JP4351719B2 - 地面被覆工及び地面被覆工法 - Google Patents

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本発明は、道路脇の法面などの雑草の繁茂を抑制するための地面被覆工及びその工法に関する。
従来から、法面の安定化と防草を目的として、法面にモルタルを吹き付ける法面保護工が各地で施工されてきた。しかし、モルタルの吹きつけによるものは、吹き付けられたモルタルは周囲の土色に比べて白く目立ち、自然景観が破壊されるという問題がある。そのため、近年、法面工事では、環境保全重視の社会的な情勢を受け、法面を完全にモルタルで覆い尽くすモルタル吹付は敬遠され、法面を緑化する植生基材吹付工を採用する場合が多くなってきている。しかし、植生基材吹付工では、年月の経過により、最終的には法面が外来植物(雑草)で覆われるため、景観上好ましくない。そこで、最近では、法面に、生やしたい郷土種樹木の苗を植栽する事業が積極的に行われている。しかし、これらの郷土種樹木は、雑草やツタ類(クズ、フジなど)に比べて生育が遅いため、十分に生育するまでは法面の定期的な除草作業が必要となり、メンテナンスのコストがかかることが問題となっている。
また、盛土などにより形成される道路脇の法面では、施工完了後、年月の経過により植物が繁茂し、走行車両の視界の妨げになったり、歩行者や自転車の通行の妨げになる。また、路肩に雑草やツタ類が生えていると、タバコの投げ捨てによる火災が発生しやすくなるという問題もある。従って、特に農村部や山間部では、頻繁な除草等の道路管理が必要とされる。
そこで、近年、法面における雑草やツタ類などの不要な植物の繁茂を抑制するため、法面などの地面を防草素材で被覆することによって不要な植物の繁茂を抑制する防草工が採用されるようになってきている。このような防草工としては、大きく分けて、地面を防草シートや防草パネルなどのシート状又はパネル状の被覆材で被覆する構造(以下「表面被覆防草工」という。)や、モルタルなどの凝固剤を吹き付けるなどにより地表を硬化して防草層を形成した構造(以下「表面硬化防草工」という。)などが知られている。
表面被覆防草工では、被覆材として、防草シート、防草パネル、防草ブロック等が使用される。防草シートとしては、光を通さないゴムやプラスチックのシート、その他、麻、綿、再生繊維、合成繊維等のフェルト状シート(マット)等が使用され、雨水、法面流下水は通すが植物の通芽を防止可能なものが用いられる(特許文献1〜5参照)。防草シートを用いる場合、路肩法面に防草シートを敷設して、その縁部と内部の所定箇所をアンカーピンで固定したり(特許文献1−4参照)、防草マットの上面に石礫などの重しを敷き詰めたりして防草マットを固定する。また、防草パネルとしては、コンクリートパネル(特許文献6,7,15)、WPC(Wood-Plastic Combination)パネル(特許文献8)、ウッドパネル(バイオマスボード)(非特許文献1、特許文献9,10)などが使用され、これらを法面に隙間なく敷き詰めることによって防草効果を得るものである。また、防草ブロックとしては、コンクリートや木材(特許文献11参照)が使用され、これらを法面に隙間なく敷き詰めることによって防草効果を得るものである。
一方、表面硬化防草工では、水硬化性バインダを含む硬化剤を、路肩法面などの施行箇所の全面乃至略全面に覆設して、施行箇所表面に雑草が生えない程度にまで硬化させた硬化層を形成し、防草効果を得るものである。硬化剤としては、一般にはモルタル、コンクリート、ソイルセメントなどが広く用いられている。しかし、上述のようにモルタルのみの吹きつけによるものは、吹き付けられたモルタルが周囲の土色に比べて白く目立ち景観破壊の問題があるため、マサ土や自然土を混合して周囲の土色に近い色合いを出す方法が採用される。
特許文献12には、無機質繊維(ロックウール、スラッグウール、グラスウール、セラミックファイバ等)及び無機水硬性バインダ(ポルトランドセメント、高炉セメント、白色セメント、石膏系、石灰系、スラグ−石膏系、明礬−石灰系、漆喰等)を主材とする無機材料と水を、施工場所の全面又はほぼ全面に吹き付けて一体化した表面硬化防草工が記載されている。
特許文献13には、自然土に対して少量のセメント、及び骨材を添加して所定の粒度分布の粒体を製造し、この粒体表面にバインダをコーティングし、バインダがコーティングされた粒体を施行箇所に敷設して、その表面を転圧して形成される表面硬化防草工が記載されている。
非特許文献2には、施工現場内で発生した根株及び枝葉をチップ化して、これにセメントを混入してソイルセメントとし、更に補助骨材として発泡ガラス、ゼオライトを混合して路肩法面に吹き付ける表面硬化防草工が記載されている。
非特許文献3,特許文献14には、酸化マグネシウムと異種金属塩(硫酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、塩化マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸アルミニウム、硫酸第一鉄、ポリ塩化アルミニウム、明ばん、仮焼明ばん石、過リン酸石灰、硫酸亜鉛から選ばれる1種又は2種以上を組み合わせたもの)とを含有する土壌用硬化剤を基礎上に均一に敷設した後、締め固め、又は表面に硬化促進剤水溶液を散布して形成された表面硬化防草工(「ジオベスト工」)が記載されている。
非特許文献4,5には、間伐材・家屋廃材等を破砕したチップ材と接着剤を吹付機内で撹拌した物を、コンプレッサーのエアーにより法面・地盤(法面等)に吹き付けることにより、主に法面の浸食や植生の繁茂を防止する表面硬化防草工(「リサイクル木材チップ吹付工」)が記載されている。施工方法は、モルタル吹付と同等の施工法(すなわち、清掃〜ラス張り〜吹付)である。この工法では、細粒分の少ないチップ材同士に、接着剤による接点を持たせ、空気圧力により締まったチップ層を形成させることにより、傾斜のついた法面でも5cm〜15cm程度の硬化層の厚みを確保し、雑草の繁殖を抑えている。
