茶葉抽出物、該酵素を含む茶葉粉砕物、該酵素を含む植物細胞培養液などを利用することができ
る。このようにして得られた茶抽出成分の酵素処理物は、精製、濃縮、粉末化などの加工度が進んだものであってもよい。
(茶葉発酵抽出物)
茶葉を粉砕してスラリー状に調製し、必要に応じて水等の溶媒を添加して、加熱もしくは常温条件で、数分から数時間発酵させる。これにより、茶葉に含まれるカテキン類から、茶葉に含まれるポリフェノールオキシダーゼ活性及び/又はペルオキシダーゼ活性を有する酵素の作用により、テアフラビン類化合物が生成する。発酵後は、必要に応じて、固液分離したり、更に水、含水アルコール等の溶媒により、加熱もしくは常温条件で、数分から数時間撹拌することにより抽出したりしてもよい。このようにして得られた茶葉発酵抽出物は、精製、濃縮、粉末化などの加工度が進んだものであってもよい。
(カテキン類の酵素処理物)
エピカテキン、エピガロカテキン、エピカテキン−3−ガレート、エピガロカテキン−3−ガレートなどのカテキン類を原料にして、水等の溶媒中で、ポリフェノールオキシダーゼ活性及び/又はペルオキシダーゼ活性を有する酵素を添加して、加熱もしくは常温条件で、数分から数時間反応させる。これにより、エピカテキン、エピガロカテキン、エピカテキン−3−ガレート、エピガロカテキン−3−ガレートなどのカテキン類からテアフラビン類化合物が生成する。ポリフェノールオキシダーゼ活性及び/又はペルオキシダーゼ活性を有する酵素としては、リンゴ、バナナなど果実に由来するものや、該酵素を含む茶葉抽出物、該酵素を含む茶葉粉砕物、該酵素を含む植物細胞培養液などを利用することができる。また、上記カテキン類としては、茶由来カテキン製剤やカテキンを高濃度に含む茶抽出物など茶由来のものの他、カカオ等のその他の植物由来のカテキン製剤やカテキンを高濃度に含む抽出物を利用してもよい。このようにして得られたカテキン類の酵素処理物は、精製、濃縮、粉末化などの加工度が進んだものであってもよい。
なお、本明細書において「茶由来組成物」とは、上記に例示の調製法以外でも、茶を原料にしてその成分として、あるいはその成分であるカテキン類から生成させた、茶由来のテアフラビン類化合物を含むものであればよく、その全般を包含する意味である。
上記茶由来組成物の原料となる茶としては、ツバキ科の多年性植物である茶の樹から得られるものであればよく、特に制限はない。一般に栽培されている茶品種としては、例えば、あさつゆ、おおいわせ、おくひかり、おくみどり、かなやみどり、こまかげ、さみどり、はつもみじ、やまとみどり、まきのはらわせ、みねかおり、めいりょく、やぶきた、やまなみ等の緑茶品種、烏龍、色種、水仙、鉄観音等のウーロン茶品種、からべに、ひめみどり、べにひかり、べにふうき、べにふじ、べにほまれ等の紅茶品種などが挙げられる。茶葉の採取時期は、1番茶、2番茶、3番茶などのいずれでもよく、また、その栽培国・地域に特に制限はない。
(精製処理)
上記のようにして得られた茶由来組成物は、更にそのテアフラビン類化合物の固形あたりの濃度を高める処理を施してもよい。その手法としては、通常当業者に周知の手法を採用し得るが、例えば逆相系シリカゲルを用いた精製処理方法が挙げられる。より具体的には、例えば、上記のようにして得られた茶由来組成物をメタノールやエタノール、アセトニトリルなどの有機溶媒を低濃度に含む水溶液に溶解し、カラム充填した逆相系シリカゲルにロードして、カラムに保持された茶由来組成物に対し、充填時より有機溶媒濃度を向上させた水溶液を通液させることにより、テアフラビン類化合物より高極性成分であるカテキン類化合物を選択的に溶出させる。カテキン類化合物を分離したのちに、更に有機溶媒濃度を向上させた水溶液を通液し、テアフラビン類化合物を選択的に溶出させることでテアフラビン類化合物の固形分当たりの濃度を高めることができる。
