JP6199613B2 - 防草用資材の固着剤、防草材、及びそれを用いた防草工法 - Google Patents
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しかしながら、草刈の処分費は大きなもので、道路や鉄道等を維持管理する上で大きな負担になっているのが現状である。そのため、従来、こうした法面等に対する種々の防草工法が開発され実用化されている。
しかしながら、この特殊な法面吹付け資材を吹付ける方法では、(1)無機系の吹付け資材であるため、施工時に粉塵が出ること、(2)セメントや消石灰等の高塩基性物質を使用するため、環境負荷が大きいこと、(3)無機系固化材で固めるため、凍結融解に弱いこと、(4)一定の透水性を有するものの、その効果が充分ではなく、特殊吹付け資材の吹付け厚さもある程度必要であり、コスト的にも嵩むものであった。(5)また、吹付け資材が少なくとも4種類の材料から構成されているため、現場での調製が煩雑であり、安定した品質の吹付け資材が得られにくいなどの課題があった。
また、一般工場ボイラー(燃料、重油、石炭等)の焼却灰、セメント、及び固化薬剤からなる透水性ブロックを使用して、雑草が生えにくくすることが提案されている(特許文献6)。
しかしながら、これらは、エマルジョンやラテックスを併用するものではなく、また、3年という長きにわたって、防草効果が維持できることについては記載がない。
しかしながら、これらには、3年という長きにわたって、防草効果が維持できることについては記載がない。
(1)防草用資材の固着剤であって、固形分濃度が15〜25質量%で、エチレン酢酸ビニル共重合体系(以下、EVA系という)エマルジョンからなる防草用資材の固着剤である。
(2)前記防草用資材が、焼却灰、スラグ、及び石炭灰から選ばれた一種又は二種以上の骨材であることを特徴とする前記(1)の固着剤である。
(3)前記スラグが石炭スラグであることを特徴とする前記(2)の固着剤である。
(4)前記骨材のサイズが、0.1〜25mmであることを特徴とする前記(2)又は(3)の固着剤である。
(5)防草用資材を(1)〜(4)のいずれか1つの固着剤で固着してなることを特徴とする防草材である。
(6)法面に防草用資材を厚さ5〜20cmに敷き詰め、前記(1)〜(4)のいずれか1つの固着剤を散布して防草用資材を固着することを特徴とする防草工法である。
(7)前記固着剤の散布する量が、1m2あたり、2〜4kgであることを特徴とする前記(6)の防草工法である。
(8)前記固着剤の散布する量が、前記骨材100質量部に対して、1〜5質量部であることを特徴とする前記(6)又は(7)の防草工法である。
なお、本発明における部や%は、特に規定しない限り質量基準で示す。
焼却灰や石炭灰等それ自身の粒径が小さいものは、造粒し、篩分けし、所定のサイズに調整して使用する。
骨材の敷き詰める厚さが3cm未満では、防草効果が充分でない場合があり、20cmを超えると、固着させることが困難となり、やはり、防草効果が不充分となる場合がある。
固着剤の散布は、防草用資材上に均一に、また、満遍なく散布することが必要であり、散布されなかったり、亀裂が生じたりすると、充分な防草効果が得られない場合がある。
傾斜角45度の法面に、3×3mの空間を有するコンクリート製のフリーフレームを配設した。防草用資材として、表1に示す様々な骨材を、配設したフリーフレームの空間に、厚さ10cm、表面を平滑に、スコップを用いて人力で敷き詰めた。骨材の使用量は1,200kgであった。
さらに表1に示す様々な固着剤を1m2あたり3kg噴霧した(骨材100部に対して2部)。この防草工法を施した法面の防草効果、耐久性、吸水性を評価した。
比較のために、防草工法を施さなかった場合や、無機系吹付け材料である、普通ポルトランドセメントと砂の質量比が1/3のモルタルを5cm厚みで吹付けた場合、また、ポリエチレン製の幅50cm長さ100cmのシート6枚を固定ピンを使用して配置した他の防草工法についても同様に行った。結果を表1に示す。
骨材A :ゴミ焼却灰を原料とした骨材、サイズ0.1〜5mm
骨材B :下水汚泥焼却灰を原料とした骨材、サイズ0.1〜5mm
骨材C :石炭スラグを原料とした骨材、サイズ0.1〜5mm
骨材D :高炉スラグを原料とした骨材、サイズ0.1〜5mm
骨材E :石炭灰を原料とした骨材、サイズ0.1〜5mm
骨材F :骨材Aと骨材Cの等量混合物
固着剤イ :EVA系エマルジョン、固形分濃度20%