非特許文献6,特許文献16には、CCソイルマルチング工法による表面硬化防草工が記載されている。CCソイルマルチング工法では、まず、法面に一定間隔にCCソイルマルチVUを設置する。次に、CCバーク、洗い砂、セメント、不溶出剤を特殊配合したモルタル状のもの(CCソイルモルタル)を打設する。CCバークとは、杉(Cedar)と檜(Cypress)のの皮の混合物である。そして、CCソイルマルチVUを外してマツバギク等の地被類を4〜10本/mの植栽密度で植栽し、地被類が適宜な間隔で植栽された表面硬化防草工を形成する。CCソイルマルチモルタルは、この地被類が成長する間の雑草の発芽生育を抑制する役目を果す。また、CCソイルモルタルは、モルタルにCCバークという繊維状のものが混合されているため、柔軟性・透水性・保水性を有する。そして、3〜4年で表面から凍結融解を繰り返しながら風化し、地被類が生育していく過程で地被類の根が進入できるようになる。
非特許文献8,特許文献17には、軽焼マグネシア系土壌硬化剤と糊材のスラリーを地表面に薄く散布することによって、降雨等に伴う土壌浸食の防止及び雑草抑制の方法が記載されている。
特開2000−73370号広報 特開2005−307518号公報 特開2006−177122号公報 特開平9−154420号公報 特開平10−131193号公報 実開平6−43022号公報 特開平11−6122号公報 実用新案登録第3134088号明細書 特開2005−218384号公報 特開2004−82657号公報 特開2004−183270号公報 特開2002−54150号公報 特開2002−186410号公報 特開2005−154735号公報 意匠登録第1144161号公報 特開2004−187587号公報 特開2004−166627号公報 特開2004−154071号公報 中川哲也,「発生木材の新たな活用について」,[online],平成15年11月18日,平成15年度国土交通省技術研究会,[平成19年10月31日検索],インターネット,<URL : http://www.mlit.go.jp/chosahokoku/h15giken/program/jiyuu_ippan.htm> 古賀祐治,「根株等チップを使用した防草対策について」,[online],平成18年10月25日,第50回農業土木学会東北支部研究発表会,[平成19年10月31日検索],インターネット,<URL : http://www.green.go.jp/area/seibi-nou/touhoku/morioka/gakkai/pdf/2006koriyama.pdf> 株式会社武井工業所、松田技研工業株式会社,「茨城県土木部における新技術等の促進活用 積極活用 A.公報 ジオベスト防草」,[online],平成19年10月17日,茨城県土木部HP,[平成19年10月31日検索],インターネット,<URL : http://www.pref.ibaraki.jp/bukyoku/doboku/01class/class03/07netis/B_seihin/B06025.pdf> 白藤季光,「新工種・工法 木チップを利用した切土法面保護工の施工事例」,林道,林道研究会,2002年4月,Vol.39, No.1 (通号 369),pp. 18〜22. 株式会社親和テクノ,「リサイクル木材チップ吹付工」,[online],2007年7月25日,株式会社親和テクノHP,[平成19年10月31日検索],インターネット,<URL : http://www.shinwa-techno.co.jp/doc/chip/index.html> 株式会社東北緑進総合,「雑草を抑制し環境にやさしい「花と緑の道路景観」を目指して CCソイルマルチング工法 Ver1.7」,[online],2002年8月3日,株式会社東北緑進総合HP,[平成19年10月31日検索],インターネット,<URL : http://www1.odn.ne.jp/ryokusin/cc_soil.pdf> セメント系固化処理土検討委員会,「セメント系固化処理土に関する検討最終報告書(案)」,[online],平成15年6月30日,国土交通省HP,[平成19年10月31日検索],インターネット,<URL : http://www.mlit.go.jp/tec/kankyou/kurom/pdf/hokoku.pdf> 藤森新作、谷本岳、若杉晃介,「軽焼マグネシア系土壌硬化剤による地表面マルチング技術」,[online],2004年12月28日,独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構・農村工学研究所・農地整備部・水田整備研究室,[平成19年10月31日検索],インターネット,<URL : http://nkk.naro.affrc.go.jp/library/publication/seika/seikajyoho/2002/22/22.html> 宇部マテリアルズ株式会社,「軽焼マグネシア系土壌硬化剤による地表面マルチング技術」,[online],宇部マテリアルズ株式会社HP,[平成19年10月31日検索],インターネット,<URL : http://www.ubematerials.co.jp/cgi-bin/prod3.pl?00001> 山口新聞,「海水系物質、広がる用途 「土壌硬化」「水質改善」材に」,2007年7月20日(金)記事,みなと山口合同新聞社 R100ソイル工法研究会,「エコダー工法」,[online],R100ソイル工法研究会HP,[平成19年10月31日検索],インターネット,<URL : http://www.r100-soil.net/modules/tinyd0/index.php?id=18>
上述した従来の防草工のうち、防草シート、防草パネル、防草ブロック等を利用した表面被覆防草工は、現在最も広く使用されている。しかしながら、防草シートは破損しやすく、破損部分から草や雑木が生え始めて徐々にその範囲が広がるという問題がある。また、防草ブロックや防草パネルは、ブロックやパネルの隙間から草や雑木が生え始めて繁殖することが多い。また、ブロックやパネルは形状が規格化されているため、法面の形状に合わせて柔軟に適合した形状で充填することが難しいため、法面の加工形状に一定の制約が加わり、利便性に欠けるという問題がある。
一方、表面硬化防草工の場合、凝固剤を法面に吹き付けて凝固されるため、上述のような表面被覆防草工で生じるような問題は発生しない。施工性の面からは、法面防草工として表面硬化防草工が優れている。
