JP2014148479A - ガレート型カテキンとタンパク質との複合体およびカフェインを含む抗肥満組成物 - Google Patents

ガレート型カテキンとタンパク質との複合体およびカフェインを含む抗肥満組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】カテキン類単独よりも顕著に優れた抗肥満作用を有し、かつカテキン類およびカフェインの苦味を抑制した新規な抗肥満剤並びに該抗肥満剤を含む食品、医薬品及び医薬部外品を提供すること。
【解決手段】ガレート型カテキン(A)および平均分子量4,000以上のタンパク質(B)の含有量(重量%)の比(B/A)が1〜20の範囲で形成されるコロイド状液体を乾燥する前および/または後にカフェインを添加させて得られる固形状組成物であることを特徴とするガレート型カテキンおよびカフェインの苦味が低減された抗肥満剤組成物並びに該抗肥満剤を含む食品、医薬品及び医薬部外品。
【選択図】なし

Description

本発明は、ガレート型カテキンとタンパク質との複合体およびカフェインを用いた固形状組成物であり、不快味の改善された新しい抗肥満剤に関するものである。また、本発明は、抗肥満剤を含む食品、医薬品または医薬部外品に関するものである。
機能性成分には不快味を呈するものが多い。たとえばカテキンなどの植物ポリフェノールは機能性が数多く報告されているが、独特の渋味や苦味といった不快味を呈している。この不快味は開発段階において大きな問題であり、味の面から添加量の制限をうける。その結果、所望の機能性を発揮する量を摂取することを困難にしている。
植物ポリフェノールの不快味を低減させる方法として、人工甘味料によるマスキングやシクロデキストリンで包摂する方法などが一般的である。しかし、人工甘味料は一時的なマスキング効果に過ぎず、口腔内に残る植物ポリフェノールの不快味を感じてしまう。したがって完全なマスキング効果があるとはいえない。デキストリンでの包摂の場合、多種の機能性成分を含む製品の場合、全て包摂しなければならず含量の制限を受けてしまう。
一方、高齢化社会が到来した先進国においてその医療費の増大は社会問題化しており、病気を事前に予防する予防医学の発達が求められている。医薬品や特別な医療行為による対処療法的なこれまでの医学とは異なり、予防医学では日常生活から健康に良いものを摂取することで病気を未然に防ぐことを目的としている。
また、現在の社会生活においては、過剰なストレスや食物摂取、運動不足が蔓延しており、これらが原因となるメタボリックシンドロームが大きな社会問題になっている。メタボリックシンドロームとは、内臓脂肪型肥満に加えて高血糖、高血圧および脂質異常のうち二つ以上を併せ持った状態であり、脳梗塞・動脈硬化・心筋梗塞などの循環器系疾患のリスクが高くなった状態である。
メタボリックシンドロームや肥満症を治療するのに有効な医薬品等の開発も進められている。例えば、たとえばアンフェタミン類のマジンドールは摂食抑制効果による抗肥満剤として実用化されている。しかし、副作用などの危険性が高いことから高度肥満患者のみに使用が限定されている。また長期投与が可能な抗肥満剤としてオルリスタットがあり、これは脂肪吸収抑制効果による抗肥満剤として用いられている。しかし、これらは高度の疾患患者を対象とした対処療法であり、真の予防にはならない。
そこで注目されるのが植物ポリフェノールを有効成分とする抗肥満剤である。たとえばブドウ由来のスチルベン類であり、近年その生理活性が注目されているレスベラトロールでは高脂肪食による肥満が有意に抑制されることがマウスを用いた動物実験で明らかになっている(非特許文献1)。その他様々な植物ポリフェノールまたはその含有組成物において抗肥満作用があることが報告されている。