固着剤ロ :クロロプレン系ラテックス、固形分濃度20%
固着剤ハ :アクリル系エマルジョン、固形分濃度20%
無機系吹付け材料:普通ポルトランドセメントと砂の質量比が1/3のモルタル
防草効果 :3×3mのフリーフレームの空間に施工し、雑草の生え方を観察した。雑草の生えた面積が1/10以下の場合を「優」、雑草の生えた面積が1/10を超え、1/4以下の場合は「良」、雑草の生えた面積が1/4を超え、1/3以下の場合は「可」、及び雑草の生えた面積が1/3を超える場合は「不可」とした。
耐久性 :内寸法縦30cm×横30cmの型枠に、厚さ10cm、表面が平滑になるよう、骨材を敷き詰め、その30×30cmの表面に、1m2あたり3kgとなるように固着剤を噴霧し、7日間20℃の室内に静置し、縦30cm、横30cm、厚さ10cmの試験体を作製した。この試験体を、最低温度マイナス10℃で2日間凍結させ、最高温度10℃で2日間融解させるサイクルを300サイクル繰り返し、試験体の劣化状況を観察した。試験体が崩壊しなかった場合は「可」、崩壊した場合は「不可」とした。なお、試験体が作製できない場合は、試験体なしで「−」とした。
美観景観 :施工後の状態を目視により観察し、自然な印象を受ける場合は「良」、人工的な印象を受ける場合は「不良」とした。
吸水性 :水を法面に噴霧し、吸水能力を超え、水が法面を流れ落ちる寸前までの吸水量を計測した。
骨材C及び固着剤イを使用し、骨材の敷き詰める厚さを表2のように変化したこと以外は実験例1と同様に行った。
骨材C及び固着剤イを使用し、固着剤イの固形分濃度を表3のように変化したこと以外は実験例1と同様に行った。結果を表3に示す。
骨材Cおよび固着剤イを使用し、固着剤イの使用量を表4のように変化したこと以外は実験例1と同様に行った。結果を表4に示す。
骨材C及び固着剤イを使用し、骨材100部に対して所定の固着剤を使用し、実験例1と同様に施工し、同時に圧縮強度を評価した。結果を表5に示す。
圧縮強度 :4×4×16cmの鋼製型枠を用い、型枠内に骨材を充填し、所定量の固着剤を噴霧器で噴霧した後、20℃、60%R.H.の恒温恒湿室内に7日間静置した。その後、脱型し、土の一軸圧縮強度試験で用いる圧縮強度試験機で供試体の側面から荷重を載荷し、圧縮強度を測定した。
傾斜角45度の法面に、3×3mの空間を有するコンクリート製のフリーフレームを配設した。配設したフリーフレームの空間に、雑草が最も繁茂しがちな、7月、骨材Bを、厚さ10cm、表面を平滑に、スコップを用いて人力で敷き詰めた。骨材の使用量は1,200kgであった。
敷設した骨材の層に、固着剤イ又は固着剤ロを、1m2あたり2kg噴霧した。
施工後2カ月の9月、施工後4カ月の11月、及び施工後9カ月の4月に、施工表面を観察し、防草効果を評価した。
比較のために、固着剤を使用しなかった場合も同様に評価した。
固着剤ロのクロロプレン系ラテックスを使用した施工では、2カ月後の結果では、上部の防草材がダレて、その部分に雑草が繁茂したが、2カ月以降は雑草の繁茂は広がらない。9カ月後の結果では、表面に若干の崩れが見られた。
これに対して、固着剤を使用しないと、骨材は粘着力が低く、敷設後の雨水や列車振動の影響で部分的に崩れ、固着剤使用せずのとおり、雑草が広範囲で繁茂する結果となった。
Claims (8)
- 防草用資材の固着剤であって、固形分濃度が15〜25質量%で、エチレン酢酸ビニル共重合体系エマルジョンからなることを特徴とする防草用資材の固着剤。
- 前記防草用資材が、焼却灰、スラグ、及び石炭灰から選ばれた一種又は二種以上の骨材であることを特徴とする請求項1に記載の防草用資材の固着剤。
- 前記スラグが石炭スラグであることを特徴とする請求項2に記載の防草用資材の固着剤。
- 前記骨材のサイズが、0.1〜25mmであることを特徴とする請求項2又は3に記載の防草用資材の固着剤。
- 防草用資材を請求項1〜4のいずれか1項に記載の固着剤で固着してなることを特徴とする防草材。
- 法面に防草用資材を厚さ5〜20cmに敷き詰め、請求項1〜4のいずれか1項に記載の固着剤を散布して防草用資材を固着することを特徴とする防草工法。
- 前記固着剤の散布する量が、1m2あたり、2〜4kgであることを特徴とする請求項6に記載の防草工法。
- 前記固着剤の散布する量が、前記骨材100質量部に対して、1〜5質量部であることを特徴とする請求項6又は7に記載の防草工法。
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