しかしながら、上記従来の表面硬化防草工のうち、セメントやセメント系硬化剤(以下「セメント系硬化剤」という。)を使用するもの(特許文献12、特許文献13、非特許文献2、非特許文献6,特許文献16)については、硬化したセメントが再利用できないため、廃棄物が発生するという問題がある。例えば、仮設道路の防草を行う場合において、仮設道路の道路法面の表面にセメント系硬化剤を覆設した場合、当該仮設道路を取り壊す際に、硬化剤として使用した硬化したセメントが廃棄物として発生し、その廃棄物処理が必要となる。また、セメント系硬化剤の中には六価クロムが含有されており、再利用する場合も六価クロムの溶出問題について慎重な調査・検討が必要となる(非特許文献7参照)。
また、セメント系硬化剤は乾燥により収縮する性質を有する。従って、法面に自然土と混合したセメント系硬化剤を吹き付けて乾燥させると、セメント部分の乾燥収縮により多数の微小な罅隙が生じ、その罅隙により風化が促進される。そのため、耐候性が低く、防草効果を長期間持続させるためには、自然土に混合するセメント系硬化剤の分量を多くするか、硬化層の厚みを厚くする必要があり、比較的多量の硬化剤が必要となるという問題がある。
また、表面硬化防草工の利用として、防草目的以外にダム湖の湖岸の保護に利用される場合もある。ダム湖の水位は洪水調節や各種用水供給のため季節によって大きく変動し、水没と露出を繰り返すため、ダム湖の湖岸には帯状の裸地が出現することが多くある。このように裸地となった湖岸法面は不安定で崩壊しやすく、崩壊により発生する土砂がダム湖の固定に堆積しダム容量が減少するという問題がある。そこで、ダム湖の湖岸法面に表面硬化防草工を適用して湖岸法面の表面を硬化して安定化することが行われる。このとき、硬化剤としてセメントやセメント系硬化剤を使用する場合、硬化したセメント中に多数生じる空隙に水が侵入し、水和セメント中のカルシウム化合物は、侵入した水により炭酸カルシウムをつくり僅かずつ溶解し、ダム湖水に溶け出す。そのため、ダム湖水の炭酸カルシウムの濃度が高くなると、水がアルカリ化する、導水管に炭酸カルシウムが付着して閉塞を生じるなどの種々の弊害が発生するという問題が生じる。
一方、非特許文献3,特許文献14に記載のジオベスト工においては、セメント系硬化剤の代わりに酸化マグネシウムを使用している。酸化マグネシウムはセメント系硬化剤とは逆に、硬化時に膨張する性質を有する。従って、セメント系硬化剤に比べて風化が生じにくい。
しかしながら、酸化マグネシウムと異種金属塩を含有する土壌用硬化剤は、締固めを行わなければ硬化すると崩解しやすくなる。そのため、ジオベスト工では、土壌用硬化剤を基礎上に均一に敷設した後、締め固が必要である。一般に締め固めは、振動コンパクタ、振動ローラ、章動ローラ、パワーショベルなどの重機による転圧によって行われたり、小手などを用いて手作業による押し固めにより行われる。従って、平地に適用することは容易であるが、法面のような傾斜地では締め固め作業が難しく、作業労力が大きいという問題がある。
また、実際に従来使用されている酸化マグネシウムは、中国北東部などで産出するマグネシウム鉱石から製造したものが使用されている。マグネシウム鉱石から製造した酸化マグネシウムは、純度が低く不純物が多く含まれている。そのため、純度の高いものに比べて硬化しにくく、比較的多量の硬化剤を使用する必要がある。また、不純物にはヒ素のような有害物質が含まれる場合もあり、安全性の面から再利用が困難であり、上述のように仮設道路などの防草工に使用した場合には、道路取り壊し後に廃棄物が発生し、廃棄物処理が必要となる。特に、ヒ素などの有害な不純物が含まれていると、環境中にその不純物が拡散されることは好ましくないため、無害な水準まで不純物を除去する処理が必要となり処理コストがかかるという問題がある。
また、非特許文献4,5に記載のリサイクル木材チップ吹付工の場合、家屋廃材が混入しているため、リサイクルすることができず、上述のように仮設道路などの防草工に使用した場合には、道路取り壊し後に廃棄物が発生し、廃棄物処理が必要となる。また、接着剤によりチップ材を結合させて硬化強度を得ているが、この接着剤には樹脂系接着剤が使用されており透水性がないため、水の浸透が妨げられる。従って、法面に適用した場合に、硬化層が法面に湧き出してくる水を排出する際の障害となり、水はけが悪くなるという問題がある。また、間伐材・家屋廃材等を破砕したチップ材は、年月の経過と共に腐蝕・分解される。そして、分解された後は、チップ材が存在していた場所に孔隙が生じる。そのため、この孔隙により風化が促進され、防草効果が得られる期間が比較的短いという問題がある。
また、非特許文献8,特許文献17に記載の土壌浸食の防止及び雑草抑制の方法は、主として、耕作地の圃場において防草効果を得ることを目的としたものであって、法面に適用するには耐候性が不十分である。
そこで、本発明の目的は、自然景観にとけ込み景観破壊がなく、吹き付けにより施工することが可能であり、耐候性に優れ長期間に亘って防草効果が維持することができ、硬化剤の使用量を従来に比べて抑えることができ、仮設道路の法面などに適用した場合に法面取り壊し後にリサイクルが可能であり、更にダム湖の湖岸の安定化にも問題なく適用可能である地面被覆工及びそれを施工する地面被覆工法を提供することにある。
地面被覆工法に係る本発明の第1の構成は、竹笹類材を圧潰してなる綿状の竹短繊維、海水起源の酸化マグネシウム又は水酸化マグネシウムを含む硬化剤、及び細骨材を含有する吹付剤を水と混合して、施工地面に加圧空気により隙間なく吹き付けて硬化させることにより、草木類の根の通過を遮断する遮根層を形成する遮根層形成工程を有することを特徴とする。
この構成によれば、前記硬化剤を加圧空気で施工時面に吹き付けることで、施工地面に吹き付けられた吹付剤は吹付圧により圧締され、別途ローラや加圧器で圧締しなくても締められた状態となる。従って、法面のように、ローラや加圧器による圧締作業が困難な場所であってもよく締まった遮根層を形成することができる。そして、遮根層の硬度が高いため、草木類の根や芽は遮根層を貫通することができず、優れた防草効果が得られる。