一方、緑茶に多く含まれるカテキン類については、コレステロール上昇抑制作用(特許文献1)、アミラーゼ活性阻害作用(特許文献2)などの生理活性を有することが報告されている。また、カテキン類は動物試験の結果より、血中トリグリセリド濃度を低減させる効果があることが知られている(非特許文献2)。カテキン類の中でもガレート型カテキンが優れたリパーゼ活性阻害作用を有することが報告されていることから(非特許文献3)、前記のような血中トリグリセリド濃度を低減させるような脂肪吸収抑制効果がリパーゼ阻害作用に起因することが示唆されている。カテキンはまたカフェインとの相乗効果によってはじめて十分な効果を発揮することが示唆されている(非特許文献4)。実際にヒトで評価したカテキンの抗肥満作用においては一定量のカフェインが含有されている(非特許文献5)。
しかしながら、カテキンやカフェインはいずれも特有の苦味を有するため、両者を併用した場合に経口で摂取するのは難しいという問題があった。
特許第1620943号公報 特許第3018013号公報
Cell,127(6),p1109−1122(2006) 日本食品科学工学会誌,52(4),167−171(2005) The Journal of Nutrition,135,155−159(2005) In vivo,18,p55−62(2004) Obesity,15(6),p1473−1483(2007)
本発明の目的は、カテキン類単独よりも顕著に優れた抗肥満作用を有し、かつカテキン類およびカフェインの苦味を抑制した新規な抗肥満剤並びに該抗肥満剤を含む食品、医薬品及び医薬部外品を提供することにある。
本発明者らは、前記目的を達成するために、鋭意研究を行った結果、ガレート型カテキンおよび平均分子量4,000以上であるタンパク質を含有する複合体とカフェインとを混合した組成物が、カテキン類よりも優れた抗肥満作用を示すこと、さらには前記組成物がカテキン類およびカフェインの苦味を顕著に低減していることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明の要旨は、
〔1〕ガレート型カテキン(A)および平均分子量4,000以上のタンパク質(B)の含有量(重量%)の比(B/A)が1〜20の範囲で形成されるコロイド状液体を乾燥する前および/または後にカフェインを添加させて得られる固形状組成物であることを特徴とするガレート型カテキンおよびカフェインの苦味が低減された抗肥満剤組成物、
〔2〕カフェインの含有量が0.01〜15.0重量%である前記〔1〕に記載のガレート型カテキンおよびカフェインの苦味が低減された抗肥満剤組成物、
〔3〕前記〔1〕または〔2〕に記載のガレート型カテキンおよびカフェインの苦味が低減された抗肥満剤組成物を含有することを特徴とする食品、医薬品または医薬部外品、
に関する。
本発明のガレート型カテキンおよびカフェインの苦味が低減された抗肥満剤組成物は、カテキン類単独よりも優れた抗肥満作用を有し、しかもカテキン類およびカフェインの苦味を低減させて経口摂取し易い点で新しい抗肥満剤として有用である。
図1は実施例1で行ったマウスの体重を測定した結果を示す。「複合体」とはガレート型カテキンとタンパク質で形成されるコロイド状液体を乾燥させたものを示す。 図2は実施例1で行ったマウスの総脂肪量を比較した結果を示す。「総脂肪量」とは精巣上体周囲脂肪、後腹壁脂肪、腸間膜脂肪、腎臓周囲脂肪などの内臓脂肪の総量である。また有意差の得られた群間をラインで示す。 図3は実施例1で行ったマウスの長指伸筋の相対重量を比較した結果を示す。有意差の得られた群間をラインで示す。 図4は実施例1で行ったマウスの下腿3頭筋の相対重量を比較した結果を示す。有意差の得られた群間をラインで示す。
以下、本発明について詳細に説明する。なお、本発明のガレート型カテキンおよびカフェインの苦味が低減された抗肥満剤組成物は、本発明の抗肥満剤組成物と略す。
