JP5364836B2 - 道路法面等の防草処理法 - Google Patents

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Description

本発明は、道路や鉄道沿線等の法面や盛土法面路肩部等を防草して保護する方法に関し、特に、その法面隣接地に発芽生育する植物を、環境に配慮した方法で防草し、かつ豪雨等にあってもその法面や平面の侵食を効果的に防ぐことができる方法に関するものである。
道路や線路脇等の法面等は、春から秋にかけて植物が繁茂し、これが交通障害等を招くことが知られており、年に2〜3回程度の草刈等を行なうことで、交通に支障を来たさないよう処理されている。しかし、刈草の処分費を含めた一回の費用は、mあたり150円〜300円も掛かり、このことが道路や鉄道等を維持管理する上で大きな負担になっているのが実情である。そのため、従来、こうした法面等に対する種々の防草工法が開発され実用化されている。しかし、既に実用化されているこれらの防草方法については、以下のような問題がある。
(1)防草シートを用いる方法
この従来方法については、施工が容易で施工費も安いが、樹脂シートで作られているため紫外線等により劣化して、強度等が低下するため、防草期間が1年程度しかなく、また、風等により煽られて却って事故等を誘発する可能性もあった。また、樹脂製シートが用いられるため、使用後の処分も問題である。さらに、この防草シートの場合、凹凸のある場所や斜面への設置は容易でないばかりか、継ぎ目部分やシートを杭等で固定した箇所には隙間ができ、その部分から植物が生育するという問題がある。
(2)アスファルトを用いる方法
この従来方法については、加熱溶融して施工する必要があるので法面等への施工が、難しく、さらに透水性がなく溶出する油分等により環境を汚染する可能性がある。さらに、太陽から放出される熱エネルギーを蓄熱しやすくヒートアイランド現象を助長して環境を悪化させる弊害がある。また、打ち継ぎ部には隙間がでるので、その部分に植物が生育するという問題がある。
(3)コンクリートやモルタルコンクリート等を用いる方法
この従来方法については、コンクリートやモルタルコンクリート等が、固化してしまえば、強度が出ると共に、防草効果や法面の侵食防止効果もある。しかし、この方法の場合、施工面に透水性がなく、太陽からのエネルギーを蓄熱するためヒートアイランド現象を助長して環境を悪化させる要因にもなる。また、打ち継ぎ箇所は、接着性が悪いので隙間が発生しやすく、その部分から植物が生育するという問題がある、さらには、コンクリートやモルタルコンクリートの場合、曲げ強度や引っ張り強度が小さいため、気温の変化に伴う、膨張や収縮によりクラックを発生し、その部分からも植物が生育する。とくに、気温が低い場合やセメント量が少ない場合は、固化速度が遅いので強度が出ていない箇所に植物が生育することがある。
(4)砂、石炭灰、セメント、チップ等を用いる方法
この従来技術は、石炭灰にセメントを混合し、さらに樹木チップ等を混合する方法である(特許文献1、2)。この技術において、特徴的な上記チップ等は、水分やリグニン、セルロース、炭水化物、脂肪酸、アミノ酸、ポリフェノール酸等を多く含んでおり、これらがセメントの固化反応を阻害する。そのために強度がでにくいことと強度が発現するまで長時間を要するため、その間に植物が発芽生育する問題がある。また、未処理の樹皮やチップ等は短期間に腐食するため、被覆資材の強度を長期間持続させることが困難であり、樹皮やチップ等が腐食することによってクラックが発生し、その部分に植物が生育するという問題がある。
(5)樹皮、チップ、石、礫、植物等を用いる方法
この従来技術は、樹皮やチップ、石、礫、植物等で地表面を被覆したりする方法がある(特許文献3、4)。この技術の場合、透水性はあるが空隙等が多く、その隙間から植物が生育するため、長期間の防草効果はない。
従来技術については、上述した問題点を有することに加え、さらに、近年では、地球環境が温暖化の影響や車の排出ガスによる大気汚染や水質汚染等が深刻化しており、上掲の防草資材や防草処理法では間に合わなくなっているのが実情である。
特開2007−77597号公報 特開2006−248837号公報 特開2004−183348号公報 特開2001−17002号公報