本発明の筋繊維維持用組成物は、テアフラビン類化合物を、固形分当たり10〜100質量%含有することが好ましく、25〜100質量%含有することがより好ましく、40〜100質量%含有することが最も好ましい。テアフラビン類化合物の含有量が、固形分当たり10質量%未満では、通常の投与量では筋肉繊維維持の作用効果を得にくい傾向となる場合がある。なお、本明細書においてテアフラビン類化合物の含有量(あるいは量)という場合には、特に言及されない場合、それらを複数種類含有する場合にはその合計量を意味するものとする。あるいはテアフラビン類化合物に代えてカテキン類化合物の含有量(あるいは量)をいう場合も同様である。
本発明においては、テアフラビン類化合物として茶由来組成物を用いる場合には、固形分当たり10質量%以上含有する茶由来組成物を用いることが好ましく、20質量%以上含有する茶由来組成物を用いることがより好ましく、30質量%以上含有する茶由来組成物を用いることが更により好ましく、40質量%以上含有する茶由来組成物を用いることが特に好ましく、50質量%以上含有する茶由来組成物を用いることが最も好ましい。この場合、その茶由来組成物のカテキン類化合物の含有量は、固形分当たり25質量%以下であることが好ましく、15質量%以下であることがより好ましく、10質量%以下であることが更により好ましく、5質量%以下であることが特に好ましく、3質量%以下であることが最も好ましい。ここで、カテキン類化合物としては、茶カテキン類であるカテキン、エピカテキン、ガロカテキン、エピガロカテキン、カテキン−3−ガレート、エピカテキン−3−ガレート、ガロカテキン−3−ガレート、エピガロカテキン−3−ガレートなどが挙げられる。
上記テアフラビン類化合物の組成割合については、特に制限はないが、例えば、テアフラビン類化合物の総量中にテアフラビンを2.5〜50質量%、テアフラビン−3−O−ガレートを20〜50質量%、テアフラビン−3’−O−ガレートを5〜20質量%、テアフラビン−3,3’−O−ジガレートを10〜75質量%含有する組成割合などであってよく、より典型的には、テアフラビン類化合物のうちテアフラビンを5〜20質量%、テアフラビン−3−O−ガレートを20〜40質量%、テアフラビン−3’−O−ガレートを5〜10質量%、テアフラビン−3,3’−O−ジガレートを45〜65質量%含有する組成割合などであってもよい。また、そのテアフラビン類化合物の総量中にガレート体を10〜95質量%含有する組成割合などであってよく、より典型的には、ガレート体を50〜95質量%含有する組成割合などであってもよい。
本発明の筋肉繊維維持用組成物は、テアフラビン類化合物のほかに、他の素材を含んでいてもよい。特に、例えば経口摂取用として許容される基材や担体を用いて、錠剤、顆粒剤、散剤、液剤、粉末、顆粒、カプセル剤、ゼリー状剤等の経口摂取用組成物の形態とすることができる。その際、必要に応じて、デキストリン等の賦形剤、防腐剤、増粘剤、乳化剤、着色剤、着香剤などを含むことができる。また、例えば、単糖、砂糖、果糖、オリゴ糖、糖アルコール、多糖、食物繊維、タンパク質、脂質、ミネラル、乳酸菌、ビフィズス菌、酵母、麹菌などの食品素材を含むことができる。