本発明において、「抗肥満剤」とは、体重の増加を抑制または体重を減少させることができ、内蔵脂肪量を減少させることができ、筋組織重量を増加させることができるという、肥満を抑制するための複数の作用効果を有する薬剤をいう。これらの抗肥満作用は、具体的には、後述の実施例に記載の方法により測定することで確認することができる。
本発明の抗肥満剤組成物は、ガレート型カテキン(A)および平均分子量4,000以上のタンパク質(B)の含有量(重量%)の比(B/A)が1〜20の範囲で形成されるコロイド状液体を乾燥する前および/または後にカフェインを添加させて得られる固形状組成物であることを特徴とする。
カテキンとは、緑茶、紅茶あるいはウーロン茶などの茶に多く含まれているポリフェノールの一種であり、主にエピカテキン(EC)、エピカテキンガレート(ECg)、エピガロカテキン(EGC)、エピガロカテキンガレート(EGCg)、カテキン(C)などのフラバン−3−オール類の総称であるが、本発明において「ガレート型カテキン」とは、分子内にガロイル基を有するカテキンであり、具体的には、ECg、EGCgなどを指す。これらは、精製品の他、粗製品でも良く、これらを含有する天然物もしくはその加工品でも良い。例えば、茶葉などより抽出した茶抽出物やサンフェノンEGCg(太陽化学株式会社社製)などが挙げられる。
本発明において「平均分子量4,000以上のタンパク質」とは、平均分子量4,000以上から分子量30万程度のタンパク質までが含まれる。
本発明に用いられるタンパク質の平均分子量は、4,000以上である。好ましくは7,000以上、さらに好ましくは10,000以上である。前記平均分子量が4,000より少ない場合、抗肥満作用の効果が不十分となる。尚、タンパク質の分子量に関する情報は、粘度測定やHPLC及びゲルろ過法等の定量方法によって得られ、公知の手法を使用することが可能である。ここで平均分子量とは重量平均分子量をいう。
このような平均分子量4,000以上のタンパク質は、例えば、ゼラチン、コラーゲンペプチド、ダイズペプチド、ホエイペプチド、卵白アルブミンなどが挙げられる。また、これらのタンパク質は、単独でまたは2種以上を混合して用いてもよい。
本発明に用いられるカフェインとは、コーヒー、緑茶、紅茶、カカオなどに含まれるアルカロイドの1種である。これらのカフェインは、精製品の他、粗製品でも良く、これらを含有する天然物もしくはその加工品でもよい。例えば、コーヒー豆などから抽出したコーヒー抽出物や茶の素(天然カフェイン、白鳥製薬株式会社製)などが挙げられる。
本発明の抗肥満剤組成物は、ガレート型カテキン類および平均分子量4,000以上のタンパク質を含む複合体と、カフェインとを混合することで、前記3成分の粉末を単純に混合した場合と比べて、カテキン類を超える抗肥満作用が発揮されるだけでなく、カテキン類とタンパク質の複合体がカテキンやカフェインの苦味を低減させることができる。
前記複合体は以下の方法で製造することができる。
ガレート型カテキンおよび平均分子量4,000以上のタンパク質の含有量(重量%)の比(B/A)が1〜20の範囲となるように水中で混合してコロイド状液体を作製する。
また、ガレート型カテキンおよび平均分子量4,000以上のタンパク質の合計の濃度は、効率よくコロイド状にできる観点から、1〜10重量%となるように調整することが好ましい。なお、ガレート型カテキンおよび平均分子量4,000以上のタンパク質は、水溶液を予め作製しておき、両者を混合してもよいし、いずれか一方の水溶液中に、固形状の他方を混合してもよい。
前記ガレート型カテキンの水溶液および平均分子量4,000以上のタンパク質の水溶液はいずれも透明であることから、本発明では、前記の2成分を含む混合物がコロイド状液体となった状態を両者が複合体を形成した状態とする。
また、本発明においてコロイド状とは白濁物質が生成された状態をいう。
本発明では、前記コロイド状液体の乾燥の前および/または後にカフェインを添加することで固形状の抗肥満剤組成物を得ることができる。
添加するカフェインの状態としては、特に限定はなく、粉体でも液体でもよい。