上述したように、道路脇や線路脇の法面等では、春から秋にかけて繁茂した植物が、道路や線路等にはみ出し、交通障害等をもたらすことから、これを防ぐための防草効果に優れた工法の開発が求められていた。また、これらの法面等は、異常気象等に起因する豪雨等により浸食され崩落する危険のある場所が多く、強固な法面にすることも必要である。
そこで本発明の目的は、コンクリートやアスファルトとの接着性が良くて短時間に固化し、かつクラック等のひび割れ等を発生させない防草固化基盤を法面等に容易に造成することができる他、透水性および保水性をもたせることで、地下水の枯渇防止、ヒートアイランド現象を抑制し、さらには走行車両等から排出される一酸化炭素や二酸化窒素等の有害ガスの吸着除去および浄化機能をもつ法面保護工法を提案することにある。
従来技術が抱えている前述の課題を克服できると共に,上掲の目的を達成できる工法として、本発明は、以下の要旨構成に係る方法を提案する。即ち、本発明は、可溶性珪酸および/または可溶性アルミナを合計で40mass%以上含む多孔質無機資材40〜75vol%と、乾燥処理して水分を10mass%以下にした乾燥植物資材25〜60vol%とからなる基盤材に対し、外数で、ドロマイト、セメントおよび消石灰のいずれか1以上の固化反応物質を50kg〜200kg/mと、アルミン酸カルシウムまたは珪酸ソーダからなる固化反応促進物質を30kg/m〜100kg/mと、そして25〜50vol%の水を混合し、得られた混合基盤材を被施工面に吹付けまたは打設して、その表面を被覆することを特徴とする道路法面等の防草処理法である。
また、本発明は、可溶性珪酸および/または可溶性アルミナを合計で40mass%以上含む多孔質無機資材40〜75vol%と、乾燥処理して水分を10mass%以下にした乾燥植物資材に水溶性ポリマーあるいは水ガラスのいずれか1以上を含浸させてなる資材25〜60vol%とからなる基盤材に対し、外数でドロマイト、セメントおよび消石灰のいずれか1以上の固化反応物質を50kg〜200kg/mと、アルミン酸カルシウムまたは珪酸ソーダからなる固化反応促進物質を30kg/m〜100kg/mと、そして25〜50vol%の水を混合し、得られた混合基盤材を被施工面に吹付けまたは打設して、その表面を被覆することを特徴とする道路法面等の防草処理法を提案する。
また、本発明は、
(1)前記乾燥植物資材は、タンニンやヒノキチオールのような腐食抑制物質を当該乾燥植物資材1000リットルに対し0.1kg〜1kgを含浸させてなるものであること、
(2)前記混合基盤材は、さらに、酸化チタンを該混合基盤材の0.1〜5vol%に相当する量を含むこと、
(3)前記混合基盤材は、さらに樹木や草本植物の炭化物または燻製物を含むこと、
が課題を解決するための好ましい手段である。
上述のように構成される本発明にかかる道路法面等の防草処理法(法面保護工法)によれば、以下のような効果が期待できる。
a.被覆造成(施工)後、施工面(道路法面等)は、短時間のうちに必要な強度を発現し、植物の生育を確実に防止して防草効果を長期間に亘って持続させることができる。
b.被覆造成後の法面等は、透水性および保水性を有し、降雨等を地下によく浸透させることで都市型洪水の防止や地下水の涵養に寄与する他、保水された水分が蒸発することにより、ヒートアイランド現象の防止に寄与する。
c.被覆造成後の法面等は、基盤が固く強度があるため豪雨や凍上等による施工面の侵食を効果的に抑制することができる。
d.打ち継ぎ箇所等の接着性が良く、曲げ強度等が強化されるため、ひび割れ等が発生しない。
e.色調が薄茶褐色であり、周辺環境に違和感を与えることがない。
f.長年経過すると、土壌化するので、産業廃棄物が発生しない。
g.刈り取った草木等を乾燥または炭化して使用するので、炭酸ガスの発生を抑制すると共に、その炭化物により車等から排出される二酸化窒素、一酸化炭素等の有害ガスを吸着固定化することが期待できる。
h.二酸化窒素、一酸化炭素等の有害ガスの浄化機能を有する。
上述したように、現在、日本国中には多くの道路や鉄道が作られ、車両や人が通行しているものの、道路や鉄道等の周辺には、とくに夏期において植物が急速に生育して、交通障害をきたすことがある。そのため毎年、草刈りや防草工事等を行い交通障害を防止することが必要である。