本発明の筋繊維維持用組成物は、テアフラビン類化合物を有効成分として含有し、そのテアフラビン類化合物は、筋繊維を維持する効果に優れている。後述する試験例の結果によれば、テアフラビン類化合物が筋繊維に働きかけ、筋タンパク質合成を促進し、筋タンパク質分解を抑制することにより、筋繊維を合成側にバランスしていることが一つの要因として挙げられる。よって、例えば、廃用性筋萎縮や加齢性筋萎縮の症状や状態の改善や予防の目的で、好適に用いられる。また、そのような症状や状態の改善の必要がある患者や健常者に使用されることが好ましい。実際的に、本発明による効果を享受するためには、限定されないが、4週間以上にわたって継続して摂取されるようにすることが好ましく、8週間以上にわたって継続して摂取されるようにすることがより好ましく、12週間以上にわたって継続して摂取されるようにすることが更により好ましい。また、摂取量としては、限定されないが、成人1日当たりテアフラビン類化合物として50〜100mg程度であることが好ましく、75〜100mg程度であることがより好ましい。摂取量が10mg未満では改善や予防の効果に乏しい傾向があり、5000mgを超えると体質により胃痛、便秘などの症状が出るおそれがあるため好ましくない。また、ヒトだけでなくペットや畜産等の動物にも好適に用いられる。
本発明の筋繊維維持用組成物の使用の形態としては、その作用効果を損なわない限り、特に制限はない。例えば、医薬品、医薬部外品、健康食品、機能性食品、栄養補助食品、サプリメント、動物用医薬品、動物用医薬部外品、動物用健康食品、動物用機能性食品、動物用栄養補助食品、動物用サプリメントなど各種の製品形態で、あるいはそれら製品と組み合わせて使用されることが可能である。
本発明の筋繊維維持用組成物は、「筋肉の維持に働きかける」、「筋肉をつくる力をサポートする」、「筋肉量や筋力を維持する」「自立した日常生活を送る上で必要な筋肉量及び筋力の維持し、低下を抑制する」、「歩行能力の改善に役立つ」、「加齢による筋肉量や筋力の低下を抑制する」、等の機能性を表示した製品の形態で使用されてもよい。
一方、本発明の筋繊維維持用組成物は、例えば飲食品、機能性食品、医薬品、動物飼料等の製品の原材料用の素料として提供されてもよい。
そのような飲食品としては、例えば、(1)清涼飲料、炭酸飲料、果実飲料、野菜ジュース、乳酸菌飲料、乳飲料、豆乳、ミネラルウォーター、茶系飲料、コーヒー飲料、スポーツ飲料、アルコール飲料、ゼリー飲料等の飲料類、(2)トマトピューレ、キノコ缶詰、乾燥野菜、漬物等の野菜加工品、(3)乾燥果実、ジャム、フルーツピューレ、果実缶詰等の果実加工品、(4)カレー粉、わさび、ショウガ、スパイスブレンド、シーズニング粉等の香辛料、(5)パスタ、うどん、そば、ラーメン、マカロニ等の麺類(生麺、乾燥麺含む)、(6)食パン、菓子パン、調理パン、ドーナツ等のパン類、(7)アルファー化米、オートミール、麩、バッター粉等、(8)焼菓子、ビスケット、米菓子、キャンデー、チョコレート、チューイングガム、スナック菓子、冷菓、砂糖漬け菓子、和生菓子、洋生菓子、半生菓子、プリン、アイスクリーム等の菓子類、(9)小豆、豆腐、納豆、きな粉、湯葉、煮豆、ピーナッツ等の豆類製品、(10)蜂蜜、ローヤルゼリー加工食品、(11)ハム、ソーセージ、ベーコン等の肉製品、(12)ヨーグルト、プリン、練乳、チーズ、発酵乳、バター、アイスクリーム等の酪農製品、(13)加工卵製品、(14)干物、蒲鉾、ちくわ、魚肉ソーセージ等の加工魚や、乾燥わかめ、昆布、佃煮等の加工海藻や、タラコ、数の子、イクラ、からすみ等の加工魚卵、(15)だしの素、醤油、酢、みりん、コンソメベース、中華ベース、濃縮出汁、ドレッシング、マヨネーズ、ケチャップ、味噌等の調味料や、サラダ油、ゴマ油、リノール油、ジアシルグリセロール、べにばな油等の食用油脂、(16)スープ(粉末、液体含む)等の調理、半調理食品や、惣菜、レトルト食品、チルド食品、半調理食品(例えば、炊き込みご飯の素、カニ玉の素)等が挙げられる。
機能性食品としては、例えば、健康食品、健康ドリンク、サプリメント、栄養補助食品、保健機能食品、特定保健用食品、機能性表示許可食品、食品添加用素材等が挙げられる。この場合、それらの製品形態は、例えば、錠剤、カプセル、顆粒剤、粉末、液体等であってよい。