例えば、前記コロイド状液体にカフェインの水溶液を混合して得られる白濁状の分散液を乾燥することで固形状の抗肥満剤組成物を作製してもよい。
また、前記ガレート型カテキン、平均分子量4,000以上のタンパク質の水溶液およびカフェインを同時に配合した混合液の場合にも同様のコロイド状液体となるため、このようなコロイド状液体を乾燥して得られる粉末も本発明の抗肥満剤組成物に含まれる。
ただし、ガレート型カテキン粉末、平均分子量4,000以上のタンパク質粉末およびカフェイン粉末を混合して得られる組成物は、前記複合体が形成されないため、ガレート型カテキン、カフェインの苦味を低減できず、本発明の抗肥満剤組成物と比べて官能性に劣るものとなる。
また、前記分散液の状態である場合、ガレート型ガレート型カテキンの濃度は、抗肥満作用が十分に発揮する観点から、0.06重量%以上であることが好ましい。
また、前記分散液の状態である場合、平均分子量4,000以上のタンパク質の濃度は、ガレート型カテキンと複合体を形成させる観点から、0.3重量%以上であることが好ましい。
また、前記分散液の状態である場合、カフェインの濃度は、抗肥満作用が十分に発揮する観点から、0.001重量%以上であることが好ましい。
また、前記乾燥の方法としては、例えば、凍結乾燥やスプレードライなど公知の乾燥法によって、水分を除去して乾燥粉末の形態にすればよく、特に限定はない。
以上のようにして得られる本発明の抗肥満剤組成物中におけるガレート型カテキンの含有量は、抗肥満作用を十分に発揮する観点から、0.1〜50重量%であることが好ましい。
また、本発明の抗肥満剤組成物における平均分子量4,000以上のタンパク質の含有量は、ガレート型カテキンと複合体を形成させる観点から、50〜90重量%であることが好ましい。
また、本発明の抗肥満剤組成物におけるカフェインの含有量は、抗肥満作用を十分に発揮し、カフェインの苦味を抑える観点から0.01〜15重量%が好ましく、0.01〜10重量%がより好ましい。
また、本発明の抗肥満剤組成物は、前記ガレート型カテキン、平均分子量4,000以上のタンパク質、カフェインのみを含有していてもよいが、例えば、散剤、錠剤、丸剤、カプセル剤、細粒剤、顆粒剤等の固形製剤、水剤、懸濁剤、乳剤等の液剤、ゲル剤等に製剤される場合にはそれぞれの剤形に応じた任意成分をさらに含有してもよい。これらの任意成分については、前記複合体を形成した後に複合体と混合すればよい。例えば、形成した複合体に、カフェインと任意成分とを混合してもよいし、複合体とカフェインとを混合した後、任意成分を混合してもよい。
また、錠剤、丸剤、顆粒剤、顆粒を含有するカプセル剤の顆粒は、必要により、ショ糖等の糖類、マルチトール等の糖アルコールで糖衣を施したり、ゼラチン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等でコーティングを施したりすることもできる。また、胃溶性又は腸溶性物質のフィルムで被覆してもよい。常法に基づいて、注射剤、点滴剤に本発明の抗肥満剤組成物を配合して使用してもよい。
以上のようにして得られる本発明の抗肥満剤組成物は、カテキン単独よりも優れた抗肥満作用を有し、しかもカテキン類およびカフェインの苦味が顕著に低減させている。したがって、本発明の抗肥満剤組成物は、食品、医薬品、医薬部外品等に配合して使用することもできる。このような食品、医薬品、医薬部外品は、抗肥満作用を有する食品、医薬品、医薬部外品となる。特に、抗肥満作用が知られていない材料のみからなる食品、医薬品、医薬部外品でも、本発明の抗肥満剤組成物を配合することで、簡単に抗肥満作用を付与することができる。
前記食品としては、例えば、飲料、アルコール飲料、ゼリー、菓子等、どのような形態でもよく、菓子類の中でも、その容量等から保存や携帯性に優れた、ハードキャンディ、ソフトキャンディ、グミキャンディ、タブレット等が挙げられるが、特に限定はない。なお、食品には、機能性食品、健康食品、健康志向食品等も含まれる。