また、酸化マグネシウム又は水酸化マグネシウムは、セメント系硬化剤とは逆に、硬化することにより膨張する性質を有する。従って、セメント系硬化剤で問題となる乾燥収縮による微小罅隙の発生による風化促進という問題がなく、比較的少量の酸化マグネシウム又は水酸化マグネシウムを硬化剤として使用することで遮根層の十分な耐候性を得ることができる。
また、竹短繊維はフィラー(補強剤)及び緩衝材として機能し、酸化マグネシウム又は水酸化マグネシウムが硬化して膨張した際に、膨張によるひび割れが生じることを防止する。また、硬化剤が硬化した際に遮根層の靱性を高める。また、竹短繊維は、木材チップと異なり細菌による分解がされにくく、硬化剤により固化された状態では長期間に亘って腐蝕することなく存在し、腐蝕による孔隙を生じさせることもない。従って、遮根層の耐候性が向上し、長期間に亘って防草硬化を維持させることができる。
また、竹短繊維は、繊維細胞の縦長組織が圧潰されており、毛管現象により繊維細胞に水を吸収しやすい。従って、保水性・通水性に優れるため、雨水や湧水を吸収して遮根層を長時間に亘って湿った状態に保つことができる。従って、遮根層表面に地被類が生育することを助けるとともに、遮根層表面の温度上昇も防止する。従って、セメント系硬化剤で硬化させた場合よりも、法面表面の温度を低く保たせることができる。また、遮根層が良好な透水性を有するので、法面に湧出する地下水は遮根層を通って表面に滲出するため、地下水による法面の脆弱化を防止できる。
また、竹チップではなく竹短繊維を使用することで、吹付剤を施工地面に吹き付ける際に、吹付材が吹付用のホース内に詰まることが防止される。すなわち、竹笹類の竹稈の繊維は強度が高く、竹を砕いただけの通常の竹チップの場合、弾性のある長い繊維質破片が多く混入する。このような長い破片は、吹付用のホース内に詰まり易く、吹き付け作業を頻繁に中断させる原因となる。一方、本発明で使用する竹短繊維は、綿状の極めて細かく砕かれた竹繊維であり、柔らかいため吹付用のホースを詰まらせることがない。従って、吹き付け作業をスムーズに行うことができる。
また、硬化剤として海水起源の酸化マグネシウム又は水酸化マグネシウムを使用することで、硬化剤中に有害不純物が含まれることがない。また、酸化マグネシウム又は水酸化マグネシウムは、植物の肥料成分でもある。従って、施工地面の取り壊しにより遮根層を破壊した廃材が生じたとしても、生じた廃材はそのまま肥料としてリサイクルすることが可能であるため、廃棄物が生じない。
また、酸化マグネシウム及び水酸化マグネシウムは水には難溶であるため、遮根層の水による溶解劣化も少ない。従って、ダム湖の湖岸の帯状の裸地の安定化の用途にも、本発明の地面被覆工法を利用することが可能である。
ここで、「竹笹類材」とは、タケ科(又はイネ科タケ亜科)の植物の竹稈又は地下茎の部分を切り出したものをいう。「竹短繊維」とは、竹笹類材を引裂潰砕し剪断して得られる、繊維細胞の縦長組織が圧潰された綿状の繊維状物をいう。「海水起源の酸化マグネシウム又は水酸化マグネシウム」とは、消石灰を使って海水から取り出した水酸化マグネシウムを単離したもの、又はそれを高温で焼成することにより得られる酸化マグネシウムをいう。「細骨材」としては、自然土、マサ土、黒土、シラス、赤玉土などの自然土色の骨材が使用される。
「遮根層」の厚さについては特に限定はしないが、十分な防草効果を得るとともにできるだけ吹付材料を節約するためには、3〜10cm程度、より好ましくは、4〜6cm程度とすればよい。
地面被覆工法に係る本発明の第2の構成は、前記第1の構成において、前記遮根層形成工程で形成した前記遮根層の表面に、前記施工地面に導入する導入植物の種子を混合した植生基材を吹き付けることにより表面基盤層を形成する表面基盤層形成工程を有することを特徴とする。
この構成によれば、遮根層によって植物の根の侵入が阻止されるため、植物は表面基盤層にのみ根を張ることができる。従って、表面基盤層を極めて薄くなるように構成すれば、土壌中深くまで伸びる根(深根)の生長は阻止され、浅い層で広がる根(浅根)のみが表面基盤層で生長する。これにより、深根性の植物の繁茂は抑制され(仮に、周辺植物が一時的に侵入しても衰退する)、地被植物(ground cover plants)のような浅根性の植物のみが生育する。また、遮根層には竹短繊維が含まれるために優れた保水性を有し、表面基盤層の過度な乾燥を抑制する効果が得られる。また、表面基盤層を浅根性の植物で覆うことにより、地面の湿度が保たれ、温度上昇が防止されると共に、景観上も美しくなる。
ここで、「表面基盤層」の厚さについては特に限定しないが、良好な防草効果を得るためには薄くする必要がある。表面基盤層を、乾燥に強い導入植物のみが生育可能な限界の薄さに設定することによって、周辺から雑草が一時的に侵入したとしても、広がることなく衰退し、導入植物のみが残るからである。具体的には、表面基盤層の厚さを10〜15mm程度とすれば、良好な防草効果を得ることができる。
「導入植物」については特に限定はしないが、地被植物のように薄い表面基盤層でも生育可能な植物である必要がある。そのような植物としては、例えば、芝草類、セダム属(ベンケイソウ科)の植物又はその近縁種やコケ植物(センタイ類)を使用することができる。セダム属の植物やコケ植物は、極めて薄い土層で生育できるため、雑草対策として使用するのに適しているからである。
具体的には、セダム属又はその近縁種としては、オノマンネングサ(Sedum lineare),コーカサスキリンソウ(Sedum spurium),タマツヅリ(Sedum morganianum),新タマツヅリ(Sedum burrito (=S. morganianum burrito)),マルバマンネングサ(Sedum makinoi),メキシコマンネングサ(Sedum mexicanum),ウスユキマンネングサ(Sedum hispanicum),ニジノタマ(Sedum rubrotinctum),オーロラ(Sedum rubrotinctum 'Aurora'),キリンソウ(Sedum aizoon var.floribundum),シラユキミセバヤ(Sedum spathulifolium ssp.pruinosum),メイゲツ(Sedum adolphii),アツバベンケイ(Sedum pachyphyllum),オオベンケイソウ(Hylotelephium spectabile ),ヒダカミセバヤ(Hylotelephium cauticolum ),ミセバヤ(Hylotelephium sieboldii ),ツメレンゲ(Orostachys erubescens ),オボロヅキ(Graptopetalum paraguayensis),グラプトペタルム・パラグアイエンセ(Graptopetalum paraguayensis 'Bronz'),タキツス(Graptopetalum bellum)などが使用できる。また、コケ植物としては、スナゴケ、ヤマゴケ、ハイゴケ、スギゴケなどが使用できる。