動物飼料としては、例えば、その飼料を供する動物は、イヌ、ネコ、トリ等のペット類や、ウシ、ブタ、ニワトリ、ウマ、ヒツジ、ヤギ等の家畜類や、マグロ、ハマチ、ウナギ、タイ、フグ等の養魚類等が挙げられる。この場合、動物飼料の成分としては、例えば、穀粉、糖、塩、油脂、ビタミン、アミノ酸、ポリフェノール類、核酸類、動物蛋白、植物蛋白、肉エキス、魚エキス、酵母エキス、呈味剤、色素、乳酸菌、抗生物質、ホルモン等を添加してもよい。
以下に実施例を挙げて本発明について更に具体的に説明するが、これらの実施例は本発明の範囲を限定するものではない。
<調製例1> (未精製品1)
緑茶由来カテキン製剤(カテキン含量90%以上、商品名「サンフェノン90」、太陽化学株式会社)3gを水400mLに溶解した。別途、茶葉3gに水100mLを加えて、粉砕し、茶粉砕物を得た。この茶粉砕物に上記のカテキン溶液400mLを合わせ、30〜35℃で3時間反応させた。反応後、篩過して、茶葉残渣物を除去した後、フリーズドライにより粉末化して、茶由来組成物を得た。HPLCで分析したところ、この茶由来組成物にはテアフラビン(TF1)が11質量%、テアフラビン−3−O−ガレート(TF2A)が8.5質量%、テアフラビン−3’−O−ガレート(TF2B)が4.9質量%、テアフラビン−3,3’−O−ジガレート(TF3)が4質量%含まれており、テアフラビン類化合物の合計含量は28.4質量%であった。また、カテキン類化合物の合計含量は7.9質量%であった。
<調製例2> (未精製品2)
緑茶用茶葉10gに熱水400mLを添加し、撹拌した後、固液分離して緑茶抽出物を得た。別途、緑茶用茶葉3gに水100mLを加えて、粉砕し、緑茶粉砕物を得た。この緑茶粉砕物に上記の400mLを合わせ、30〜35℃で2時間反応させた。反応後、篩過して、茶葉残渣物を除去した後、フリーズドライにより粉末化して、茶由来組成物を得た。HPLCで分析したところ、この茶由来組成物にはテアフラビン(TF1)が4.1質量%、テアフラビン−3−O−ガレート(TF2A)が7.4質量%、テアフラビン−3’−O−ガレート(TF2B)が1.9質量%、テアフラビン−3,3’−O−ジガレート(TF3)が6質量%含まれており、テアフラビン類化合物の合計含量は19.4質量%であった。また、カテキン類化合物の合計含量は39.5質量%であった。
<調製例3> (精製品1)
調製例1と同様にして緑茶由来カテキンと茶粉砕物とを反応させ、反応後の反応液を合成吸着剤「セパビーズSP−700」(商品名、三菱化学株式会社製)に通して精製を行い、フリーズドライにより粉末化して、茶由来組成物を得た。HPLCで分析したところ、この茶由来組成物にはテアフラビン(TF1)が2.5質量%、テアフラビン−3−O−ガレート(TF2A)が12.7質量%、テアフラビン−3’−O−ガレート(TF2B)が3.8質量%、テアフラビン−3,3’−O−ジガレート(TF3)が28.6質量%含まれており、テアフラビン類化合物の合計含量は47.6質量%であった。また、カテキン類化合物の合計含量は20質量%であった。
<調製例4> (精製品2)
調製例2と同様にして緑茶由来カテキンと茶粉砕物とを反応させ、反応後の反応液を合成吸着剤「セパビーズSP−700」(商品名、三菱化学株式会社製)に通して精製を行い、フリーズドライにより粉末化して、茶由来組成物を得た。HPLCで分析したところ、この茶由来組成物にはテアフラビン(TF1)が4質量%、テアフラビン−3−O−ガレート(TF2A)が9.4質量%、テアフラビン−3’−O−ガレート(TF2B)が3質量%、テアフラビン−3,3’−O−ジガレート(TF3)が17質量%含まれており、テアフラビン類化合物の合計含量は33.4質量%であった。また、カテキン類化合物の合計含量は21.5質量%であった。