また、前記食品には、ヒトが食べる食品だけでなく、例えば、非ヒト動物、例えば、ラット、マウス、モルモット、ウサギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ウマ、ネコ、イヌ、サル、チンパンジー等の哺乳類、鳥類、両生類、爬虫類等の治療剤又は飼料に配合してもよい。飼料としては、例えばヒツジ、ブタ、ウシ、ウマ、ニワトリ等に用いる家畜用飼料、ウサギ、ラット、マウス等に用いる小動物用飼料、ウナギ、タイ、ハマチ、エビ等に用いる魚介類用飼料、イヌ、ネコ、小鳥、リス等に用いるペットフードが挙げられる。
前記医薬品としては、散剤、錠剤、丸剤、カプセル剤、顆粒剤等の固形製剤、懸濁剤、乳剤等の液剤、ゲル剤等が挙げられる。錠剤、丸剤、顆粒剤、顆粒を含有するカプセル剤等の顆粒は、必要により、ショ糖等の糖類、マルチトール等の糖アルコールで糖衣を施したり、ゼラチン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等でコーティングを施してもよいし、胃溶性若しくは腸溶性物質のフィルムで被覆してもよい。また、製剤の溶解性を向上させるために、前記の製剤に公知の可溶化処理を施すこともできる。常法に基づいて、前記液剤を注射剤、点滴剤に配合して使用してもよい。
医薬部外品としては、口腔に用いられる医薬部外品、例えば、歯磨き、マウスウォッシュ、マウスリンス、ドリンク剤が挙げられる。
本発明の抗肥満剤組成物を用いて食品、医薬品又は医薬部外品を調製する場合、本発明の効果が損なわれない範囲内で食品、医薬品又は医薬部外品に通常用いられる成分を適宜任意に配合することができる。
例えば、食品の場合には、水、アルコール、澱粉質、蛋白質、繊維質、糖質、脂質、ビタミン、ミネラル、着香料、着色料、甘味料、調味料、安定剤、防腐剤のような食品に通常配合される原料又は素材と組み合わせることができる。
医薬品や医薬部外品の場合には、主剤、基材、界面活性剤、起泡剤、湿潤剤、増粘剤、透明剤、着香料、着色料、安定剤、防腐剤、殺菌剤等に組み合わせ、常法に基づいて、液状、軟膏状又はスプレー噴射可能な最終形態等にすることができる。
また、本発明の抗肥満剤組成物を食品に添加する場合には、該食品中に、通常は0.001〜20重量%添加することが好ましい。
本発明の抗肥満剤組成物を医薬用途で使用する場合、例えば、その摂取量は、所望の改善、治療又は予防効果が得られるような量であれば特に制限されず、通常、薬剤の態様、患者の年齢、性別、体質その他の条件、疾患の種類並びにその程度等に応じて適宜選択される。1日当たり約0.1mg〜1,000mg程度とするのがよく、これを1日に1〜4回に分けて摂取することができる。
本発明の抗肥満剤組成物を医薬部外品に添加する場合には、該医薬部外品中に、通常0.001〜30重量%添加するのが好ましい。
次に、本発明を実施例に基いて詳細に説明するが、本発明はかかる実施例にのみ限定されるものではない。
(製造例:ガレート型カテキンとゼラチンとの複合体の調製)
緑茶抽出物(ガレート型カテキン含量45重量%)308gを60℃の水に溶かし、全量2000gの水溶液を作製した。ゼラチン(平均分子量100,000、日本ピュアフーズ株式会社製)2000gを60℃の水2000gに溶解させた。前記カテキン溶液全量とゼラチン溶液全量を混合・撹拌し、均一なコロイド状のガレート型カテキン−ゼラチン液体を作製した。この溶液を凍結乾燥にて乾燥させ、ガレート型カテキン−ゼラチン複合体粉末(ゼラチン/ガレート型カテキン(重量比)=14.4、以下複合体と記載)約2500gを得た。
なお、この製造例で得られた複合体粉末を以降の実験に使用し、特に「複合体+カフェイン摂取群」では、複合体にカフェイン粉末(天然カフェイン、公知貿易社製)を混合した粉末を用いた。
(実施例1:マウスを用いた抗肥満作用評価)