地面被覆工法に係る本発明の第3の構成は、前記第1の構成において、前記遮根層形成工程で形成した前記遮根層の表面に、植生基材を吹き付けることにより表面基盤層を形成する表面基盤層形成工程と、前記表面基盤層の表面に、前記施工地面に導入する地被植物の苗若しくはシュート又は蘚苔類の種苔を吹付、播苗又は手置きする播苗工程と、を有することを特徴とする。
周辺からの雑草の侵入を抑制するためには、一般に表面基盤層は薄く(通常、10〜15mm程度)施工されるため、施工地面に導入する地被植物の苗若しくはシュート又は蘚苔類の種苔は定植する(植え付ける)ことはできない。そのため、これらの苗等は、表面基盤層の表面に吹付、播苗又は手置きにより導入する。2〜3週間が経過すると、降雨により自然に表面基盤層になじみ、導入植物の根が表面基盤層に活着し又は表面基盤層内に発根する。このように、導入植物の苗等を導入を吹付、播苗又は手置きにより行うことで、法面での作業が容易となり、導入作業を効率的に行うことができる。
ここで、「地被植物」としては、乾燥に強い浅根性の植物やコケ類が使用される。例えば、上述した、芝草類、セダム属(ベンケイソウ科)の植物又はその近縁種やコケ植物(センタイ類)などである。「苗」とは、根の付いた状態の幼植物をいう。「シュート」(苗条)とは、葉の付いた茎の部位を枝幹から切り出したものをいう。
地面被覆工法に係る本発明の第4の構成は、前記第1乃至3の何れか一の構成において、前記遮根層形成工程の前に、前記施工地面を緑化するための樹木の苗を前記施工地面に植樹する植樹工程を有し、
前記遮根層形成工程において、
前記樹木の苗が植樹された前記施工地面に、前記吹付剤を水と混合して加圧空気により隙間なく吹き付けて硬化させることにより、前記遮根層を形成することを特徴とする。
この構成によれば、施工地面を、目的の樹木によって緑化することができるとともに、樹木間の地面は遮根層によって防草される。従って、織成した樹木の苗の間に雑草やツタ類が繁茂して樹木の日照が妨げられることが防止され、選択した樹木のみを良好な状態で生育させることができる。また、除草等のメンテナンスにかかる労力も軽減される。
地面被覆工法に係る本発明の第1の構成は、表層に、竹笹類材を圧潰してなる綿状の竹短繊維、海水起源の酸化マグネシウム又は水酸化マグネシウムを含む硬化剤、及び細骨材を含有する吹付剤を水と混合して、施工地面に加圧空気により隙間なく吹き付けて硬化させた遮根層が形成されていることを特徴とする。
地面被覆工法に係る本発明の第2の構成は、前記第1の構成において、前記遮根層の表面に、前記施工地面に導入する導入植物の種子を混合した植生基材を吹き付けることにより表面基盤層が形成されていることを特徴とする。
地面被覆工法に係る本発明の第3の構成は、前記第1の構成において、前記遮根層の表面に、植生基材を吹き付けることにより表面基盤層が形成され、当該表面基盤層の表面に前記施工地面に導入する地被植物の苗若しくはシュート又は蘚苔類の種苔が吹付、播苗又は手置きにより導入されていることを特徴とする。
地面被覆工法に係る本発明の第4の構成は、前記第1乃至3の何れか一の構成において、前記施工地面には、樹木の苗が植樹されており、
前記遮根層は、前記樹木の苗が植樹された前記施工地面に、前記吹付剤を水と混合して加圧空気により隙間なく吹き付けて硬化させることにより形成されていることを特徴とする。

以上のように、本発明によれば、吹付材に骨材として土色の骨材を使用することで、地面被覆工が自然景観にとけ込み易くなり、地面被覆工の敷設により景観が破壊されることを防止できる。また、竹チップではなく、竹笹類材を圧潰してなる綿状の竹短繊維を使用したことで、竹が吹付ホースに詰まって閉塞を生じることがなくなり、地面被覆工を吹き付けにより施工することが可能となる。また、木材チップではなく竹短繊維を使用することで、長期間に亘って腐蝕せず維持され、長期に亘り防草効果・保水効果を維持させることができる。また、硬化剤として海水起源の酸化マグネシウム又は水酸化マグネシウムを含む硬化剤を使用することで、セメント系硬化剤よりも耐候性に優れ長期間に亘って防草効果が維持することができる。また、海水起源の酸化マグネシウム又は水酸化マグネシウムは、鉱物起源のものに比べて純度が高いため、硬化しやすく、硬化剤の使用量を従来に比べて抑えることができる。また、不純物として有害物質が含有されておらず、また酸化マグネシウムや水酸化マグネシウムは肥料でもあるため、仮設道路の法面などに適用した場合に法面取り壊し後にリサイクルが可能である。更に、酸化マグネシウムや水酸化マグネシウムは水に難溶であり、セメント系硬化剤のように水に溶け出して水をアルカリ化することもないため、ダム湖の湖岸の安定化にも問題なく適用可能である。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら説明する。
本実施例の地面被覆工では、吹付剤として、以下に説明する綿状の竹短繊維、硬化剤、及び細骨材を使用する。
〔1〕吹付材の製造方法とその特徴
以下、各材料の製造方法とその特徴について説明する。
(1)綿状の竹短繊維
本実施例の竹短繊維は、竹笹類材を圧潰して綿状にすることにより製造される。図1に竹の圧潰装置を示す。図1(a)は竹の圧潰装置の要部断面図、図1(b)は図1(a)におけるA−A線から見た矢視断面図である。尚、この竹の圧潰装置は、特許文献18に記載されたものと同様である。