<調製例5> (精製品3)
調製例2と同様にして緑茶由来カテキンと茶粉砕物とを反応させ、反応後の反応液をHPLC分取カラム「YMC-DispoPackAT ODS 12g」(商品名、株式会社ワイエムシィ製)に供し、精製を行い、ロータリーエバポレーターでの濃縮乾固により粉末化して、茶由来組成物を得た。HPLCで分析したところ、この茶由来組成物にはテアフラビン(TF1)が38.1質量%、テアフラビン−3−O−ガレート(TF2A)が37.0質量%、テアフラビン−3’−O−ガレート(TF2B)が11.0質量%、テアフラビン−3,3’−O−ジガレート(TF3)が12.3質量%含まれており、テアフラビン類化合物の合計含量は98.4質量%であった。また、カテキン類化合物の合計含量は0.8質量%であった。
表1には、調製例1〜5で得られた茶由来組成物の組成をまとめて示す。
Figure 2021169430
以下、調製品5で調製した高純度テアフラビン類化合物を使用して、動物試験を行った。
〔1.動物試験〕
(1.1)動物
C57BL/6J雄性マウス17週齢(株式会社チャールズリバー社製)を使用した。マウスは搬入後、16週齢から5連ケージに1匹ずつ分けて1週間、馴化期間を設けた。馴化期間中は、室温22〜25℃、明暗周期12時間(明記:7:00〜19:00、暗記:19:00〜翌7:00)、自由摂食、及び飲水の条件で飼育した。
(1.2)飼育飼料
動物用飼料MF固形(オリエンタル酵母工業株式会社製)を使用した。
(1.3)尾懸垂試験
マウスの尾の近位3分の2を整形外科用牽引テープで包んだうえ、水平方向の40〜45°の脊椎方向に持ち上げ、垂直方向に移動可能なブロックを備えた尾懸垂用クリップを使用して、後肢を吊り下げる一方、前肢はケージの全範囲を自由に歩き回ることができるよう、拘束範囲を調整した。
(1.4)被験物資の投与
調製例5で調製した高純度テアフラビン類化合物を、対照溶媒(グリセロール20質量%、生理食塩水80質量%)に溶解又は分散したうえ、マウスに経口ゾンデで投与した。投与量としては、一日一回、250mg/kg/日、投与期間14日間とした。
(1.5)試験群
1週間の馴化後、32匹のマウスを無作為に4つの群に分け、以下の試験群を設定した。
・Ground-Vehicle群:マウスを拘束せずに飼育容器内で自由に接地した状態で飼育し(Ground群)、対照溶媒を経口投与する群(Vehicle群)
・Ground-Theaflavin群:マウスを拘束せずに飼育容器内で自由に接地した状態で飼育し(Ground群)、対照溶媒に溶解又は分散させたテアフラビン類化合物を経口投与する群(Theaflavin群)
・Suspension-Vehicle群:マウスを尾懸垂状態で飼育し(Suspension群)、対照溶媒を経口投与する群(Vehicle群)
・Suspension-Theaflavin群:マウスを尾懸垂状態で飼育し(Suspension群)、対照溶媒に溶解又は分散させたテアフラビン類化合物を経口投与する群(Theaflavin群)
(1.6)組織摘出
毎日の被験物資の投与を継続しつつ2週間の飼育を実施後、15日目にジエチルエーテル麻酔下、ペントバルビタール(50mg/kg、皮下投与)で安楽死させ、解剖して、ヒラメ筋(SOL:Soleus muscle)、長趾伸筋(EDL:Extensor digitorum longus)、及び腓腹筋(Gastrocnemius)を摘出した。組織サンプルは−80℃で保存した。また、切片の調製のために、摘出した組織を凍結包埋コンパウンド(商品名「FSC 22 Blue」、ライカ社製)でブロッキングし、ドライアイス冷却したイソペンタン中で凍結し、切片化するまで−80℃で保存した。
(1.7)統計分析