試験には6週齢のマウスC57BL/6j雄(日本エスエルシー株式会社製)を50匹(1群10匹:全5群)使用して行った。具体的には、前記マウスを7日間の予備飼育(飼料:通常食)を行った後、各群の平均体重がほぼ等しくなるように各群10匹として5群(通常食群、高脂肪食群、緑茶抽出物摂取群、複合体摂取群、複合体+カフェイン摂取群)に分け、それぞれに試験飼料を56日間自由摂取させた。試験飼料の摂取期間を通じて、週に2回飼料摂取量および体重を測定した。
本試験に用いた各試験飼料は基本組成のタンパク質含有量を調節した高脂肪成分調整飼料を使用した。各飼料中に含まれる総カテキン(ガレート型カテキン45%含有、以下カテキンと記載)、コラーゲン、カフェインの含有量を表1に示す。
Figure 2014148479
ここで表1における各組成物の量は、飼料中の含有量(重量%)で示している。また、通常食群に摂取させた試験飼料には、「CE−2」(日本クレア株式会社製)を使用した。
試験終了後、5時間以上絶食させた各個体をイソフルランの麻酔下で腹大動脈から注射器を用いて全量を採血した。また、内臓脂肪、筋肉組織の摘出を行った。採取した血液は、室温に静置して凝固させ、遠心分離により血清を調製した。得られた血清は血液生化学分析に供した。内蔵脂肪としては精巣上体周囲脂肪、後腹壁脂肪、腸間膜脂肪、腎臓周囲脂肪を採取し、各脂肪重量を測定し、これらの脂肪重量の合計を総脂肪量とした。筋肉組織は長指伸筋および下腿3頭筋を左右の下肢から摘出して重量を測定した。
試験飼料に切替えた後の各群の体重の変化を図1に示す。また総脂肪量および長指伸筋、下腿3頭筋量の結果を図2、図3、図4に示す。なお、総脂肪量および長指伸筋、下腿3頭筋量は体重当りの比率(g%)で算出した。
図1では複合体+カフェイン摂取群が、他の群に比べ試験終了時の体重が有意に減少していた。
また図2に示す総脂肪量では複合体+カフェイン摂取群が高脂肪食摂取群、カテキン摂取群よりも有意に内臓脂肪量が減少していた。また複合体摂取群との比較においても有意な差ではないが、減少傾向が見られた。
図3に示す筋組織量では複合体+カフェイン摂取群が長指伸筋にて他の群よりも有意な増加が観察され、図4に示す下腿3頭筋量においても複合体+カフェイン摂取群が他の群よりも有意な増加または増加傾向が観察された。
また複合体+カフェイン摂取群の血液生化学分析では毒性は認められず、本発明品である複合体とカフェインとを含む抗肥満組成物の安全性が確認された。
以上のことから本発明の抗肥満組成物は、体重増加抑制作用、内臓脂肪増加抑制作用、筋組織増加促進作用という、複数の抗肥満作用を有しており、抗肥満剤として有用であることが示された。
(実施例2:ラットを用いた体質改善作用評価)
試験には7週齢のラットSlc:Wistar雄(日本エスエルシー株式会社製)を20匹(1群10匹:全2群)使用して行った。具体的には、前記ラットを7日間の予備飼育(飼料:CE−2(通常食))を行った後、各群の平均体重がほぼ等しくなるように各群10匹として2群(通常食摂取群、複合体+カフェイン摂取群)に分け、それぞれに試験飼料を56日間自由摂取させた。試験飼料の摂取期間を通じて、週に2回飼料摂取量および体重を測定した。
本試験では両群ともに通常食(「CE−2」:日本クレア社株式会社製)を用いて行った。試験飼料中のカテキン、コラーゲン、カフェイン含有量(%)を表2に示す。
Figure 2014148479
試験終了後、16時間以上絶食させた各個体を放血死させ、内臓脂肪の摘出を行った。内蔵脂肪は白色脂肪として精巣上体周囲脂肪、後腹壁脂肪、腸間膜脂肪、腎臓周囲脂肪を、褐色脂肪組織として背部皮下脂肪を採取し、各脂肪重量を測定した。摘出した脂肪重量の合計を総脂肪量とした。
試験終了後の精巣上体周囲脂肪、後腹壁脂肪、腸間膜脂肪、腎臓周囲脂肪、背部皮下脂肪および総脂肪量を表3に示す。総脂肪量は体重当りの比率(g%)で算出した。表3では複合体+カフェイン摂取群においてカテキン摂取群に比べ各脂肪重量および総脂肪量が有意に減少していた。