上述したように、従来、種々の防草工法の提案があるが、環境改善や豪雨対策まで考慮した工法は少ない。例えば、石炭灰にセメントを混合した資材に木材チップを混合して防草を図る従来方法などがそれである。実際、この工法の場合、配合すべき木材チップは、乾燥等の処理を行っていない植物であるから、水分が多く(≧20mass%)含まれており、また、炭水化物やアミノ酸、糖類、脂肪酸、リグニン、セルロース等の有機物質を含有しているので、セメントの固化反応を阻害し、強度の低下を招く他、その木材チップ自体は短期間のうちに微生物等によって分解されることになる。従って、この従来技術の場合、木材チップを配合したとしても基盤材の強度はなお低く、その強度さえも短期間のうちに低下することが知られている。しかも、クラック等も発生するので、防草効果を長期に亘って維持することは難しい。
その他、石炭灰にセメント等を混合して、透水性や保水性を付与した舗装材等の提案もあるが、圧縮強度は期待できたとしても、繊維補強材が入っていないため、曲げ強度や引っ張り強度が低く、凍上等によりクラック等が入りやすく、その場所(クラック)から植物が生育するため防草効果が低い。さらには、透水性や保水性の有効性も低く、景観的にも問題がある。この点に関し、強度を発現させるためにセメントを多量(350kg/m以上)に使用したとしても、それでは空隙を埋めることになり、モルタルと同様に透水性や保水性がなくなる。
本発明は正に、従来技術が抱えているこれらの問題点を考慮して開発した防草処理方法である。
即ち、本発明は、法面施工用基盤材が、セメントや消石灰、ドロマイト等の固化反応物質と水とがポゾラン反応を起こして固化し、透水性や保水性を発現するようにするために、可溶性珪酸および可溶性アルミナのいずれか少なくとも1を合計で40mass%以上含み、多孔質で透水性や保水性のある火山灰やボラ、白土、焼却灰等の多孔質無機資材を基盤材の主成分として使用することにした。この多孔質無機資材は、砂等の通常の骨材とは異なり、セメントや石灰、ドロマイト等の固化反応物質の使用量を抑制しても強度がでるため、固化反応物質の使用量を大幅に削減できる。しかも、これらの資材は、固化反応物質で空隙等が塞がれるようなことがないため、透水性や保水性を確保する上で有効である。
そして、本発明では、上記多孔質無機資材の使用に加え、繊維補強材として機能する乾燥植物資材を混入させる点に、大きな特徴がある。一般に、植物を混合させる場合、植物に含まれる固化反応阻害物質等の作用により固化反応物質を多量に使用しないと、強度の向上を確保することができない。しかも無処理の植物は、上述したとおり、多量の水分をはじめ種々の有機物等をも含有していることから、微生物等により短期間に炭酸ガス等に分解される。また、水分等を多く含有していると、繊維質の密度が低くなるので、強度があまり期待できないのが普通である。そのため、例えば、家屋等を作る場合には、木材等を乾燥させて強度を発現させた上で使用するのが普通である。
即ち、上述した欠点を有する植物も、これを乾燥して使用すると、建築用木材と同様に大きな強度を発現させることができると考えられる。本発明は、こうした乾燥植物資材というものに着目した。その理由は、植物には、一般に、微生物等による植物の分解を抑制するタンニンやヒノキチオール、ポリフェノール類等が含まれており、これを乾燥処理することにより、これらの濃度を増加させることができ、ひいては植物分解速度が抑制できることがわかった。また、乾燥処理した植物に対し、さらにタンニンやヒノキチオール、ポリフェノール類等を含浸させても、植物の分解を抑制できることが判明した。
なお、発明者らの研究では、植物の乾燥水分を10mass%以下にすると、セメント等の固化反応物質の固化反応を阻害する物質等が減少し、植物繊維の強度も増加することが判った。その理由は、水分を10mass%以下にすると、樹皮等に含まれるタンニンやヒノキチオール等の腐食等を抑制する物質の濃度を高めることができるからである。従って、本発明においては、前記乾燥植物資材に対し、さらにタンニンやヒノキチオール等の腐食等を抑制する物質を乾燥植物資材1000リットル対し0.1kg〜1kgを含浸させてなる植物資材を用いてもよい。
なお、本発明では、前記乾燥植物資材に対しては、さらに酢酸ビニル乳化樹脂などの水溶性ポリマーや水ガラスを含浸させると、曲げ強度がより高い混合基盤材ができることもわかった。
また、本発明では、前記混合基盤材に対し、さらにアルミン酸カルシウムまたは珪酸ソーダ等の固化反応促進物質を30kg/m〜100kg/mを添加する。このように固化反応促進物質が加わることで、短時間に固化して、高強度の基盤材が得られるようになる。
要するに、本発明は、基本的には前記多孔質無機資材と、前記乾燥植物資材とを組み合わせることにより、環境や景観等に配慮した防草処理の施工が可能になるのである。