すべてのデータは、平均±標準偏差を求めた。統計分析は、一元配置分散分析に続いてDunnet検定を使用して、試験群間の事後比較を行った。
<試験例1> (組織学的分析)
凍結サンプルを、クリオスタット(商品名「LEICA CM1950」、ライカ社製)を使用して厚さ8μmの切片にし、ヘマトキシリンエオジン(HE)で染色したうえ、顕微鏡観察画像について画像解析ソフトで解析して、敷石状に観察される筋線維の筋束ごとの断面積を定量化した。
図1にはヒラメ筋についての結果を示す。
その結果、図1に示されるように、ヒラメ筋について以下のことが明らかとなった。
(1−1)ヒラメ筋の筋線維の筋束サイズの平均値は、対照溶媒投与/接地群(Ground-Vehicle群)と比較して、対照溶媒投与/尾懸垂実施群(Suspension-Vehicle群)で著しく減少した。この変化(平均値の減少)の程度は、テアフラビン類化合物投与/尾懸垂実施群(Suspension-Theaflavin群)において減少がみられた(図1b)。
(1−2)筋線維の筋束サイズの分布をとると、その分布ピークは、対照溶媒投与/接地群(Ground-Vehicle群)と比較して、対照溶媒投与/尾懸垂実施群(Suspension-Vehicle群)で大幅に小サイズ側にシフトした。この変化(小サイズ側へのシフト)の程度は、テアフラビン類化合物投与/尾懸垂実施群(Suspension-Theaflavin群)において減少がみられた(図1c)。
また、図2に示されるように、長趾伸筋について以下のことが明らかとなった。
(1−3)長趾伸筋の筋線維の筋束サイズの平均値は、対照溶媒投与/接地群(Ground-Vehicle群)と比較して、対照溶媒投与/尾懸垂実施群(Suspension-Vehicle群)で著しく減少した。この変化(平均値の減少)の程度は、テアフラビン類化合物投与/尾懸垂実施群(Suspension-Theaflavin群)において減少がみられた(図2b)。
(1−4)筋線維の筋束サイズの分布をとると、その分布ピークは、対照溶媒投与/接地群(Ground-Vehicle群)と比較して、対照溶媒投与/尾懸垂実施群(Suspension-Vehicle群)で大幅に小サイズ側にシフトした。この変化(小サイズ側へのシフト)の程度は、テアフラビン類化合物投与/尾懸垂実施群(Suspension-Theaflavin群)において減少がみられた(図2c)。
<試験例2> (ウエスタンブロッティング分析)
常法に従い、各組織サンプル(ヒラメ筋又は長趾伸筋)を、プロテアーゼ阻害剤及び還元剤(ジチオスレイトール)を含む細胞溶解バッファー中でホモジナイズし、そのタンパク質濃度を決定後、タンパク質50μg相当量を5−12%あるいは10−20%SDS−PAGEゲルに電気泳動展開したうえ、0.45μmあるいは0.2μmの孔径のポリフッ化ビニリデン膜(PVDF膜)に転写した。
転写後のPVDF膜をブロッキング試薬(GE Healthcare社製)で1時間ブロッキングし、以下に示すウサギポリクローナル抗体を一次抗体として使用して、ブロッキング後のPVDF膜を4℃で一晩インキュベートした。
(一次抗体)
・Akt(1:2000;ab28422、Abcam社製)
・phospho-Akt(1:1000;ab1283、Abcam社製)
・4EBP1(1:1000;#9452、Cell Signaling Technology社製)
・phospho-4EBP1(1:1000;#2855、Cell Signaling Technology社製)
・FoxO3a(1:1000;#2497、Cell Signaling Technology社製)
・phospho-FoxO3a(1:1000;#13129、Cell Signaling Technology社製)