圧潰装置1は、中空のシリンダ2の上面にホッパ3が付設されており、ホッパ3はシリンダ2の筒内空間4に連通している。シリンダ2は、内部にスクリューコンベヤ5を収容する円筒体であり、先端側端部は多孔端板6で閉蓋され、基端側端部(ホッパ3が付設された側の端部)は後端板7で閉蓋されている。スクリューコンベヤ5は、回転軸をシリンダ2の中心線cと共通にし、多孔端板6の軸受孔9aと後端板7の軸受孔9bとの間に回転自在に軸支されている。スクリューコンベヤ5は、周囲に螺旋状の螺旋刃8を備えており、螺旋刃8は、その先端がシリンダ2の内壁に接し、かつその螺旋ピッチtは、基端側から先端側に向かって漸減している。また、多孔端板6には、多数の小透孔10が貫設されている。また、多孔端板6のシリンダ2内側には、スクリューコンベヤ5と同軸に回転刃11が設けられており、この回転刃11はスクリューコンベヤ5とともに回転する。回転刃11は、2枚のプロペラ形状の刃からなり、その裏面は多孔端板6に密着され、多孔端板6のシリンダ2内側面上を摺動する。
竹笹類材又は竹笹類材を破砕した竹チップ材Tは、ホッパ3からスクリューコンベヤ5の筒内空間4に投入される。投入された竹笹類材Tは、スクリューコンベヤ5の回転に伴う螺旋刃8の回転によって、先端方向に向かって押されて移動する。スクリューコンベヤ5は、先端に向かうほど螺旋ピッチtが狭くなっているため、シリンダ2内の筒内空間4を移動する菅に竹チップ材Tは圧縮されると共に捻回される。竹チップ材Tは多孔端板6まで到達すると、内圧によって多孔端板6に穿孔された多数の小透孔10からシリンダ2外に押し出される。このとき、同時に回転刃11により、適当な長さに剪断される。
このようにして、多孔端板6の各小透孔10から押し出される竹笹類材は、引裂潰砕とともに剪断されて、短繊維の綿状となる。この生成物を「竹短繊維」とよぶ。竹短繊維は、繊維細胞の縦長組織が圧潰されて組織両端が解放されており、毛管現象によって組織内に水を吸収する。従って、通常の竹チップは水に入れると浮きあがるが、この竹短繊維は水に入れると水を吸収して沈降する特徴がある。
(2)硬化剤
本実施例で使用する硬化剤は、海水起源の酸化マグネシウム又は水酸化マグネシウムを含むものを使用する。「海水起源の酸化マグネシウム又は水酸化マグネシウム」とは、消石灰を使って海水から取り出した水酸化マグネシウムを単離したもの、又はそれを高温で焼成することにより得られる酸化マグネシウムをいう。すなわち、海水に消石灰を添加すると、次式のような反応によりカルシウムが溶出し、海水中のマグネシウムが水酸化マグネシウムとして沈殿する。
このようにして得られた水酸化マグネシウムを高温で焼成すると、マグネシアクリンカーが形成される。これを粉末状に破砕したものを硬化剤として使用する。このような硬化剤としては、例えば、具体的には、宇部マテリアルズ株式会社製の低アルカリ土壌硬化剤(商品名「マグナチュラル(舗装名人・防草名人)」,CAS No. 1309-48-4)を使用することができる(非特許文献9参照)。
海水起源の酸化マグネシウム又は水酸化マグネシウムは、マグネシウム鉱石から製造したものに比べて不純物が極めて少ないことが特徴である。また、ヒ素等の有害な不純物を含まないため、肥料として再利用することも可能である。特に、上記の宇部マテリアルズ株式会社製の低アルカリ土壌硬化剤(商品名「マグナチュラル(舗装名人・防草名人)」)は、肥料取締法7条に基づく肥料登録(登録番号 生第47784号)がなされており、これを硬化剤として使用すれば肥料としてのリサイクルが可能である。
(表1)に、本実施例で使用する硬化剤の化学組成を示す。尚、本実施例で使用する硬化剤の物性値は、見掛比重0.7,平均粒子径3μmであった。
(3)細骨材
細骨材としては、自然土、マサ土、黒土、シラス、赤玉土などの自然土色の骨材を使用する。周囲の景観を壊さないためである。
(4)吹付材の配合割合
吹付材の各組成物(竹短繊維、硬化剤、細骨材)の配合割合は、添加する細骨材の土質などによって適宜調整する必要があるが、本実施例では、一例として、竹短繊維、硬化剤、細骨材の配合割合は以下のようにする。
ここで、竹短繊維としては、孟宗竹の竹竿の繊維を使用した。硬化剤には、上述の宇部マテリアルズ株式会社製の低アルカリ土壌硬化剤を使用し、その成分は(表1)に示した通りである。細骨材としては、マサ土を使用した。
〔2〕法面施工方法
次に、本実施例に係る地面被覆工法について説明する。ここでは、一例として盛土道路の法面に郷土種樹木の苗を植栽して緑化を図りつつ、それらの苗の株元周囲の防草を図る防草工を敷設する。
(1)整地工程
まず、地面被覆工の施工地面の伐開除根および除草を行い、雑草の根を可能な限り取り除いた後、整地する。図2に整地された代表的な盛土法面20を示す。盛土法面20は、最下部から最上部にかけて、ブロック積法面21、小段(犬走)22、上部盛土法面23、路肩24、路床面25の順に構成されている。ブロック積法面21は、積みブロックを積み重ねて構成されている。ブロック積法面21の最下部を法尻26と呼ぶ。ブロック積法面21の上端側は水平な小段22が形成され、それに続いて上部盛土法面23が形成されている。上部盛土法面23は、自然土を圧締することにより形成される。上部盛土法面23の最上部を法肩27と呼ぶ。法肩27に続いて水平な路肩24及び路床面25が形成されている。路肩24には、ガードレール28が設置されている。
(2)植樹工程
次に、整地された小段22から上部盛土法面23にかけて、郷土種樹木の低木芽苗29を所定の間隔で植栽する。図3に、植栽された盛土法面の断面模式図を示す。郷土種樹木とは、施工場所の周辺の山野に自生する樹木であるが、常時緑化の観点から常緑低木樹を選定するのが好ましい。また、作業効率の観点から、低木芽苗29の樹高は、約40〜50cmのものが好ましい。低木芽苗29の植栽密度は、樹種によって決める必要があるが、一般的には、5本/m程度とされる。
(3)袋掛け工程
次に、植栽した各低木芽苗29に、袋かけを行う。図4に、盛土法面20の低木芽苗29に袋掛けした状態を示す。各低木芽苗29に、葉茎部を通気性のある袋体30を被せ、テープや紐により袋体30が外れないように繋縛する。ここで、低木芽苗29の株元は、主幹が露出するようにしておく。
(4)吹き付け工程