即ち、本発明では、基本的な配合として、可溶性珪酸および/または可溶性アルミナを合計で40mass%以上を含む、火山灰やボラ、白土、石炭灰等の焼却灰、鹿沼土、赤玉土等の多孔質無機資材を40〜75vol%に、乾燥処理して水分を10mass%以下にした乾燥植物資材を25〜60vol%とからなる基盤材に対し、ドロマイトやセメント、消石灰のいずれか1以上の固化反応物質を50kg/m〜200kg/mと、アルミン酸カルシウムまたは珪酸ソーダ等の固化反応促進物質を30kg/m〜100kg/mと、そして25〜50vol%の水からなるものにする。
前記の配合において、多孔質無機資材は、これの量が合計で40vol%未満では、防草基盤材の色が、土色に近い色になり透水性や保水性もあって、環境にマッチしたものになるが、固化資材の強度が弱く、防草効果が低い。一方、その配合割合が、75vol%超では、固化資材の強度はでるが、透水性や保水性が低くなり、モルタルに近い色になるので、景観的にもよくない。従って、本発明において、多孔質無機資材の配合量は40〜75vol%とする。
次に、上記多孔質無機資材に対しては、乾燥処理を行った植物資材を加える。この乾燥植物資材は、これの配合量が25vol%未満では、強度が確保でき防草効果も高いが、透水性や保水性、景観性等の点で問題があり、一方、60vol%超になると、固化資材の強度が低くなり防草効果も期待できなくなる。従って、本発明において、この乾燥植物資材は25〜60vol%を配合する。
なお、本発明で用いる植物資材としては、腐食しにくいことから昔から神社等の屋根として利用されていた杉や檜の皮(マルチング材)の他、マツ科、イチイ科、ブナ科あるいはニレ科等に属する樹木の樹皮、木質片、草本類のいずれについても乾燥したものであれば使用が可能である。
本発明では上記の各資材に加えてさらに、ドロマイト、セメント、消石灰のいずれか1以上の固化反応物質を、外数で200kg/m超を加える。そうすると、基盤材の強度を高くすることができ、防草効果が上がるが、空隙がふさがれ、透水性、保水性が低下する。一方、この固化反応物質の添加量が50kg/m未満では、基盤材としての必要な強度が出ないので、この場合もまた防草効果は低い。従って、本発明において、この固化反応物質は、外数で50〜200kg/mを基盤材に対して加えたものとする。
本発明においては、上記混合基盤材中に、樹木や草木植物の炭化物や燻製物(水分:3.5〜5mass%)を、25〜60vol%の範囲内で使用することもできる。このような配合にすることにより、植物の分解をほとんどなくすことができ、安定した防草基盤の造成が可能になる他、炭化したこれらの成分が、自動車等から排出される二酸化窒素等の有害ガスも吸着する作用を発揮する。
また、乾燥植物資材に対しては、酢酸ビニル樹脂やアクリル樹脂、エポキシ樹脂などの水溶性ポリマーあるいは水ガラスを含浸させると、植物繊維の引っ張り強度や曲げ強度が、大幅にアップするため、より有効な防草基盤を造成することができる。
なお、上記基盤材に対し、水溶性ポリマーあるいは水ガラスを1〜10kg/m程度添加した場合には、アスファルトやコンクリート等との接着性が良好になり、打ち継ぎ箇所の強度を上げることができると共に、打ち継ぎ箇所からの植物の発芽生育も防止できる。
また、本発明では、上記の混合基盤材中にさらに、酸化チタンを添加することができる。この場合、施工した法面の層で、酸化チタンと太陽光による酸化反応が起こり、一酸化炭素や二酸化窒素等の有害ガスを酸化し浄化する作用を発揮することになる。
次に、本発明において、乾燥植物資材の製造は、たとえばスクリューを備え、ヒータもしくは熱風の導入ができる乾燥機などを用いて、90〜110℃程度に加熱することにより、70〜80mass%程度の水分を10mass%以下にすることで行なう。この乾燥処理は、天日乾燥(晴天時に1〜3日程度)に併せて行うとよい。
施工の方法としては、例えば、法面(一部は平坦部)に、天日乾燥した、もしくは機械乾燥した杉や檜の皮と火力発電所等から排出されるクリンカーアッシュ(石炭灰)とを、粉砕混合し、粒度調整をして製造した樹皮マルチソイルとセメントおよび水を所定の割合で混合し、一定の厚さに吹付けることにより行う。なお、法面の場合は、流下水、凍上等による浸食防止や造成基盤の保持等のため必要に応じてラス張工を併用する。(ラス張基準は、法面吹付緑化工法やモルタル吹付工法の基準に準ずるが、勾配が1:1より急勾配の場合は必要である)