・LC3B(1:500;#3868、Cell Signaling Technology社製)
・α-tubulin(1:1000;ab4074、Abcam社製)
・Ubiquitin(1:1000;#3933、Cell Signaling Technology社製)
一次抗体反応後の免疫反応性を、PVDF膜を西洋ワサビペルオキシダーゼ結合二次抗体(1:10000)とともに1時間インキュベートしたうえ、化学発光検出キット(商品名「ECL SelectTM Western Blotting Reagent」、GE Healthcare社製)を使用して検出した。得られた化学発光バンド画像を画像解析ソフトで解析し、そのバンド強度を定量化した。
その結果、図3に示されるように、ヒラメ筋について以下のことが明らかとなった。
(2−1)タンパク質合成に関与することが知られているAktのリン酸化に有意な変化は観察されなかった。
(2−2)タンパク質合成に関与することが知られている4EBP-1のリン酸化は対照溶媒投与/接地群(Ground-Vehicle群)及びテアフラビン類化合物投与/接地群(Ground-Theaflavin群)では変化せず、対照溶媒投与/尾懸垂実施群(Suspension-Vehicle群)と比較して、テアフラビン類化合物投与/尾懸垂実施群(Suspension-Theaflavin群)で有意な増加がみられた。
(2−3)タンパク質分解に関与することが知られているFoxO3aの脱リン酸化は対照溶媒投与/接地群(Ground-Vehicle群)及びテアフラビン類化合物投与/接地群(Ground-Theaflavin群)では変化せず、対照溶媒投与/尾懸垂実施群(Suspension-Vehicle群)と比較して、テアフラビン類化合物投与/尾懸垂実施群(Suspension-Theaflavin群)で顕著に低下した。
(2−4)オートファジーに関与することが知られているLC3Bの発現レベルは対照溶媒投与/接地群(Ground-Vehicle群)及びテアフラビン類化合物投与/接地群(Ground-Theaflavin群)では変化せず、対照溶媒投与/尾懸垂実施群(Suspension-Vehicle群)と比較して、テアフラビン類化合物投与/尾懸垂実施群(Suspension-Theaflavin群)で顕著に低下した。
(2−5)タンパク質分解に関与することが知られているユビキチン(Ubiquitin)の発現レベルに有意な変化は観察されなかった。
また、図4に示されるように、長趾伸筋については以下のことが明らかとなった。
(2−6)タンパク質合成に関与することが知られているAktのリン酸化に有意な変化は観察されなかった。
(2−7)タンパク質合成に関与することが知られている4EBP-1のリン酸化は対照溶媒投与/接地群(Ground-Vehicle群)及びテアフラビン類化合物投与/接地群(Ground-Theaflavin群)では変化せず、対照溶媒投与/尾懸垂実施群(Suspension-Vehicle群)と比較して、テアフラビン類化合物投与/尾懸垂実施群(Suspension-Theaflavin群)では増加傾向がみられた。
(2−8)タンパク質分解に関与することが知られているFoxO3aの脱リン酸化は対照溶媒投与/接地群(Ground-Vehicle群)及びテアフラビン類化合物投与/接地群(Ground-Theaflavin群)では変化せず、対照溶媒投与/尾懸垂実施群(Suspension-Vehicle群)と比較して、テアフラビン類化合物投与/尾懸垂実施群(Suspension-Theaflavin群)で有意に減少した。