次に、上部盛土法面23から小段22にかけて、前述の吹付材31の吹き付けを行う。図5に、盛土法面20に吹付材31の吹き付けを行っている状態を示す。吹き付け作業を行う場合、上部盛土法面23の上部の路肩24に、工事用仮柵32を仮設し、作業者33は、安全のため工事用仮柵32と吊紐34で繋縛した状態で作業を行う。
吹き付け作業は、吹付材31をコンプレッサ(図示せず)により、吹付ホース35を通して吹付材31を圧送し、同時に水ホース37を通して吹付ホース35の先端部分に給水する。吹付材31と水は、吹付ホース35の先端部付近で混合され、吹付ホース35の先端に接続された吹付用ノズル36から水と吹付材31の混合物を噴射して施工地面に叩き付ける。この叩圧によって、吹付材31は施工地面表面に圧締され、施工地面表面に遮根層38が形成されていく。遮根層38の厚みは適宜決めればよいが、通常は5cm程度とされる。
上述したように、吹付材31には、細骨材として、自然土、マサ土、黒土、シラス、赤玉土などの自然土色の骨材が含まれるため、遮根層38の色合いは自然土色となり、景観を破壊することはない。
吹付材31に含まれる酸化マグネシウムは、水と反応してゲル状の水酸化マグネシウムとなる。更に、水酸化マグネシウムは土中のリン酸や空気中の炭酸ガスと反応し、リン酸マグネシウム及ぴ塩基性炭酸マグネシウムとなり強度を増大する。これにより、遮根層38は硬化し、草木類の芽や根の通過を遮断する防草効果が得られる。
図6に、硬化した遮根層38の破片を示す。遮根層38は全体的に薄茶色の色合いを呈し、竹チップを混合した場合のような竹繊維の毛羽立ちは見られない。
本実施例では、低木芽苗29を植栽した後に吹付材31の吹き付けを行うため、施工地面は低木芽苗29の株元まで吹付材31で被覆される。そのため、雑草やツタ類の生える隙間を完全に封じることができるため、優れた防草効果が得られる。また、低木芽苗29の葉茎は、袋体30で被覆されているため吹付材31が付着することがなく、施工の際に低木芽苗29に加わるストレスは最小限に抑えられる。
(5)除袋工程
遮根層38が硬化した後、各低木芽苗29に被覆されていた袋体30を取り除く。図6は、完成した実施例1に係る地面被覆工の断面模式図である。遮根層38は、小段22及び路肩24の一部と上部盛土法面23の全体を被覆し、被覆部分の雑草やツタ類の発生を長期間に亘って防止する。また、上部盛土法面23には郷土種樹木の低木芽苗29が植栽されており、これら低木芽苗29が生育することによって法面は郷土種樹木により緑化される。郷土種樹木が雑草やツタ類に負けない程度に十分に生長する間は、遮根層38により防草されるため、苗木に当たる太陽の光が遮られることはなく、郷土種樹木の日照条件は良好に保たれる。また、遮根層38は保水性・透水性に優れているため、雨水を吸収・保持し、低木芽苗29の根の乾燥を防止する。従って、低木芽苗29の生育条件が良好に保たれる。
長期間が経過して郷土種樹木が十分に成長すると、遮根層38は次第に風化していくが、風化した遮根層38は郷土種樹木の肥料となり、郷土種樹木の生育を維持することになる。
〔3〕吹付材の保水性について
最後に、吹付材31の保水性について試験を行った結果について説明する。
試験に使用した吹付材31の配合比は、(表2)に示した通りである。試験は、以下のようにして行った(図8参照)。
(1)まず、吹付材31を直方体の型に入れて硬化・天日乾燥させ、体積10cmの供試体を形成した。また、比較のため、同体積・同形状の保水マットを用意した。ここでは保水マットとして、ポリエステル繊維を使用した。
(2)次に、この供試体及び保水マットを電子天秤により計量した。供試体は20.0g、保水マットは2.0gであった。
(3)次に、供試体及び保水マットを水を張ったトレイに入れて、飽和状態となるまで水に浸漬した。この間、1分経過後、5分経過後、10分経過後に、電子天秤によりそれぞれ質量の測定を行った。
(4)次に、供試体及び保水マットを水から揚げて、風通しのよい日陰に放置して自然乾燥させた。そして、自然乾燥を開始してから1時間後、6時間後、24時間後、48時間後、72時間後、96時間後に、電子天秤によりそれぞれ質量の測定を行った。
以上のような実験を行った結果を、図9,図10に示す。図9は、供試体及び保水マットを水に浸漬したときの吸水量の時間変化を表す図である。図10は、供試体及び保水マットを自然乾燥させたときの保水量の時間変化を表す図である。
実験の結果、供試体は、絶対的な吸水量は、保水マットに比べて約1/4と小さいが、保水マットは48時間で自然乾燥によりほぼ水分を失ったのに対し、供試体は24時間以降は自重の約4%の水分を保水したまま、96時間以上の極めて長時間に亘って水分を保持することが分かる。これは、吹付材31に含まれる竹短繊維が、その繊維細胞の縦長組織内に水分を保持するためと推測される。
以上のことから、吹付材31は優れた保水性を有することが実証された。
尚、本実施例では、道路の盛土法面20に地面被覆工を適用した例を提示したが、本実施例の地面被覆工は、盛土法面以外の一般の法面の防草工や法面保護工としても同様に適用可能である。例えば、ダム湖の湖岸の湖岸法面を硬化して安定化する場合にも適用することができる。その場合、本実施例の地面被覆工は、硬化した遮根層は自然土色の色合いを呈するため、ダム湖の景観が壊されることがない。また、遮根層には、硬化剤として海水起源の酸化マグネシウムが使用されている貯め、セメント系硬化剤のように水に溶け出して水をアルカリ化するような弊害が無く、ヒ素等の生物に有害な物質も含まれていないため安全である。
図11は、盛土法面に施工された実施例2に係る地面被覆工の断面模式図である。本実施例の地面被覆工は、実施例1の地面被覆工において、郷土種樹木の植栽を省略するとともに、遮根層38の表面に、施工地面に導入する導入植物の種子を混合した植生基材を吹き付けることにより表面基盤層39を形成したことを特徴としている。それ以外の部分に関しては、実施例1と同様である。尚、図11において、図7と同様の部分については、同一の符号を付して説明は省略する。