上記クリンカーアッシュは、多孔質で透水性があり、軽量である他、可溶性シリカが多く含有されているため、一般的に使用されている砂等の骨材とは異なり、少量のセメントや消石灰等でも容易に固化反応(ポゾラン反応)を起こし固化するので好ましい資材である。
固化した基盤は、土壌硬度が植物の発芽生育に困難な土壌硬度(山中式土壌硬度で27mm以上)になるため、飛来した種子の生育は困難であり、かつ生育している植物をこの資材で被覆することにより、生育を長年にわたり防止できる。
下記表1に、代表的な1m当たりの吹付け資材の配合例を示す。
Figure 0005364836
(実施例1)
各種の資材を所定の割合で混合し、モルタル吹付機で吹付け、強度、植物の腐食分解性や防草性能、透水性、保水性、景観性を検証したので、その結果を表2、表3に示した。
その結果、植物を乾燥処理しない方法では、植物からでる物質等により固化反応の阻害や植物の分解等により防草効果が低いという結果となった。しかし、本発明に適合する例では、防草効果があり、環境面でも有効であった。なお、比重は、通常のモルタル(比重:2.1〜2.5)より軽く、1.3〜1.8であり、保水量も重量あたり10〜35mass%の保水量があった。
(実施例2)
基本的には実施例1と同じ配合の試験を行う際に、さらに酢酸ビニル乳化樹脂を混合した資材についての試験では、コンクリートやアスファルト等の接着が良好で、打設後の接合部に隙間が発生しなかった。
(実施例3)
上記資材に酸化チタンを添加した資材(表3、資材No.22)では、表層で酸化反応等がおこり大気中の二酸化窒素等の減少が認められた。
(実施例4)
上記資材に植物の炭化物を混合した資材(表2、資材No.10、No.11、表3、資材No.24、No.25)では、大気中の窒素酸化物等の有害ガス等を吸着する効果が認められた。
(実施例5)
表2、表3で固化した防草基盤に、風化促進試験として酸性雨を半年間散布し、基盤の風化状況を検討した。その結果、約4300時間後に土壌化した。
Figure 0005364836
Figure 0005364836
本発明は、基本的には道路法面等の防草被覆工法を提案するものであるが、歩道用表面舗装被覆材工法、河川堤防被覆材工法などとしても有効な方法である。

Claims (5)

  1. 可溶性珪酸および/または可溶性アルミナを合計で40mass%以上含む多孔質無機資材40〜75vol%と、乾燥処理して水分を10mass%以下にした乾燥植物資材25〜60vol%とからなる基盤材に対し、外数で、ドロマイト、セメントおよび消石灰のいずれか1以上の固化反応物質を50kg〜200kg/mと、アルミン酸カルシウムまたは珪酸ソーダからなる固化反応促進物質を30kg/m〜100kg/mと、そして25〜50vol%の水を混合し、得られた混合基盤材を被施工面に吹付けまたは打設して、その表面を被覆することを特徴とする道路法面等の防草処理法。
  2. 可溶性珪酸および/または可溶性アルミナを合計で40mass%以上含む多孔質無機資材40〜75vol%と、乾燥処理して水分を10mass%以下にした乾燥植物資材に水溶性ポリマーあるいは水ガラスのいずれか1以上を含浸させてなる資材25〜60vol%とからなる基盤材に対し、外数でドロマイト、セメントおよび消石灰のいずれか1以上の固化反応物質を50kg〜200kg/mと、アルミン酸カルシウムまたは珪酸ソーダからなる固化反応促進物質を30kg/m〜100kg/mと、そして25〜50vol%の水を混合し、得られた混合基盤材を被施工面に吹付けまたは打設して、その表面を被覆することを特徴とする道路法面等の防草処理法。
  3. 前記乾燥植物資材は、タンニンやヒノキチオールのような腐食抑制物質を当該乾燥植物資材1000リットルに対し0.1kg〜1kgを含浸させてなるものであることを特徴とする請求項1または2に記載の道路法面等の防草処理法。
  4. 前記混合基盤材は、さらに、酸化チタンを該混合基盤材の0.1〜5vol%に相当する量を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1に記載の道路法面等の防草処理法。
  5. 前記混合基盤材は、さらに樹木や草本植物の炭化物または燻製物を含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1に記載の道路法面等の防草処理法。
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