(2−9)オートファジーに関与することが知られているLC3Bの発現レベルは対照溶媒投与/接地群(Ground-Vehicle群)及びテアフラビン類化合物投与/接地群(Ground-Theaflavin群)では変化せず、対照溶媒投与/尾懸垂実施群(Suspension-Vehicle群)と比較して、テアフラビン類化合物投与/尾懸垂実施群(Suspension-Theaflavin群)で顕著に低下した。
(2−10)タンパク質分解に関与することが知られているユビキチン(Ubiquitin)の発現レベルに有意な変化は観察されなかった。
<試験例3> (qRT−PCR分析)
常法に従い、各組織サンプル(ヒラメ筋又は腓腹筋)から総RNAを抽出・精製し、逆転写酵素によりcDNA合成してqRT−PCR分析の鋳型とした。PCRはリアルタイムPCRシステム(商品名「Step One PCR System」、Applied Biosystems社製)を使用し、初期変性を95℃で60秒、変性伸長を95℃で15秒、60℃で60秒を40サイクルの条件で行った。表2には使用したPCRプライマーを示す。β−アクチンは定量化のための内在的コントロールとして使用した。
Figure 2021169430

結果は、PCR定量値をMuRF1/MyoD比、又はMuRF1/PGC-1a比で表し、更に、それらを対照溶媒投与/接地群(Ground-Vehicle群)の定量値の平均値を1として規格化して、各群の平均値と標準偏差で表した(各群n=6)。群間の有意差を、一元配置分散分析とそれに続くDunnett検定により統計分析し、有意差がある場合には、グラフ中に「*:p<0.05」で表した。
図5には、ヒラメ筋についての結果を示す。図5に示されるように、ヒラメ筋では、対照溶媒投与/接地群(Ground-Vehicle群)及びテアフラビン類化合物投与/接地群(Ground-Theaflavin群)のMuRF1/MyoD比の場合を除き、テアフラビン類化合物を投与した試験群(Ground-Theaflavin群、Suspension-Theaflavin群)では、筋繊維分解に関与するユビキチンリガーゼをコードするMuRF1のmRNA発現量に比して、筋繊維合成に関与する筋芽細胞決定タンパク質をコードするMyoDのmRNA発現量や転写コアクチベーターをコードするPGC-1aのmRNA発現量が、相対的に増加する傾向がみられた。
図6には、腓腹筋についての結果を示す。図6に示されるように、腓腹筋では、いずれの試験群間の比較においても、テアフラビン類化合物を投与した試験群(Ground-Theaflavin群、Suspension-Theaflavin群)では、筋繊維分解に関与するユビキチンリガーゼをコードするMuRF1のmRNA発現量に比して、筋繊維合成に関与する筋芽細胞決定タンパク質をコードするMyoDのmRNA発現量や、転写コアクチベーターをコードするPGC-1aのmRNA発現量が、相対的に増加する傾向がみられた。

Claims (8)

  1. テアフラビン類化合物を有効成分として含有する筋繊維維持用組成物。
  2. 筋タンパク質分解を抑制する、請求項1記載の筋繊維維持用組成物。
  3. 筋タンパク質合成を促進する、請求項1記載の筋繊維維持用組成物。
  4. 廃用性筋萎縮又は加齢性筋萎縮の抑制に用いる、請求項1〜3のいずれか1項に記載の筋繊維維持用組成物。
  5. 筋繊維維持用組成物の製造のためのテアフラビン類化合物の使用。
  6. 前記筋繊維維持用組成物は、筋タンパク質分解を抑制するためのものである、請求項5記載の使用。
  7. 前記筋萎縮抑制用組成物は、筋タンパク質合成を促進するためのものである、請求項5記載の使用。
  8. 前記筋繊維維持用組成物は、廃用性筋萎縮又は加齢性筋萎縮の抑制に用いるものである、請求項5〜7のいずれか1項に記載の使用。
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