Figure 2014148479
以上のことから本発明の抗肥満組成物は内臓脂肪の消費を促進させることにより太り難い体質とする抗肥満剤として有用であることが示された。
(実施例3:苦味低減作用評価)
本試験には製造例で得られた複合体とカフェインを粉体混合したもの(以下試験品と記載)を使用した。また比較品としてカテキン、コラーゲン、ゼラチンを粉体混合したものを使用した。試験品と比較品の具体的な組成は表4に示す。
Figure 2014148479
試験は成人男性ボランティア7名、成人女性ボランティア4名による官能評価試験によって判定した。
試験品と比較品とを摂取後に各被験者にアンケートを行い、苦味について、3段階評価してその平均を算出した。その結果を表5に示す。
なお、評価基準は以下のとおり。
〔苦味〕
3: 強い苦味を感じる
2: 苦味を感じる
1: 僅かに苦味を感じる
Figure 2014148479
表5に示す結果のとおり、比較品とくらべ試験品は苦味の評価点数が低くなっており、顕著に低減されていることがわかった。
以上のことから本発明の抗肥満剤組成物は、苦味が顕著に低減されており、経口で摂取し易いものであることが示された。
(実施例4:本発明品を含有する食品)
ゼラチン(250ブルーム、ヴァイスハルトインターナショナル(株)製)100gに水140gを添加し、50℃に加熱することでゼラチン水溶液を得た。
別に、ショ糖72g、ハイフラクトース「ハイフラクトM」(日本コーンスターチ(株)製)66gを加水して混合し、Brix90まで加熱・濃縮して糖液とした。
ゼラチン水溶液100g、糖液112.2g、クエン酸3g、果汁12.5gを混合した。グミキャンディーベース溶液を得た。製造例で得られた複合体10gとカフェイン1gを粉末混合し、これをグミキャンディーベース溶液に添加・撹拌して本発明品を含有するグミキャンディーベースを得た。これをシリコン製バットに充填し、4℃で1時間冷却し、抗肥満グミキャンディーとした。このグミキャンディーは、菓子として食べ易いものであることはもちろん、肥満を予防する機能性食品としても利用できる。
(実施例5:本発明品を含有する医薬品)
本発明品を用いて常法に従い、打錠品を得た。処方は、製造例で得られた複合体9重量部、カフェイン1重量部、コーンスターチ23重量部、乳糖12重量部、カルボキシメチルセルロース8重量部、微結晶セルロース32重量部、ポリビニルピロリドン4重量部、ステアリン酸マグネシウム3重量部、タルク8重量部の通りである。本打錠品は、肥満症の治療を目的とする医薬品として有効に利用できる。
(実施例6:本発明品を含有する医薬部外品)
製造例で得られた複合体9重量部、カフェイン1重量部、タウリン10重量部、ビタミンB1硝酸塩1重量部、コーンスターチ15重量部、ステアリン酸カルシウム1重量部、微結晶セルロース19重量部、D−マンニトール44重量部を混合して打錠した。本錠剤は、栄養補給の目的に加えて、肥満症のリスクを低減させることを目的とする医薬部外品として有効に利用できる。

Claims (3)

  1. ガレート型カテキン(A)および平均分子量4,000以上のタンパク質(B)の含有量(重量%)の比(B/A)が1〜20の範囲で形成されるコロイド状液体を乾燥する前および/または後にカフェインを添加させて得られる固形状組成物であることを特徴とするガレート型カテキンおよびカフェインの苦味が低減された抗肥満剤組成物。
  2. カフェインの含有量が0.01〜15重量%である請求項1に記載のガレート型カテキンおよびカフェインの苦味が低減された抗肥満剤組成物。
  3. 請求項1または2に記載のガレート型カテキンおよびカフェインの苦味が低減された抗肥満剤組成物を含有することを特徴とする食品、医薬品または医薬部外品。
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