表面基盤層39は、植生基材(客土)と、施工地面に導入する導入植物の種子とを混合したものである。植生基材の材料としては、ビートモス、化成肥料、木質ファイバー、竹短繊維堆肥、ミミズ糞土堆肥、及び粘結材を使用する。これらの材料の配合比は、施工場所の状況に応じて適宜調整される。竹短繊維堆肥は、実施例1で説明した綿状の竹短繊維30〜20部にバーク堆肥70〜80部を添加混合して100部としてなる緑化基盤材である(非特許文献11,特許文献18参照)。例えば、R100ソイル工法研究会製の商品名「エコダー」を使用することができる。粘結材は、播種した種子や基材の流出を防ぐ効果を持つ資材であり、各種製品が販売されているので適宜選択して使用することができる。例えば、栗田工業株式会社製の商品名「クリコートC-710」を使用することができる。
表面基盤層39の厚さは、10〜15mmとする。この厚さは、周辺環境により決定されるものであるが、基本的には、乾燥に極めて強い、セダム属(ベンケイソウ科)のみが生育可能な限界の薄さに設定するのがよい。表面基盤層39をこのように薄層とすることにより、周辺から雑草が一時的に侵入したとしても、広がることなく衰退するからである。
図12は、盛土法面に施工された実施例2に係る地面被覆工の断面模式図である。本実施例の地面被覆工は、基本的には実施例2の地面被覆工と同様であるが、本実施例の表面基盤層39には導入植物の種子が混合されていない。その代わり、表面基盤層39の吹き付けを行った直後に、施工地面に導入する地被植物の苗40又は蘚苔類の種苔が手播きによって播苗される。尚、法面勾配が急な場合には、播苗は無理なので、吹付又は手置きで行う。
播苗する地被植物の苗40にはポット苗やシュートを使用する。図13に、施工地面に導入する地被植物の苗又は蘚苔類の種苔の例を示す。図13(a)は、ベンケイソウ科セダム属の多年草であるメキシコマンエングサのポット苗、図13(b)はキボウシゴケ科シモフリゴケ属のスナゴケの種苔である。
ポット苗を播苗又は手置きする場合、ポットから根鉢を引き抜いた後、根鉢は必要以上にほぐさず、そのまま置いた状態とする。表面基盤層39は薄層であるため、苗40は表面基盤層39の表面に置いただけの状態となる。根鉢の土(苗土)は、苗40が風で飛ばされないための重しとなる。尚、苗40が転げ落ちる場合には、必要に応じて表面基盤層39の表面に金網を敷くようにしてもよい。このように、表面基盤層39の表面に苗40を置いた状態にしておくと、2〜3週間後には、降雨により苗40の根は自然に表面基盤層39になじみ、地被植物の根も活着する。
竹の圧潰装置である。 整地された盛土法面の断面模式図である。 植栽された盛土法面の断面模式図である。 盛土法面の低木芽苗に袋掛けした状態を示す図である。 盛土法面に吹付材の吹き付けを行っている状態を示す図である。 硬化した遮根層の破片である。 盛土法面に施工された実施例1に係る地面被覆工の断面模式図である。 吹付材の保水性試験の説明図である。 供試体及び保水マットを水に浸漬したときの吸水量の時間変化を表す図である。 供試体及び保水マットを自然乾燥させたときの保水量の時間変化を表す図である。 盛土法面に施工された実施例2に係る地面被覆工の断面模式図である。 盛土法面に施工された実施例3に係る地面被覆工の断面模式図である。 施工地面に導入する地被植物の苗又は蘚苔類の種苔の例である。
符号の説明
1 圧潰装置
2 シリンダ
3 ホッパ
4 筒内空間
5 スクリューコンベヤ
6 多孔端板
7 後端板
8 螺旋刃
9a,9b 軸受孔
10 小透孔
11 回転刃
T 竹チップ材
20 盛土法面
21 ブロック積法面
22 小段(犬走)
23 上部盛土法面
24 路肩
25 路床面
26 法尻
27 法肩
28 ガードレール
29 低木芽苗
30 袋体
31 吹付材
32 工事用仮柵
33 作業者
34 吊紐
35 吹付ホース
36 吹付用ノズル
37 水ホース
38 遮根層
39 表面基盤層
40 苗

Claims (8)

  1. 竹笹類材を圧潰してなる綿状の竹短繊維、海水起源の酸化マグネシウム又は水酸化マグネシウムを含む硬化剤、及び細骨材を含有する吹付剤を水と混合して、施工地面に加圧空気により隙間なく吹き付けて硬化させることにより、草木類の根の通過を遮断する遮根層を形成する遮根層形成工程を有することを特徴とする地面被覆工法。
  2. 前記遮根層形成工程で形成した前記遮根層の表面に、前記施工地面に導入する導入植物の種子を混合した植生基材を吹き付けることにより表面基盤層を形成する表面基盤層形成工程を有することを特徴とする請求項1記載の地面被覆工法。
  3. 前記遮根層形成工程で形成した前記遮根層の表面に、植生基材を吹き付けることにより表面基盤層を形成する表面基盤層形成工程と、
    前記表面基盤層の表面に、前記施工地面に導入する地被植物の苗若しくはシュート又は蘚苔類の種苔を吹付、播苗又は手置きする播苗工程と、
    を有することを特徴とする請求項1記載の地面被覆工法。
  4. 前記遮根層形成工程の前に、前記施工地面を緑化するための樹木の苗を前記施工地面に植樹する植樹工程を有し、
    前記遮根層形成工程において、
    前記樹木の苗が植樹された前記施工地面に、前記吹付剤を水と混合して加圧空気により隙間なく吹き付けて硬化させることにより、前記遮根層を形成することを特徴とする請求項1乃至3の何れか一記載の地面被覆工法。
  5. 表層に、竹笹類材を圧潰してなる綿状の竹短繊維、海水起源の酸化マグネシウム又は水酸化マグネシウムを含む硬化剤、及び細骨材を含有する吹付剤を水と混合して、施工地面に加圧空気により隙間なく吹き付けて硬化させた遮根層が形成されていることを特徴とする地面被覆工。
  6. 前記遮根層の表面に、前記施工地面に導入する導入植物の種子を混合した植生基材を吹き付けることにより表面基盤層が形成されていることを特徴とする請求項5記載の地面被覆工。
  7. 前記遮根層の表面に、植生基材を吹き付けることにより表面基盤層が形成され、当該表面基盤層の表面に前記施工地面に導入する地被植物の苗若しくはシュート又は蘚苔類の種苔が吹付、播苗又は手置きにより導入されていることを特徴とする請求項5記載の地面被覆工。
  8. 前記施工地面には、樹木の苗が植樹されており、
    前記遮根層は、前記樹木の苗が植樹された前記施工地面に、前記吹付剤を水と混合して加圧空気により隙間なく吹き付けて硬化させることにより形成されていることを特徴とする請求項5乃至7の何れか一記載の地面被覆工。
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